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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20221117BHJP
   F21V 14/06 20060101ALI20221117BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20221117BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20221117BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20221117BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221117BHJP
【FI】
F21S2/00 600
F21V14/06
F21V5/00 320
G01N21/84 E
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020080503
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174752
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:令和1年5月22日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を貸し出した。公開日:令和1年10月11日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和1年10月17日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和1年11月17日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和1年12月20日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和2年1月24日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和2年1月30日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和2年3月16日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和2年3月19日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。公開日:令和2年3月30日 公開者:レボックス株式会社 公開内容:レボックス株式会社がタカノ株式会社に照明装置を販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】504174434
【氏名又は名称】レボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100135862
【弁理士】
【氏名又は名称】金木 章郎
(72)【発明者】
【氏名】新津 良輔
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 進志
(72)【発明者】
【氏名】井上 達矢
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-150875(JP,A)
【文献】特開2018-160478(JP,A)
【文献】特開2015-227977(JP,A)
【文献】特開2016-14599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 14/06
F21V 5/00
G01N 21/84
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に沿って配置された複数の光源と、
前記所定の方向に沿って延在する中心軸を有し、前記光源から発せられる光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズから発せられる光を前記所定の方向に拡散させる拡散レンズと、
前記集光レンズの少なくとも一部を前記集光レンズの前記中心軸に向かって押圧可能な調整部材と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記集光レンズを支持するための支持部材をさらに備え、
前記支持部材は、前記集光レンズと前記調整部材との間に配置され、前記調整部材が当接される当接部を有し、
前記調整部材が前記当接部を介して前記集光レンズの少なくとも一部を押圧する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記支持部材は、第1支持部材と、前記第1支持部材とは異なる第2支持部材と、を含み、
前記第1支持部材は、
前記集光レンズを保持する保持部と、前記当接部とを有し、
前記第2支持部材は、
前記集光レンズを保持する保持部を有する請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記集光レンズは、前記第1支持部材と前記第2支持部材によって挟持される請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記調整部材は、 前記所定の方向と直交する方向に向かって押圧可能な請求項1乃至4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記集光レンズは前記所定の方向に長尺であり、
前記調整部材を備える調整部は、前記所定の方向に沿って複数設けられる、請求項1乃至5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源がライン状に配列される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の形状を有する領域を照明する装置として、所定の形状に応じて複数の光源を配置した照明装置が用いられていた。例えば、細長い形状の領域を照明するためには、複数の光源をライン状に配置した照明装置が用いられていた。例えば、所望する領域を照明することで、その領域の欠陥などを検査することができる。
【0003】
しかし、光を集光する集光レンズ(例えば、ロッドレンズ)から発せられた光の光軸と複数の光源から発せられた光の光軸とでズレが生じ、光の直進性が低下してしまう可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-125003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の照明装置は、挟持部材が筐体にネジ止めされ、挟持部材により集光レンズの位置が固定されていたため、光源から発せられる光の光軸と集光レンズから発せられた光の光軸とにズレが生じていたとしても調整することができず、光の直進性が低下したまま集光レンズの位置が固定されていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光源から発せられる光の光軸が集光レンズにて変化してしまった場合であっても、光の直進性を低下させないよう集光レンズを押圧することで、光の進行方向を調整することのできる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による照明装置の特徴は、
所定の方向に沿って配置された複数の光源と、
前記所定の方向に沿って延在する中心軸を有し、前記光源から発せられる光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズから発せられる光を前記所定の方向に拡散させる拡散レンズと、
前記集光レンズの少なくとも一部を前記集光レンズの前記中心軸に向かって押圧可能な調整部材と、
を備えることである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光の直進性を低下させないように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における照明装置の外観図である。
図2】本実施形態における照明装置の光学系の構成を示す斜視図である。
図3】本実施形態における照明装置の短手方向の光の進行状態を示す概略図である。
図4】本実施形態における照明装置の断面図である。
図5】本実施形態における光の直進性の調整の概略を示す図である。
図6】本実施形態における光の直進性の調整の概略を示す図である。
