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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】保護シール
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/03 20060101AFI20221117BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20221117BHJP
   A61J 1/18 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G09F3/03 F
G09F3/10 A
A61J1/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018194978
(22)【出願日】2018-10-16
(65)【公開番号】P2020064139
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591243860
【氏名又は名称】日昌株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591016334
【氏名又は名称】大塚テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】山内 博之
(72)【発明者】
【氏名】石井 力
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-058837(JP,A)
【文献】実開平06-033172(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/03
G09F 3/10
A61J 1/00-19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の部材に貼着可能な保護シール本体と、
前記保護シール本体に一体的に設けられ、前記保護シール本体を前記所定の部材より剥離する際、使用者が把持可能な把持部と、を有し、
前記保護シール本体の外周部には、内方向に向かって、複数のスリットが形成されてなり、
前記保護シール本体には、前記使用者が前記把持部を使用して、前記保護シール本体を前記所定の部材より剥離する際、該保護シール本体の一部が破断するように、剥離方向に向かって、該破断を誘引する、離間して形成されている一対の第1ミシン目が形成されると共に、
前記一対の第1ミシン目同士を連通させる第2ミシン目が形成され、
前記第1ミシン目には、内方向に向かって傾斜する第3ミシン目が形成される一方で、
前記第2ミシン目には、前記第3ミシン目が形成されていない 保護シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の部材に貼り付け可能な保護シールに関し、特に、該所定の部材が使用されたか否かを容易に判別することができる保護シールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アミノ酸輸液剤、電解質輸液剤、糖質輸液剤、輸液用脂肪乳剤などの輸液類を収容する輸液バックなど、未使用であることを判別したい所定の部材に、保護シールが貼り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-117211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように所定の部材に貼り付けられている保護シールは、例えば輸液バックに異物を混入させようとする悪意あるものが、該保護シールを剥離した際、該剥離によって保護シールが破断されない可能性が高く、もって、異物混入後、再度保護シールを上記所定の部材に貼り付けられると、剥離された痕跡が残らないため、該所定の部材が使用されたか否かを判別することが非常に困難であるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、所定の部材が使用されたか否かを容易に判別することができる保護シールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の保護シールによれば、所定の部材(例えば、輸液バックT)に貼着可能な保護シール本体(10)と、
前記保護シール本体(10)に一体的に設けられ、前記保護シール本体(10)を前記所定の部材(例えば、輸液バックT)より剥離する際、使用者が把持可能な把持部(20)と、を有し、
前記保護シール本体(10)の外周部(外周10a)には、内方向に向かって、複数のスリット(10b)が形成されてなり、
