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特許7178252薄型表面実装ダイを有し内部ボンドワイヤのない薄型パワー半導体デバイスパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】薄型表面実装ダイを有し内部ボンドワイヤのない薄型パワー半導体デバイスパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20221117BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20221117BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H01L23/48 P
H01L23/48 G
H01L25/04 C
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018236055
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2019134160
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2019-04-10
(31)【優先権主張番号】15/845,155
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514037697
【氏名又は名称】リテルヒューズ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】ゾマー、ネイサン
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-302951(JP,A)
【文献】特開2013-219268(JP,A)
【文献】特開平05-166984(JP,A)
【文献】実開昭55-62052(JP,U)
【文献】特開平8-162580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/48
H01L25/00-25/07
H01L25/10-25/11
H01L25/16-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイボンドパッド部とリード部とを有する第1のリードであって、前記第1のリードのリード部は平面に配置された面を有することを特徴とする、第1のリードと、
ダイボンドパッド部とリード部とを有する第2のリードであって、前記第2のリードのリード部は前記平面に配置された面を有し、前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第2のリードの方向に曲がって延びる第1の先端部を有し、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第1のリードの方向に曲がって延びる第2の先端部を有し、前記第1のリードの前記第1の先端部を除いた長さは、前記第2のリードの前記第2の先端部を除いた長さとは異なることを特徴とする、第2のリードと、
リード部を有する第3のリードであって、前記第3のリードのリード部は前記平面に配置された面を有し、前記第3のリードのリード部は前記第1のリードの前記リード部と前記第2のリードの前記リード部との間に配置されていることを特徴とする、第3のリードと、
前面及び裏面を有する第1の半導体デバイスダイであって、ゲートパッド及びソースパッドは前記前面に配置され、前記第1の半導体デバイスダイの前記ゲートパッドは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第1の半導体デバイスダイの前記ソースパッドは前記第2のリードのダイボンドパッド部に接合され、前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面は前記第3のリードと電気的に結合されたドレイン電極であることを特徴とする、第1の半導体デバイスダイと、
前面及び裏面を有する第2の半導体デバイスダイであって、ゲートパッド及びソースパッドは前記前面に配置され、前記第2の半導体デバイスダイの前記ゲートパッドは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第2の半導体デバイスダイの前記ソースパッドは、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第1の半導体デバイスダイと前記第2の半導体デバイスダイとは前記第1の半導体デバイスダイの前記前面と前記第2の半導体デバイスダイの前記前面とが、その間に配置された前記第1のリードと前記第2のリードのダイボンドパッド部とに相互に向かい合うよう接合され、前記第2の半導体デバイスダイの前記裏面は前記第3のリードと電気的に結合されたドレイン電極であることを特徴とする、第2の半導体デバイスダイと、
封止材であって、前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部、前記第1の半導体デバイスダイと前記第2の半導体デバイスダイ、及び前記封止材がパッケージ化された半導体デバイスの本体部の一部をともに形成し、前記第1のリードのリード部、前記第2のリードのリード部、及び前記第3のリードのリード部が前記本体部から互いに平行に延びていることを特徴とする、封止材と、
を具備し、
前記第3のリードは、
第1のタイン部であって、前記第1のタイン部は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されたダイアタッチ面を有することを特徴とする、第1のタイン部と、
第2のタイン部であって、前記第2のタイン部は前記第2の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されたダイアタッチ面を有し、前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイの両方は前記第1のタイン部と前記第2のタイン部との間に配置されることを特徴とする、第2のタイン部と、
をさらに具備し、
前記第3のリードのリード部と前記第1のタイン部と前記第2のタイン部とでフォーク形アセンブリを形成することを特徴とするパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のタイン部は全て金属で構成され、前記第2のタイン部は全て金属で構成されていることを特徴とする、請求項に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項3】
