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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】運動器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20221117BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A63B23/04 C
A61H1/02 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016200487
(22)【出願日】2016-10-12
(65)【公開番号】P2018061624
(43)【公開日】2018-04-19
【審査請求日】2019-09-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592231398
【氏名又は名称】株式会社ウェルファン
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝臣
【合議体】
【審判長】古屋野 浩志
【審判官】藤本 義仁
【審判官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-306631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の両足の足裏をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を有してなる運動器具であって、
前記一対の支持体を構成するための左右一対の支持基盤部と、支持基盤部に対し嵌脱可能な2以上の嵌合体を有し、各支持基盤部にそれぞれ嵌合体の下部両側に位置する外嵌部が外嵌して前記支持体が構成されてなり、
前記左右一対の支持基盤部は、上下動し得るように基体に対し支持されており、
前記嵌合体は足踏用部を1又は2以上備えており、支持基盤部に嵌合した状態の嵌合体の上側に位置する足踏用部が、支持体の足裏支持部を構成するものであり、その嵌合体は、前記支持基盤部に嵌合した状態の嵌合体の上側に位置する足踏用部の両側方に、それぞれ上向き突起の側方部突部を有し、
前記基体を水平面上に載置した状態において、左右一対の支持基盤部において嵌合体を上向きに支持する嵌合体支持部の前記水平面に対する左右方向傾斜角は、互いに同一又は異なるものであり、
前記各嵌合体における前記嵌合体支持部に上向きに支持される披支持部に対し前記足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角は互いに同一又は異なるものであり、
前記支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は、前記嵌合体支持部の左右方向傾斜角と、嵌合体における前記披支持部に対し前記足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角の組み合わせに対応するものであり、
左右の支持基盤部と、嵌合体の種類又は嵌合体の種類及び嵌合体における足裏支持部を構成する足踏用部の種類の組み合わせにより、前記各支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角を、使用者に適合するよう種々設定して使用することができることを特徴とする運動器具。
【請求項2】
上記嵌合体が、上記支持基盤部に嵌合した状態の嵌合体の上側に位置する足踏用部の前方及び後方にそれぞれ上向き突起の前方部突部及び後方部突部を有する請求項1記載の運動器具。
【請求項3】
上記嵌合体支持部の左右方向傾斜角が互いに異なり、左右対称状である請求項1又は2記載の運動器具。
【請求項4】
上記嵌合体と上記支持基盤部が、支持基盤部に対し嵌合体を前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ請求項1乃至3の何れか1項に記載の運動器具。
【請求項5】
上記2つの嵌合体同士が、披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が同一である披支持部及び足踏用部を有し、且つ、前記何れの嵌合体も、上記支持基盤部に対し前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部に対し同じ足踏用部がなす左右方向傾斜角が左右対称状となる請求項1乃至4の何れか1項に記載の運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の両足の足裏をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を有してなる運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平7-289660号公報には、フレームに一対のペダルレバーを上下揺動自在且つ平行に枢着し、前記フレームと一対のペダルレバーの夫々に筒形ダンパーを介装するとともに、前記一対のペダルレバーをロープにて連結し、前記フレームに設けた滑車に前記ロープの中間部位を巻回してペダルレバーの同期連動機構を形成したステップ形運動機に於て、前記一対のペダルレバーは、その前後中間部位を夫々フレームに枢着し、前記筒形ダンパーの一端部を前記フレームに枢着し、前記筒形ダンパーの他端部と前記ロープの端子リングと前記ペダルレバーの前端部位とを連結軸にて同軸に枢着したことを特徴とするステップ形運動機が開示されている。
【0003】
