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特許7178235制御方法、情報処理装置、管理システム、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】制御方法、情報処理装置、管理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20221117BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B65/00 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018204076
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2019167808
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/647,197
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 文明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 英宗
(72)【発明者】
【氏名】添田 純一郎
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-086912(JP,A)
【文献】特開2003-278421(JP,A)
【文献】特開2010-176605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0007131(US,A1)
【文献】GMOインターネット株式会社,GMOインターネットグループ、セゾン情報システムズ、パルコが共同でブロックチェーンとIoTを活用した実証実験の第二弾を実施,2017年06月21日,〈URL:https://cloud.z.com/jp/news-ep/iot2/〉
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
G06F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法であって、
前記分散台帳に格納されたコードをコンピュータにより実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、
前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、
前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する
制御方法。
【請求項2】
さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器に含まれる格納器の削除の要求を受けた場合に、前記1以上の第二スマートコントラクトのうちの前記削除の対象である前記格納器に対応する第二スマートコントラクトを前記管理の対象から除外する
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器に新たな格納器の追加の要求を受けた場合に、前記新たな格納器に対応する第二スマートコントラクトを前記管理の対象に追加する
請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器が利用されているか否かについての問い合わせを受けた場合に、前記問い合わせに対する回答情報を生成し、生成した前記回答情報を送信する
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項5】
さらに、前記第一スマートコントラクトが、
前記1以上の格納器が利用されているか否かを示す利用情報を管理しており、
前記1以上の格納器のうちの一の格納器の利用の要求を受けた場合に、前記利用情報を参照して、
(a)前記一の格納器が利用されている場合には、前記要求を拒否し、
(b)前記一の格納器が利用されていない場合には、前記要求を許可する
請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記(b)における前記一の格納器が利用されていない場合、前記利用についての課金処理が完了したときに限り、前記要求を許可する
請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
さらに、前記第一スマートコントラクトが、
前記1以上の格納器のうちの一の格納器が有する機能についての問い合わせを受けた場合に、前記1以上の第二スマートコントラクトのうち当該一の格納器に対応する一の第二スマートコントラクトに前記問い合わせを転送し、
前記一の第二スマートコントラクトから得られる回答情報を、前記問い合わせに対する回答として送信する
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記第一スマートコントラクトが第二スマートコントラクトを新たに管理の対象とする場合には、前記第一スマートコントラクトを動作させているコンピュータのメモリに第二スマートコントラクトのアドレスを追加的に記憶させ、
前記第一スマートコントラクトが第二スマートコントラクトを管理の対象から除外する場合には、前記第一スマートコントラクトを動作させているコンピュータのメモリから第二スマートコントラクトのアドレスを削除する
請求項1~7のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記第一スマートコントラクトを動作させることは、1以上の前記第一スマートコントラクトを動作させることを含み、
さらに、1以上の前記第一スマートコントラクトを管理し得る第三スマートコントラクトとを動作させ、
前記第三スマートコントラクトが、1以上の前記第一スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する
請求項1~8のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項10】
物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う、複数の情報処理装置のうちの一の情報処理装置であって、
プロセッサと、
メモリと、
コードが格納された前記分散台帳が記憶されている記憶装置とを備え、
前記プロセッサは、前記分散台帳に格納されたコードを前記メモリを用いて実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、
前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、
前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する
情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置を含む前記複数の情報処理装置と、
前記複数の情報処理装置によって前記分散台帳を用いて前記解施錠制御がなされる前記1以上の格納器とを備える
管理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御方法、情報処理装置、管理システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配ボックスのような、物品が格納される格納器の解錠又は施錠である解施錠をブロックチェーンを用いて管理する技術が開示されている(非特許文献1参照)。格納器の解施錠の管理には、ブロックチェーンを用いたスマートコントラクトが用いられ得る。
【0003】
ここで、格納器には、単に物品が格納されるだけでなく、温度調節機能などを有するものもある。また、さまざまな格納器を複数備える格納器システムも存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】GMOインターネット株式会社、“GMOインターネットグループ、セゾン情報システムズ、パルコが共同でブロックチェーンとIoTを活用した実証実験の第二弾を実施”、[online]、平成29年6月21日、[平成30年10月25日検索]、インターネット〈URL:https://cloud.z.com/jp/news-ep/iot2/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、格納器システムが備える格納器の個数の増減、又は、格納器が有する機能の変更のような、格納器システムの構成の変更があった場合に、格納器システム全体を停止しなければならないという問題がある。格納器システム全体を停止すると、格納器システム全体の持続的な運用に支障が生ずる。
