IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 渡辺 博玲の特許一覧 ▶ 株式会社アペックスの特許一覧

特許7178063情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221117BHJP
   G06Q 50/14 20120101ALI20221117BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022077080
(22)【出願日】2022-05-09
【審査請求日】2022-05-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522182013
【氏名又は名称】渡辺 博玲
(73)【特許権者】
【識別番号】521125316
【氏名又は名称】株式会社アペックス
(74)【代理人】
【識別番号】100211719
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 和真
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博玲
(72)【発明者】
【氏名】沖野 幸一
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/171373(WO,A1)
【文献】特開2018-018183(JP,A)
【文献】特開2020-197891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理装置であって、
ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、
前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、
前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、
前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、
前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、
を実行する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記施設は、所定の地域に設定された複数のルートにおいて各ルートを巡回する巡回バスによってアクセス可能な施設であって、
前記制御部は、
前記交通情報として、前記イベントを体験可能な前記施設へアクセスする前記巡回バスに関する情報を取得し、
該交通情報と、前記ユーザの位置情報と、に基づいて、前記巡回バスによる前記施設への移動サービスに関する情報を前記移動支援情報として提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記巡回バスの運行費用を所定のスポンサー事業者に課金することを更に実行し、
前記スポンサー事業者の一つである前記施設の事業者に対して、前記ユーザへの該施設の紹介の対価として課金する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツの中から、前記イベントに関連する所定のタグが付けられた前記ユーザ生成コンテンツである第1コンテンツと、その投稿者のユーザ情報と、を取得することを更に実行し、
前記イベントを体験可能な前記施設への前記巡回バスによる移動サービスの案内を含んだ前記ユーザ生成コンテンツである第2コンテンツを生成し、該第2コンテンツを前記第1コンテンツに対する返答として投稿することで、前記移動支援情報を提供する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2コンテンツが返答として投稿された前記第1コンテンツを投稿した投稿者から前記イベントへの参加申込を取得した場合、該投稿者に対して該イベントの参加料金の割引のインセンティブを付与する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2ユーザIDに基づいて、該第2ユーザIDを使用する前記ユーザが前記巡回バスによる移動サービスを利用したときの乗車履歴情報を取得することと、
前記巡回バスの各運行ルートについて、利用者の乗降履歴情報に基づいて分析される該巡回バスによる移動サービスの利用目的を取得することと、を更に実行し、
前記乗車履歴情報に基づいて抽出される前記ユーザの行動パターンと、前記巡回バスの運行ルート毎の前記利用目的と、を照合することで、該ユーザの行動パターンと合致する利用目的を有する運行ルートを抽出し、該運行ルートを運行する前記巡回バスでアクセス可能な前記施設の前記イベントに基づいて形成されるコミュニティへの前記参加案内情報を通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理方法であって、
コンピュータが、
ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、
前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、
前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、
前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、
前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、
前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、
前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、
前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、
