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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】人間相互作用無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221117BHJP
   A45C 13/28 20060101ALI20221117BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20221117BHJP
   B62B 3/02 20060101ALI20221117BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221117BHJP
   G06V 40/20 20220101ALI20221117BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G05D1/02 K
A45C13/28
B60W50/14
B62B3/02 E
G06F3/0488
G06V40/20
G08G1/00 X
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021518914
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2018109649
(87)【国際公開番号】W WO2020073232
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スイ リャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チャンリン
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102393739(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107807652(CN,A)
【文献】国際公開第2020/041965(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03216745(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02851331(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
G08G 1/00
A45C 13/28
B60W 50/14
B62B 3/02
G06F 3/0488
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己駆動システムであって、移動ベースと、コンソールと、カメラと、タッチスクリーンと、コントローラーとを含み、前記移動ベースは、電動式車輪を含み、第1端及び第2端を有し、前記コンソールは、起立構成で前記移動ベースの前記第1端に結合され、前記移動ベースを前後に移動させるように前記電動式車輪を制御するように構成され、前記第1端が誘導端であるときに前記移動ベースは前方に移動し、前記第2端が誘導端であるときに前記移動ベースは後方に移動し、前記カメラは、前記コンソールに結合され、動作中の人間オペレータを検出し、前記移動ベースが前記人間オペレータに追従することを可能にするように構成され、
前記タッチスクリーンは、前記コンソールに設けられ、前記タッチスクリーンと前記カメラは前記コンソールの同一側に設けられ、
前記コントローラーは、前記コンソールに取り付けられたタッチスクリーン及び前記カメラに接続され、前記コントローラーは、前記人間オペレータが自己ナビゲートモード、追従モード、誘導モードから動作モードを選択することを可能にするために、前記タッチスクリーンに表示情報を送信するように動作可能であり、
前記誘導モードに切り替えられたとき、前記自己駆動システムは、既にタスクに関連付けられ、前記自己駆動システムは、前記人間オペレータが見て、該人間オペレータが前記自己駆動システムに追従するか否かを決定することを可能にするために、前記タッチスクリーン上にタスク情報を表示する自己駆動システム。
【請求項2】
前記移動ベースは、自己ナビゲートモードで後方に移動するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記移動ベースは、前記移動ベースが前記人間オペレータに追従する追従モードで、前方に移動するように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラーは、動作モードが前記自己ナビゲートモード又は前記誘導モードから前記追従モードに切り替えられたときに、後方への移動から前方への移動に向きを変えるように前記移動ベースに指示するように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラーは、前記カメラから前記人間オペレータの画像を受信し、前記画像を分析してジェスチャの形態の指示を識別し、識別された指示に従って前記移動ベースを制御するように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
システムの動作状態を示すように構成されている1つ又は複数の信号灯をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンソールに結合され、前記人間オペレータが前記移動ベースを手動で停止させることを可能にするように構成されている緊急停止ボタンをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
倉庫管理システムであって、システムコントローラーと、ネットワークを介して前記システムコントローラーに接続され、それぞれ、移動ベースと、コンソールと、カメラと、タッチスクリーンとを含んでなる自己駆動システムを備える複数のAGV(無人搬送車)とを含み、
前記AGVの少なくとも1つが人間オペレータに追従するか又は人間オペレータを誘導することによって人間オペレータと相互作用するように構成され、