前記第3のリードに接合されたダイ裏面コンタクト部材であって、前記ダイ裏面コンタクト部材は前記第2の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されたダイアタッチ面を有し、前記第3のリードはダイボンドパッド部を有し、前記第3のリードの前記ダイボンドパッド部のダイアタッチ面は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面に接合され、前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイの両方は前記ダイ裏面コンタクト部材と前記第3のリードのダイボンドパッド部との間に配置されることを特徴とする、ダイ裏面コンタクト部材、
をさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項4】
前記第3のリードは全て金属で構成され、前記ダイ裏面コンタクト部材は全て金属で構成されていることを特徴とする、請求項に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項5】
前記第3のリードに接合された第1のダイ裏面コンタクト部材であって、前記第1のダイ裏面コンタクト部材は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されたダイアタッチ面を有することを特徴とする、第1のダイ裏面コンタクト部材と、
前記第3のリードに接合された第2のダイ裏面コンタクト部材であって、前記第2のダイ裏面コンタクト部材は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されたダイアタッチ面を有し、前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイの両方は前記第1のダイ裏面コンタクト部材と前記第2のダイ裏面コンタクト部材との間に配置されることを特徴とする、第2のダイ裏面コンタクト部材と、
を具備する請求項1に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のダイ裏面コンタクト部材は全て金属で構成され、前記第2のダイ裏面コンタクト部材は全て金属で構成され、前記第3のリードは全て金属で構成されていることを特徴とする、請求項に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項7】
前記パッケージ化された半導体デバイスはボンドワイヤを具備しないことを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のリードは均一の厚さを有し、前記第2のリードは同じ均一の厚さを有し、前記第3のリードの前記リード部も同じ均一の厚さを有し、前記均一の厚さは前記平面に対して垂直方向の厚さであり、前記均一の厚さは1ミリメートル以下であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1のリードは第1の打ち抜かれた単一のシート金属であり、前記第2のリードは第2の打ち抜かれた単一のシート金属であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項10】
ダイボンドパッド部とリード部とを有する第1のリードであって、前記第1のリードのリード部は第1の平面に配置された面を有することを特徴とする、第1のリードと、
ダイボンドパッド部とリード部とを有する第2のリードであって、前記第2のリードのリード部は前記第1の平面に配置された面を有し、前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第2のリードの方向に曲がって延びる第1の先端部を有し、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第1のリードの方向に曲がって延びる第2の先端部を有し、前記第1のリードの前記第1の先端部を除いた長さは、前記第2のリードの前記第2の先端部を除いた長さとは異なることを特徴とする、第2のリードと、
前面及び裏面を有する第1の半導体デバイスダイであって、ゲートパッド及びソースパッドは前記前面に配置され、前記第1の半導体デバイスダイの前記ゲートパッドは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第1の半導体デバイスダイの前記ソースパッドは前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部に接合されていることを特徴とする、第1の半導体デバイスダイと、
前面及び裏面を有する第2の半導体デバイスダイであって、ゲートパッド及びソースパッドは前記前面に配置され、前記第2の半導体デバイスダイの前記ゲートパッドは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第2の半導体デバイスダイの前記ソースパッドは、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部に接合され、前記第1の半導体デバイスダイと前記第2の半導体デバイスダイとは前記第1の半導体デバイスダイの前記前面と前記第2の半導体デバイスダイの前記前面とが、その間に配置された前記第1のリードと前記第2のリードのダイボンドパッド部とに相互に向かい合うよう接合されていることを特徴とする、第2の半導体デバイスダイと、
ダイボンドパッド部及びリード部を有する第3のリードであって、前記第3のリードの前記リード部は前記第1の平面に配置された面を有し、前記第3のリードのダイボンドパッド部は、第2の平面に配置された面を有し、前記第3のリードの前記ダイボンドパッド部の前記面は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面と電気的に接触していることを特徴とする第3のリードと、