前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国のかつての高度経済成長期においては、都市化の進行によって都心の居住人口が減少する一方で、郊外の居住人口が増加するドーナツ化現象が生じていた。しかしながら、近年の人口減少期では、郊外に居住していた人々が都心回帰する逆ドーナツ化現象が進行し、郊外の商業施設、観光施設、娯楽施設などへの誘客が困難となり、郊外の地域経済が衰退していく傾向にある。
【0003】
一方、近年のネットワーク技術の発展によって、ウェブによる広告やイベント提供を用いた誘客が広まってきている。例えば、特許文献1には、ウェブユーザに最適化された電子サイト上のイベントを提供する技術が開示されている。この技術では、電子サイトに接続したユーザに対して、電子サイトで進行中のイベントのうち該ユーザの情報とマッチングされる商品が提供されるイベントが検索され、その情報が提供される。
【0004】
また、コンピュータを用いて、地域に関わるサービスと運輸に関わるサービスとを組み合わせて、所定の施設への誘客を図る技術も開発されている。例えば、特許文献2には、地域に関わるサービスと運輸に関わるサービスそれぞれが提供する特典を組み合わせた移動プランを提案する技術が開示されている。この技術では、複数種類の地域サービスプランおよび複数種類の運輸サービスプランのうち、双方のサービス特典の取得条件が成立可能なプランの組み合わせを、推奨移動プランとしてユーザに提示する。これにより、複数の事業者とユーザそれぞれに有利な移動プランが提供され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2009-533751号公報
【文献】特開2020-197891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
地域経済が衰退していく傾向にある昨今、地域の所定の施設(商業施設、観光施設、娯楽施設など)におけるユーザ体験を通して該施設への誘客を図ることが検討される。ここで、特許文献2に記載の技術によれば、例えば、施設の利用料に対する割引と該施設までの運輸の利用料に対する割引とを組み合わせて推奨プランを提示することで、地域の所定の施設への誘客を図ることができるようにも思われる。しかしながら、上記技術は、あくまで、サービス特典に基づいて推奨される地域の施設と該施設までの運輸を提案するものであって、その施設での出会いやつながり、楽しみといったユーザ体験を訴求するものではない。
【0007】
一方で、例えば、特許文献1に記載の技術のように、ウェブによる広告やイベント提供を用いた誘客も広がりをみせている。しかしながら、これは、あくまで、ウェブサイトにおけるイベントをウェブユーザに提供するものであって、地域の施設の現場におけるイベントにユーザを誘引するものではないため、イベントにおけるユーザ体験の効果が限定的になり易い。
【0008】
本開示の目的は、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の情報処理装置は、所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理装置である。そして、この情報処理装置は、ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、を実行する制御部を備える。
【0010】
上記の情報処理装置では、ユーザに対して、イベント情報及び移動支援情報が提供されることで、地域の所定の施設への誘客のための広告として捉えることができるイベント情報と、該施設への行動を促す移動支援情報と、がシームレスに提供されることになる。そうすると、イベント情報の提供によってなされた「行きたい、会いたい」といった動機付けが、移動支援によって「わくわく」といった楽しみの感情として育てられることになる。更に、ユーザに対して、イベントに基づいて形成されるコミュニティへの参加案内情報が通知されることで、該コミュニティへの参加者同士の繋がりが実現されることになる。このようなコミュニティでは、地域のイベントの実場面のみならずその前後でも楽しみの感情が育てられることになるため、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現することができる。また、このようなライフタイムバリューの高いユーザ体験により、地域の所定の施設に対するファンやリピーターを効果的に作り出すことができ、以て、地域経済の活性化が図られる。
【0011】
ここで、上記の情報処理装置において、前記施設は、所定の地域に設定された複数のルートにおいて各ルートを巡回する巡回バスによってアクセス可能な施設であってもよい。そして、前記制御部は、前記交通情報として、前記イベントを体験可能な前記施設へアクセスする前記巡回バスに関する情報を取得し、該交通情報と、前記ユーザの位置情報と、に基づいて、前記巡回バスによる前記施設への移動サービスに関する情報を前記移動支援情報として提供してもよい。この場合、前記制御部は、前記巡回バスの運行費用を所定のスポンサー事業者に課金することを更に実行し、前記スポンサー事業者の一つである前記施設の事業者に対して、前記ユーザへの該施設の紹介の対価として課金してもよい。これによれば、例えば、顧客ユーザは、巡回バスを無料で利用することができる。そうすると、移動支援情報に基づく移動サービスを顧客ユーザが利用し易くなり、地域の施設への行動が好適に促されることになる。
【0012】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツの中から、前記イベントに関連する所定のタグが付けられた前記ユーザ生成コンテンツである第1コンテンツと、その投稿者のユーザ情報と、を取得することを更に実行してもよい。そして、前記制御部は、前記イベントを体験可能な前記施設への前記巡回バスによる移動サービスの案内を含んだ前記ユーザ生成コンテンツである第2コンテンツを生成し、該第2コンテンツを前記第1コンテンツに対する返答として投稿することで、前記移動支援情報を提供してもよい。これによれば、顧客ユーザは、自身が使い慣れたサービスプラットフォームを介してタイムリーに、且つ自身の投稿に対する返答で直接的にイベント情報や移動支援情報を取得することができる。そのため、顧客ユーザの利便性が向上する。そして、この場合、前記制御部は、前記第2コンテンツが返答として投稿された前記第1コンテンツを投稿した投稿者から前記イベントへの参加申込を取得した場合、該投稿者に対して該イベントの参加料金の割引のインセンティブを付与してもよい。
