IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図1
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図2
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図3
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図4
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図5
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図6
  • 特許-燃焼設備、および制御装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】燃焼設備、および制御装置
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/44 20060101AFI20221116BHJP
   F23C 9/08 20060101ALI20221116BHJP
   F23G 5/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
F23G5/44 Z ZAB
F23C9/08 400
F23C9/08 500
F23G5/00 108Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022056371
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-04-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501370370
【氏名又は名称】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】横井 智記
(72)【発明者】
【氏名】新家谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】張 志
(72)【発明者】
【氏名】大丸 卓一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 研二
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 稔彦
(72)【発明者】
【氏名】今田 潤司
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 大峰
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 芳久
(72)【発明者】
【氏名】栗山 修平
(72)【発明者】
【氏名】澤田 伸一
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-190374(JP,A)
【文献】特開2019-174059(JP,A)
【文献】特開2014-167353(JP,A)
【文献】特開2016-191539(JP,A)
【文献】特開2019-211193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/00 - 5/50
F23C 1/00 - 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部で被焼却物を燃焼させながら搬送する炉本体と、
前記炉本体から排出された排ガスの一部を前記炉本体の内部に供給するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記炉本体の内部に供給された前記排ガスが前記炉本体の天井部に沿う壁面噴流を形成する向きで前記炉本体の炉尻に配置されており、
前記ノズルが前記排ガスを前記ノズルの開口から円錐状に広がるように供給することで、前記排ガスの一部が前記炉本体の天井部に下方側から衝突して前記壁面噴流が形成され、
前記ノズルは、前記炉尻に路幅方向に間隔をあけて複数配置され、
各前記ノズルから供給される前記排ガスが互いに合一した前記壁面噴流が形成されるように、複数の前記ノズル同士の間隔が設定されている燃焼設備。
【請求項2】
前記天井部は、前記炉尻に接続された状態で、前記被焼却物が搬送される方向に向かうにしたがって鉛直方向における高さが低くなる向きに傾斜し、
前記天井部における前記炉尻との接続箇所である後端と、前記天井部における前記後端とは反対側の前端との間の水平方向距離をXとし、
前記前端と前記ノズルの開口の中心との間の鉛直方向距離をHとし、
前記天井部と水平面とが成す角度をαとし、
前記ノズルの中心線と前記水平面とが成す角度をβとした場合に、
前記ノズルは、
atan((H/X)+tan(α))-β<10
を満たすように前記炉尻に配置されている請求項に記載の燃焼設備。
【請求項3】
前記炉本体から上方に延び、内面が前記天井部に接続された火炉を更に備え、
前記天井部は、
平面状を成す天井面と、
前記内面と前記天井面とを接続し、前記天井面から前記内面に向かうにしたがって上方を向くような曲面状を成す曲がり面と、
を有する請求項に記載の燃焼設備。
【請求項4】
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の燃焼設備の制御装置であって、
前記燃焼設備は、排ガス再循環ラインを通じて前記排ガスの一部を前記ノズルに供給するファンを更に備え、
前記排ガス中のCO濃度およびNO濃度を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づき、前記排ガス中のCO濃度とNO濃度とのうち1つ以上が増減した際に、前記ファンの回転数を増減させる調整部と、を有する制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃焼設備、および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、1次燃焼室において、2次空気供給ノズルがごみ送り方向に対向する位置に配設され、2次空気供給ノズルの噴口が火格子上のごみの上面に沿って2次空気を噴出するように向けられているごみ焼却炉が開示されている。自由噴流としての2次空気がごみの上面に沿って噴出されることにより、火炎の基部において燃焼ガスの混合および攪拌が起きるため、燃焼の促進効果が大きくなる。これにより、不完全燃焼の発生を抑制することで、未燃分が発生することを抑制している。一方、特許文献1に記載の技術では、2次空気によって1次燃焼室内のガスが押し流されるため、1次燃焼室内におけるガスの滞留時間が減少してしまう可能性がある。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、焼却炉から排出された排気ガスを自由噴流として、焼却炉内の底部に複数備えた火格子の内、乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁、および、炉内のごみ供給方向に対して後流側の炉の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給する燃焼炉の燃焼運転方法が開示されている。炉内に再循環排ガスが供給されることで、炉内の一次燃焼室の全体を燃焼空間として活用し、炉出口における窒素酸化物を低減させている。特許文献2に記載の技術では、再循環排ガスが天井壁から影響を受けて減衰しないように、再循環排ガスの供給角度が設定されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、燃焼炉の一次燃焼室において、後部供給ノズルから供給される自由噴流としてのガス流によって燃焼段で発生した未燃ガスを後壁側に引き寄せ、前部供給ノズルから供給される自由噴流としてのガス流によって乾燥段で発生した未燃ガスを前側に引き寄せた上で二次燃焼室に流れ込ませる焼却炉が開示されている。これらのノズルによって、一次燃焼室における前側の天井壁から再循環排ガスを供給するようにした従来のものと同様のサーマルNO低減に寄与している。