ダイ裏面コンタクト部材であって、前記ダイ裏面コンタクト部材は第3の平面に配置された面を有し、前記ダイ裏面コンタクト部材の前記面は第2の半導体デバイスダイの前記裏面と電気的に接触し、前記ダイ裏面コンタクト部材は前記第3のリードと電気的に結合し、前記第3のリードと前記ダイ裏面コンタクト部材とでフォーク形アセンブリを形成し、前記第1の平面と前記第2の平面と前記第3の平面とは平行な平面であり、前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイは両方とも全て前記第2の平面と前記第3の平面との間に配置され、前記第1の平面は前記第2の平面と前記第3の平面との間に配置されることを特徴とする、ダイ裏面コンタクト部材と、
前記第3のリードの前記ダイボンドパッド部、前記ダイ裏面コンタクト部材、前記第1の半導体デバイスダイ、前記第2の半導体デバイスダイ、及び封止材が一緒になってパッケージ化された半導体デバイスの本体部の一部を形成するように、前記第3のリードの前記ダイボンドパッド部及び前記ダイ裏面コンタクト部材の両方に接触する前記封止材であって、前記第1のリードの前記リード部、前記第2のリードの前記リード部、及び前記第3のリードの前記リード部は前記本体部から互いに平行に延びていることを特徴とする、封止材と、
を具備するパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項11】
前記ダイ裏面コンタクト部材は単一の金属片であり、前記ダイ裏面コンタクト部材は前記第3のリードに接合されていることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項12】
前記第3のリードの前記ダイボンドパッド部の前記面は前記第1の半導体デバイスダイの前記裏面に接合されていることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項13】
前記第1の半導体デバイスダイは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部及び前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部の両方にはんだ付けされ、前記第2の半導体デバイスダイは前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部及び前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部の両方にはんだ付けされていることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項14】
前記パッケージ化された半導体デバイスは3本だけのリードを有することを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項15】
前記パッケージ化された半導体デバイスはボンドワイヤを具備しないことを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項16】
前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部は均一の厚さを有し、前記均一の厚さは前記第1の平面、前記第2の平面、及び前記第3の平面に対して垂直方向の厚さであり、前記均一の厚さは1ミリメートル以下であり、前記第1のリードの前記リード部も同じ均一の厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ化された半導体デバイス。
【請求項17】
パッケージ化された半導体デバイスを製造する方法であって、前記パッケージ化された半導体デバイスは本体部、第1のリード、第2のリード、及び第3のリードを具備し、前記第1のリードは、ダイボンドパッド部とリード部とを具備し、前記第1のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第2のリードの方向に曲がって延びる第1の先端部を有し、前記第2のリードは、ダイボンドパッド部とリード部とを具備し、前記第2のリードの前記ダイボンドパッド部は、前記第1のリードの方向に曲がって延びる第2の先端部を有し、前記第1のリードの前記第1の先端部を除いた長さは、前記第2のリードの前記第2の先端部を除いた長さとは異なることを特徴とし、前記第3のリードは、リード部と第1のタイン部と第2のタイン部とを有し、前記第3のリードのリード部と前記第1のタイン部と前記第2のタイン部とでフォーク形アセンブリを形成し、前記第3のリードのリード部は前記第1のリードの前記リード部と前記第2のリードの前記リード部との間に配置されていることを特徴とし、前記方法は、
(a)第1の半導体デバイスダイのゲートパッドが前記第1のリードに接合され、前記第1の半導体デバイスダイのソースパッドが前記第2のリードに接合されるように、前記第1の半導体デバイスダイの前面を前記第1のリード及び前記第2のリードに接合するステップと、
(b)第2の半導体デバイスダイのゲートパッドが前記第1のリードに接合され、前記第2の半導体デバイスダイのソースパッドが前記第2のリードに接合されるように、前記第2の半導体デバイスダイの前面を前記第1のリード及び前記第2のリードに接合するステップであって、(a)及び(b)の接合するステップは、前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイの前面が互いに向かい合い、前記第1のリードの一部と前記第2のリードの一部とをその間に配置して行われることを特徴とする、ステップと、
(c)前記第1のタイン部を前記第1の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極に接合するステップと、
(d)前記第2のタイン部を前記第2の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極に接合するステップと、
(e)前記第1の半導体デバイスダイ及び前記第2の半導体デバイスダイ及び封止材が一緒になって前記パッケージ化された半導体デバイスの前記本体部の一部を形成するように前記封止材を供給するステップであって、前記第1のリード、前記第2のリード、及び前記第3のリードが前記本体部から互いに平行に延びるように、(e)のステップにおいて前記封止材が供給されることを特徴とする、ステップと、
を具備することを特徴とする、パッケージ化された半導体デバイスを製造する方法。
【請求項18】
