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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221116BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20221116BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20221116BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221116BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09G3/36
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 611A
G09G3/20 621K
G09G3/20 650C
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022125682
(22)【出願日】2022-08-05
(62)【分割の表示】P 2019549676の分割
【原出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2022164698
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2017212645
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】楠本 直人
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-099773(JP,A)
【文献】特開2013-015765(JP,A)
【文献】特開2015-179250(JP,A)
【文献】特開2011-170133(JP,A)
【文献】特開2008-191450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0154579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 5/42
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタと、第1の回路と、第2の回路と、第3の回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、を有する表示装置であって、
前記第1の回路乃至前記第3の回路のそれぞれは、第2のトランジスタと、容量素子と、表示素子と、を有し、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記容量素子の一方の電極は、前記表示素子と電気的に接続され、
前記第1の配線は、前記第1の回路が有する前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第1の配線は、前記第2の回路が有する前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第2の配線は、前記第3の回路が有する前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第3の配線は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1の回路乃至前記第3の回路のいずれかが有する前記容量素子の他方の電極と電気的に接続される表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の回路乃至前記第3の回路は、それぞれ異なる色の光を外部に放出するための機能を有する表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項に記載の表示装置と、カメラと、を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
基板上に形成された金属酸化物を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化亜鉛またはIn-Ga-Zn系酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
また、オフ電流が極めて低いトランジスタをメモリセルに用いる構成の記憶装置が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【文献】特開2011-119674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置では高解像度化が進み、8K4K(画素数:7680×4320)解像度またはそれ以上の解像度で表示を行うことができるハードウェアが開発されている。一方で、高解像度用の画像データは膨大となるため、高解像度の表示装置を普及させるためには、撮像装置、記憶装置、通信装置などの周辺技術を整える必要もある。
【0008】
また、表示装置で適切な表示を行うためには、画像データを表示装置の解像度に合わせる必要がある。例えば、表示装置の解像度が8K4Kであって画像データが4K2K(画素数:3840×2160)用である場合は、データ数を4倍に変換しなければ全画面表示をすることができない。逆に、表示装置の解像度が4K2Kであって画像データが8K4K用である場合は、データ数を1/4に変換する必要がある。
【0009】
このようなデータ数の変換には専用の回路が必要となり、消費電力が高くなってしまう問題がある。画像データは変換せずに表示装置の画素に入力できることが好ましい。
【0010】
また、高解像度用の画像データを生成する技術として、アップコンバートがある。アップコンバートを行うことで、低解像度用の画像を疑似的に高解像度用の画像に変換することができる。
【0011】
ただし、アップコンバートを行う機器では、膨大な画像データを解析して新たな画像データを生成するため、回路規模や消費電力が大きくなる問題がある。また、リアルタイムでの処理が追いつかず、表示の遅延が生じることもある。
【0012】
アップコンバートは、このような問題を有するが、例えば、アップコンバートに関わる機能を複数の機器に分散させることで、消費電力や遅延などの問題を緩和できる可能性がある。
【0013】
したがって、本発明の一態様では、画像データを変換せずに適切な表示が行える表示装置を提供することを目的の一つとする。または、画像処理を行うことができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することを目的の一つとする。または、二つの画像を重ねて表示できる表示装置を提供することを目的の一つとする。
【0014】
または、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置などを提供することを目的の一つとする。または、上記表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
【0015】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、画像データを変換せずに適切な表示が行える表示装置に関する。または、画像処理を行うことができる表示装置に関する。
【0017】
本発明の一態様は、第1のトランジスタと、第1の回路乃至第4の回路を有する表示装置であって、第1の回路乃至第4の回路のそれぞれは、第2のトランジスタと、第1の容量素子と、回路ブロックと、を有し、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の容量素子の一方の電極は、回路ブロックと電気的に接続され、第1の容量素子の他方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている表示装置である。
【0018】
第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有することが好ましい。
【0019】
第1の回路が有する第2のトランジスタのゲートと、第2の回路が有する第2のトランジスタのゲートを電気的に接続し、第3の回路が有する第2のトランジスタのゲートと、第4の回路が有する第2のトランジスタのゲートを電気的に接続することができる。
【0020】
また、第1の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と、第3の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方を電気的に接続し、第2の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と、第4の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方を電気的に接続することができる。
【0021】
第1の回路乃至第4の回路のそれぞれは、マトリクス状に配置された画素の機能を有し、第1の回路は、n行i列目(n、iは自然数)に配置し、第2の回路は、n行(i+x)列目(xは自然数)に配置し、第3の回路は、(n+1)行i列目に配置し、第4の回路は、(n+1)行(i+x)列目に配置することができる。
【0022】
回路ブロックは、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第2の容量素子と、有機EL素子と、を有し、有機EL素子の一方の電極は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の一方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第2の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続されている構成とすることができる。
【0023】
上記構成において、さらに第5のトランジスタと、第5の回路と、を有し、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第5の回路と電気的に接続されている構成としてもよい。
【0024】
第5の回路は、定電位を供給する機能を有することができる。または、電流値を読み取る機能および補正データを生成する機能を有することができる。
【0025】
また、回路ブロックは、第6のトランジスタと、第3の容量素子と、液晶素子と、を有し、液晶素子の一方の電極は、容量素子の一方の電極と電気的に接続され、容量素子の一方の電極は、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続されている構成としてもよい。