【0005】
また、例えば、特許文献4には、処理空間(炉本体内部)で発生した排ガスを排出する火炉の中心軸が燃焼段とは異なる位置に偏って配置され、第一ガスポートが火炉の変位方向とは反対側から処理空間内に自由噴流としての排ガスを噴出するストーカ炉が開示されている。これにより、処理空間内では火炉の変位方向とは反対側に向かう二次流れが形成されるため、火炎が火炉から離間する方向に成長する。この火炎の熱によって乾燥段における被焼却物の乾燥または後燃焼段における後燃焼が促進され、その結果、NOおよび未燃ガスの低減を実現させている。
【0006】
また、例えば、特許文献5には、燃焼用空気の一部と燃焼ガスの一部とのうち、少なくとも一のガスを自由噴流の混合用ガスとして炉内に送るノズルを備えたストーカ式焼却設備が開示されている。ノズルは、混合用ガスがストーカ上の被焼却物の燃焼で形成される火炎の頂部に向かうことが可能に設けられている。これにより、ノズルから噴出させた混合用ガスを火炎の頂部または火炎の頂部よりも上の位置に届かせることができるとされている。その結果、混合用ガスの燃焼ガスへの混合率を高めることができ、燃焼ガスに含まれる未燃分の燃焼効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第2662746号公報
【文献】特許第6116545号公報
【文献】国際公開第2020/189394号
【文献】国際公開第2021/106645号
【文献】国際公開第2020/071142号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ごみを焼却処理する燃焼設備の分野では、炉本体内における排ガスの滞留時間を増加させる技術が要求される。
【0009】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、炉本体内における排ガスの滞留時間を増加させることができる燃焼設備、および制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示に係る燃焼設備は、内部で被焼却物を燃焼させながら搬送する炉本体と、前記炉本体から排出された排ガスの一部を前記炉本体の内部に供給するノズルと、を備え、前記ノズルは、前記炉本体の内部に供給された前記排ガスが前記炉本体の天井部に沿う壁面噴流を形成する向きで前記炉本体の炉尻に配置されており、前記ノズルは、前記排ガスを前記ノズルの開口から円錐状に広がるように供給することで、前記排ガスの一部が前記炉本体の天井部に下方側から衝突し、前記壁面噴流が形成され、前記ノズルは、前記炉尻に路幅方向に間隔をあけて複数配置され、各前記ノズルから供給される前記排ガスが互いに合一した前記壁面噴流が形成されるように、複数の前記ノズル同士の間隔が設定されている。
【0011】
本開示に係る制御装置は、上記燃焼設備の制御装置であって、前記燃焼設備は、排ガス再循環ラインを通じて前記排ガスの一部を前記ノズルに供給するファンを更に備え、前記排ガス中のCO濃度およびNO濃度を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づき、前記排ガス中のCO濃度とNO濃度とのうち1つ以上が増減した際に、前記ファンの回転数を増減させる調整部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、炉本体内における排ガスの滞留時間を増加させることができる燃焼設備、および制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施形態に係る燃焼設備の構成を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る燃焼設備の要部拡大図である。
図3】本開示の実施形態に係るノズルの構成を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本開示による燃焼設備を実施するための形態を説明する。
【0015】
(燃焼設備)
燃焼設備は、例えば、都市ごみ、産業廃棄物、またはバイオマスなどを被焼却物として焼却処理するストーカ式燃焼炉である。以下では、説明の便宜上、「被焼却物」を「ごみ」と称する。ごみは、燃焼炉内で燃焼反応を発生させるための燃料である。
【0016】
図1に示すように、燃焼設備100は、燃焼炉1と、排熱回収ボイラ12と、減温塔13と、集塵装置14と、出口流路15と、煙突16と、誘引ファン17と、ごみピット18と、灰押出装置19と、灰ピット20と、排ガス再循環系統21と、排ガス濃度取得部25と、制御装置30とを備えている。
【0017】
(燃焼炉)
燃焼炉1は、内部でごみWを搬送しながら燃焼させる炉である。燃焼炉1によるごみWの燃焼に伴って、燃焼炉1からは排ガスが発生する。発生した排ガスは、燃焼炉1の上部に接続された排熱回収ボイラ12へ送られる。
【0018】
排熱回収ボイラ12は、排ガスと水との間で熱交換を行うことで水を加熱して蒸気を発生させる。発生した蒸気は、例えば、燃焼設備100の外部における蒸気タービン等の機器(図示省略)で利用される。排熱回収ボイラ12を通過した排ガスは、減温塔13で冷却された後、集塵装置14に送られる。集塵装置14でススや塵埃が除去された排ガスは、出口流路15および煙突16を通じて大気中へ排出される。
【0019】
ここで、出口流路15の中途には、燃焼炉1内で発生する排ガスを煙突16に向かって誘引可能な誘引ファン17(IDF;Induced Draft Fan)が配置されている。誘引ファン17は、燃焼炉1内から排ガスを誘引することで、燃焼炉1の内部を負圧の状態に維持する。
【0020】
燃焼炉1は、炉本体2と、燃料供給機構3と、ストーカ4と、風箱5と、排出シュート6と、火炉7と、押込送風機8と、1次空気ライン9と、空気予熱器10と、2次空気ライン11とを有している。
【0021】
(炉本体)
炉本体2は、複数の隔壁によって構成されている。炉本体2の内部には、ごみWを燃焼させながら搬送するための処理空間Vが画成されている。処理空間Vでは、ごみWが燃焼しながら搬送方向Da(図1および図2における左右方向)に搬送される。処理空間Vで焼却されたごみWは、排出シュート6を通じて炉本体2の外部に排出される。
