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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/32 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
B65D19/32 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018196708
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020063079
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 侑也
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-056303(JP,A)
【文献】特開平11-208662(JP,A)
【文献】特開2003-155035(JP,A)
【文献】特開2003-285838(JP,A)
【文献】特開2000-203578(JP,A)
【文献】特開2010-195435(JP,A)
【文献】特開平09-240673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00-19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の柱部と、
前記複数の柱部の上端部間を連結する上デッキ部と、
前記複数の柱部の下端部間を連結する下デッキ部とを備えるパレットにおいて、
前記柱部の上面と、前記上デッキ部の上面とにより、物品が載置される載置面が構成され、
前記柱部の下面と、前記下デッキ部の下面とにより、前記パレットが設置される設置面に接地する接地面が構成され、
前記載置面、及び、前記接地面には、特定方向に沿って直線状に延びる溝が設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面と平行する方向において互いに同じ位置に設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝に取着された滑り止めテープを備え、
前記載置面の前記溝に取着された前記滑り止めテープは、前記載置面よりも上方に突出し、
前記滑り止めテープの前記載置面からの突出長は、前記接地面に設けられた前記溝の深さよりも短く構成され、
前記溝、及び、前記滑り止めテープのうち少なくとも一方は、パレット同士が同じ向きで積み重ねられる場合に、前記溝の延在方向における上下のパレットの相対変位を、下段のパレットの前記滑り止めテープと、上段のパレットとを当接させて防止するための滑り防止形状部を備えており、
前記滑り防止形状部は、前記載置面に設けられた前記溝の底面から突出し、前記滑り止めテープの一部を上方に位置させる載置面側当接突部を備え、
パレット同士が同じ向きで積み重ねられた場合に、下段のパレットの前記滑り止めテープのうち前記載置面側当接突部に取着された部位と、上段のパレットとが上下に当接する ことを特徴とするパレット。
【請求項2】
前記載置面側当接突部は、前記載置面に設けられた前記溝に取着された前記滑り止めテープの長手方向中央部側に向けて下方傾斜して延び、前記溝の底面と連続する傾斜面を備えていることを特徴とする請求項に記載のパレット。
【請求項3】
複数の柱部と、
前記複数の柱部の上端部間を連結する上デッキ部と、
前記複数の柱部の下端部間を連結する下デッキ部とを備えるパレットにおいて、
前記柱部の上面と、前記上デッキ部の上面とにより、物品が載置される載置面が構成され、
前記柱部の下面と、前記下デッキ部の下面とにより、前記パレットが設置される設置面に接地する接地面が構成され、
前記載置面、及び、前記接地面には、特定方向に沿って直線状に延びる溝が設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面と平行する方向において互いに同じ位置に設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝に取着された滑り止めテープを備え、
前記載置面の前記溝に取着された前記滑り止めテープは、前記載置面よりも上方に突出し、
前記滑り止めテープの前記載置面からの突出長は、前記接地面に設けられた前記溝の深さよりも短く構成され、
前記溝、及び、前記滑り止めテープのうち少なくとも一方は、パレット同士が同じ向きで積み重ねられる場合に、前記溝の延在方向における上下のパレットの相対変位を、下段のパレットの前記滑り止めテープと、上段のパレットとを当接させて防止するための滑り防止形状部を備えており、
前記滑り防止形状部は、前記接地面に設けられた前記溝の底面から突出する接地面側ストッパ突部を備え、パレット同士が同じ向きで積み重ねられた場合に、下段のパレットの前記滑り止めテープの端部と、上段のパレットの前記接地面側ストッパ突部とが、前記溝の延在方向において対向して近接配置され、
さらに、前記載置面に設けられた前記溝に対しても、前記載置面と平行する方向において、前記接地面側ストッパ突部と同じ位置に載置面側ストッパ対応突部が設けられていること を特徴とするパレット。
【請求項4】
前記複数の柱部の上側部分と、前記上デッキ部とを備える上構成部と、
前記複数の柱部の下側部分と、前記下デッキ部とを備える下構成部とを備え、
前記上構成部の前記柱部の下端部と、前記下構成部の前記柱部の上端部とが溶着されることで構成され、
前記上構成部と、前記下構成部とが同形状、かつ、同じ大きさに構成され、
前記載置面、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面、及び、前記接地面の側辺部にまで延在していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用されるパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の運搬等に使用されるパレットは、複数の支柱部と、当該複数の支柱部の上端部間、及び、下端部間を連結する上デッキ部、及び、下デッキ部とを備え、支柱部間においてフォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込み部を有している。また、パレットの上面、及び、下面には、相対する一対の側辺部のうち一方から他方にかけて直線状に延びる断面略矩形状をなす矩形溝が複数本設けられている。パレットの上面に設けられた矩形溝には、滑り止めテープが取着されており、滑り止めテープは、パレットの上面よりも上方に突出している。パレットの上面に荷物を載置した場合には、荷物の下面が滑り止めテープに当接し、荷物の水平方向への相対変位が防止されるようになっている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-56303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、パレットを使用しないときには、パレット同士を積み上げて(段積みして)保管する。ところで、特許文献1のパレットの上面に設けられた複数の矩形溝、及び、下面に設けられた複数の矩形溝は、互いにパレットの上面(及び下面)と平行する方向において同じ位置に設けられている。このため、パレットを同じ向きで段積みすると、下段のパレットの上面側に取着された滑り止めテープが、上段のパレットの下面に設けられた矩形溝に収容される。しかしながら、パレットの上面に設けられた矩形溝に取着された滑り止めテープのパレット上面からの突出長が、パレットの下面に設けられた矩形溝の深さよりも短い場合には、下段のパレットの滑り止めテープと、上段のパレットとが上下に当接することはなく、矩形溝の延在方向において滑り止めテープによる滑り止めの作用効果が発揮されない。このため、矩形溝の延在方向に沿って、上下のパレットが位置ずれしてしまうことが懸念される。