前記第1のリード及び前記第2のリードは(a)及び(b)の接合するステップの時の第1のリードフレームの一部であり、前記第3のリードは(c)及び(d)の結合するステップの時の第2のリードフレームであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(d)のステップはダイ裏面コンタクト部材を前記第3のリードの一部及び前記第2の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極に接合するステップを有し、前記ダイ裏面コンタクト部材は全て金属で構成されていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、パワー半導体パッケージング及びそれに関連する構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクリートパワー絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)及び電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイス用の3本足リード半導体デバイスパッケージとして、TO-220、TO-240、TO-247パッケージを含むいくつかの既知の3本足リード半導体デバイスパッケージがある。一般的な「TO」タイプのパッケージでは、半導体ダイの裏面がパッケージのヒートシンクにはんだ付けされる。ヒートシンクは、一般に、リードの延長部分となる、銅のスラグ、タブ、又はプレートである。半導体ダイの上面は、通常、金属ボンドワイヤを介して金属リードに接続される。そして、アセンブリのダイ部分は、一定量の封止材でオーバーモールドされ、パッケージの本体部を形成する。3本のリードは、互いに平行に本体部から延びている。これらのパッケージは一般的なものであり、意図した環境で良好に動作する。
【発明の概要】
【0003】
TO-247パッケージのような標準的な「TO」タイプの半導体デバイスパッケージは多くの環境で良好に動作すると考えられるが、改善する余地がある。特定の電力スイッチング環境では、非常に大きな電流の短いパルスのみを伝導するスイッチを有することが望ましい。そのようなパルスの1つとして、例えば、1マイクロセカンドから200マイクロセカンドの持続時間を有するものとすることができる。このようなパルスによりスイッチに流れる電流は、1000アンペアから8000アンペアになることがあり。これを実現するには、スイッチの相互コンダクタンス利得が高くなければならない。スイッチがIGBTデバイスである場合、高い相互コンダクタンスであるということは、(5ボルトの範囲内の)小さなゲート電圧がゲートに印加されると、(5000アンペアの範囲内の)大きな電流がスイッチに流れることを意味する。向かい合った2つ半導体デバイスダイをパッケージに設けることができる。電流はわずかな時間しか流れないので、パッケージ内で放散された総エネルギーは、デバイスを過熱させることなく、2つの半導体ダイ自体により吸収することができる。したがって、パッケージ内に、厚みのある金属製のダイ取り付けプラグ又はダイ取り付けタブを必要としない。結果として、比較的薄いプロファイルを有する「TO」スタイルのパッケージが取り付けられるが、パッケージはただ1つではなく2つのIGBTダイを含む。
【0004】
新規なパッケージ半導体デバイスを開示する。新規なパッケージ半導体デバイスは、薄型及び2つの対面実装半導体デバイスダイを有し、内部ボンドワイヤを有しない。新規なパッケージ半導体デバイスは、本体部と、第1のリードと、第2のリードと、第3のリードと、第1の半導体デバイスダイと、第2の半導体デバイスダイとを含む。第1リード、第2のリード、及び第3のリードは、本体部から互いに平行に延びている。第1の半導体デバイスダイは、IGBT又はMOSFETとすることができ、前面及び裏面を有する。ゲートパッド及びソースパッドは、第1の半導体デバイスダイの前面に配置される。第1の半導体デバイスのダイの裏面はドレイン電極である。第2の半導体デバイスダイは、第1の半導体デバイスダイと同じである。第2の半導体デバイスダイは、前面及び裏面を有する。ゲートパッド及びソースパッドは、第2の半導体デバイスダイの前面に配置される。第2の半導体デバイスのダイの裏面はドレイン電極である。
【0005】
2つの半導体デバイスダイがIGBTである場合、制御リードは通常ベースリードと呼ばれ、他の上面リードは通常エミッタリードと呼ばれ、裏面電極は一般にコレクタ電極と呼ばれる。2つの半導体デバイスダイがMOSFETである場合、制御リードは通常ゲートリードと呼ばれ、他の上面リードは通常ソースリードと呼ばれ、裏面電極は通常ドレイン電極と呼ばれる。ここで説明している新規なパッケージ半導体デバイスはどのようなタイプの半導体デバイスも含むことができるので、本明細書では「ゲート」、「ソース」及び「ドレイン」という用語を使用する。この文脈における用語「ゲート」は、MOSFETダイのゲート、又はIGBTダイのベースを指すことができることを理解すべきである。この文脈における「ソース」という用語は、MOSFETダイのソース又はIGBTダイのエミッタのいずれかを指すことができることを理解すべきである。この文脈における用語「ドレイン」は、MOSFETダイのドレイン、又はIGBTダイのコレクタのいずれかを指すことができることを理解すべきである。
【0006】
第1のリードは、ダイボンドパッド部とリード部とを有する。第1のリード全体(ダイボンドパッド部及びリード部を含む)は、1ミリメートル未満の均一な厚さを有する。同様に、第2のリードは、ダイボンドパッド部とリード部とを有する。第2のリード全体(ダイボンドパッド部及びリード部を含む)は、1ミリメートル未満の同一の均一な厚さを有する。この均一な厚さは、一般的なリードの厚さであり、一般的なTO-247パッケージ内の一般的な厚いダイアタッチスラグ又はダイアタッチタブの厚さよりも薄い。
【0007】
ゲートパッドが第1のリードのダイボンドパッド部に接合され、ソースパッドが第2のリードのダイボンドパッド部に接合されるように、第1の半導体デバイスダイの前面は、第1リード及び第2のリードに接合される。ゲートパッドが第1のリードのダイボンドパッド部に接合され、ソースパッドが第2のリードのダイボンドパッド部に接合されるように、第2の半導体デバイスダイの前面は、第1リード及び第2のリードに接合される。このように、第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイは、第1のリード及び第2のリードのダイボンドパッド部を挟んで第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイの表面が向き合うように貼り合わされる。