前記タッチスクリーンは、前記コンソールに設けられ、前記タッチスクリーンと前記カメラは前記コンソールの同一側に設けられ、
前記システムコントローラーは、前記コンソールに取り付けられたタッチスクリーン及び前記カメラに接続され、前記システムコントローラーは、前記人間オペレータが自己ナビゲートモード、追従モード、誘導モードから動作モードを選択することを可能にするために、前記タッチスクリーンに表示情報を送信するように動作可能であり、
前記誘導モードに切り替えられたとき、前記自己駆動システムは、既にタスクに関連付けられ、前記自己駆動システムは、前記人間オペレータが見て、該人間オペレータが前記自己駆動システムに追従するか否かを決定することを可能にするために、前記タッチスクリーン上にタスク情報を表示する、ことを特徴とする倉庫管理システム。
【請求項9】
前記システムコントローラーは、前記AGVによって実行されている動作モード及びタスクに従って各AGVに優先度レベルを割り当て、複数のAGVの移動を監視し、2つのAGVが交差して通過しようとするときに優先度レベルの低いAGVを停止させるように指示を送信するように動作可能である、請求項8に記載の倉庫管理システム。
【請求項10】
システムコントローラーと、ネットワークを介して該システムコントローラーに接続され、それぞれ、移動ベースと、コンソールと、カメラと、タッチスクリーンとを含んでなる自己駆動システムを備えるAGV(無人搬送車)を操作する方法であって、前記AGVを自己ナビゲート/誘導モード又は追従モードで移動させ、ここで、前記AGVが自己ナビゲート/誘導モードで予め選択されたルートに従って移動し、前記AGVが前記AGV上のカメラの視線内の人間オペレータの後ろに移動することと、動作モードが前記自己ナビゲート/誘導モードから前記追従モードに切り替えられたとき、及び前記動作モードが前記追従モードから前記自己ナビゲート/誘導モードに切り替えられたときに、前記AGVの移動方向を切り替えることとを含み、
前記タッチスクリーンは、前記コンソールに設けられ、前記タッチスクリーンと前記カメラは前記コンソールの同一側に設けられ、前記システムコントローラーは、前記コンソールに取り付けられたタッチスクリーン及び前記カメラに接続され、前記システムコントローラーは、前記人間オペレータが自己ナビゲートモード、追従モード、誘導モードから動作モードを選択することを可能にするために、前記タッチスクリーンに表示情報を送信するように動作可能であり、前記誘導モードに切り替えられたとき、前記自己駆動システムは、既にタスクに関連付けられ、前記自己駆動システムは、前記人間オペレータが見て、該人間オペレータが前記自己駆動システムに追従するか否かを決定することを可能にするために、前記タッチスクリーン上にタスク情報を表示する、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
タッチスクリーンが前記AGVの後端にあり且つ後方を向いているとともに、前記AGVは前記自己ナビゲートモード/誘導モードで後方に移動し、前記タッチスクリーンが前記AGVの頭端にあり且つ前方を向いているとともに、前記AGVは前記追従モードで前方に移動する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記AGV上の信号灯を使用して、前記AGVの現在の動作状態を示すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記現在の動作状態を示すことは、異なる色又は点滅パターンを使用して異なる動作状態を示すことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カメラからの画像を監視して、人間オペレータからのジェスチャを識別することと、識別されたジェスチャに反応することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記AGVによって実行されている動作モード及びタスクに従って、前記AGVに優先度レベルを割り当てることと、優先度レベルのより高いAGVに道を譲ることとをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記AGVが既知のルートに従って移動しているか否か、前記AGVが負荷を運んでいるか否か、前記負荷の重量、前記AGVの速度、前記AGVに関連する前記タスクの緊急性、又はそれらの組み合わせに基づいて、前記優先度レベルを割り当てる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、人を誘導したり、人に追従したり、人からの指示を受信したりすることによって人間と相互作用することができる無人搬送車(automatic guided vehicle)に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットカートや無人搬送車(AGV)は、施設内の指定された1つ又は複数のピックアップエリアから物品又は在庫品を1つ又は複数の荷揚げエリアに搬送することができる、ドライブレスでプログラマブル制御車両である。これらの車両は、磁気テープ、光学、又は経路案内及び衝突回避のための他の適切なシステムによって案内される作業環境のような作業環境において自己ナビゲートすることができる。AGVは、作業者、在庫品、及び正確に制御された動きを有する機器のためのより安全な環境を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
作業者は、通常、AGVと作業環境内に存在し、AGVが指定されたエリアで在庫品を荷積み、荷下ろし、又は移動することを支援する。従って、人間相互作用ロボットカートが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、人間オペレータと対話することができ、動作中の衝突を回避することができる無人搬送車(AGV)、及びAGVを操作する方法を含む。
【0005】