【0022】
以下では、説明の便宜上、搬送方向Daにおける排出シュート6から燃料供給機構3へ向かう側(図1および図2における左側)を「一方側Dal」と称する。また、一方側Dalとは反対側のごみWが搬送される側(図1および図2における右側)を「他方側Dar」と称する。
炉本体2の構成については、後述する。
【0023】
(燃料供給機構)
燃料供給機構3は、ごみWを燃焼炉1の外部から受け入れるとともに、受け入れたごみWを炉本体2内部の処理空間Vに供給する機構である。本実施形態における燃料供給機構3は、ホッパ300と、フィーダ310とを有している。
【0024】
ホッパ300は、炉本体2内部にごみWを供給するための燃焼炉1の入口である。ホッパ300には、燃焼炉1の外部からクレーン182によってごみWが投入される。ホッパ300は、入口部301と、出口部302とを有している。
【0025】
入口部301は、外部からごみWが入るホッパ300における入口部分である。入口部301は、水平面に対して垂直な方向である鉛直方向Dv(図1および図2における上下方向)の上方側から供給されたごみWを下方側の出口部302へ導く。入口部301は、鉛直方向Dvに延びる筒状を成している。入口部301の下部には出口部302が接続されている。したがって、入口部301に投入されたごみWは、重力にしたがって下方側に落下する。
【0026】
以下では、説明の便宜上、鉛直方向Dvにおける上方側(図1および図2における上側)を単に「上方側Dvu」と称する。また、上方側Dvuとは反対の側(図1および図2における下側)を単に「下方側Dvd」と称する。
【0027】
出口部302は、入口部301に投入されたごみWを炉本体2内部の処理空間Vへ導くホッパ300における出口部分である。出口部302は、ごみWを炉本体2内部の処理空間Vへ供給する前に、ごみWを一時的に貯留する貯留空間Rを内部に形成している。本実施形態における出口部302は、搬送方向Daに延びる箱形形状を成している。
【0028】
フィーダ310は、ホッパ300内のごみWを炉本体2内部の処理空間Vに供給する装置である。フィーダ310は、出口部302の内面における上方側Dvuを向く床面302aに対して搬送方向Daに往復移動可能に配置されている。
【0029】
フィーダ310における一方側Dalの端部は、油圧等によってフィーダ310を往復移動させるフィーダ310駆動機構(図示省略)に接続されている。フィーダ310は、フィーダ310駆動機構によって、貯留空間R内を搬送方向Daに往復移動可能とされている。すなわち、フィーダ310は、出口部302における床面302a上を一方側Dalから他方側Darに向かって進退可能とされている。
【0030】
フィーダ310は、搬送方向Daおよび炉幅方向Dwに延びるとともに所定の厚さを有する板状を成している。フィーダ310は、上方側Dvuを向く上面311と、上面311に接続されるとともに他方側Darを向く押出面312とを有している。以下では、説明の便宜上、搬送方向Daおよび鉛直方向Dvのそれぞれに対して垂直な方向である炉本体2の幅方向を「炉幅方向Dw」と称する。
【0031】
上面311は、入口部301から供給されたごみWが堆積する面である。押出面312は、床面302a上に堆積したごみWを他方側Darに押し出す面である。すなわち、フィーダ310は、このフィーダ310自身が所定のタイミングで搬送方向Daに往復移動することで、貯留空間R内のごみWを処理空間Vに向かって間欠的に押し出す。
【0032】
つまり、フィーダ310における上面311上のごみW、および出口部302における床面302a上のごみWは、貯留空間R内で一体になっている。そのため、フィーダ310の押出面312がごみWを処理空間V側に押し出すことにより、上面311上に堆積したごみWも連動して処理空間V側に移動する。
【0033】
(ストーカ)
ストーカ4は、複数の火格子(図示省略)により構成されており、この複数の火格子は、燃料供給機構3によってごみWが層状に供給されるストーカ面4aを形成している。火格子は、固定火格子と、可動火格子とを有している。
【0034】
固定火格子は、風箱5の上方側Dvuを向く風箱5の表面に固定されている。可動火格子は、一定の速度で一方側Dal(上流側)と他方側Dar(下流側)へ移動することで、この可動火格子と固定火格子の上(ストーカ面4a上)にあるごみWを攪拌混合させながら下流側へ搬送する。ストーカ4は、ストーカ面4aに層状に供給されたごみWを燃焼させながら、排出シュート6に向かって搬送している。
【0035】
ここで、炉本体2は、一方側Dalから順に、乾燥段50、燃焼段51、および後燃焼段52を有している。これら乾燥段50、燃焼段51、および後燃焼段52は、処理空間Vを搬送方向Daに区画している。乾燥段50は、ホッパ300から供給されたごみWを、ストーカ4上で燃焼に先立って乾燥させる領域である。すなわち、乾燥段50では、水分が揮発するため、乾燥段50からは主として蒸気が発生する。
【0036】
燃焼段51および後燃焼段52は、乾燥した状態のごみWをストーカ4上で燃焼させる領域である。燃焼段51では、ごみWから発生する熱分解ガスによる拡散燃焼が起き、輝炎Fが生じる。後燃焼段52では、拡散燃焼後のごみWの固定炭素燃焼が起きるため、輝炎Fは生じない。したがって、燃焼に伴って生じる輝炎Fは、主として燃焼段51に形成される。
【0037】
(風箱)
風箱5は、ストーカ4の下方から処理空間Vに向かって燃焼用の空気(1次空気A1)を供給する。風箱5は、搬送方向Daに複数配列されている。本実施形態では、風箱5によって炉本体2における乾燥段50、燃焼段51、および後燃焼段52が区画されている。
【0038】
(排出シュート)
排出シュート6は、燃焼を終えて灰となったごみWを炉本体2よりも下方側Dvdに位置する灰押出装置19へ落下させる装置である。排出シュート6は、後燃焼段52の他方側Darの端部に設けられている。
【0039】
ここで、図2に示すように、炉本体2は、炉尻203と、天井部200とを有している。炉尻203は、炉本体2における隔壁の一部である。炉尻203は、耐火材等によって形成されている。炉尻203は、風箱5によって区画された後燃焼段52よりも他方側Darに配置されている。炉尻203は、排出シュート6に上方側Dvuから接続されている。炉尻203は、一方側Dalを向く炉尻面204を有している。本実施形態における炉尻面204は、鉛直方向Dvおよび炉幅方向Dwに広がる平面状を成している。
【0040】
天井部200は、炉本体2における隔壁の一部である。天井部200は、耐火材等によって形成されている。天井部200は、炉尻203よりも上方側Dvuに配置されている。天井部200は、他方側Darに向かうにしたがって鉛直方向Dvにおける高さが低くなる向きに傾斜している。天井部200における他方側Darの端部は、炉尻203に接続されている。以下、説明の便宜上、天井部200における炉尻203との接続箇所を「後端201a」と称する。また、天井部200における後端201aとは反対側の一方側Dalの端部を「前端201b」と称する。
【0041】
