(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】洪水・津波用車両浮上袋
(51)【国際特許分類】
B63C 9/08 20060101AFI20221117BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B63C9/08 N
E04H9/14 Z
(21)【出願番号】P 2019154146
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲橋▼ 龍夫
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-021691(JP,U)
【文献】特開2015-101118(JP,A)
【文献】登録実用新案第3168992(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0183809(US,A1)
【文献】特開2021-001522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 9/08
E04H 9/14
B60S 9/10
B60J 11/00
B60J 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部に複数個の留め金具を取り付け、前記切り込み部
の幅方向の両側を固定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の洪水・津波用車両浮上袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、津波や洪水による水害発生時に、自動車の中に装備した自動車用の浮上袋を取り出し自動車に装着することにより自動車が津波・洪水により水面に浮上し、安全に避難するための自動車用避難器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平成23年3月11日に発生した東日本大震災と、それに伴って発生した大津波により亡くなった死者と行方不明者の合計は2万人以上にも及び、今後も、東海トラフ地震等の大地震や大津波が発生するおそれのあることが指摘されており、災害時に自ら救命するための対策を準備しておくことが不可欠になっている。
【0003】
大地震が発生した際、津波災害に遭遇しないためには、いち早く安全な高台等に避難することが必要であるが、震源地が近い時や、高台の無い沿岸部で生活している人にとっては高いビルや高台等へ避難する時間的余裕がなく、特に、高齢者など足腰が弱い人の場合には、大地震発生から大津波が到達するまでの短時間の間に、ビル等の長い階段を上って高い位置にある屋上へと避難するのは非常に大変なことであり、また、自動車で避難する場合には交通渋滞等により避難場所までの移動が困難な状況となり、避難途中に津波に巻き込まれて死亡する危険性が高かった。
【0004】
さらに、南海トラフ巨大地震の被害想定では、死者は最大32万人、建物全壊は238万棟と見込まれたことから、現在では鉄骨構造で十数メートルの高さのタワー型避難台の建築も進んでいる。しかし高齢者などが短時間の内に十数メートルの高さの階段を登ることが出来るかどうか疑問も残ると共に、津波の高さが十数メートル以内であるかどうかの保証も無いため、全国的に普及する段階まで至っていない。
【0005】
このような実情に鑑みて、本出願人は特許文献1に記載された洪水や大津波の際に安全に避難することが出来る「津波救命カーシェルター」を発明し出願した。この発明によれば、平時においては駐車場として活用し、大地震で大津波が押し寄せてきた際には、自動車を車両固定装置で駐車場床に固定し車内に避難することにより、大津波で駐車場が水面上に持ち上げられ駐車場が揺れた場合でも自動車が駐車場から滑り落ちること無く避難することが出来るようになり、大津波により駐車場が沖合いに流された場合においても、車内に設置した船外機により、単独で無事に陸地まで戻ってくることが可能となった。
【0006】
しかしながら、本出願人の出願した特許文献1の発明においては、震災対策技術展等の展示会に商品を出展した際にも、一般の人々から高い評価は頂けたが、価格が高いと指摘され、普及するまでに至らなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、自動車で外出中に津波・洪水の情報をキャッチした場合、自動車に備え付けた自動車用の浮上袋を取り出し自動車に装着して膨らませることにより、津波・洪水が自動車を水面に浮上させ安全に避難するための車両浮上袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、Eの字形に形成したシート状の車両浮上袋の切り込み部に自動車の前輪2本のタイヤを挿入することが出来るように成形した前輪用E字形浮上袋の縁部に複数のハトメを取り付け、そのハトメに紐を取り付けると共に、同様に、自動車の後輪2本のタイヤを挿入することが出来るように成形したE字形の後輪用E字形浮上袋の縁部に複数のハトメを取り付け、そのハトメに紐を取り付け、津波・洪水の際に前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部を前後のタイヤに挟み込み、ハトメに取り付けた紐を自動車の左右のセンターピラーに縛り付け、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を膨らませたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、前輪用E字形浮上袋の歯の先端部のハトメに取り付けた紐と、後輪用E字形浮上袋の歯の先端部のハトメに取り付けた紐を結ぶと共