【0005】
その一方で、滑り止めテープのパレット上面からの突出長が、パレットの下面に設けられた矩形溝の深さよりも長い場合には、パレットを同じ向きで段積みしても、下段のパレットの滑り止めテープと、上段のパレットとが上下方向に当接することから、パレット同士の位置ずれを防止することができる。しかしながら、滑り止めテープのパレット上面からの突出長が比較的長く構成されたパレットに対して荷物を載せる場合、荷物に対して滑り止めテープとの圧痕が形成され易くなってしまうことが懸念される。尚、昨今では、運搬等に際して、物品の包装にも損傷等が生じないように要望される場合も多い。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、段積み状態の安定化を図ることのできるパレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.複数の柱部と、
前記複数の柱部の上端部間を連結する上デッキ部と、
前記複数の柱部の下端部間を連結する下デッキ部とを備えるパレットにおいて、
前記柱部の上面と、前記上デッキ部の上面とにより、物品が載置される載置面が構成され、
前記柱部の下面と、前記下デッキ部の下面とにより、前記パレットが設置される設置面に接地する接地面が構成され、
前記載置面、及び、前記接地面には、特定方向に沿って直線状に延びる溝が設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面と平行する方向において互いに同じ位置に設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝に取着された滑り止めテープを備え、
前記載置面の前記溝に取着された前記滑り止めテープは、前記載置面よりも上方に突出し、
前記滑り止めテープの前記載置面からの突出長は、前記接地面に設けられた前記溝の深さよりも短く構成され、
前記溝、及び、前記滑り止めテープのうち少なくとも一方は、パレット同士が同じ向きで積み重ねられる場合に、前記溝の延在方向における上下のパレットの相対変位を、下段のパレットの前記滑り止めテープと、上段のパレットとを当接させて防止するための滑り防止形状部を備えており、
前記滑り防止形状部は、前記載置面に設けられた前記溝の底面から突出し、前記滑り止めテープの一部を上方に位置させる載置面側当接突部を備え、
パレット同士が同じ向きで積み重ねられた場合に、下段のパレットの前記滑り止めテープのうち前記載置面側当接突部に取着された部位と、上段のパレットとが上下に当接することを特徴とするパレット。
【0009】
手段1によれば、パレット同士を同じ向きで積み重ねる(段積みする)場合に、下段のパレットの滑り止めテープが上段のパレットの接地面側矩形溝に挿入されることで、載置面側矩形溝に対して交差する方向における上下のパレットの位置ずれが防止される。さらに、滑り防止形状部が設けられることで、載置面側矩形溝の延在方向における上下のパレットの位置ずれを防止することができる。従って、パレットを同じ向きで段積みした状態において、上下のパレットが水平方向において位置ずれするといった事態を確実に防止することができる。
【0010】
このため、パレットの段積みに際して、パレットを同じ向きで重ねていけばよく、例えば、下段のパレットの滑り止めテープが上段のパレットの接地面側矩形溝に挿入されないように、パレットの向きを1段ずつ変える等の作業を行わなくても済む。さらに、パレットを積み重ねていく際に、下方の既に段積みされているパレット同士が位置ずれすることも防止される。これにより、比較的容易、かつ、スピーディーに確実な段積み作業を行うことができる。加えて、パレットの段積み状態の安定化が図られることから、段積みされたパレットを比較的安定して運搬・保管等することができる。
【0011】
また、載置面よりも上方に突出する滑り止めテープの突出長を、接地面の溝の深さよりも短く抑えることにより、パレットに載置された荷物に対して滑り止めテープとの圧痕がはっきりと形成されてしまうといった事態を抑止することができる。従って、パレットを使用して荷物を運搬することで、荷物に滑り止めの痕が付いて意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
【0012】
尚、例えば、滑り防止形状部がなくても、パレットを水平に90度回転させた向きで積み重ねる場合には、下段のパレットの滑り止めテープにより上段のパレットの位置ずれを防止することができる。しかしながら、作業ミスによって、パレットを同じ向きで積み重ねてしまった場合には、段積みされたパレットの倒壊のおそれがある。また、フォーク差込み部に対してフォークをパレットの2側方からのみ差し込み可能なパレットに関しては、パレットの向きを1段ずつ変えて段積みすることが非常に手間であり、パレットが大型でフォークリフト等を使用してパレットを段積みする場合には、非常に困難(周辺状況によっては不可能)な作業となる。
【0013】
この点、本手段によれば、パレットを同じ向きで段積みしても、異なる向きで段積みしても、上下のパレットの水平方向における相対変位が防止される。つまり、例えば、パレットを水平に90度回転させた向きで積み重ねたとしても、下段のパレットの滑り止めテープが、上段のパレットの接地面に当接し、位置ずれが防止される。このため、作業ミス等によってパレットを積み重ねる向きを間違えたとしても、上下のパレットが位置ずれして段積みされたパレットが倒壊するといった事態を回避することができる。
【0015】
また、比較的簡単な構成により、段積みされた上下のパレットの位置ずれを防止することができる。特に、滑り止めテープの特殊な加工、或いは、特殊な取着作業が不要なことから、滑り止めテープの生産性の向上、コストの抑制、取付作業性の向上等を図ることができる。
また、パレットを同じ向きで段積みした状態において、下段のパレットの滑り止めテープと、上段のパレットとを上下に当接させることができる。従って、パレットの段積み状態において、下段のパレットの滑り止めテープによる上段のパレットの滑り止めの作用効果を発揮させることができ、上下のパレットの水平方向における位置ずれを確実に防止することができる。
尚、「前記接地面に設けられた前記溝に対しても、前記載置面と平行する方向において、前記載置面側当接突部と同じ位置に接地面側当接突部が設けられていること」としてもよい。この場合、載置面側当接突部の溝の底面からの突出長を極力短くしても(滑り止めテープのうち載置面側当接突部により持ち上げられた部位の載置面からの突出長を極力短くしても)、パレットの段積み状態において、下段のパレットの滑り止めテープのうち載置面側当接突部に取着された部位と、上段のパレットの接地面側当接突部とを当接させることができる。従って、滑り止めテープのうち載置面側当接突部に取着された部位の載置面からの突出長が長くなり過ぎて、パレットに荷物を載置する作業等に際して支障を来したり(荷物が引っ掛かる等したり)、パレットに載置された荷物に対し滑り止めテープのうち載置面側当接突部に取着された部位の圧痕がはっきりと付いてしまったりするといった事態を回避することができる。