【0006】
そこで、本発明は、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる制御方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る制御方法は、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法であって、前記分散台帳に格納されたコードをコンピュータにより実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の制御方法などによれば、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態における管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態におけるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態におけるサーバの機能の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態における格納器システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態における格納器システムの利用情報の説明図である。
図6図6は、実施の形態におけるアドレステーブルを示す説明図である。
図7図7は、実施の形態における機能情報の説明図である。
図8図8は、実施の形態における格納器システムにおける格納器の増設及び減設の説明図である。
図9図9は、実施の形態における格納器システムにおける格納器の増設の際の処理を示すシーケンス図である。
図10図10は、実施の形態における格納器システムにおける格納器の減設の際の処理を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施の形態における格納器の利用の際の処理を示す第一のシーケンス図である。
図12図12は、実施の形態における格納器の利用の際の処理を示す第二のシーケンス図である。
図13図13は、実施の形態の変形例1における管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図14図14は、実施の形態の変形例1におけるサーバの機能の構成を示すブロック図である。
図15図15は、実施の形態の変形例1における格納器システムの利用情報の説明図である。
図16図16は、実施の形態の変形例2における制御方法を示すフロー図である。
図17図17は、実施の形態の変形例2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明の一態様に係る制御方法は、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法であって、前記分散台帳に格納されたコードをコンピュータにより実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する。
【0012】
上記態様によれば、格納器システムが第一及び第二スマートコントラクトにより制御される。そして、格納器システムが備える格納器の増設、減設、又は、機能変更などの変更があった場合、その変更に係る第二スマートコントラクトの動作を停止するだけでよく、言い換えれば、第一スマートコントラクト、及び、変更に関与しない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。仮に単一のスマートコントラクトによって格納器システムを制御するとすれば、格納器の増設などの際にスマートコントラクトの動作を停止しなければならず、格納器システムの運用に支障が生ずる。本発明の一態様に係る制御方法によれば、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0013】
例えば、さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器に含まれる格納器の削除の要求を受けた場合に、前記1以上の第二スマートコントラクトのうちの前記削除の対象である前記格納器に対応する第二スマートコントラクトを前記管理の対象から除外してもよい。
【0014】
上記態様によれば、格納器の減設の際には、第一スマートコントラクトがその減設の対象である格納器に対応する第二スマートコントラクトを管理の対象から除外する。よって、格納器の減設の際に、第一スマートコントラクト、及び、減設の対象でない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0015】
例えば、さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器に新たな格納器の追加の要求を受けた場合に、前記新たな格納器に対応する第二スマートコントラクトを前記管理の対象に追加してもよい。
【0016】
上記態様によれば、格納器の増設の際には、第一スマートコントラクトがその増設の対象である格納器に対応する第二スマートコントラクトを管理の対象に追加する。よって、格納器の増設の際に、第一スマートコントラクト、及び、すでに動作している第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0017】
例えば、さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器が利用されているか否かについての問い合わせを受けた場合に、前記問い合わせに対する回答情報を生成し、生成した前記回答情報を送信してもよい。
【0018】
上記態様によれば、格納器の利用の問い合わせに対して第一スマートコントラクトが回答情報を提供する。よって、格納器システムの構成の変更があっても、格納器の利用の問い合わせに対応することができる。
【0019】
例えば、さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器が利用されているか否かを示す利用情報を管理しており、前記1以上の格納器のうちの一の格納器の利用の要求を受けた場合に、前記利用情報を参照して、(a)前記一の格納器が利用されている場合には、前記要求を拒否し、(b)前記一の格納器が利用されていない場合には、前記要求を許可してもよい。
【0020】
上記態様によれば、格納器が利用されたいないときに当該格納器の利用を許可するように格納器を管理することができる。これにより、格納器を複数の利用者が利用するなどの不都合を回避することができる。
【0021】
例えば、前記(b)における前記一の格納器が利用されていない場合、前記利用についての課金処理が完了したときに限り、前記要求を許可してもよい。
【0022】
上記態様によれば、格納器の利用に係る料金などの課金処理が完了したときに限り格納器を利用できるように管理することができる。
【0023】
例えば、さらに、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の格納器のうちの一の格納器が有する機能についての問い合わせを受けた場合に、前記1以上の第二スマートコントラクトのうち当該一の格納器に対応する一の第二スマートコントラクトに前記問い合わせを転送し、前記一の第二スマートコントラクトから得られる回答情報を、前記問い合わせに対する回答として送信してもよい。
【0024】
上記態様によれば、格納器ごとの機能についての問い合わせがなされた場合に、問い合わせの対象である格納器に対応するスマートコントラクトにその問合せに対応させる。格納器ごとに異なる情報を、その格納器に対応する第二スマートコントラクトで管理するようにすることで、第一スマートコントラクトの機能追加を極力しないで済むように構成している。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0025】
例えば、前記第一スマートコントラクトが第二スマートコントラクトを新たに管理の対象とする場合には、前記第一スマートコントラクトを動作させているコンピュータのメモリに第二スマートコントラクトのアドレスを追加的に記憶させ、前記第一スマートコントラクトが第二スマートコントラクトを管理の対象から除外する場合には、前記第一スマートコントラクトを動作させているコンピュータのメモリから第二スマートコントラクトのアドレスを削除してもよい。
【0026】
上記態様によれば、コンピュータがメモリに第二スマートコントラクトのアドレスを格納しているか否かに基づいては、第二スマートコントラクトを管理の対象とするか否かが制御される。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる構成を、より容易に構築することができる。
【0027】