に、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の胴部のハトメに取り付けた紐を自動車の左右のセンターピラーに縛り付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造に加え、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の外周と底面に緩衝材を取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造に加え、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を、衝撃を緩衝するための外袋と、気体を充填することにより膨張する内袋の2重構造で形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の構造に加え、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋にインフレーターを取り付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構造に加え、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部に複数個の留め金具を取り付け、前記切り込み部の幅方向の両側を固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、Eの字形に形成したシート状の車両浮上袋の切り込み部に自動車の前輪2本のタイヤを挿入することが出来るように成形した前輪用E字形浮上袋の縁部に複数のハトメを取り付け、そのハトメに紐を取り付けると共に、同様に、自動車の後輪2本のタイヤを挿入することが出来るように成形したE字形の後輪用E字形浮上袋の縁部に複数のハトメを取り付け、そのハトメに紐を取り付け、津波・洪水の際に前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部を前後のタイヤに挟み込み、ハトメに取り付けた紐を自動車の左右のセンターピラーに縛り付け、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を膨らませたことにより、簡単な構造と安価な費用で、津波・洪水が発生した際に自動車をE字形に形成したシート状の浮上袋でタイヤを挟み込むことにより自動車が水面上に持ち上げられ安全に避難することが可能となった。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前輪用E字形浮上袋の歯の先端部のハトメに取り付けた紐と、後輪用E字形浮上袋の歯の先端部のハトメに取り付けた紐を結ぶと共に、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の胴部のハトメに取り付けた紐を自動車の左右のセンターピラーに縛り付けたことにより、自動車に浮上袋を前後左右に片寄ることなく素早く固定することが可能となった。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の外周と底面に緩衝材を取り付けたことにより、自動車が津波・洪水により流され電柱や建物等の構造物と接触した場合でもE字形に形成した浮上袋が破損して沈没することなく安全に避難することが可能となった。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を、衝撃を緩衝するための外袋と、気体を充填することにより膨張する内袋の2重構造で形成したことにより、自動車が津波・洪水により流され電柱や建物等の構造物と接触した場合でもE字形に形成した浮上袋が破損して沈没することなく安全に避難することが可能となった。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋にインフレーターを取り付けたことにより、E字形に形成したシート状の浮上袋を瞬間的に膨らませることが可能となった。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部に複数個の留め金具を取り付け、前記切り込み部の幅方向の両側を固定したことにより、前後のタイヤを前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋が安定した状態で挟み込むことが可能になった。
【実施例1】
【0021】
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
【0023】
図1は、津波、洪水等による水害発生時に、自動車に装備した自動車用の浮上袋を取り出し、自動車に装着することにより安全に避難するための前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2を示す。
【0024】
前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2は高強度ナイロン生地で成形し、前輪用E字形浮上袋1は縦2.3m、横3.9mの長方形に裁断した2枚の前輪用浮上袋生地を、
図1aで示すようにE字形に加工するため、縦2.3mに切断した高強度ナイロン生地の前輪タイヤ用切込側67の両側の袖(A)63、袖(B)64から互いに30cm離れた位置に、幅40cm、奥行2.5mの大きさの切り込み部(A)4、切り込み部(B)6を概U字形に切り取り、全ての角部を丸形に裁断し、このように成形した、同一サイズの2枚の高強度ナイロン生地の歯(C)35の先端部に前輪用E字形浮上袋1に気体(空気、ガス等)を送って膨らますためのインフレーター(A)9を挟み込み、2枚の高強度ナイロン生地の周囲を溶着した状態を