一実施形態は、自己駆動システムを提供する。自己駆動システムは、移動ベースと、コンソールと、カメラとを含む。前記移動ベースは、電動式車輪を含み、第1端及び第2端を有する。前記コンソールは、起立構成で前記移動ベースの前記第1端に結合され、前記移動ベースを前後に移動させるように前記電動式車輪を制御するように構成され、前記第1端が誘導端であるときに前記移動ベースは前方に移動し、前記第2端が誘導端であるときに前記移動ベースは後方に移動する。前記カメラは、前記コンソールに結合され、動作中の人間オペレータを検出し、前記移動ベースが前記人間オペレータに追従することを可能にするように構成されている。
【0006】
別の実施形態は、倉庫管理システムを提供する。この倉庫管理システムは、システムコントローラーと、ネットワークを介して前記システムコントローラーに接続された複数の無人搬送車(AGV)とを含む。前記AGVの少なくとも1つは、人間オペレータに追従するか又は人間オペレータを誘導することによって人間オペレータと相互作用するように構成されている。
【0007】
また別の実施形態は、無人搬送車(AGV)を操作する方法を提供する。前記方法は、前記AGVを自己ナビゲート/誘導モード又は追従モードで移動させ、前記AGVが自己ナビゲート/誘導モードで予め選択されたルートに従って移動し、前記AGVが前記AGV上のカメラの視線内の人間オペレータの後に移動することと、前記動作モードが前記自己ナビゲート/誘導モードから前記追従モードに切り替えられたとき、及び動作モードが前記追従モードから前記自己ナビゲート/誘導モードに切り替えられたときに、前記AGVの移動方向を切り替えることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による無人搬送車(AGV)の斜視図である。
図2図1のAGVの別の斜視図である。
図3図1のAGVの上面図である。
図4】コンソールの正面図を示す図1のAGVの部分図である。
図5図4のコンソールのディスプレースクリーンの図である。
図6】誘導モードでのAGVの模式図である。
図7】追従モードでのAGVの模式図である。
図8】人と相互作用するAGVの模式図である。
図9】本開示によるAGVの平面図である。
図10】本開示による倉庫システムの平面図である。
図11】パッケージの輸送にAGVを使用している倉庫の図である。
図12】衝突回避操作を示す倉庫通路の模式図である。
図13】衝突回避操作を示す倉庫通路の模式図である。
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合は、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態で開示された要素は、特定の列挙なしに他の実施形態で有益に利用され得ると見られている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、人間オペレータと対話することができ、動作中の衝突を回避することができる無人搬送車(AGV)を含む。本開示によるAGVは、移動ベースに結合されたコンソールを含む。移動ベースは、施設内の負荷を搬送しながら、所与の指示で移動することができる。コンソール及び移動ベースは、1つ又は複数のセンサー又はカメラを使用して、施設内において、ドッキング、自己駆動、及び/又は、搬送される負荷、固定具、及び人間オペレータとの相互作用を可能にする。AGVという用語が使用されているが、本開示の概念は、自律ナビゲート移動ロボット、慣性誘導ロボット、遠隔制御移動ロボット、及びレーザーターゲティング、ビジョンシステム、又はロードマップによって誘導されるロボットなどの任意の移動ロボットに適用することができる。
【0011】
図1~5は、本開示の一実施形態によるAGVを示す。図1は、一実施形態による無人搬送車(AGV)100の斜視図である。図2は、AGV100の別の斜視図である。図3は、AGV100の上面図である。図4は、AGV100のコンソールの部分図である。図5は、図4のコンソールの例示的なディスプレースクリーンのである。
【0012】
AGV100は、オペレータなしで自身を駆動するように適合されている。AGV100は、一般に、移動ベース102及びコンソール104を含む。移動ベース102は、後端103及び前端105を有する。AGV100は、前方または後方に移動することができる。本開示では、前方への移動は、前端105が誘導端であるときの状況を指し、後方への移動は、後端103が誘導端であるときの状況を指す。コンソール104は、上部138及び本体140を有する。コンソール104の本体140は、起立又は直立構成で移動ベース102の前端105に結合される。
【0013】
幾つかの実施形態では、AGV100は、後方に移動し、後端103を誘導端として方向101に沿って移動し、人間オペレータにコンソール104への容易なアクセスを提供する。コンソール104はディスプレー108を有する。ディスプレー108は、必要に応じて、外向き又は任意の向きを向くことができる。AGV100が、後端103を誘導端として方向101に沿って後方に移動している間、ディスプレー108は、後ろ向きであると見なされる。人間オペレータは、AGV100の後にある後ろ向きのディスプレー108にアクセスすることができるので、AGV100との衝突を回避することができる。ディスプレー108は、コマンド、施設のマップ、ルーティング情報、在庫情報、及び在庫保有者/在庫保管などに関連する情報を提供するための任意の適切なデバイスであり得る。幾つかの実施形態では、ディスプレー108は、人間オペレータからの入力を受信し、人間オペレータがAGV100の動作を制御することを可能にするタッチスクリーンである。AGV100の手動使用が望まれる場合、オペレータは、ディスプレー108を介して更新されたコマンドを入力することにより、AGV100の自動操作を無効にすることができる。図5は、人間オペレータがAGV100の動作モードを選択及び設定することができるディスプレー108のスクリーンショットを示す。
【0014】
