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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】操縦可能な多平面超音波撮像システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022506940
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2020072457
(87)【国際公開番号】W WO2021028416
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】19202894.2
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/887,162
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】チェン アルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイジャ クナル
(72)【発明者】
【氏名】トルイェセン アリッサ
(72)【発明者】
【氏名】リー シボ
(72)【発明者】
【氏名】エルカムプ ラモン クイド
(72)【発明者】
【氏名】バラット シャム
(72)【発明者】
【氏名】フレクスマン モリー ララ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン アメート クマル
(72)【発明者】
【氏名】スタペルト ヘンドリク ルロフ
(72)【発明者】
【氏名】ビル ヴィンセンティウス パウルス
(72)【発明者】
【氏名】チェン ネンズ
(72)【発明者】
【氏名】メッセン ラルフ テオドルス フベルトス
(72)【発明者】
【氏名】ネイホフ ニールス
(72)【発明者】
【氏名】タルゴーン エイス クロード ヴァレンチン
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-514598(JP,A)
【文献】特開2005-323669(JP,A)
【文献】特表2013-521920(JP,A)
【文献】特開2013-081764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム形成超音波撮像プローブと前記プローブの視野内に配置された超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号に基づいて前記ビーム形成超音波撮像プローブの複数の交差する画像平面を操縦するための操縦可能な多平面超音波撮像システムにおいて、前記システムが、
ビーム形成超音波撮像プローブと、
超音波追跡システムと、
を有し、
前記ビーム形成超音波撮像プローブは、複数の交差する画像平面を規定する超音波ビームを生成するように構成され、前記画像平面は、少なくとも第1の画像平面及び第2の画像平面を有し、
前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブと通信し、前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、前記第1の画像平面が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記ビーム形成超音波撮像プローブに前記第1の画像平面の向きを調整させ、
前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の交線が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記ビーム形成超音波撮像プローブに前記第2の画像平面の向きを調整させるように構成される、
システム。
【請求項2】
i)前記超音波トランスデューサが、超音波センサであり、前記超音波信号が、前記ビーム形成超音波撮像プローブによって送信され、前記超音波センサによって受信される超音波撮像信号である、又はii)前記超音波トランスデューサが、超音波センサであり、前記超音波信号が、前記ビーム形成超音波撮像プローブによって送信される超音波追跡信号であり、前記超音波追跡信号が、超音波撮像信号間にインターリーブされ、前記超音波追跡信号が、前記超音波センサによって受信される、又はiii)前記超音波トランスデューサが、超音波センサであり、前記超音波信号が、前記ビーム形成超音波撮像プローブ上に配置された複数の超音波エミッタの各々によって送信される超音波追跡信号であり、前記超音波追跡信号が、前記超音波センサによって受信される、又はiv)前記超音波トランスデューサが、超音波エミッタであり、前記超音波信号は、前記超音波エミッタによって送信され、前記ビーム形成超音波撮像プローブ上に配置された複数の超音波レシーバの各々によって受信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記超音波追跡システムは、前記第1の画像平面に対する最大信号超音波ビームを識別するように更に構成され、前記最大信号超音波ビームは、前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさが前記第1の画像平面に対して最高である超音波ビームであり、前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の交線が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記ビーム形成超音波撮像プローブに前記第2の画像平面を調整させることは、前記第2の画像平面を前記最大信号超音波ビームに交差させることを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサは、超音波センサであり、前記超音波信号は、前記ビーム形成超音波撮像プローブによって送信され、前記超音波センサによって受信され、前記超音波追跡システムは、
前記ビーム形成超音波撮像プローブによって送信された前記超音波信号に応答して前記超音波センサによって生成された電気信号を受信し、
前記ビーム形成超音波撮像プローブから、前記送信された超音波信号の放射の時間に対応する同期信号を受信し、
前記受信された電気信号及び前記受信された同期信号に基づいて前記最大信号超音波ビームを識別する、
ように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ビーム形成超音波撮像プローブは、法線軸を有するトランスデューサ素子の2次元アレイを有し、前記第1の画像平面又は前記第2の画像平面の向きを調整することは、i)前記法線軸に対して前記それぞれの画像平面を傾斜させること、ii)前記法線軸の周りで前記それぞれの画像平面を回転させること、及びiii)前記法線軸に対して垂直に前記それぞれの画像平面を平行移動させることのうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記超音波追跡システムは、前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の前記交線が前記超音波トランスデューサの各新しい位置を通過するように、少なくとも前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面の向きを調整することによって、複数の新しい位置の各々への前記超音波トランスデューサの移動を追跡するように更に構成され、