【0008】
第1の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極は、第3のリードのリード部と電気的に結合されている。第2の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極は、第3のリードのリード部と電気的に結合されている。第1のリードのダイボンドパッド部及び第2のリードのダイボンドパッド部、第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイ、及び絶縁封止材が一緒になってパッケージ化された半導体デバイスの本体部の一部を形成するような、適量の絶縁封止材が供給される。
【0009】
第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイの裏面のドレイン電極を第3のリードのリード部と電気的に結合することを可能にする方法は複数ある。1つの例では、第3のリードは、フォーク形状を有し、リード部と、第1のタイン部と、第2のタイン部とを含む。第1の半導体デバイスダイの裏側ドレイン電極面は、第1のタイン部の内側ダイアタッチ面に接合される。第2の半導体デバイスダイの裏面ドレイン電極面は、第2のタイン部の内側のダイアタッチ面に接合される。第12の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイは、両方とも第3のリードの第1のタイン部と第2のタイン部との間にすべて配置されるように接合される。
【0010】
別の例では、第3のリードは、リード成形/打ち抜き操作で曲げられたシート金属の打ち抜き加工されたピースである。第3のリードのダイボンドパッド部は、ダイ取り付け面が第3のリードの細長いリード部に対して垂直方向に変位するように曲げられている。第1の半導体デバイスダイの裏面ドレイン電極面は、第3のリードのダイボンドパッド部のダイ取付面に接合される。第2の半導体デバイスダイの裏面ドレイン電極は、ダイ裏面コンタクト部材によって第3のリードのリード部に電気的に結合される。1つの例では、ダイ裏面コンタクト部材は、シートメタルの折り曲げ片である。ダイ裏面コンタクト部材の平面状のダイ取付面は、第1の半導体デバイスダイの裏面に接合されている。ダイ裏面コンタクト部材の脚部は、第3リードのリード部に接合されている。
【0011】
別の例では、2つのダイ裏面コンタクト部材が用いられる。第1のダイ裏面コンタクト部材は、第1の半導体デバイスダイの裏面に接合される平面状のダイ取付面を有する。第1のダイ裏面コンタクト部材は、第3のリードのリード部に接合された脚部を有する。第2のダイ裏面コンタクト部材は、第2の半導体デバイスダイの裏面に接合される平面状のダイ取付面を有する。第2のダイ裏面コンタクト部材は、第3のリードのリード部に接合された脚部を有する。第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイの両方は、第1のダイ裏面コンタクト部材と第2のダイ裏面コンタクト部材との間にすべて配置される。
【0012】
さらなる詳細及び実施形態及び方法は、以下の詳細な説明に記載される。この概要は、発明の技術的範囲を定めることを目的としたものではない。本発明の技術的範囲は、請求項によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面において、同様の構成要素は同様の符号で示されており、添付の図面は本発明の実施形態を示している。
【0014】
図1】パッケージ化された半導体デバイスの第1の実施形態の斜視図である。
【0015】
図2】第1の実施形態における第1の半導体デバイスダイの上面図である。
【0016】
図3図2の第1の半導体デバイスダイの側面図である。
【0017】
図4】第2の実施形態における第2の半導体デバイスダイの上面図である。
【0018】
図5図4の第2の半導体デバイスダイの側面図である。
【0019】
図6】第1の実施形態の第1リード及び第2リードの上面図である。
【0020】
図7】第1のダイ及び第2のダイが第1のリード及び第2のリードにどのように接合されるかを示す上面図である。
【0021】
図8】第1のダイ及び第2のダイが第1のリード及び第2のリードにどのように接合されるかを示す断面図である。
【0022】
図9】第1の実施形態におけるフォーク形ドレインリードアセンブリの側面図である。
【0023】
図10図9のフォーク形ドレインリードアセンブリの上面図である。
【0024】
図11】2箇所のはんだが、図8のアセンブリにどのように使用されるかを示す断面図である。
【0025】
図12図11のアセンブリを挿入することができるような広い開口を作るために拡げることができる図9のフォーク形ドレインリードアセンブリを示す側面図である。
【0026】
図13図11の拡げたフォーク形ドレインリードアセンブリに挿入された図11のアセンブリを示す断面図である。
【0027】
図14】フォーク形ドレインリードアセンブリの内側の平坦な接合面とはんだとが良好に接着するように、フォーク形ドレインリードアセンブリがどのように閉じられるかを示す側面図である。
【0028】
図15図14のはんだ付け構造のトップダウン図である。
【0029】
図16】カプセル化ステップを行った後の構造を示す上面図である。
【0030】
図17図16のカプセル化された構造の側面図である。
【0031】
図18】第1実施形態の平面を示す断面図である。
【0032】
図19】パッケージ化された半導体デバイスの第2の実施形態による第3のリードの上面図である。
【0033】
図20図19の第3のリードの側面図である。
【0034】
図21】G/Sアセンブリの側面図である。
【0035】
図22図22のG/Sアセンブリの上面図である。
【0036】
図23】ダイ裏面コンタクト部材の上面図である。
【0037】
図24図23のダイ裏面コンタクト部材の側面図である。
【0038】
図25】ダイ裏面コンタクト部材がG/Sダイアセンブリにはんだ付けされた後の構造の側面図である。
【0039】
図26図25の構造の上面図である。
【0040】
図27】本体部を形成するための封止材が射出成形された後に、図25に示されている構造を示す上面図である。
【0041】
図28図27の構造の側面図である。
【0042】
図29】パッケージ化された半導体デバイスの第3の実施形態で使用されるトップダイ裏面コンタクト部材の上面図である。
【0043】
図30図29のトップダイ裏面コンタクト部材の側面図である。