【0026】
第6のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有することが好ましい。
【0027】
また、本発明の他の一態様は、第1のトランジスタと、第1の回路と、第2の回路と、第3の回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、を有する表示装置であって、第1の回路乃至第3の回路のそれぞれは、第2のトランジスタと、第1の容量素子と、表示素子と、を有し、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の容量素子の一方の電極は、表示素子と電気的に接続され、第1の回路乃至第3の回路は、一方向に順に隣り合うように配置され、第1の回路と第2の回路との間には、第1の配線が設けられ、第2の回路と第3の回路との間には、第2の配線および第3の配線が設けられ、第1の配線は、第2の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第2の配線は、第3の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第3の配線は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の回路乃至第3の回路のいずれかが有する第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続する表示装置である。
【0028】
また、本発明の他の一態様は、第1のトランジスタと、第1の回路と、第2の回路と、第3の回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有する表示装置であって、第1の回路乃至第3の回路のそれぞれは、第2のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、表示素子と、を有し、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の容量素子の一方の電極は、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の一方の電極は、表示素子と電気的に接続され、第1の回路乃至第3の回路は、一方向に順に隣り合うように配置され、第1の回路と第2の回路との間には、第1の配線および第2の配線が設けられ、第2の回路と第3の回路との間には、第3の配線および第4の配線が設けられ、第1の配線は、第2の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第2の配線は、第1の回路が有する第2の容量素子の他方と電気的に接続され、第2の配線は、第2の回路が有する第2の容量素子の他方と電気的に接続され、第3の配線は、第3の回路が有する第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第4の配線は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の回路乃至第3の回路のいずれかが有する第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続する表示装置である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様を用いることで、画像データを変換せずに適切な表示が行える表示装置を提供することができる。または、画像処理を行うことができる表示装置を提供することができる。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することができる。または、二つの画像を重ねて表示できる表示装置を提供することができる。
【0030】
または、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、信頼性の高い表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置などを提供することができる。または、上記表示装置の駆動方法を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】画素回路を説明する図。
図2】画素回路の動作を説明するタイミングチャート。
図3】アップコンバートを説明する図。
図4】回路ブロックを説明する図。
図5】回路ブロックを説明する図。
図6】画素回路を説明する図。
図7】表示装置を説明するブロック図。
図8】ニューラルネットワークの構成例を説明する図。
図9】表示装置を説明するブロック図。
図10】シミュレーションに用いる画素の構成を説明する図。
図11】シミュレーションの結果を説明する図。
図12】シミュレーションの結果を説明する図。
図13】シミュレーションの結果を説明する図。
図14】画素の構成を説明する図。
図15】画素の構成を説明する図。
図16】表示装置を説明する図。
図17】タッチパネルを説明する図。
図18】表示装置を説明する図。
図19】トランジスタを説明する図。
図20】トランジスタを説明する図。
図21】トランジスタを説明する図。
図22】トランジスタを説明する図。
図23】電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
【0033】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について、図面を参照して説明する。
【0034】
本発明の一態様は、高解像度用および低解像度用の二つの画像データに対して、アップコンバートまたはダウンコンバートすることなく適切な表示が可能な表示装置である。高解像度で表示する場合は、第1のデータ線および各画素が有する第1のトランジスタを経路して、各画素に個別のデータを供給する。低解像度で表示する場合は、第2のデータ線および複数の画素と電気的に接続する第2のトランジスタを経路して当該複数の画素に同一のデータを供給する。
【0035】
表示対象の画像データが複数であり、対応する解像度が異なる場合に、上記のように画像データの供給経路を切り替えることで、アップコンバートまたはダウンコンバートすることなく表示が可能となる。
【0036】
ここで、高解像度用の画像データとは、例えば、8K4K(画素数:7680×4320)に対応するデータに相当する。また、低解像度用の画像データとは、例えば、4K2K(画素数:3840×2160)に対応する情報量を有するデータに相当する。すなわち、高解像度用画像データと低解像度用画像データの有効なデータ数(有効な画素数に対応)の比率は4:1であることを前提とする。
【0037】
なお、データ数(画素数)の比率が4:1であれば、上記の例に限らず、高解像度用の画像データが4K2Kに対応するデータ、低解像度用の画像データがFullHD(画素数:1920×1080)に対応するデータであってもよい。または、高解像度用の画像データが16K8K(画素数:15360×8640)に対応するデータ、低解像度用の画像データが8K4Kに対応するデータであってもよい。
【0038】
各画素には記憶ノードが設けられ、当該記憶ノードに第1のデータを保持することができる。第1のデータは外部機器にて生成され、各画素に書き込むことができる。第1のデータは容量結合によって第2のデータに付加され、表示素子に供給することができる。または、当該記憶ノードに第2のデータを書き込んだ後に第1のデータを容量結合で付加することもできる。
【0039】
したがって、表示素子では補正された画像を表示することができる。当該補正によって、上述した低解像度の表示を行う場合であっても画素内で画像のアップコンバートを行うことができる。または、表示領域における一部または全体の画像を補正し、広ダイナミックレンジの表示を行うことができる。または、第1のデータおよび第2のデータとして異なる画像データを用いることで、任意の画像を重ねあわせて表示することができる。
【0040】
図1は、本発明の一態様の表示装置におけるマトリクス状に配置された画素アレイの一部(4画素分)を表す図である。一つの画素10には、トランジスタ102と、容量素子103と、回路ブロック110が設けられる。回路ブロック110は、トランジスタ、容量素子、および表示素子などを有することができ、詳細は後述する。なお、符号に付記する括弧内のn、mは特定の行、i、jは特定の列を表す。
【0041】
画素10のそれぞれはマトリクス状に配置され、n行i列目(n、iは1以上の自然数)、n行(i+x)列目(xは1以上の自然数)、(n+1)行i列目および(n+1)行(i+x)列目に配置することができる。なお、図1では、x=1のときの配置を示している。
【0042】
また、画素アレイには、4つの画素10と電気的に接続されるトランジスタ101が設けられる。トランジスタ101は、画素10とは異なる配置で、m行j列目(m、jは1以上の自然数)に配置される。ここで、第m行は第n行と第n+1行との間に設けられることが好ましい。また、第J列は第i列と第(i+x)列との間に設けられることが好ましい。なお、トランジスタ101は、各画素10の要素であって、各画素で共有しているともいえる。
【0043】
トランジスタ102のソースまたはドレインの一方は、容量素子103の一方の電極と電気的に接続される。容量素子103の一方の電極は、回路ブロック110と電気的に接続される。容量素子103の他方の電極は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
【0044】
ここで、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方、容量素子103の一方の電極、および回路ブロックが接続される配線をノードNMとする。なお、ノードNMと接続する回路ブロック110の要素は、ノードNMをフローティングにすることができる。
【0045】
トランジスタ102のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ101のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線124と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線125と電気的に接続される。
【0046】
配線121、122は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。配線124、125は、画像データまたは補正データを供給する信号線としての機能を有することができる。また、配線124は、ノードNMにデータを書き込むための信号線ともいえる。
【0047】