前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信される前記超音波信号の大きさが所定の閾値を下回る場合、前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、
前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、前記第1の画像平面が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記第1の画像平面の向きを調整するステップと、
前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の前記交線が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記ビーム形成超音波撮像プローブに前記第2の画像平面の向きを調整させるステップと、
を繰り返させるように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面は、
前記第1の画像平面上の最大の生成された電気信号が最大化されるように、前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面を同時に調整し、
前記第2の画像平面上の最大の生成された電気信号が最大化されるように、前記第1の画像平面とは独立に前記第2の画像平面を調整する、
によって調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の交線が前記超音波トランスデューサの位置を通過することを維持しながら、それぞれの画像平面において検出された画像特徴に基づいて、前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面の少なくとも1つを調整させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記超音波追跡システムは、
前記画像特徴に対応する画像品質計量の値を計算し、
前記画像品質計量の値を最大化するように、前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面の前記少なくとも1つを調整する、
ことによって、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記画像特性に基づいて前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面の前記少なくとも1つを調整させるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記画像品質計量を計算することは、i)前記それぞれの画像平面において前記画像特徴をセグメント化すること、又はii)前記画像特徴にモデルをフィットすること、を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記画像平面の各々に対して前記ビーム形成超音波撮像プローブによって生成された超音波画像データに基づいて超音波画像を再構成するように構成された画像再構成ユニットを更に有し、前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の前記交線の周りで前記複数の画像平面を回転させることによって前記複数の画像平面を調整させ、前記回転中に前記複数の交差する画像平面の少なくとも1つに対応する超音波画像データに基づいて3次元超音波画像を再構成させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記画像平面の各々について前記ビーム形成超音波撮像プローブによって生成された超音波画像データに基づいて超音波画像を再構成するように構成された画像再構成ユニットを更に有し、
前記再構成された超音波画像が解剖学的モデルに位置合わせされるオーバーレイ画像を生成するように構成された画像位置合わせユニットを更に有し、
前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記解剖学的モデルにおいて規定された所望のビューに基づいて前記画像平面の少なくとも1つを調整させるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記所望のビューは、視覚化平面を有し、前記超音波追跡システムは、前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記画像平面の前記少なくとも1つが前記視覚化平面に平行であるように、前記第1の画像平面及び前記第2の画像平面の前記交線の周りで前記画像平面の前記少なくとも1つを回転させることによって、前記所望のビューを提供させるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ビーム形成超音波撮像プローブと前記プローブの視野内に配置された超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号に基づいて、前記ビーム形成超音波撮像プローブの複数の交差する画像平面を操縦する方法において、
複数の交差する画像平面を規定するための複数の超音波ビームを生成するステップであって、前記画像平面が少なくとも第1の画像平面及び第2の画像平面を有する、ステップと、
前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、前記第1の画像平面が超音波トランスデューサの位置を通過するように前記第1の画像平面の向きを調整させるステップと、
前記ビーム形成超音波撮像プローブに、前記第1の画像平面と前記第2の画像平面との間の交線が前記超音波トランスデューサの位置を通過するように、前記第2の画像平面の向きを調整させるステップと、
を有する方法。
【請求項15】
ビーム形成超音波撮像プローブの視野内に配置された超音波センサによって検出された超音波信号に基づいて前記ビーム形成超音波撮像プローブの複数の交差する画像平面を操縦するためのシステムのプロセッサ上で実行される場合に、前記プロセッサに請求項14に記載の方法のステップを実行させる命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操縦可能な多平面(multi-plane)超音波撮像システムに関する。関連する方法及びコンピュータプログラム製品も提供される。本発明は、特に医療用超音波撮像分野に適用され、様々な超音波撮像プローブと共に使用されてもよい。経胸腔「TTE」超音波撮像プローブ、血管内「IVUS」、並びに経食道「TEE」、経鼻「TNE」、心臓内「ICE」、及び経直腸「TRUS」超音波撮像プローブとのこれの使用が、考えられる。
【背景技術】
【0002】
多平面超音波撮像システムは、医療処置をサポートするための解剖学的ビューを医療従事者に提供する。単一平面超音波撮像と比較して、多平面撮像システムによって提供される追加のビューは、解剖学的構造の改善された視覚化を提供する一方で、完全な3次元撮像に関連する典型的により低い解像度又はより低いフレームレートを回避する。
