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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】造血系前駆細胞賦活剤及びその関連技術
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/02 20060101AFI20221117BHJP
   A61K 36/05 20060101ALI20221117BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221117BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61K38/02
A61K36/05
A61P43/00 107
A61P7/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018098349
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019202953
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504136144
【氏名又は名称】伊藤 浩子
(73)【特許権者】
【識別番号】596120326
【氏名又は名称】株式会社サン・クロレラ
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 均
(72)【発明者】
【氏名】藤島 雅基
(72)【発明者】
【氏名】奥村 衣梨
【審査官】池上 文緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-078160(JP,A)
【文献】特開2017-052912(JP,A)
【文献】医学と生物学 (2012) vol.156, no.10, p.696-702
【文献】日本水産学会誌 (2015) vol.81, no.2, p.267-273
【文献】日本薬学会第115年会講演要旨集 (1995) p.102(13-172)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/02
A61K 36/05
A61P 43/00
A61P 7/06
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血系前駆細胞賦活剤。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【請求項2】
上記ペプチドヘテログリカンがクロレラ・ピレノイドサ由来である請求項記載の造血系前駆細胞賦活剤。
【請求項3】
上記造血系前駆細胞が、赤芽球系前駆細胞、エリスロポエチン依存性単球系前駆細胞、及び、好中球-顆粒球系前駆細胞である請求項1又は2記載の造血系前駆細胞賦活剤。
【請求項4】
下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血障害回復剤。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【請求項5】
上記ペプチドヘテログリカンがクロレラ・ピレノイドサ由来である請求項記載の造血障害回復剤。
【請求項6】
上記造血障害回復が、末梢血中の赤血球、血小板、白血球、顆粒球、リンパ球及び単球の数の増大、脾臓重量の増加、脾臓造血巣の回復、胸腺重量の増加、並びに、胸腺リンパ球数の回復に表れるものである請求項4又は5記載の造血障害回復剤。
【請求項7】
上記造血障害が放射線照射によるものである請求項4乃至6の何れか1項に記載の造血障害回復剤。
【請求項8】
クロレラ・ピレノイドサの細胞壁破砕物を熱水抽出し、
得られた抽出液から、分子量10,000以下の低分子物質が除去された液を得、
この液に無水エタノールを加えてその沈殿物として粗多糖を得、
得られた粗多糖を水に溶解させ、イオン交換クロマトグラフィー及び必要な勾配溶離に供して分画し、
得られた画分の一つを精製することにより、下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血系前駆細胞賦活剤を製造する方法。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【請求項9】
上記造血系前駆細胞が、赤芽球系前駆細胞、エリスロポエチン依存性単球系前駆細胞、及び、好中球-顆粒球系前駆細胞である請求項8記載の方法。
【請求項10】
クロレラ・ピレノイドサの細胞壁破砕物を熱水抽出し、
得られた抽出液から、分子量10,000以下の低分子物質が除去された液を得、
この液に無水エタノールを加えてその沈殿物として粗多糖を得、