【0013】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記第2ユーザIDに基づいて、該第2ユーザIDを使用する前記ユーザが前記巡回バスによる移動サービスを利用したときの乗車履歴情報を取得することと、前記巡回バスの各運行ルートについて、利用者の乗降履歴情報に基づいて分析される該巡回バスによる移動サービスの利用目的を取得することと、を更に実行してもよい。そして、前記制御部は、前記乗車履歴情報に基づいて抽出される前記ユーザの行動パターンと、前記巡回バスの運行ルート毎の前記利用目的と、を照合することで、該ユーザの行動パターンと合致する利用目的を有する運行ルートを抽出し、該運行ルートを運行する前記巡回バスでアクセス可能な前記施設の前記イベントに基づいて形成されるコミュニティへの前記参加案内情報を通知してもよい。これによれば、共通の目的や趣味を有するコミュニティへの参加者同士の情報交換が活発に行われるようになり、結果として、そのルート沿線のエリアが活性化するようになる。
【0014】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理方法であって、コンピュータが、ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、を実行する。
【0015】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理プログラムであって、コンピュータに、ユーザが前記施設において体験可能な所定のイベントに関するイベント情報を取得することと、前記イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、前記ユーザに対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだ所定のアプリケーションを介して、前記イベント情報、及び前記交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される移動支援情報を提供することと、前記ユーザに対して、前記イベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、前記アプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び前記移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び前記コミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における、情報処理システムに含まれるサーバの構成要素をより詳細に示すとともに、サーバと通信を行うユーザ端末の構成要素を示した図である。
図3】SNSを介して提供されるイベント情報および移動支援情報を説明するための図である。
図4】第1実施形態における情報処理システムの動作の流れを例示する図である。
図5】第2実施形態における第1コンテンツおよび第2コンテンツを説明するための図である。
図6】第3実施形態における乗車履歴情報および乗降履歴情報に基づいて分析される利用目的を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態における情報処理システムの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム100は、ネットワーク200と、サーバ300と、ユーザ端末400と、を含んで構成される。なお、本開示の情報処理システムは、所定の施設(地域における商業施設、観光施設、娯楽施設など)におけるユーザ体験を支援するシステムであって、これにより、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現するものである。また、このようなユーザ体験の支援がサーバ300によって実行される。
【0020】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0021】
サーバ300は、ネットワーク200を介して、ユーザ端末400と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、サーバ300は1台、ユーザ端末400は4台示してあるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0022】
サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0023】
また、サーバ300は、本実施形態に係る情報処理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、Paas(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0024】
ユーザ端末400は、情報処理システム100を利用するユーザ(後述する、施設事業者ユーザ、交通事業者ユーザや、顧客ユーザ)が保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0025】
次に、図2に基づいて、主にサーバ300の構成要素の詳細な説明を行う。図2は、第1実施形態における、情報処理システム100に含まれるサーバ300の構成要素をより詳細に示すとともに、サーバ300と通信を行うユーザ端末400の構成要素を示した図である。
【0026】
サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0027】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワーク200に接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、ユーザ端末400やその他の外部装置と通信可能に接続される。