天井部200は、平面状を成す天井面201と、天井面201に一方側Dalから接続され、一方側Dalに向かうにしたがって上方側Dvuを向くような凸曲面状を成す曲がり面202とを有している。天井面201は、炉尻203における炉尻面204に一方側Dalから接続されている。したがって、天井面201における他方側Darの端部が上記後端201aである。本実施形態における天井面201は、鉛直方向Dvで後燃焼段52と対向するように配置されている。
【0042】
曲がり面202は、天井面201に一方側Dalから接続されている。炉幅方向Dwから見た曲がり面202は、所定の曲率半径を有する円弧状に形成されている。以下、炉幅方向Dwから見た際の曲がり面202の長さを「X」とする。
【0043】
(火炉)
火炉7は、炉本体2から上方側Dvuに向かって延びている。処理空間V内でごみWが燃焼することによって生じた排ガスGは、火炉7を通じて排熱回収ボイラ12に送られる。火炉7は、鉛直方向Dvに延び、内面70を有する筒状を成している。本実施形態における火炉7は、断面が矩形状を成している。
【0044】
火炉7は、天井部200に一方側Dalから接続されている。火炉7の内面70における一方側Dalを向く一方面70aは、天井部200における曲がり面202に上方側Dvuから接続されている。したがって、内面70における一方面70aの下方側Dvdの端部と曲がり面202における一方側Dalの端部との接続部分が上記前端201bである。一方面70aは、前端201bから上方側Dvuに立ち上がるように広がっている。また、火炉7は、ホッパ300における出口部302に他方側Darから接続されている。したがって、火炉7は、天井部200と出口部302との間に配置されている。本実施形態における火炉7は、燃焼段51の直上に配置されている。
【0045】
(押込送風機)
図1に示すように、押込送風機8は、処理空間VでごみWを燃焼させるための空気を燃焼炉1の内部に向かって圧送する装置である。押込送風機8は、第1押込送風機81と、第2押込送風機82とを有している。第1押込送風機81は、1次空気ライン9を通じて、風箱5に向かって燃焼用の空気を圧送する。第2押込送風機82は、2次空気ライン11を通じて、火炉7に向かって燃焼用の空気を圧送する。
【0046】
(1次空気ライン)
1次空気ライン9は、第1押込送風機81と風箱5とを接続している管である。第1押込送風機81が駆動されることで、1次空気ライン9を通じてごみWの燃焼に必要な空気が風箱5に供給される。1次空気ライン9は、風箱5に下方側Dvdから接続されている。風箱5に供給された空気は、ストーカ4の下方からごみWへ向かう。以下、説明の便宜上、1次空気ライン9を通じて炉本体2の内部へ供給される空気を「1次空気A1」と称する。
【0047】
1次空気ライン9は、1次空気ダンパ90を有している。1次空気ダンパ90は、1次空気ライン9の中途に配置されており、1次空気ダンパ90が有するダンパの開度によって1次空気ライン9内の1次空気A1の流量を規制している。
【0048】
(空気予熱器)
空気予熱器10は、第1押込送風機81から圧送される空気を予熱する熱交換器である。空気予熱器10は、1次空気ライン9の中途に設けられており、第1押込送風機81から風箱5に向かって流れる燃焼空気を予熱する。
【0049】
空気予熱器10によって予熱された燃焼空気は、処理空間V内に供給され、ごみWの燃焼に利用されるとともにごみWの燃焼に伴って発生する排ガスGと熱交換する。したがって、空気予熱器10は、燃焼空気の温度を調整することで、排ガスGの温度を調整可能とされている。
【0050】
(2次空気ライン)
2次空気ライン11は、第2押込送風機82と火炉7とを接続している管である。第2押込送風機82が駆動されることで、2次空気ライン11を通じて、ごみWの燃焼に必要な空気が火炉7内に供給される。2次空気ライン11は、火炉7を外側から貫通している。図2に示すように、2次空気ライン11の先端は、火炉7の内面70よりも内側に配置されている。火炉7内に供給された2次空気A2は、ストーカ4の上方からごみWへ向かう。以下、説明の便宜上、2次空気ライン11を通じて炉本体2の内部へ供給される空気を「2次空気A2」と称する。
【0051】
2次空気ライン11は、2次空気ダンパ110を有している。2次空気ダンパ110は、2次空気ライン11の中途に設けられており、2次空気ダンパ110が有するダンパの開度によって2次空気A2の流量を規制している。
【0052】
(ごみピット)
図1に示すように、ごみピット18は、ごみWを貯留するとともに、ごみWをホッパ300に供給する。ごみピット18は、ごみピット本体180と、プラットフォーム181と、クレーン182と、クレーン制御装置189とを有している。
【0053】
ごみピット本体180は、燃焼炉1よりも一方側DalでごみWを貯留する室である。ごみピット本体180は、ホッパ300の入口部301に接続されている。すなわち、ホッパ300内部とごみピット本体180内部とは連通しており、ごみピット本体180内部からホッパ300の内部へごみWが供給可能とされている。
【0054】
プラットフォーム181は、ごみWをごみピット本体180内部へ搬入するための搬入口である。プラットフォーム181は、ごみピット本体180の一方側Dalに形成されている搬入用の開口部に接続されている。プラットフォーム181には、燃焼設備100の外部からごみ収集車Tが搬入される。ごみ収集車Tは、搬入したごみWをごみピット本体180内部へ投入する。
【0055】
クレーン182は、ごみピット本体180内に貯留されたごみWの一部を把持するとともに、把持したごみWをごみピット本体180からホッパ300の入口部301へ移送する。クレーン182は、ごみピット本体180の上方側Dvuの天井部200分に設けられている。
【0056】
クレーン182は、天井に設けられているレール183と、レール183に沿って走行するガーダ184と、このガーダ184を横行するトロリ185と、このトロリ185から吊り下げられているワイヤ186と、このワイヤ186の巻き上げおよび巻き下げを行う巻上機187と、ワイヤ186の先端に取り付けられているグラップル188とを有している。
【0057】
クレーン制御装置189は、ガーダ184の走行、トロリ185の横行、巻上機187によるワイヤ186の巻き上げと巻き下げ、およびグラップル188の把持動作等を制御する装置である。
【0058】
(灰押出装置)
灰押出装置19は、排出シュート6を通じて炉本体2よりも下方側Dvdに落下したごみW(灰)を受けるとともに、後続の灰ピット20へ押し出す装置である。灰押出装置19は、押出装置本体190と押出機構(図示省略)とを有している。
【0059】
押出装置本体190は、処理空間Vで燃焼を終えて灰となったごみWを受けるとともに一時的に堆積させる。押出装置本体190は、炉本体2よりも下方側Dvdに配置されている。押出装置本体190は、排出シュート6に下方側Dvdから接続されている。押出機構は、灰ピット20に向けて押出装置本体190内に落下したごみW(灰)を押し出す。
【0060】
(灰ピット)