【0003】
これに関して、文献US2014/013849A1は、多平面超音波撮像システムを開示している。撮像データは、第1の平面及び第2の平面について取得される。システムは、第1の平面の第1の向きを調整することと、第2の平面と第1の平面との間の固定の関係を維持するために、第2の平面の第2の向きを自動的に調整することとを含む。文献US2014/013849A1は、ユーザインターフェースを用いて第1の平面を調整することを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、既知の多平面超音波撮像システムの欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、改良された多平面超音波撮像システムを提供しようとするものである。本発明は、請求項により規定される。それに、ビーム形成超音波撮像プローブと、プローブの視野内に配置された超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号に基づいて、ビーム形成超音波撮像プローブの複数の交差する画像平面を操縦するための操縦可能な多平面超音波撮像システムは、ビーム形成超音波撮像プローブ及び超音波追跡システムを含む。ビーム形成超音波撮像プローブは、第1の画像平面及び第2の画像平面を含む、複数の交差する画像平面を規定する超音波ビームを生成する。超音波追跡システムは、ビーム形成超音波撮像プローブと超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、第1の画像平面が超音波トランスデューサの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブに第1の画像平面の向きを調整させる。また、超音波追跡システムは、第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線が超音波トランスデューサの位置を通過するように、ビーム形成超音波像形成プローブに第2の画像平面の向きを調整させる。
【0006】
超音波トランスデューサが配置される位置は、撮像プローブとトランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって決定される。次いで、その位置は、画像平面の交差が交差するようにされる基準位置として働く。このようにして画像平面に対する超音波トランスデューサ位置を追跡することは、撮像プローブとその視野内の対象との間の相対移動を補償し、この相対移動は、さもなければ、対象が画像平面の外に移動するときに対象に消えさせてもよい。その位置を通過する、より安定した平面画像は、このように、システムによって、三次元視野全体が撮像される三次元画像処理に関連する、より低い解像度及び/又はより低いフレームレートの欠点なしで提供される。記載された本発明の更なる利点は、当業者には明らかであろう。
【0007】
更なる態様は、添付の特許請求の範囲を参照して説明される。これらの態様の更なる利点も、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】視野FOV内の交差する画像平面PL1、PL2を有するビーム形成超音波撮像プローブBUIPを含む、操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISを示す。
図2A】それぞれの画像平面を法線軸NAに対して傾斜させることによって、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2を調整することを示す。
図2B】それぞれの画像平面を法線軸NAに対して傾斜させることによって、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2を調整することを示す。
図2C】それぞれの画像平面を法線軸NAに対して傾斜させることによって、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2を調整することを示す。
図3】画像平面PL1において検出された画像特徴に基づいて、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2の調整を示す。
図4】画像平面PL1、PL2を回転させながら得られた超音波画像データを用いた3次元超音波画像の再構成を示す。
図5】再構成された超音波画像が解剖学的モデルAMに位置合わせされるオーバーレイ画像の生成と、解剖学的モデルにおいて規定された所望のビューを達成するための画像平面PL2の調整とを示す。
図6】本開示のいくつかの態様に関連して使用され得る方法METのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の原理を示すために、操縦可能な多平面超音波撮像システムが、TTEプローブの形態のビーム形成超音波撮像プローブを特に参照して説明される。しかしながら、IVUS、TEE、TNE、ICE、又はTRUS超音波撮像プローブを含むが、これらに限定されない、代替の超音波撮像プローブと共にシステムを使用することも考えられることを理解されたい。更に、介入装置と組み合わせたシステムの使用は、医療用針である介入装置を特に参照して説明される。しかしながら、カテーテル、ガイドワイヤ、プローブ、内視鏡、電極、ロボット、フィルタ装置、バルーン装置、ステント、僧帽弁クリップ、左心耳閉鎖装置、大動脈弁、ペースメーカ、静脈ライン、ドレナージライン、手術ツール、組織封止装置、組織切断装置、又は埋め込み可能装置を含むが、これらに限定されない、他の介入装置とのシステムの使用も考えられることを理解されたい。
【0010】
それに加えて、図1は、視野FOV内の交差する画像平面PL1、PL2を有するビーム形成超音波撮像プローブBUIPを含む操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISを示す。操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISは、また、超音波追跡システムUTSを含み、図示されたユニット、すなわち、画像平面PL1、PL2の各々に対応する再構成された超音波画像を生成する画像再構成ユニットIRUと、再構成された超音波画像が解剖学的モデルに位置合わせされるオーバーレイ画像を生成する画像位置合わせユニットIREGUと、画像平面PL1、PL2の各々に対応する画像及び/又は解剖学的モデルを表示するディスプレイDISPとのうちの1つ以上を任意に含んでもよい。図1の種々のユニットは、接続線によって示されるように、互いに通信する。
【0011】