図7】本実施形態における光の直進性の調整の概略を示す図である。
図8】本実施形態におけるロッドレンズの断面図である。
図9】本実施形態における照明装置の変形例の断面図である。
図10】第2実施形態態における照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の態様>
第1の実施の態様の照明装置は、
所定の方向(例えば、ロッドレンズ40の長さ方向)に沿って配置された複数の光源(例えば、光源60)と、
前記光源から発せられる光を集光する集光レンズ(例えば、ロッドレンズ40)と、
前記集光レンズから発せられる光を前記所定の方向に拡散させる拡散レンズ(例えば、ディフューザレンズ50)と、
前記集光レンズの少なくとも一部を前記所定の方向とは異なる方向に押圧可能な調整部材(例えば、左調整部材400L)と、
を備える照明装置である。
【0011】
ロッドレンズ40の長さ方向(Y方向)に沿って複数の光源60が配置された光源基板350が、ロッドレンズ40の長さ方向(Y方向)に沿って複数枚配置される。
【0012】
複数の光源60から発せられた光は、ロッドレンズ40で幅方向(X方向)に集光される。ロッドレンズ40から出射された光は、ディフューザレンズ50で長さ方向(Y方向)に拡散され、照度ムラが軽減される。
【0013】
調整部材(例えば、左調整部材400L)により、ロッドレンズ40の少なくとも一部を所定の方向(長さ方向)とは異なる方向(幅方向)に押圧することができる。
【0014】
ロッドレンズ40の少なくとも一部を調整部材にて押圧することで、光源60から発せられた光の光軸と、ロッドレンズ40から発せられた光の光軸とが一致するように調整することができ、光の直進性が向上する。
【0015】
<第2の実施の態様>
第2の実施の態様の照明装置は、第1の実施の態様において、
前記集光レンズを支持するための支持部材(例えば、第1の挟持部360等)をさらに備え、
前記支持部材は、前記集光レンズと前記調整部材との間に配置され、前記調整部材が当接される当接部(例えば、下押圧部365)を有し、
前記調整部材が前記当接部を介して前記集光レンズの少なくとも一部を押圧する
照明装置である。
【0016】
ロッドレンズ40は支持部材を備える。支持部材は、例えば、第1の挟持部360等である。
【0017】
左調整部材400Lが第1の挟持部360との間に配置された当接部(例えば、下押圧部365)を押圧することで、ロッドレンズ40を+X方向に押圧可能である。
【0018】
<第3の実施の態様>
第3の実施の態様の照明装置は、第2の実施の態様において、
前記支持部材は、第1支持部材(例えば、第1の挟持部360等)と、前記第1支持部材とは異なる第2支持部材(例えば、第4の挟持部390等)と、を含み、
前記第1支持部材は、
前記集光レンズを保持する保持部(例えば、上押圧部364等)と、前記当接部(例えば、下押圧部365)とを有し、
前記第2支持部材は、
前記集光レンズを保持する保持部(例えば、押圧部394等)を有する
照明装置である。
【0019】
第3の実施の態様の照明装置では、第1支持部材(例えば、第1の挟持部360等)と第2支持部材(例えば、第4の挟持部390等)とを有している。
【0020】
第1支持部材(例えば、第1の挟持部360等)は、集光レンズを保持する第1保持部(例えば、上押圧部364等)と当接部(例えば、下押圧部365等)とを有する。
【0021】
第2支持部材(例えば、第4の挟持部390等)は、第2保持部(例えば、押圧部394)を有する。
【0022】
第4の挟持部390は、ロッドレンズ40の下側を支持するレンズステイであり、ロッドレンズ40は自重等により下方向に力がかかるため、支持部材としての重要性が高い。そのため、第4の挟持部390はロッドレンズ40を支持する機能を重視するため、ロッドレンズ40を把持する押圧部のみを有している。つまり、調整部材(左調整部材400L)が第1の挟持部360の下押圧部365を押圧する構成とすることで、ロッドレンズ40を幅方向(+X方向)に押圧するようにでき、光の進行方向を容易に調整することができる。
【0023】
<第4の実施の態様>
第4の実施の態様の照明装置は、第3の実施の態様において、
前記集光レンズは、前記第1支持部材と前記第2支持部材によって挟持される照明装置である。
【0024】
第1支持部材(例えば、第1の挟持部360)と第2支持部材(例えば、第4の挟持部390)を、ロッドレンズ40を挟持するように配置するため、ロッドレンズ40をバランスよく保持することができる。
【0025】
<第5の実施の態様>
第5の実施の態様の照明装置は、第1の実施の態様乃至第4の実施の態様において、
前記異なる方向は前記所定の方向と直交する方向である照明装置である。
【0026】
調整部材は、ロッドレンズ40の長さ方向に対して直交する方向にロッドレンズ40を押圧することができる。
【0027】
<第6の実施の態様>
第6の実施の態様の照明装置は、第1の実施の態様乃至第5の実施の態様において、
前記集光レンズは前記所定の方向に長尺であり、
前記調整部材を備える調整部は、前記所定の方向に沿って複数設けられる、照明装置である。
【0028】
ロッドレンズ40は長さ方向(Y方向)に長尺であるため、調整部材を備える調整部(第1の調整部400、第2の調整部410、第3の調整部420等)を長さ方向に複数設けることで、各調整部で別個にロッドレンズ40を押圧可能にし、各調整部において光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができるため、ロッドレンズ40の全体としても光の進行方向を一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるようにすることができる。
【0029】
<<<<本実施の形態>>>>
以下、図面を参照しながら、本発明の本実施の形態(以下、本実施形態と称する)について説明する。本明細書及び図面においては、同一の符号が付された構成要素は、実質的に同一の構造または機能を有するものとする。
【0030】
<<<照明装置100の概要>>>
照明装置100は、被照明体を照明するための装置である。例えば、被照明体として表面を検査するための物品などがある。照明装置100で物品の表面を照明して、欠陥の有無や、欠陥の態様を検査するために用いることができる。
【0031】
後述するように、照明装置100は、カバー10から細長い光や線状の光を出射して被照明体である物品の表面を照明する照明装置であり、いわゆるライン型の照明装置である。
【0032】
<<<照明装置100の全体構成>>>
次に、図1は、照明装置100の外観図である。照明装置100の側面にコネクタ20(レセプタクル)及びコネクタ21(レセプタクル)が設けられている。コネクタ20又はコネクタ21は、照明装置100に電力を供給するための電源装置(図示せず)とケーブル等により接続される。電源装置は、商用電源と接続され、照明装置100へ電力を供給する。また、電源装置は、照明装置100の光源60の調光や点灯や消灯などの詳細な制御をすることができる制御装置としての機能も有する。
【0033】
照明装置100では、光源60(例えば、LED)から発せられた光は、カバー10から照明装置100の外部へ射出される。
【0034】
<<光学系>>
次に、図2を参照しながら照明装置100の光学系の構成を説明する。照明装置100は、筐体30を備え、筐体30の内部に光学系として、複数の光源基板350と、複数の光源60と、ロッドレンズ40と、ディフューザレンズ(拡散板)50とを主に備える。本実施形態の照明装置100は、4枚の光源基板350を備え、1枚の光源基板350には、26個の光源60が搭載されている。なお、これらの数は一例であり、これらに限定されるものではない。
【0035】
<筐体30>
筐体30は、照明装置100の部品を収納し、おおよその外形を画定する。筐体30は、アルミ製であり、押し出し成形によって形成されている。
【0036】
筐体30は、長手方向に長尺な溝状の形状を有する。筐体30は、底面部31と、底面部31を挟んで互いに向かい合う2つの側面部32L、32Rを有する。底面部31及び2つの側面部32L、32Rは、長手方向に長尺で平坦な形状を有する。2つの側面部32L、32Rは、同じ大きさ及び形状を有し、底面部31に対して高さ方向に沿って立設され、互いに平行になるように配置されている。
【0037】
2つの側面部32L、32Rの各々は、底面部31から最も離隔した最上部に、底面部31と平行に形成された天面部34、35を有する。また、2つの側面部32L、32Rには、ロッドレンズ40を押圧するための調整部材を挿入するためのネジ穴70が複数設けられている。
【0038】
なお、筐体30には、具体的には底面部31の下方(-Z方向)には、後述する放熱系の構造が一体として形成されているが、ここでは図示せず、説明を省略する。