図1aで示す。同様に、後輪用E字形浮上袋2も高強度ナイロン生地で成形し、後輪用E字形浮上袋2は縦2.3m、横3.9mの長方形に裁断した2枚の前輪用浮上袋生地を、
図1aで示すようにE字形に加工するため、縦2.3mに切断した高強度ナイロン生地の後輪タイヤ用切込側68の両側の袖(C)65、袖(D)66から互いに30cm離れた位置に、幅40cm、奥行1.4mの切り込み部(C)16、切り込み部(D)18を概U字形に切り取り、全ての角部を丸形に裁断し、このように成形した、同一サイズの2枚の高強度ナイロン生地の歯(D)36の先端部に後輪用E字形浮上袋2に気体(空気、ガス等)を送って膨らますためのインフレーター(B)12を挟み込み、2枚の高強度ナイロン生地の周囲を溶着した状態を
図1aで示す。
【0025】
図1bは、
図1aで説明した前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2の底面と外周に緩衝材25、26(発泡ポリエチレン、ウレタンフォーム、ポリウレタン等)を接着し、さらに前輪用E字形浮上袋1の歯の先端部(A)3の縁部にハトメ(F)24を取り付け、さらに歯の先端部(B)7の両端の縁部に2個のハトメ(E)23、ハトメ(D)22を取り付け、さらに歯の先端部(C)8の縁部にハトメ(C)21を取り付け、さらに胴部(A)5の両端から約30cm離れた縁部に2個のハトメ(A)19、ハトメ(B)20を取り付けた状態を示す。同様に、後輪用E字形浮上袋2の歯の先端部(D)15の縁部にハトメ(G)27を取り付けると共に、歯の先端部(E)14の両端の縁部に2個のハトメ(H)28、ハトメ(I)29を取り付け、さらに歯の先端部(F)13の縁部にハトメ(J)30を取り付け、さらに胴部(B)17の両端から約30cm離れた縁部に2個のハトメ(K)31、ハトメ(L)32を取り付けた状態を示す。なおハトメ(A)19、ハトメ(B)20、ハトメ(K)31、ハトメ(L)32は内径24mm、傘径45mm、高さ12mmの真鍮製のハトメで構成し、ハトメ(C)21、ハトメ(D)22、ハトメ(E)23、ハトメ(F)24、ハトメ(G)27、ハトメ(H)28、ハトメ(I)29、ハトメ(J)30は内径38mm、傘径60mm、高さ10mmの真鍮製のハトメで構成する。
【0026】
図2は、
図1bで説明した前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2の4個のハトメ(A)19、ハトメ(B)20、ハトメ(L)32、ハトメ(K)31に太さ9mm、長さ2.5mの紐(A)41、紐(B)42、紐(K)54、紐(P)55の一端を結び付け、さらにハトメ(C)21に太さが9mmで長さが1.5mの紐(C)43と長さが40cmの紐(R)73と長さが80cmの紐(Q)72の3本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(F)24に太さが9mmで長さが1.5mの紐(H)51と長さが40cmの紐(G)50と長さが80cmの紐(I)52の3本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(G)27に太さが9mmで長さが1.5mの紐(J)53と長さが40cmの紐(L)47と長さが80cmの紐(V)77の3本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(J)30に太さが9mmで長さが1.5mの紐(O)62と長さが40cmの紐(S)74と長さが80cmの紐(D)47の3本の紐の一端を結び付け、さらにハトメ(D)22に太さが9mmで長さが40cmの紐(E)44と長さが80cmの紐(F)45の2本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(E)23に太さが9mmで長さが40cmの紐(U)76と長さが80cmの紐(X)79の2本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(H)28に太さが9mmで長さが40cmの紐(W)78と長さが80cmの紐(M)48の2本の紐の一端を結び付け、同様にハトメ(I)29に太さが9mmで長さが40cmの紐(N)46と長さが80cmの紐(T)75の2本の紐の一端を結び付け、つづいて紐(Q)72と紐(D)47の先端を結び、同様に紐(R)73と紐(E)44の先端を結び、同様に紐(F)45と紐(T)75の先端を結び、同様に紐(N)46と紐(S)74の先端を結び、同様に紐(X)79と紐(M)48の先端を結び、同様に紐(U)76と紐(G)50の先端を結び、同様に紐(I)52と紐(V)77の先端を結び、同様に紐(L)49と紐(W)78の先端を結ぶことにより前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2が連結して津波、洪水から自動車を浮上させるための津波車両浮上袋40が形成された状態を示す。
【0027】
図3は、
図2で説明した前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2が一体となった津波用車両浮上袋40に自動車を駐車した状態を示す。自動車で外出中に津波、洪水情報をキャッチした場合、
図3で示したように地面に前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2を設置し、自動車を移動して4か所の切り込み部(A)、(B)、(C)、(D)にタイヤがはまり込むように自動車を駐車させた状態を示す。
【0028】
図4は、