図1の操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2によって例示されるように、複数の交差する画像平面を生成し、操縦するように構成される。図1に示されるように、画像平面PL1、PL2は、横に交差している。いくつかの実施態様では、平面は、直交して交差する。画像平面は、それぞれ、超音波信号、具体的には超音波撮像信号が送受信される、複数のビームによって規定される。画像平面PL1、PL2は、超音波分野から知られているビームステアリング技術を使用して、ステアリングされてもよく、すなわち、それらの向きが調整されてもよい。このような技術は、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの超音波トランスデューサ素子の2次元アレイの素子によって送受信される超音波撮像信号に相対的遅延を適用する。文献US2014/013849A1に開示されているようなビームステアリング技術が、例えば、使用されてもよい。ビーム形成超音波撮像プローブBUIPは、メモリと組み合わせた電子回路及び/又はプロセッサを含んでもよく、又はそれによって制御されてもよく、そのプロセッサは、メモリに記憶された命令を実行し、その命令は、前述のビーム生成及びステアリング技術のうちの1つ又は複数に対応する。2つの図示された画像平面PL1、PL2への追加の画像平面は、同様の方法で提供され、ステアリングされてもよい。
【0012】
図1を参照すると、超音波トランスデューサSは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの視野FOV内に配置される。視野FOVは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPが超音波撮像信号を送受信し、それによって超音波画像を生成し得る領域を表す。超音波トランスデューサSは、超音波センサ、超音波エミッタであってもよく、又は実際に超音波信号を感知し、放射することができるものであってもよい。超音波トランスデューサSを視野FOV内に配置することは、トランスデューサSがビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって放射される超音波信号を受信することを可能にし、及び/又はその逆に、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPがトランスデューサSによって放射される超音波信号を受信することを可能にする。圧電トランスデューサ又は容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ、すなわち、CMUTトランスデューサは、超音波トランスデューサSに対して考えられる。硬質及び軟質の圧電材料の使用が考えられる。機械的特性及び製造プロセスが医療用針のような湾曲した表面への付着に役立つPVDFとしても知られているポリフッ化ビニリデンが、特に使用されてもよい。代替の圧電材料は、ポリフッ化ビニリデントリフルオロエチレンなどのPVDFコポリマー、P(VDF-TrFE-CTFE)などのPVDFターポリマーを含む。他の非圧電材料は、代替的に、超音波トランスデューサSに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサSは、例えば医療用針又は別の介入装置であってもよい介入装置上に配置されてもよい。介入装置は、細長い軸を有してもよい。超音波トランスデューサは、細長い軸の周りで超音波感知及び/又は放射を提供するために、介入装置の細長い軸の周りに巻き付けられてもよいが、これは、必須ではない。
【0013】
図1の超音波追跡システムUTSは、メモリと組み合わせた電子回路及び/又はプロセッサを含み、このプロセッサは、メモリに記憶された命令を実行し、この命令は、以下の方法ステップ、すなわち、
ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、第1の画像平面が超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第1の画像平面PL1の向きを調整させるステップと、
第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第2の画像平面PL2の向きを調整させるステップと、
に対応する。
【0014】
最終的に、画像再構成ユニットIRUは、画像平面PL1、PL2の各々に対応する再構成超音波画像を生成してもよく、ディスプレイDISPは、画像平面PL1、PL2の各々に対応する画像を表示してもよい。
【0015】
いくつかの実施態様では、再構成された画像は、ライブ画像として表示されてもよく、他の実施態様では、再構成された画像の表示が、特定の心周期又は呼吸サイクルに同期されてもよく、画像データは、周期の所定の位相の間だけ表示される。このような心臓「ゲーティング」は、例えば、連続する開状態又は閉状態で僧帽弁を「凍結」するために使用され得、それによって、医療従事者が、解剖学的構造のこの特定の部分に焦点を合わせることを可能にする。心電図センサ、すなわちECGセンサ、超音波センサ、歪みセンサ、カメラ、又は運動センサなどのセンサから受信される画像ベースのセグメント化、又は心臓/呼吸センサデータの使用は、関連するサイクルを決定するために考えられる。Pace、D.らによる文献"An open-source real-time ultrasound reconstruction system for four-dimensional imaging of moving organs"(http://hdl.handle.net/10380/3083)は、3Dボリュームを再構成するためのECGゲート4D超音波の例を提供する。したがって、この実施形態では、図1の超音波追跡システムUTSは、画像平面PL1、PL2の各々に対応する再構成超音波画像を生成するように構成された画像再構成ユニットIRUと、画像平面PL1、PL2の各々に対応する画像を表示するように構成されたディスプレイDISPとを含んでもよい。電子回路及び/又はプロセッサは、図1の超音波追跡システムUTSのメモリと組み合わされて、メモリに記憶された命令を実行するように更に構成されてもよく、この命令は、プローブ(BUIP)の視野(FOV)内の被検体に対応する心臓又は呼吸サイクルデータを受信するステップと、サイクルデータ内の所定の位相を識別するステップと、画像平面PL1、PL2のそれぞれに対応する画像が周期の所定の位相でのみ表示されるように、再構成された超音波画像の表示をゲーティングするステップとに対応する。
【0016】
動作において、第1の画像平面及び第2の画像平面の向きは、例えば、画像平面を傾斜又は回転又は平行移動させることによって調整されてもよい。ビーム形成超音波撮像プローブBUIPは、法線軸NAを有するトランスデューサ素子の2次元アレイを含んでもよく、第1の画像平面PL1又は第2の画像平面PL2の向きを調整することは、i)法線軸NAに対してそれぞれの画像平面PL1、PL2を傾斜させること、ii)法線軸NAの周りでそれぞれの画像平面PL1、PL2を回転させること、及びiii)法線軸NAに対して垂直にそれぞれの画像平面PL1、PL2を平行移動させることのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0017】