灰ピット20は、押出装置内のごみWを受け入れるとともに内部に貯留する室である。本実施形態における灰ピット20は、押出装置本体190に他方側Darから接続されている。灰ピット20内に貯留されたごみWは、例えば灰クレーン等(図示省略)によって燃焼設備100の外部へ移送される。
【0061】
(排ガス再循環系統)
排ガス再循環系統21は、出口流路15内を流れる燃焼後の排ガスGの一部を炉本体2の内部に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)である。排ガス再循環系統21は、排ガス再循環ライン22と、ノズル23と、ファン24とを有している。
【0062】
(排ガス再循環ライン)
排ガス再循環ライン22は、出口流路15と炉本体2とを接続している。本実施形態における排ガス再循環ライン22の一端は、出口流路15における集塵装置14近傍に接続されており、排ガス再循環ライン22の他端は、ノズル23を介して炉本体2における炉尻203に接続されている。
【0063】
(ノズル)
ノズル23は、排ガス再循環ライン22を通じて供給された排ガスGを炉本体2の内部へ供給(放出)する円形ノズルである。ノズル23は、排ガス再循環ライン22の他端に接続されている。図2および図3に示すように、本実施形態におけるノズル23は、中心線Oを中心に延びる円筒状を成している。ノズル23は、炉尻203を貫通した状態で、炉尻203に固定されている。
【0064】
ノズル23は、鉛直方向Dvにおける高さが同一の状態で、炉幅方向Dwに間隔をあけて炉尻203に複数配置されている。本実施形態では、2つのノズル23が炉幅方向Dwに間隔をあけて炉尻203に配置されている。なお、図2では紙面の都合上、1つのノズル23のみを示している。
【0065】
ノズル23は、炉本体2の内部を向いた状態で炉本体2の内部に開口している。ノズル23は、開口の中心が炉尻面204に揃うように炉尻203に固定されている。本実施形態では、ノズル23が放出する排ガスGは、ノズル23の開口を中心に円錐状に広がる。以下、本実施形態におけるノズル23の開口径を「D」とする。
【0066】
ここで、後端201aと前端201bとの間の水平方向距離を「X」とし、前端201bとノズル23の開口の中心との間の鉛直方向距離を「H」とし、天井と水平面Hpとが成す角度を「α」とし、ノズル23の中心線Oと水平面Hpとが成す角度を「β」とする。この場合、ノズル23は、下記式(I)を満たすように炉尻203に配置されている。
atan((H/X)+tan(α))-β<10 …(I)
【0067】
なお、ここでいう水平方向距離とは、水平方向における2次元の幾何学的距離を意味する。また、鉛直方向距離とは、鉛直方向Dvにおける1次元の幾何学的距離を意味する。また、式(I)における左辺の「atan((H/X)+tan(α))-β」は、0よりも大きい。
【0068】
以下、式(I)の導出過程について説明する。前端201bと後端201aとの間の鉛直方向距離を「H1」とし、後端201aとノズル23の開口の中心との間の鉛直方向距離を「H2」とし、ノズル23の中心線Oを基準とした排ガスGの放出角度を「γ」とした場合、下記式(II)が成立する。なお、γは、0よりも大きい。
atan((H1+H2)/X)<β+γ …(II)
【0069】
式(II)を式変形すると、下記式(III)が得られる。
atan((H1/X)+(H2/X))<β+atan(0.172)…(III)
【0070】
ここで、式(III)の右辺における0.172は、実験定数である。すなわち、図3に示すように、中心線O上における、ノズル23の開口の中心からの所定の距離を「D1」とし、ノズル23の開口の中心からこの所定の距離離れた位置における、中心線Oから排ガスGの広がった距離を「D2」とした場合に、上記γとの関係で、下記式(IV)、すなわち下記式(IV)を上記式(II)に代入することで、上記式(III)が成立する。
γ=atan(D2/D1)=atan(0.172) …(IV)
【0071】
上記式(III)を式変形すると、下記式(V)、すなわち上記式(I)が導出される。
atan((H/X)+tan(α))-β<9.759・・・≒10 …(V)
【0072】
ここで、上記のノズル23の開口径であるDと、炉幅方向Dwから見た際の曲がり面202の長さであるXとの関係で、ノズル23の開口径は、下記式(VI)が満たされるように設定される。
/D<52 …(VI)
【0073】
また、本実施形態では、下記式(VII)から求められるumは、式(VI)における左辺部分(X/D)との関係で、下記式(VIII)を満たすことが望ましい。
um=3.5(D/D1)0.5 …(VII)
um>1.5exp(0.0768X/D) …(VIII)
【0074】
なお、式(VII)におけるuは、ノズル23の種類等によって決定されるノズル流速である。また、式(VII)の出典は、社河内俊彦,「噴流工学」,森北出版(2004)である。また、式(VIII)は、社河内俊彦,「日本機械学会論文集(B編)」,56,532(1990)より引用した試験データに基づいて、発明者らによって立てられた予測式である。
【0075】
(ファン)
ファン24は、排ガス再循環ライン22を通じて排ガスGをノズル23に供給する。図1に示すように、ファン24は、排ガス再循環ライン22の中途に配置されている。ファン24は、駆動されることで、出口流路15内の排ガスGの一部をノズル23に圧送する。ファン24は、燃焼炉1の外部に配置された制御装置30によって制御されている。
【0076】
具体的には、ファン24は、回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。つまり、ファン24は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、出口流路15内の排ガスGの一部を出口流路15から引き出し、ノズル23に向けて送気する。また、ファン24は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0077】
(ノズルから放出される排ガスの動き)
以下、ノズル23によって炉本体2の内部へ放出された排ガスGの動きについて説明する。図2に示すように、上記の式(I)で示す関係を満たすノズル23から放出された排ガスGの一部は、天井部200における天井面201に下方側Dvdから衝突する。以下、説明の便宜上、ノズル23から放出された排ガスGを、「ノズルガス」と称する。
【0078】
天井面201に衝突したノズルガスは、扁平化した状態で天井面201に沿って広がる壁面噴流Jwを形成する。ノズルガスは、壁面噴流Jwを形成しながら天井面201に沿って一方側Dalへ流れる。すなわち、壁面噴流Jwは、天井面201に沿って広がるシート状を成す。この際、2つのノズル23から放出されたノズルガスは、それぞれが天井面201に沿うことで、互いに合一した壁面噴流Jwを形成する。
【0079】
天井面201よりも一方側Dalに配置された曲がり面202に到達した壁面噴流Jwの一部は、天井面201の広がる方向へ直進する。以下、説明の便宜上、曲がり面202を経て天井面201の広がる方向で他方側Darに直進するこの壁面噴流Jwを「第1噴流Jw1」と称する。第1噴流Jw1は、火炉7における下方側Dvdを向く開口部のうち、燃焼段51の上方側Dvuの部分を下方側Dvdから覆うように流れる。
