(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】排水床及び処理装置
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20221117BHJP
B09C 1/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B09B5/00 N
B09B5/00 S
(21)【出願番号】P 2019055571
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁泉 恒河
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕己
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-039542(JP,A)
【文献】米国特許第04132010(US,A)
【文献】特開2001-311213(JP,A)
【文献】特開2003-176907(JP,A)
【文献】特開2018-12087(JP,A)
【文献】中国実用新案第207680136(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
B01D 21/00-43/00
B65D 88/00-90/66
B65F 5/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を収容する容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床であって、
第1の孔が複数形成された第1の床材と、
前記第1の孔よりも小さ
い第2の孔が複数形成されて、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置され
、厚さが0.1以上5mm以下であり、平板状の第2の床材
(ただし、第2の床材がメッシュシートである構成は除く)と、
前記第2の孔よりも小さい第3の孔が複数形成されて、前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置される通水シートと、
を備える排水床。
【請求項2】
前記第2の床材は、前記固体物が留まることを特徴とする請求項1に記載の排水床。
【請求項3】
前記第3の孔は、前記固体物が留まることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の排水床。
【請求項4】
前記第1の床材を前記容器の底部から支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記容器の底部と前記第1の床材との間に設けられる請求項1ないし請求項
3のうちいずれか一項に記載の排水床。
【請求項5】
前記第1の床材を前記容器の底部から間隔をあけて支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記容器の側壁の上端部に掛止する請求項1ないし請求項
3のうちいずれか一項に記載の排水床。
【請求項6】
前記第1の床材を前記容器の底部から間隔をあけて支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記容器の側壁と前記第1の床材とを互いに離れる方向に押圧する伸張部を有する請求項1ないし請求項
3のうちいずれか一項に記載の排水床。
【請求項7】
前記第1の床材を積載する床枠を有し、
前記床枠は、前記支持部と接合されている請求項
4ないし請求項
6のうちいずれか一項に記載の排水床。
【請求項8】
対象物を収容する容器と、
前記容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床と、を備えた処理装置であって、
前記排水床は、
第1の孔が複数形成された第1の床材と、
前記第1の孔よりも小さい第2の孔が複数形成されて、前記容器内では前記第1の床材の上方に配置され
、厚さが0.1以上5mm以下であり、平板状の第2の床材
(ただし、第2の床材がメッシュシートである構成は除く)と、
前記第2の孔よりも小さく、前記固体物が留まる第3の孔が複数形成されて、前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置される通水シートと、
を備える処理装置。
【請求項9】
前記第2の床材は、前記固体物が留まることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水床及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却施設で発生する焼却灰やスラグ、汚染土壌等の廃棄物は、重金属類を含有する。鉛(Pb)等、一部の重金属は溶出性が比較的高く、焼却灰のリサイクルや最終処分場での埋立てに際し、重金属の安定化処理が求められている。特許文献1には、廃棄物の安定化処理を行う処理装置が記載されている。特許文献1の処理装置は、廃棄物等の対象物を収容する容器と、容器内の対象物に散水する給水装置と、容器の底部と間隔をあけて配置されかつ散水された対象物を固液分離する排水床とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に示された処理装置は、対象物を固液分離する排水床が孔を有する板を一枚有する構造を採用することがある。しかし、処理装置が、排水床が板を一枚有する構造の場合、対象物の荷重を支えなければならず板の板厚が厚く重いため、固液分離をした後に板の孔の目詰まりの掃除を行う際に、重い板を取り外さなければならず、大変である。さらに、処理装置は、細かい粒径の固液分離を行う場合には、細かい孔のある厚い板を使用することから、目詰まりが発生しやすい。このように、特許文献1等に示された処理装置は、メンテナンスが困難という問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、メンテナンス性を向上することができる排水床及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る排水床は、対象物を収容する容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床であって、第1の孔が複数形成された第1の床材と、前記第1の孔よりも小さい、又は等しい第2の孔が複数形成されて、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置される平板状の第2の床材と、を備える。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る排水床は、対象物を収容する容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床であって、第1の孔が複数形成された第1の床材と、第2の孔が複数形成されて、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置される第2の床材と、前記第1の孔よりも小さい第3の孔が複数形成されて、前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置される通水シートと、を備える。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る処理装置は、対象物を収容する容器と、前記容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床と、を備えた処理装置であって、前記排水床は、第1の孔が複数形成された第1の床材と、第2の孔が複数形成されて、前記容器内では前記第1の床材の上方に配置される第2の床材と、前記固体物が留まる第3の孔が複数形成されて、前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置される通水シートと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、メンテナンス性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る処理装置が設置された荷役車両の模式的な側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された荷役車両のダンプアップした状態の模式的な側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、
図3に示された処理装置の床枠の一部分を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図3に示された処理装置の床枠を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材を模式的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図12】