上記の方法ステップによる画像平面PL1、PL2の調整の例は、図2A乃至図2Cにおいて、法線軸NAに対して各画像平面を法線NAに対して傾けることによってビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2を調整することを示す図2に示される。図2Aにおいて、第1の画像平面PL1と第2の画像平面PL2との交線AZは、最初は、超音波トランスデューサSの位置POSを通過しない。これは、トランスデューサSの位置を追跡する前の最初の配置を表すと見なされてもよい。図2Aに矢印で示されるように、画像平面PL1は、図2Bに示されるように、第1の画像平面PL1が超音波トランスデューサSの位置を通過するまで、傾斜することによって調整される。これは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって達成される。図2Bに示されるように、第1の画像平面PL1上の面内位置POS1が、識別される。第1の画像平面PL1と第2の画像平面PL2との間の交線AZに超音波トランスデューサの位置を通過させるために、画像平面PL2は、図2Cに示される装置を提供するように、図2Bの矢印によって示されるように傾けられ、交線AZは、超音波トランスデューサの位置を通過する。図2Cに示されるように、第2の画像平面PL2上の面内位置POS2が、識別されてもよく、POS2は、POS1と一致する。
【0018】
この後に、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさが、連続的に測定され、画像平面PL1、PL2は、画像平面PL1、PL2の交差が超音波トランスデューサSの後続の位置と交差し続けるように、同じ方法で連続的に調整される。
【0019】
幾つかの実施では、超音波トランスデューサSが、超音波センサであり、他の実施では、超音波トランスデューサSが、超音波エミッタである。更に、超音波信号は、ビーム形成超音波撮像プローブによって送信される超音波撮像信号、又は撮像目的に使用されない専用の超音波追跡信号であってもよい。追跡信号は、視野FOV内のビーム形成超音波撮像プローブによって放射される指向性ビームであってもよく、又はトランスデューサSによって放射される全方向性信号であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の超音波エミッタ又はレシーバが、ビーム形成超音波撮像プローブBUIP上に配置され、超音波追跡信号は、これらのエミッタ又はレシーバによってそれぞれ送信又は受信される。
【0020】
したがって、この点において、以下のことが考えられる。i)超音波トランスデューサSは、超音波センサであり、超音波信号は、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信され、超音波センサSによって受信される超音波撮像信号である。ii)超音波トランスデューサSは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信される超音波追跡信号であり、前記超音波追跡信号は、超音波撮像信号の間にインターリーブされ、前記超音波追跡信号は、超音波センサSによって受信される。又はiii)超音波トランスデューサSは、超音波センサであり、超音波信号は、ビーム形成超音波撮像プローブBUIP上に配置された複数の超音波エミッタのそれぞれによって送信される超音波追跡信号であり、前記超音波追跡信号は、超音波センサSによって受信される。又はiv)超音波トランスデューサSは、超音波エミッタであり、超音波信号は、超音波エミッタにより送信され、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって受信される。又はiv)超音波トランスデューサSは、超音波エミッタであり、超音波信号は、超音波エミッタによって送信され、ビーム形成超音波撮像プローブBUIP上に配置される複数の超音波レシーバのそれぞれによって受信される。
【0021】
第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第2の画像平面PL2の向きを調整させる方法ステップは、第1の画像平面PL1の向きを調整する方法ステップと同時に、又はその後に実行されてもよい。これは、超音波トランスデューサSの位置POSに基づいて達成されてもよい。
【0022】
ある実施形態では、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2が、
第1の画像平面上の最大の生成された電気信号が最大化されるように、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2を同時に調整し、
第2の画像平面PL2上の最大の生成された電気信号が最大化されるように、第1の画像平面PL1とは独立に第2の画像平面PL2を調整する、
ことによって調整される。
【0023】
画像平面PL1、PL2は、交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように調整された後、超音波追跡システムUTSは、第1の画像平面PL1と第2の画像平面PL2との間の交線AZが超音波トランスデューサSの各新しい位置を通過するように、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2の向きを量勢することによって複数の新しい位置の各々に対する超音波トランスデューサSの移動を追跡し続けてもよい。これを行うために、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2は、各々、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさが最大である新しい位置を検索するためにそれぞれの平面に対して横方向に対抗する方向において交互に調整、すなわちディザ処理されてもよい。このような調整は、連続的に、周期的に、又はビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさの変化に応答して行われてもよい。
【0024】
いくつかの実装形態では、超音波追跡システムUTSは、第1の画像平面PL1と第2の画像平面PL2との間の交線AZが超音波トランスデューサSの各新しい位置を通過するように、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2の向きを調整することによって、複数の新しい位置のそれぞれへの超音波トランスデューサSの移動を追跡してもよく、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさが、例えば、信頼できない位置、又は超音波トランスデューサが追跡されるには速すぎる平面外位置に移動したことを示しうる所定の閾値を下回る場合、超音波追跡システムUTSは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、
ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、第1の画像平面が超音波トランスデューサSの位置を通過するように、第1の画像平面PL1の向きを調整するステップと、
第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第2の画像平面PL2の向きを調整させるステップと、
を繰り返させてもよい。
【0025】
このように画像平面PL1、PL2に対する超音波トランスデューサSの位置POSを追跡することは、位置POSを通過し、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと視野FOV内の対象との間の相対移動を補償する平面画像を提供する。したがって、位置を通過する、より安定した平面画像は、したがって、3次元視野全体が撮像される3次元画像処理に関連する、より低い解像度及び/又はより低いフレームレートの欠点を伴わずに提供される。