【0080】
一方、曲がり面202に到達した壁面噴流Jwのうち、第1噴流Jw1とは異なる壁面噴流Jwの一部は、曲がり面202の曲面形状に沿って火炉7の内部へ流れる。すなわち、この壁面噴流Jwは、コアンダ効果によって第1噴流Jw1よりも上方側Dvuで火炉7の内部を上方側Dvuに向かって流れる。以下、説明の便宜上、曲がり面202の曲面形状に沿って火炉7の内部に進出するこの壁面噴流Jwを「第2噴流Jw2」と称する。なお、図2では、説明の簡単化のため、曲がり部を経た壁面噴流Jwのうち、第1噴流Jw1と第2噴流Jw2の流れのみをハッチングで示している。
【0081】
(排ガス濃度取得部)
排ガス濃度取得部25は、燃焼炉1から発生する排ガスG中に含まれるCOおよびNOの濃度を取得する。排ガス濃度取得部25は、出口流路15内に配置されている。排ガス濃度取得部25は、COセンサ25aと、NOセンサ25bとを有している。以下、排ガスG中に含まれるCOの濃度を「CO濃度」と称し、排ガスG中に含まれるNOの濃度を「NO濃度」を称する。
【0082】
COセンサ25aは、出口流路15内を流れる排ガスGのCO濃度を所定の時間間隔で取得するとともに、CO濃度を示す信号を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。NOセンサ25bは、出口流路15内を流れる排ガスGのNO濃度を所定の時間間隔で取得するとともに、NO濃度を示す信号を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。本実施形態におけるCOセンサ25aおよびNOセンサ25bは、例えば、単位流量当たりにおける排ガスG中のCO濃度およびNO濃度を取得する。
【0083】
(制御装置)
制御装置30は、上述した各種装置との間で信号を送受信することで、ノズル23から放出される排ガスGの流量を調整する。図4に示すように、本実施形態における制御装置30は、検出部31と、判定部32と、調整部33と、記憶部34とを有している。
【0084】
(検出部)
検出部31は、排ガス濃度取得部25のCOセンサ25aが取得したCO濃度、およびNOセンサ25bが取得したNO濃度を示す信号を受信することで、出口流路15内を流れる排ガスGのCO濃度およびNO濃度を検出する。検出部31は、検出結果(CO濃度およびNO濃度)を示す信号を判定部32および調整部33に送信する。
【0085】
(判定部)
判定部32は、検出部31が検出したCO濃度およびNO濃度のそれぞれが適正な濃度であるか否かを判定する。具体的には、判定部32は、検出部31が検出したCO濃度と、記憶部34が記憶しているCO濃度閾値とを比較する。
【0086】
判定部32は、検出部31が検出したCO濃度がCO濃度閾値以下である場合、「CO濃度が適正である」と判定する。一方、判定部32は、検出部31が検出したCO濃度がCO濃度閾値よりも大きい場合、「CO濃度が適正でない」と判定する。
【0087】
また、判定部32は、検出部31が検出したNO濃度がNO濃度閾値以下である場合、「NO濃度が適正である」と判定する。一方、判定部32は、検出部31が検出したNO濃度がNO濃度閾値よりも大きい場合、「NO濃度が適正でない」と判定する。判定部32は、判定結果を示す信号を調整部33に送信する。
【0088】
(調整部)
調整部33は、検出部31から送信されたCO濃度およびNO濃度を受け付けた場合に、ノズル23によって炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を調整する。また、調整部33は、判定部32の判定結果に基づいて、ノズル23によって炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を調整する。
【0089】
調整部33は、検出部31からCO濃度を受け付けた場合、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信する。一方、調整部33は、検出部31からNO濃度を受け付けた場合、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信する。
【0090】
また、調整部33は、判定部32が「CO濃度が適正である」と判定した場合、回転数低下の旨を示す信号をファン24に送信する。一方、調整部33は、判定部32が「CO濃度が適正でない」と判定した場合、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信する。
【0091】
また、調整部33は、判定部32が「NO濃度が適正である」と判定した場合、回転数低下の旨を示す信号をファン24に送信する。一方、調整部33は、判定部32が「NO濃度が適正でない」と判定した場合、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信する。
【0092】
(制御装置の動作)
続いて、制御装置30の動作について説明する。以下、図5を参照して、検出部31が排ガス濃度取得部25からCO濃度を示す信号を受信した場合の制御装置30の動作の一例について説明する。
【0093】
検出部31は、排ガス濃度取得部25からCO濃度を受信することで、出口流路15内における排ガスGに含まれるCO濃度を検出する(ステップS0)。次に、調整部33は、検出部31から検出結果を受け付けた際、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を増加させる(ステップS1)。
【0094】
次に、判定部32は、検出部31から検出結果を受け付けた際、検出部31が検出したCO濃度が適正な濃度であるか否かを判定する(ステップS2)。判定部32が「CO濃度が適正である」と判定した場合(ステップS2:YES)、調整部33は、回転数低下の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を低下させる(ステップS3)。ステップS3の処理が終えられた場合、ステップS0の処理が再び行われる。
【0095】
判定部32が「CO濃度が適正でない」と判定した場合(ステップS2:NO)、調整部33は、判定部32から判定結果を受け付け、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を増加させる(ステップS1´)。ステップS1´の処理が終えられた場合、ステップS2の処理が再び行われる。
【0096】
以上説明したステップS0からステップS3の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0097】
続いて、図6を参照して、検出部31が排ガス濃度取得部25からNO濃度を示す信号を受信した場合の制御装置30の動作の一例について説明する。
【0098】
検出部31は、排ガス濃度取得部25からNO濃度を受信することで、出口流路15内における排ガスGに含まれるNO濃度を検出する(ステップS10)。次に、調整部33は、検出部31から検出結果を受け付けた際、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を増加させる(ステップS11)。