得られた粗多糖を水に溶解させ、イオン交換クロマトグラフィー及び必要な勾配溶離に供して分画し、
得られた画分の一つを精製することにより、下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血障害回復剤を製造する方法。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【請求項11】
上記造血障害回復が、末梢血中の赤血球、血小板、白血球、顆粒球、リンパ球及び単球の数の増大、脾臓重量の増加、脾臓造血巣の回復、胸腺重量の増加、並びに、胸腺リンパ球数の回復に表れるものである請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造血系前駆細胞賦活剤及び放射線等による造血障害の回復に有用な造血障害回復剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医学と生物学,2012年,Vol.156 No.10,pp.696-702には、5グレイのX線が全身照射されたマウスにクロレラ粉末を投与したところ、血小板、白血球、顆粒球、前期赤芽球系前駆細胞(BFUE)、顆粒球マクロファージコロニー形成細胞(CFU-GM)を生理食塩液投与対照群に比べて統計学的有意を持ち増加させたが、赤血球、リンパ球、単球、エリスロポエチン依存性後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)の増減は有意(P < 0.05)な変動ではなかったことが示されている。
【0003】
特開2015-78160号公報には、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体の細胞壁破砕物と菌糸体抽出物との混合物とクロレラの細胞壁破砕物の熱水抽出物を含有する放射線造血障害回復剤が開示されている。
【0004】
しかしながら、クロレラから得ることができる造血系前駆細胞の賦活や放射線等による造血障害の回復に有用な物質は特定に至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】医学と生物学,2012年,Vol.156 No.10,pp.696-702
【文献】特開2015-78160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、クロレラから得ることができる造血系前駆細胞の賦活や放射線等による造血障害の回復に有用な物質を有効成分とする造血系前駆細胞賦活剤及び放射線等による造血障害の回復に有用な造血障害回復剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の造血系前駆細胞賦活剤及び造血障害回復剤は、次のように表すことができる。
【0008】
(1) 下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血系前駆細胞賦活剤。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【0009】
(2) 上記造血系前駆細胞が、赤芽球系前駆細胞、エリスロポエチン依存性単球系前駆細胞、及び、好中球-顆粒球系前駆細胞である上記(1)記載の造血系前駆細胞賦活剤。
【0010】
(3) 上記ペプチドヘテログリカンがクロレラ・ピレノイドサの細胞壁破砕物の熱水抽出液由来である上記(1)又は(2)記載の造血系前駆細胞賦活剤。
【0011】
(4) 下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる造血障害回復剤。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【0012】
(5) 上記造血障害回復が、末梢血中の赤血球、血小板、白血球、顆粒球、リンパ球及び単球の数の増大、脾臓重量の増加、脾臓造血巣の回復、胸腺重量の増加、並びに、胸腺リンパ球数の回復に表れるものである上記(4)記載の造血障害回復剤。
【0013】
(6) 上記造血障害が放射線照射によるものである上記(4)又は(5)記載の造血障害回復剤。
【0014】
(7) 上記ペプチドヘテログリカンがクロレラ・ピレノイドサの細胞壁破砕物の熱水抽出液由来である上記(4)乃至(6)の何れか1項に記載の造血障害回復剤。
【発明の効果】
【0015】
本発明の造血系前駆細胞賦活剤及び造血障害回復剤は、それぞれ、造血系前駆細胞の賦活及び放射線等による造血障害の回復に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】5.0Gy全身照射群の胸腺の組織切片(ヘマトキシリン・エオシン染色)の顕微鏡写真である。