図12は、
図3に示された処理装置の第1の床材床及び床枠を模式的に示す断面図である。
【
図13】
図13は、
図3に示された処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図15】
図15は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材、及び第2の床材を固定する構造を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図17】
図17は、
図16に示された処理装置の排水床の通水シートが設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図19】
図19は、
図16に示された処理装置の排水床の第1の床材、第2の床材及び通水シートを固定する構造を示す断面図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図21】
図21は、第4実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図22】
図22は、第5実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図24】
図24は、第6実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図25】
図25は、第7実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
【
図26】
図26は、第8実施形態に係る処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図27】
図27は、第9実施形態に係る処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図29】
図29は、第1実施形態から第11実施形態の変形例に係る処理装置の後部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0012】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る処理装置が設置された荷役車両の模式的な側面図である。
図2は、
図1に示された荷役車両のダンプアップした状態の模式的な側面図である。
図3は、第1実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
図4は、
図3に示された処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
図5は、
図3に示された処理装置の床枠の一部分を模式的に示す斜視図である。
図6は、
図3に示された処理装置の床枠を模式的に示す平面図である。
図7は、
図6に示された床枠を側方からみた図である。
図8は、
図6に示された床枠を後方からみた図である。
【0013】
第1実施形態に係る処理装置1は、容器であるコンテナ10内に対象物2を収容し、対象物2の洗浄、安定化処理を行う装置である。なお、第1実施形態では、対象物2は、焼却施設で発生する焼却灰であるが、本発明では、焼却灰に限らず、スラグ、汚染土壌、建設廃棄物のふるい下残さ、汚泥又はアルカリ土壌でもよい。
【0014】
処理装置1のコンテナ10は、箱状に形成され、
図1、
図2及び
図3に示すように、コンテナ本体11と、コンテナ本体11に取り付けられた開閉扉12と、を有する。コンテナ本体11は、四角形、例えば長方形の底部13と、底部13の平行な2辺に連続して設けた一対の側壁14と、コンテナ10の長手方向の一端部に設けられた前壁15とを有する。なお、第1実施形態では、底部13の平面形状は、四角形であるが、本発明では、四角形に限定されない。前壁15は、一対の側壁14及び底部13に連続して、これらの間を塞いでいる。なお、本明細書では、便宜上、コンテナ10において前壁15が設けられている長手方向の一端部を前部といい、前壁15とは長手方向の反対側の他端部を後部という。また、本明細書では、コンテナ10の長手方向をコンテナ10の前後方向Xと記し、コンテナ10の幅方向を左右方向Yと記す。
【0015】
コンテナ本体11は、金属製、例えば、鉄板、鋼鉄、又はステンレス鋼等で形成されている。コンテナ本体11は、底部13の前部及び後部それぞれに回転可能なローラ16が設けられている。ローラ16の回転中心は、左右方向Yと平行である。
【0016】
コンテナ本体11は、前後方向Xの後部側に一対の側壁14と底部13とで囲まれた取り出し口17が形成され、上部に一対の側壁14と前壁15とで囲まれた開口部18が形成されている。
【0017】
開閉扉12は、コンテナ本体11の後部側の取り出し口17において開閉可能に取り付けられている。開閉扉12は、一対の側壁14の後部の上端にヒンジ19により取り付けられている。ヒンジ19は、一対の側壁14の後部の上端と、開閉扉12の上端とを水平方向と平行な軸回りに回転自在に連結している。また、第1実施形態では、開閉扉12は、上端に連結されたヒンジによって取り出し口17を開閉するが、本発明では、これに限定されずに、開閉扉12は、所謂観音開きなどで取り出し口17を開閉してもよい。
【0018】
コンテナ10は、上部に形成された開口部18を通してコンテナ本体11内に対象物2を収容し、コンテナ本体11内に収容した対象物2が取り出し口17を通してコンテナ本体11外に排出される。コンテナ10は、前壁15の外表面に係止部20を設けている。第1実施形態において、コンテナ10は、コンテナ本体11の取り出し口17と開閉扉12との間にこれらの間を水密に保つ図示しないシール部材を備えた所謂水密式のコンテナである。シール部材は、ゴムなどの弾性を有する樹脂から構成され、コンテナ本体11の取り出し口17と開閉扉12との少なくとも一方に設けられている。なお、コンテナ10は、水密式のコンテナでなくともよい。
【0019】
本発明のコンテナ10は、箱状に限定されるものではなく、コンテナ本体11と、コンテナ本体11に取り付けられた開閉扉12とを有するのであれば如何なる形状のコンテナであってもよい。なお、本発明は、コンテナ10において、コンテナ本体11に天蓋を設け、ダンパー等で天蓋を開閉することで開口部18を形成する構成であってもよい。
【0020】
第1実施形態に係る処理装置1は、
図1及び
図2に示すように、荷役車両100に積載される。荷役車両100は、処理装置1のコンテナ10を運搬する車両である。第1実施形態では、荷役車両100は、ダンプカー(dump truck)であるが、本発明では、ダンプカーに限定されない。
【0021】
荷役車両100は、運転者が乗るキャブ101と、キャブ101に連続して設けられた車体フレーム102と、サブフレーム103と、荷役フレーム104と、アクチュエータとしてのシリンダ105とを備えている。車体フレーム102は、水平に配置された金属により構成されたフレームである。サブフレーム103は、金属により構成され、車体フレーム102上に固定されている。荷役フレーム104は、金属により構成され、サブフレーム103上に設けられている。荷役フレーム104は、
図1及び
図2に示すように、箱形状のコンテナ10を支持する。荷役フレーム104は、キャブ101から離れた側の後部に設けられた支持軸106を中心としてサブフレーム103に対して所定角度の範囲内で回動可能である。支持軸106は、荷役車両100の左右方向Yと平行である。
【0022】
荷役フレーム104は、サブフレーム103に重ねられる基部107と、基部107のキャブ101寄りの前部から基部107に対して直交する方向に延びた上方延在部108と、を備える。なお、荷役フレーム104は、車体フレーム102に対して、車体フレーム102の前後方向Xに移動・停止可能であり、かつ、車体フレーム102の前後方向Xに伸縮可能であるが、具体的な構造の説明は省略する。基部107は、支持軸106と同軸なローラ112を回転自在に設けている。上方延在部108は、上端部に係止部20に係止するフック109を設けられている。
【0023】
荷役フレーム104は、基部107に底部13を重ね、上方延在部108に前壁15を重ね、フック109が係止部20に係止することで、コンテナ10を積載可能である。また、荷役フレーム104は、フック109に係止部20を係止させることで、コンテナ10の荷役車両100の前後方向X、及び左右方向Yの移動を規制できる。また、荷役フレーム104は、フック109の係止部20の係止を外すことにより、コンテナ10を取り外すことが可能である。
【0024】
シリンダ105は、サブフレーム103に対して荷役フレーム104を回動させるものである。シリンダ105は、第1実施形態では、サブフレーム103の前端部に取り付けられたシリンダ本体110と、シリンダ本体110から伸縮自在に設けられかつ荷役フレーム104に取り付けられたロッド111とを備える。シリンダ105は、ロッド111を縮小することで、