【0039】
<光源基板350>
光源基板350の各々には複数の光源60が搭載されており、光源基板350は複数の光源60へ、発光させるための電源(電力)を供給するとともに、各光源基板350に搭載されたCPUにより各光源基板350に搭載された複数の光源60の点灯及び消灯の制御が行われる。
【0040】
光源基板350は、アルミ基板によって構成され、薄板状の長方形状の形状を有する。光源基板350の各々には、26個の光源60が搭載されている。26個の光源60は、光源基板350の長手方向に沿って直線状に配置されている。
【0041】
光源基板350は、光源60が上向き(+Z方向)に向くように取り付けられている。筐体30には4枚の光源基板350が搭載されている。4枚の光源基板350は、筐体30の長手方向(+Y方向)に沿って、互いに隣り合う光源基板350が密着するように配置仮想直線L1上に沿って配置されている。
【0042】
<光源60>
光源60は、照明装置100から光を発するための光源である。例えば、LEDを用いることができる。前述したように、26個の光源60が、光源基板350に搭載されている。光源基板350の26個の光源は、Z方向(上向き)に向かって光を発する。
【0043】
<ロッドレンズ40>
ロッドレンズ40は、光源60から発せられた光を集光する集光レンズである。ロッドレンズ40は、アクリル製で、長尺で中実な円柱状の形状を有する。なお、ロッドレンズ40は、ガラスや他の樹脂で成形されもよい。また、ロッドレンズ40は、光を集光できれば中空な円筒状の形状を有してもよい。
【0044】
ロッドレンズ40は、光源60から離隔した上方に、かつ、光源60の配置仮想直線L1とロッドレンズ40の中心軸線L2とが平行になるように配置されている。
【0045】
ロッドレンズ40は、後述するレンズステイによって左右から挟持され、4本のレンズステイを介して筐体30に固定されている。
【0046】
<ディフューザレンズ50>
ディフューザレンズ(拡散レンズ)50は、ロッドレンズ40を透過する光を拡散させるための拡散板である。ディフューザレンズ50の全体は、長尺な形状を有する。
【0047】
ディフューザレンズ50は、長手方向に沿って配置されている。具体的には、ディフューザレンズ50が、ロッドレンズ40から離隔した上方に、かつ、ディフューザレンズ50の中心軸線L3がロッドレンズ40の中心軸線L2と平行になるように配置されている。
【0048】
ディフューザレンズ50の表面には、微小なレンズアレイが形成されている。ディフューザレンズ50の表面には、長尺な溝状の領域と長尺な畝状の領域とが、隣り合うように交互に形成されている。溝状の領域の長手方向及び畝状の領域の長手方向は、おおよそ幅方向である。溝状の領域と畝状の領域とによって、微小でランダムな凹凸が繰り返され、微小な凹凸は、微小なレンズアレイとして機能する。
【0049】
ディフューザレンズ50は、レンズアレイの拡散機能により、入射した光を所望する拡散角(配光角)で光を屈折させて拡散整形する。ディフューザレンズ50は、一定の方向の拡散を他の方向よりも強く拡散する楕円拡散する。具体的には、ディフューザレンズ50は、長さ方向(長手方向)の拡散は、幅方向(短手方向)よりも強く拡散する。
【0050】
<カバー10>
カバー10は、ディフューザレンズ50から離隔した上方に、かつ、ディフューザレンズ50の中心軸線L3がカバー10の中心軸線L4と平行になるように配置されている。光源60から発せられた光は、カバー10から出射されることで、照明装置100の外部へ出射されることとなる。
【0051】
<<光の進行状態>>
光源60から発せられた光は、ロッドレンズ40を通過した後、ディフューザレンズ50によって拡散されてカバー10を介して照明装置100から出射される。以下では、幅方向(短手方向)成分の光と、長さ方向(長手方向)成分の光とについて、光の進行を説明する。
【0052】
<理想的な幅方向(短手方向)成分の光の進行>
図3に示すように、光源60から発せられた光は、広がりつつロッドレンズ40に入射する。ロッドレンズ40に入射した光は、ロッドレンズ40の屈折率に応じて屈折して、ロッドレンズ40の内部を進行する。ロッドレンズ40の内部を進行した光は、ロッドレンズ40の屈折率に応じて屈折してロッドレンズ40から出射する。光の進行方向は、ロッドレンズ40に入射した箇所の入射角により定まり、ロッドレンズ40は、幅方向(短手方向)成分については、凸レンズとして機能し、ロッドレンズ40に入射した光を集光する。光源60から発せられた光は、ロッドレンズ40によって集光されて、ロッドレンズ40から出射する。
【0053】
ロッドレンズ40によって集光された光は、ディフューザレンズ50に入射する。ディフューザレンズ50の長さ方向(長手方向)の拡散は、幅方向(短手方向)よりも強く拡散する。したがって、幅方向(短手方向)については、光はあまり拡散されずにディフューザレンズ50から出射される。ディフューザレンズ50から出射された光はカバー10を介して照明装置100から出射される。すなわち、幅方向(短手方向)の成分については、ロッドレンズ40によって集光された光が照明装置100から出射される。
【0054】
なお、ディフューザレンズ50及びカバー10は、複数の光源60からカバー10に向かう方向において、ロッドレンズ40の曲率中心を基準にして、ロッドレンズ40の曲率半径crの2倍未満の位置に配置される。
【0055】
ロッドレンズ40の曲率中心とは、ロッドレンズ40の表面を構成する円弧の中心である。ロッドレンズ40の曲率半径とは、ロッドレンズ40の表面を構成する円弧の半径である。
【0056】
ここでは、ロッドレンズ40の曲率半径は、ロッドレンズ40を構成する円柱側面の半径そのものであり、ロッドレンズ40の曲率中心は、ロッドレンズ40を構成する円柱側面から得られる中心である。
【0057】
<長さ方向(長手方向)成分の光の進行>
光源60から発せられた光は、広がりつつロッドレンズ40に入射する。ロッドレンズ40に入射した光は、ロッドレンズ40の屈折率に応じて屈折して、ロッドレンズ40の内部を進行し、ロッドレンズ40の屈折率に応じて屈折してロッドレンズ40から出射する。長さ方向(長手方向)成分については、ロッドレンズ40は、集光機能を有さず、光源60から発せられた光は、平行な板ガラスと同様の屈折の過程を経て、ロッドレンズ40から出射する。
【0058】
ロッドレンズ40によって集光された光は、ディフューザレンズ50に入射する。ディフューザレンズ50は、長さ方向(長手方向)の拡散は、幅方向(短手方向)よりも強く拡散する。したがって、長さ方向(長手方向)成分の光は、ディフューザレンズ50の表面に形成されたレンズアレイの形状や大きさに応じて拡散され、ディフューザレンズ50から出射される。
【0059】
このように、幅方向(短手方向)成分は、ロッドレンズ40によって集光された光となり、長さ方向(長手方向)成分は、ディフューザレンズ50によって拡散された光となり、照明装置100から出射される。
【0060】
<<<照明装置100の構成>>>
照明装置100は、主に、光学系と放熱系と回路系とを有する。光学系は、被照明体を照明するための光を生成する。放熱系は、光学系や回路系から発せられる熱を放熱する。回路系は、光学系の光源などを制御したり駆動したりする。
【0061】
<<放熱系>>
放熱系は、筐体30の構造の一部である。放熱系は、筐体30の底面部31の下方に備えられる。筐体30は、長尺な形状を有し、長手方向の長さが、光源60やロッドレンズ40やディフューザレンズ50よりも若干長く形成されている。筐体30は、熱伝導性の高い部材、例えば、アルミニウムなどの金属から構成される。後述するに、筐体30は、各種の部品を保持する機能も有し、各種の部品を一定の位置に保持できるとともに、各種の部品から発せられる熱を伝達できる材料で構成されていればよい。
【0062】
筐体30には、光学系(例えば、ロッドレンズ40等)や回路系(例えば、制御基板)などの各種の部品が取り付けられる。光学系や回路系などの各種の部品から発せられる熱は、図4に示すように、筐体30を介して放熱フィン36に伝えられる。
【0063】
隣り合う放熱フィン36の間に熱を交換するための空気が存在する。放熱フィン36からの放熱によって暖められた空気は、放熱フィン36に沿って下方に向かって流動し、開放口37から流出する。
【0064】
<第1の側面部32L及び第2の側面部32R>
図4に示すように、第1の側面部32Lは底面部31の左側の端部に連結して立設され、鉛直方向に延在するフレームである。第2の側面部32Rは底面部31の右側の端部に連結して立設され、鉛直方向に延在するフレームである。第1の側面部32L及び第2の側面部32Rによって照明装置100の上側の領域(光学系の領域)を画定することができる。