図2】5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群の胸腺の組織切片(ヘマトキシリン・エオシン染色)の顕微鏡写真である。
図3】5.0Gy全身照射群の脾臓の組織切片(ヘマトキシリン・エオシン染色)の顕微鏡写真である。
図4】5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群の脾臓の組織切片(ヘマトキシリン・エオシン染色)の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1) 本発明の造血系前駆細胞賦活剤及び造血障害回復剤は、下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカンからなる
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【0018】
(2) 本発明における上記ペプチドヘテログリカンは、例えば次のように製造することができる。
【0019】
クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidosa)の細胞壁破砕物(例えば、細胞壁破砕物を真空乾燥した後、粉砕した物)を、熱水抽出(例えば95-100℃の熱水による抽出。抽出時間は例えば2時間であるがこれに限らない。)し、抽出液を、例えば抽出後静置して上澄として、得る。
【0020】
得られた抽出液(好ましくは遠心分離による上澄液)から分子量10,000以下の低分子物質を、例えば透析濾過又は限外濾過により、除去し、分子量10,000以下の低分子物質が除去された液を得る。
【0021】
この液に(例えば3倍体積量の)無水エタノールを加え、その沈殿物(例えば遠心分離を行った沈殿物)として粗多糖(FA)を得る。この粗多糖(FA)は、前記沈殿物を無水エタノールで洗浄し、次いで無水エーテルで洗浄し、乾燥(好ましくは真空乾燥)させたものであることが好ましい。
【0022】
得られた粗多糖(FA)を水に溶解させ、イオン交換クロマトグラフィー[例えば、和光純薬工業社製のDEAE-Cellulose(Cl)を使用]及び必要な勾配溶離[例えば、(gradient elution with 0→1.0M NaCl)]に供して分画し、画分(FA-1)を得る。
【0023】
FA-1をゲル濾過法に供して精製することによって、すなわち、例えば和光純薬工業社製のSephadex G-50等を使用したゲル濾過法及び必要な勾配溶離[例えば(gradient elution with 0→2.0M NaCl)]により精製することによって、FA-1a、すなわち本発明のペプチドヘテログリカンを得ることができる。
【0024】
(3) 本発明におけるペプチドヘテログリカンの製造に用い得るクロレラ・ピレノイドサの細胞壁破砕物は、例えば次のようにして得ることができる。すなわち、先ずクロレラ濃度10重量%から25重量%のクロレラ粉体・水懸濁液を10℃以下に調整する。次にこの懸濁液を、下記のような連続湿式微粉砕機に送入し、破砕直後のスラリーが40℃以下になるよう微粉砕する。次いで、このようにして得られたクロレラスラリーを、直ちに10℃以下に冷却することにより、細胞壁が破砕されたクロレラを、品質劣化を生じさせることなく得ることができる。
【0025】
上記連続湿式微粉砕機は、冷却外套を持つ密閉シリンダー中に多数の直径0.5mmから1.5mmのグラスビーズが封入されたものである。そのグラスビーズ容量は密閉シリンダー容量の80%から85%であり、グラスビーズを流入液体と混和・回転することにより、流入液体中の物質を摩砕するものである。
【0026】
このようにして細胞壁が破砕されたクロレラは、そのまま用いることもできるが、例えば、真空乾燥後粉砕を行う等の適宜の処理を施した後に使用してもよい。
【0027】
(4) 本発明の造血系前駆細胞賦活剤及び造血障害回復剤は、例えば経口投与や腹腔内投与により適用することができるが、投与方法は必ずしもこれらに限らない。投与の形態に特に限定はないが、例えば、粉末、錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、水に溶解した液剤若しくはその他の液剤とすることができる。
【0028】
また種々の形態を形成する上で、各種賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、可塑剤等を適宜用いることができる。
【0029】
賦形剤の例としては、糖類(乳糖,白糖,ブドウ糖,マンニトール),デンプン(バレイショ,コムギ,トウモロコシ),無機物(炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,塩化ナトリウム),結晶セルロース,植物末(カンゾウ末,ゲンチアナ末)等を挙げることができる。