【0026】
いくつかの実施態様では、図1の超音波追跡システムUTSは、第1の画像平面PL1に対する最大信号超音波ビームBmaxを識別してもよい。最大信号超音波ビームBmaxは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさが、第1の画像平面PL1に対して最高である、超音波ビームとして規定される。この実施形態では、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように第2の画像平面PL2を調整させることは、第2の画像平面PL2に、最大信号超音波ビームBmaxと交差させることを含んでもよい。超音波追跡システムが、超音波撮像ビームを使用する場合、最大信号超音波ビームBmaxは、容易に識別されることができる。したがって、このビームは、第2の画像平面PL2がアラインされてもよい容易な基準ビームを提供する。
【0027】
例えば、超音波トランスデューサSが超音波センサであり、超音波信号がビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信され、超音波センサSによって受信される実施形態では、超音波追跡システムUTSが、
ビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信された超音波信号に応答して超音波センサSによって生成された電気信号を受信し、
ビーム形成超音波撮像プローブBUIPから、送信された超音波信号の放射の時間に対応する同期信号を受信し、
受信された電気信号及び受信された同期信号に基づいて最大信号超音波ビームBmaxを識別する、
ように更に構成されてもよい。
【0028】
同期信号は、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信される各ビームを識別する。各送信されたビームに応じて生成された電気信号の大きさは、生成された電気信号が最大であるビームを決定するために、第1の画像平面PL1について比較される。生成された電気信号が最大となるビームは、センサSの位置に最も近いビームを識別する。このビームは、平面に対するセンサSの面内角度を規定する。任意に、最大電気信号の生成の時間と、最大電気信号を生じさせた超音波信号の送信の時間との間の時間差に対応する飛行時間は、センサSとビーム形成超音波撮像プローブBUIPとの間の距離、すなわち範囲を決定するために、追加的に計算されてもよい。このプロシージャは、センサSが配置されるビーム、及び/又はセンサSの範囲の決定を生じる。
【0029】
ビーム形成超音波画像上に配置された複数の超音波エミッタ又はレシーバを有する実施形態において特に使用され得る代替の超音波追跡システムUTSにおいて、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに関係する超音波トランスデューサSの位置を決定するために、三角測量が、使用されてもよい。このような追跡システムは、しばしばソノマイクロメトリーシステムと称され、それぞれのエミッタ/レシーバと超音波トランスデューサSとの間の超音波信号の飛行時間から、ビーム形成超音波撮像プローブBUIP上に配置された各超音波エミッタ/レシーバとトランスデューサSとの間の距離を決定してもよい。三角測量及び超音波信号の伝播速度を使用して、超音波トランスデューサSと少なくとも3つのエミッタ/レシーバとの間の距離は、相対角度に関して、超音波トランスデューサSの位置POS、及び任意に追加的にビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間の距離、すなわち、範囲を決定するように使用されてもよい。
【0030】
交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、画像平面PL1、PL2が調整された後、いくつかの実装形態では、超音波追跡システムUTSは、更に、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、画像特徴に基づいて第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2のうちの少なくとも1つを調整させてもよい。画像特徴は、例えば、既知の画像セグメント化技法、又は特徴ベースのオブジェクトセグメンテーション又は3D拡張モデル位置合わせなどの既知のモデルフィッティング技法を使用して、それぞれの平面内で検出されてもよい。Mozaffari, M. H.及びLee, W.による "3D Ultrasound image segmentation: A Survey"と題された文献https://arxiv.org/abs/1611.09811は、いくつかの好適な技術を開示している。 同時に、第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過することが、維持される。
【0031】
これは、画像平面PL1において検出された画像特徴に基づくビーム形成超音波撮像プローブBUIPの画像平面PL1、PL2の調整を示す図3に示されている。図3において、画像特徴は、画像平面PL1においてセグメント化された医療用針NLである。画像平面PL1の向きは、本例では、医療用針NLの長手方向軸に平行になり、それを通過するように、画像平面PL1を回転させることによって医療用針NLのセグメント化された領域を最大化するために、画像平面PL1を回転させることによって、調整される。代替的な実施形態では、画像平面PL1が、医療用針NLの長手方向軸を垂直に通過するように回転されてもよい。したがって、画像平面は、予想される画像形状と画像平面内でセグメント化された形状との間の対応を最大化することによって調整され得る。形状が医療用針である場合には、画像平面は、セグメント化された形状が円又は直線に可能な限り近づくまで回転されてもよく、円及び直線は、医療用針の直交する断面形状である。医療用針NLの長手方向軸と画像平面PL1との間の交線の他の角度は、同様に、ターゲット断面形状がセグメント化によって提供されるまで画像平面PL1を回転させ、その後、ターゲット断面形状を維持するように画像平面PL1を調整することによって同様に提供されてもよい。画像平面PL2、及び実際には図3に示されていない他の画像平面も同様に、交線AZに関して画像平面PL1との一定の相互角度関係を維持するために回転されてもよいか、又はそれらの画像平面は、調整しないままであってもよい。
【0032】
本明細書で使用される用語「平行」及び「垂直」は、正確に平行及び正確に垂直の±5°以内を指す。
【0033】
この追跡を維持し、画像特徴に基づいて画像平面を提供することによって、所望のビューが、提供されてもよい。画像特徴は、一般に、解剖学的構造の一部、又は超音波トランスデューサが取り付けられる介入装置の一部、又はビーム形成超音波撮像プローブの視野内の第2の介入装置の一部であってもよい。
【0034】
ある実施形態では、画像平面PL1、PL2、及び存在してもよい任意の追加の画像平面は、交差の一定の角度を維持しながら、画像特徴の移動に応じて同時に調整されてもよい。これは、有利には、例えば、画像平面の交差を基準点、具体的には超音波トランスデューサSの位置に維持しながら解剖学的特徴の追跡を可能にする。画像特徴の選択は、ユーザ入力に基づいて、例えば、画像特徴のメニューを有するユーザインターフェースから受信されたユーザ入力に基づいて、又は画像平面PL1に対応する再構成画像の一部分のユーザ選択の形態での入力に基づいて決定されてもよい。