しかしながら、これを何らかのリハビリ等に使用する場合、使用者の特性に応じて左右方向傾斜角を種々設定する必要性が生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-289660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用者の両足の足裏をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を用いた運動を、各支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角を使用者に適合するよう種々設定して使用することができる運動器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 使用者の両足の足裏をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を有してなる運動器具であって、
前記一対の支持体を構成するための左右一対の支持基盤部と、支持基盤部に対し嵌脱可能な2以上の嵌合体を有し、各支持基盤部にそれぞれ嵌合体が嵌合して前記支持体が構成されてなり、
前記左右一対の支持基盤部は、上下動し得るように基体に対し支持されており、
前記嵌合体は足踏用部を1又は2以上備えており、支持基盤部に嵌合した状態の嵌合体の上側に位置する足踏用部が、支持体の足裏支持部を構成するものであり、
左右一対の支持基盤部において嵌合体を上向きに支持する嵌合体支持部の左右方向傾斜角は、互いに同一又は異なるものであり、
前記各嵌合体における前記嵌合体支持部に上向きに支持される披支持部に対し前記足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角は互いに同一又は異なるものであり、
前記支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は、前記嵌合体支持部の左右方向傾斜角と、嵌合体における前記披支持部に対し前記足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角の組み合わせに対応するものであり、
左右の支持基盤部と、嵌合体の種類又は嵌合体の種類及び嵌合体における足裏支持部を構成する足踏用部の種類の組み合わせにより、前記各支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角を、使用者に適合するよう種々設定して使用することができることを特徴とする運動器具。
【0007】
(2) 上記嵌合体支持部の左右方向傾斜角が互いに異なり、左右対称状である上記(1)記載の運動器具。
【0008】
(3) 上記嵌合体と上記支持基盤部が、支持基盤部に対し嵌合体を前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部に対し同じ足踏用部がなす左右方向傾斜角が左右対称状となる上記(1)又は(2)記載の運動器具。
【0009】
(4) 上記2つの嵌合体同士が、披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が同一である披支持部及び足踏用部を有し、且つ、前記何れの嵌合体も、上記支持基盤部に対し前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部に対し同じ足踏用部がなす左右方向傾斜角が左右対称状となる上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の運動器具。
【発明の効果】
【0010】
本発明の運動器具によれば、使用者の両足の足裏をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を用いた運動を、左右の支持基盤部と、嵌合体の種類又は嵌合体の種類及び嵌合体における足裏支持部を構成する足踏用部の種類の組み合わせにより、前記各支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角を、使用者に適合するよう種々設定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】運動器具の前方斜視図である。
図2】運動器具の後方斜視図である。
図3】左側の嵌合体を取り外した運動器具の後方斜視図である。
図4】嵌合体の平面図である。
図5】嵌合体の左側面図である。
図6】嵌合体の横断面図である。
図7】運動器具の左側面図である。-
図8】左右支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角が何れも0度である図7におけるA-A拡大断面図である。
図9】左右支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角が170度と10度である図7におけるA-A拡大断面図である。
図10】左右支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角が0度と10度である図7におけるA-A拡大断面図である。
図11】左右支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角が170度と0度である図7におけるA-A拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1] 本発明の実施の形態
【0013】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図面は何れも本発明の運動器具の実施の形態の一例についてのものである。