前記保護シール本体(10)には、前記使用者が前記把持部(20)を使用して、前記保護シール本体(10)を前記所定の部材より剥離する際、該保護シール本体(10)の一部(10B)が破断するように、剥離方向(矢印P1方向)に向かって、該破断を誘引する、離間して形成されている一対の第1ミシン目(10d1)が形成されると共に、
前記一対の第1ミシン目(10d1)同士を連通させる第2ミシン目(10d2)が形成され、
前記第1ミシン目(10d1)には、内方向に向かって傾斜する第3ミシン目(10d3)が形成される一方で、
前記第2ミシン目(10d2)には、前記第3ミシン目(10d3)が形成されていないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
請求項1の発明によれば、所定の部材(例えば、輸液バックT)に貼着している保護シール本体(10)を把持部(20)以外から剥離しようとした際、保護シール本体(10)の外周部(外周10a)に内方向に向かって形成されている複数のスリット(10b)によって、保護シール本体(10)の一部(10A)が破断することとなる。これにより、悪意をもって、所定の部材(例えば、輸液バックT)を使用しようとしても、所定の部材(例えば、輸液バックT)を何者かが使用した痕跡が残ることとなるから、所定の部材が使用されたか否かを容易に判別することができる。
【0012】
さらに、請求項1の発明によれば、保護シール本体(10)には、使用者が把持部(20)を使用して、保護シール本体(10)を所定の部材より剥離する際、該保護シール本体(10)の一部(10B)が破断するように、剥離方向(矢印P1方向)に向かって、該破断を誘引する、離間して形成されている一対の第1ミシン目(10d1)が形成されると共に、一対の第1ミシン目(10d1)同士を連通させる第2ミシン目(10d2)が形成され、第1ミシン目(10d1)には、内方向に向かって傾斜する第3ミシン目(10d3)が形成される一方で、第2ミシン目(10d2)には、第3ミシン目(10d3)が形成されていない。これにより、破断応力が蓄えられることから、一方の第1ミシン目(10d1)に破断応力が偏ってしまう事態を低減させることができるため、保護シール本体(10)の一部(10B)を正確に(きれいに)破断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る保護シールの平面図、(b)は、(a)に示すX-X線断面図、(c)は、(a)に示すY-Y線断面図である。
図2】同実施形態に係る保護シール本体の一部が破断された状態を示す平面図である。
図3】(a)は、所定の部材の一例である輸液バックに同実施形態に係る保護シールを貼り付けようとしている状態を示す斜視図、(b)は、輸液バックの口栓上面に同実施形態に係る保護シール本体の非粘着層を接触させた状態を示す斜視図である。
図4】(a)は、輸液バックの口栓上面側に同実施形態に係る保護シールを貼り付けた状態を示す斜視図、(b)は、同実施形態に係る保護シールの把持部を使用者が把持して輸液バックから保護シール本体の剥離を開始しようとしている状態を示す斜視図、(c)は、保護シール本体の剥離に伴い、保護シール本体の一部が破断されている状態を示す平面図、(d)は、保護シール本体の一部が破断された状態を示す平面図である。
図5】(a)は、輸液バックの口栓上面側に同実施形態に係る保護シールを貼り付けた状態を示す斜視図、(b)は、同実施形態に係る保護シールの把持部以外から保護シール本体を剥離したことによって、保護シール本体の一部が破断された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る保護シールの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0016】
図1(a)に示すように、保護シール1は、薄厚円形状の保護シール本体10と、その保護シール本体10の外周10a下部より外方に突出して設けられている略矩形状の把持部20と、で構成されている。保護シール本体10は、所定の部材に貼り付け可能なものであって、把持部20は、所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を剥離する際に使用されるものである。なお、この保護シール本体10と把持部20は、一体的に形成されており、同一の材料で形成されている。
【0017】