図3で説明した前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2のハトメ(B)20、ハトメ(K)31に結び付けた紐(B)42と紐(P)55を引っ張り自動車56のセンターピラー57に縛り付け、同様に自動車の反対側のセンターピラー(図示せず)にも紐(A)41と紐(K)54を縛り付け、つづいて自動車56に乗り込みハトメ(C)21、ハトメ(J)30に結び付けた紐(C)43、紐(O)62を引っ張り自動車56のセンターピラー57に縛り付け、同様に自動車の反対側のセンターピラー(図示せず)にもハトメ(F)24、ハトメ(G)24に結び付けた紐(H)51と紐(J)53を引っ張り縛り付け、インフレーター(A)9、インフレーター(B)12の作動レバー(A)10、作動レバー(B)12を作動させることにより前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に気体(空気、ガス等)が充填された状態を示す。
【0029】
図5は、
図4で説明した自動車56が津波、洪水により水面上に持ち上げられ流されている状態を示す。このように構成することにより、自動車56で外出中に津波、洪水に遭遇した場合においても、自動車56に本発明の津波用車両浮上袋40を装着することにより安全に避難することが可能となった。
【実施例2】
【0030】
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
[発明の実施の形態2]
【0031】
図6には、この発明の実施の形態2を示す。上記発明の実施の形態1では、前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2の底面と外周に緩衝材25、26(発泡ポリエチレン、ウレタンフォーム、ポリウレタン等)を取り付け、前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に取り付けたインフレーター(A)9、(B)12を作動させることにより前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に気体(空気、ガス等)を充填させて膨らませたが、この発明の実施の形態2では、津波用車両浮上袋107を、衝撃を緩衝するための外袋(前輪用E字形発泡膨張袋80、後輪用E字形発泡膨張袋82)と気体(空気、ガス等)を充填させることにより膨張する内袋(前輪用E字形気体膨張袋81、後輪用E字形気体膨張袋83)の2重構造で形成したことにより衝突安全性がさらに向上し、漂流中に建物、電柱等と接触した場合でも安全に避難することが可能となった。その他の構造に関しては、この発明の実施の形態1と同様である。
【実施例3】
【0032】
以下、この発明の実施の形態3について説明する。
[発明の実施の形態3]
【0033】
図7には、この発明の実施の形態3を示す。上記発明の実施の形態1では、前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2の底面と外周に緩衝材25、26(発泡ポリエチレン、ウレタンフォーム、ポリウレタン等)を接着し、前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に取り付けたインフレーター(A)9、(B)12を作動させることにより前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に気体(空気、ガス等)を充填させて膨らませたが、この発明の実施の形態3では、前輪用E字形空気膨張袋110、後輪用E字形空気膨張袋112と前輪用E字形発泡膨張袋111、後輪用E字形発泡膨張袋113を、それぞれ別々に形成し、ハトメ(A)114、ハトメ(B)115、ハトメ(C)116、ハトメ(D)117、ハトメ(E)118、ハトメ(F)119、ハトメ(G)120、ハトメ(H)121、ハトメ(I)122、ハトメ(J)123に取り付けた紐(A)144、紐(B)145、紐(C)146、紐(D)147、紐(E)148、紐(F)149、紐(G)150、紐(H)151で、前輪用E字形空気膨張袋110、後輪用E字形空気膨張袋112と前輪用E字形発泡膨張袋111、後輪用E字形発泡膨張袋113を一体形に結合させたことにより、万一、漂流中に建物、電柱等と接触して発泡袋、空気袋の内の一つが損傷した場合においても安全に避難することが可能となった。その他の構造に関しては、この発明の実施の形態1と同様である。
【実施例4】
【0034】
以下、この発明の実施の形態4について説明する。
[発明の実施の形態4]
【0035】
図8には、この発明の実施の形態4を示す。上記発明の実施の形態1では、前輪用E字形浮上袋1と後輪用E字形浮上袋2に4本のタイヤを挿入するため、幅40cmの切り込み部(A)4、切り込み部(B)6、切り込み部(C)16、切り込み部(D)18を成形したが、この発明の実施の形態4では、切り込み部の幅を狭くすると共に、切り込み部の両側に複数個のバックル(A)181、バックル(B)182、バックル(C)183、バックル(D)184を取り付けることにより切り込み部の幅が減少し、前輪用E字形浮上袋160と後輪用E字形浮上袋161がタイヤ(A)170、タイヤ(B)171、タイヤ(C)172、タイヤ(D)173を安定した状態で挟み込むことが出来るようになり、より安全に避難することが可能となった。その他の構造に関しては、この発明の実施の形態1と同様である。
【0036】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る洪水・津波用車両浮上袋について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を斜視図で示す。
【
図2】同実施の形態に係る、