図1に示すように、荷役フレーム104の基部107を水平方向と平行に位置付け、ロッド111を伸張することで、
図2に示すように、荷役フレーム104の基部107の前端部を後端部よりも上方に位置付ける。
図2に示す荷役フレーム104の基部107の前端部を後端部よりも上方に位置付ける状態をダンプアップという。なお、
図2に示すダンプアップの状態では、開閉扉12は、自重により取り出し口17を開放する。コンテナ10は、
図1に示す位置で開口部18を通して対象物2が積み込まれ、
図2に示す位置で取り出し口17を通して対象物2の外部に排出する。なお、第1実施形態の
図1に示す状態では、コンテナ10の前後方向Xと荷役車両100の前後方向が一致し、コンテナ10の左右方向Yと荷役車両100の左右方向とが一致している。
【0025】
次に、処理装置1の構成を説明する。処理装置1は、
図3に示すように、前述したコンテナ10と、排水床40とを備える。排水床40は、対象物2を収容するコンテナ10の底部13から間隔をあけて設置される。排水床40は、床枠30と、支持部33と、第1の床材41と、第2の床材42とを有する。支持部33は、底部13から間隔をあけて、床枠30、第1の床材41及び第2の床材42を支持するものである。
図3、
図4、
図5、
図6、
図7及び
図8に示すように、床枠30は、複数の縦部材31と、複数の横部材32とを備える。縦部材31と横部材32は、直線状に形成され、かつコンテナ本体11内において底部13から間隔をあけて配置される。床枠30は設けられなくともよい。
【0026】
縦部材31は、
図3に示すように、コンテナ10の前後方向Xと平行に配置されている。第1実施形態では、縦部材31は、コンテナ10の左右方向Yの両端それぞれと、左右方向Yの中央に設けられている。横部材32は、
図6に示すように、コンテナ10の左右方向Yと平行に配置されている。横部材32は、両端が互いに隣り合う縦部材31に固定されている。第1実施形態では、横部材32は、互いに隣り合う縦部材31間に前後方向Xに間隔をあけて五つ設けられている。
【0027】
コンテナ10内であって、底部13上に床枠30を介して第1の床材41と第2の床材42が設けられている。床枠30は、
図5のように、コンテナ10の前後方向Xに沿って配置された複数本の縦部材31と、縦部材31同士を接続するようにコンテナ10の左右方向Yに配置した横部材32とを有する。コンテナ10の前後方向Xは、コンテナ10の長手方向と同じである。縦部材31及び横部材32は、共に断面形状がL形の金属材であり、かつ、互いに溶接して固定されている。縦部材31及び横部材32は、底部13に対して平行である。そして、2本の縦部材31と、2本の横部材32との間に、空間34が形成されている。空間34は、コンテナ10の平面視で四角形である。支持部33は、第1の床材41及び第2の床材42をコンテナ10の底部13から間隔をあけて支持するものであって、縦部材31に連続して設けられている。支持部33は、断面形状がL形の金属材であり、縦部材31に溶接して固定されている。支持部33は、底部13に接触している。また、本発明では、支持部33の縦部材31及び横部材32に対する相対的な位置は、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7及び
図8に記載されたものに限定されない。縦部材31、横部材32及び支持部33は、第1実施形態では金属材であるが、第1の床材41及び第2の床材42を支持することができるものであればよく、金属材に限定されない。縦部材31、横部材32及び支持部33は、本実施形態では断面形状がL形であるが、角型形状や円形形状など第1の床材41及び第2の床材42を支持することができるものでよく、断面形状がL形に限定されない。
【0028】
第1の床材41及び第2の床材42は、床枠30上に支持されて、コンテナ10内の空間を第1空間SP1と第2空間SP2とに区切る。第1空間SP1は、第1の床材41と底部13との間の空間である。より具体的には、第1空間SP1は、第1の床材41と底部13と一対の側壁14と前壁15とで囲まれた空間である。第2空間SP2は、第2の床材42よりも開口部18側の空間である。第2空間SP2は、第2の床材42と一対の側壁14と前壁15とで囲まれた空間である。
【0029】
第1の床材41及び第2の床材42は、上側に対象物2を載せて、コンテナ10内に収容される。第1の床材41及び第2の床材42は、平板状である。第1の床材41及び第2の床材42は、通気性と通水性とを有し、対象物2を固体物3と液状物4とに分離するものである。なお、液状物4とは、第1の孔411及び第2の孔412を通過するものを総称し、固体物3とは、第1の床材41及び第2の床材42上に留まるものを総称する。言い換えると、液状物4とは、排水床40を通って、排水床40とコンテナ10の底部13の間に留まるもの、固体物3とは排水床40の上に留まるものをいう。
【0030】
第1実施形態に係る排水床40の第1の床材41について説明する。
図9は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材を模式的に示す斜視図である。
図10は、
図3に示された処理装置1の排水床の第1の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
図11は、
図10に示された第1の床材の平面図である。
図12は、
図3に示された処理装置の第1の床材及び床枠を模式的に示す断面図である。
【0031】
第1の床材41は、処理装置1に複数設けられている。
図10に示すように、第1の床材41は、前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。第1の床材41は、厚さが1mm以上でかつ20mm以下である。第1の床材41は、金属から構成された平板状の部材であり、打ち抜き加工などにより第1の孔411が形成された所謂パンチングメタルである。第1の床材41は、
図9及び
図11に示すように、第1の孔411と貫通孔414を有している。第1の床材41は、通気性と通水性とを有する。第1の床材41は、第1の孔411を複数有している。第1の孔411は、第1の床材41を貫通している。第1の孔411は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。第1実施形態において、複数の第1の孔411は、等間隔に設けられている。第1実施形態では、第1の孔411の平面形は、円形に形成され、かつ内径が10mm以上でかつ100mm以下である。なお、第1実施形態では、第1の孔411の平面形が円形であるが、本発明では、第1の孔411の平面形は、円形に限定されない。
【0032】
また、第1の床材41は、
図9及び
図12のように、位置決め片417と結合しても良い。位置決め片417は、L字状の金属からなる部材であって、接続部415と嵌め込み部416を有する。一枚の金属板が約90度に折り曲げられることによって接続部415と嵌め込み部416が形成される。接続部415は、第1の床材41の裏面に溶接などで結合される。嵌め込み部416は、底部13に向かって形成される。第1の床材41は、床枠30上に設けられる。第1の床材41は、床枠30の空間34内即ち互いに隣り合う縦部材31間及び横部材32間に嵌め込まれる。位置決め片417の嵌め込み部416が床枠30と嵌合されていることにより、ダンプアップの際に処理装置1が傾斜しても、第1の床材41は床枠30上に固定された状態を保持することができる。
【0033】
なお、第1実施形態では、第1の床材41は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第1実施形態では、複数の第1の孔411は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第1の床材41は、位置決め片417と結合しているが、位置決め片417はなくともよい。第1実施形態では、第1の床材41はパンチングメタルであるが、金属製のメッシュであってもよい。第1実施形態では、第1の床材41は金属から構成されるが、第1の床材41を構成する材料は、金属に限定されない。
【0034】
第1実施形態に係る排水床40の第2の床材42について説明する。
図13は、
図3に示された処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
図14は、
図13に示された第2の床材の平面図である。
図15は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材、第2の床材及び通水シートを固定する構造を示す断面図である。
【0035】
第2の床材42は、
図13及び