【0044】
図31】第2の半導体デバイスダイが取り付けられた後の図29のトップダイ裏面コンタクト部材を示す上面図である。
【0045】
図32図31の構造の側面図である。
【0046】
図33】第1の半導体デバイスダイが取り付けられた後のボトムダイ裏面コンタクト部材の側面図である。
【0047】
図34】トップダイ裏面コンタクト部材のフレームの上面図である。
【0048】
図35】第1のリード、第2のリード及び第3のリードのリードフレームの上面図である。
【0049】
図36】リードフレームを上下から挟む2つのフレームの裏面コンタクト部材を示す上面図である。
【0050】
図37図36のアセンブリの側面図である。
【0051】
図38】カプセル化ステップを行った結果を示す上面図である。
【0052】
図39図38の構造の側面図である。
【0053】
図40】パッケージ化された半導体デバイスの第3の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の説明では、「上」「下」「縦」「側」「前」「後」「トップ」及び「ボトム」などの用語は、本明細書では、説明されている構造の異なる部分が実際には3次元空間内でどのような相対的方向にも向いているかを示すのに用いられており、説明されている全体的構造は三次元空間中でどのように向いていてもよい。
【0055】
図1は、第1の実施形態及び第1の組立方法によるパッケージ化された半導体デバイス1の斜視図である。パッケージ化された半導体デバイス1は、本体部2と、第1のリード3と、第2のリード4と、第3のリード5とを含む。3つのリード3,4,5は、図示のように本体部2から互いに平行に延びている。パッケージ化された新規な半導体デバイス1を製造する1つの方法を、一連の図1及び図2に関連させて以下に説明する。
【0056】
図2は、第1の半導体デバイスダイ6の上面図である。第1の半導体デバイスダイ6は、前面7及び裏面8を有する。前面7には、ゲートパッド9及びソースパッド10が配置される。これらは、デバイスのゲート及びソース電極である。ダイの裏面8全体がデバイスのドレイン電極である。ダイ6の裏側は単一の平面内に延びている。この例では、第1の半導体デバイスダイは、個別絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。
【0057】
図3は、第1の半導体デバイスダイ6の側面図である。
【0058】
図4は、第2の半導体デバイスダイ11の上面図である。第2の半導体デバイスダイ11は、前面12及び裏面13を有する。前面12には、ゲートパッド14及びソースパッド15が配置されている。これらはデバイスのゲート及びソース電極である。ダイの裏面13全体がデバイスのドレイン電極である。ダイ11の裏側は単一の平面内に延びている。この例では、第2の半導体デバイスダイは、第1の半導体デバイスダイ6と同じIGBTダイである。
【0059】
図5は、第2の半導体デバイスダイ11の側面図である。
【0060】
図6は、第1のリード3及び第2のリード4の上面図である。第1のリード3は、ダイボンドパッド部16とリード部17とを有する。第2のリード4は、ダイボンドパッド部18とリード部19とを有する。第1のリード及び第2のリードの各々は、シートメタルのリードフレームから打ち抜き加工された単一の金属片である。
【0061】
図7は、第1のダイ6及び第2のダイ11が第1のリード3及び第2のリード4にどのように接合されているかを示す上面図である。
【0062】
図8は、第1のダイ6及び第2のダイ11が第1のリード3及び第2のリード4にどのように接合されるかを示す断面図である。図8は、図7のラインA-A’に沿って切断した断面図である。第1のダイ6のゲートパッドは、第1のリード3のダイボンドパッド部16の底部にはんだ20によって接着される。第1のダイ6のソースパッドは、はんだ21によって第2のリード4のダイボンドパッド部18の底部に接着される。第2のダイ11のゲートパッドは、第1のリード3のダイボンドパッド部16の上部にはんだ22によって接着されている。第2のリード11のソースパッドは、第2のリード4のダイボンドパッド部18の上部にはんだ23によって接着されている。
【0063】
図9は、フォーク形ドレインリードアセンブリ24の側面図である。フォーク形状ドレインリードアセンブリ24は、第3のリード5と、ダイ裏面コンタクト部材25とを含む。第3のリード5は、第3のリード5が屈曲部を有することを除いて、第1のリード3及び第2のリード4がリードフレームから打ち抜かれるのと同じ方法でリードフレームから打ち抜かれる。第3のリードのダイボンドパッド部26は、上向きの平坦な接合面を有する。この平坦な接合面は、第3のリードのリード部27の上面の平面とは異なる平面にある。ダイ裏面コンタクト部材25は、同様に、屈曲部を有する。ダイ裏面コンタクト部材25のダイボンドパッド部28は、平坦な接合面を有する。この平坦な接合面は、第3のリードのリード部27の上面の平面とは異なる平面にある。ダイ裏面コンタクト部材25は、下方に延びて第3のリード5と接触する脚部29を有する。ダイ裏面コンタクト部材25は、図示のように第3のリード5に永久的に接合されている。ダイ裏側コンタクト部材25は、例えば、第3のリード5にスポット溶接することもできる。
【0064】
ダイボンドパッド部26は、フォーク形状の組立体24の第1のタインであり、ダイの裏面のコンタクト部材25は、フォーク形状の組立体24の第2のタインである。第3のリード5及び部材25がここでは一緒に組み立てられた2つの異なる部品として記載されているが、フォーク形アセンブリ全体が第3のリードであるとみなすことができる。したがって、第3のリードはフォーク形状を有することができ、第3のリードは、2つのタインを有する単一の金属片とすることができ、或いは、第3のリードは、互いに接合された複数の断片を含むことができる。
【0065】
図10は、フォーク形ドレインリードアセンブリ24の上面図である。
【0066】
図11は、2箇所のはんだ30及び31が図8のアセンブリにどのように使用されるかを示す断面図である。はんだ30及び31ははんだペースト又ははんだプリフォームとして塗布することができる。
【0067】
図12は、図11のアセンブリを挿入することができるような広い開口を作るために拡げることができるフォーク形ドレインリードアセンブリ24を示す側面図である。
【0068】
図13は、図12のフォーク形ドレインリードアセンブリ24に挿入された図11のアセンブリを示す断面図である。図13の断面は、図15のラインB-B’に沿って切断した断面図である。