【0065】
第1の側面部32Lと第2の側面部32Rとの間に、ロッドレンズ40が配置されている。ロッドレンズ40は、第1の挟持部360、第2の挟持部370、第3の挟持部380並びに第4の挟持部390によって挟持されて第1の側面部32Lと第2の側面部32Rの間に取り付けられる。
【0066】
<<回路系>>
回路系は、駆動回路からなる。駆動回路は、主に、電源電流や制御信号などを光源基板350に供給する回路である。駆動回路は、光源60を駆動するための定電流などを生成して光源基板350に供給する。駆動回路には、商用電源などが接続されて駆動される。駆動回路は、光源60に電力を供給するための大電流を生成したり、各種の駆動電流を生成したりする。このため、駆動回路の消費電力も大きく発熱量も多くなる。したがって、駆動回路から発せられる熱を適宜に放熱する必要がある。
【0067】
また、ケーブル等を接続できるコネクタ20(コネクタ21)も設けられている。ケーブル等を介して電源装置(制御装置)を接続し、電源装置(制御装置)によって、光源60の調光や点灯や消灯などの詳細な制御をすることができる。
【0068】
<<レンズステイ(第1の挟持部360、第2の挟持部370、第3の挟持部380、第4の挟持部390)>>
第1の挟持部360は、左上側からロッドレンズ40を挟持し、第2の挟持部370は、右上側からロッドレンズ40を挟持し、第3の挟持部380は左下側からロッドレンズ40を挟持し、第4の挟持部390は、右下側からロッドレンズ40を挟持する。
【0069】
<第1の挟持部360>
図4に示すように、第1の挟持部360は、第1係止部361と、第2係止部362と、突出部363と、上押圧部364と、下押圧部365とを備える。第1係止部361、第2係止部362、突出部363、上押圧部364及び下押圧部365は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第1の挟持部360は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第1の挟持部360が取り付けられた状態について説明する。
【0070】
第1係止部361は、幅方向に延在する。第1の挟持部360は、第1係止部361の-X方向の端部において略90度で屈曲し、第2係止部362が-Z方向に延在する。第1の挟持部360は、-Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部363が+X方向に延在する。第1の挟持部360は、突出部363の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、上押圧部364が延在するとともに、突出部363の端部において略90度で屈曲し、下押圧部365が-Z方向へ延在する。
【0071】
第1係止部361がディフューザレンズ50の下面と係合(当接)するとともに、第2係止部362が第1の側面部32Lと係合(当接)するので、第1の挟持部360は、第1の側面部32L及びディフューザレンズ50によって係止される。
【0072】
第1の挟持部360は、3つの屈曲部を有し、主に、3つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0073】
上押圧部364は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触してロッドレンズ40を押圧する。下押圧部365も、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触してロッドレンズ40を押圧する。上押圧部364及び下押圧部365は、長尺な形状を有し、接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在する。このため、上押圧部364及び下押圧部365は、ロッドレンズ40の長手方向の全体に亘って押圧する。
【0074】
<第2の挟持部370>
図4に示すように、第2の挟持部370は、第1係止部371と、第2係止部372と、突出部373と、上押圧部374と、下押圧部375とを備える。第1係止部371、第2係止部372、突出部373、上押圧部374並びに下押圧部375は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第2の挟持部370は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第2の挟持部370が取り付けられた状態について説明する。
【0075】
第1係止部371は、幅方向に延在する。第2の挟持部370は、第1係止部371の+X方向の端部において略90度で屈曲し、第2係止部372が-Z方向に延在する。第2の挟持部370は、-Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部373が-X方向に延在する。第2の挟持部370は、突出部373の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、上押圧部374が延在するとともに、突出部373の端部において略90度で屈曲し、下押圧部375が-Z方向へ延在する。
【0076】
第1係止部371がディフューザレンズ50の下面と係合(当接)するとともに、第2係止部372が第2の側面部32Rと係合(当接)するので、第2の挟持部370は、第2の側面部32R及びディフューザレンズ50によって係止される。
【0077】
第2の挟持部370は、3つの屈曲部を有し、主に、3つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0078】
上押圧部374は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。下押圧部375も、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、上押圧部374及び下押圧部375は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0079】
<第3の挟持部380>
図4に示すように、第3の挟持部380は、係止部381と、突出部383と、押圧部384と、緩衝材310とを備える。係止部381、突出部383、押圧部384並びに緩衝材310は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第3の挟持部380は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第3の挟持部380が取り付けられた状態について説明する。
【0080】
係止部381は、高さ方向に延在する。係止部381の-Z方向の端部は、筐体30の左溝部80Lに入り込む。第3の挟持部380は、係止部381の+Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部383が+X方向に延在する。第3の挟持部380は、突出部383の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、押圧部384が延在する。緩衝材310はロッドレンズ40の破損等を防止するために設けられ、押圧部384に備えられる。緩衝材310は、耐熱性がある、弾性変形できる、密着する、可撓性がある等の特性を持つ素材が好ましく、例えば、ポリエチレン、シリコン、ウレタン等であってよい。
【0081】
緩衝材310は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、押圧部384及び緩衝材310は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0082】
第3の挟持部380は、第1の側面部32Lと係合(当接)するので、第3の挟持部380は、第1の側面部32Lによって係止される。
【0083】
第3の挟持部380は、2つの屈曲部を有し、主に、2つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0084】
<第4の挟持部390>
図4に示すように、第4の挟持部390は、係止部391と、突出部393と、押圧部394と、緩衝材310とを備える。係止部391、突出部393、押圧部394並びに緩衝材310は、長尺な形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第4の挟持部390は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第4の挟持部390が取り付けられた状態について説明する。