図1で示した前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋に紐を取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図3】同実施の形態に係る、
図2で示した前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を自動車の下に配置した状態を斜視図で示す。
【
図4】同実施の形態に係る、
図3で示した前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の紐を自動車のセンターピラーに縛った状態を斜視図で示す。
【
図5】同実施の形態に係る、
図4で示した前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を装着した自動車が津波・洪水により水面に浮上した状態を斜視図で示す。
【
図6】この発明の実施の形態2に係る、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋き袋に紐を取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図7】この発明の実施の形態3に係る、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋を斜視図で示す。
【
図8】この発明の実施の形態4に係る、前輪用E字形浮上袋と後輪用E字形浮上袋の切り込み部に複数個の留め金具を取り付けた状態を斜視図で示す。
【符号の説明】
【0038】
1 前輪用E字形浮上袋
2 後輪用E字形浮上袋
3 歯の先端部(A)
4 切り込み部(A)
5 胴部(A)
6 切り込み部(B)
7 歯の先端部(B)
8 歯の先端部(C)
9 インフレーター(A)
10 作動レバー(A)
11 作動レバー(B)
12 インフレーター(B)
13 歯の先端部(F)
14 歯の先端部(E)
15 歯の先端部(D)
16 切り込み部(C)
17 胴部(B)
18 切り込み部(D)
19 ハトメ(A)
20 ハトメ(B)
21 ハトメ(C)
22 ハトメ(D)
23 ハトメ(E)
24 ハトメ(F)
25 緩衝材(A)
26 緩衝材(B)
27 ハトメ(G)
28 ハトメ(H)
29 ハトメ(I)
30 ハトメ(J)
31 ハトメ(K)
32 ハトメ(L)
33 歯(A)
34 歯(B)
35 歯(C)
36 歯(D)
37 歯(E)
38 歯(F)
40 洪水・津波用車両浮上袋
41 紐(A)
42 紐(B)
43 紐(C)
44 紐(E)
45 紐(F)
46 紐(N)
47 紐(D)
48 紐(M)
49 紐(L)
50 紐(G)
51 紐(H)
52 紐(I)
53 紐(J)
54 紐(K)
55 紐(P)
56 自動車
57 センターピラー
58 ボンネット
59 前輪タイヤ
60 リアガラス
61 後輪タイヤ
62 紐(O)
63 袖(A)
64 袖(B)
65 袖(C)
66 袖(D)
67 前輪タイヤ用切込側
68 後輪タイヤ用切込側
70 紐を縛る
71 津波・洪水
72 紐(Q)
73 紐(R)
74 紐(S)
75 紐(T)
76 紐(U)
77 紐(V)
78 紐(W)
79 紐(X)
80 前輪用E字形発泡膨張袋
81 前輪用E字形気体膨張袋
82 後輪用E字形発泡膨張袋
83 後輪用E字形気体膨張袋
84 ハトメ(A)
85 ハトメ(B)
86 ハトメ(C)
87 ハトメ(D)
88 紐(A)
89 紐(B)
90 紐(C)
91 紐(D)
92 紐(E)
93 紐(F)
94 紐(G)
95 紐(H)
96 紐(I)
97 紐(J)
98 紐(K)
99 前輪空気用インフレーター
100 前輪発泡用インフレーター
101 後輪空気用インフレーター
102 後輪発泡用インフレーター
103 作動レバー(A)
104 作動レバー(B)
105 作動レバー(C)
106 作動レバー(D)
107 洪水・津波用車両浮上袋
110 前輪用E字形空気膨張袋
111 前輪用E字形発泡膨張袋
112 後輪用E字形空気膨張袋
113 後輪用E字形発泡膨張袋
114 ハトメ(A)
115 ハトメ(B)
116 ハトメ(C)
117 ハトメ(D)
118 ハトメ(E)
119 ハトメ(F)
120 ハトメ(G)
121 ハトメ(H)
122 ハトメ(I)
123 ハトメ(J)
124 前輪空気用インフレーター
125 後輪空気用インフレーター
126 作動レバー(A)
127 作動レバー(B)
128 ハトメ(K)
129 ハトメ(L)
130 ハトメ(M)
131 ハトメ(N)
132 ハトメ(O)
133 ハトメ(P)
134 ハトメ(Q)
135 ハトメ(R)
136 ハトメ(S)
137 ハトメ(T)
138 ハトメ(U)
139 ハトメ(V)
140 前輪発泡用インフレーター
141 後輪発泡用インフレーター
142 作動レバー(C)
143 作動レバー(D)
144 紐(A)
145 紐(B)
146 紐(C)
147 紐(D)
148 紐(E)
149 紐(F)
150 紐(G)
151 紐(H)
152 洪水・津波用車両浮上袋
159 洪水・津波用車両浮上袋
160 前輪用E字形浮上袋
161 後輪用E字形浮上袋
162 紐(A)
163 紐(B)
164 紐(C)
165 紐(D)
166 紐(E)
167 紐(F)
168 紐(G)
169 紐(H)
170 タイヤ(A)
171 タイヤ(B)
172 タイヤ(C)
173 タイヤ(D)
174 ハトメ(A)
175 ハトメ(B)
176 ハトメ(C)
177 ハトメ(D)
178 歯(A)
179 歯(B)
180 歯(C)
181 バックル(A)
182 バックル(B)
183 バックル(C)
184 バックル(D)
185 作動レバー(A)
186 作動レバー(B)