図14に示すように、第1実施形態では、処理装置1に複数設けられている。前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。第2の床材42は、厚さが0.1mm以上でかつ5mm以下である。第2の床材42は、金属から構成された平板状の部材であり、打ち抜き加工などにより第2の孔421が形成された所謂パンチングメタルである。第2の床材42は、第2の孔421及び貫通孔424を有している。第2の床材42は、通気性と通水性とを有する。第2の床材42は、第2の孔421を複数有している。第2の孔421は、第2の床材42を貫通している。第2の孔421は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。第2の床材42は、固体物3を留めることができる。第1実施形態において、複数の第2の孔421は等間隔に設けられている。第1実施形態では、第2の孔421の平面形は、円形に形成され、かつ内径が0.5mm以上でかつ30mm以下である。なお、第1実施形態では、第2の孔421の平面形が円形であるが、本発明では、第2の孔421の平面形は、円形に限定されない。
【0036】
なお、第1実施形態では、第2の床材42は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第1実施形態では、複数の第2の孔421は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第1実施形態では、第2の床材42はパンチングメタルであるが、金属製のメッシュであってもよい。第1実施形態では、第2の床材42は金属から構成されるが、第2の床材42を構成する材料は、金属に限定されない。
【0037】
第2の床材42は、床枠30及び第1の床材41上に設けられ、床枠30及び第1の床材41とともに支持部33に支持される。
図15に示すように、第1の床材41と第2の床材42とは、ボルト44が第1の床材41の貫通孔414及び第2の床材42の貫通孔424に通されて、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合して結合する。第2の孔421は、第1の孔411の少なくとも一部に重なるように配置される。
【0038】
第1実施形態では、第1の床材41と、第2の床材42とは、互いに同数設けられているが、異なる数でもよい。第1の床材41と第2の床材42とは、互いに同じ大きさの部材により構成されているが、本発明では、第1の床材41と第2の床材42は同じ大きさでなくともよい。第1実施形態では、第1の床材41と第2の床材42とは、ボルト44で結合されているが、固定することができるものであればよく、ボルト44に限られない。第1実施形態では、第1の孔411と第2の孔421とは、同数設けられているが、異なる数でもよい。複数の第2の孔421のうち、少なくとも一つが第1の孔411と少なくとも一部が重なるように配置されていればよい。第1実施形態では、第2の床材42の重さは第1の床材41の重さよりも軽いが、第1の床材41及び第2の床材42の重さを等しくしてもよい。
【0039】
第1の孔411、第2の孔421、第3の孔431の内径は、対象物2によって適宜設定される。第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さい。第2の孔421の内径を第1の孔411の内径よりも小さくすることにより、固体物3は第2の床材42上に留まり第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0040】
第1実施形態に係る第2の孔421の内径は第1の孔411の内径よりも小さいが、第2の孔421の内径は、第1の孔411と等しくてもよい。第1の孔411と第2の孔421の内径が等しい場合、第1の孔411場合は、第1の孔411と第2の孔421の一部のみが重なり合うように、第1の床材41と第2の床材42をずらして設置する。または、第1の孔411と第2の孔421の一部が重なり合うように予めずらして結合した状態の第1の床材41及び第2の床材42を設置する。その結果、対象物2が第1の床材41を通り抜けることができる範囲が狭くなるため、第2の孔421の内径が第1の孔411の内径と等しくても固体物3を第2の床材42上に留めることができる。第2の孔421の内径が第1の孔411の内径よりも小さい場合と同様に、第2の孔421に目詰まりが生じるが、第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0041】
処理装置1は、第1空間SP1に開口した排水口50と、複数の通気口60とを備えている。排水口50は、第1空間SP1とコンテナ10の外部とをつなぐ通路である。第1実施形態では、排水口50は、図示しない開閉弁が接続しており、開閉弁により開閉される。排水口50は、開閉弁が開くと第1空間SP1内の液状物4をコンテナ10外に排水し、開閉弁が閉じると液状物4が第1空間SP1内に貯留されることを維持する。また、本発明では、排水口50は、開閉弁を介して図示しない排水管、図示しないポンプに接続されて、ポンプにより吸引されて、コンテナ10の外部へ液状物4を排水してもよい。
【0042】
第1実施形態では、通気口60は、2つ設けられ、一方が、第1空間SP1に開口し、他方が、第2空間SP2に開口している。通気口60は、第1空間SP1又は第2空間SP2とコンテナ10の外部とをつなぐ通路である。本発明では、一つの通気口60を給気、一つの通気口60を排気として用いてもよく、通気口60を複数(三つ以上)設けてもよい。
【0043】
第1空間SP1に開口した通気口60の位置は、第1空間SP1に貯留される液状物4の量、特に貯留される液状物4の底部13から上面までの高さを考慮して決めることが好ましい。第1空間SP1に開口した通気口60は、第2空間SP2に貯留される液状物4の最大水位よりも上に位置していることが好ましい。
【0044】
また、通気口60は、図示しない通気管を介してガス供給装置に接続している。ガス供給装置は、第2空間SP2内の対象物2に二酸化炭素(CO2)を含有するガスを供給する装置である。ガス供給装置は、例えば、ガスボンベ、ガスタンク、送風機又は圧縮機等である。ガス供給装置は、ガスの二酸化炭素(CO2)の濃度を調整できる機能を有していてもよい。また、処理装置1が焼却施設で用いられる場合には、ガス供給装置は、焼却炉からの排ガスを利用してガスを供給することもできる。
【0045】
なお、本発明では、ガスは、二酸化炭素に限られず、適宜、空気、水蒸気、酸素、オゾン、窒素、水素、硫化水素、酸性ガス等を適宜含有するガスを用いてもよい。また、その場合、ガス供給装置は、空気、水蒸気、酸素、オゾン、窒素、水素、硫化水素、酸性ガス等を適宜含有するガスを供給する装置であればよい。
【0046】
また、処理装置1は、
図3に示す給水装置70により開口部18を通してコンテナ10の内部に水が散水される。給水装置70は、コンテナ10又は荷役車両100に取り付けられている必要はなく、処理装置1とは別途用意されても良く、コンテナ10又は荷役車両100に取り付けられて処理装置1の一部分であってもよい。
【0047】
第1実施形態では、給水装置70は、給水ホース71と、給水ホース71に接続された給水管72と、給水管72の先端に取り付けたノズル73と、を備える。給水管72は、複数設けられ、支持フレーム74により支持されている。また、複数の給水管72は、互いに間隔をあけて平行に配置されている。給水装置70は、例えば、給水タンク又は水道等から供給される水を第2空間SP2内の対象物2にノズル73から散水して、対象物2を洗浄する。なお、給水タンクは、雨水を回収するタンクであってもよい。また、本発明では、給水装置70が散水する水は、水、井戸水、水道水、雨水、又は炭酸イオンを含有する溶液が用いられる。また、本発明では、給水装置70の構成は、第2空間SP2内の対象物2に散水することができるものであれば、第1実施形態に記載されたものに限定されない。
【0048】
次に、第1実施形態に係る処理装置1を用いた対象物2の処理作業を簡単に説明する。
第1実施形態に係る処理装置1は、荷役車両100の荷役フレーム104に積載されかつ
図1に示す状態で開口部18を通してコンテナ10内に対象物2が積み込まれる。処理装置1は、給水装置70により開口部18を通して水が散水される。給水装置70から散水された水は、対象物2を洗浄しながら下方に移動し、排水床40を通って液状物4として第1空間SP1に溜まる。また、対象物2のうち固体物3は、排水床40上の第2空間SP2内に留まる。
【0049】
散水中又は散水していない状態で、ガス供給装置からガスがコンテナ10内の対象物2内に供給される。ガスにより、対象物2に含まれる重金属、例えば、鉛、カルシウムなどは、二酸化炭素により炭酸化され不溶化が促進される。処理装置1は、排水口50から液状物4がコンテナ10外へ排出された後、荷役車両100が
図2に示すようにダンプアップすることにより、対象物2が取り出し口17を通してコンテナ10外に排出される。なお、処理装置1は、ダンプアップの際に、重機のアタッチメントによりコンテナ本体11内の対象物2が取り出し口17から外部に排出されてもよい。