【0015】
本発明の運動器具は、使用者の両足の足裏(履物又は靴下を履いている場合は履物又は靴下裏)をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体Tを有してなるものである。
【0016】
(1) 本発明の運動器具は、使用者が使用中又は乗り降りの際にバランスを崩すことを防ぐ上で、フレーム状の基体Bの前方部中央に立設された支柱Hにより支持された把手部Haを有する。把手部Haの高さは、締め付けネジHbを緩めて調節することができる。
【0017】
把手部Haは、円柱状外形の上下の両左右水平部Ha1・Ha3及び左右の両略上下方向部Ha2を有し、上左右水平部Ha1及び支柱Hよりも下左右水平部Ha3が正面後方側(使用者側)に位置し、左右の両略上下方向部Ha2は下方に向かって正面後方側に傾斜している。
【0018】
(2) 本発明の運動器具は、一対の支持体Tを構成するための左右一対の支持基盤部Tbと、支持基盤部Tbに対し嵌脱可能な2つの同一の嵌合体Taを有する。支持体Tは、各支持基盤部Tbに嵌合体Taの下部両側に位置する外嵌部Ta2が外嵌して構成されている。
【0019】
(3) 左右一対の支持基盤部Tbが、基体Bの前方部に設けられた左右水平方向の回動軸Sの回りに上下回動し得るように支持されることにより、左右一対の支持体Tが上下動し得る。
【0020】
(3-1) 支持基盤部Tbは、嵌合体Taが嵌合して使用者を足裏において上向きに安定的に支持し得る中空板状体である。
【0021】
左右一対の支持基盤部Tbにおいて嵌合体Taを上向きに支持する嵌合体支持部Tb1の左右方向傾斜角は、左が175度、右が5度で左右対称状である。
【0022】
(3-2) 左右一対の支持基盤部Tbには、使用者が支持体Tを踏み下ろす運動に対し適当な負荷を加えるための負荷と、支持体Tを最上位置へ復元させるための復元力発生を行う負荷・復元力発生部として、軸方向において伸縮し得、伸縮させる外力対し抵抗力(伸縮速度に対し比例的に抵抗力)を生じ、短縮状態においては自己伸張力を発生する伸縮ダンパDがそれぞれ設けられている。
【0023】
(4) 嵌合体Taは、支持基盤部Tbに対し前後方向に嵌脱可能なものである。
【0024】
(4-1) 各嵌合体Taは、足踏用部Ta1を1つ備えており、支持基盤部Tbに嵌合した状態の嵌合体Taの上側に位置する足踏用部Ta1が、支持体Tの足裏支持部Ta1を構成する。
【0025】
(4-2) 各嵌合体Taにおける、嵌合体支持部Tb1に上向きに支持される披支持部Ta3に対し足裏支持部Ta1を構成する足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角は5度である。
【0026】
(4-3) 各嵌合体Taは、同一の支持基盤部Tbに対し前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部Ta3に対し同じ足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角が異なるものとなる。
【0027】
(4-4) 支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は、前述の支持基盤部Tbにおける嵌合体支持部Tb1の左右方向傾斜角と、嵌合体Taにおける披支持部Ta3に対し足裏支持部Ta1を構成する足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角の組み合わせに対応する。
【0028】
図8の例では、左の嵌合体Ta(左の支持基盤部Tbに嵌合)の披支持部Ta3に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角が5度で右の嵌合体Ta(右の支持基盤部Tbに嵌合)の披支持部Ta3に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角が175度で、左右の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は何れも0度である。
【0029】
図9の例では、図8の例から左右の嵌合体Taを入れ替えるか、又は各嵌合体Taの前後方向の向きを変更することにより、左の嵌合体Taの披支持部Ta3に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角が175度で右の嵌合体Taの支持部に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角が5度となり、左の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は170度、右の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は10度となる。
【0030】
図10の例では、図8の例における右の嵌合体Taの前後方向の向きを変更することにより、左の嵌合体Taの披支持部Ta3に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角は5度で右の嵌合体Taの支持部に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角は5度となり、左の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は0度、右の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は10度となる。