【0028】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。また、記憶部302は、ユーザ端末400等から送信されたデータを記憶し、記憶部302には、後述する、ユーザ情報、イベント情報、交通情報、移動支援情報、参加案内情報、統一ユーザIDなどが記憶される。なお、サーバ300は、通信部301を介してユーザ端末400等から送信されたデータを取得する。
【0029】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、第1取得部3031と、第2取得部3032と、提供部3033と、通知部3034と、管理部3035と、の5つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0030】
第1取得部3031は、所定の施設におけるイベントに関するイベント情報を取得する。ここで、上記の施設とは、施設事業者ユーザが運営する、地域における商業施設、観光施設、娯楽施設などの施設である。そして、上記のイベントは、このような施設において顧客ユーザが体験可能なイベントであって、例えば、商業施設におけるフリーマーケットや展示会等の催し、観光施設における施設体験ツアー、娯楽施設における参加型スポーツイベント、またはこれら施設での定期イベント等である。このようなイベントに関するイベント情報(その内容や開催日時など)は、施設事業者ユーザのユーザ端末400から送信され得る。第1取得部3031は、施設事業者ユーザのユーザ端末400から送信されたこのような情報を取得することでイベント情報を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。
【0031】
ここで、本実施形態におけるユーザ端末400は、機能部として通信部401、入出力部402、記憶部403を有している。通信部401は、ユーザ端末400をネットワーク200に接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部402は、通信部401を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部401を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部である。記憶部403は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。
【0032】
入出力部402は、更に、表示部4021、操作入力部4022、画像・音声入出力部4023を有している。表示部4021は、各種情報を表示する機能を有し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。操作入力部4022は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有し、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。画像・音声入出力部4023は、静止画や動画等の画像の入力を受け付ける機能を有し、具体的には、Charged-Coupled Devices(CCD)、Metal-oxide-semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサを用いたカメラにより実現される。また、画像・音声入出力部4023は、音声の入出力を受け付ける機能を有し、具体的には、マイクやスピーカーにより実現される。
【0033】
施設事業者ユーザは、このように構成されたユーザ端末400を用いて、上記のイベント情報をサーバ300に送信することができる。ここで、サーバ300は、イベント情報を入力するためのインタフェースを施設事業者ユーザのユーザ端末400に提供してもよい。そうすると、施設事業者ユーザは、ユーザ端末400を介して上記のインタフェースに情報を入力することで、イベント情報をサーバ300に送信することができる。
【0034】
第2取得部3032は、上述したイベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得する。本実施形態では、第2取得部3032は、上記のイベントを体験可能な上記施設へアクセスする巡回バスに関する情報(運行ルート、運行スケジュール等を含んだ情報)を、交通情報として取得する。この場合、上記施設が所在する地域では、複数設定されたルートの夫々を巡回する巡回バスが運行されていて、該施設は、この巡回バスによってアクセス可能な場所に立地している。なお、本実施形態では、交通情報として巡回バスに関する情報を取得する例について説明するが、本開示の交通情報は、これに限定されない。
【0035】
そして、このような交通情報(上記のイベントを体験可能な施設へアクセスする巡回バスの運行ルートや運行スケジュール等)は、交通事業者ユーザのユーザ端末400から送信され得る。第2取得部3032は、交通事業者ユーザのユーザ端末400から送信されたこのような情報を取得することで交通情報を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。なお、第2取得部3032は、巡回バスの運行ルートや運行スケジュール等が格納された所定のデータベースにアクセスすることで、交通情報を取得してもよい。
【0036】
提供部3033は、顧客ユーザに対して、所定のアプリケーションを介して、上記のイベント情報および移動支援情報を提供する。ここで、移動支援情報とは、上述したイベント情報に紐づいたイベントを体験可能な施設への移動サービスに関する情報であって、本実施形態では、上述した巡回バスによる該施設への移動サービスに関する情報である。そして、この移動支援情報は、上記の交通情報と所定のユーザ情報とに基づいて生成される。情報処理システム100を利用する顧客ユーザは、予めユーザ登録することで自身の情報をサーバ300に登録していて、提供部3033は、例えば、顧客ユーザの住所(本開示におけるユーザの位置情報)、上記の施設の所在地、および巡回バスの運行ルートに基づいて、巡回バスによる該施設への移動サービスに関する情報を生成することができる。なお、提供部3033は、顧客ユーザの住所に代えて該ユーザの現在位置に基づいて、移動支援情報を生成してもよい。ユーザ端末400は、機能部としての位置情報取得部を更に有していて、この場合、サーバ300は、ユーザ端末400の位置情報取得部によって取得された現在位置を、ユーザ情報として取得することができる。この位置情報取得部は、ユーザ端末400の現在位置を取得する手段であり、典型的には、GPS衛星信号を受信して位置情報を求めるGPS(Global Positioning System)装置である。