【0050】
以上説明したように、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の孔411を複数有する第1の床材41と第2の孔421を複数有する第2の床材42とを備える。第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さい、又は等しい。排水床40及び処理装置1は、本実施形態のように、第2の孔421の内径の大きさが第1の孔411の内径よりも小さい、又は等しいことにより、第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。なお、第1実施形態では、第2の孔421の内径が第1の孔411の内径よりも小さい、又は等しいが、要するに本発明では、第2の孔421の平面形の大きさが第1の孔の平面形よりも小さい、又は等しければよい。第1の孔411及び第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411及び第2の孔421の平面形の面積である。
【0051】
また、従来は一枚の床材に孔を形成し固体物3と液状物4を分離していた。細かい粒径の固体物3を分離する場合、孔を小さくしなければならないが、板厚の薄い床材でなければ小さい孔をあける加工が難しいことから、メッシュシートを床材の上に設ける場合があった。しかし、メッシュシートは対象物2からかかる引っ張り力に耐えることができず、メッシュシートが破損してしまうという課題があった。
【0052】
第1実施形態では、第1の床材41上に第1の孔411の孔の内径よりも小さい、又は等しい第2の孔421を有する平板状の第2の床材42を積載することにより、対象物2の固体物3を第2の床材42上に留めることができる。さらに、ダンプアップ時に、対象物2から第2の床材42にかかる引っ張り力に耐えることができるという効果を奏する。
【0053】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図16は、第1実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
図17は、
図16に示された処理装置の排水床の通水シートが設置された状態を模式的に示す平面図である。
図18は、
図16に示された処理装置の排水床の通水シートの平面図である。
図19は、
図16に示された処理装置の排水床の第1の床材、第2の床材及び通水シートを固定する構造を示す断面図である。なお、
図16、
図17、
図18及び
図19は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41と第2の床材42との間に配置される通水シート43とを備えること以外、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。
【0055】
図16及び
図17に示すように、第2実施形態では、処理装置1に複数設けられている。前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。通水シート43の厚さは、0.01mm以上でかつ1mm以下である。通水シート43は、樹脂等から構成されたメッシュシートである。通水シート43は、
図18に示すように、第3の孔431及び貫通孔434を有している。通水シート43は、通気性と通水性とを有する。通水シート43は、第3の孔431を複数有している。第3の孔431は、通水シート43を貫通している。第3の孔431は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。通水シート43は、固体物3を留めることができる。第2実施形態において、複数の第3の孔431は等間隔に設けられている。第2実施形態では、第3の孔431の平面形は、円形に形成され、かつ内径が0.45μm以上でかつ3mm以下である。第3の孔431の内径が0.45μm以上でかつ3mm以下であるのは、0.45μmが、溶解物と懸濁物を分ける指標だからであり、第3の孔431が溶解物のみを通過させるためである。通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42よりも重さが軽い。なお、第2実施形態では、第3の孔431の平面形が円形であるが、本発明では、第3の孔431の平面形は、円形に限定されない。
【0056】
なお、第2実施形態では、通水シート43は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第2実施形態では、複数の第3の孔431は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第2実施形態では、通水シート43は樹脂等から構成されるメッシュシートであるが、樹脂から構成された網(所謂、トリカルネット(登録商標)ともいう)、樹脂、布、紙、不織布、ろ布、樹脂性フィルター(メンブレンフィルターなど)などでもよい。即ち、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42を構成する材料よりも機械的な強度(対象物2の荷重に耐え得る強度)が低い材料から構成されたものであればよい。
【0057】
通水シート43は、第1の床材41と第2の床材42との間に配置される。通水シート43は、床枠30及び第1の床材41上に設けられ、床枠30及び第1の床材41とともに支持部33に支持される。
図19に示すように、第1の床材41と通水シート43と第2の床材42とは、ボルト44が第1の床材41の貫通孔414、通水シート43の貫通孔434、第2の床材42の貫通孔424に通されて、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合して結合する。通水シート43の第3の孔431は、第2の孔421及び第1の孔411の少なくとも一部に重なるように配置される。
【0058】
なお、第2実施形態では、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42と同数設けられているが、第1の床材41と第2の床材42とのうち一方と同数設けられてもよく、第1の床材41と第2の床材42との双方と異なる数設けられてもよい。第2実施形態では、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42と等しい大きさに形成されているが、本発明では、第1の床材41と第2の床材42とのうち一方と等しい大きさに形成されてもよく、第1の床材41と第2の床材42との双方と異なる大きさに形成されてもよい。第2実施形態では、第1の床材41と通水シート43と第2の床材42とは、ボルト44で結合されているが、固定することができるものであればよく、ボルト44に限られない。第2実施形態では、第1の孔411と第2の孔421とは、同数設けられているが、異なる数でもよい。第2実施形態では、第3の孔431と第1の孔411及び第2の孔421とは、異なる数設けられているが、等しい数でもよい。複数の第3の孔431のうち、少なくとも一つが第1の孔411及び第2の孔421と少なくとも一部が重なるように配置されていればよい。第2実施形態では、通水シート43の重さは、第1の床材41及び第2の床材42より軽いが、同じでもよい。
【0059】
第1の孔411、第2の孔421、第3の孔431の内径は、対象物2によって適宜設定される。第2実施形態では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さい。第3の孔431の内径は、第1の孔411の内径及び第2の孔421の内径よりも小さい。固体物3は、固体物3の大きさによって第2の床材42上又は通水シート43上に留まる。通水シート43の第3の孔431は、対象物2のうちの液状物4の通過を許容し、通水シート43上に固体物3を留めることができる。即ち、第2実施形態において、対象物2の液状物4とは、第1の孔411及び通水シート43の第3の孔431及び第2の孔421を通過するものを総称し、固体物3とは、通水シート43上に留まるものを総称する。即ち、第2実施形態では、固体物3は、通水シート43又は第2の床材42上に留まる。第2の孔421及び第3の孔431には目詰まりが発生するが、第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42及び通水シート43を取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0060】