【0031】
図11の例では、図8の例における左の嵌合体Taの前後方向の向きを変更することにより、左の嵌合体Taの披支持部Ta3に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角は175度で右の嵌合体Taの支持部に対し足踏用部Ta1がなす左右方向傾斜角は175度となり、左の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は170度、右の支持体Tの足裏支持部Ta1の左右方向傾斜角は0度となる。
【0032】
(5) 支持基盤部Tbに対し嵌合体Taが嵌合して支持体Tを構成した状態を維持するために、支持基盤部Tbに対し嵌合体Taが嵌合した状態で両者を実質的に固定し得る解除可能な固定機構として、支持基盤部Tbにおける左側部の前端部に近い所定位置の上寄り部と、その前後方向位置における右側部の下寄り部に、それぞれ弾性的に外方に突起する突起部Vが設けられ、支持基盤部Tbに対し嵌合体Taを前後方向の何れかの向きに嵌合させた場合における嵌合体Taの外嵌部Ta2の対応位置に、それぞれの突起部Vが嵌合し得る対応する嵌合部U1が設けられると共に、支持基盤部Tbに対し嵌合体Taを前後方向の逆向きに嵌合させた場合における外嵌部Ta2の対応位置にも、対応する嵌合部U2が設けられている。
【0033】
支持基盤部Tbに対し嵌合体Taが何れの前後方向の向きに嵌合しても嵌合部U1・U2に突起部Vが解除可能に弾性的に嵌合して実質上支持基盤部Tbに対する嵌合体Taの嵌合状態を維持し得、而も、支持基盤部Tbにおける突起部Vおよび嵌合体Taの外嵌部Ta2における嵌合部U1・U2を設ける上下方向位置が左側部と右側部で異なるため、支持基盤部Tbに対し嵌合体Taが何れの前後方向の向きに嵌合しても、必要位置以外で突起部Vが嵌合部U1又は嵌合部U2に嵌合する不都合が生じることが回避される。
【0034】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0035】
本発明の運動器具は、使用者の両足の足裏(履物又は靴下を履いている場合は履物又は靴下裏)をそれぞれ上向きに支持した状態で上下動し得る左右一対の支持体を有してなるものである。
【0036】
(1) 本発明の運動器具は、使用者が使用中又は乗り降りの際にバランスを崩すことを防ぐ上で、支柱や柵やフレーム等の支持構造部により支持された又はそれらの一部である把手部や手すり部やつかまり部等の把持部を設けることが好ましい。またこれらは高さを調節できることが望ましい。
【0037】
例えば、支柱等により上方に支持された把手部を、円柱状又はその他の柱状外形の上下の両左右水平部及び左右の両略上下方向部を有し、上左右水平部よりも下左右水平部が正面後方側(使用者側)に位置し、左右の両略上下方向部は下方に向かって正面後方側に傾斜しているものとして、使用者が乗り降りする際や使用して運動している間に把持し易くすることができる。また左右の両略上下方向部は、前記支柱等よりも前方に向かって傾斜しているものとすることができる。
【0038】
また例えば、正面前方の両側に支柱が設けられた門形フレームの上部が正面後方側に傾斜して上部の左右水平部が正面後方側(使用者側)に位置するものを把手部として設けることができる。
【0039】
(2) 本発明の運動器具は、一対の支持体を構成するための左右一対の支持基盤部と、支持基盤部に対し嵌脱可能な2以上の嵌合体を有する。支持体は、各支持基盤部に嵌合体が嵌合して構成されている。
【0040】
(3) 左右一対の支持基盤部が、上下動し得るように基体に対し支持されることにより、左右一対の支持体が上下動し得るよう構成されている。
【0041】
(3-1) 基体は、例えば、床面等に載置されて支持基盤部や支持構造部等を安定的に支持し得るフレームとすることができるが、これに限るものではない。
【0042】
支持基盤部は、嵌合体が嵌合して使用者を足裏において上向きに安定的に支持し得るような例えば板状体又は枠状体等とすることができるが、これに限るものではない。
【0043】
左右一対の支持基盤部において嵌合体を上向きに支持する嵌合体支持部の左右方向傾斜角(基本的には基体を水平面上に載置した状態における支持基盤部の前後方向[使用者が正面に向き合って支持体に足を載せる場合の足の前後方向]の軸線の回りの傾斜角)は、互いに同一又は異なるものである。
【0044】
正面から見て、水平状態が傾斜角0度、左への傾斜がプラスの傾斜角、Aを正の数(好ましくは45以下或いは30又は20以下の正の数)とした場合、左右一対の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角は、例えば、何れも0度(水平状態)とすることや、左右対称状、すなわち、左の支持基盤部は(180-A)度で右の支持基盤部はA度とすることや、左の支持基盤部はA度で右の支持基盤部は(180-A)度とすることができるが、必ずしもこれらに限るものではない。
【0045】
(3-2) 左右一対の支持基盤部は、例えば、交互に上下動可能に連動するように又は互いに独立に上下動し得るように基体に対し支持されているものとすることができる。
【0046】
左右一対の支持基盤部の連動は、例えば、前方に設けた左右水平方向又はほぼ左右水平方向の回動軸を中心として前方に延びる左右両支持基盤部が上下揺動し得、ワイヤーロープ等の可撓性条体と必要な滑車や歯車等を用いて両支持基盤部の一方と他方が対称的に動くように(一方の上下動に対し他方の下上動)を連繋させることにより、或いは、前後方向の水平又はほぼ水平の回動軸を中心として揺動し得る揺動部に支持基盤部が支持されたものとすることにより実現し得る。