AGV100は、AGV100の周囲の画像及び/又はビデオをキャプチャするための1つ又は複数のカメラをさらに含む。幾つかの実施形態では、AGV100は、ディスプレー108に隣接するコンソール104に配置されたカメラ134を含む。カメラ134は、AGV100の近くの画像及び/又はビデオをキャプチャするためにコンソール104に取り付けられ得る。カメラ134は、正しい人間オペレータに追従又は誘導するために、顔認識、身体認識、及びジェスチャ認識のようなターゲット認識のための人間オペレータの画像をキャプチャするように構成されている。幾つかの実施形態では、AGV100は、AGV100の他の側に画像及び/又はビデオをキャプチャするように構成されている追加のカメラを含む。例えば、AGV100は、ディスプレー108の反対側のコンソール104上に配置された1つ又は複数のカメラを含み得る。図2に示すように、AGV100は、コンソール104上に配置された2つのカメラ146、148を含む。幾つかの実施形態では、AGV100は、近くの物体の存在を検出し、及び/又は近くの物体からの距離を測定するように構成されている1つ又は複数のセンサーをさらに含む。例えば、1つ又は複数のセンサーは、移動ベース102上に置かれ得る。センサーは、近接センサー、ソナーセンサー、超音波センサー、赤外線センサー、レーダーセンサー、LiDAR、及びそれらの任意の組み合わせなど、近くの物体の存在を検出するように構成できる任意の適切なセンサーを含み得る。図1に示すように、AGV100は、移動ベース102の側に配置された複数の超音波センサー150を含む。AGV100は、例えば、移動ベース102のコーナーで移動ベース102上に配置された1つ又は複数のLiDARセンサー152をさらに含み得る。LiDARセンサー152は、パルスレーザー光でターゲットを照らし、ターゲットの反射パルスを測定して、ターゲットまでの距離を測定する。レーザーの戻り時間と波長の違いを使用して、ターゲットのデジタル3D表現を作成することができる。動作中、超音波センサー150及びLiDARセンサー152は、衝突を回避するために、人間オペレータ及び障害物との適切な距離を維持するために使用される。
【0015】
動作中、センサー又はカメラによって記録され、検出され、かつ/又は測定された情報の組み合わせは、近くの障害物を回避しながらAGV100を所定方向に自律的に移動させることに役立ちたせ、人間オペレータからのアイデンティティーと指示を検出し、かつ認識することによって人間オペレータとの相互作用を可能にし、器具および移動物体を検出し、かつ認識するため、並びにその他の適切なアクションのために使用される。
【0016】
AGV100は、AGV100の手動停止を可能にするように構成されている緊急停止ボタン142をさらに含む。一実施形態では、緊急停止ボタン142はコンソール104上に配置される。緊急停止ボタン142は、操作安全性を向上させるために外向きを向いている。
【0017】
移動ベース102は、複数の電動式車輪110及び複数の安定車輪112を有する。一実施形態では、移動ベース102は、2つの電動式車輪110及び4つの安定車輪112を有する。安定車輪112は、キャスター式車輪であってもよく、移動ベース102の4つのコーナーに配置されてもよい。電動式車輪110は、前安定車輪112と後安定車輪112の間に移動ベース102の下に配置されてもよい。電動式車輪110のそれぞれは、任意の所定方向に回転及び転がるように構成されている。例えば、電動式車輪110は、y軸の周りを回転し、x軸又はz軸に沿ってなど、任意の方向に沿って、そのアクセルスピンドルの周りで地面上を前後に転がることができる。電動式車輪110は、異なる速度で転がるように制御することができる。必要に応じて、安定車輪112のいずれか又はすべてを電動化することができる。
【0018】
移動ベース102は、倉庫内の在庫パッケージなどの負荷を支持するために使用することができる上面106を有する。幾つかの実施形態では、移動ベース102は、動作中に負荷が滑り落ちるのを防止するために、上面106の縁部から立ち上がった1つ又は複数のガードレール109を含む。
【0019】
AGV100は、AGV100の状態を示すように構成されている信号灯144をさらに含む。各信号灯144は、色及び/又は点滅パターンによってAGV100の状態を示すように構成されている。一実施形態では、AGV100は、移動ベース102の4つのコーナーに配置された4つの信号灯144を含む。幾つかの実施形態では、信号灯144はLED(発光ダイオード)LEDである。各信号灯144は、以下でより詳細に論じられるように、AGV100の複数の状態を示すための複数の色のLED灯を含み得る。
【0020】
本開示によるAGV100は、人間オペレータと相互作用し複数のモードで動作するように構成されている。人間オペレータは、ディスプレー108や緊急停止ボタン142などのコンソール104上のユーザインタフェースを使用すること、AGV100の視線内にあるときにジェスチャを使用すること、モバイルデバイスを使用すること、又は音声コマンドを使用することなどの他の適切な方法を含む複数のチャネルを介して、AGV100と相互作用することができる。AGV100は、信号灯144及びディスプレー108を使用して人間オペレータと通信して、現在の動作モード、状態を示し、及び/又は人間オペレータからのコマンドの認識及び受け入れを認めることができる。AGV100は、自己ナビゲートモード、誘導モード、追従モード、待ち受けモード、及び待機モードで動作することができる。動作モードは、AGV100と相互作用する人間オペレータによって選択され、又は倉庫管理システム(WMS)からのコントローラーなどのコントローラーによって指示されてもよい。幾つかの実施形態では、AGV100は、すべて又はほとんどの動作モードで人間オペレータと相互作用することができる。
【0021】
自己ナビゲートモード
【0022】
自己ナビゲートモードで、AGV100は独立して動作を行う。AGV100は、目的地、及び目的地に到着した後に実行されるタスクを知っている。
【0023】