なお、第2実施形態では、通水シート43の第3の孔431の内径は、第2の孔421の内径よりも小さいが、等しくてもよく大きくてもよい。第2実施形態では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さいが、等しくてもよい。要するに本発明では、第3の孔431の平面形の大きさが第2の孔421の平面形よりも小さいが、等しくてもよく大きくてもよい。本発明では、第2の孔421の平面形の大きさが、第1の孔411の平面形の大きさと等しくてもよい。第3の孔431の平面形の大きさは、第3の孔431の平面形の面積である。
【0061】
第2の孔421の内径を第1の孔411の内径よりも小さくし、又は第2の孔421の内径を第1の孔411の内径と等しくすることにより、通水シート43の破断を抑制することができる。
【0062】
また、ダンプアップ時に、通水シート43上に第2の床材42が設けられていることにより、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、さらに排出に重機を用いた場合、通水シート43に重機のアタッチメントが接触することを抑制することができる。その結果、通水シート43が破損することを抑制することができる。
【0063】
以上説明したように、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくし、第3の孔431を第1の孔411と第2の孔421との双方よりも小さくしている。そのため、排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第2の孔421及び第3の孔431には目詰まりが発生するが、第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42及び通水シート43を取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。なお、第2実施形態では、第2の孔421の内径が第1の孔411の内径よりも小さく、第3の孔431の内径が、第1の孔411の内径及び第2の孔421の内径よりも小さいが、要するに本発明では、第2の孔421の平面形の大きさが第1の孔411の平面形よりも小さく、第3の孔431の平面形の大きさが、第1の孔411の平面形の大きさ及び第2の孔421の平面形の大きさよりも小さければよい。
【0064】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の孔421を第1の孔411よりも大きくすると、通水シート43が破断し易くなるが、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしているので、通水シート43の破断を抑制することができる。
【0065】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくするのが望ましく、この場合、第2の孔421に目詰まりが発生し易くなり、重さの軽い第2の床材42及び通水シート43を取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0066】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41と第2の床材42との間に通水シート43を配置している。これにより、排水床40及び処理装置1は、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、さらに排出に重機を用いた場合、通水シート43に重機のアタッチメントが接触することを抑制することができる。その結果、排水床40及び処理装置1は、特に、通水シート43が破損することを抑制することができるという効果を奏する。
【0067】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の孔421が第1の孔411よりも小さいので、第2の孔421を通して露出する通水シート43の破損を抑制でき、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができる。
【0068】
第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の床材42の厚さが0.1mm以上でかつ5mm以下であることが好ましい。第2の孔421の内径が0.5mm以上でかつ30mm以下であることが好ましい。
【0069】
第2の床材42の厚さが0.1mm以上でかつ第2の孔421の内径が30mm以下であると、ダンプアップ時に対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、通水シート43の破損を抑制することができるからである。
【0070】
また、第2の床材42の厚さが5mmを超えると重く、メンテナンス時に第2の床材42を取り外しにくくなるため、第2の床材42の厚さは5mm以下であることが好ましい。第2の孔421の内径は、対象物2からかかる引っ張り力に耐えることができる0.5mm以上であることが好ましい。
【0071】
したがって、固体物3を通水シート43で留めることができるとともに、対象物2と通水シート43の接触を最小限に抑えることができ、ダンプアップ時に、対象物2からかかる引っ張り力が通水シート43に作用することを抑制することができる。この結果、通水シート43の破損を抑制することができる。
【0072】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41の厚さが1mm以上であるので、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えるのに必要な機械的な強度を有することとなる。第1の床材41の厚さが1mm未満であると、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えることができない。また、第1の床材41の厚さが20mmを超えると、処理装置1のメンテナンス時に第1の床材41を取り外しにくくなるからである。
【0073】
また、第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の孔411の内径が10mm以上でかつ100mm以下であるので、10mm未満であるとスケールによる詰まりが発生しやすくなるため、対象物2を固体物3と液状物4とに分離する際にかかる所要時間が長時間化することを抑制できる。なお、第1の孔411の内径が10mm未満であると、通水シート43を通過した液状物4が第1の孔411を通るのにかかる所要時間が長時間化して、第1の孔411の内径が100mmを超えると、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えることができないからである。なお、第2の床材42の第2の孔421の内径が10mm以下でも良いのは、第2の床材42の厚さが第1の床材41より薄く、第2の床材42が第1の床材41より軽いので、第1の床材41よりも清掃しやすいためである。
【0074】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図20は、第3実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。なお、
図20は、第1実施形態及び第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
第3実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41及び第2の床材42をコンテナ10の底部13から間隔をあけて支持する支持部33-3の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なること以外、第1実施形態及び第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。なお、
図20は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0076】
第3実施形態に係る排水床40及び処理装置1の支持部33-3は、
図20に示すように、少なくとも二つ設けられ、一端が床枠30の左右方向Yの端に接合され、コンテナ10の側壁14と鉛直方向に沿って平行に配置されている。支持部33-3は、他端にコンテナ10の側壁14の上端部に掛止するフック状の掛止部35を備えている。フック状の掛止部35がコンテナ10の側壁14に係止されることにより、床枠30、第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43が底部13から間隔をあけて支持される。第3実施形態において、掛止部35は、フック状に形成されているが、本発明では、掛止部35の形状は、フック状に限定されない。
【0077】
第3実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第3実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、清掃のときに重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0078】