【0030】
結合剤の例としては、デンプンのり液,アラビアゴム,ゼラチン,アルギン酸ナトリウム,メチルセルロース(MC),エチルセルロース(EC),ポリビニルピロリドン(PVP),ポリビニルアルコール(PVA),ヒドロキシプロピルセルロース(HPC),カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
【0031】
崩壊剤の例としては、デンプン,寒天,ゼラチン末,結晶セルロース,CMC・Na,CMC・Ca,炭酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0032】
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム,タルク,水素添加植物油,マクロゴール,シリコーン油等を挙げることができる。
【0033】
コーティング剤の例としては、糖衣(白糖,HPC,セラック),膠衣(ゼラチン,グリセリン,ソルビトール),フィルムコーティング〔ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC),EC,HPC,PVP〕,腸溶性コーティング〔ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP),セルロースアセテートフタレート(CAP)〕等を挙げることができる。
【0034】
着色剤の例としては、水溶性食用色素,レーキ色素)等を挙げることができる。矯味剤の例としては、乳糖,白糖,ブドウ糖,マンニトール)等を挙げることができる。矯臭剤の例としては、芳香性精油類),光線遮断剤(酸化チタン)等を挙げることができる。可塑剤の例としては、フタル酸エステル類,植物油,ポリエチレングリコール)等を挙げることができる。
【0035】
なお、本発明の放射線造血障害回復剤のヒトに対する投与量は、1日当り例えば0.83mg/kg程度とすることができる。
【実施例
【0036】
本発明におけるペプチドヘテログリカンによる造血系前駆細胞賦活効果及び放射線造血障害回復効果についての試験を行った。
【0037】
1.被験物質
【0038】
(1) 冷却外套を持つ密閉シリンダー中にその密閉シリンダー容量の80%から85%の容量の多数の直径0.5mmから1.5mmのグラスビーズが封入されており、そのグラスビーズを流入液体と混和・回転することにより流入液体中の物質を摩砕する連続湿式微粉砕機(商品名:ダイノーミル[KD型]WAB, Inc.製)に、10℃以下に調整されたクロレラ・ピレノイドサ濃度10重量%から25重量%のクロレラ・ピレノイドサ粉体・水懸濁液を送入して、破砕直後のスラリーが40℃以下になるよう微粉砕し、次いで、このようにして得られたクロレラ・ピレノイドサスラリーを、直ちに10℃以下に冷却し、真空乾燥後、粉砕することにより、細胞壁破砕クロレラ・ピレノイドサ乾燥粉末が得られた。
【0039】
(2) 得られた細胞壁破砕クロレラ・ピレノイドサ乾燥粉末を水に懸濁させた後、95℃から100℃で2時間煮沸した。
【0040】
これを常温に冷却した後、静置状態で上澄をダイアフィルターG-10T(日本真空技術社製:分画分子量10000)を用いて限外濾過して第1の濾過残渣を得た。
【0041】
前記静置状態における沈殿物を、再度、95℃から100℃で2時間にわたり水で煮沸し、これを常温に冷却した後、静置状態で上澄をダイアフィルターG-10T(日本真空技術社製:分画分子量10000)を用いて限外濾過して第2の濾過残渣を得、第1の濾過残渣と第2の濾過残渣を混合した。
【0042】
この混合物を3℃で12時間静置した後、室温で10,000 rpmで20分間遠心分離処理し、上澄と沈殿に分けた。
【0043】
この上澄を回収して3℃でダイアフィルターG-10T(日本真空技術社製:分画分子量10000)を用いて限外濾過することにより、非濾過画分(M.W. 10,000以上)と濾過画分(M.W. 10,000以下) を得た。
【0044】
この非濾過画分に、容量の3倍の無水エタノールを加えて室温で10,000 rpmで遠心分離処理し、上澄と沈殿に分けた。
【0045】
沈殿は、無水エタノールで3回洗浄後、無水エーテルで1回洗浄した。その後、40℃で真空乾燥してFA(粗多糖)を得た。
【0046】
FAを水に溶解させ、イオン交換クロマトグラフィー[和光純薬工業社製のDEAE-Cellulose(Cl)を使用]及び勾配溶離[(gradient elution with 0→1.0M NaCl)]に供して画分FA-1、FA-2、FA-3に分画した。
【0047】