【0037】
また、上記のアプリケーションは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るコンテンツを含んだアプリケーションである。ここで、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とは、LINE(登録商標)、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、Instagram(登録商標)などである。近年、このようなSNSが頻繁に利用されているため、顧客ユーザがSNSを介してイベント情報や移動支援情報を取得することができれば、該顧客ユーザにとって、自身が使い慣れたサービスプラットフォームを用いた情報の取得が可能になる。例えば、上記のアプリケーションとしてLINE(登録商標)が用いられる場合、顧客ユーザは、予め、ユーザ端末400にインストールされたLINE(登録商標)のアプリを用いてサーバ300が提供するアカウントを友だち追加することで、上記の情報を含んだメッセージを取得することができる。ここで、図3は、SNSを介して提供されるイベント情報および移動支援情報を説明するための図である。図3に例示する画面SC1は顧客ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、図3に例示する画面SC1には、サーバ300の提供部3033が送信するメッセージSC11が示される。そして、メッセージSC11には、イベント情報として、動物園でのふれあい体験が、移動支援情報として、巡回バスのルートや乗降停留所、所要時間等が示される。なお、例えば、Twitter(登録商標)やInstagram(登録商標)を介した情報伝達では、そのダイレクトメッセージ(DM)機能を用いることができる。
【0038】
そして、このような情報提供には、イベント情報だけでなく移動支援情報が含まれることで、地域経済の観点でみると、地域の所定の施設への誘客のための広告として捉えることができるイベント情報と、該施設への行動を促す移動支援情報と、がシームレスに提供されることになる。そうすると、イベント情報の提供によってなされた「行きたい、会いたい」といった動機付けが、移動支援によって「わくわく」といった楽しみの感情として育てられることになる。
【0039】
そして、通知部3034は、顧客ユーザに対して、所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知する。ここで、上記のコミュニティは、上述したイベントに基づいて形成されるものである。なお、通知部3034が実行する処理の詳細は、後述する図4に基づいて説明する。
【0040】
管理部3035は、上記のアプリケーションにログインするための第1ユーザID、及び上記の移動支援情報に基づく移動サービスを利用するための第2ユーザID、及び上記のコミュニティへ参加するための第3ユーザIDを、関連付けて統一して管理する。なお、管理部3035が実行する処理の詳細は、後述する図4に基づいて説明する。
【0041】
なお、制御部303が、第1取得部3031、第2取得部3032、提供部3033、通知部3034、および管理部3035の処理を実行することで、本開示に係る制御部として機能する。
【0042】
ここで、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れについて説明する。図4は、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れを例示する図である。図4では、本実施形態における情報処理システム100における各構成要素間の動作の流れ、および各構成要素が実行する処理を説明する。
【0043】
本実施形態では、先ず、顧客ユーザのユーザ端末400に、ユーザ情報が入力される(S101)。ここで、ユーザ情報は、顧客ユーザの住所、氏名、SNSのログインID(本開示の第1ユーザID)、巡回バスの利用者ID(本開示の第2ユーザID)等を含んだ情報であって、顧客ユーザは、所定のインタフェースを用いて、ユーザ情報をユーザ端末400に入力することができる。そして、ユーザ情報は、顧客ユーザのユーザ端末400からサーバ300に送信される。
【0044】
サーバ300は、顧客ユーザのユーザ端末400から送信されたユーザ情報を取得するとともに記憶部302に記憶させる(S102)。ここで、複数の顧客ユーザについて、各顧客ユーザからユーザ情報が送信され、サーバ300は、これらを取得することで複数のユーザ情報を取得する。
【0045】
そして、施設事業者ユーザのユーザ端末400に、イベント情報が入力される(S103)。ここで、イベント情報は、施設事業者ユーザが運営する施設において体験可能な所定のイベントに関する情報であって、施設事業者ユーザは、所定のインタフェースを用いて、イベント情報をユーザ端末400に入力することができる。そして、イベント情報は、施設事業者のユーザ端末400からサーバ300に送信される。
【0046】
サーバ300は、施設事業者ユーザのユーザ端末400から送信されたイベント情報を取得するとともに記憶部302に記憶させる(S104)。なお、サーバ300は、複数の施設事業者ユーザについて、各施設事業者ユーザからのイベント情報を取得することで、複数のイベント情報を取得することができる。
【0047】