幾つかの実施形態では、AGV100は、自己ナビゲートモードで後方に移動する。後方に移動することにより、人間オペレータは、移動中のAGV100の後ろに、コンソール104上のディスプレー108のタッチスクリーン、カメラ134、緊急停止ボタン142、又は他のユーザインタフェースコンポーネントと相互作用することができ、それによりAGV100との衝突を回避する。あるいは、AGV100は、適切な状況において、例えば、前端105を誘導端として移動するなど、自己ナビゲートモードで前方に移動することができる。
【0024】
誘導モード
【0025】
誘導モードで、AGV100は、1人又は複数の人間オペレータを誘導しながら、操作又は一連の操作を実行する。自己ナビゲートモードと同様に、AGV100は、目的地、及び目的地に到着した後に実行されるタスクを知っている。幾つかの実施形態では、AGV100は、誘導モードで後方に移動する。必要に応じて、AGV100は誘導モードで前方に移動してもよい。幾つかの実施形態では、AGV100は、誘導モードで動作しながら、移動速度を調整し、及び/又は人間オペレータを待つことができる。
【0026】
図6は、誘導モードでのAGV100の模式図である。AGV100は、システムコントローラーから、又はコンソール104などのユーザインタフェースからの指示を受信すると、誘導モードに切り替えることができる。AGV100が誘導モードに切り替えられると、AGV100は、コンソール104上のカメラ134など、1つ又は複数のカメラを使用して、誘導される人間オペレータを検索して識別し、その後、実行されるタスクに従って人間オペレータを目的地に誘導する。幾つかの実施形態では、人間オペレータは、顔の特徴、骨の構造、衣服の特徴、又はそれらの組み合わせによって識別することができる。AGV100が例えば追従モードでそれまで前方に移動していた場合、誘導モードに切り替えられた後に、AGV100は後方に移動するように変わる。
【0027】
幾つかの実施形態では、誘導モードに切り替えられたときに、AGV100は既にタスクに関連付けられている。AGV100は、人間オペレータが見て、人間オペレータがAGV100に追従するか否かを決定することを可能にするために、ディスプレー108上にタスク情報を表示してもよい。人間オペレータがAGV100に追従することを決定した場合、人間オペレータは、AGV100が進むことを可能にして、AGV100のパスに従う。図6に示すように、誘導モードの間、AGV100は後方に移動する。この場合、ディスプレー108及びカメラ134は、人間オペレータがディスプレー108上の内容を見ることができ、AGV100が人間オペレータを視線に保つことができるように、後方を向いている。人間オペレータがAGV100に追従せずに自分で目的地に向かうことを決定した場合、人間オペレータは、ディスプレー108上のタッチスクリーンを操作して、AGV100を誘導モードから自己ナビゲートモードに戻すように切り替えることができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、誘導モードでのAGV100によって実行されるタスクは、AGV100に追従している人間オペレータの専門によって確定される。例えば、異なる人間オペレータは、操作設定において異なるタスクに関連付けられ得る。異なるオペレータは、AGV100のための異なるタスク及び/又はルートに繋がる。AGV100が人間オペレータの画像をキャプチャした後、AGV100は、人間オペレータの画像をWMSサーバーに送信する。WMSサーバーは、画像内の人間オペレータを識別し、人間オペレータに関連付けられたタスク情報を取得し、次にタスク情報をAGV100に送信し、AGV100にタスクを実行するように指示する。タスク情報を受信した後、AGV100は、タスク情報をディスプレー108に表示し、人間オペレータをタスクに関連付けられた目的地に誘導することができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、図6に示すように、AGV100は誘導モードで後方に移動し、この場合、コンソール104は後方を向いている。後方を向いているコンソール104は、ディスプレー108のタッチスクリーン、カメラ134、緊急停止ボタン142、又は他のユーザインタフェースコンポーネントを介してAGV100と簡単に相互作用するように、AGV100に追従している人間オペレータに簡単なアクセスを提供する。
【0030】
追従モード
【0031】
追従モードで、AGV100は人間オペレータの後ろに移動する。AGV100は、コンソール104上のカメラ134が追従されている人間オペレータを向くように、追従モードで前方に移動する。前方に移動することによって、追従されている人間オペレータは、追従モードの間、コンソール104上のディスプレー108及び他のユーザインタフェースコンポーネントに容易にアクセスすることができる。AGV100は、人間オペレータに焦点を合わせ、移動速度を調整して、人間オペレータからの予め決められた距離を維持する。
【0032】
図7は、追従モードでのAGV100の模式図である。AGV100は、システムコントローラーから、又はコンソール102などのユーザインタフェースからの指示を受信すると、追従モードに切り替えることができる。AGV100が追従モードに切り替えられると、AGV100は、コンソール104上の前向きカメラ134など、1つ又は複数のカメラを使用して、追従される人間オペレータを検索して識別し、その後、前方に移動しながら、目的地へ人間オペレータに追従する。AGV100が例えば自己ナビゲートモード又は誘導モードでそれまで後方に移動していた場合、追従モードに切り替えられた後に、AGV100は前方に移動するように変わる。幾つかの実施形態では、人間オペレータは、顔の特徴、骨の構造、衣服の特徴、又はそれらの組み合わせによって識別することができる。
【0033】
状態表示
【0034】
本開示の実施形態によれば、AGV100は、信号灯144を使用して、環境中の人間オペレータ及び/又は他のAGVに対して、現在の状態を示すことができる。一実施形態では、4つの信号灯144は動作中に同期され、その結果、AGV100の状態を異なる側から見ることができる。幾つかの実施形態では、信号灯144は、異なる色を使用して異なる状態を示す。例えば、第1色は、AGV100が操作を実行して目的地に向かっていることを示し、第2色は、AGV100が目的地に到着して荷積みを待っていることを示し、第3色は、荷下ろしを待っていることを示す。信号灯144が単色灯である場合、異なる点滅パターンを使用して異なる状態を示すことができる。