ノードNMは記憶ノードであり、トランジスタ102を導通させることで、配線124に供給されたデータをノードNMに書き込むことができる。トランジスタ102に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNMの電位を長時間保持することができる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
【0048】
なお、トランジスタ102だけでなく、画素を構成するその他のトランジスタにOSトランジスタを適用してもよい。また、トランジスタ102にSiをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。または、OSトランジスタと、Siトランジスタの両方を用いてもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン、単結晶シリコン)を有するトランジスタなどが挙げられる。
【0049】
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OSまたはCAC-OSなどを用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
【0050】
OSトランジスタはエネルギーギャップが大きいため、極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。
【0051】
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0052】
半導体層を構成する酸化物半導体がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0053】
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10-9/cm以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は、欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0054】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0055】
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
【0056】
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
【0057】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
【0058】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0059】
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0060】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0061】
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0062】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0063】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0064】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0065】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0066】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0067】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0068】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0069】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0070】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0071】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0072】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0073】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0074】
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0075】
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0076】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0077】
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0078】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0079】
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0080】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
【0081】
まず、図2(A1)、(A2)に示すタイミングチャートを用いて、それぞれの画素10に異なるデータを書き込む動作の一例を説明する。当該動作は、例えば、画素数が8K4Kに対応した表示装置であって、高解像度用の画像データ(8K4Kデータ)を入力する場合に相当する。なお、説明は一つの画素10について行うが、その他の画素10も同様の動作を適用できる。
【0082】
以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”、高電位と低電位の間の特定の電位を“M”、で表す。なお、“M”としては、例えば0VやGNDなどの基準電位とすることができるが、他の電位であってもよい。また、高解像度用の画像データを“VsH”、高解像度用の補正データを“Vp1”とする。なお、“VsH”は任意の第1のデータ、“Vp1”は任意の第2のデータということもできる。
【0083】
まず、図2(A1)を用いて画像データ(VsH)をノードNMに書き込む動作を説明する。なお、ここでは電位の分配、結合または損失において、回路の構成や動作タイミングなどに起因する詳細な変化は勘案しない。また、容量結合による電位の変化は供給側と被供給側の容量比に依存するが、説明を明瞭にするため、ノードNMの容量値は十分に小さい値に仮定する。
【0084】
時刻T1に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“H”、配線124の電位を“VsH”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子103の他方の電極の電位は“M”となる。当該動作は、後の補正動作(容量結合動作)を行うためのリセット動作である。
【0085】
また、トランジスタ102が導通し、ノードNMに配線124の電位(画像データ“VsH”)が書き込まれる。
【0086】
時刻T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ102が非導通となり、ノードNMに画像データ“VsH”が保持される。
【0087】
ここまでが画像データ“VsH”の書き込み動作である。続いて、図2(A2)を用いて、画像データ“VsH”の補正動作および回路ブロック110が有する表示素子での表示動作を説明する。
【0088】
図2(A1)、(A2)の動作は、1水平期間内で連続して行うことができる。または、図2(A1)の動作を第kのフレームで行い(kは自然数)、図2(A2)の動作を第k+1のフレームで行ってもよい。
【0089】
時刻T11に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“Vp1”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子103の容量結合によりノードNMの電位に配線125の電位“Vp1”が付加される。ここで、“Vp1”は補正データであり、ノードNMは、画像データ“VsH”に補正データ“Vp1”が付加された電位“VsH+Vp1”となる。
【0090】
時刻T12に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101が非導通となり、ノードNMの電位は、“VsH+Vp1”に保持される。
【0091】
その後、回路ブロック110が有する表示素子において、ノードNMの電位に応じた表示動作を行う。なお、回路ブロックの構成によっては、時刻T1または時刻T11から表示動作を行う場合もある。
【0092】
このように選択した画素で補正を行うことで、広ダイナミックレンジの画像を表示することができる。なお、補正データ“Vp1”は4画素に対して同じ値となるが、明暗の視覚的効果を得るには十分である。また、補正を行わない場合は、時刻T11において、配線125の電位を“M”に維持すればよい。または、配線122の電位を“L”として、トランジスタ101を導通させなければよい。
【0093】
次に、図2(B1)、(B2)に示すタイミングチャートを用いて、4つの画素10に同じデータを書き込む動作を説明する。当該動作は、例えば、画素数が8K4Kに対応した表示装置であって、低解像度用の画像データ(4K2Kデータ)を入力する場合に相当する。
【0094】
まず、図2(B1)を用いて補正データ(Vp2)をノードNMに書き込む動作を説明する。以下では、低解像度用の画像データを“VsL”、低解像度用の補正データを“Vp2”とする。なお、“VsL”は任意の第1のデータ、“Vp2”は任意の第2のデータということもできる。
【0095】
時刻T1に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“H”、配線124の電位を“Vp2”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子103の他方の電極の電位は“M”となる。当該動作は、後の補正動作(容量結合動作)を行うためのリセット動作である。
【0096】
また、トランジスタ102が導通し、ノードNMに配線124の電位(補正データ“Vp2”)が書き込まれる。
【0097】