【0099】
次に、判定部32は、検出部31から検出結果を受け付けた際、検出部31が検出したNO濃度が適正な濃度であるか否かを判定する(ステップS12)。判定部32が「NO濃度が適正である」と判定した場合(ステップS12:YES)、調整部33は、回転数低下の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を低下させる(ステップS13)。ステップS13の処理が終えられた場合、ステップS10の処理が再び行われる。
【0100】
判定部32が「NO濃度が適正でない」と判定した場合(ステップS12:NO)、調整部33は、判定部32から判定結果を受け付け、回転数上昇の旨を示す信号をファン24に送信し、炉本体2の内部へ供給される排ガスGの流量を増加させる(ステップS11´)。ステップS11´の処理が終えられた場合、ステップS12の処理が再び行われる。
【0101】
以上説明したステップS10からステップS13の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0102】
(作用効果)
上記実施形態に係る燃焼設備100によれば、ノズル23が、ノズルガスが炉本体2の天井部200に沿う壁面噴流Jwを形成する向きで炉尻203に配置されている。これにより、壁面噴流Jwよりも下方側DvdでごみWの燃焼に伴って上昇する排ガスGの一部は、壁面噴流Jwに下方側Dvdから衝突する。壁面噴流Jwに衝突した排ガスGの一部は、下方側Dvdへ跳ね返され、炉本体2の内部を滞留する。したがって、排ガスGが火炉7内へ直接流出することが防がれるとともに、炉本体2の内部におけるCO等の未燃ガスとの混合が強化されるため、炉本体2の内部で排ガスGの滞留時間を増加させることができる。その結果、炉本体2内の排ガスG中におけるCO濃度およびNO濃度の増加を抑制することができる。
【0103】
ここで、複数のノズル23から放出されたノズルガスが天井部200に沿わない自由噴流を形成する場合、各ノズル23から放出された自由噴流の間に隙間が生じることがある。この際、ごみWが燃焼することによって生じた排ガスGが、自由噴流間の隙間を通じて上方側Dvuへすり抜ける場合がある。上記実施形態に係る燃焼設備100によれば、複数のノズル23から放出されたノズルガスは、天井部200における天井面201に沿うことで互いに合一した壁面噴流Jwとなるため、各ノズル23から放出されたノズルガスが形成する壁面噴流Jw間に隙間が発生しにくくなる。したがって、ごみWの燃焼に伴って発生した排ガスGが、壁面噴流Jwよりも上方側Dvuへすり抜けることを抑制することができる。その結果、炉本体2の内部における排ガスGの滞留時間をより増加させることができる。また、ごみWから発生する揮発分が、火炉7内の下部(火炉7と2次空気ライン11との接続部分よりも下方側Dvd)において局所的に高濃度の状態で存在することを抑制することができる。
【0104】
また、ノズルガスによって天井面201に沿う扁平化した壁面噴流Jwが形成されるため、例えば、ノズルガスが自由噴流を形成する場合と比較して、ノズルガスの鉛直方向Dvにおける噴流幅を小さく抑えることができる。これにより、ノズルガスが自由噴流を形成する場合と比較して、排ガスGがノズルガスに衝突することで加速される位置がより上方側Dvuになる。つまり、炉本体2の内部における排ガスGの滞留時間を増加させることができる。したがって、ノズルガスが自由噴流を形成する場合と比較して、排ガスGを炉本体2の内部により長い時間留めることができる。
【0105】
また、上記実施形態に係る燃焼設備100によれば、ノズル23が上記の式(I)を満たすように炉尻203に配置されている。これにより、炉本体2の内部で、天井部200に沿った壁面噴流Jwを効果的に形成することができる。また、上述の作用効果を具体的な設定で実現することができる。
【0106】
また、上記実施形態に係る燃焼設備100によれば、天井部200が天井面201と火炉7の内面70とを接続する曲がり面202を有している。これにより、曲がり面202が、壁面噴流Jwに対してコアンダ効果を発現させる。すなわち、天井面201に沿って流れる壁面噴流Jwの一部、すなわち第2噴流Jw2が、曲がり面202に沿って流れるとともに、火炉7の内部を上方側Dvuへ流れる。上方側Dvuへ流れた第2噴流Jw2は、火炉7内に広がって流れることで、ごみWの燃焼に伴って生じるとともに火炉7内へ流れた排ガスGと混合する。その結果、火炉7内の排ガスG中におけるCOおよびNOの分布の偏りを抑制することができる。
【0107】
また、上記実施形態に係る制御装置30によれば、調整部33が検出部31の検出結果に基づいて、出口流路15内を流れる排ガスG中のCO濃度とNO濃度とのうち1つ以上が増減した際にファン24の回転数を増減させる。これにより、炉本体2の内部における排ガスGおよび炉本体2の外部に排出された排ガスG中のCO濃度およびNO濃度を適正化することができる。例えば、COやNOが検出部31によって検出された際、調整部33がファン24の回転数を増加させることによって上述の作用効果を高めることができる。その結果、排ガスG中のCO濃度およびNO濃度を低下させることができる。
【0108】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0109】
なお、図7は、本実施形態に係るコンピュータ1100の構成を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インターフェース1140を備えている。
【0110】
上述の制御装置30は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した記憶部34に対応する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0111】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。また、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0112】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース1140または通信回線を介してコンピュータ1100に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。上記実施形態では、ストレージ1130は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0113】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0114】
また、実施形態では、2つのノズル23が炉幅方向Dwに間隔をあけて炉尻203に配置されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。1つのノズル23が炉尻203に配置されてもよい。また、3つ以上のノズル23が炉幅方向Dwに間隔をあけて炉尻203に配置されてもよい。