例えば、前記第一スマートコントラクトを動作させることは、1以上の前記第一スマートコントラクトを動作させることを含み、さらに、1以上の前記第一スマートコントラクトを管理し得る第三スマートコントラクトとを動作させ、前記第三スマートコントラクトが、1以上の前記第一スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御してもよい。
【0028】
上記態様によれば、格納器システムが第一、第二及び第三スマートコントラクトにより制御される。そして、格納器システムが備える格納器の増設、減設、又は、機能変更などの変更があった場合、その変更に係る第二スマートコントラクトの動作を停止するだけでよく、言い換えれば、第一及び第三スマートコントラクト、及び、変更に関与しない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。さらに、第三スマートコントラクトが第一スマートコントラクトを管理の対象とするか否かを制御するので、複数の第一スマートコントラクトをより容易に制御し得る。
【0029】
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う、複数の情報処理装置のうちの一の情報処理装置であって、プロセッサと、メモリと、コードが格納された前記分散台帳が記憶されている記憶装置とを備え、前記プロセッサは、前記分散台帳に格納されたコードを前記メモリを用いて実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する。
【0030】
これにより、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0031】
また、本発明の一態様に係る管理システムは、上記の情報処理装置を含む前記複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置によって前記分散台帳を用いて前記解施錠制御がなされる前記1以上の格納器とを備える。
【0032】
これにより、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0033】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、上記の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0034】
これにより、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0035】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0036】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0038】
(実施の形態)
本実施の形態において、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる制御方法などについて説明する。本実施の形態に係る制御方法は、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法である。なお、格納器は、例えば、宅配ボックス又はコインロッカーなどである。
【0039】
図1は、本実施の形態における管理システム1の構成を示すブロック図である。
【0040】
図1に示されるように、管理システム1は、サーバ10A、10B、・・・、10Eと、管理装置20と、端末21及び22と、格納器システム30とを備える。なお、サーバ10A、10B、・・・、10Eを「サーバ10A等」ともいい、サーバ10A等のそれぞれを「サーバ10」ともいう。
【0041】
管理システム1は、格納器31を利用してユーザU1からユーザU2に物品5を渡す場合に、格納器31の解施錠を管理するシステムである。例えば、格納器31が宅配ボックスであり、管理システム1が1以上の宅配ボックスの解施錠を管理する場合を想定して説明する。例えば、宅配業者を経由して受取人が物品5を受け取る場合、ユーザU1が宅配業者に相当し、ユーザU2が受取人に相当する。
【0042】
サーバ10A等それぞれは、格納器システム30が有する格納器31の解錠又は施錠をコンピュータ上で分散台帳によって管理する情報処理装置であるサーバ装置である。サーバ10A等それぞれは、解錠又は施錠の管理のための台帳を保有しており、自装置が保有している台帳と、他のサーバ10A等が保有している台帳との同期をとりながら台帳を更新している。分散台帳は、記録されている情報の改ざんが困難である利点がある。分散台帳は、ブロックチェーン、IOTA又はハッシュグラフなど公知の技術により実現され得る。
【0043】
サーバ10A等が保有している台帳には、格納器31が解錠状態であるか、または、施錠状態であるかを示す情報、及び、格納器31の管理をするためのプログラムコードであるコントラクトコードが格納されている。サーバ10A等は、コントラクトコードを実行することで動作する機能であるスマートコントラクトにより、格納器31の解錠又は施錠を管理している。サーバ10A等は、ネットワークNを介して端末21及び22、並びに格納器システム30と通信可能に接続されている。サーバ10A等は互いに通信できるようにネットワークMで接続されている。なお、ネットワークMは、ネットワークNと接続されていてもよいし、ネットワークNであってもよい。
【0044】
管理装置20は、格納器システム30及び格納器31の管理をコンピュータにより行う装置である。管理装置20は、増設又は減設の際にサーバ10A等が管理している台帳を更新する。管理装置20は、例えば格納器システム30の管理者による操作に基づいて、台帳の情報を更新する。
【0045】
端末21及び22は、格納器31の解錠又は施錠のための操作をユーザから受け、その操作に係る情報をサーバ10Aなどに送信する情報処理端末である。ここでは、端末21は、物品5を渡すユーザU1が保有する端末であるとし、端末22は、物品5を受け取るユーザU2が保有する端末であるとする。端末21及び22は、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどである。
【0046】
格納器システム30は、1以上の格納器31を備えるシステムである。格納器システム30が備える1以上の格納器31それぞれは、ユーザU1からユーザU2に物品5が渡されるときに用いられる、物品5の一時的な格納場所である。一時に格納器31の解施錠をすることができる権限を有する者は所定の人数に限定されることが想定される。所定の人数は、例えば1人であり、この場合を例として説明するが、所定の人数は1人に限られない。
【0047】
格納器31は、物品5を収容する収容室を少なくとも有する。格納器31は、さらに収容室の温度を調整する温度調節機能を有していてもよいし、解錠又は施錠の際に音、光、におい又は煙を出力するなどの演出効果を発揮する演出機能を有していてもよい。格納器31の解錠又は施錠の制御、温度調節機能の制御、及び、演出機能の制御は、サーバ10A等で動作するスマートコントラクトによりなされる。
【0048】
格納器31は、ユーザU1による操作に基づいて解錠され、ユーザU1により物品5が格納された後に施錠される。その後、ユーザU2による操作に基づいて解錠され、ユーザU2により物品5が搬出される。
【0049】
図2は、本実施の形態におけるサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。図3は、本実施の形態におけるサーバ10の機能の構成を示すブロック図である。ここで、サーバ10は、図1に示されるサーバ10A等それぞれに相当する。
【0050】
図2に示されるように、サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、通信部13と、台帳記憶部14とを備える。
【0051】
プロセッサ11は、メモリ12を用いてプログラムを実行するプロセッサである。プロセッサ11は、台帳記憶部14に記憶されているコントラクトコードC1及びC2を実行することで、それぞれスマートコントラクトS1及びS2を動作させる(図3参照)。また、プロセッサ11は、所定のプログラムを実行することで、サーバ10が備えるその他の機能を実現する。
【0052】
メモリ12は、プロセッサ11がプログラムを実行するときに使用されるワークエリアである。
【0053】
通信部13は、他の装置と通信可能に接続される通信インタフェース装置である。通信部13は、ネットワークN及びMに直接的又は間接的に接続され、ネットワークN及びMを介して、他のサーバ10、端末21及び22、格納器システム30と通信可能である。
【0054】