ところで、この保護シール本体10の中央部分には、図1(a)に示すように、円形状の非粘着層14が形成されており、把持部20には、図1(a)に示すように、全体的に略矩形状の非粘着層24が形成されている。より詳しく説明すると、保護シール本体10は、図1(b)に示すように、ポリエステルフィルム、アルミ箔等の厚み約75μmの基材11と、該基材11の表面に積層されている色付け用の厚み約5μmの蒸着膜12と、該基材11の裏面にシリコーン系ポリマー、ポリエステル等の粘着剤が積層された厚み約5μmの粘着層13と、この粘着層13の一部の粘着性を不活性にするため(所謂、糊殺し)、粘着層13の裏面一部にメジウム印刷等を施すことによって形成された厚み約5μmの非粘着層14と、で構成されている。なお、この非粘着層14が、図1(a)に示す保護シール本体10の中央部分に形成されているものである。
【0018】
一方、把持部20は、図1(c)に示すように、ポリエステルフィルム、アルミ箔等の厚み約75μmの基材21と、該基材21の表面に積層されている色付け用の厚み約5μmの蒸着膜22と、該基材21の裏面にシリコーン系ポリマー、ポリエステル等の粘着剤が積層された厚み約5μmの粘着層23と、この粘着層23の一部の粘着性を不活性にするため(所謂、糊殺し)、粘着層23の裏面一部にメジウム印刷等を施すことによって形成された厚み約5μmの非粘着層24と、で構成されている。なお、この非粘着層24が、図1(a)に示す把持部20の全体的に形成されているものである。
【0019】
しかして、上記のように構成される保護シール本体10の外周10aには、図1(a)に示すように、内方向に向かって(図示では、中心点Oに向かって)、一定間隔置きに、切り込み状のスリット10bが形成されている。このスリット10bは、後述するように、所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を把持部20以外から剥離しようとした際に、保護シール本体10の一部10A(図5(b)参照)が破断するように形成されているものである。
【0020】
一方、所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を、把持部20を用いて剥離する際、把持部20を図1(a)に示す矢印P1方向に向かって(把持部20の底部20aから保護シール本体10の頂部10cに向かって)移動させることによって、所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を剥離することとなる。この際、保護シール本体10の一部が破断するように、保護シール本体10には、図1(a)に示すように、その破断を誘引するミシン目10dが形成されている。より詳しく説明すると、このミシン目10dは、図1(a)に示すように、把持部20の側面20bから保護シール本体10の頂部10cに向かう方向に直線状に延設されて形成される一対の直線状の第1ミシン目10d1と、この一対の第1ミシン目10d1同士を連通させる、非粘着層14の外周に沿うように形成される円弧状の第2ミシン目10d2と、で構成されている。しかして、把持部20を図1(a)に示す矢印P1方向に向かって(把持部20の底部20aから保護シール本体10の頂部10cに向かって)移動させると、図2に示すように、この一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2に沿って、保護シール本体10の一部10Bが破断することとなる。しかるに、このようなミシン目10d(一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2)を保護シール本体10に形成することによって、把持部20を用いて所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を剥離する際、図2に示すように、保護シール本体10の一部10Bが破断することとなる。これにより、所定の部材に貼り付けられた保護シール本体10を剥離した際の痕跡が残ることとなり、もって、所定の部材が使用されたか否かを容易に判別することが可能となる。なお、図1(a)に示すように、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間には、僅かな隙間Sが形成されている。
【0021】
ところで、この第1ミシン目10d1には、図1(a)に示すように、把持部20の底部20a側に向かって下方に傾斜する第3ミシン目10d3が形成されている。この第3ミシン目10d3は、直線状の一対の第1ミシン目10d1に沿って、保護シール本体10から保護シール本体10の一部10Bが確実に破断されるようにするものである。すなわち、把持部20を図1(a)に示す矢印P1方向に向かって(把持部20の底部20aから保護シール本体10の頂部10cに向かって)移動させると、第1ミシン目10d1に形成されている第3ミシン目10d3の部分で、一時的に移動が規制されることとなる。これにより、その部分(移動が規制された部分)で、一対の第1ミシン目10d1に沿って保護シール本体10の一部10Bを破断する際の破断応力が蓄えられ、もって、図2に示すように、第1ミシン目10d1に沿って保護シール本体10の一部10Bが正確に(きれいに)破断されることとなる。