【0085】
係止部391は、高さ方向に延在する。係止部391の-Z方向の端部は、筐体30の右溝部80Rに入り込む。第4の挟持部390は、係止部391の+Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部393が-X方向に延在する。第4の挟持部390は、突出部393の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、押圧部394が延在する。緩衝材310はロッドレンズ40の破損等を防止するために設けられ、押圧部394に備えられる。
【0086】
緩衝材310は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、押圧部394及び緩衝材310は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0087】
第4の挟持部390は、第2の側面部32Rと係合(当接)するので、第4の挟持部390は、第2の側面部32Rによって係止される。
【0088】
第4の挟持部390は、2つの屈曲部を有し、主に、2つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0089】
なお、第1の挟持部360、第2の挟持部370、第3の挟持部380並びに第4の挟持部390は、アルミニウムだけでなく、弾性変形可能で、かつ、熱伝導性の高いもので構成されればよい。これにより、第1の挟持部360乃至第4の挟持部390によってロッドレンズ220に伝わった熱を放熱することができる。
【0090】
<ロッドレンズ40及びレンズステイ(第1の挟持部360、第2の挟持部370、第3の挟持部380並びに第4の挟持部390)の固定>
第1の挟持部360は、第1の挟持部360の上方に設けられるディフューザレンズ50や天面部34にボルトやネジ等で取り付けられる蓋部38等によって下方に押圧される。第2の挟持部370も同様に、第2の挟持部370の上方に設けられるディフューザレンズ50や天面部35にボルトやネジ等で取り付けられる蓋部39等によって下方に押圧される。
【0091】
ディフューザレンズ50や蓋部(38、39)により第1の挟持部360及び第2の挟持部370が押圧されると、各挟持部(360、370、380、390)は弾性力によりロッドレンズ40を押圧し、ロッドレンズ40は反発力により各挟持部を押圧する。つまり、各挟持部とロッドレンズ40とは、互いに押圧し合うことによりバランス良く維持される。
【0092】
<第1の調整部400>
第1の調整部400には、左調整部材400Lと右調整部材400Rが備えられる。
【0093】
左調整部材400Lは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第1の側面部32Lのネジ穴70に螺合される。左調整部材400Lの先端は、第1の挟持部360の下押圧部365に接触するように取り付けられる。調整者が左調整部材400Lを絞めると、左調整部材400Lは、ロッドレンズ40の直径方向に沿ってロッドレンズ40の中心に向かって進出し、下押圧部365が押圧される。押圧によって、ロッドレンズ40の位置が+X方向へ変更される又は/及びロッドレンズ40が撓むため、光軸を変位させて光軸を調整することができる。
【0094】
ロッドレンズ40は左調整部材400Lにより直接ではなく、下押圧部365を介して押圧されるので、左調整部材400Lを直接ロッドレンズ40に接触させる場合と比較して、ロッドレンズ40に接触する接触面が広くなり、ロッドレンズ40に対して広範囲に力を分散させて押圧することになるため、光軸を緩やかに変位させることができる。さらに、ロッドレンズ40の破損等のおそれも軽減させることができる。
【0095】
右調整部材400Rは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第2の側面部32Rのネジ穴70に螺合される。右調整部材400Rの先端は、第2の挟持部370の下押圧部375に接触するように取り付けられる。調整者が右調整部材400Rを絞めると、右調整部材400Rは、ロッドレンズ40の直径方向に沿ってロッドレンズ40の中心に向かって進出し、下押圧部375が押圧される。押圧によって、ロッドレンズ40の位置が-X方向へ変更される又は/及びロッドレンズ40が撓むため、光軸を変位させて光軸を調整することができる。
【0096】
ロッドレンズ40は右調整部材400Rにより直接ではなく、下押圧部765を介して押圧されるので、右調整部材400Rを直接ロッドレンズ40に接触させる場合と比較して、ロッドレンズ40に接触する接触面が広くなり、ロッドレンズ40に対して広範囲に力を分散させて押圧することになるため、光軸を緩やかに変位させることができる。さらに、ロッドレンズ40の破損等のおそれも軽減させることができる。
【0097】
なお、左調整部材400Lの中心線と右調整部材400Rの中心線とロッドレンズ40の中心線とが中心線Cで一致するように取り付けられる。
【0098】
上述した通り、第1の挟持部360乃至第4の挟持部390は、ネジ止め等により固定されているわけではないため、調整部材(400L、400R)によってロッドレンズ40を押圧したとしても無理なく押圧することができ、ロッドレンズ40が破損してしまう可能性等を軽減することができる。
【0099】
<<光の進行方向の調整>>
次に、図5及び図6を用いて、光源60から発せられる光の進行方向の調整について説明するが、適宜図7を参照する。なお、図7は光の進行方向の調整前と調整後のロッドレンズ40の状態を示す図である。
【0100】
まず、図5は光の進行方向を調整する前の光の進行状態を示す図である。
【0101】
本実施形態では、上述した第1の調整部400以外にも第2の調整部410及び第3の調整部420の2つの調整部が備えられている。
【0102】
第2の調整部410には、第1の調整部400の左調整部材400Lと同様の構成である左調整部材410Lと、第1の調整部400の右調整部材400Rと同様の構成である右調整部材410Rとが備えられる。
【0103】
第3の調整部420にも同様に、第1の調整部400の左調整部材400Lと同様の構成である左調整部材420Lと、第1の調整部400の右調整部材400Rと同様の構成である右調整部材420Rとが備えられる。
【0104】
本図では、第1の調整部400、第2の調整部410並びに第3の調整部420のいずれも無調整である。
【0105】
第1の調整部400が備えられる第1位置においては、ロッドレンズ40が若干左方向(-X方向)に位置している。このため、光源60から発せられた光は、一定の方向(+Z方向)に向かって進行しているが、ロッドレンズ40から出射された光は、右方向(+X方向)に傾斜して進行している。
【0106】
第2の調整部410が備えられる第2位置においては、ロッドレンズ40が若干左方向(-X方向)に位置している。このため、光源60から発せられた光は、一定の方向(+Z方向)に向かって進行しているが、ロッドレンズ40から出射された光は、右方向(+X方向)に傾斜して進行している。
【0107】
第3の調整部420が備えられる第3位置においては、ロッドレンズ40が若干右方向(+X方向)に位置している。このため、光源60から発せられた光は、一定の方向(+Z方向)に向かって進行しているが、ロッドレンズ40から出射された光は、左方向(-X方向)に傾斜して進行している。
【0108】
このような光の直進性の低下は、光源基板350へ光源60を実装する際のズレ、光源基板350を実装する際のズレ、各挟持部の厚さムラ、ロッドレンズ40の真円度のムラ等により発生する場合がある。これらの要因により、ロッドレンズ40に入射した光が本来集光したい方向へ集光されずに出射されてしまう。
【0109】
+X方向成分の光又は-X方向成分の光のいずれかに片寄ることがないように光の進直性を保つことが好ましい。つまり、図3に示すように+X方向成分の光と-X方向成分の光とを対照的に発せられるようにするのが好ましい。
【0110】
次に、図6は光の進行方向を調整した後の理想的な光の進行状態を示す図である。
【0111】
まず、図5にて示したように、第1の調整部400が備えられる第1位置において、ロッドレンズ40から出射される光が、右方向(+X方向)に傾斜して進行している場合には、第1位置において、調整者が第1の調整部400の左調整部材400Lを絞めることにより、ロッドレンズ40から出射される光の進行方向を調整可能である。
【0112】