台帳記憶部14は、格納器31の解錠又は施錠を管理するための台帳を記憶している記憶装置である。台帳記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などにより実現される。
【0055】
台帳記憶部14は、解施錠履歴15と、コントラクトコードC1及びC2とを記憶している。解施錠履歴15は、格納器31の解錠及び施錠の履歴、及び、鍵の保有者の履歴である。コントラクトコードC1及びC2は、それぞれ、スマートコントラクトS1及びS2を動作させるためのプログラムコードである。
【0056】
次に、サーバ10の機能について説明する。
【0057】
図3に示されるように、サーバ10は、同期部17と、スマートコントラクトS1と、スマートコントラクトS2とを備える。サーバ10は、1以上のスマートコントラクトS2を管理し得る1つのスマートコントラクトS1を動作させており、また、格納器31と1対1に対応するスマートコントラクトS2を動作させている。言い換えれば、サーバ10は、階層構成よりなるスマートコントラクトS1及びS2により格納器システム30を制御する。
【0058】
同期部17は、サーバ10間で台帳記憶部14の同期をとる処理部である。同期部17は、プロセッサ11が、所定のプログラムを実行することで実現され得る。
【0059】
同期部17は、台帳記憶部14に記憶すべき情報について、所定時間間隔でコンセンサスアルゴリズムに基づいて他のサーバ10との間で合意形成を試みる。そして、同期部17は、合意形成に成功した場合に新たな情報を台帳記憶部14に記憶する。コンセンサスアルゴリズムには、POW(Proof Of Work)、POS(Proof Of Stake)、又は、PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)など、従来提案されているものが適用され得る。
【0060】
スマートコントラクトS1は、システム管理部101と、個別制御部103と、受付部105とを備える。スマートコントラクトS1は、格納器システム30全体を管理しており、格納器31の増減設などがなされる場合にも動作をし続けることが想定される。スマートコントラクトS1は、1以上のスマートコントラクトS2それぞれを管理の対象とするか否かを制御している。スマートコントラクトS1は、第一スマートコントラクトに相当する。
【0061】
システム管理部101は、格納器システム30の識別情報及び所在地などの属性情報、格納器システム30に含まれる格納器31それぞれが利用されているか否かを示す利用情報102を管理している。そして、システム管理部101は、格納器システム30の属性情報及び利用情報102などの問い合わせを端末21等から受けた場合に、管理している属性情報及び利用情報102に基づいて回答情報を生成し、端末21等に送信する。また、システム管理部101は、格納器31それぞれを利用する旨の要求を端末21などから受け、利用情報102を更新する。
【0062】
具体的には、システム管理部101は、格納器31が利用されているか否かについての問い合わせを端末21から受けた場合に、問い合わせに対する回答情報を生成し、生成した回答情報を端末21に送信する。ここで、システム管理部101は、格納器31の利用の要求を受けた場合に、利用情報102を参照して、要求に係る格納器31が利用されている場合には要求を拒否し、要求に係る格納器31が利用されていない場合には、要求を許可する。なお、システム管理部101は、要求に係る格納器31が利用されていない場合、新たな利用についての課金処理が完了したときに限り、要求を許可するようにしてもよい。
【0063】
個別制御部103は、格納器システム30が備える格納器31それぞれを管理の対象とするか否かを制御する処理部である。個別制御部103は、メモリ12上にアドレステーブル104を保有している。アドレステーブル104には、個別制御部103が管理の対象としている格納器31に対応するスマートコントラクトS2の格納アドレスが格納されている。
【0064】
具体的には、個別制御部103は、管理装置20から格納器31の削除の要求を受けた場合に、削除の対象である格納器31に対応するスマートコントラクトS2を管理の対象から除外する。スマートコントラクトS2を管理の対象から除外するには、アドレステーブル104から削除の対象であるスマートコントラクトS2のアドレスを削除する。また、個別制御部103は、管理装置20から新たな格納器31の追加の要求を受けた場合に、新たな格納器31に対応するスマートコントラクトS2を管理の対象に追加する。スマートコントラクトS2を管理の対象に追加するには、アドレステーブル104にスマートコントラクトS2のアドレスを追加的に記憶させる。
【0065】
受付部105は、格納器31それぞれの機能に関する問い合わせを受ける処理部である。受付部105は、格納器31それぞれの機能に関する問い合わせを受けると、問い合わせに係る格納器31に対応するスマートコントラクトS2のアドレスをアドレステーブル104から読み出し、受けた問い合わせを当該アドレスに転送する。また、転送した結果として送信される、問い合わせに対する回答情報を端末21などに送信する。
【0066】
スマートコントラクトS2は、受付部111と、解施錠管理部112と、機能管理部115とを備える。スマートコントラクトS2は、格納器31と1対1に対応しており、1つの格納器31について1つのスマートコントラクトS2が動作している。当該スマートコントラクトS2に対応する格納器31の増設の際に動作を開始し、減設の際に動作を終了することが想定される。スマートコントラクトS2は、第二スマートコントラクトに相当する。
【0067】
受付部111は、格納器31の機能に関する問い合わせを受ける処理部である。受付部111は、スマートコントラクトS1の受付部105から転送される機能に関する問い合わせ情報を受けると、問い合わせに対する回答情報を生成して受付部105に送信する。機能に関する問い合わせ情報とは、例えば、格納器31が冷蔵機能を備えている否か、保温機能を備えているか否か、音等による演出機能を備えているか否かなどを示す情報である。
【0068】
例えば、受付部111は、端末21などから機能IDを含む問い合わせを受けると、機能管理部115を参照して、格納器31がその機能IDに係る機能を備えているか否かを判定し、判定結果を示す回答情報を生成して送信する。例えば、受付部111は、格納器31がその機能IDに係る機能を備えている場合には「TRUE」を、その機能を備えていない場合には「FAULSE」を含む回答情報を生成する。機能IDは、例えば、冷蔵機能について「1001」、保温機能について「1002」、演出機能について「1003」などと定められる。
【0069】
解施錠管理部112は、当該スマートコントラクトS2に対応する格納器31の解施錠を管理している処理部である。解施錠管理部112は、当該格納器31が解錠状態であるか施錠状態であるかを示す鍵状態情報113と、当該格納器31の解施錠をし得る権限を有する者を鍵保有者として示す鍵保有者情報114を管理している。鍵状態情報113及び鍵保有者情報114は、台帳記憶部14に記憶されている解施錠履歴15から導かれ得る。
【0070】
解施錠管理部112は、当該スマートコントラクトS2に対応する格納器31の解錠又は施錠の要求を受けた場合、その要求の正当性を確認したうえで、解錠又は施錠の要求を受けたことを履歴として解施錠履歴15に追加し、また、鍵状態情報113を解錠状態又は施錠状態に更新する。なお、鍵状態情報113は、格納器31の解施錠制御部33により参照されて、解施錠制御部33による格納器31の解施錠制御に反映される。そのため、解施錠管理部112は、解施錠制御部33を介して格納器31の解施錠を制御しているといえる。
【0071】
また、解施錠管理部112は、当該格納器31の鍵保有者が変更されると、その変更に従って解施錠履歴15に履歴を追加し、また、要求に係る変更に従って鍵状態情報113を更新する。例えば、ユーザU2からユーザU1に物品5が渡される場合、鍵保有者は、当初はユーザU1であり、ユーザU1が物品5を格納器31に収容した後にユーザU2に変更される。
【0072】
機能管理部115は、格納器31が有する機能の制御を管理する処理部である。機能管理部115は、端末21などから受ける指示情報に基づいて、格納器31が有する冷蔵機能、保温機能または演出機能などの制御を個別に管理する。具体的には、機能管理部115は、当該格納器31が備えている各機能ごとに、当該格納器31がその機能を発揮しているか否かを示す機能情報116を保有しており、指示情報を受けた場合には機能情報116を更新する。なお、機能管理部115は必須の構成ではない。
【0073】
なお、利用情報については、スマートコントラクトS1が格納器システム30全体の利用情報を管理する形態を説明した。その代わりに、複数のスマートコントラクトS2それぞれが格納器単体の利用情報を管理し、スマートコントラクトS1が複数のスマートコントラクトS2それぞれへの問合せを行い、全体の利用情報を集めるようにしてもよい。