手段2.前記載置面側当接突部は、前記載置面に設けられた前記溝に取着された前記滑り止めテープの長手方向中央部側に向けて下方傾斜して延び、前記溝の底面と連続する傾斜面を備えていることを特徴とする手段1に記載のパレット。
手段2によれば、載置面側当接突部に傾斜面が設けられることで、滑り止めテープを載置面側当接突部に取着し易くなり、作業性の向上を図ることができる。さらに、滑り止めテープを載置面側当接突部に対して好適に取着することができ、滑り止めテープが載置面側当接突部から剥がれる等の事態を抑止することができる。
尚、「前記接地面に設けられた前記溝に対しても、前記載置面と平行する方向において、前記載置面側当接突部と同じ位置に接地面側当接突部が設けられるとともに、前記接地面側当接突部においても、前記載置面側当接突部と同様にして傾斜面を備え、前記滑り止めテープの端部は、前記載置面側当接突部の前記傾斜面に取着されていること」としてもよい。この場合、パレットの段積み状態において、下段のパレットの滑り止めテープ(の端部)を、上段のパレットの接地面側当接突部の傾斜面に当接させることができる。この場合、下段のパレットの滑り止めテープと、上段のパレットの接地面側当接突部とを上下に当接させるだけでなく、溝の延在方向においても当接させることができ、上下のパレットが溝の延在方向において相対変位するといった事態をより確実に防止することができる。
【0016】
手段3.複数の柱部と、
前記複数の柱部の上端部間を連結する上デッキ部と、
前記複数の柱部の下端部間を連結する下デッキ部とを備えるパレットにおいて、
前記柱部の上面と、前記上デッキ部の上面とにより、物品が載置される載置面が構成され、
前記柱部の下面と、前記下デッキ部の下面とにより、前記パレットが設置される設置面に接地する接地面が構成され、
前記載置面、及び、前記接地面には、特定方向に沿って直線状に延びる溝が設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面と平行する方向において互いに同じ位置に設けられ、
前記載置面に設けられた前記溝に取着された滑り止めテープを備え、
前記載置面の前記溝に取着された前記滑り止めテープは、前記載置面よりも上方に突出し、
前記滑り止めテープの前記載置面からの突出長は、前記接地面に設けられた前記溝の深さよりも短く構成され、
前記溝、及び、前記滑り止めテープのうち少なくとも一方は、パレット同士が同じ向きで積み重ねられる場合に、前記溝の延在方向における上下のパレットの相対変位を、下段のパレットの前記滑り止めテープと、上段のパレットとを当接させて防止するための滑り防止形状部を備えており、
前記滑り防止形状部は、前記接地面に設けられた前記溝の底面から突出する接地面側ストッパ突部を備え、パレット同士が同じ向きで積み重ねられた場合に、下段のパレットの前記滑り止めテープの端部と、上段のパレットの前記接地面側ストッパ突部とが、前記溝の延在方向において対向して近接配置され、
さらに、前記載置面に設けられた前記溝に対しても、前記載置面と平行する方向において、前記接地面側ストッパ突部と同じ位置に載置面側ストッパ対応突部が設けられていることを特徴とするパレット。
この場合、パレットの段積み状態において、上下のパレットが溝の延在方向において相対変位しそうになった場合には、下段のパレットの滑り止めテープの端部と、上段のパレットの接地面側ストッパ突部とが当接して、かかる相対変位が規制されることとなる。
【0017】
さらに滑り止めテープを取着する位置(範囲)を把握し易くなり、作業性の向上等を図ることができる。
【0024】
手段.前記複数の柱部の上側部分と、前記上デッキ部とを備える上構成部と、
前記複数の柱部の下側部分と、前記下デッキ部とを備える下構成部とを備え、
前記上構成部の前記柱部の下端部と、前記下構成部の前記柱部の上端部とが溶着されることで構成され、
前記上構成部と、前記下構成部とが同形状、かつ、同じ大きさに構成され、
前記載置面、及び、前記接地面に設けられた前記溝は、前記載置面、及び、前記接地面の側辺部にまで延在していることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載のパレット。
【0025】
手段によれば、上構成部と、下構成部とを別形状にする場合に比べ、パレットの生産性の向上、製造コストの抑制等を図ることができる。さらに、溝がパレットの側辺部にまで設けられていることから、溝(特に、上向きに配置されている溝)に水や埃を滞留させ難くすることができ、衛生面の向上、載置される物品に水や埃が付着することの抑制等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】パレットの上面側を示す斜視図である。
図2図1のJ部を示す部分拡大斜視図である。
図3】パレットの下面側を示す斜視図である。
図4図2に示すパレットから滑り止めテープを省略した状態を示す斜視図である。
図5図4のA-A線断面図である。
図6】パレットを同じ向きで段積みした状態を示す斜視図である。
図7】同じ向きで段積みされたパレットを示す部分拡大断面図である。
図8図7のK部を示す部分拡大断面図である。
図9】パレットが水平方向(載置面側矩形溝の延在方向)にずれて段積みされた状態を示す部分拡大断面図である。
図10】別の実施形態における載置面側矩形溝、及び、滑り止めテープを示す部分拡大斜視図である。
図11】別の実施形態における接地面側矩形溝を示す部分拡大斜視図である。
図12】別の実施形態における載置面側矩形溝、及び、滑り止めテープを示す部分拡大斜視図である。
図13】別の実施形態における接地面側矩形溝を示す部分拡大斜視図である。
図14】別の実施形態におけるパレットを同じ向きで段積みした状態を示す部分拡大断面図である。
図15】別の実施形態における載置面側矩形溝、及び、滑り止めテープを示す部分拡大斜視図である。
図16】別の実施形態における接地面側矩形溝を示す部分拡大斜視図である。
図17】別の実施形態における載置面側矩形溝、及び、滑り止めテープを示す部分拡大斜視図である。
図18】別の実施形態における接地面側矩形溝を示す部分拡大斜視図である。
図19】別の実施形態における載置面側矩形溝、及び、滑り止めテープを示す部分拡大斜視図である。
図20】別の実施形態における接地面側矩形溝を示す部分拡大斜視図である。
図21】別の実施形態におけるパレットを同じ向きで段積みした状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図3に示すように、パレット1は、平面視略矩形状(本例では、略正方形状)をなしている。また、パレット1は、パレット1の相対する一対の側辺部にそれぞれ沿って設けられる一対の側柱部2と、パレット1の中央部を通るようにして、一対の側柱部2と平行して設けられる中央柱部3と、各側柱部2、及び、中央柱部3の上端部間を連結する上デッキ部4と、各側柱部2、及び、中央柱部3の下端部間を連結する下デッキ部5とを備えている。加えて、各側柱部2と中央柱部3との間には、フォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込み部6が設けられている。本実施形態では、パレット1の外周面を構成する4つの側面のうち2つの側面からフォークを差込み可能な2方差しタイプのパレットとなっている。
【0028】