【0035】
ジェスチャ制御
【0036】
幾つかの実施形態では、人間オペレータはジェスチャを使用してAGV100を制御することができる。例えば、人間オペレータは、移動中のAGVを停止するためにジェスチャを使用することができる。ジェスチャ制御により、タッチスクリーン又はユーザインタフェースコンポーネントが人間オペレータの届かないところにある場合、人間オペレータはAGVと相互作用することができる。
【0037】
図8は、人間オペレータがジェスチャを介してAGVと相互作用する模式図である。ジェスチャを介してAGV100を制御するために、人間オペレータ200は、カメラ134など、AGV100上のカメラの視線内にいる必要がある。カメラが人間オペレータ200をキャプチャしジェスチャを認識すると、AGV100は適切な行動をとる。幾つかの実施形態では、AGV100は、人間オペレータの全身画像(又はビデオ)をキャプチャし、四肢の相対位置を分析して、ジェスチャを抽出する。幾つかの実施形態では、AGV100は、ジェスチャを認識すると、指示信号を提供する。例えば、AGV100は、信号灯を使用して、ジェスチャが認識されること及び/又は行動が取られることを示すことができる。図8では、人間オペレータ200は、入ってくるAGV100の邪魔になる障害物202のそばに立っている。人間オペレータ200は、AGV100が停止するためのジェスチャを行う。AGV100上のカメラ134は、ジェスチャのある人間オペレータ200の画像をキャプチャし、画像を分析する。ジェスチャを認識した後、AGV100は、例えば、信号灯144を点滅させることにより、ジェスチャの検出を示す。幾つかの実施形態では、AGV100は、障害物202及び人間オペレータ200との衝突を回避するように停止する。別の実施形態では、AGV100は、経路変更又は迂回などの障害物回避行動をとる。幾つかの実施形態では、AGV100は、異なる信号及び/又は効果音を送信して、人間オペレータ200に、それが停止するか、又は回避行動をとるか否かを知らせることができる。
【0038】
図9は、一実施形態によるAGV100の動作ブロック図である。AGV100は、AGV100の動作を制御するように構成されているコントローラー160を含む。コントローラー160は、マップ情報、ルーティング情報、人間オペレータ情報、在庫情報など、操作を実行するためのデータを含む記憶装置162と通信している。コントローラー160はまた、AGV100の操作を制御するように構成されている幾つかのモジュールと通信している。幾つかの実施形態では、モジュールは、追従モジュール164、誘導モジュール166、自己ナビゲートモジュール168、衝突回避モジュール170、ジェスチャ解釈モジュール172、状態表示モジュール174、及びマップ更新モジュール176を含む。
【0039】
コントローラー160、モジュール、及び/又は記憶装置162に含まれるデータは、近接センサー、カメラ134から受信された情報、ユーザインタフェースコンポーネントからのユーザー入力、及び倉庫管理システムのためのコントローラーなどのシステムコントローラーからのユーザー入力に少なくとも部分的に基づいて、車輪110、112、信号灯144、及び/又はディスプレー108に表示される情報を制御するように構成されている。コントローラー160は、カメラ、近接センサー、記憶装置162におけるデータ、及び/又はモジュールのいずれかから受信又は検索された情報を分析し、それに応じて、電動式車輪110、112、信号灯144、及び/又はディスプレー108に表示される情報を含むAGV100の操作を制御するように構成されている。
【0040】
倉庫システム
【0041】
本開示によるAGVは、倉庫、病院、空港、及び自動パッケージ輸送を使用する可能性がある他の環境などの様々な動作システムにおけるパッケージキャリアとして使用することができる。図10は、本開示による複数のAGVを有する倉庫システム300の平面図である。倉庫システム300は、システムコントローラー302を含む。システムコントローラー302は、ネットワーク304を介して倉庫に配置された複数のAGV100と通信する。複数のAGV100は、倉庫内の人間オペレータ200と相互作用し得る。システムコントローラー302は、指示、及びオペレータ情報、在庫情報などの情報を複数のAGV100に送信する。AGV100は、キャプチャされた画像及びセンサー測定値をシステムコントローラー302に送信する。AGV100及び人間オペレータ200は、人間オペレータを作業現場に誘導すること、作業現場へ人間オペレータに追従すること、人間オペレータに荷積み/荷下ろしの必要を信号で知らせること、人間オペレータからのジェスチャに反応すること、及び他のAGVとの衝突を回避することなどの様々な操作を実行するために、直接相互作用するか、又は関与するシステムコントローラー302と相互作用する。
【0042】
図11は、パッケージの輸送にAGVを使用している倉庫400の図である。倉庫400は、受け取りステーション402、待機/充電エリア404、復元エリア406、ピッキング/パッキングステーション408、及び出荷ステーション410を含み得る。複数のAGV及び1つ又は複数の人間オペレータは一緒に倉庫400におけるパッケージを輸送及びプロセスする。図11は、AGV100a及びAGV100bによって実行される2つの例示的なタスクを模式的に示す。
【0043】
倉庫タスク例1
【0044】
AGV100aには、まず受け取りステーション402でパッケージが荷積みされる。パッケージの荷積みが完了すると、AGV100aは、図10のシステムコントローラー302などのシステムコントローラーから、パッケージを復元エリア406に輸送するように指示を受け取ることができる。幾つかの実施形態では、AGV100aは、自己ナビゲートモードでルート412を介して、受け取りステーション402から復元エリア406にパッケージを輸送する。ルート412は、記憶装置内のマップ情報に基づいて、システムコントローラーによって選出され得るか、又はAGV100aによって選択され得る。自己ナビゲートモードで、AGV100aは、後方に、即ち、後端103を誘導端として移動し得る。ルート412にある間、AGV100aの信号灯144は、AGV100aが自己ナビゲートモードにあり且つ動作を実行していることを示すように信号を送信する。