【0047】
左右一対の支持基盤部が連動する場合もしない場合も、使用者が支持体を踏み下ろす運動に対し適当な負荷を加えるための負荷発生部、支持体を最上位置へ復元させるための復元力発生部、又は両者を兼ねた負荷・復元力発生部を、必要に応じ、支持基盤部に対し作用するように設けることができる。このような負荷・復元力発生部の例としては、軸方向において伸縮し得、伸縮させる外力対し抵抗力(伸縮速度に対し比例的に抵抗力が好ましい)を生じ、短縮状態においては自己伸張力を発生する伸縮ダンパを挙げることができるが、これに限るものではない。
【0048】
(4) 嵌合体は、支持基盤部に対し嵌脱可能なものである。
【0049】
(4-1) 支持基盤部に対する嵌合体の嵌合は、前後方向の他、例えば、上下方向又は左右方向に行うものとすることもできる。
【0050】
(4-2) 各嵌合体は、足踏用部を1又は2以上備えており、支持基盤部に嵌合した状態の嵌合体の上側に位置する足踏用部が、支持体の足裏支持部を構成する。
【0051】
(4-3) 嵌合体は2個有するものでもよく、3以上有するものとすることもできるが、一般には、同じ嵌合体を2を超えて有していても左右の支持体の足裏支持部について左右方向傾斜角の種類を増やすことはできないので、同じ嵌合体を3以上含まないものとすることができる。
【0052】
何れか2以上の嵌合体は、左右何れの支持基盤部に対しても嵌脱可能なものとすることができる。
【0053】
(4-4) 各嵌合体における、嵌合体支持部に上向きに支持される披支持部に対し足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角は、互いに同一又は異なるものである。
【0054】
(4-5) 嵌合体が足踏用部を2以上備える場合、足裏支持部を構成する足踏用部を何れか選択して支持基盤部に対し上側になるように支持基盤部に対し嵌合体を嵌合させる。
【0055】
何れかの足踏用部に対応する披支持部に対しその足踏用部がなす左右方向傾斜角と、その嵌合体における他の足踏用部に対応する披支持部に対しその足踏用部がなす左右方向傾斜角は、異なるものとすることができる。
【0056】
(4-6) 各嵌合体は、同一の支持基盤部に対し前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部に対し同じ足踏用部がなす左右方向傾斜角が異なるものとすることができる。
【0057】
嵌合体の前後方向の向きが一方の向きである場合に披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がB度(Bは、90[好ましくは例えば60又は45若しくは30]未満の正の数)であれば、他方の向きにおいては、同一の披支持部に対し同一の足踏用部がなす左右方向傾斜角は(180-B)度となる。
【0058】
嵌合体が、披支持部に対してなす左右方向傾斜角が互いに異なる足踏用部を2以上有し、且つ、同一の支持基盤部に対し前後方向が正逆何れの向きにも嵌合させることができ、その向きに応じて、披支持部に対し同じ足踏用部がなす左右方向傾斜角が異なるものとすることができるものとすれば、披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角の種類を更に増やすことができる。
【0059】
(4-7) 支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は、前述の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角と、嵌合体における披支持部に対し足裏支持部を構成する足踏用部がなす左右方向傾斜角の組み合わせに対応する。
【0060】
左右の支持基盤部と、嵌合体の種類又は嵌合体の種類及び嵌合体における足裏支持部を構成する足踏用部の種類の組み合わせにより、各支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角を、使用者に適合するよう種々設定して使用することができる。例えば、次のような例が挙げられる(Cは20未満の正の数である)。
【0061】
(a) 左の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角が(180-C)度で右の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角がC度である場合、
・左の嵌合体(左の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度で右の嵌合体(右の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度であれば、左右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は何れも0度であり、
・左右の嵌合体を入れ替えるか、又は各嵌合体の前後方向の向きを変更した場合、左の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度で右の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度となり、左の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は(180-2C)度、右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は2C度となる。
【0062】