画分FA-1を、ゲル濾過法[和光純薬工業社製のSephadex G-50を使用]及び勾配溶離(gradient elution with 0→2.0M NaCl)により精製することによって、FA-1aを得た。
【0048】
クロレラ・ピレノイドサ乾燥粉末400gからの粗多糖FAおよび本発明のペプチドヘテログリカンFA-1aの収量は、真空凍結乾燥粉末でそれぞれ15.63g及び253.27mgであった。
【0049】
FA-1aを下記のように分析した結果、下記理化学的性質(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有するペプチドヘテログリカン(単に「ペプチドヘテログリカン」とも言う。)であることが判明した。
【0050】
(i) 糖組成の分析
【0051】
全糖については,フェノール硫酸法(比色法)により分析した。
【0052】
構成糖組成の分析は次のように行った。
【0053】
検体であるFA-1a(2mg)をジメチルスルホキシド(DMSO,0.5mL)に溶解させ、その溶液に対し水酸化ナトリウム(20mg)及びヨウ化メチル(0.2mL)を添加した。
【0054】
これを撹拝した後、クロロホルム(1.5mL)で抽出を行い、減圧乾固してメチル化多糖を得た。
【0055】
これに対し80%ギ酸(1mL)を添加し滅圧乾固した後、2Nトリフルオロ酢酸(1mL)によりメチル化多糖を得た。
【0056】
これに80%ギ酸(1mL)を添加し滅圧乾固した後、2Nトリフルオロ酢酸(1mL)によりメチル化多糖を加水分解し、滅圧乾固して部分メチル化多糖を得た。
【0057】
この部分メチル化多糖に少量の蒸留水と水酸化ホウ素ナトリウム(5mg)を添加し、一晩放置後、酢酸で水酸化ホウ素ナトリウムを分解した。
【0058】
更にホウ酸を除去して部分メチル化アルジトールを得た。これに無水酢酸・ピリジン(1:1)混合液(1mL)を加え4時間加熱後、冷却乾固した。続いてクロロホルム(2mL)と蒸留水(1mL)を添加して混合後、クロロホルム層を回収して無水硫酸ナトリウム(1.5g)を添加し、脱水処理を行った後、減圧乾固した。
【0059】
これを蒸留水200μLに溶解させ、その溶液30μLを高速液体クロマトグラフイー(HPLC)分析(島津LC-9A型)に供し、構成糖の同定・定量を行つた。
【0060】
(ii) 全窒素の定量
【0061】
セミミクロナルダール法により測定した。
【0062】
(iii) タンパクの定量
【0063】
タンパク定量はLowry法により行なった。
【0064】
(iv) アミノ酸分析
【0065】
検体(1mg)を6N塩酸(1mL)と共に封管し,110℃,20時間の加水分解処理後,日立835型アミノ酸自動分析装置に供した。
【0066】
(v) 平均分子量の測定
【0067】
平均分子量の測定は,ゲル濾過法(Sephadex G-100、和光純薬工業)により行った。
【0068】
ゲル濾過用多糖分子量マーカーには,α-1,6結合の直鎖状多糖類pullulanキットShodex standard P-82(昭和電工)および標準デキストラン(Sigma-Aldrich)を用いた。
【0069】
(vi) 比旋光度の測定
【0070】
比旋光度の測定には円木分光自動旋光計(DIP-360型)を用い、測定温度は25℃とした。
(a) 平均分子量:100万
(b) 比旋光度:〔α〕 -11.6 (測定温度25℃)
(c) 窒素含量5.39%、蛋白質含量29.5%、多糖含量70.3%
(d) 糖組成(モル比):Gal:GIc:Man:Xyl:Rha:Ara:Fru=32:25:13:8:7:5:3
(e) アミノ酸組成(モル%):
Glu 15.1
Asp 13.8
Ala 9.9
Leu 8.9
Thr 6.5
Lys 6.2
Va1 5.9
Gly 5.8
Pro 5.5
Ser 5.4
Arg 4.8
Phe 3.6
Ileu 3.1
Tyr 2.1
His 1.7
Met 1.6
Cys 0.1
合計 100%
【0071】
2.供試動物
【0072】
日本エスエルシー株式会社から入手した6週齢のICR/Slc雄マウスのうち、下記飼育条件で7日間予備飼育した後、一般症状観察および尿検査で異常が認められなかった7週齢のマウスを試験に供した。
【0073】
3.飼育条件
【0074】
供試動物は三重大学生命科学研究支援センター動物施設の実験指針による、温度23±2℃、相対湿度55±5%のバリアシステムの環境下で、1群10匹とし、プラスチックケージに5匹ずつ同居させ、固型飼料(クレアCE-7 日本クレア株式会社製)と水道水を自由に摂取させた。
【0075】
4.放射線照射方法及び照射線量
【0076】
(1) 照射方法
【0077】
PHILIPS MG 226/4.5(日本フィリップス社製 高精度X線発生装置)を用い、管電圧200KV、管電流9mA、線量率0.365Gy/minの照射条件で、供試動物を一匹ずつアクリル板製の照射用カプセルに入れて水平回転させながらX線全身照射を行った。