また、本実施形態では、側柱部2、中央柱部3、及び、上デッキ部4の上面によって物品を載置可能な「載置面7」が構成されている。さらに、側柱部2、中央柱部3、及び、下デッキ部5の下面によって、パレット1が設置される床面等の設置面に接地する「接地面8」が構成されている。加えて、載置面7と、接地面8とは、互いに平行して延在している。
【0029】
また、本実施形態のパレット1は、上構成部11と、下構成部12とを備えている。上構成部11は、側柱部2、及び、中央柱部3の上側部分と、上デッキ部4とを備えている。下構成部12は、側柱部2、及び、中央柱部3の下側部分と、下デッキ部5とを備えている。上構成部11、及び、下構成部12は、いずれもポリプロピレンにより一体的に形成されている。そして、上構成部11の側柱部2、及び、中央柱部3の下端部と、下構成部12の側柱部2、及び、中央柱部3の上端部とを熱溶着(又は、振動溶着)することによって上構成部11と下構成部12とが一体化され、これにより本実施形態のパレット1が構成されている。また、上構成部11、及び、下構成部12は、互いに同一形状で、同一の大きさに構成されており、本実施形態では、互いに同一の部材により構成されている。
【0030】
本実施形態の上デッキ部4、及び、下デッキ部5は無孔状に構成されるとともに、上デッキ部4、及び、下デッキ部5の裏面側(上デッキ部4の下面側、及び、下デッキ部5の上面側)には、補強用のリブ13が格子状に設けられている。また、側柱部2、及び、中央柱部3の上面、下面、及び、外周面は、基本的に無孔状となっている。
【0031】
さて、本実施形態では、載置面7、及び、接地面8には、フォーク差込み部6へのフォークの差込み方向(側柱部2、及び、中央柱部3の長手幅方向)に対して直交する方向(特定方向)に沿って直線状に延びる断面略矩形状の載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22が、それぞれ複数本設けられている。載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は、パレット1の相対する一対の側辺部の一方から他方にかけて延在している。また、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は、側柱部2の長手幅方向において互いに所定距離を隔てて、それぞれ6本ずつ設けられている。
【0032】
さらに、複数の載置面側矩形溝21、及び、複数の接地面側矩形溝22は、それぞれパレット1の平面視(下面視)中央部を中心として2回対称形状(パレット1の中心を通り、パレット1の側辺部に対して直交する仮想直線を中心として線対称形状)となるように配置されている。加えて、上記のように、上構成部11、及び、下構成部12は同形状(同じもの)であることから、複数の載置面側矩形溝21、及び、複数の接地面側矩形溝22は、載置面7(接地面8)と平行する方向において互いに同じ位置に設けられている。尚、上記のように、上デッキ部4、及び、下デッキ部5の裏面側には、補強用のリブ13が設けられており、載置面側矩形溝21や接地面側矩形溝22が設けられた部位の裏面側にも、載置面側矩形溝21及び接地面側矩形溝22に沿って補強用のリブ13が設けられている(図7参照)。
【0033】
さらに、図1図2に示すように、パレット1は、載置面側矩形溝21に取着された滑り止めテープ23を備えている。滑り止めテープ23は、熱可塑性エラストマーにより構成され、本実施形態では、全ての載置面側矩形溝21に対し滑り止めテープ23が取着(接着又は溶着)されている。
【0034】
また、図2図7図8等に示すように、滑り止めテープ23の厚みは、載置面側矩形溝21の深さよりも大きく、載置面側矩形溝21に取着された滑り止めテープ23は、載置面7よりも上方に突出している。さらに、滑り止めテープ23の載置面7からの突出長は、接地面側矩形溝22の深さよりも短く構成されている。つまり、図6に示すように、パレット1同士を同じ向きで積み重ねた場合(段積みした場合)には、図8に示すように、下段のパレット1の滑り止めテープ23の載置面7からの突出部位が、上段のパレット1の接地面側矩形溝22に収容されるものの、基本的には、下段のパレット1の滑り止めテープ23と、上段のパレット1の接地面側矩形溝22の底面とは、上下に当接しない構成(図8の滑り止めテープ23の右側部分参照)となっている。尚、パレット1を同じ向きで段積みした状態では、下段のパレット1の滑り止めテープ23が、上段のパレット1の接地面側矩形溝22に挿入されることから、載置面側矩形溝21の延在方向に対して交差する水平方向における上下のパレット1の位置ずれが防止される。
【0035】
図4図5図7に示すように、載置面側矩形溝21には、当該載置面側矩形溝21の底面から上方に突出し、滑り止めテープ23の一部を上方に位置させる滑り防止形状部としての載置面側当接突部24が設けられている。本実施形態では、全ての載置面側矩形溝21の両端部において、載置面側矩形溝21の底面を一段高くしたような格好で載置面側当接突部24が設けられている。尚、図5に示すように、載置面側当接突部24は、載置面側矩形溝21の内側に収まる範囲に設けられており、載置面側矩形溝21は、パレット1(載置面7)の側辺部にまで達している。
【0036】
また、図4図5に示すように、各載置面側当接突部24は、載置面側矩形溝21の長手幅方向中央部側の部位において、載置面側矩形溝21の長手幅方向中央部側に向けて下方に傾斜して延び、載置面側矩形溝21の底面と連続する傾斜面25を備えている。図1図2図7に示すように、滑り止めテープ23は、各載置面側矩形溝21の一対の載置面側当接突部24の間に連続して延在するように取着されるとともに、一対の載置面側当接突部24の各傾斜面25にも取着されている。これにより、滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24(傾斜面25)に取着された部位(両端部)が、その他の部位よりも上方に位置することとなる。尚、滑り止めテープ23の端部は、傾斜面25に取着されており、載置面側当接突部24のうち傾斜面25よりも載置面7の側辺部側の部位に対しては、滑り止めテープ23は取着されていない。
【0037】
さらに、上記のように、上構成部11と、下構成部12とが同形状であることから、図3図7に示すように、接地面側矩形溝22においても、載置面7(及び、接地面8)と平行な方向において載置面側当接突部24と同じ位置に、接地面側矩形溝22の底面から下方に突出する接地面側当接突部26が設けられている。そして、図8に示すように、パレット1を同じ向きで段積みした場合には、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24(傾斜面25)に取着された部位と、上段のパレット1の接地面側当接突部26とが上下に当接することとなる。特に、接地面側当接突部26についても、載置面側当接突部24と同様に傾斜面27を備えており、パレット1の段積み状態では、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位(端部)と、上段のパレット1の接地面側当接突部26の傾斜面27とが、上下に当接するだけでなく、載置面側矩形溝21の延在方向においても当接することとなる。
【0038】