【0074】
図4は、本実施の形態における格納器システム30の構成を模式的に示すブロック図である。
【0075】
図4に示されるように格納器システム30は、通信部32と、解施錠制御部33と、機能制御部34とを備える。解施錠制御部33と、機能制御部34とは、格納器システム30が備える1以上の格納器31それぞれについて1つずつ備えられる。
【0076】
通信部32は、他の装置と通信可能に接続される通信インタフェース装置である。通信部32は、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介して他のサーバ10と通信可能である。
【0077】
解施錠制御部33は、格納器31それぞれについて設けられ、当該格納器31を解錠するか、又は、施錠するかを制御する。解施錠制御部33は、通信部32を介してサーバ10の鍵状態情報113を繰り返し参照し、鍵状態情報113に整合するように当該格納器31の鍵状態を変更する。
【0078】
具体的には、鍵状態情報113において当該格納器31が解錠状態であることが示されている場合、解施錠制御部33は、格納器31が実際に解錠状態であればその解錠状態を維持し、格納器31が実際に施錠状態であれば解錠することで解錠状態にする。また、鍵状態情報113において当該格納器31が施錠状態であることが示されている場合、解施錠制御部33は、格納器31が実際に施錠状態であればその施錠状態を維持し、格納器31が実際に解錠状態であれば施錠することで施錠状態に変更する。
【0079】
機能制御部34は、当該格納器31の機能を制御する処理部である。機能制御部34は、当該格納器31が冷蔵機能、保温機能または演出機能などを備えている場合には、その機能を発揮するよう制御する。なお、機能制御部34は必須の構成ではない。
【0080】
機能制御部34は、解施錠制御部33が鍵状態情報113を参照するのと同様に、通信部32を介してサーバ10の機能情報116を繰り返し参照し、機能情報116に整合するように当該格納器31の機能を発揮する、又は、発揮しないように状態を変更する。
【0081】
図5は、本実施の形態における管理システム1における格納器31の利用情報102の説明図である。
【0082】
利用情報102の各エントリは、格納器31に1対1に対応しており、格納器ID41と、利用有無42との各情報を含む。
【0083】
格納器ID41は、格納器31を一意に識別し得る識別子である。格納器ID41は、1以上のスマートコントラクトS2に対応する1以上の格納器31それぞれの識別子を有する。
【0084】
利用有無42は、当該格納器31が利用されているか否かを示す情報である。
【0085】
利用情報102は、システム管理部101が端末21から利用問合せ情報を受信すると、回答情報を生成するために参照される。また、端末21等から利用の要求を受信すると更新される。
【0086】
図6は、本実施の形態におけるアドレステーブル104を示す説明図である。
【0087】
図6に示されるようにアドレステーブル104には、1以上のスマートコントラクトS2それぞれのアドレスとして、アドレス1、アドレス2、・・・、アドレスnが記憶されている。
【0088】
アドレステーブル104には、スマートコントラクトS1の管理の対象であるスマートコントラクトS2のアドレスが個別制御部103によって記載される。また、アドレステーブル104は、受付部105により参照され、受付部105が機能の問い合わせ受けたときに、その問い合わせを転送する先のスマートコントラクトS2のアドレスとして利用される。
【0089】
図7は、本実施の形態における機能情報116の説明図である。
【0090】
図7に示されるように機能情報116の各エントリは、1つの機能に対応しており、機能ID44と、状態45との各情報を含む。
【0091】
機能ID44は、格納器31が備えている機能を示す情報である。例えば、機能ID44が「1001」である機能は冷蔵機能であり、機能ID44が「1002」である機能は保温機能である。
【0092】
状態45は、当該エントリに係る機能を格納器31が発揮している状態である「ON状態」とするか、又は、発揮していない状態である「OFF」状態とするかを示す情報である。
【0093】
図7に示される機能情報116は、格納器31が冷蔵機能と保温機能とを備えていることを示している。また、機能情報116は、冷蔵機能を発揮している、つまり、収容室を冷蔵機能によって冷やしている状態とすることを示しており、また、保温機能を発揮していない状態にすることを示している。
【0094】
次に、格納器31の増設および減設の際の管理システム1の処理を説明する。
【0095】
図8は、本実施の形態における格納器システム30における格納器31の増設及び減設の説明図である。
【0096】
図8の(a)は、2個の格納器31である格納器31A及び31Bを備える格納器システム30を示している。このとき、サーバ10は、スマートコントラクトS1と、2個の格納器31A及び31Bそれぞれに対応するスマートコントラクトS2A及びS2Bとを動作させている。
【0097】
図8の(b)は、3個の格納器31である格納器31A、31B及び31Cを備える格納器システム30を示している。このとき、サーバ10は、スマートコントラクトS1と、3個の格納器31A、31B及び31Cそれぞれに対応するスマートコントラクトS2A、S2B及びS2Cとを動作させている。
【0098】
図8の(a)の状態において、格納器31Cを増設すると図8の(b)の状態になる。また、図8の(b)の状態において、格納器31Cを減設すると図8の(a)の状態になる。
【0099】
以降において、格納器の増設及び減設の際の管理システム1の処理を説明する。
【0100】
図9は、本実施の形態における管理システム1における格納器31の増設の際の処理を示すシーケンス図である。
【0101】
図9に示されるように、格納器31の増設の際には、ステップS101において、格納器システム30に新たな格納器31(例えば図8の(b)における格納器31C)が物理的に管理者により設置される。
【0102】
ステップS111において、管理装置20は、格納器31の追加の要求を示す追加要求情報をスマートコントラクトS1に送信する。スマートコントラクトS1の個別制御部103は、追加要求情報を受信する。
【0103】
ステップS131において、スマートコントラクトS2が動作を開始する。なお、当初からスマートコントラクトS2が動作している場合には、ステップS131の実行は不要である。
【0104】
ステップS121において、スマートコントラクトS1の個別制御部103は、新たな格納器31に対応するスマートコントラクトS2のアドレスをアドレステーブル104に追加する。これにより、スマートコントラクトS1は、新たな格納器31に対応するスマートコントラクトS2を管理の対象とする。
【0105】
図9に示される一連の処理により、新たな格納器31の増設がなされ、管理システム1による管理の対象となる。
【0106】
図10は、本実施の形態における格納器システム30における格納器31の減設の際の処理を示すシーケンス図である。
【0107】
図10に示されるように、格納器31の減設の際には、ステップS201において、格納器システム30に含まれる格納器31(例えば図8の(b)における格納器31C)が物理的に撤去される。
【0108】
ステップS211において、管理装置20は、利用の要求を示す利用要求情報をスマートコントラクトS1に送信する。ユーザU1等によって減設される格納器31が利用されることを防ぐためである。
【0109】
ステップS212において、管理装置20は、削除の要求を示す削除要求情報をスマートコントラクトS1に送信する。スマートコントラクトS1の個別制御部103は、削除要求情報を受信する。
【0110】
ステップS221において、スマートコントラクトS1の個別制御部103は、減設される格納器31に対応するスマートコントラクトS2のアドレスをアドレステーブル104から削除する。これにより、スマートコントラクトS1は、減設対象の格納器31に対応するスマートコントラクトS2を管理の対象から除外する。
【0111】
ステップS231において、スマートコントラクトS2が動作を停止する。ステップS231の実行は必須ではない。
【0112】
図10に示される一連の処理により、格納器31の減設がなされ、管理システム1による管理の対象から除外される。
【0113】
次に、格納器31の利用の際の管理システム1の処理を説明する。
【0114】
図11及び図12は、本実施の形態における格納器31の利用の際の処理を示すシーケンス図である。図11に示される処理が終了すると図12に示される処理に進む。
【0115】