時刻T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ102が非導通となり、ノードNMに画像データ“Vp2”が保持される。
【0098】
ここまでが補正データ“Vp2”の書き込み動作である。続いて、図2(B2)を用いて、画像データ“VsL”の補正動作および回路ブロック110が有する表示素子での表示動作を説明する。
【0099】
図2(B1)、(B2)の動作は1水平期間内で連続して行うことができる。または、図2(B1)の動作を第kのフレームで行い、図2(B2)の動作を第k+1のフレームで行ってもよい。
【0100】
時刻T11に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“VsL”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子103の容量結合によりノードNMの電位に配線125の電位“VsL”が付加される。ここで、“VsL”は画像データであり、ノードNMは、補正データ“Vp2”に画像データ“VsL”が付加された電位“Vp2+VsL”となる。
【0101】
時刻T12に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“M”、配線125の電位を“M”とすると、トランジスタ101が非導通となり、ノードNMの電位は、“Vp2+VsL”に保持される。
【0102】
その後、回路ブロック110が有する表示素子において、ノードNMの電位に応じた表示動作を行う。なお、回路ブロックの構成によっては、時刻T11から表示動作を行う場合もある。
【0103】
補正データ“Vp2”としては、各画素10に異なる値を入力することができるため、画像データ“VsL”は同じでも各画素10で異なる表示を行うことができる。すなわち、アップコンバートが可能となる。なお、補正を行わない場合は、時刻T1において、配線124の電位を“M”に維持すればよい。または、時刻T11において、配線125の電位を“M”に維持すればよい。または、配線122の電位を“L”として、トランジスタ101を導通させなければよい。補正を行わない場合は、4画素で同じ画像を表示することができる。
【0104】
以上のように動作させることで、元の画像データをアップコンバートまたはダウンコンバートすることなしに表示装置に入力することができ、適切な表示を行うことができる。また、画像表示に適切な補正を行うことができる。
【0105】
ここで、低解像度用の画像データを入力する場合のアップコンバート動作について、図3(A)、(B)を用いて説明する。
【0106】
例えば、8K4Kの表示装置の画素数は、4K2Kの表示装置の画素数の4倍である。つまり、4K2Kの表示装置の1画素で表示する画像データを単純に8K4Kの表示装置で表示しようとすると、水平垂直方向の4画素で同じ画像データを表示することになる。
【0107】
図3(A)は、アップコンバート有無の画像を説明する図である。左から、元画像(画像データS1)が4K2K表示装置用の1画素に表示されている図、アップコンバート無しで画像データS1が8K4K表示装置用の4画素に表示されている図、アップコンバート有りで画像データS0乃至S2が8K4K表示装置用の4画素に表示されている図である。
【0108】
図3(A)に示すように、アップコンバート前では4画素全てにおいて画像データS1が表示されることになるが、アップコンバート後ではそれぞれの画素に画像データS0乃至S2が適用され、解像度を向上することができる。
【0109】
図3(B)は、画素10におけるアップコンバート動作を説明する図である。画素10では、前述したように画像データに任意の補正データを付加することができる。したがって、元の画像データS1は、そのまま各画素に供給する。
【0110】
また、各画素には、補正データとしてW1乃至W3を供給する。ここで、W1乃至W3を生成する方法は限定されない。補正データの生成は、外部機器を用いてリアルタイムで行ってもよいし、記録媒体に保存されている補正データを読み出して画像データS1と同期させてもよい。
【0111】
そして、前述した画素10の動作を行うことにより、各画素に供給された画像データS1に各補正データ(W1、W2、またはW3)が付加され、新しい画像データS0乃至S2が生成される。したがって、元の画像データS1をアップコンバートした表示を行うことができる。
【0112】
従来の外部補正によるアップコンバートでは、新しい画像データそのものを生成するため、外部機器の負荷が大きかった。一方で、上述した本発明の一態様では、供給する画像データは変化させず、補正データを供給した画素で新たな画像データを生成するため、外部機器の負担を小さくすることができる。また、新たな画像データを画素で生成するための動作は少ないステップで行うことができ、画素数が多く水平期間の短い表示装置でも対応することができる。
【0113】
なお、上記ではアップコンバートを例として説明したが、当該動作は二つの画像データを足し合わせて表示する動作全般に適用することができる。例えば、ある画像に対して文字画像を重ねて表示する動作に適用してもよい。また、異なる画像を重ねあわせる動作に適用してもよい。
【0114】
図4(A)乃至(C)は、回路ブロック110に適用でき、表示素子としてEL素子を含む構成の例である。
【0115】
図4(A)に示す構成は、トランジスタ111と、容量素子113と、EL素子114を有する。トランジスタ111のソースまたはドレインの一方は、EL素子114の一方の電極と電気的に接続される。EL素子114の一方の電極は、容量素子113の一方の電極と電気的に接続される。容量素子113の他方の電極は、トランジスタ111のゲートと電気的に接続される。トランジスタ111のゲートはノードNMに電気的に接続される。
【0116】
トランジスタ111のソースまたはドレインの他方は、配線128と電気的に接続される。EL素子114の他方の電極は、配線129と電気的に接続される。配線128、129は電源を供給する機能を有する。例えば、配線128は、高電位電源を供給することができる。また、配線129は、低電位電源を供給することができる。
【0117】
当該構成では、ノードNMの電位がトランジスタ111のしきい値電圧以上になったときにEL素子114に電流が流れる。したがって、図2(A1)、(B1)に示すタイミングチャートの時刻T1の段階でEL素子114の発光が始まる場合があり、補正を伴わない動作に用いることが好ましい。
【0118】
図4(B)は、図4(A)の構成にトランジスタ112を付加した構成である。トランジスタ112のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ111のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112のソースまたはドレインの他方は、EL素子114と電気的に接続される。トランジスタ112のゲートは、配線126と電気的に接続される。配線126は、トランジスタ112の導通を制御する信号線としての機能を有することができる。
【0119】
当該構成では、ノードNMの電位によらず、トランジスタ112の導通に伴ってEL素子114に電流が流れる。したがって、図2(A2)、(B2)に示すタイミングチャートの時刻T12以降にEL素子114の発光を開始することができ、補正を伴う動作に適している。
【0120】
図4(C)は、図4(B)の構成にトランジスタ115を付加した構成である。トランジスタ115のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ111のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ115のソースまたはドレインの他方は、配線130と電気的に接続される。トランジスタ115のゲートは、配線131と電気的に接続される。配線131は、トランジスタ115の導通を制御する信号線としての機能を有することができる。なお、トランジスタ115のゲートは、配線122と電気的に接続してもよい。
【0121】
配線130は回路120と接続することができ、トランジスタ111の電気特性を取得するためのモニタ線としての機能を有する。また、配線130からトランジスタ115を介してトランジスタ111のソースまたはドレインの一方に特定の電位を供給することにより、画像データの書き込みを安定化させることもできる。
【0122】
配線130をモニタ線として機能させる場合、前述した補正データ(Vp2)として、トランジスタ111のしきい値電圧を補正する電位を回路120で生成することができる。
【0123】
図5(A)乃至(C)は、回路ブロック110に適用でき、表示素子として液晶素子を含む構成の例である。
【0124】
図5(A)に示す構成は、容量素子116および液晶素子117を有する。液晶素子117の一方の電極は、容量素子116の一方の電極と電気的に接続される。容量素子116の一方の電極は、ノードNMに電気的に接続される。
【0125】
容量素子116の他方の電極は、配線132と電気的に接続される。液晶素子117の他方の電極は、配線133と電気的に接続される。配線132、133は電源を供給する機能を有する。例えば、配線132、133は、GNDや0Vなどの基準電位や任意の電位を供給することができる。
【0126】
当該構成では、ノードNMの電位が液晶素子117の動作しきい値以上になったときに液晶素子117の動作が開始される。したがって、図2(A1)、(B1)に示すタイミングチャートの時刻T1の段階で表示動作が始まる場合があり、補正を伴わない動作に用いることが好ましい。ただし、透過型液晶表示装置の場合は、図2(A2)、(B2)に示す時刻T12までバックライトを消灯するなどの動作を併用することで、不必要な表示動作が行われても視認を防止することができる。
【0127】
図5(B)は、図5(A)の構成にトランジスタ118を付加した構成である。トランジスタ118のソースまたはドレインの一方は、容量素子116の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ118のソースまたはドレインの他方は、ノードNMと電気的に接続される。トランジスタ118のゲートは、配線126と電気的に接続される。配線126は、トランジスタ118の導通を制御する信号線としての機能を有することができる。
【0128】
当該構成では、トランジスタ118の導通に伴って液晶素子117にノードNMの電位が印加される。したがって、図2(A2)、(B2)に示すタイミングチャートの時刻T12以降に液晶素子の動作を開始することができ、補正を伴う動作に適している。
【0129】
なお、トランジスタ118が非導通の状態では容量素子116および液晶素子117に供給された電位が保持され続けるため、画像データを書き換える前に容量素子116および液晶素子117に供給された電位をリセットすることが好ましい。当該リセットは、例えば、配線124にリセット電位を供給し、トランジスタ102およびトランジスタ118を同時に導通させればよい。