【0115】
また、実施形態で説明した天井部200は、炉尻203よりも耐摩耗性の高い材料で形成されてもよい。天井部200に採用する耐摩耗性の高い材料として、例えば、SiC(炭化ケイ素)が一例として挙げられる。これにより、壁面噴流Jwに含まれるフライアッシュ(灰)が天井部200に衝突した場合であっても、天井部200の摩耗を抑制することができる。また、上記構成に加えて、火炉7が炉尻203よりも耐摩耗性の高い材料で形成されてもよい。
【0116】
また、実施形態では、ノズル23が円形ノズルである構成を説明したが、円形ノズルに限定されることはない。
【0117】
また、実施形態では、燃焼設備100がストーカ式燃焼炉とされているが、ストーカ式燃焼炉に限定されることはない。燃焼設備100は、例えば、キルンストーカ炉、バイオマス流動床ボイラ、汚泥燃焼炉等であってもよい。したがって、上述の制御装置30は、これらキルンストーカ炉、バイオマス流動床ボイラ、汚泥燃焼炉等の燃焼設備100の制御装置であってもよい。
【0118】
<付記>
実施形態に記載の燃焼設備100、および制御装置30は、例えば以下のように把握される。
【0119】
(1)第1の態様に係る燃焼設備100は、内部で被焼却物Wを燃焼させながら搬送する炉本体2と、前記炉本体2から排出された排ガスGの一部を前記炉本体2の内部に供給するノズル23と、を備え、前記ノズル23は、前記炉本体2の内部に供給された前記排ガスGが前記炉本体2の天井部200に沿う壁面噴流Jwを形成する向きで前記炉本体2の炉尻203に配置されている。
【0120】
これにより、壁面噴流Jwよりも下方側Dvdで被焼却物Wの燃焼に伴って上昇する排ガスGの一部は、壁面噴流Jwに下方側Dvdから衝突する。壁面噴流Jwに衝突したノズルガスの一部は、下方側Dvdへ跳ね返され、炉本体2の内部を滞留する。
【0121】
(2)第2の態様に係る燃焼設備100は、(1)の燃焼設備100であって、前記ノズル23は、前記炉尻203に複数配置され、複数の前記ノズル23は、前記排ガスGが前記天井部200に沿うことで、互いに合一した前記壁面噴流Jwを形成するように配置されていてもよい。
【0122】
これにより、各ノズル23から放出された排ガスGが形成する壁面噴流Jw間に隙間が発生しにくくなる。したがって、被焼却物Wの燃焼に伴って発生した排ガスGが、壁面噴流Jwよりも上方側Dvuへすり抜けることを抑制することができる。
【0123】
(3)第3の態様に係る燃焼設備100は、(1)または(2)の燃焼設備100であって、前記天井部200は、前記炉尻203に接続された状態で、前記被焼却物Wが搬送される方向に向かうにしたがって鉛直方向Dvにおける高さが低くなる向きに傾斜し、前記天井部200における前記炉尻203との接続箇所である後端201aと、前記天井部200における前記後端201aとは反対側の前端201bとの間の水平方向距離をXとし、前記前端201bと前記ノズル23の開口の中心との間の鉛直方向距離をHとし、前記天井部200と水平面Hpとが成す角度をαとし、前記ノズル23の中心線Oと前記水平面Hpとが成す角度をβとした場合に、前記ノズル23は、atan((H/X)+tan(α))-β<10を満たすように前記炉尻203に配置されていてもよい。
【0124】
これにより、上記作用を具体的な設定で実現することができる。
【0125】
(4)第4の態様に係る燃焼設備100は、(3)の燃焼設備100であって、前記炉本体2から上方に延び、内面70が前記天井部200に接続された火炉7を更に備え、前記天井部200は、平面状を成す天井面201と、前記内面70と前記天井面201とを接続し、前記天井面201から前記内面70に向かうにしたがって上方を向くような曲面状を成す曲がり面202と、を有してもよい。
【0126】
これにより、曲がり面202が、壁面噴流Jwに対してコアンダ効果を発現させる。すなわち、天井面201に沿って流れる壁面噴流Jwの一部が、曲がり面202に沿って流れるとともに、火炉7の内部を上方側Dvuへ流れる。
【0127】
(5)第5の態様に係る制御装置30は、(1)から(4)のうちいずれかの燃焼設備100の制御装置30であって、前記燃焼設備100は、排ガス再循環ライン22を通じて前記排ガスGの一部を前記ノズル23に供給するファン24を更に備え、前記排ガスG中のCO濃度およびNO濃度を検出する検出部31と、前記検出部31の検出結果に基づき、前記排ガスG中のCO濃度とNO濃度とのうち1つ以上が増減した際に、前記ファン24の回転数を増減させる調整部33と、を有する。
【0128】
これにより、炉本体2の内部における排ガスGおよび炉本体2の外部に排出された排ガスG中のCO濃度およびNO濃度を適正化することができる。
【符号の説明】
【0129】
1…燃焼炉 2…炉本体 3…燃料供給機構 4…ストーカ 4a…ストーカ面 5…風箱 6…排出シュート 7…火炉 8…押込送風機 9…1次空気ライン 10…空気予熱器 11…2次空気ライン 12…排熱回収ボイラ 13…減温塔 14…集塵装置 15…出口流路 16…煙突 17…誘引ファン 18…ごみピット 19…灰押出装置 20…灰ピット 21…排ガス再循環系統 22…排ガス再循環ライン 23…ノズル 24…ファン 25…排ガス濃度取得部 25a…COセンサ 25b…NOセンサ 30…制御装置 31…検出部 32…判定部 33…調整部 34…記憶部 50…乾燥段 51…燃焼段 52…後燃焼段 70…内面 70a…一方面 81…第1押込送風機 82…第2押込送風機 90…1次空気ダンパ 100…燃焼設備 110…2次空気ダンパ 180…ごみピット本体 181…プラットフォーム 182…クレーン 183…レール 184…ガーダ 185…トロリ 186…ワイヤ 187…巻上機 188…グラップル 189…クレーン制御装置 190…押出装置本体 200…天井部 201…天井面 201a…後端 201b…前端 202…曲がり面 203…炉尻 204…炉尻面 300…ホッパ 301…入口部 302…出口部 302a…床面 310…フィーダ 311…上面 312…押出面 1100…コンピュータ 1110…プロセッサ 1120…メインメモリ 1130…ストレージ 1140…インターフェース A1…1次空気 A2…2次空気 Da…搬送方向 Dal…一方側 Dar…他方側 Dv…鉛直方向 Dvd…下方側 Dvu…上方側 Dw…炉幅方向 F…輝炎 G…排ガス Hp…水平面 Jw…壁面噴流 Jw1…第1噴流 Jw2…第2噴流 O…中心線 R…貯留空間 R1…1次燃焼領域 R2…2次燃焼領域 T…ごみ収集車 V…処理空間 W…被焼却物,ごみ
【要約】
【課題】炉本体内における排ガスの滞留時間を増加させることができる燃焼設備、および制御装置を提供する。
【解決手段】内部で被焼却物を燃焼させながら搬送する炉本体と、炉本体から排出された排ガスの一部を炉本体の内部に供給するノズルと、を備え、ノズルは、炉本体の内部に供給された排ガスが炉本体の天井部に沿う壁面噴流を形成する向きで炉本体の炉尻に配置されている燃焼設備。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7