ここでは、1以上の格納器31のうち、格納器31A及び31Cが利用されており、格納器31Bが利用されていない状況において、ユーザU1からユーザU2に格納器31Bを介して物品5を渡す場合を想定して、格納器31の利用の際の処理を説明する。また、物品5は、冷蔵が必要であるとする。
【0116】
ステップS301において、ユーザU1は、端末21により、格納器システム30が有する格納器31が利用されているか否かを問い合わせるための利用問合せ情報をスマートコントラクトS1に送信する。スマートコントラクトS1は、利用問合せ情報を受信すると、格納器31が利用されているか否かを示す利用情報を端末21に送信する。また、スマートコントラクトS1は、利用可能である格納器31Bに対応するスマートコントラクトS2のアドレスを端末21に送信する。例えば、スマートコントラクトS1は、格納器31A、31B及び31Cのうち、格納器31A及び31Cが利用されており、格納器31Bが利用されていないことを示す利用情報と、格納器31Bに対応するスマートコントラクトS2のアドレスを端末21に送信する。ユーザU1は、物品5の格納のために格納器31Bを利用し得ることを知ることができる。
【0117】
ステップS302において、ユーザU1は、端末21により、格納器31Bが冷蔵機能を備えているか否かを問い合わせるための機能問合せ情報をスマートコントラクトS1に送信する。スマートコントラクトS1は、機能問合せ情報を受信すると、受信した機能問合せ情報を格納器31Bに対応するスマートコントラクトS2Bに転送する。
【0118】
機能問合せ情報を受信したスマートコントラクトS2Bは、機能問合せ情報の内容を確認し、格納器31Bが冷蔵機能を備えているかを示す機能回答情報をスマートコントラクトS1に送信する。機能回答情報を受信したスマートコントラクトS1は、受信した機能回答情報を端末21に転送する。例えばスマートコントラクトS2Bは、格納器31Bが冷蔵機能を備えていることを示す機能回答情報を送信する。ユーザU1は、格納器31Bが冷蔵機能を備えていることから、物品5をユーザU2に渡すために格納器31Bを利用できることを知り、格納器31Bを使用することを決定する。
【0119】
なお、ステップS301及びS302を別個に行う代わりに、特定の機能を有する格納器31が利用されているか否かを問い合わせるようにすることによって、ステップS301及びS302に相当する処理をまとめて行ってもよい。
【0120】
ステップS303において、ユーザU1は、格納器31Bを利用するための利用要求情報をスマートコントラクトS1に送信する。スマートコントラクトS1は、利用要求情報を受信する。
【0121】
ステップS321において、スマートコントラクトS1は、ステップS303で利用要求情報を受信したことに応じて、格納器31Bの利用の開始処理を行う。開始処理では、格納器31Bの鍵の保有者を管理者からユーザU1に変更することを示す保有者変更要求情報をスマートコントラクトS2Bに送信する。スマートコントラクトS2Bは、保有者変更要求情報を受信すると、その内容に基づいて格納器31Bの鍵の保有者を管理者からユーザU1に変更する。
【0122】
ステップS304において、ユーザU1は、端末21により、格納器31Bの機能を設定するための機能要求情報をスマートコントラクトS2Bに送信する。例えば、ユーザU1は、格納器31Bの収容室を冷蔵機能によって冷やすことを示す機能要求情報をスマートコントラクトS2Bに送信する。なお、このとき、格納器31Bの収容室の温度を時間経過とともに変更するようにしてもよい。例えば、ユーザU2が格納器31Bから物品5を搬出するときに向かって徐々に収容室の温度を低温から常温に変更してもよい。ユーザU2が格納器31Bから物品5を搬出するときを特定するには、予め定められた時刻を取得してもよいし、ユーザU2の端末22の現在位置をGPS(Global Positioning System)によって取得し、その位置と移動速度とを用いてユーザU2が格納器31Bの位置に至る時刻を特定することによってなされてもよい。
【0123】
ステップS331において、スマートコントラクトS2は、機能要求情報を受信し、受信した機能要求情報に基づいて格納器31Bの機能情報116を変更する。例えば、機能要求情報に従って、冷蔵機能をON状態に変更する。
【0124】
ステップS341において、格納器システム30の機能制御部34は、スマートコントラクトS2Bが保有している機能情報116を参照し、格納器31Bの機能情報116において、冷蔵機能がON状態に更新されたと判定する。
【0125】
ステップS342において、機能制御部34は、格納器31Bの冷蔵機能を発揮する状態に制御する。これは、機能制御部34がステップS341において格納器31Bの機能情報116において冷蔵機能がON状態に更新されたと判定したことに基づいてなされる。
【0126】
ステップS305において、ユーザU1は、端末21により、格納器31Bの解錠の制御をする。解錠の制御では、端末21が、格納器31Bを解錠するための解錠要求をスマートコントラクトS2Bに送信する。
【0127】
ステップS332において、スマートコントラクトS2Bは、解錠要求を受信したことを示す情報を解施錠履歴15に追加することで更新し、また、鍵状態情報113を解錠状態に変更する。
【0128】
ステップS343において、格納器システム30の解施錠制御部33は、スマートコントラクトS2Bが保有している鍵状態情報113を参照し、格納器31Bの鍵状態情報113が解錠状態に更新されたと判定する。
【0129】
ステップS344において、格納器31Bを解錠する。これは、解施錠制御部33がステップS343において格納器31Bの鍵状態情報113が解錠状態に更新されたと判定したことに基づいてなされる。
【0130】
ステップS345において、物品5がユーザU1によって格納器31Bに格納される。
【0131】
ステップS306において、ユーザU1は、端末21により、格納器31Bの施錠の制御をする。施錠の制御では、端末21が、格納器31Bを施錠するための施錠要求をスマートコントラクトS2Bに送信する。
【0132】
ステップS333において、スマートコントラクトS2Bは、施錠要求を受信したことを示す情報を解施錠履歴15に追加することで更新し、また、鍵状態情報113を施錠状態に変更する。
【0133】
ステップS346において、格納器システム30の解施錠制御部33は、スマートコントラクトS2Bが保有している鍵状態情報113を参照し、格納器31Bの鍵状態情報113が施錠状態に更新されたと判定する。
【0134】
ステップS347において、格納器31Bを施錠する。これは、解施錠制御部33がステップS346において格納器31Bの鍵状態情報113が施錠状態に更新されたと判定したことに基づいてなされる。
【0135】
ステップS322において、スマートコントラクトS1は、格納器31Bの鍵の保有者をユーザU1からユーザU2に変更することを示す保有者変更要求情報をスマートコントラクトS2Bに送信する。スマートコントラクトS2Bは、保有者変更要求情報を受信すると、その内容に基づいて格納器31Bの鍵の保有者をユーザU1からユーザU2に変更する。
【0136】
図12に移り、ステップS311において、ユーザU2は、端末22により、格納器31Bの解錠の制御をする。解錠の制御では、端末22が、格納器31Bを解錠するための解錠要求をスマートコントラクトS2Bに送信する。
【0137】
ステップS334において、スマートコントラクトS2Bは、解錠要求を受信したことを示す情報を解施錠履歴15に追加することで更新し、また、鍵状態情報113を解錠状態に変更する。
【0138】
ステップS348において、格納器システム30の解施錠制御部33は、スマートコントラクトS2Bが保有している鍵状態情報113を参照し、格納器31Bの鍵状態情報113が解錠状態に更新されたと判定する。
【0139】
ステップS349において、格納器31Bを解錠する。これは、解施錠制御部33がステップS348において格納器31Bの鍵状態情報113が解錠状態に更新されたと判定したことに基づいてなされる。
【0140】
ステップS350において、物品5がユーザU2によって格納器31Bから搬出される。
【0141】
ステップS323において、スマートコントラクトS1は、格納器31Bの利用の終了処理を行う。終了処理では、スマートコントラクトS1は、格納器31Bの鍵の保有者をユーザU2から管理者に変更することを示す保有者変更要求情報をスマートコントラクトS2Bに送信する。スマートコントラクトS2Bは、保有者変更要求情報を受信すると、その内容に基づいて格納器31Bの鍵の保有者をユーザU2から管理者に変更する。
【0142】
図11及び図12に示される一連の処理により、ユーザU1から格納器31Bを介してユーザU2に物品5を渡すことができる。
【0143】