第1の調整部400の左調整部材400Lを絞めると、左調整部材400Lが右方向(+X方向)へ移動する又は/及びロッドレンズ40が撓む。これにより、右方向(+X方向)に傾斜して進行していた光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されると、上述した通り、-X方向成分の光と+X方向成分の光は対照的に出射される。
【0113】
なお、左調整部材400Lを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が左方向(-X方向)に傾斜してしまった場合には、左調整部材400Lを緩めると左調整部材400Lが左方向(-X方向)へ移動するため、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。
【0114】
また、左調整部材400Lを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が左方向(-X方向)に傾斜してしまった場合には、ロッドレンズ40が破損等しない程度の負荷であれば、右調整部材400Rを絞めて右調整部材400Rを左方向(-X方向)へ移動させることにより、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することも可能である。
【0115】
次に、図5にて示したように、第2の調整部410が備えられる第2位置において、ロッドレンズ40から出射される光が、右方向(+X方向)に傾斜して進行している場合には、第2位置において、調整者が第2の調整部410の左調整部材410Lを絞めることにより、ロッドレンズ40から出射される光の進行方向を調整可能である。
【0116】
第2の調整部410の左調整部材410Lを絞めると、左調整部材410Lが右方向(+X方向)へ移動する又は/及びロッドレンズ40が撓む。これにより、右方向(+X方向)に傾斜して進行していた光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されると、上述した通り、-X方向成分の光と+X方向成分の光は対照的に出射される。
【0117】
なお、左調整部材410Lを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が左方向(-X方向)に傾斜してしまった場合には、左調整部材410Lを緩めると左調整部材410Lが左方向(-X方向)へ移動するため、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。
【0118】
また、左調整部材410Lを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が左方向(-X方向)に傾斜してしまった場合には、ロッドレンズ40が破損等しない程度の負荷であれば、右調整部材410Rを絞めて右調整部材410Rを左方向(-X方向)へ移動させることにより、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することも可能である。
【0119】
次に、図5にて示したように、第3の調整部420が備えられる第3位置において、ロッドレンズ40から出射される光が、左方向(-X方向)に傾斜して進行している場合には、第3位置において、調整者が第3の調整部420の右調整部材420Rを絞めることにより、ロッドレンズ40から出射される光の進行方向を調整可能である。
【0120】
第3の調整部420の右調整部材420Rを絞めると、右調整部材420Rが左方向(-X方向)へ移動する又は/及びロッドレンズ40が撓む。これにより、左方向(-X方向)に傾斜して進行していた光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されると、上述した通り、-X方向成分の光と+X方向成分の光は対照的に出射される。
【0121】
なお、右調整部材420Rを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が右方向(+X方向)に傾斜してしまった場合には、右調整部材420Rを緩めると右調整部材420Rが右方向(+X方向)へ移動するため、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるように調整することができる。
【0122】
また、右調整部材420Rを絞め過ぎて、ロッドレンズ40から出射される光が右方向(+X方向)に傾斜してしまった場合には、ロッドレンズ40が破損等しない程度の負荷であれば、左調整部材420Lを絞めて左調整部材420Lを右方向(+X方向)へ移動させることにより、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)になるように調整することも可能である。
【0123】
図7を用いて補足すると、図5に示す状態は、図7の左図の状態であり、ロッドレンズ40の実質の中心軸線L2′が、ロッドレンズ40の理想的な中心軸線L2と一致していない。これを調整部材(400L、400R、410L、410R、420L、420R等)を用いて、図7の右図の状態のように、実質の中心軸線L2′と理想的な中心軸線L2とが一致するように調整することで、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるようにすることができる。
【0124】
このように、第1位置、第2位置並びに第3位置において個別にロッドレンズ40の位置を調整することによりロッドレンズ40から出射される光の進行方向を調整できるようにすることで、ロッドレンズ40から出射される光の直進性を均一にすることできる。
【0125】
つまり、調整部材によりロッドレンズの位置を変更する又は/及び調整部材によりロッドレンズ40を積極的に撓ませて、理想の円柱形状に戻すようにすることで、ロッドレンズ40から出射される光の進行方向を調整できる。
【0126】
なお、調整可能な位置の数はこれに限られず、ロッドレンズ40の長さ等にあわせて適宜設定可能である。また、調整可能な位置の間隔は均等であってもよいし、不均等であってもよく、ロッドレンズ40の長さ等に合せて適宜設定可能である。
【0127】
図8は、調整部材によりロッドレンズ40を押圧する前のロッドレンズ40の理想的な中心軸線L2と実質の中心軸線L2´とのズレを示すロッドレンズ40の断面図である。
【0128】
ロッドレンズ40の第1の調整部400におけるX-X断面図(a)では、破線で示すロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´の位置が、実線で示すロッドレンズ40の理想的な中心軸線L2の位置から距離D1分、-X方向にズレが生じている。
【0129】
上述したように、第1の調整部400においては、左調整部材400L又は右調整部材400Rを用いて、ロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´を理想的な中心軸線L2に一致するようにすることで、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるようにすることができる。
【0130】
ロッドレンズ40の第2の調整部410におけるY-Y断面図(b)では、破線で示すロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´の位置が、実線で示すロッドレンズ40の理想的な中心軸線L2の位置から距離D2分、-X方向にズレが生じている。
【0131】
上述したように、第2の調整部410においては、左調整部材410L又は右調整部材410Rを用いて、ロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´を理想的な中心軸線L2に一致するようにすることで、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるようにすることができる。
【0132】
ロッドレンズ40の第3の調整部420におけるZ-Z断面図(c)では、破線で示すロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´の位置が、実線で示すロッドレンズ40の理想的な中心軸線L2の位置から距離D3分、+X方向にズレが生じている。
【0133】
上述したように、第3の調整部420においては、左調整部材420L又は右調整部材420Rを用いて、ロッドレンズ40の実質の中心軸線L2´を理想的な中心軸線L2に一致するようにすることで、光の進行方向が一定の方向(+Z方向)に向かって出射されるようにすることができる。
【0134】
<<<<本実施の形態の変形例>>>>