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図21は、第4実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。なお、
図21は、第1実施形態及び第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
第4実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41及び第2の床材42をコンテナ10の底部13から間隔をあけて支持する支持部33-4の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なることと、伸張部37を備えること以外、第1実施形態及び第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。なお、
図21は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0080】
第4実施形態に係る排水床40及び処理装置1の支持部33-4は、
図21に示すように、少なくとも二つ設けられている。支持部33-4は、一端が床枠30の左右方向Yの端に接合され、コンテナ10の側壁14と鉛直方向に沿って平行に配置された板材36と、板材36とコンテナ10の側壁14とを互いに離れる方向に押圧する伸張部37を有している。コンテナ10の側壁14と板材36との間には、第1の領域38が形成される。言い換えると、コンテナ10の側壁14と床枠30の左右方向Yの端部との間には、第1の領域38が形成される。伸張部37は、第1の領域38に設けられる。伸張部37は、板材36とコンテナ10の側壁14とを互いに離れる方向に押圧することにより、板材36を介して側壁14と第1の床材41とを互いに離れる方向に押圧して、板材36を介して床枠30、第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43を底部13から間隔をあけて支持する。
【0081】
第4実施形態において、伸張部37は、中央のジョイントを伸張部37の長手方向と平行な軸心回りに回転することにより全長が伸縮する、所謂突っ張り棒であるが、本発明では、突っ張り棒に限定されない。本発明では、板材36はなくともよい。伸張部37は、床枠30の左右方向Yの端部に接合されてもよく、コンテナ10の側壁14と床枠30の側面とを互いに離れる方向に押圧することにより床枠30を底部13から間隔をあけて支持してもよい。
【0082】
第4実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第4実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、清掃のときに重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0083】
〔第5実施形態〕
本発明の第5実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図22は、第5実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。
図23は、
図22に示された排水床の変形例を模式的に示す図である。なお、
図22及び
図23は、第1実施形態及び第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0084】
第5実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、床枠30を備えずに、支持部33を第1の床材41に接合していること以外、第1実施形態及び第2実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。なお、
図22及び
図23は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0085】
第5実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、
図22に示すように、支持部33を左右方向Yに間隔をあけて2つ配置し、第5実施形態の変形例に係る排水床40及び処理装置1は、
図23に示すように、支持部33を左右方向Yに間隔をあけて4つ配置している。なお、
図22では、支持部33は、模式的に記載されているが、実際には、
図6に示された位置に設けられる。支持部33は、第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43を底部13から間隔をあけて支持する。本発明では、床枠30を備えずに、支持部33を直接第1の床材41に接合する場合、支持部33の配置、数等を適宜変更してもよい。
【0086】
第5実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第5実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、掃除の際に重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0087】
〔第6実施形態〕
本発明の第6実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図24は、第6実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。なお、
図24は、第3実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
第6実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、床枠30を備えずに、支持部33-3の一端を第1の床材41の左右方向Yの端に接合していること以外、第3実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。なお、
図24は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0089】
第6実施形態に係る排水床40及び処理装置1の支持部33-3は、
図24に示すように、少なくとも二つ設けられ、一端が第1の床材41の左右方向Yの端に接合され、コンテナ10の側壁14と鉛直方向に沿って平行に配置されている。支持部33-3は、他端にコンテナ10の側壁14の上端部に掛止するフック状の掛止部35を備えている。フック状の掛止部35がコンテナ10の側壁14に係止されることにより、第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43が底部13から間隔をあけて支持される。第3実施形態において、掛止部35は、フック状に形成されているが、本発明では、掛止部35の形状は、フック状に限定されない。
【0090】
第6実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第6実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、重い第1の床材41をコンテナ10から取り外すメンテナンスの回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0091】
〔第7実施形態〕
本発明の第7実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図25は、第7実施形態に係る処理装置の後方からみたコンテナ及び排水床を模式的に示す図である。なお、
図25は、第4実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
第7実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、床枠30を備えずに、支持部33-4の板材36の一端を第1の床材41の左右方向Yの端に接合していること以外、第4実施形態に係る排水床40及び処理装置1と構成が同じである。なお、
図25は、第1の床材41と第2の床材42と通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0093】
第7実施形態に係る排水床40及び処理装置1の支持部33-4は、