【0035】
1つの例示的実施において、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2の少なくとも1つは、
画像特徴に対応する画像品質計量(metric)の値を計算し、
画像品質計量の値を最大化するために、第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2の少なくとも1つを調整する、
ことによって画像特徴に基づいて調整されてもよい。
【0036】
画像品質計量は、例えば、i)それぞれの画像平面PL1、PL2における画像特徴のセグメント化の完全性、又はii)画像特徴に対するモデルへのセグメンテーションのフィットの近さであってもよい。例えば、画像特徴が大動脈弁の一部である場合、画像品質計量は、完全性、すなわち、大動脈弁に対応するセグメント化された環状画像特徴の画素の強度及び/又は連続性を表してもよい。ここで、環状特徴は、所望の解剖学的領域のモデルとして機能する。セグメンテーションの完全性を最大化することによって、第1の画像平面の向きは、大動脈弁の最も完全な画像を第1の画像平面内に維持するように連続的に又は周期的に調整され得る。この特徴は、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)及び他の構造的介入のような用途において有益であることが証明され得る。これは、有利には、所望のビューを達成するために、ユーザが撮像プローブの位置決めを連続的に調整しなければならないことを防止する。
【0037】
図4及び図1に関して、いくつかの実施態様では、交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように画像平面PL1、PL2が調整された後、画像再構成ユニットIRUは、画像平面と超音波トランスデューサの位置との交差を維持しながら、画像平面PL1..nの1つ又は複数を回転させることによって、3次元超音波画像を再構成してもよい。これは、画像平面PL1及びPL2を回転させている間に得られた超音波画像データを用いる、三次元超音波画像の再構成を示す図4に示される。図4では、図1の同一参照項目の代わりに使用されてもよい、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPが、各画像平面に対する太い実線を用いて画像平面PL1、PL2の各々に対する画像データを生成するものとして図示される。交線AZがセンサSの位置を通過することを維持する間、両方の画像平面が、交線AZを中心として90度回転され、複数の回転角度の各々における画像データが、生成及び記録される。次いで、画像データは、3次元画像内にレンダリングされる。代わりに、画像平面PL1のような1つの平面のみからのデータが、提供され、このような3次元画像再構成で使用されてもよい。例えば、データは、平面を180°、又は別の角度で回転させながら、画像平面PL1に対して記録及びレンダリングされてもよい。これらの例以外の数の画像平面及び他の回転角度の使用も、この点で考えられる。いくつかの実施態様では、回転の開始時及び終了時に生成された画像データにおけるいくつかのオーバーラップが、回転の開始時及び終了時に取得された画像データをマッチングするために、冗長な重複する画像データを提供するために望ましいことがある。したがって、360°/2nよりわずかに大きい角度が、いくつかの実装形態で使用されてもよく、ここで、nは画像平面の数である。
【0038】
したがって、そのような実施では、図1の操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISは、また、画像平面PL1、PL2などの複数の画像平面の各々に対するビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって生成された超音波画像データに基づいて超音波画像を再構成する画像再構成ユニットIRUを含む。超音波追跡システムUTSは、また、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、第1の画像平面PL1と第2の画像平面PL2との間の交線AZを中心に画像平面を回転させることによって画像平面PL1、PL2の1つ以上を調整させ、回転中に複数の交差する画像平面の少なくとも1つに対応する超音波画像データに基づいて3次元超音波画像を再構成させてもよい。
【0039】
図5及び図1を参照すると、いくつかの実施形態では、交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように画像平面PL1、PL2が調整された後、画像平面PL1、PL2の少なくとも1つが、解剖学的モデルにおいて規定された所望のビューを提供するように調整されてもよい。これらの実施態様では、図1の操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISが、画像再構成ユニットIRUと、再構成された超音波画像が解剖学的モデルに位置合わせされるオーバーレイ画像を生成する画像位置合わせユニットIREGUとを含んでもよい。図5では、図1の同一参照項目の代わりに使用されてもよい、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPが、各画像平面に対する太い実線を用いて画像平面PL1、PL2の各々に対する画像データを生成するものとして図示される。図5は、また、視野FOV内の解剖学的領域に対応する、立方体基準フレーム内のセグメント化された構造を用いる解剖学的モデルAMを含む。解剖学的モデルAMは、ユーザ入力に基づいて選択可能である解剖学的モデルのライブラリを有するメモリに記憶されてもよい。画像平面PL1、PL2の1つ以上からの超音波画像は、解剖学的モデルAMに位置合わせされる。画像位置合わせユニットIREGUは、再構成された超音波画像が解剖学的モデルに位置合わせされるオーバーレイ画像を生成する。図5A図5Bとの間の差に示されるように、超音波追跡システムUTSは、次いで、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、解剖学的モデルにおいて規定される所望のビューを達成するために、画像平面PL1を調整させる。
【0040】