【0130】
図5(C)は、図5(B)の構成にトランジスタ119を付加した構成である。トランジスタ119のソースまたはドレインの一方は、液晶素子117の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ119のソースまたはドレインの他方は、配線130と電気的に接続される。トランジスタ119のゲートは配線131と電気的に接続される。配線131はトランジスタ119の導通を制御する信号線としての機能を有することができる。なお、トランジスタ119のゲートは、配線122と電気的に接続してもよい。
【0131】
配線130と電気的に接続される回路120は、前述した図4(C)の説明と同様であるほか、容量素子116および液晶素子117に供給された電位をリセットする機能を有していてもよい。
【0132】
また、図6(A)、(B)に示すようにトランジスタ101、102は、バックゲートを設けた構成であってもよい。図6(A)は、バックゲートがフロントゲートと電気的に接続された構成を示しており、オン電流を高める効果を有する。図6(B)は、バックゲートが定電位を供給できる配線134と電気的に接続された構成を示しており、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。なお、図4(A)乃至(C)および図5(A)乃至(C)に示す回路ブロック110が有するトランジスタにもバックゲートを設けてもよい。
【0133】
図7は、本発明の一態様の表示装置のブロック図の一例である。当該表示装置は、画素10がマトリクス状に設けられた画素アレイ11と、ロードライバ12、13と、カラムドライバ14、15と、回路16と、選択回路17、18を有する。
【0134】
ロードライバ12、13およびカラムドライバ14、15には、例えばシフトレジスタ回路やデコーダ回路などを用いることができる。回路16は、補正データを生成する機能を有する。なお、回路16は、補正データを生成するための外部機器ということもできる。
【0135】
ロードライバ12は配線121と電気的に接続され、トランジスタ102の導通を制御することができる。ロードライバ13は配線122と電気的に接続され、トランジスタ101の導通を制御することができる。また、カラムドライバ14は配線124と電気的に接続され、カラムドライバ15は配線125と電気的に接続される。
【0136】
回路16には、高解像度用の画像データ“VsH”(例えば、8K4Kデータ)または低解像度用の画像データ“VsL”(例えば、4K2Kデータ)が介して入力される。画像データ“VsH”が入力されたとき、補正データ“Vp1”が生成され、選択回路18を介してカラムドライバ15に出力される。画像データ“VsL”が入力されたとき、補正データ“Vp2”が生成され、選択回路17を介してカラムドライバ14に出力される。
【0137】
なお、画像データ“VsH”は、選択回路17を介してカラムドライバ14に入力することができる。画像データ“VsL”は、選択回路18を介してカラムドライバ15に入力することができる。また、補正データVp1および補正データVp2を外部から入力する場合は、選択回路17または選択回路18を介してカラムドライバ14またはカラムドライバ15に入力することができる。
【0138】
回路16は、ニューラルネットワークを有していてもよい。例えば、膨大な画像を教師データとして学習したディープニューラルネットワークを用いることで、精度の高い補正データを生成することができる。
【0139】
図8(A)に示すように、ニューラルネットワークNNは入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLはそれぞれ、1または複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともでき、ディープニューラルネットワークを用いた学習は深層学習と呼ぶこともできる。
【0140】
入力層ILの各ニューロンには入力データが入力され、中間層HLの各ニューロンには前層または後層のニューロンの出力信号が入力され、出力層OLの各ニューロンには前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
【0141】
図8(B)に、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力xと、前層のニューロンの出力xが入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力xと重みwの乗算結果(x)と出力xと重みwの乗算結果(x)の総和x+xが計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x+x+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=h(a)が出力される。
【0142】
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx+x)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。積和演算をハードウェアによって行う場合は、積和演算回路を用いることができる。この積和演算回路としては、デジタル回路を用いてもよいし、アナログ回路を用いてもよい。
【0143】
積和演算回路は、Siトランジスタによって構成してもよいし、OSトランジスタによって構成してもよい。特に、OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、積和演算回路のアナログメモリを構成するトランジスタとして好適である。なお、SiトランジスタとOSトランジスタの両方を用いて積和演算回路を構成してもよい。
【0144】
また、図9に示すようにロードライバ13の機能をロードライバ12に統合してもよい。また、カラムドライバ15の機能をカラムドライバ14に統合してもよい。このとき、補正データおよび画像データ、ならびに回路16の出力データは選択回路19に入力され、適切なタイミングでいずれかのデータがカラムドライバ14に出力される。
【0145】
ロードライバ12は、例えば、シフトレジスタ20およびバッファ回路21を組み合わせた構成とすることができる。バッファ回路21の導通を制御することにより、選択的に配線121または配線122にデータを出力することができる。また、カラムドライバ14は、例えば、シフトレジスタ22および選択回路23を組み合わせた構成とすることができる。選択回路23により、選択的に配線124または配線125にデータを出力することができる。
【0146】
図7に示す構成では、画像データの解像度別に使用するドライバが異なる。したがって、例えば低解像度で補正なしの表示動作を行う場合は、ロードライバ13とカラムドライバ15で動作させることができ、ロードライバ12とカラムドライバ14の動作を停止させることができる。また、使用する配線122、125のそれぞれは、使用しない配線121、124の半数であり、データの充放電に費やされる電力も削減することができる。また、図8に示す構成では、同様の表示動作を行う場合に、ドライバの出力段を半数にすることによって電力を削減することができる。
【0147】
次に、図1に示す画素アレイに図4(A)に示す回路ブロックを適用した構成(図10参照)のシミュレーション結果を説明する。パラメータは以下の通りであり、トランジスタサイズはL/W=6μm/6μm(トランジスタ102)、L/W=4μm/4μm(その他のトランジスタ)、容量素子103の容量値150fF、容量素子113の容量値50fF、EL素子114はFNダイオードモデル、配線128はアノード電位として+10V、配線129はカソード電位として-5Vとした。なお、回路シミュレーションソフトウェアにはSPICEを用いた。
【0148】
図11(A)乃至(C)は、高解像度の表示(補正なし)を検証するシミュレーション結果である。図11(A)は、検証に用いたタイミングチャートである。図11(A)における時刻T1乃至T2でトランジスタ102を導通させることにより、配線124から画像データ(VDATA)の書き込みを行う。
【0149】
図11(B)は、画像データ(VDATA)に対してEL素子114が流す電流(ILED)をシミュレーションした結果である。図11(B)は一つの画素におけるシミュレーション結果であるが、いずれの画素(pix1乃至pix4)でも階調表示できることが確認されている。
【0150】
また、図11(C)は、画像データ(VDATA)に対するノードNMの電位(VNM)の変化をシミュレーションした結果である。いずれの画素でもノードNMの電位(VNM)が画像データ“VDATA”と比例することが確認されている。
【0151】
すなわち、配線124から供給する高解像度用の画像データ(VDATA)を表示できることが確認された。
【0152】
図12(A)乃至(C)は、低解像度の表示(補正なし)を検証するシミュレーション結果である。図12(A)、(B)は、検証に用いたタイミングチャートである。まず、図12(A)における時刻T1乃至T2でノードNMの電位をリセットする。その後、図12(B)に示す時刻T3乃至T4において、トランジスタ101を導通させることにより配線125から画像データ(VDATA)の書き込みを行う。
【0153】
図12(C)は、画像データ(VDATA)に対してEL素子114が流す電流(ILED)をシミュレーションした結果である。図12(B)は、一つの画素におけるシミュレーション結果であるが、いずれの画素(pix1乃至pix4)でも階調表示できることが確認されている。
【0154】
また、図12(D)は、画像データ(VDATA)に対するノードNMの電位(VNM)の変化をシミュレーションした結果である。いずれの画素でもノードNMの電位(VNM)が画像データ(VDATA)と比例することが確認されている。
【0155】
すなわち、配線125から供給する低解像度用の画像データ(VDATA)を表示できることが確認された。
【0156】
図13(A)乃至(C)は、低解像度の表示(補正あり)を検証するシミュレーション結果である。図13(A)、(B)は、検証に用いたタイミングチャートである。まず、図13(A)における時刻T1乃至T2でノードNMに配線124から補正データ(Vp)を書き込む。その後、図13(B)に示す時刻T3乃至T4において、トランジスタ101を導通させることにより配線125から画像データ(VDATA)の書き込みを行う。
【0157】
図13(C)は、画像データに対してEL素子114が流す電流(ILED)を補正データ毎にシミュレーションした結果である。補正データ(Vp)として1V乃至8Vを書き込み、画像データ(VDATA)と結合させたいずれの場合においても階調表示できることが確認されている。