また、図9に示すように、パレット1を段積みする際に、下段のパレット1に対して上段のパレット1が載置面側矩形溝21の延在方向にずれて設置された場合においても、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位と、上段のパレット1の接地面側矩形溝22の底面とが上下に当接する(図示されない滑り止めテープ23の反対側の端部周辺部においては、上段のパレット1の接地面側当接突部26のうち傾斜面27よりも接地面8の側辺部側の部位が、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位に乗り上げている)。このため、載置面側矩形溝21の延在方向において、上下のパレット1が意図せずに大きく位置ずれしてしまうといった事態が抑制される一方で、上段のパレット1を下段のパレット1に対して意図的に相対変位させ、「ずれ」を解消することが可能である。さらに、図8に示すように、「ずれ」が解消されることで、下段のパレット1の滑り止めテープ23の両端部が、それぞれ上段のパレット1の一対の接地面側当接突部26の傾斜面27と当接することから、上下のパレット1が水平方向に相対変位するといった事態がほぼ生じないようになっている。
【0039】
加えて、図1等に示すように、パレット1の外周面の各コーナー部には、パレット1と、パレット1に載置された物品とにかけてストレッチフィルムを巻いて物品を包装する際に、ストレッチフィルムが係止される係止部28が設けられている。
【0040】
以上詳述したように、本実施形態によれば、載置面7と平行な方向において、載置面側矩形溝21と、接地面側矩形溝22とが同じ位置にあり、載置面側矩形溝21に取着された滑り止めテープ23の載置面7からの突出長が、接地面側矩形溝22の深さよりも短い構成であって、パレット1を同じ向きで段積みする場合であっても、下段のパレット1と、上段のパレット1との水平方向における位置ずれを防止することができる。つまり、パレット1を同じ向きで段積みした場合に、下段のパレット1の滑り止めテープ23が上段のパレット1の接地面側矩形溝22に挿入されることで、載置面側矩形溝21に対して交差する方向における上下のパレット1の位置ずれが防止される。さらに、載置面側矩形溝21の両端部において、載置面側矩形溝21の底面から突出し、滑り止めテープ23の両端部を上方に位置させる載置面側当接突部24が設けられることで、パレット1を同じ向きで段積みした状態において、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位と、上段のパレット1とを上下に当接させることができる。従って、パレット1の段積み状態において、滑り止めテープ23による下段のパレット1と、上段のパレット1との間の滑り止めの作用効果を発揮させることができ、載置面側矩形溝21の延在方向における上下のパレット1の位置ずれを防止することができる。従って、パレット1を同じ向きで段積みした状態において、上下のパレット1が水平方向において位置ずれするといった事態を確実に防止することができる。
【0041】
このため、パレット1の段積みに際して、パレット1を同じ向きで重ねていけばよく、例えば、下段のパレット1の滑り止めテープ23が上段のパレット1の接地面側矩形溝22に挿入されないように、パレット1の向きを1段ずつ変える等の作業を行わなくても済む。さらに、パレット1を積み重ねていく際に、下方の既に段積みされているパレット1同士が位置ずれすることも防止される。これにより、比較的容易、かつ、スピーディーに確実な段積み作業を行うことができる。特に、本実施形態のパレット1は2方差しのパレットであり、パレット1の向きを90度変えながら段積みする等の作業が非常に手間である(パレット1が比較的大型であってフォークリフト等でパレット1を段積みする場合には、非常に困難な作業となり、周辺状況によっては不可能となる)ことから、かかる作用効果がより顕著に奏される。加えて、パレット1の段積み状態の安定化が図られることから、段積みされたパレット1を比較的安定して運搬・保管等することができる。
【0042】
また、載置面7よりも上方に突出する滑り止めテープ23の突出長を、接地面側矩形溝22の深さよりも短く抑えることにより、パレット1に載置された荷物に対して滑り止めテープ23との圧痕がはっきりと形成されてしまうといった事態を抑止することができる。従って、パレット1を使用して荷物を運搬することで、荷物に滑り止めの痕が付いて意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
【0043】
尚、例えば、パレット1を水平に90度回転させた向きで積み重ねたとしても、下段のパレット1の滑り止めテープ23が、上段のパレット1の接地面8に当接し、位置ずれが防止される。つまり、パレット1を同じ向きで段積みしても、異なる向きで段積みしても、上下のパレット1の水平方向における相対変位が防止されることから、作業ミスによってパレット1を積み重ねる向きを間違える等しても、上下のパレット1が位置ずれして段積みされたパレット1が倒壊するといった事態を回避することができる。
【0044】
また、パレット1の載置面側矩形溝21に載置面側当接突部24を設けるといったように、比較的簡単な構成により、段積みされた上下のパレット1の位置ずれを防止することができる。特に、滑り止めテープ23の特殊な加工、或いは、特殊な取着作業が不要なことから、滑り止めテープ23の生産性の向上、コストの抑制、取付作業性の向上等を図ることができる。
【0045】
さらに、接地面側矩形溝22に対しても、載置面7と平行する方向において、載置面側当接突部24と同じ位置に接地面側当接突部26が設けられている。このため、載置面側当接突部24の載置面側矩形溝21の底面からの突出長を極力短くしても(滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24により持ち上げられた部位の載置面7からの突出長を極力短くしても)、パレット1の段積み状態において、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位と、上段のパレット1の接地面側当接突部26とを当接させることができる。従って、滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位の載置面7からの突出長が長くなり過ぎて、パレット1に荷物を載置する作業等に際して支障を来したり(荷物が引っ掛かる等したり)、パレット1に載置された荷物に対し滑り止めテープ23のうち載置面側当接突部24に取着された部位の圧痕がはっきりと付いてしまったりするといった事態を回避することができる。
【0046】
加えて、各載置面側矩形溝21の両端部に設けられた一対の載置面側当接突部24は、載置面側矩形溝21の長手幅方向中央部側に向けて下方に傾斜して延び、載置面側矩形溝21の底面と連続する傾斜面25を備えている。このため、滑り止めテープ23を載置面側当接突部24に取着し易くなり、作業性の向上を図ることができる。さらに、滑り止めテープ23を載置面側当接突部24に対して好適に取着することができ、滑り止めテープ23が載置面側当接突部24から剥がれる等の事態を抑止することができる。
【0047】
さらに、接地面側当接突部26においても、載置面側当接突部24と同様にして傾斜面27を備えている上、滑り止めテープ23の端部は、載置面側当接突部24の傾斜面25に取着されている。これにより、パレット1を同じ向きで段積みした状態において、下段のパレット1の滑り止めテープ23(の端部)を、上段のパレット1の接地面側当接突部26の傾斜面27に当接させることができる。このため、下段のパレット1の滑り止めテープ23と、上段のパレット1の接地面側当接突部26(傾斜面27)とを上下に当接させるだけでなく、載置面側矩形溝21の延在方向においても当接させることができ、上下のパレット1が載置面側矩形溝21の延在方向において相対変位するといった事態をより確実に防止することができる。