なお、第2ミシン目10d2にも第3ミシン目10d3を形成しても良いが、第3ミシン目10d3を形成しなくとも良い。すなわち、本実施形態に示すように第1ミシン目10d1同士が離間しているような箇所は、破断応力が一対の第1ミシン目10d1同士に均等に働かない可能性が高く、もって、一方の第1ミシン目10d1に破断応力が偏ってしまう可能性が高い。そうすると、一対の第1ミシン目10d1に沿って保護シール本体10の一部10Bを正確に(きれいに)破断できない可能性が高い。そのため、本実施形態に示すように、離間している一対の第1ミシン目10d1に沿って保護シール本体10の一部を破断する箇所にのみ、第3ミシン目10d3を形成するようにすれば、第3ミシン目10d3が形成されている部分で一時的に移動が規制され、もって、破断応力が蓄えられ、一方の第1ミシン目10d1に破断応力が偏ってしまう事態を低減させることができる。それゆえ、本実施形態に示すように、離間している一対の第1ミシン目10d1に限って、第3ミシン目10d3を形成するようにすれば良い。他方で、第2ミシン目10d2にも第3ミシン目10d3を形成した方が、見栄えを良くすることができると共に、破断し易くすることができる。
【0022】
かくして、上記のように構成される保護シール1は、以下のように使用される。なお、以下では、所定の部材として、輸液バックを例にして説明することとする。
【0023】
図3(a)に示すように、輸液バックTは、従来周知もので、輸液バック本体T1の周辺部に形成された周辺強シール部T1aを備えるものである。この周辺強シール部T1aは、輸液バック本体T1を構成する2枚のフィルムシートの周辺部の内表面が、口栓T2の口栓本体T2aを挟持した状態で加熱溶着されて形成される。口栓T2は、輸液バック本体T1内に収容されている輸液を排出する筒状の口栓本体T2aと、口栓本体T2aに挿入され口栓本体T2aを閉塞するゴム栓T2bと、輸液バック本体T1内の圧力の増大、又は、ゴム栓T2bから中空針(図示せず)を抜くとき等に、ゴム栓T2bが口栓本体T2aから脱落しないように固定するキャップT2cと、で構成されている。なお、ゴム栓T2bの上面(天面)には中空針(図示せず)を刺す位置を示す複数(図示では、3つ)の針刺用印T2b1が形成されている。しかるに、この針刺用印T2b1に中空針(図示せず)が刺されることによって、輸液バック本体T1内に収容されている輸液が口栓本体T2aより排出され、もって、輸液バックTが使用されることとなる。
【0024】
しかして、このような輸液バックTの口栓T2の上面(天面)側に、図3(a)に示すように、保護シール1が貼り付けられることとなる。より詳しく説明すると、ゴム栓T2bは、上述したように、中空針(図示せず)が刺されるため、そのゴム栓T2bが保護シール1の粘着層13及び/又は粘着層23の粘着剤によって汚染されないように、図3(b)に示すように、保護シール本体10の非粘着層14をゴム栓T2bの上面(天面)に接触させる。なお、保護シール本体10の非粘着層14の径は、ゴム栓T2bの径よりも径大となっている。
【0025】
次いで、図3(b)に示す状態から、保護シール本体10及び把持部20で口栓本体T2aを被覆するように、保護シール本体10及び把持部20を矢印P2に示す方向に移動させる。これにより、図4(a)に示すように、輸液バックTの口栓T2の上面(天面)側に、保護シール1が貼り付けられることとなる。
【0026】
次いで、輸液バックTの口栓T2の上面(天面)側に貼り付けられた保護シール1(保護シール本体10)を剥離する際、図4(b)に示すように、使用者が指Hを用いて、把持部20を把持し、把持部20を矢印P3方向に移動させる。この際、使用者の指Hが把持部20の粘着層23の粘着剤によって汚染されないように、把持部20の全体的に非粘着層24が形成されている。これにより、使用者の指Hに付着した粘着剤がゴム栓T2bに付着し、もって、ゴム栓T2bを汚染してしまう事態を低減させることができる。
【0027】
しかして、このように、使用者の指Hにて把持された把持部20を、図4(b)に示す矢印P3方向に移動させていくと、図4(c)に示すように、一対の第1ミシン目10d1に沿って、保護シール本体10より保護シール本体10の一部10Bが破断されていき、最終的に、図4(d)に示すように、第2ミシン目10d2に沿って、保護シール本体10より保護シール本体10の一部10Bが破断されることとなる。これにより、図4(d)に示すように、ゴム栓T2bの上面(天面)が完全に外部に露呈されることとなり、もって、針刺用印T2b1に中空針(図示せず)を刺すことができることとなる。
【0028】