【0069】
図14は、フォーク形ドレインリードアセンブリ24の内側の平坦な接合面とはんだ30及び31とが良好に接着するように、フォーク形ドレインリードアセンブリ24がどのように閉じられるかを示す側面図である。組み立て工程のこの時点で、3つのリード線3~5のリード部は、互いに平行に延びている。3本のリード3~5のリード部の上面は、すべて同一平面内に配置されている。1つの例では、第1のリード及び第2のリードは第1のリードフレームの一部であり、第3のリードは第2のリードフレームの一部である。2つのリードフレームは、組み立て工程のこの時点でブリッジ部材によって一時的に一緒に保持される。構成部品が図14に示す位置にあるとき、はんだ30,31が溶融する。第1のダイ6の裏面は、第3のリード5の内側の平坦な接合面にはんだ付けされている。第2のダイ11の裏面は、ダイ裏面コンタクト部材25の内側の平坦な接合面にはんだ付けされている。
【0070】
図15は、図14のはんだ付け構造の上面図である。
【0071】
図16は、組み立て工程の後のステップを示す上面図である。絶縁封止材32が、図15のアセンブリの本体部の上に射出成形される。
【0072】
図17は、カプセル化されたアセンブリを示す側面図である。射出成形後、封止材32は、図1に示す形状を有する。ダイ裏面コンタクト部材25の上面は、ダイ裏面コンタクト部材25の金属が本体部2の外面の一部を形成するように露出したままである。同様に、ダイボンドパッド部26の金属が本体部2の外面の一部を形成するように、第3のリード5のダイボンドパッド部26の底面は、露出したままである。
【0073】
図18は、第1の平面33、第2の平面34、第3の平面35、及び第4の平面36を示す断面図である。第1リード3、第2のリード4、及び第3のリード5の平坦な上面はすべて、第1の平面33に配置されている。ダイボンドパッド部26のダイ取付面は、第2の平面34に配置されている。ダイ裏面コンタクト部材25のダイ取付面は、第3の平面35に配置されている。第1の平面33、第2の平面34、及び第3の平面35は互いに平行である。第1の平面は、第2の平面と第3の平面との間に配置される。第1のリード3全体は、均一な厚さ37を有する。第1のリード部及び第2のリード部もまた、この同じ均一な厚さを有する。ここで説明する特定の例では、均一な厚さは1ミリメートル未満である。
【0074】
図19図28は、第2の実施形態及び第2の組み立て方法を示す一連の図面である。この実施形態及び組み立て方法では、フォーク形ドレインリードアセンブリは存在しない。この方法は、第3のリード5から開始する。第3のリード5は、第1の実施形態で使用されているのと同じ形状及び形態である。図19は、上方から見た第3のリード5を示している。図20は、第3のリード5を側面から見た図である。はんだ38が、第3のリード5のダイボンドパッド部26の上向きのダイ取り付け面に配置される。このはんだ38は、ペースト又はプリフォームとして用いることができる。図8のアセンブリは、第1の実施形態に関連して上述したように作られる。次いで、図8のアセンブリは、図21に示すようにはんだ38の上に置かれる。図22は、得られたアセンブリの上面図である。アセンブリはこの時点では加熱されず、ダイ裏面コンタクト部材25がアセンブリ上に置かれる。図23は、ダイ裏面コンタクト部材25の上面図である。図24は、ダイ裏面コンタクト部材25の側面図である。このダイ裏面コンタクト部材25は、ダイ裏面コンタクト部材25の下向きのダイ取付面と第2のダイ11の裏面上向き面との間にはんだ39が配置されるように、図22のアセンブリに上方から置かれる。もう1つのはんだは、図25に示すように、ダイ裏面コンタクト部材25の脚部29の底と第3のリード5の上面との間に、配置される。図26は、得られたアセンブリの上面図である。組み立て工程のこの時点で、3つのリード3~5は、全てが互いに平行に延びるように配置される。一般的には、リード及びダイ裏面コンタクト部材は、リードフレームの一部である。リードフレームはブリッジ部材によって保持される。次いで、アセンブリは、はんだ39及び40が液化するようにオーブン内で加熱される。このようにして、ダイ裏面コンタクト部材25は、第2のダイ11の裏面及び第3のリード5にはんだ付けされる。図8の初期アセンブリを形成するために用いられるはんだは、図8の構造がはんだ接合された後、はんだ接合材料の融点が上昇するような適切な共晶はんだとすることができる。この融点の上昇により、図25及び図26の第2の加熱ステップにおいて、はんだ39,40が溶融するときに、図8の初期アセンブリのはんだ接合部は溶融しない。図25の構造がはんだ接合されるとパッケージ化された半導体デバイス1の本体部2を形成するために、封止材32が射出成形される。完成したパッケージ化された半導体デバイス1は、図2に示される形態を有する。図1に示すように、完成したパッケージ化された半導体デバイス1は、図1に示すように形成される。図27は、完成したパッケージ化された半導体デバイス1の側面図である。封止材の表面の下の構造は、破線で示されている。図28は、完成したパッケージ化された半導体デバイス1の側面図である。
【0075】
図29~40は、第3の実施形態及び第3の組み立て方法を示す一連の図面である。この第3の実施形態及び組み立て方法では、第1の半導体デバイスダイ及び第2の半導体デバイスダイは最初に第1及び第2のリードにはんだ付けされないで、このサブアセンブリは第3のリードに取り付けられる。この第3の実施形態では、2つのダイ裏面コンタクト部材がある。第1の半導体デバイスダイは、ボトムダイ裏面コンタクト部材に取り付けられる。第2の半導体デバイスダイは、トップダイ裏面コンタクト部材に取り付けられる。それぞれの半導体デバイスダイが既に取り付けられている2つのダイ裏面コンタクト部材は、次いで、上面及び底面からの主要なリードに押しつけられる。得られた構造体を一緒にはんだ付けすることにより、この一対の上部及び下部のダイの裏面コンタクト部材の脚部分が第3のリードに接合される。次いで、得られた構造体をカプセル化して、パッケージ化された完成した半導体デバイスのインスタンスが形成される。
【0076】