【0158】
また、図13(D)は、画像データ(VDATA)に対するノードNMの電位(VNM)の変化を補正データ(Vp)ごとにシミュレーションした結果である。補正データ(Vp)として1V乃至8Vを書き込み、画像データ(VDATA)と結合させたいずれの場合においてもノードNMの電位(VNM)が画像データ(VDATA)+補正データ(Vp)と比例することが確認されている。
【0159】
すなわち、配線124から供給する補正データ(Vp)に配線125から供給する低解像度用の画像データ(VDATA)を結合させて表示できることが確認された。
【0160】
図14は、本発明の一態様の画素をカラー表示が行えるEL表示装置に適用した場合の一例である。一般的にカラー表示が行える表示装置の画素は、R(赤)、G(緑)B(青)のそれぞれの色を発する副画素の組み合わせを有する。図14では、水平方向に並ぶ副画素10R、副画素10G、副画素10Bの3つの副画素が一つの画素を構成することになり、水平垂直方向の4画素を表している。なお、図14では、電源線等の配線は省略している。
【0161】
前述したように、本発明の一態様では、トランジスタ101を介してマトリクス状に配置された4画素(ここでは、同色を発する4副画素に相当)に補正データVp1または画像データVsLを入力することができる。ここで、各副画素と電気的に接続する配線124は列毎に設けられるが、トランジスタ101と電気的に接続される配線125は水平方向の2副画素毎に設けられる。
【0162】
当該構成において、例えば図14左上の画素(PIX1)では、副画素10Rと副画素10Gとの間には配線124[i+1]が1本設けられ、副画素10Gと副画素10Bとの間には配線124[i+2]および配線125[j+1]の2本が設けられる。そのため、各要素のレイアウトをできるだけ密にする場合において、各副画素の間隔(同一の機能を有する要素の間隔)を一定とすることが困難となる。
【0163】
したがって、副画素10R、副画素10G、副画素10Bと接続される画素電極をそれぞれ、電極25R、25G、25Bとしたとき、図14に示すように電極25R、25G、25Bを等間隔に配置する構成とすることが好ましい。なお、画素電極は各副画素の要素ともいえるが、ここでは説明を明瞭にするために別の要素としている。当該構成はトップエミッション型のEL表示装置、または反射型の液晶表示装置に有効である。
【0164】
図15は、本発明の一態様の画素をカラー表示が行える液晶表示装置に適用した場合の一例である。液晶表示装置で副画素の間隔を一定とするには、例えば図15左上の画素(PIX2において、容量素子116の他方の電極が電気的に接続する配線132[j]を副画素10Rと副画素10Gとの間に設ければよい。配線132には、副画素10Rおよび副画素10Gが有する容量素子116がそれぞれ電気的に接続する。なお、副画素10Bが有する容量素子116は、隣接する画素の副画素10Rとの間に設ける配線132[j+1]と電気的に接続すればよい。
【0165】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0166】
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶素子を用いた表示素子の構成例と、EL素子を用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した表示装置の要素、動作および機能の説明は省略する。
【0167】
図16(A)乃至(C)は、本発明の一態様を用いることのできる表示装置の構成を示す図である。
【0168】
図16(A)において、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むようにして、シール材4005が設けられ、表示部215が第1の基板4001、シール材4005および第2の基板4006によって封止されている。
【0169】
表示部215には、実施の形態1の図7または図9に示した画素アレイ11が設けられる。なお、以下に説明する走査線駆動回路はロードライバ、信号線駆動回路はカラムドライバに相当する。
【0170】
図16(A)では、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設けられた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶半導体で形成されている。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aは、実施の形態1に示したカラムドライバの機能を有する。走査線駆動回路221aは、実施の形態1に示したロードライバの機能を有する。共通線駆動回路241aは、実施の形態1に示した電源を供給する配線やVrefを供給する配線に規定の電位を供給する機能を有する。
【0171】
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018を介して供給される。
【0172】
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像データを供給する機能を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に実装されている。
【0173】
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング法、COG(Chip On Glass)法、TCP(Tape Carrier Package)法、COF(Chip On Film)法などを用いることができる。
【0174】
図16(B)は、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全体を表示部215と同じ第1の基板4001上に一体形成して、システムオンパネルを形成することができる。
【0175】
図16(B)では、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部215と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることができる。
【0176】
また、図16(B)では、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。
【0177】
また、図16(B)では、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部を別途形成して実装しても良い。また、図16(C)に示すように、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを表示部215と同じ基板上に形成してもよい。
【0178】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
【0179】
また第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有している。当該トランジスタとして、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
【0180】
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
【0181】
また、第2の基板4006上には入力装置4200を設けることができる。図16に示す表示装置に入力装置4200を設けた構成はタッチパネルとして機能させることができる。
【0182】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
【0183】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0184】
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有するタッチパネルを例に挙げて説明する。
【0185】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0186】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示素子を支持する基板および対向基板の一方または双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0187】
図17(A)、(B)に、タッチパネルの一例を示す。図17(A)は、タッチパネル4210の斜視図である。図17(B)は、入力装置4200の斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。
【0188】
タッチパネル4210は、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせた構成である。
【0189】
タッチパネル4210は、入力装置4200と、表示装置とを有し、これらが重ねて設けられている。
【0190】
入力装置4200は、基板4263、電極4227、電極4228、複数の配線4237、複数の配線4238および複数の配線4239を有する。例えば、電極4227は配線4237または配線4239と電気的に接続することができる。また、電極4228は配線4239と電気的に接続することができる。FPC4272bは、複数の配線4237および複数の配線4238の各々と電気的に接続する。FPC4272bにはIC4273bを設けることができる。
【0191】
または、表示装置の第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設けてもよい。第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
【0192】
図18(A)および図18(B)は、図16(B)中でN1-N2の鎖線で示した部位の断面図である。図18(A)および図18(B)に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、図18(A)および図18(B)では、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
【0193】
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
【0194】
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、トランジスタを複数有しており、図18(A)、および図18(B)では、表示部215に含まれるトランジスタ4010、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、図18(A)および図18(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