次に、図9を参照して、本実施の形態の変形例として、ロッドレンズ40の位置を斜め方向にも調整可能な構成について説明する。なお、変形例では、後述するように、左上調整部材500L、右上調整部材500R、左下調整部材600L並びに右下調整部材600Rを追加している点が、本実施の形態と相違する。このため、図9では、明瞭のため、図4と同様の部材について、符号を省略して示した部材も有る。
【0135】
本実施形態では、ロッドレンズ40の幅方向(±X方向)のズレを解消するために複数の調整部材(左調整部材400L、右調整部材400R、左調整部材410L、右調整部材410R、左調整部材420L、右調整部材420R)とを備える構成としたが、ロッドレンズ40の自重等により高さ方向(±Z方向)のズレも発生し得る。そこで、変形例として、高さ方向のズレも調整部材を用いて解消することができる構成を以下に説明する。
【0136】
なお、本実施形態の変形例においては、第1の挟持部360は、固定部361と、突出部363と、上押圧部364と、下押圧部365とで構成されており、固定部361は、第1の側面部32Lにボルトやネジ等の係止部材(図示せず)により取り付けられている。
【0137】
第2の挟持部370は、固定部371と、突出部373と、上押圧部374と、下押圧部375とで構成されており、固定部371は、第2の側面部32Rにボルトやネジ等の係止部材(図示せず)により取り付けられている。
【0138】
第3の挟持部380は、固定部381と、突出部383と、押圧部384とで構成されており、固定部381は、第1の側面部32Lにボルトやネジ等の係止部材(図示せず)により取り付けられている。
【0139】
第4の挟持部390は、固定部391と、突出部393と、押圧部394とで構成されており、固定部391は、第2の側面部32Rにボルトやネジ等の係止部材(図示せず)により取り付けられている。
【0140】
図9では、第1の調整部400において、斜め方向にロッドレンズ40を押圧可能な調整部材をさらに備えている。斜め方向に押圧可能な調整部材により高さ方向のズレを調整可能とする。
【0141】
具体的には、第1の調整部400において、左調整部材400Lと右調整部材400Rに加え、左上調整部材500L、右上調整部材500R、左下調整部材600L並びに右下調整部材600Rとを備えている。
【0142】
左上調整部材500Lと右下調整部材600Rは、左上調整部材500Lの中心線と右下調整部材600Rの中心線とが一致するように備えられる。また、右上調整部材500Rと左下調整部材600Lは、右上調整部材500Rの中心線と左下調整部材600Lの中心線とが一致するように備えられる。
【0143】
左上調整部材500Lは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第1の側面部32Lのネジ穴70の上側に設けられたネジ穴71から挿入される。左上調整部材500Lの先端は、第1の挟持部360の上押圧部364に接触するように取り付けられる。調整者が左上調整部材500Lを絞めると上押圧部364が押圧されてロッドレンズ40の位置が右下方向へ変更されるため、光軸を調整することができる。
【0144】
右上調整部材500Rは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第2の側面部32Rのネジ穴70の上側に設けられたネジ穴71から挿入される。右上調整部材500Rの先端は、第2の挟持部370の上押圧部374に接触するように取り付けられる。調整者が右上調整部材500Rを絞めると上押圧部374が押圧されてロッドレンズ40の位置が左下方向へ変更されるため、光軸を調整することができる。
【0145】
左下調整部材600Lは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第1の側面部32Lのネジ穴70の下側に設けられたネジ穴72から挿入される。左下調整部材600Lの先端は、第3の挟持部380の押圧部384に接触するように取り付けられる。調整者が左下調整部材600Lを絞めると押圧部384が押圧されてロッドレンズ40の位置が右上方向へ変更されるため、光軸を調整することができる。
【0146】
右下調整部材600Rは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第2の側面部32Rのネジ穴70の下側に設けられたネジ穴72から挿入される。右下調整部材600Rの先端は、第4の挟持部390の押圧部394に接触するように取り付けられる。調整者が右下調整部材600Rを絞めると押圧部394が押圧されてロッドレンズ40の位置が左上方向へ変更されるため、光軸を調整することができる。
【0147】
このように、調整部材を斜め方向にも備えることで、ロッドレンズ40の高さ方向のズレも調整することが可能となる。
【0148】
<<<<第2実施の形態>>>>
次に、図10を用いて第2実施の形態(第2実施形態)について説明する。本実施形態との相違点は主に、第1の挟持部及び第2の挟持部の構成である。
【0149】
<<第1の挟持部960、第2の挟持部970、第3の挟持部980、第4の挟持部990>>
第1の挟持部960は、左上側からロッドレンズ40を挟持し、第2の挟持部970は、右上側からロッドレンズ40を挟持し、第3の挟持部980は左下側からロッドレンズ40を挟持し、第4の挟持部990は、右下側からロッドレンズ40を挟持する。
【0150】
<第1の挟持部960>
第1の挟持部960は、固定部961と、延出部962と、突出部963と、上押圧部964と、下押圧部965とを備える。固定部961、延出部962、突出部963、上押圧部964並びに下押圧部965は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第1の挟持部960は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第1の挟持部960が取り付けられた状態について説明する。
【0151】
固定部961は、高さ方向に延在する。第1の挟持部960は、固定部961の+Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部963が+X方向に延在する。第1の挟持部960は、突出部963の+X方向の端部において略90度で屈曲し、延出部962が-Z方向に延在する。第1の挟持部960は、延出部962の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、上押圧部964が延在する。第1の挟持部960は、上押圧部964の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、下押圧部965が-Z方向に延在する。
【0152】
固定部961が第1の側面部32Lにボルトやネジ等の係止部材216により固定されるとともに、突出部963がディフューザレンズ50の下面と係合(当接)する。従って、第1の挟持部960は、第1の側面部32Lに取り付けられ、ディフューザレンズ50によって係止される。
【0153】
第1の挟持部960は、4つの屈曲部を有し、主に、4つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0154】
上押圧部964は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。下押圧部965も、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、上押圧部964及び下押圧部965は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0155】
<第2の挟持部970>
第2の挟持部970は、固定部971と、延出部972と、突出部973と、上押圧部974と、下押圧部975とを備える。固定部971、延出部972、突出部973、上押圧部974並びに下押圧部975は、長尺な形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第2の挟持部970は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第2の挟持部970が取り付けられた状態について説明する。
【0156】
固定部971は、高さ方向に延在する。第2の挟持部970は、固定部971の+Z方向の端部において略90度に屈曲し、突出部973が-X方向に延在する。第2の挟持部970は、突出部973の-X方向の端部において略90度で屈曲し、延出部972が-Z方向に延在する。第2の挟持部970は、延出部972の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、上押圧部974が延在する。第2の挟持部970は、上押圧部974の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、下押圧部975が延在する。