しかして、上記説明したように、把持部20を用いて輸液バックTの口栓T2の上面(天面)側に貼り付けられた保護シール本体10を剥離する際、保護シール本体10に形成されたミシン目10dに沿って保護シール本体10の一部10Bが破断されることとなるから、保護シール本体10が一度剥離された痕跡が残ることとなる。
【0029】
また、図5(a)に示すように、輸液バックTの口栓T2の上面(天面)側に、保護シール1が貼り付けられた状態から、悪意あるものが輸液バックT内に異物を混入しようと、把持部20以外の所から保護シール本体10を剥離しようとしても、図5(b)に示すように、保護シール本体10の外周10aに形成されている切り込み状のスリット10bによって、保護シール本体10の一部10Aが破断することとなる。これにより、悪意をもって、輸液バックTを使用しようとしても、輸液バックTを何者かが使用した痕跡が残ることとなる。
【0030】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、所定の部材(本実施形態においては、輸液バックT)が使用されたか否かを容易に判別することが可能となる。
【0031】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、保護シール本体10にシリアルナンバーを付加して管理するようにしても良い。また、把持部20に矢印を付加して剥離する方向を示すようにしても良い。
【0032】
一方、本実施形態においては、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間には、僅かな隙間Sが形成されている例を示したが、隙間Sを形成せず、密着させても良い。
【0033】
ところで、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間に、僅かな隙間Sを形成しているのは、図4(d)に示すように、保護シール本体10がゴム栓T2bの上面(天面)に被らない(完全に外部に露呈)ようにするためである。これにより、針刺用印T2b1に中空針(図示せず)を刺す作業をする際、保護シール本体10が邪魔にならないようにすることができる。それゆえ、保護シール本体10がゴム栓T2bの上面(天面)に多少被っても、針刺用印T2b1に保護シール本体10が被らなければ、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間に僅かな隙間Sを形成せず、密着させても良い。
【0034】
しかしながら、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間には、僅かな隙間Sを形成した方が好ましい。一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14とを密着させると、ミシン目10dに沿って、保護シール本体10の一部10Bを破断する際、保護シール本体10の粘着層13と非粘着層14に跨って破断されることとなるため、せん断抵抗が変化し、もって、ミシン目10dに沿って保護シール本体10の一部10Bを正確に(きれいに)破断できない可能性が高くなるためである。そのため、一対の第1ミシン目10d1及び第2ミシン目10d2と、保護シール本体10の非粘着層14との間には、僅かな隙間Sを形成した方が好ましい。
【0035】
また、本実施形態においては、保護シール本体10にミシン目10dを形成する例を示したが、それに限らず、保護シール本体10の一部がどのような形状であっても破断できれば良いのであれば、保護シール本体10と把持部20との間にスリットを形成しただけのものであっても良い。
【0036】
また、本実施形態においては、保護シール本体10の中央部分に非粘着層14と、把持部20の非粘着層24とを形成する例を示したが、それに限らず、破断される保護シール本体10の一部10Bの全域ないし略全域、及び、把持部20の全域ないし略全域に亘って、非粘着層を設けても良い。すなわち、保護シール本体10の非粘着層14と、把持部20の非粘着層24とを連通させて非粘着層を形成しても良い。
【0037】
また、本実施形態においては、保護シール1を輸液バックTに貼り付ける例を示したが、それに限らず、どのような箇所に貼り付けても良い。例えば、液体や固体などの薬品等が収納されている容器の封口部に保護シール1を貼り付けても良く、工場見学の際に、携帯電話やノートパソコン等に付属しているカメラに、セキュリティシールとして保護シール1を貼り付けても良い。
【符号の説明】
【0038】
1 保護シール
10 保護シール本体
10A,10B (保護シール本体)の一部
10a 外周(外周部)
10b スリット
10d ミシン目
10d1 第1ミシン目
10d2 第2ミシン目
10d3 第3ミシン目
20 把持部



図1
図2
図3
図4
図5