【0195】
図18(A)および図18(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。また、図18(B)では、絶縁層4112上に隔壁4510が形成されている。
【0196】
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
【0197】
また、図18(A)および図18(B)に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。それぞれの電極は、絶縁層4103を介して重なっている。
【0198】
一般に、表示装置の画素部に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
【0199】
表示部215に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。図18(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。図18(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
【0200】
また、スペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0201】
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。また、上記バックライト、およびサイドライトとして、マイクロLEDなどを用いても良い。
【0202】
図18(A)に示す表示装置では、第2の基板4006と第2の電極層4031の間に、遮光層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
【0203】
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
【0204】
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。遮光層および着色層の形成方法は、前述した各層の形成方法と同様に行なえばよい。例えば、インクジェット法などで行なってもよい。
【0205】
また、図18(A)および図18(B)に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
【0206】
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子(EL素子)を適用することができる。EL素子は、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、EL素子の閾値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
【0207】
また、EL素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0208】
有機EL素子は、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0209】
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)などを有していてもよい。
【0210】
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
【0211】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
【0212】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
【0213】
図18(B)は、表示素子として発光素子を用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示素子である発光素子4513は、表示部215に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
【0214】
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0215】
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0216】
発光素子4513の発光色は、発光層4511を構成する材料によって、白、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、または黄などとすることができる。
【0217】
カラー表示を実現する方法としては、発光色が白色の発光素子4513と着色層を組み合わせて行う方法と、画素毎に発光色の異なる発光素子4513を設ける方法がある。前者の方法は後者の方法よりも生産性が高い。一方、後者の方法では画素毎に発光層4511を作り分ける必要があるため、前者の方法よりも生産性が劣る。ただし、後者の方法では、前者の方法よりも色純度の高い発光色を得ることができる。後者の方法に加えて、発光素子4513にマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
【0218】
なお、発光層4511は、量子ドットなどの無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
【0219】
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0220】
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0221】
シール材4005には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0222】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0223】
また、発光素子をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
【0224】
表示素子に電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
【0225】
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0226】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
【0227】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
【0228】
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0229】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0230】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した各トランジスタに置き換えて用いることのできるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
【0231】
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
【0232】
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図19(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810のチャネル長方向の断面図である。図19(A1)において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
【0233】
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
【0234】
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0235】
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
【0236】
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744aおよび電極744bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n層)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
【0237】
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極744aおよび電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
【0238】
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744aの間、および半導体層742と電極744bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
【0239】
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
【0240】
図19(A2)に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料および方法で形成することができる。
【0241】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0242】
電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
【0243】
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0244】
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極746および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなる。
【0245】
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0246】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
【0247】