より詳細には、図5Aにおいて、解剖学的モデルAM、すなわち立方体基準フレーム内のセグメント化された構造は、破線の平面によって示されるような視覚化平面VPLを含む。視覚化平面VPLは、例えば、解剖学的構造を通る所望の画像スライスに対応し得る。そのようなスライスの例は、僧帽弁クリップ処置中に僧帽弁及び弁輪を視覚化するために使用される環状面であることができる。視覚化平面VPLは、ユーザ入力装置を介して受信されるユーザ入力を用いて選択されてもよく、例えば、ユーザは平面、すなわち、解剖学的モデルの画像上の所望のビューを選択する。超音波追跡システムUTSは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに、平面の1つ、この例では画像平面PL2が視覚化面VPLと平行になるように第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2の交線AZについて画像平面PL1、PL2の1つ以上を回転させることによって所望のビューVPLを提供させる。図5では、画像平面PL2のみが回転され、画像平面PL1は調整されないままであるが、代わりに、画像平面のPL1及びPL2の両方は、面の1つが視覚化面VPLと平行になるように回転するようにされてもよい。したがって、面は、交線AZに関して互いに一定の相互角度関係を維持するように回転されてもよく、又は代替的に、画像平面PL1、PL2の1つのみが、回転されてもよい。画像平面に対する1つ以上の追加の視覚化平面VPLも、また、モデル上で規定されてもよく、操縦可能な多平面超音波撮像システムMPUISの画像平面PL1..nからの他の画像平面は、これらの追加の視覚化平面を提供するために独立して回転させられてもよい。
【0041】
図6は、本開示のいくつかの態様に関連して使用され得る方法METのフローチャートを示す。方法METは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと、プローブBUIPの視野FOV内に配置された超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号に基づいて、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPの複数の交差する画像平面PL1..nを操縦するために使用されてもよい。方法METは、特に、図1乃至図5を参照して説明されたシステムのいずれかにおいて使用されてもよい。方法METは、
複数の交差する画像平面PL1..nを規定するための複数の超音波ビームを生成するステップGENBであって、前記画像平面は、少なくとも第1の画像平面PL1及び第2の画像平面PL2を有する、ステップと、
ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、第1の画像平面が超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第1の画像平面PL1の向きを調整させるステップCAUOPL1と、
第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第2の画像平面PL2の向きを調整させるステップCAUINTと、
を含む。
【0042】
本方法は、特に、超音波トランスデューサSが超音波センサであり、超音波信号がビーム形成超音波撮像プローブBUIPによって送信され、超音波センサSによって受信される設定で使用されてもよい。このような設定では、本方法は、
第1の画像平面PL1に対する最大信号超音波ビームBmaxを識別するステップIDBMAXであって、最大信号超音波ビームBmaxは、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPと超音波トランスデューサSとの間で送信される超音波信号の大きさが第1の画像平面PL1に対して最高である超音波ビームである、ステップと、
第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線AZが超音波トランスデューサSの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブBUIPに第2の画像平面PL2を調整させるステップと、
第2の画像平面PL2に最大信号超音波ビームBmaxと交差させるステップCAUBMAXと、
を更に含んでもよい。
【0043】
更に、システムMPUISに関連して開示された1つ又は複数の追加のステップも、方法METに含められてもよい。
【0044】
本明細書で開示される方法ステップのいずれも、プロセッサ上で実行される場合に、プロセッサに、そのような方法ステップを実行させる命令の形で記録されてもよい。命令は、コンピュータプログラム製品上に記憶されてもよい。コンピュータプログラム製品は、専用ハードウェアと、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアとによって提供されてもよい。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、又はいくつかが共用されることができる複数の個々のプロセッサによって提供されることができる。更に、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアのみを指すものと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ「DSP」ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読取専用メモリ「ROM」、ランダムアクセスメモリ「RAM」、不揮発性記憶装置などを暗黙的に含むことができる。更に、本発明の実施形態は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムコードを提供する、コンピュータ利用可能又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。この説明の目的のために、コンピュータ利用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、又は装置によって、又はそれに関連して使用するプログラムを含む、記憶する、通信する、伝播する、又は移送することができる任意の装置とすることができる。媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、又は機器もしくは装置、又は伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ「RAM」、読取専用メモリ「ROM」、剛体磁気ディスク及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク、読取専用メモリ「CD-ROM」、コンパクトディスクー読取/書込「CD-R/W」、Blu-Ray(登録商標)及びDVDを含む。
【0045】
要約すると、ビーム形成超音波撮像プローブと、プローブの視野内に配置された超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号に基づいて、ビーム形成超音波撮像プローブの複数の交差する画像平面を操縦するための操縦可能な多平面超音波撮像システムが、記載されている。超音波追跡システムは、ビーム形成超音波撮像プローブと超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号の大きさを最大化することによって、第1の画像平面が超音波トランスデューサの位置を通過するように、ビーム形成超音波撮像プローブに第1の画像平面の向きを調整させる。第2の画像平面の向きは、第1の画像平面と第2の画像平面との間の交線が超音波トランスデューサの位置を通過するように調整される。
【0046】
様々な実施形態及びオプションが、システムに関連して説明されており、様々な実施形態は、更なる有利な効果を達成するために組み合わされ得ることに留意されたい。請求項におけるいかなる参照符号も、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6