【0048】
また、上構成部11と、下構成部12とが同一部材であることから、例えば、上構成部と、下構成部とを別形状にする場合に比べ、パレット1の生産性の向上、製造コストの抑制等を図ることができる。さらに、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22がパレット1の側辺部にまで設けられていることから、矩形溝21、22(特に、上向きに配置されている矩形溝21、22)に水や埃を滞留させ難くすることができ、衛生面の向上、載置される物品に水や埃が付着することの抑制等を図ることができる。
【0049】
加えて、上デッキ部4、及び、下デッキ部5の裏面側には、補強用のリブ13が設けられており、上デッキ部4、及び、下デッキ部5の表面において矩形溝21、22が設けられている部位の裏面側にも補強用のリブ13が延在している。このため、矩形溝21、22の変形等を抑止することができる。さらに、当該矩形溝21、22に沿って延びる補強用のリブ13に対して交差して連結される補強用のリブ13も設けられていることから、矩形溝21、22の変形等を抑止する作用効果がより一層奏される。
【0050】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0051】
(a)上記実施形態では、パレット1を同じ向きで段積みした場合に、下段のパレット1の載置面側矩形溝21に取着された滑り止めテープ23(載置面側当接突部24に取着された部位)と、上段のパレット1(接地面側矩形溝22の接地面側当接突部26の傾斜面27)とが上下に当接するように構成されているが、パレット1を同じ向きで段積みした状態では、下段のパレット1の滑り止めテープ23と、上段のパレット1とが上下に当接しないように構成してもよい。以下、態様例について説明する。また、上記実施形態のパレット1と同様の構成については、共通の部材番号を付すこととする。
【0052】
例えば、図13に示すパレット31は、上記実施形態の各接地面側当接突部26の傾斜面27と同様の位置において、接地面側矩形溝22の内側に収まる範囲内で、接地面側矩形溝22の底面から下方に突出する滑り防止形状部としての突部(以下、「接地面側ストッパ突部32」と称する)を備えている。本態様例では、接地面側矩形溝22の内側に形成される相対する一対の内側面にそれぞれ連接して、一対の接地面側ストッパ突部32が、接地面側矩形溝22の長手方向に対して直交する水平方向(接地面側矩形溝22の短手幅方向)において互いに対向し、かつ、互いに離間して設けられている。さらに、接地面側ストッパ突部32のうち、接地面側矩形溝22の長手幅方向中央部側の面は、接地面側矩形溝22の底面に対して略垂直に延びている。加えて、接地面側ストッパ突部32は、接地面側矩形溝22の短手幅方向中央部側に向けて、接地面側矩形溝22の底面からの突出長が次第に短くなるように構成されている。
【0053】
その一方で、図12に示すように、載置面側矩形溝21に関しても、接地面側ストッパ突部32と同じ位置に同じ形状の突部(以下、「載置面側ストッパ対応突部33」と称する)が設けられている。さらに、滑り止めテープ23は、載置面側ストッパ対応突部33に差し掛からないように、載置面側ストッパ対応突部33の近傍にまで延在するようにして取着されている。尚、本態様例においても、上構成部11、及び、下構成部12は、同一形状で同じ大きさに構成されている。
【0054】
以上の構成を採用する場合、図14に示すように、パレット31が同じ向きで段積みされた場合には、下段のパレット31の滑り止めテープ23の端部と、上段のパレット31の接地面側ストッパ突部32とが、載置面側矩形溝21の延在方向において対向して近接配置される。このため、パレット31の段積み状態において、上下のパレット31が載置面側矩形溝21の延在方向において相対変位しそうになった場合には、下段のパレット31の滑り止めテープ23の端部と、上段のパレット31の接地面側ストッパ突部32とが当接して、かかる相対変位が規制されることとなる。さらに、載置面側矩形溝21に対しても、載置面7と平行する方向において接地面側ストッパ突部32と同じ位置に載置面側ストッパ対応突部33が設けられていることから、滑り止めテープ23を取着する位置(範囲)を把握し易くなり、作業性の向上等を図ることができる。
【0055】
尚、接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33の形状等についても特に限定されるものではなく、パレット31を同じ向きで段積みした状態で、載置面側矩形溝21の延在方向において滑り止めテープ23と対向する範囲に、接地面側ストッパ突部32が配置されていればよい。例えば、接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33に関し、図15図16に示すように、上記実施形態(主たる実施形態)の接地面側当接突部26、及び、載置面側当接突部24を、接地面側矩形溝22、及び、載置面側矩形溝21の短手幅方向中央部を避けて設けたような構成とし、滑り止めテープ23を載置面側ストッパ対応突部33に差し掛からないように載置面側ストッパ対応突部33の近傍にまで延在させるようにして取着することとしてもよい。この場合にも、パレット31の段積み状態において、上下のパレット31が載置面側矩形溝21の延在方向において相対変位しそうになった場合には、下段のパレット31の滑り止めテープ23の端部と、上段のパレット31の接地面側ストッパ突部32(傾斜面)とが当接して、かかる相対変位が規制されることとなる。また、接地面側矩形溝22、及び、載置面側矩形溝21の底面が、接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33の横幅方向中央部を貫通して、パレット31の側辺部にまで延在していることから、接地面側矩形溝22、及び、載置面側矩形溝21に水等を滞留させ難くすることができる。
【0056】
さらに、例えば、図17図18に示すように、図15図16の接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33のうち、接地面側矩形溝22、及び、載置面側矩形溝21の短手幅方向中央部側の部位を傾斜させたり、湾曲させたりするような構成としてもよい。この場合には、接地面側矩形溝22、及び、載置面側矩形溝21に水等を滞留させ難くするといった作用効果がより一層奏される。
【0057】
加えて、例えば、図19図21に示すように、円錐台形状の接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33を設け、滑り止めテープ23を載置面側ストッパ対応突部33に差し掛からないように載置面側ストッパ対応突部33の近傍にまで延在させるようにして取着することとしてもよい。
【0058】