(b) 左の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角がC度で右の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角が(180-C)度である場合、
・左の嵌合体(左の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度で右の嵌合体(右の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度であれば、左の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は2C度、右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は(180-2C)度であり、
・左右の嵌合体を入れ替えるか、又は各嵌合体の前後方向の向きを変更した場合、左の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度で右の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度となり、左右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は何れも0度となる。
【0063】
(c) 左右の支持基盤部における嵌合体支持部の左右方向傾斜角が何れも0度である場合、
・左の嵌合体(左の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度で右の嵌合体(右の支持基盤部に嵌合)の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度であれば、左の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角はC度、右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は(180-C)度
であり、
・左右の嵌合体を入れ替えるか、又は各嵌合体の前後方向の向きを変更した場合、左の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角が(180-C)度で右の嵌合体の披支持部に対し足踏用部がなす左右方向傾斜角がC度となり、左の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は(180-C)度、右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角はC度となる。
【0064】
以上の例では、左右の支持体の足裏支持部の左右方向傾斜角は対称状であるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0065】
(5) 支持基盤部に対し嵌合体が嵌合して支持体を構成した状態を維持するために、支持基盤部に対し嵌合体が嵌合した状態で両者を実質的に固定し得る解除可能な固定機構を設けることが好ましい。
【0066】
このような固定機構の例としては、支持基盤部と嵌合体の一方又は両方に設けた、弾性的に突出する突起部と、その突起部が嵌合し得るように他方に設けた孔状又は凹状の嵌合部からなるものとすることができる。
【0067】
支持基盤部の上側に足踏用部が位置するように嵌合体の一部が前後方向に嵌合(例えば、支持基盤部の横断面の外形が前後方向に一定であり、嵌合体の下側部が支持基盤部の横断面の全周又は横断面の下部の両端部以外の部分を除く外周[上部、両側部及び下部の両端部を含む部分]に外嵌)して支持体を構成するものであって、嵌合体の前後方向の向きが何れであっても支持基盤部に嵌合して支持体を構成するものである場合、例えば、
・支持基盤部における前後方向中央以外の左側部の所定位置と、前後方向中央以外の右側部の何れかの位置であって左側部の所定位置とは上下方向に異なる位置に、前記突起部または嵌合部を設け、支持基盤部に対し嵌合体を前後方向の何れかの向きに嵌合させた場合における嵌合部の対応位置に、対応する嵌合部又は突起部を設けると共に、支持基盤部に対し嵌合体を前後方向の逆向きに嵌合させた場合における嵌合部の対応位置にも、対応する嵌合部又は突起部を設けて、支持基盤部に対し嵌合体が何れの前後方向の向きに嵌合しても嵌合部に突起部が解除可能に弾性的に嵌合して実質上支持基盤部に対する嵌合体の嵌合状態を維持し得、而も、支持基盤部における突起部または嵌合部を設ける上下方向位置が左側部と右側部で異なるため、支持基盤部に対し嵌合体が何れの前後方向の向きに嵌合しても、必要位置以外で突起部が嵌合部に嵌合する不都合が生じることが回避されるもの
とするか、或いは、
・支持基盤部における前後方向中央の左右側部の上下方向同一位置に前記突起部又は嵌合部を設け、嵌合体における対応位置に対応する嵌合部又は突起部を設けて、支持基盤部に対し嵌合体が何れの前後方向の向きに嵌合しても同じ位置に嵌合部に突起部が解除可能に弾性的に嵌合して実質上支持基盤部に対する嵌合体の嵌合状態を維持し得るもの
とすることができる。
【符号の説明】
【0068】
B 基体
D 伸縮ダンパ
H 支柱
Ha 把手部
Ha1 上左右水平部
Ha2 略上下方向部
Ha3 下左右水平部
Hb 締め付けネジ
S 回動軸
T 支持体
Ta 嵌合体
Ta1 足踏用部
Ta2 外嵌部
Ta3 披支持部
Tb 支持基盤部
Tb1 嵌合体支持部
U1 嵌合部
U2 嵌合部
V 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
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図11