更に、サーバ300は、交通事業者ユーザからの交通情報(S105)を取得する(S106)。ここで、交通情報は、上記のイベントに参加するための交通状況についての情報であって、サーバ300は、交通事業者ユーザのユーザ端末400から送信された交通情報を取得してもよいし、交通事業者ユーザのユーザ端末400の所定のデータベースにアクセスすることで交通情報を取得してもよい。
【0048】
そして、サーバ300は、S102の処理で取得したユーザ情報と、S106の処理で取得した交通情報と、に基づいて、移動支援情報を生成する(S107)。なお、移動支援情報については、上述したとおりであって、顧客ユーザの自宅から上記のイベント施設への巡回バスによる移動サービス情報であってもよいし、顧客ユーザの現在地から上記のイベント施設への巡回バスによる移動サービス情報であってもよい。そして、サーバ300は、S104の処理で取得したイベント情報、およびS107の処理で生成した移動支援情報を顧客ユーザのユーザ端末400に送信することで、これら情報を提供する(S108)。
【0049】
顧客ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信されたイベント情報および移動支援情報を取得する(S109)。そうすると、顧客ユーザは、イベント情報に基づくイベントへの参加申込をすることができる(S110)。この場合、顧客ユーザのユーザ端末400には、サーバ300から、上記のイベント情報および移動支援情報に加えて、上記イベントへの参加申込をするためのインタフェースが送信され得る。そして、このとき、顧客ユーザは、移動支援情報に基づく巡回バスによる移動サービスの予約申込を併せてすることができる。この場合、顧客ユーザのユーザ端末400には、サーバ300から、移動サービスの予約システムのインタフェースが送信され得る。なお、このような予約システムを介して、移動支援情報に基づく移動サービスを利用するためのID(例えば、巡回バスの利用者ID)が取得されてもよい。
【0050】
サーバ300は、顧客ユーザのユーザ端末400から送信された上記の参加申込に関する情報を取得する(S111)。そして、上記のイベントに基づいて形成される所定のコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を顧客ユーザのユーザ端末400に送信することで、参加案内情報を通知する(S112)。そうすると、顧客ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された参加案内情報を取得する(S113)。
【0051】
ここで、上記のコミュニティとは、例えば、イベントが開催される施設へアクセスするルートを運行する巡回バスの利用者を集めた既存のコミュニティであって、Twitter(登録商標)を用いたコミュニティ等である。サーバ300は、イベントへの参加申込をした顧客ユーザに対して、このようなコミュニティへの参加案内情報を通知することで、該コミュニティへの参加者の増加を促進させることができる。そうすると、上記コミュニティへの参加者同士の情報交換が活発に行われるようになり(例えば、その地域でのお勧めスポットの紹介や生活情報の共有等)、結果として、上記のルート沿線のエリアが活性化するようになる。つまり、地域経済の活性化が図られる。
【0052】
また、サーバ300は、複数の顧客ユーザから参加申込に関する情報を取得し、それに基づいて上記のコミュニティを形成してもよい。この場合のコミュニティとは、例えば、同一のグループで動物園でのふれあい体験ツアーに参加する複数の顧客ユーザからなるコミュニティである。そうすると、上記コミュニティへの参加者同士の繋がりが実現され、動物園でのふれあい体験ツアーの実場面のみならずその前後でも、このコミュニティにおいて、楽しみの感情が育てられることになる。これにより、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現することができる。また、このようなライフタイムバリューの高いユーザ体験により、地域の所定の施設に対するファンやリピーターを効果的に作り出すことができ、以て、地域経済の活性化が図られる。そして、顧客ユーザは、様々なイベントに参加するのに応じて多くのコミュニティで参加者同士の繋がりをもつことができ、これらで楽しみの感情が大きく育てられることになるため、顧客ユーザに対する更なるユーザ体験への参加を促進させることができる。
【0053】
このように、本開示によれば、地域の所定の施設への誘客のための広告として捉えることができるイベント情報と、該施設への行動を促す移動支援情報と、該施設での購買や消費を促進させる参加案内情報と、がシームレスに提供されることになる。そうすると、イベント情報の提供によってなされた「行きたい、会いたい」といった動機付けが、移動支援によって「わくわく」といった楽しみの感情として育てられ、更にコミュニティへの参加によって施設のファンが繋げられることになる。更に、これによれば、その地域の定住者だけでなく、その地域への来訪者に対しても、ライフタイムバリューの高いユーザ体験を提供することができ、結果として、来訪者のその地域への訪問が促進されることになる。つまり、その地域や該地域でのイベントのファンが育成されることで、来訪者がその地域へ高頻度で訪問することになる。そして、来訪者がその地域へ訪問する頻度が上がれば上がるほど、その地域の地域経済に参加する機会も増加することになるため、地域経済の活性化が図られることになる。
【0054】
更に、サーバ300は、第1ユーザID、第2ユーザID、および第3ユーザIDを関連付けて統一して管理する(S114)。ここで、第1ユーザIDは、上記のアプリケーションにログインするためのID(例えば、SNSのログインID)であって、第2ユーザIDは、上記の移動支援情報に基づく移動サービスを利用するためのID(例えば、巡回バスの利用者ID)であって、第3ユーザIDは、上記のコミュニティへ参加するためのIDである。
【0055】