【0078】
(2) 照射線量の検討
【0079】
供試動物に免疫抑制を惹起する十分な線量を決定するために、3群(10匹ずつ)の供試動物に対し、それぞれ2.5Gy, 5.0Gy, 7.0Gy の全身照射を行った。
【0080】
7.OGy照射群では照射11日後に1例が死亡し、平均生存日数は16.4±3.2であった。死亡したマウスを剖見したところ、特に胸腺と脾臓について、重量減少と萎縮が散見された。
【0081】
5.OGy照射群および2.5Gy照射群では、何れも10例全例が生存した。そこで本実験では、5.OGy照射を採用した。
【0082】
5.放射線照射及び被験物質投与
【0083】
次の3群(10匹ずつ)の供試動物(上記7週齢のマウス)を用いて、被験物質(ペプチドヘテログリカン)の造血系前駆細胞の賦活及び放射線照射による造血障害の回復効果について検討を行った。
【0084】
(a) 5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群
【0085】
5.OGy全身照射の24時間後より、ペプチドヘテログリカンの投与量を10mg/kg/日としてペプチドヘテログリカンの蒸留水溶液をO.2ml/体重10gの割合で1日2回(朝・夕)10日間にわたり連日腹腔内投与し、照射日及びその後10日間にわたり、上記飼育条件で飼育した。
【0086】
(b) 5.0Gy全身照射群(ペプチドヘテログリカン非投与)
【0087】
5.OGy全身照射の24時間後より、生理食塩液をO.2ml/体重10gの割合で1日2回(朝・夕)10日間にわたり連日腹腔内投与し、照射日及びその後10日間にわたり、上記飼育条件で飼育した。
【0088】
(c) 非照射群(0Gy)
【0089】
上記(b)と同じタイミングで生理食塩液をO.2ml/体重10gの割合で1日2回(朝・夕)10日間にわたり連日腹腔内投与し、上記(b)の照射日及びその後10日間にわたり、上記飼育条件で飼育した。
【0090】
6.成熟血球レベルと造血前駆細胞数
【0091】
(1) 測定
【0092】
(1-1) 成熟血球レベル
【0093】
上記10日間飼育の翌日、上記(a)群、(b)群及び(c)群の各個体について、エーテル麻酔下、後大動脈よりヘパリン添加末梢血を採取して測定に供した。
【0094】
赤血球数、血小板数及び白血球数は、全自動多項目分析装置(日本電子社製)で測定した。
【0095】
顆粒球数、リンパ球数、及び単球数については、血液塗抹標本を作製してギムザ染色を行い顕微鏡下で測定した。
【0096】
(1-2) 造血前駆細胞数
【0097】
供試動物をエーテル麻酔下で頸椎脱臼によって安楽死させた後、大腿骨、骨髄および脾臓を摘出し、仁保の方法に準じた脾臓細胞浮遊液および骨髄細胞浮遊液の調製に用いた。
【0098】
摘出した脾臓を、予め4℃に冷却しておいたEagle's MEM培地に移した後、2枚のスライドガラスを用いて脾臓を圧砕し、脾細胞浮遊液を得た。更に、ステンレス製メッシュを用いて濾過することにより単細胞浮遊液を得、培養あるいは抗体産生細胞検出に用いた。
【0099】
また、摘出した大腿骨一本の骨髄を20%牛胎児血清(U.S.A.St.Louis Mo.Sigma Chemical Co.製)を含むDMEM培地(Nissui Pharmaceutical Co.製)に浮遊させ、大腿骨一本あたりの骨髄(有核)細胞数の算定を行った。
【0100】
[i] BFU-E(Erythroid burst_forming cell、前期赤芽球系前駆細胞)の細胞数測定
【0101】
上記脾臓細胞浮遊液および骨髄細胞浮遊液における脾細胞及び骨髄細胞を、それぞれ2×10cells/ml濃度で直径35mmのプラスチック製ペトリ皿(U.S.A. Falcon[商標] No 1008)を用いて2U/ml EPO(ヒト遺伝子組換リコンビナントエリスロポエチン U.S.A. Mo. St.Louis Sigma Chemical Co.製)存在下で、メチルセルロース法にて培養した後、細胞数を測定した。
【0102】
[ii] CFU-E(Colony-forming unit-erythropoetin dependent、エリスロポエチン依存性単球系前駆細胞・後期赤芽球系前駆細胞)の細胞数測定
【0103】
上記脾臓細胞浮遊液および骨髄細胞浮遊液における脾細胞及び骨髄細胞を、それぞれ2×10cells/ml濃度で直径35mmのプラスチック製ペトリ皿(U.S.A. Falcon[商標] No 1008)を用いて2U/ml EPO(ヒト遺伝子組換リコンビナントエリスロポエチン U.S.A. Mo. St.Louis Sigma Chemical Co.製)存在下で、メチルセルロース法にて培養した後、細胞数を測定した。