なお、格納器31の減設と、新たな格納器31の増設とを続けて行うことで、格納器31の変更を行うこともできる。減設される格納器31と増設される格納器31とが備える機能が異なる場合、この減設と増設とによって格納器31に機能を追加又は削除することができる。
【0144】
例えば、格納器システム30が格納器31A、31B及び31Cを備える状態(図6の(b))から、格納器31Cを格納器31Dに変更した状態(図6の(c))に変更することができる。ここで、格納器31Dは、格納器31Cとは異なる格納器であり、例えば格納器31Cとは異なる機能を有する格納器である。格納器31Dが格納器31Cとは異なる機能を有する格納器である場合、サーバ10上において、スマートコントラクトS1が、格納器31Dに対応したスマートコントラクトS2Dが動作させる。
【0145】
このようにすることで、管理システム1の構成を変更する場合に、システム全体を停止することなく、管理システム1全体を持続的に運用することができる。
【0146】
(実施の形態の変形例1)
本変形例に係る管理システムは、上記実施の形態における格納器システム30を複数備え、複数の格納器システム30を高い利便性をもって利用可能とする。
【0147】
図13は、本変形例における管理システム2の構成を模式的に示すブロック図である。
【0148】
図13に示される管理システム2は、複数の格納器システム30A、30B及び30Cを備える。
【0149】
格納器システム30が複数存在する場合、ユーザは、どの格納器システム30に属する格納器を利用することができるか判断できない場合が想定される。例えば、ユーザが利用し得る複数の格納器システム30が、さまざまな施設又は地域に存在している場合、ユーザは、どの格納器システム30に属する格納器31でもよいから、空いている格納器31を利用したいと考える。本変形例の管理システム2は、このような場合に、ユーザが利用できる格納器31が属する格納器システム30を特定し、ユーザがその格納器31を利用できるようにすることができる。
【0150】
図14は、本変形例におけるサーバ10AAの機能の構成を示すブロック図である。サーバ10AAは、図13におけるサーバ10A等のそれぞれとして動作する。サーバ10AAについて、実施の形態1におけるサーバ10A等と異なる部分を主に説明する。
【0151】
図14に示されるように、サーバ10AAは、同期部17と、スマートコントラクトS1、S2及びS3とを備える。
【0152】
管理システム2は、1つのスマートコントラクトS3と、1以上のスマートコントラクトS1と、1以上のスマートコントラクトS2とを備える。
【0153】
スマートコントラクトS3は、1以上のスマートコントラクトS1を管理し得る。また、1以上のスマートコントラクトS1のそれぞれは、上記実施の形態におけるスマートコントラクトS1と同様に1以上のスマートコントラクトS2を管理し得る。言い換えれば、サーバ10AAは、3階層の階層構成よりなるスマートコントラクトS3、S1及びS2により格納器システム30を制御する。
【0154】
スマートコントラクトS3は、どの格納器システム30がどの場所に設置されているかを管理している。スマートコントラクトS3は、台帳記憶部14に記憶されている台帳に格納されているコントラクトコードC3(不図示)をサーバ10AAが実行することによって実現される機能である。
【0155】
スマートコントラクトS3は、システム管理部121と、個別制御部123と、受付部125とを備える。スマートコントラクトS3は、複数の格納器システム30を管理しており、格納器31の増減設などがなされる場合にも動作をし続けることが想定される。スマートコントラクトS3は、第三スマートコントラクトに相当する。
【0156】
システム管理部121は、格納器システム30A、30B及び30Cの識別情報及び所在地などの属性情報、格納器システム30A等それぞれに含まれる格納器31それぞれが利用されているか否かを示す利用情報122を管理している。そして、システム管理部121は、格納器システム30A等それぞれの属性情報及び利用情報122などの問い合わせを端末21等から受けた場合に、管理している属性情報及び利用情報122に基づいて回答情報を生成し、端末21等に送信する。また、システム管理部121は、格納器31それぞれを利用する旨の要求を端末21などから受け、利用情報122を更新する。
【0157】
具体的には、システム管理部121は、格納器31が利用されているか否かについての問い合わせを端末21から受けた場合に、問い合わせに対する回答情報を生成し、生成した回答情報を端末21に送信する。ここで、システム管理部121は、格納器31の利用の要求を受けた場合に、利用情報122を参照して、要求に係る格納器31が利用されている場合には要求を拒否し、要求に係る格納器31が利用されていない場合には、要求を許可する。なお、システム管理部121は、要求に係る格納器31が利用されていない場合、新たな利用についての課金処理が完了したときに限り、要求を許可するようにしてもよい。
【0158】
個別制御部123は、格納器システム30A等それぞれを管理の対象とするか否かを制御する処理部である。個別制御部123は、メモリ12上にアドレス場所テーブル124を保有している。アドレス場所テーブル124には、個別制御部123が管理の対象としている格納器システム30A等に対応するスマートコントラクトS1の格納アドレスが格納されている。
【0159】
具体的には、個別制御部123は、管理装置20から格納器システム30A等の削除の要求を受けた場合に、削除の対象である格納器システム30A等に対応するスマートコントラクトS1を管理の対象から除外する。スマートコントラクトS1を管理の対象から除外するには、アドレス場所テーブル124から削除の対象であるスマートコントラクトS1のアドレスを削除する。また、個別制御部123は、スマートコントラクトS1から新たな格納器システム30A等の追加の要求を受けた場合に、新たな格納器システム30Aに対応するスマートコントラクトS1を管理の対象に追加する。スマートコントラクトS1を管理の対象に追加するには、アドレス場所テーブル124にスマートコントラクトS1のアドレスを追加的に記憶させる。
【0160】
受付部125は、格納器31それぞれの機能に関する問い合わせを受ける処理部である。受付部125は、格納器31それぞれの機能に関する問い合わせを受けると、問い合わせに係る格納器31が属する格納器システム30A等に対応するスマートコントラクトS1のアドレスをアドレス場所テーブル124から読み出し、受けた問い合わせを当該アドレスに転送する。また、転送した結果として送信される、問い合わせに対する回答情報を端末21などに送信する。
【0161】
同期部17及びスマートコントラクトS1及びS2は、上記実施の形態におけるものと同じである。
【0162】
図15は、本変形例における管理システム2の利用情報122の説明図である。
【0163】
利用情報122は、格納器ID61と、利用有無62と、システムID63との各情報を含む。
【0164】
格納器ID61は、格納器31を一意に識別し得る識別子である。
【0165】
利用有無62は、格納器31が利用されているか否かを示す情報である。
【0166】
システムID63は、格納器31が属している格納器システム30A等の識別子である。
【0167】
システム管理部121は、利用可能な格納器31を問い合わせる問合せ情報をユーザU1の端末21から受けると、利用情報122を参照して、利用可能な格納器31が属する格納器システム30A等の識別子を示す回答情報を生成して端末21に送信する。
【0168】
回答情報を受信した端末21は、格納器システム30A等のうち、利用可能な格納器31が属する格納器システムを選択し、利用することができる。利用可能な格納器31が属する管理システムを利用する方法は、上記実施の形態で示した方法と同様である。
【0169】
管理システム2は、このような構成をとることによって、ユーザが利用できる格納器31が属する格納器システム30を特定し、ユーザがその格納器31を利用できるようにすることができる。
【0170】
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、上記実施の形態及び変形例に係る制御方法及び情報処理装置の別形態を説明する。
【0171】
図16は、本変形例における制御方法を示すフロー図である。
【0172】
図16に示されるように、本変形例における制御方法は、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法である。
【0173】
ステップS401において、分散台帳に格納されたコードをコンピュータにより実行することで、1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、1以上の第二スマートコントラクトを管理する第一スマートコントラクトとを動作させる。