【0045】
復元エリア406に到着すると、AGV100aは、人間オペレータ200aと相互作用する。幾つかの実施形態では、AGV100aは、復元エリア406に到着すると停止してもよく、一方、信号灯144は、AGV100aが荷下ろしを待っていることを示す。人間オペレータ200aは、タッチスクリーンを介してAGV100aと相互作用するために、待っているAGV100aに至ることができる。幾つかの実施形態では、人間オペレータ200aは、ジェスチャを使用してAGV100aを停止させて、AGV100aとさらに相互作用することができる。人間オペレータ200aは、ディスプレー108上のタッチスクリーンを介してAGV100aを追従モードに設定する。AGV100aは、カメラ134を使用して人間オペレータ200aの画像をキャプチャし、人間オペレータ200aに追従する目的で、顔の特徴や骨の構造などの人間オペレータ200aの特徴を抽出する。人間オペレータ200aに追従するために、AGV100aは、前端105を誘導端として、コンソール104が人間オペレータ200aを向くように、向きを変えて前方に移動する。必要に応じて、AGV100aは、人間オペレータ200aに追従しながら後方に移動してもよい。ルート414にある間、AGV100aの信号灯144は、AGV100aが追従モードで動作を実行していることを示すように信号を送信する。
【0046】
AGV100aは、AGV100aが知らないルート414に沿って、人間オペレータ200aがパッケージを荷下ろしする場所まで人間オペレータ200aに追従する。幾つかの実施形態では、AGV100a及び人間オペレータ200aは、すべてのパッケージを荷下ろしするために2つ以上の停止を行うことができる。
【0047】
パッケージを荷下ろしした後、人間オペレータ200aは、AGV100aを自己ナビゲートモードに設定してもよい。AGV100aは、向きを変えて、ルート416に沿って待機/充電エリア404へ後方に移動する。ルート416は、記憶装置内のマップ情報に基づいて、システムコントローラーによって選出され得るか、又はAGV100aによって選択され得る。ルート416にある間、AGV100aの信号灯144は、AGV100aが自己ナビゲートモードにあり且つ負荷がないことを示すように信号を送信する。AGV100aは充電され、システムコントローラーからの更なる指示を待つ。
【0048】
あるいは、ルート414は誘導モードで実行されてもよい。例えば、人間オペレータ200aと相互作用すると、AGV100aは、人間オペレータ200aの画像をキャプチャし、画像を、図10のコントローラー302などのシステムコントローラーに送信する。システムコントローラーは、システムに記憶されている情報に従って画像に基づいて人間オペレータ200aを識別し、人間オペレータ200aの役割及びAGV100a上のパッケージに基づいて、タスク指示をAGV100aに送信する。AGV100aは、タスク情報を受信しディスプレー108に表示する。ディスプレー108上のタスク情報を見た後、人間オペレータ200aは、AGV100aに追従するか、又はAGV100aを誘導するかを決定し得る。人間オペレータ200aがAGV100aに追従することを決定する場合、人間オペレータ200aは、AGV100aを誘導モードに設定する。AGV100aは、タスク指示及び記憶されているマップ情報に従ってルート414を選択し、パッケージを荷下ろしするための場所に人間オペレータ200aを誘導する。ルート414にある間、AGV100aの信号灯144は、AGV100aが誘導モードにあり且つ負荷があることを示すように信号を送信する。
【0049】
倉庫タスク例2
【0050】
復元エリア406に行くように指示を受信すると、待機/充電ステーション404で待っているAGV100bは、自己ナビゲートモードで、ルート418を介して、待機/充電エリア404から復元エリア406に走行する。自己ナビゲートモードで、AGV100aは、後方に、即ち、後端103を誘導端として移動し得る。ルート418にある間、AGV100bの信号灯144は、AGV100aが自己ナビゲートモードにあり且つ負荷がないことを示すように信号を送信する。
【0051】
復元エリア406に到着すると、AGV100bは、人間オペレータ200bと相互作用する。幾つかの実施形態では、AGV100bは、復元エリア406に到着すると停止してもよく、一方、信号灯144は、AGV100bが荷積みを待っていることを示す。人間オペレータ200bは、タッチスクリーンを介してAGV100bと相互作用するために、待っているAGV100bに至ることができる。幾つかの実施形態では、人間オペレータ200bは、ジェスチャを使用してAGV100bを停止させて、AGV100bとさらに相互作用することができる。人間オペレータ200aは、ディスプレー108上のタッチスクリーンを介してAGV100bを追従モードに設定する。AGV100bは、カメラ134を使用して人間オペレータ200bの画像をキャプチャし、人間オペレータ200bに追従する目的で、顔の特徴や骨の構造などの人間オペレータ200bの特徴を抽出する。人間オペレータ200bに追従するために、AGV100bは、前端105を誘導端として、コンソール104が人間オペレータ200bを向くように、向きを変えて前方に移動する。ルート420にある間、AGV100bの信号灯144は、AGV100bが追従モードにあり且つ負荷がないことを示すように信号を送信する。
【0052】
AGV100bは、AGV100bが知らないルート420に沿って、人間オペレータ200bがパッケージをAGV100bに荷積みする場所まで人間オペレータ200bに追従する。幾つかの実施形態では、AGV100b及び人間オペレータ200bは、異なるパッケージを荷積みするために2つ以上の停止を行うことができる。