サーバ300は、これらIDを記憶部302に記憶させ、顧客ユーザの氏名と紐づけて統一して管理してもよい。この場合、例えば、移動サービスの予約システムを介して取得された第2ユーザIDに、上記のアプリケーション(SNS)の履歴情報を紐づけることで、第1ユーザIDと第2ユーザIDとを関連付けることができる。同様にして、上記のコミュニティへ参加履歴情報を紐づけることで、これらIDと第3ユーザIDとを関連付けることができる。そして、このような紐づけは、顧客ユーザの氏名、メールアドレス、電話番号等で名寄せすることで実現され得る。または、例えば、オープンIDを用いたシステム連携により、1つの統一ID情報による認証(シングルサインオン)を可能にしてもよい。
【0056】
そして、このようにIDを関連付けて統一して管理することによれば、イベント情報と移動支援情報と参加案内情報とをシームレスに提供することができる。これにより、例えば、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験のためのインセンティブを付与し易くなる。
【0057】
なお、サーバ300は、巡回バスの運行費用を所定のスポンサー事業者に課金することを更に実行してもよい。この場合、サーバ300は、上記のスポンサー事業者の一つである上記施設の事業者に対して、顧客ユーザへの該施設の紹介の対価として課金することができる。
【0058】
また、サーバ300は、地域経済の活性化に共に取り組むパートナー事業者に対して、巡回バスの運行費用を課金することもできる。
【0059】
このような課金処理により、顧客ユーザは、巡回バスを無料で利用することができる。そうすると、移動支援情報に基づく移動サービスを顧客ユーザが利用し易くなり、地域の施設への行動が好適に促されることになる。
【0060】
以上に述べた情報処理システム100によれば、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる。
【0061】
<第2実施形態>
第2実施形態における情報処理システム100について、図5に基づいて説明する。本実施形態では、サーバ300は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に係るユーザ生成コンテンツの中から所定のコンテンツを取得する。
【0062】
詳しくは、サーバ300は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に係るユーザ生成コンテンツの中から、上記のイベントに関連する所定のタグが付けられたユーザ生成コンテンツである第1コンテンツと、その投稿者のユーザ情報と、を取得することを更に実行する。そして、このイベントを体験可能な施設への巡回バスによる移動サービスの案内を含んだユーザ生成コンテンツである第2コンテンツを生成し、該第2コンテンツを上記第1コンテンツに対する返答として投稿することで、移動支援情報を提供する。なお、本実施形態では、Twitter(登録商標)を用いた例について、以下に説明する。
【0063】
ここで、図5は、本実施形態における第1コンテンツおよび第2コンテンツを説明するための図である。本実施形態では、顧客ユーザのユーザ端末400において、Twitter(登録商標)に投稿するためのコンテンツが生成される。顧客ユーザは、ユーザ端末400に予めインストールされたTwitter(登録商標)のアプリを用いてユーザ生成コンテンツを生成し、それを、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを提供するSNSサーバに投稿することができる。図5(a)は上記の第1コンテンツを表す例であって、図5(a)に例示する画面SC2には、顧客ユーザによるツイートSC21、および該ツイートに含まれるタグ情報SC22が示される。図5(a)に示す例では、顧客ユーザが、動物園でのふれあい体験イベントへの興味をツイートしている。ここで、上記のタグ情報SC22は、上記のイベントに関連する情報を発信するための予め定められた任意の標識であって、顧客ユーザによって入力される。
【0064】
サーバ300は、SNSに係るユーザ生成コンテンツの中から、上述したようなタグが付けられたユーザ生成コンテンツを第1コンテンツとして取得する。ここで、サーバ300は、例えば、Twitter(登録商標)の各種データを取得するTwitter(登録商標) APIを用いて、第1コンテンツを取得することができる。このとき、サーバ300は、SNSサーバにアクセスし、該SNSサーバに格納されているユーザ生成コンテンツの中から上記のタグが含まれるコンテンツを第1コンテンツとして取得する。更に、サーバ300は、第1コンテンツの投稿者のユーザ情報を取得する。なお、このユーザ情報とは、第1コンテンツの投稿者のIDや、該第1コンテンツが投稿された位置情報に基づく該投稿者の現在位置に関する情報等である。
【0065】
そして、サーバ300は、第1コンテンツに含まれるイベントを体験可能な施設への巡回バスによる移動サービスの案内を含んだユーザ生成コンテンツである第2コンテンツを生成し、該第2コンテンツを上記第1コンテンツに対する返答としてSNSサーバに投稿する。なお、サーバ300は、例えば、Twitter(登録商標) APIを用いて、上記を自動で投稿することができる。
【0066】
図5(b)は上記の第2コンテンツを表す例であって、図5(b)に例示する画面SC2には、サーバ300により自動投稿された、イベント情報および移動支援情報を表すツイートSC23が示される。これにより、顧客ユーザに対して、イベント情報および移動支援情報を提供することができる。
【0067】
このような処理によれば、顧客ユーザは、自身が使い慣れたTwitter(登録商標)などのようなサービスプラットフォームを介してタイムリーに、且つ自身のツイートに対する返答で直接的にイベント情報や移動支援情報を取得することができる。そのため、顧客ユーザの利便性が向上する。更に、上記の第2コンテンツは、第1コンテンツを投稿した顧客ユーザをフォローしているフォロワー等のタイムラインに表示され得る。つまり、第2コンテンツが、第1コンテンツを投稿した顧客ユーザ以外の第三者にも閲覧可能に提供される。そして、このように第2コンテンツが拡散されることで、イベント情報や移動支援情報を広く周知させることができる。
【0068】