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0248】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0249】
図19(B1)は、図19(A1)とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0250】
図19(B2)に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
【0251】
絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
【0252】
また、トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0253】
図19(C1)は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ825は、絶縁層741を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層729を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0254】
図19(C2)に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
【0255】
図20(A1)乃至(C2)にトランジスタ810、811、820、821、825、826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0256】
図20(B2)、(C2)に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層742は、ゲート電極とバックゲート電極と挟まれている。
【0257】
ゲート電極およびバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層742のチャネル幅方向全体は、絶縁層726、741、728、729を間に挟んでゲート電極またはバックゲート電極に覆われた構成である。
【0258】
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層742を、ゲート電極及びバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
【0259】
トランジスタ821またはトランジスタ826のように、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって、チャネル領域が形成される半導体層742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造と呼ぶことができる。
【0260】
S-channel構造とすることで、ゲート電極及びバックゲート電極の一方または双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
【0261】
〔トップゲート型トランジスタ〕
図21(A1)に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
【0262】
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁層726をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層742の絶縁層726を介して不純物755が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物755が導入された領域よりも小さくなる。半導体層742は、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
【0263】
図21(A2)に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する。電極723は絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
【0264】
また、図21(B1)に示すトランジスタ844および図21(B2)に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、図21(C1)に示すトランジスタ846および図21(C2)に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
【0265】
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0266】
図22(A1)乃至(C2)にトランジスタ842、843、844、845、846、847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0267】
トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847をS-channel構造としなくてもよい。
【0268】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0269】
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図23に示す。
【0270】
図23(A)はデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0271】
図23(B)はデジタルサイネージであり、大型の表示部922を有する。例えば柱921の側面に取り付けられる。表示部922に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
【0272】
図23(C)は携帯電話機であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。また、筐体901および表示部952は可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができる。表示部952に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0273】
図23(D)は携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部912に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0274】
図23(E)はテレビであり、筐体971、表示部973、操作キー974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0275】
図23(F)は情報処理端末であり、筐体901、表示部902、表示部903、センサ904等を有する。表示部902および表示部903は一つの表示パネルから成り、可撓性を有する。また、筐体901も可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができるほか、タブレット端末のように平板状にして使用することもできる。センサ904は筐体901の形状を感知することができ、例えば、筐体が曲げられたときに表示部902および表示部903の表示を切り替えることができる。表示部902および表示部903に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0276】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0277】
10:画素、10B:副画素、10G:副画素、10R:副画素、11:画素アレイ、12:ロードライバ、13:ロードライバ、14:カラムドライバ、15:カラムドライバ、16:回路、17:選択回路、18:選択回路、19:選択回路、20:シフトレジスタ、21:バッファ回路、22:シフトレジスタ、23:選択回路、25B:電極、25G:電極、25R:電極、101:トランジスタ、102:トランジスタ、103:容量素子、110:回路ブロック、111:トランジスタ、112:トランジスタ、113:容量素子、114:EL素子、115:トランジスタ、116:容量素子、117:液晶素子、118:トランジスタ、119:トランジスタ、120:回路、121:配線、122:配線、124:配線、125:配線、126:配線、128:配線、129:配線、130:配線、131:配線、132:配線、133:配線、134:配線、215:表示部、221a:走査線駆動回路、231a:信号線駆動回路、232a:信号線駆動回路、241a:共通線駆動回路、723:電極、726:絶縁層、728:絶縁層、729:絶縁層、741:絶縁層、742:半導体層、744a:電極、744b:電極、746:電極、755:不純物、771:基板、772:絶縁層、810:トランジスタ、811:トランジスタ、820:トランジスタ、821:トランジスタ、825:トランジスタ、826:トランジスタ、830:トランジスタ、840:トランジスタ、842:トランジスタ、843:トランジスタ、844:トランジスタ、845:トランジスタ、846:トランジスタ、847:トランジスタ、901:筐体、902:表示部、903:表示部、904:センサ、911:筐体、912:表示部、913:スピーカ、919:カメラ、921:柱、922:表示部、951:筐体、952:表示部、953:操作ボタン、954:外部接続ポート、955:スピーカ、956:マイク、957:カメラ、961:筐体、962:シャッターボタン、963:マイク、965:表示部、966:操作キー、967:スピーカ、968:ズームレバー、969:レンズ、971:筐体、973:表示部、974:操作キー、975:スピーカ、976:通信用接続端子、977:光センサ、4001:基板、4005:シール材、4006:基板、4008:液晶層、4010:トランジスタ、4011:トランジスタ、4013:液晶素子、4014:配線、4015:電極、4017:電極、4018:FPC、4019:異方性導電層、4020:容量素子、4021:電極、4030:電極層、4031:電極層、4032:絶縁層、4033:絶縁層、4035:スペーサ、4041:プリント基板、4042:集積回路、4102:絶縁層、4103:絶縁層、4104:絶縁層、4110:絶縁層、4111:絶縁層、4112:絶縁層、4131:着色層、4132:遮光層、4133:絶縁層、4200:入力装置、4210:タッチパネル、4227:電極、4228:電極、4237:配線、4238:配線、4239:配線、4263:基板、4272b:FPC、4273b:IC、4510:隔壁、4511:発光層、4513:発光素子、4514:充填材
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