【0053】
パッケージを荷積みした後、人間オペレータ200bは、AGV100bを自己ナビゲートモードに設定してもよい。AGV100bは、向きを変えて、ルート422に沿ってピッキング・パッキングステーション408へ後方に移動する。ルート420は、記憶装置内のマップ情報に基づいて、AGV100bによって選択され得る。ルート422にある間、AGV100bの信号灯144は、AGV100bが自己ナビゲートモードにあり且つタスクを実行していることを示すように信号を送信する。AGV100bはピッキング・パッキングステーション408で荷下ろしされ、そこでパッケージが処理されて出荷ステーション410に送られ倉庫400を出る。
【0054】
あるいは、ルート420は誘導モードで実行されてもよい。例えば、人間オペレータ200bと相互作用すると、AGV100bは、人間オペレータ200bの画像をキャプチャし、画像を、図10のコントローラー302などのシステムコントローラーに送信する。システムコントローラーは、システムに記憶されている情報に従って画像に基づいて人間オペレータ200bを識別し、人間オペレータ200bの役割に基づいて、タスク指示をAGV100bに送信する。AGV100bは、タスク情報を受信してディスプレー108に表示する。ディスプレー108上のタスク情報を見た後、人間オペレータ200bは、AGV100bに追従するか、又はAGV100bを誘導するかを決定し得る。人間オペレータ200bがAGV100bに追従することを決定する場合、人間オペレータ200bは、AGV100bを誘導モードに設定する。AGV100bは、タスク指示及び記憶されているマップ情報に従ってルート420を選択し、パッケージを荷積みするための場所に人間オペレータ200bを誘導する。ルート420にある間、AGV100bの信号灯144は、AGV100bが誘導モードにあり且つ負荷がないことを示すように信号を送信する。
【0055】
倉庫環境においては、棚間のパスが狭い場合がある。本開示の実施形態は、AGV間及び/又はAGVと人間オペレータとの間の衝突を防止するためのメカニズムをさらに含む。本開示の一実施形態によれば、AGVの動作は、例えば、AGVが既知のルートに沿って移動しているか否か、AGVが負荷を搬送しているか否か、負荷の重量、AGVの速度、AGVに関連するタスクの緊急性、又はその他の関連要因などの様々な要因に基づいて、異なる優先度レベルで指定される。幾つかの実施形態では、図10のコントローラー302などのシステムコントローラーは、その時点でAGVに関連する様々な要因に基づいて、各AGVに常に優先度レベルを割り当てる。システムコントローラーは、移動中のすべてのAGVのリアルタイムの位置を監視し、2つのAGVが互いに交差しようとするときに、優先度の低いAGVを停止するように指示を送信する。様々な要因は組み合わせて使用され、様々な重みが付けられる。
【0056】
一実施形態では、負荷のあるAGVは、負荷のないAGVよりも優先度が高い。これは、荷積みされたAGVよりも空のAGVを停止させる方が簡単かつ効率的であるためである。さらに、荷積みされたAGVによる急激なブレークにより、パッケージが慣性で落下する可能性がある。幾つかの実施形態では、荷積みされた2つのAGVが互いに交差する場合、より重い負荷を有するAGVは、より軽い重量を有するAGVよりも高い優先度を有し得る。
【0057】
一実施形態では、自己ナビゲートモード又は誘導モードで移動しているAGVなど、予め選択されたルートを有するAGV、追従モードでのAGVなどの未知のルートを有するAGVよりも高い優先度を有する。これは、不明なルートを有するAGVの移動は予測不能であり、そのために回避することがより難しいためである。既知のルートに沿って移動するAGVと未知のルートに沿って移動するAGVの場合、衝突が発生しないように、未知のルートでAGVを停止させる方が安全である。
【0058】
衝突回避例1
【0059】
図12は、本開示の一実施形態による衝突回避操作を示す倉庫通路の模式図である。パッケージの負荷を有するAGV100cは、自己ナビゲートモードで既知のルートに沿って移動している。空のAGV100dは、不明なルートにおいて追従モードで人間オペレータの後ろに移動している。倉庫システムコントローラーは、負荷の存在とルートの予測可能性のために、AGV100dよりも高い優先度をAGV100cに割り当てる。AGV100cとAGV100dの両方が同じ倉庫通路で近接すると、システムコントローラーは、AGV100dを停止させるようにAGV100dに指示を送信する。自己ナビゲートモードで、AGV100cは、AGV100dが障害物であるように、移動しないAGV100dを回避して通過できる。AGV100cがAGV100dを通過した後、システムコントローラーは別の指示をAGV100dに送信して、その追従モードでの動作を再開する。
【0060】
衝突回避例2
【0061】
図13は、本開示の別の実施形態による衝突回避操作を示す倉庫通路の模式図である。パッケージの負荷を有するAGV100eは、自己ナビゲートモードで既知のルートに沿って移動している。負荷のない空のAGV100fは、自己ナビゲートモードで既知のルートに沿って移動している。倉庫システムコントローラーは、負荷の存在のために、AGV100fよりも高い優先度をAGV100eに割り当てる。AGV100eとAGV100fの両方が同じ交差点430で接近すると、システムコントローラーは、AGV100fを停止させるようにAGV100fに指示を送信する。AGV100eは、交差点430を通過するように進む。AGV100eが交差点430を通過した後、システムコントローラーは別の指示を100fに送信して、その動作を再開する。幾つかの実施形態では、システム内のAGVがシステムコントローラーを経由せずにピアツーピアプロトコルによって互いに通信できるように、指示が各AGVに事前にインストールされ得る。
【0062】
以上は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考え出すことができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13