(b)また、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22を、図10図11に示すように構成してもよい。すなわち、パレット41の載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は、載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26のうち、傾斜面25及び傾斜面27と、それに連接する部位とに対応する区間において、短手幅が、パレット41の側辺部側に向けて次第に細くなるくびれ部42を備えている。滑り止めテープ23の端部は、載置面側当接突部24の傾斜面25(の上端部)に取着されている。当該構成を採用する場合にも、パレット41の段積み状態において、上下のパレット41が載置面側矩形溝21の延在方向において相対変位しそうになった場合には、下段のパレット41の滑り止めテープ23の端部と、上段のパレット41のくびれ部42の内側面とが当接して、かかる相対変位が規制されることとなる。
【0059】
尚、くびれ部42は、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の内側面に隣接して、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の底面から載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の深さと同じ長さを突出する接地面側ストッパ突部32、及び、載置面側ストッパ対応突部33(図12図13等参照)に相当するものであり、載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26と併用することで、段積みされた上下のパレット41の載置面側矩形溝21の長手方向における位置ずれを防止するといった作用効果がより確実に奏される。
【0060】
(c)上記実施形態では、複数の載置面側矩形溝21、及び、複数の接地面側矩形溝22の全てに載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26が設けられているが、載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26が設けられていない載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22が存在してもよい。さらに、上記実施形態では、載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26が、1つの載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22につき一対で設けられているが、例えば、パレット1の相対する一対の側辺部のうち、一側辺部側にのみ載置面側当接突部24が設けられた載置面側矩形溝と、他側辺部側にのみ載置面側当接突部24が設けられた載置面側矩形溝とが交互に並んで設けられていることとしてもよい。加えて、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の数についても特に限定されるものではなく、例えば、載置面7の中央部を通り、載置面7の相対する一対の側辺部に直交するようにして比較的幅広の載置面側矩形溝を1つ設けることとしてもよい。この場合、比較的幅広の載置面側矩形溝に対し、幅広の滑り止めテープを取着したり、滑り止めテープを複数本取着したりすることとしてもよいし、載置面側当接突部24を比較的幅広に設けたり、載置面側当接突部24を複数並べて設けたりすることとしてもよい。
【0061】
但し、載置面側当接突部24等の滑り防止形状部を設けることにより、パレット1を同じ向きで段積みした状態において、載置面側矩形溝21の延在方向における一方側、及び、他方側の両方向への位置ずれを防止することとする。さらに、載置面側当接突部24や滑り止めテープ23の1つ当たりの負担を軽減したり、段積みされた上下のパレット1の位置ずれをバランス良く、又は、万遍なく規制したりするべく、載置面側当接突部24が設けられる載置面側矩形溝21を複数(線対称位置に)設けることが望ましい。
【0062】
また、載置面側矩形溝21において載置面側当接突部24が設けられる位置についても特に限定されるものではないが、滑り止めテープ23の長手幅を極力長く確保するべく、載置面側当接突部24は、極力、載置面7の側辺部に寄せて設けることが望ましい。尚、載置面側当接突部24の傾斜面25、及び、接地面側当接突部26の傾斜面27を省略することも可能であるが、滑り止めテープ23が取着される載置面側矩形溝21の底面と連続させるようにして載置面側当接突部24に傾斜面25を設けることで、滑り止めテープ23の取着作業性の向上、取着状態の安定化等が図られる。さらに、接地面側当接突部26にも傾斜面27を設け、かつ、滑り止めテープ23の端部が載置面側当接突部24の傾斜面25に取着される(位置させる)ことで、パレット1の段積み状態において、下段のパレット1の滑り止めテープ23の端部と、上段のパレット1の接地面側当接突部26の傾斜面27とを上下方向に当接させるだけでなく、載置面側矩形溝21の延在方向にも当接させることができ、パレット1の段積み状態の安定化等が図られる。
【0063】
(d)上記実施形態では、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22に対し、突部(載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26)を設けることで、パレット1を同じ向きで段積みした場合に、下段のパレット1の滑り止めテープ23と、上段のパレット1とを上下に当接させ、段積みされた上下のパレット1の載置面側矩形溝21の延在方向における相対変位を防止するように構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、載置面側矩形溝21に取着される滑り止めテープ23の端部の厚みを大きくして、或いは、端部を折り曲げて2重にして、その分、滑り止めテープ23の端部(滑り止め形状部)の載置面7からの突出長が比較的大きくなるように構成してもよい。当該構成を採用する場合にも、パレット1を同じ向きで段積みした場合に、下段のパレット1の滑り止めテープ23(端部)と、上段のパレット1(接地面側矩形溝22の底面)とを上下に当接させることが可能となる。
【0064】
(e)載置面側矩形溝21に対する滑り止めテープ23の取着の範囲は特に限定されるものではなく、例えば、滑り止めテープ23をパレット1の側辺部、又は、その近傍部位にまで取着することとしてもよいし、載置面側矩形溝21の長手幅方向中央部を中心として非対称となるように滑り止めテープ23を取着してもよい。尚、例えば、上記した図12図19の載置面側ストッパ対応突部33を跨ぐようにして取着する場合には、パレット1を同じ向きで段積み状態とすることで、下段のパレット1の滑り止めテープ23のうち載置面側ストッパ対応突部33に取着された部位と、上段のパレット1の接地面側ストッパ突部32とが上下に当接する。
【0065】