【0104】
[iii] CFU-GM(Granulocytes-macrophage colony-forming cell、顆粒球マクロファージコロニー形成細胞)の細胞数測定
【0105】
上記脾臓細胞浮遊液および骨髄細胞浮遊液における脾細胞及び骨髄細胞を、それぞれ2xlOcells/ml濃度で1%Pokeweed mitogen(U.S.A. N.Y. Grand Island GIBCO[商標])、10%牛胎児血清を含むRPMI 1640培地(U.S.A.St.Louis Mo.Sigma Chemical Co.製)に浮遊させ、37℃、5%CO下で一週間培養した後、細胞数を測定した。
【0106】
(2) 結果
【0107】
測定結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
[表1において、BFU-E(前期赤芽球系前駆細胞)、CFU-E(後期赤芽球系前駆細胞)、CFU-GM(顆粒球マクロファージコロニー形成細胞)。数値は平均±S.E.として示す(n=10)。# P<0.05:非照射群(c)と比較して有意差あり。* P<0.05:5.0Gy全身照射群(b)と比較して有意差あり。]
【0109】
(2-1) 5.0Gy全身照射群(b)(ペプチドヘテログリカン非投与群)
【0110】
非照射群(c)に比し、末梢赤血球数、血小板数、末梢白血球数、顆粒球数、リンパ球数、及び単球数、並びに、骨髄及び脾臓におけるBFU-E前期赤芽球系前駆細胞数、CFU-E後期赤芽球系前駆細胞数、及びCFU-GM顆粒球マクロファージコロニー形成細胞数が、何れも有意に少ないという結果が得られた。
【0111】
(2-2) 5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群(a)
【0112】
末梢赤血球数、血小板数、末梢白血球数、顆粒球数、リンパ球数、及び単球数は、5.0Gy全身照射群(b)に比し、何れも有意に多いという結果が得られた。
【0113】
骨髄及び脾臓におけるCFU-E後期赤芽球系前駆細胞数は、5.0Gy全身照射群(b)に比し有意に多く、非照射群(c)におけるものに迫るものであった。
【0114】
更に、骨髄及び脾臓におけるBFU-E前期赤芽球系前駆細胞数及びCFU-GM顆粒球マクロファージコロニー形成細胞数は、5.0Gy全身照射群(b)に比し何れも有意に多く、非照射群(c)よりも多いものであった。
【0115】
7.組織学的所見
【0116】
上記10日間飼育の翌日、上記各群におけるそれぞれ3例の脾臓及び胸腺を切除し、4℃で10%ホルマリン液で固定した後、通常の方法により4μmパラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色を行って観察した。結果は次の通りである。
【0117】
(1) 胸腺
【0118】
(1-1) 5.0Gy全身照射群(b)(図1
【0119】
リンパ球の破壊が強く、核破片、核濃縮を示す細胞が散在し、それに代わって大型の細網細胞が増殖していた。リンパ球は減少し、皮質・髄質境界が不明瞭となり、細網細胞に置き換えられた像が散見された。
【0120】
(1-2) 5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群(a)(図2
【0121】
胸腺重量は5.0Gy全身照射群(b)に比し著明に大きく、組織学的には、放射線照射によりリンパ球が減少した(b)群に比し、より強いリンパ球数の回復傾向が認められた。
【0122】
(2) 脾臓
【0123】
(2-1) 5.0Gy全身照射群(b)(図3
【0124】
白脾髄のリンパ球減少がみられ、リンパ濾胞は縮小した。赤脾臓には、赤血球が破壊したものとみられる著明なヘモジデリン色素沈着が認められた。
【0125】
(2-2) 5.OGy全身照射・ペプチドヘテログリカン投与群(a)(図4
【0126】
脾臓重量は5.0Gy全身照射群(b)に比し著明に大きく、組織学的には、放射線照射による赤血球の破壊によるヘモジデリン色素沈着はほとんど認められず、旺盛な造血巣の回復が見られた。
【0127】
8.以上のように、造血障害が引き起こされる放射線照射を受けた供試動物に対し被験物質(ペプチドヘテログリカン)を投与することにより、マクロファージ造血前駆細胞であるCFU-GM、未分化な赤血球系造血前駆細胞であるBFU-E数、比較的分化した赤血球系前駆細胞であるCFU-E数及び未梢赤血球数に著明な増加が認められ、組織学的にも、造血巣の回復と脾臓・胸腺障害の軽減が認められた。
【0128】
なお、本明細書中、水溶液の濃度は原則として質量容量%である。統計処理についてはStudent'sのt-testにより検定を行い、5%未満を有意差ありと判定した。
図1
図2
図3
図4