【0174】
ステップS402において、1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、第一スマートコントラクトによる管理の下で、1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行う。
【0175】
ステップS403において、第一スマートコントラクトが、1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを管理の対象とするか否かを制御する。
【0176】
これにより、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用することができる。
【0177】
図17は、本変形例における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0178】
図17に示されるように、本変形例に係る情報処理装置10Fは、物品5が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う、複数の情報処理装置のうちの一の情報処理装置10Fである。
【0179】
情報処理装置10Fは、プロセッサ11Aと、メモリ12Aと、コードが格納された分散台帳が記憶されている記憶装置14Aとを備える。
【0180】
プロセッサ11Aは、分散台帳に格納されたコードを実行することで、1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、1以上の第二スマートコントラクトを管理する第一スマートコントラクトとを動作させる。
【0181】
そして、1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、第一スマートコントラクトによる管理の下で、1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行う。
【0182】
また、第一スマートコントラクトが、1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを管理の対象とするか否かを制御する。
【0183】
これにより、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用することができる。
【0184】
以上のように本実施の形態に係る制御方法によれば、格納器システムが第一及び第二スマートコントラクトにより制御される。そして、格納器システムが備える格納器の増設、減設、又は、機能変更などの変更があった場合、その変更に係る第二スマートコントラクトの動作を停止するだけでよく、言い換えれば、第一スマートコントラクト、及び、変更に関与しない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。仮に単一のスマートコントラクトによって格納器システムを制御するとすれば、格納器の増設などの際にスマートコントラクトの動作を停止しなければならず、格納器システムの運用に支障が生ずる。本発明の一態様に係る制御方法によれば、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0185】
また、格納器の減設の際には、第一スマートコントラクトがその減設の対象である格納器に対応する第二スマートコントラクトを管理の対象から除外する。よって、格納器の減設の際に、第一スマートコントラクト、及び、減設の対象でない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0186】
また、格納器の増設の際には、第一スマートコントラクトがその増設の対象である格納器に対応する第二スマートコントラクトを管理の対象に追加する。よって、格納器の増設の際に、第一スマートコントラクト、及び、すでに動作している第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0187】
また、格納器の利用の問い合わせに対して第一スマートコントラクトが回答情報を提供する。よって、格納器システムの構成の変更があっても、格納器の利用の問い合わせに対応することができる。
【0188】
また、格納器が利用されたいないときに当該格納器の利用を許可するように格納器を管理することができる。これにより、格納器を複数の利用者が利用するなどの不都合を回避することができる。
【0189】
また、格納器の利用に係る料金などの課金処理が完了したときに限り格納器を利用できるように管理することができる。
【0190】
また、格納器ごとの機能についての問い合わせがなされた場合に、問い合わせの対象である格納器に対応するスマートコントラクトにその問合せに対応させる。格納器ごとに異なる情報を、その格納器に対応する第二スマートコントラクトで管理するようにすることで、第一スマートコントラクトの機能追加を極力しないで済むように構成している。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる。
【0191】
また、コンピュータがメモリに第二スマートコントラクトのアドレスを格納しているか否かに基づいては、第二スマートコントラクトを管理の対象とするか否かが制御される。よって、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる構成を、より容易に構築することができる。
【0192】
また、格納器システムが第一、第二及び第三スマートコントラクトにより制御される。そして、格納器システムが備える格納器の増設、減設、又は、機能変更などの変更があった場合、その変更に係る第二スマートコントラクトの動作を停止するだけでよく、言い換えれば、第一及び第三スマートコントラクト、及び、変更に関与しない第二スマートコントラクトの動作を維持することができる。さらに、第三スマートコントラクトが第一スマートコントラクトを管理の対象とするか否かを制御するので、複数の第一スマートコントラクトをより容易に制御し得る。
【0193】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の情報処理装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【0194】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、物品が格納され得る1以上の格納器の解錠又は施錠の制御である解施錠制御を分散台帳を用いて行う制御方法であって、前記分散台帳に格納されたコードをコンピュータにより実行することで、前記1以上の格納器と1対1に対応する1以上の第二スマートコントラクトと、前記1以上の第二スマートコントラクトを管理し得る第一スマートコントラクトとを動作させ、前記1以上の第二スマートコントラクトのそれぞれが、前記第一スマートコントラクトによる管理の下で、前記1以上の格納器のうち当該第二スマートコントラクトに対応する格納器の解施錠制御を行い、前記第一スマートコントラクトが、前記1以上の第二スマートコントラクトそれぞれを前記管理の対象とするか否かを制御する制御方法を実行させる。
【0195】
以上、一つまたは複数の態様に係る制御方法などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明は、格納器システムの構成の変更があっても格納器システム全体を停止することなく運用できる制御方法などに利用可能である。具体的には、公衆の利用に供するロッカーなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0197】
1、2 管理システム
5 物品
10、10A、10B、10C、10D、10E、10AA サーバ
10F 情報処理装置
11、11A プロセッサ
12、12A メモリ
13、32 通信部
14 台帳記憶部
14A 記憶装置
15 解施錠履歴
17 同期部
20 管理装置
21、22 端末
30、30A、30B、30C 格納器システム
31、31A、31B、31C、31D 格納器
33 解施錠制御部
34 機能制御部
41、61 格納器ID
42、62 利用有無
63 システムID
101、121 システム管理部
102、122 利用情報
103、123 個別制御部
104 アドレステーブル
105、111、125 受付部
112 解施錠管理部
113 鍵状態情報
114 鍵保有者情報
115 機能管理部
116 機能情報
124 アドレス場所テーブル
C1、C2 コントラクトコード
N、M ネットワーク
S1、S2、S2A、S2B、S2C、S2D、S3 スマートコントラクト
U1、U2 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17