そして、本実施形態では、サーバ300は、第2コンテンツが返答として投稿された第1コンテンツの投稿者からイベントへの参加申込を取得した場合、該投稿者に対して該イベントの参加料金の割引のインセンティブを付与してもよい。これによれば、SNSを利用するユーザに対して、第1コンテンツを投稿する動機付けを行うことができるとともに、該第1コンテンツに対して返答される第2コンテンツを介して、イベントへの参加の動機付けを好適に行うことができる。
【0069】
以上に述べた情報処理システム100によっても、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる。
【0070】
<第3実施形態>
第3実施形態における情報処理システム100について、図6に基づいて説明する。本実施形態では、サーバ300は、第2ユーザIDに基づいて、該第2ユーザIDを使用する顧客ユーザが巡回バスによる移動サービスを利用したときの乗車履歴情報を取得することと、巡回バスの各運行ルートについて、利用者の乗降履歴情報に基づいて分析される該巡回バスによる移動サービスの利用目的を取得することと、を更に実行する。なお、ここでの第2ユーザIDは、巡回バスの利用者IDであって、顧客ユーザが、例えば、巡回バスの乗降時に該巡回バスに設けられた端末でID認証を行うことで、サーバ300は、上記の乗車履歴情報を取得することができる。
【0071】
図6は、本実施形態における乗車履歴情報および乗降履歴情報に基づいて分析される利用目的を説明するための図である。そして、図6(a)には、任意の顧客ユーザの乗車履歴情報を例示していて、図6(b)には、巡回バスの3つの運行ルートについて、利用者の乗降履歴情報とそれに基づいて分析される該巡回バスによる移動サービスの利用目的を例示している。
【0072】
ここで、図6(a)に例示する顧客ユーザは、約1週間毎に環状線ルートの巡回バスに乗車して健康ランドに通っていることがわかる。そうすると、サーバ300は、この乗車履歴情報に基づいて、図6(a)に例示する顧客ユーザの行動パターンとして、健康維持のための行動パターンを抽出する。
【0073】
また、図6(b)によると、巡回バスの各運行ルートの1日の平均乗降者数が多い上位3施設について、環状線ルートでは、駅、役所、動物園の順となっていて、東西線ルートでは、駅、デパート、レストランの順となっていて、南北線ルートでは、駅、温泉、公園の順となっていることがわかる。なお、本実施形態では、巡回バスの各運行ルートの起点が駅となっている。そのため、サーバ300は、上記の利用目的の分析にあたって、駅を除外した場合の1日の平均乗降者数が最も多い施設を、巡回バスの各運行ルートにおける利用者の主な利用目的として取得する。そうすると、環状線ルートの利用者の主な利用目的は役所となり、東西線ルートの利用者の主な利用目的はデパートとなり、南北線ルートの利用者の主な利用目的は温泉となる。
【0074】
そして、サーバ300は、乗車履歴情報に基づいて抽出される顧客ユーザの行動パターンと、巡回バスの運行ルート毎の利用目的と、を照合することで、該顧客ユーザの行動パターンと合致する利用目的を有する運行ルートを抽出する。図6に示す例では、顧客ユーザの健康維持のための行動パターンに合致する温泉(温泉により健康が促進され得る)という主な利用目的を有する南北線ルートが抽出されることになる。
【0075】
更に、サーバ300は、上記の顧客ユーザに対して、抽出された運行ルートを運行する巡回バスでアクセス可能な施設のイベントに基づいて形成されるコミュニティへの参加案内情報を通知する。本実施形態では、上記の顧客ユーザに対して、南北線ルートを運行する巡回バスでアクセス可能な温泉の利用者を集めたコミュニティへの参加案内情報が通知される。つまり、健康維持という共通の目的や趣味に基づいて、普段は環状線ルートを運行する巡回バスを利用している顧客ユーザに対して、南北線ルートを運行する巡回バスに関するコミュニティへの参加案内が促される。
【0076】
これによれば、共通の目的や趣味を有するコミュニティへの参加者同士の情報交換が活発に行われるようになり、結果として、そのルート沿線のエリアが活性化するようになる。つまり、地域経済の活性化が図られる。
【0077】
そして、本実施形態に係る情報処理システム100によっても、地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる。
【0078】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0079】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、第1取得部3031や第2取得部3032をサーバ300とは別の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別の演算処理装置はサーバ300と好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0080】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0081】
100・・・情報処理システム
200・・・ネットワーク
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
400・・・ユーザ端末
【要約】
【課題】地域におけるライフタイムバリューの高いユーザ体験を実現し、以て、地域経済を活性化させることができる技術を提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、所定の施設におけるユーザ体験を支援する情報処理装置である。この情報処理装置は、ユーザが施設において体験可能なイベント情報を取得することと、イベントに参加するための交通状況についての交通情報を取得することと、ユーザに対して、SNSに係るコンテンツを含んだ情報伝達手段を介して、イベント情報及び移動支援情報を提供することと、ユーザに対して、イベントに基づいて形成されるコミュニティへの参加に関する案内を含んだ参加案内情報を通知することと、これらのために用いられる複数のIDを関連付けて統一して管理することと、を実行する制御部を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6