図29は、トップダイ裏面コンタクト部材41の上面図である。トップダイ裏面コンタクト部材41は、中央ダイボンドパッド部42と、2つのフット部材43,44とを有する。トップダイ裏面コンタクト部材41は、平面ダイ取り付け面を有する。図30は、トップダイ裏面コンタクト部材41の側面図である。第1のはんだ付け工程では、第2の半導体デバイスダイ11の裏面ドレイン電極面が、トップダイ裏面コンタクト部材41の平面状のダイ取付面に取り付けられる。1つの例では、ダイ11は、軟質はんだ45を使用して取り付けられる。図31は、得られたアセンブリの上面図である。トップダイ裏面コンタクト部材41の下の第2のダイ11の輪郭が破線で示されている。図32は、得られたアセンブリの側面図である。
【0077】
さらに、ボトムダイ裏面コンタクト部材46がある。ボトムダイ裏面コンタクト部材46は、トップダイ裏面コンタクト部材と同じ形状である。ボトムダイ裏面コンタクト部材46は、中央ダイボンドパッド部47と、2つのフット部材48,49とを有する。第1のはんだ付け工程では、第1の半導体デバイスダイ6の裏面ドレイン電極面が、図33に示すように、ボトムダイ裏面コンタクト部材46の平面状のダイ取付面に取り付けられる。1つの例では、ダイ6は、軟質はんだ50を使用して取り付けられる。
【0078】
単一のトップダイ裏面コンタクト部材41が図32に描かれているが、トップダイ裏面コンタクト部材41は実際にはより大きなフレームの一部である。このフレームは、金属の細いフィンガーによって互いに接続された多数の同一のトップダイ裏面コンタクト部材を含む。個々のトップダイ裏面コンタクト部材は、一回のスタンピング/切断工程でこれらのフィンガーを切断することによって、フレームから小分けすることができる。同様に、単一のボトムダイ裏面コンタクト部材46が図に描かれているが、ボトムダイ裏面コンタクト部材46は、より大きなフレームの一部である。このフレームは、一回のスタンピング/切断工程でフレームから小分けすることができる多数の同一のボトムダイ裏面コンタクト部材を含む。個々の半導体デバイスダイは、これらのフレームの、対応するダイ裏面コンタクト部材の平面状のダイ取付面に取り付けられる。
【0079】
図34は、ダイ裏面コンタクト部材のような1つのフレーム51の上面図である。6つの第2の半導体デバイスダイがこのフレームの底面にはんだ付けされる。これらのフレームに半導体デバイスダイを取り付けることが、第1のはんだ付け工程である。
【0080】
これらの2つのダイ裏面コンタクト部材のサブアセンブリに加えて、第3の実施形態はリードフレーム52を含む。このリードフレーム52の各別個の部分は、第1のリード(ゲートリード)と第2のリード(ソースリード)だけでなく、さらに、この別個の部分は第3のリード(ドレインリード)をも含む。第1及び第2の実施の形態で用いた第3のリードとは異なり、第3の実施の形態で用いた第3のリードは、ダイ取付面がリードのリード部の平面に対して垂直方向に変位するよう曲げられていない。実際には、この第3の実施形態で使用される第3のリードは、第1及び第2のリードと一緒に、単に平坦な薄板金属片から打ち抜かれる。図35は、リードフレーム52の上面図である。
【0081】
組み立て方法の次のステップにおいて、トップダイ裏面コンタクト部材のフレームが、上からリードフレーム52に配置される。トップフレームアセンブリの各ソースパッドと対応する各ソースリードのダイボンドパッド部との間に、はんだが配置される。トップフレームアセンブリの各ゲートパッドと対応するゲートリードのダイボンドパッド部との間に、はんだが配置される。各トップフレームアセンブリの脚部43と対応する第3のリードの上面との間に、はんだが配置される。トップダイ裏面コンタクト部材41を考慮して、これらのはんだは、図37において参照番号53,54,55により示されている。
【0082】
ボトムダイ裏面コンタクト部材のフレームもまた、底部からリードフレーム52にされる。ボトムフレームアセンブリの各ソースパッドと対応する各ソースリードのダイボンドパッド部との間に、はんだが配置される。ボトムフレームアセンブリの各ゲートパッドと対応するゲートリードのダイボンドパッド部との間に、はんだが配置される。各ボトムダイ裏面コンタクト部材の脚部48と対応する第3のリードの底面との間に、はんだが配置される。ボトムダイ裏面コンタクト部材を考慮して、これらのはんだは、図37において参照番号56,57,58により示されている。
【0083】
図36は、リードフレーム52を上下から挟む、2つのフレームのダイ裏面コンタクト部材を示す上面図である。図37は、アセンブリの側面図を示す図である。2つのフレームのダイ裏面コンタクト部材は、クランプによってこの位置に保持することができる。クランプ59の1つの例を図37に示す。構造体がこの位置にあるとき、アセンブリは加熱されてはんだ53~58を液化する。このようにして、トップダイ裏面コンタクト部材アセンブリは、上部からリードフレーム52にはんだ付けされ、ボトムダイ裏面コンタクト部材アセンブリは、底部からリードフレーム52にはんだ付けされる。これは、第2のはんだ付け工程と呼ばれる。第2のはんだ付け工程の後、クランプが取り外される。トリミング工程では、トップダイ裏面コンタクト部材及びボトムダイ裏面コンタクト部材のフレームの不要部分が切り取られて除去される。リードフレーム52はそのまま残される。次に、標準的な射出成形カプセル化工程でリードフレーム52を使用して、本体部のアレイを形成する。結果として得られた構造体は、その後、トリミング工程において複数の同一のパッケージ化された半導体デバイスに小分けされる。図38は、得られたパッケージ化された半導体デバイス60の1つの上面図である。これは、ダイ裏面コンタクト部材41,46を含む特定のデバイスである。参照番号32は、このデバイス60の本体部の封止材を特定する。図39は、完成したパッケージ化された半導体デバイス60の側面図である。図40は、完成したパッケージ化された半導体デバイス60の斜視図である。3つのリード3~5は、本体部61から延在している。トップダイ裏面コンタクト部材41の外側金属面は、封止材料によって覆われておらず、パッケージ化されたデバイス60の外側面を形成する。図40の斜視図では見ることができないが、ボトムダイ裏面コンタクト部材46の金属面も、封止材料によって覆われておらず、パッケージ化されたデバイス60の外側面を形成する。
【0084】
本発明は、開示目的のために特定の実施形態に関連して記載したが、本発明はそれに限定されない。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に記載された特徴の様々な修正、改変、及び組み合わせを実施することができる。
図1
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