さらに、接地面側矩形溝22に対しても滑り止めテープ23を取着することとしてもよいが、パレット1を同じ向きで段積みした場合に、下段のパレット1の上面側の滑り止めテープ23と、上段のパレット1の下面側の滑り止めテープ23とが密着してしまい、上段のパレット1を持ち上げることで下段のパレット1も持ち上がったり(下段のパレット1はすぐに落下してしまう)、滑り止めテープ23がパレット1から剥がれ易くなったりしてしまう等のことが懸念されることから、パレット1の段積み状態において、滑り止めテープ23同士が接触しないように構成されることが望ましい。加えて、上記実施形態のように、複数の載置面側矩形溝21、及び、複数の接地面側矩形溝22が、載置面7と平行する方向において互いに同じ位置にあり、かつ、載置面7、及び、接地面8のそれぞれにおいて複数の載置面側矩形溝21、及び、複数の接地面側矩形溝22が線対称に配置される構成において、例えば、載置面側矩形溝21に対して1つ置きに滑り止めテープ23を取着し、接地面側矩形溝22に対して1つ置きに滑り止めテープ23を取着することとしてもよい。この場合、例えば、載置面7と平行する方向において同じ位置にある載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22に対して滑り止めテープ23が取着されている場合には、パレット1を同じ向きから180度回転させた向きとして段積みすることで、上下のパレット1の滑り止めテープ23同士の干渉を避けることができる。一方、載置面7と平行する方向において異なる位置にある載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22に対して滑り止めテープ23が取着されている場合には、パレット1を同じ向きとして段積みすることで、上下のパレット1の滑り止めテープ23同士の干渉を避けることができる。尚、パレット1の向きを間違えて段積みしても、滑り止めテープ23同士の干渉が避けられるように、例えば、6本の載置面側矩形溝21のうち両端の載置面側矩形溝21と、両端の載置面側矩形溝21から1つ空けた載置面側矩形溝21に滑り止めテープ23を取着し、6本の接地面側矩形溝22のうち両端の接地面側矩形溝22の隣の接地面側矩形溝22に滑り止めテープ23を貼着することとしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態において、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は必ずしもパレット1の側辺部にまで延在していなくてもよい。さらに、上記実施形態では、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は、フォーク差込み部6へのフォークの差込み方向(側柱部2の長手幅方向)に対して直交する方向に延在しているが、フォークの差込み方向に沿って延在していてもよいし、フォークの差込み方向、及び、フォークの差込み方向に対して直交する方向のどちらにも交差する方向に延在していてもよい。加えて、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の断面形状についても特に限定されるものではないが、載置面側矩形溝21の底面が、滑り止めテープ23の下面と対応した断面形状とされることが望ましい。尚、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22を、例えば、断面台形状、断面三角形状としてもよく、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の底面を断面湾曲状にしてもよい。
【0067】
また、上デッキ部4、及び、下デッキ部5の裏面側に設けられた補強用のリブ13は、少なくとも、上デッキ部4、及び、下デッキ部5のうち反対面側(表面)に載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22が設けられている部位に設けられていることとしてもよい。特に、載置面側当接突部24、及び、接地面側当接突部26の裏面側において補強用のリブ13が交差して設けられていることとしてもよい。さらに、上記実施形態では特に言及していないが、側柱部2、及び、中央柱部3の内側においても、側柱部2、及び、中央柱部3の上面、及び、下面を構成する壁部から側柱部2、及び、中央柱部3の高さ方向中央部側に突出する補強用のリブを設けることとしてもよい。さらに、当該補強用のリブは、側柱部2、及び、中央柱部3の上面、及び、下面を構成する壁部のうち、反対面側に載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22が形成されている部位に設けられていることとしてもよい。この場合、側柱部2、及び、中央柱部3においても、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22の変形等を抑止することができる。
【0068】
(f)上記実施形態では、パレット1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。さらに、滑り止めテープ23の材料や構成についても特に限定されるものではなく、例えば、押出成形されたゴムにより構成される滑り止めテープを両面テープで載置面側矩形溝21に取着することとしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、一対の側柱部2と、中央柱部3とを備える2方差しタイプのパレットとなっているが、パレットの四隅に設けられる4本の隅柱と、パレットの側辺部に沿って並ぶ一対の隅柱の中間部位に設けられる中間柱と、パレットの中央部に設けられる中央柱とを備え、パレットの外周面を構成する4つの側面からフォークを差込み可能な4方差しタイプのパレットに適応することも可能である。さらに、上記実施形態では、上構成部11と、下構成部12とが、同一形状で、同一の大きさに構成されているが、上構成部11と、下構成部12とで、形状等が異なるよう構成してもよい。加えて、上構成部11、及び、下構成部12は、互いに同一形状で、同一の大きさであるが、着色が異なるように構成してもよい。また、上記実施形態では、上構成部11と、下構成部12とを溶着することでパレット1が構成されているが、パレット1の全体を一体的に(一度に)形成することとしてもよい。さらに、全体が一体的に形成されるパレットに関し、上デッキ部と、下デッキ部とが同じ形状としてもよいし、異なる形状としてもよい。但し、載置面側矩形溝21、及び、接地面側矩形溝22は、載置面7と平行する方向において同じ位置に設けられることとする。
【0070】
また、上記実施形態では、パレット1が平面視略正方形状をなしているが、パレットの相対する一対の側辺部の長さが、当該一対の側辺部の両端部間の間に延びる一対の側辺部の長さよりも長いパレットに具体化することも可能である。さらに、上記実施形態では、上デッキ部4、及び、下デッキ部5が無孔状に構成されているが、上下に貫通する水抜き孔を設けることとしてもよい。加えて、上デッキ部4、及び、下デッキ部5に水抜き孔を行列状に設けることで、上デッキ部4、及び、下デッキ部5が格子状に構成される場合、上デッキ部4及び下デッキ部5の裏面側に設けられる補強用のリブ13は、各水抜き孔を個別に囲むようにして格子状に設けられることとしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…パレット、2…側柱部、3…中央柱部、4…上デッキ部、5…下デッキ部、6…フォーク差込み部、7…載置面、8…接地面、11…上構成部、12…下構成部、21…載置面側矩形溝、22…接地面側矩形溝、23…滑り止めテープ、24…載置面側当接突部、25…傾斜面、26…接地面側当接突部、27…傾斜面、31…パレット、32…接地面側ストッパ突部、33…載置面側ストッパ対応突部。
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