【0157】
固定部971が第2の側面部32Rにボルトやネジ等の係止部材216により固定されるとともに、突出部973がディフューザレンズ50の下面と係合(当接)する。従って、第2の挟持部970は、第2の側面部32Rに取り付けられ、ディフューザレンズ50によって係止される。
【0158】
第2の挟持部970は、4つの屈曲部を有し、主に、4つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0159】
上押圧部974は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。下押圧部975も、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触するようにロッドレンズ40を押圧する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、上押圧部974及び下押圧部975は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0160】
<第3の挟持部980>
第3の挟持部980は、固定部981と、突出部983と、押圧部984と、緩衝材910とを備える。固定部981、突出部983、押圧部984並びに緩衝材910は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第3の挟持部980は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第3の挟持部980が取り付けられた状態について説明する。
【0161】
固定部981は、高さ方向に延在する。固定部981の+Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部983が+X方向に延在する。第3の挟持部980は、突出部983の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、押圧部984が延在する。緩衝材910はロッドレンズ40の破損等を防止するために設けられ、押圧部984に備えられる。緩衝材910は、耐熱性がある、弾性変形できる、密着する、可撓性がある等の特性を持つ素材が好ましく、例えば、ポリエチレン、シリコン、ウレタン等であってよい。
【0162】
緩衝材910は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、押圧部984及び緩衝材910は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0163】
固定部981が第1の側面部32Lにボルトやネジ等の係止部材216により固定される。従って、第3の挟持部980は、第1の側面部32Lに取り付けられる。
【0164】
第3の挟持部980は、2つの屈曲部を有し、主に、2つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0165】
<第4の挟持部990>
第4の挟持部990は、固定部991と、突出部993と、押圧部994と、緩衝材910とを備える。固定部991、突出部993、押圧部994並びに緩衝材910は、長尺な板状の形状を有し、ロッドレンズ40の長手方向に沿って配置される。第4の挟持部990は、全体として長尺な形状を有する。以下では、第4の挟持部990が取り付けられた状態について説明する。
【0166】
固定部991は、高さ方向に延在する。固定部991の+Z方向の端部において略90度で屈曲し、突出部993が-X方向に延在する。第3の挟持部980は、突出部993の端部においてなす角が鈍角で屈曲し、押圧部994が延在する。押圧部994は、突出部993の先端から斜め下方へ延出している。緩衝材910はロッドレンズ40の破損等を防止するために設けられ、押圧部994に備えられる。
【0167】
緩衝材910は、ロッドレンズ40の外周と接点Pで接触する。接点Pは、ロッドレンズ40の長手方向に沿って存在し、押圧部994及び緩衝材910は、ロッドレンズ40の長手方向に亘って押圧する。
【0168】
固定部991が第2の側面部32Rにボルトやネジ等の係止部材216により固定される。従って、第4の挟持部990は、第2の側面部32Rに取り付けられる。
【0169】
第4の挟持部990は、2つの屈曲部を有し、主に、2つの屈曲部で弾性変形することによって、弾性的にロッドレンズ40を保持することができる。
【0170】
なお、第1の挟持部960及び第2の挟持部970においては、第1の挟持部960の上押圧部964及び第2の挟持部970の上押圧部974によりロッドレンズ40を保持する構成であれば、第1の挟持部960の下押圧部965及び第2の挟持部970の下押圧部975は常にロッドレンズ40に接触している必要はなく、後述する左調整部材400Lや後述する右調整部材400Rによる調整の際にロッドレンズ40に接触する構成であってもよい。
【0171】
また、第1の挟持部960並びに第2の挟持部970がアルミニウム等の光を反射する材質である場合、光源60から発せられロッドレンズ40から出射された光が第1の挟持部960の延出部962や第2の挟持部970の延出部972にて反射するため、光の照度を高く保つことができる。
【0172】
<第1の調整部400>
第1の調整部400には、左調整部材400Lと右調整部材400Rとが備えられる。
【0173】
左調整部材400Lは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第1の側面部32Lのネジ穴70に螺合される。左調整部材400Lの先端は、第1の挟持部960の下押圧部965に接触するように取り付けられる。調整者が左調整部材400Lを絞めると、左調整部材400Lは、ロッドレンズ40の直径方向に沿ってロッドレンズ40の中心に向かって進出し、下押圧部965が押圧される。押圧によって、ロッドレンズ40の位置が+X方向へ変更される又は及びロッドレンズ40が撓むため、光軸を変位させて光軸を調整することができる。
【0174】
右調整部材400Rは、ボルトやネジ(例えば、所謂イモネジ)などであり、第2の側面部32Rのネジ穴70に螺合される。右調整部材400Rの先端は、第2の挟持部970の下押圧部375に接触するように取り付けられる。調整者が右調整部材400Rを絞めると、右調整部材400Rは、ロッドレンズ40の直径方向に沿ってロッドレンズ40の中心に向かって進出し、下押圧部975が押圧される。押圧によって、ロッドレンズ40の位置が-X方向へ変更される又は及びロッドレンズ40が撓むため、光軸を変位させて光軸を調整することができる。
【0175】
なお、図示していないが、本実施形態と同様に第2実施形態においても、上述した第1の調整部400以外にも第2の調整部410及び第3の調整部420の2つの調整部が備えられている。また、調整部の数はこれに限られない。さらに、第2実施形態に、本実施形態の変形例に記載した調整部材(左上調整部材500L、右上調整部材500R、左下調整部材600L並びに右下調整部材600R)を用いてもよい。
【0176】
(変更例)
本実施形態、第2実施形態の構成に、光学系を構成するレンズとして、シリンドリカルレンズを追加してもよい。シリンドリカルレンズは、ディフューザレンズ50とカバー10との間に設ける構成とするのが好適である。これにより、ディフューザレンズ50により拡散された光を平行光に近づけた光に変換し、平行光に近づけた光を被照明体に向けて出射することができる。
【0177】
シリンドリカルレンズは、全体的に薄板状で長尺な形状を有する円柱形状の非球面レンズであってよい。シリンドリカルレンズは、ポリカーボネイトやアクリルなどの合成樹脂によって形成されている。また、ガラスなどで形成してもよい。
【0178】
本実施形態、第2実施形態では、ロッドレンズ40を調整部材により押圧することができる構成としたが、シリンドリカルレンズを設けた場合には、シリンドリカルレンズを調整部材により押圧することができる構成とし、光の進行方向を調整可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0179】
30 筐体
40 ロッドレンズ
50 ディフューザレンズ
60 光源
100 照明装置
350 光源基板
360 第1の挟持部
370 第2の挟持部
380 第3の挟持部
390 第4の挟持部
400L 左調整部材
400R 右調整部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10