図25に示すように、少なくとも二つ設けられている。支持部33-4は、一端が第1の床材41の左右方向Yの端に接合され、コンテナ10の側壁14と平行に 配置された板材36と、板材36とコンテナ10の側壁14とを互いに離れる方向に押圧する伸張部37を有している。コンテナ10の側壁14と板材36との間には、第1の領域38が形成される。言い換えると、コンテナ10の側壁14と第1の床材41の左右方向Yの端部との間には、第1の領域38が形成される。伸張部37は、第1の領域38に設けられる。伸張部37は、板材36とコンテナ10の側壁14とを互いに離れる方向に押圧することにより、板材36を介して側壁14と第1の床材41とを互いに離れる方向に押圧して、板材36を介して第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43を底部13から間隔をあけて支持する。
【0094】
第7実施形態において、伸張部37は、中央のジョイントを伸張部37の長手方向と平行な軸心回りに回転することにより全長が伸縮する、所謂突っ張り棒であるが、本発明では、突っ張り棒に限定されない。板材36はなくともよい。伸張部37は、床枠30の左右方向Yの端部に接合されてもよく、コンテナ10の側壁14と第1の床材41の側面とを互いに離れる方向に押圧することにより床枠30を底部13から間隔をあけて支持してもよい。
【0095】
第7実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第7実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42のみを取り外して掃除すればよく、重い第1の床材41をコンテナ10から取り外すメンテナンスの回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0096】
〔第8実施形態〕
本発明の第8実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図26は、第8実施形態に係る処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。なお、
図26は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
第8実施形態に係る処理装置1及び排水床40は、第2の床材42-8の大きさが異なること以外、第1実施形態と同じである。第8実施形態に係る処理装置1及び排水床40の第2の床材42-8は、
図26に示すように、第1実施形態の第2の床材42よりも大きい。本実施形態では、第2の床材42-8は、第1実施形態の第2の床材42が前後方向Xに2つ連結された大きさである。このために、本実施形態では、第2の床材42-8は、
図26に示すように、前後方向Xに2つ設置され、左右方向Yに2つ設置されて、合計4つ設置されている。
【0098】
第8実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42-8とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、第5実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42-8のみを取り外して掃除すればよく、掃除の際に重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0099】
また、第8実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態の第2の床材42よりも大きい第2の床材42-8を備えるので、第1実施形態よりもボルト44の数を減らすことができ、対象物2がボルト44に引っかかって第2の床材42-8上に残ることを抑制することができる、という効果も奏する。なお、第8実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2実施形態と同様に、通水シート43を備えてもよい。
【0100】
〔第9実施形態〕
本発明の第9実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図27は、第9実施形態に係る処理装置の排水床の第2の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
図28は、
図27に示された処理装置の排水床の通水シートの平面図である。なお、
図27及び
図28は、第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0101】
第9実施形態に係る処理装置1及び排水床40は、第2の床材42-9と通水シート43-9の大きさが異なること以外、第2実施形態と同じである。第9実施形態に係る処理装置1及び排水床40の第2の床材42-9は、
図27に示すように、第1実施形態の第2の床材42よりも大きく、第1実施形態の第2の床材42が前後方向Xに4つ連結されかつ左右方向Yの2つ連結された大きさである。第9実施形態に係る処理装置1及び排水床40の通水シート43-9は、
図28に示すように、第2実施形態の通水シート43よりも大きく、第2実施形態の通水シート43が前後方向Xに4つ連結されかつ左右方向Yの2つ連結された大きさであり、1つのみ設置される。
【0102】
第9実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42-9と通水シート43-9とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくし、第3の孔431を第1の孔411と第2の孔421との双方よりも小さくしている。その結果、第9実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2実施形態と同様に、重さの軽い第2の床材42-9及び通水シート43-9を取り外して掃除すればよく、重い第1の床材41をコンテナ10から取り外すメンテナンスの回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0103】
また、第9実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2実施形態の第2の床材42よりも大きい第2の床材42-9を備えるので、第2実施形態よりもボルト44の数を減らすことができ、対象物2がボルト44に引っかかって第2の床材42-9上に残ることを抑制することができる、という効果も奏する。
【0104】
前述した第1実施形態から第9実施形態に示すように、本発明は、第2の床材42,42-2,42-3の大きさを適宜変更してもよく、第2の床材42,42-2,42-3の数を適宜変更してもよい。また、本発明は、第2の床材42,42-2,42-3と同様に、第1の床材41及び通水シート43の大きさを適宜変更してもよく、第1の床材41及び通水シート43の数を適宜変更してもよい。ボルト44の数は適宜変更してもよい。
【0105】
〔変形例〕
本発明の第1実施形態から第9実施形態の変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図29は、第1実施形態から第9実施形態の変形例に係る処理装置の後部を模式的に示す断面図である。なお、
図29は、第1実施形態等と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。なお、
図29は、通水シート43を備える例を記載しているが、本発明では、第1実施形態と同様に通水シート43を備えなくてもよい。
【0106】
変形例に係る処理装置1は、コンテナ10が開閉扉12と取り出し口17との双方に設けられたシール部材を備えていない非水密式のコンテナであり、第1空間SP1内の液状物4が取り出し口17を通してコンテナ10外に漏れることを抑制するシール部46を備え、最も後部側の支持部33が底部13と間隔をあけていること以外、第1実施形態から第9実施形態と同じである。
【0107】
シール部46は、
図29に示すように、底部13上に固定された止水壁47と、第1シール部材48と、第2シール部材49とを備える。止水壁47は、金属から構成され、直線状の延びた柱状に形成されている。止水壁47は、底部13の後部上の溶接等により固定され、両端が側壁14に溶接等により固定されている。変形例では、止水壁47は、左右方向Yと平行に配置されている。止水壁47は、最も後部側の支持部33との間に間隔をあけている。また、変形例では、止水壁47の底部13からの高さは、底部13から床枠30までの高さの0.2倍以上でかつ0.9倍以下、望ましくは、0.5倍以上でかつ0.8倍にして、止水壁47が床枠30との間に隙間を設けるのが望ましい。
【0108】
また、変形例では、止水壁47は、前後方向Xの断面形状が前部側に斜面471が設けられ、かつ後部側が底部13から上方に延びた三角形に形成されている。斜面471は、前後方向Xに沿って後部側に向かうにしたがって徐々に上方に位置する方向に水平方向及び鉛直方向に対して傾斜している。また、変形例では、止水壁47の前後方向Xの断面形状は、直角三角形に形成されているが、本発明では、直角三角形に限定されない。また、斜面471の底部13との角度は、30度以上で90度未満、望ましくは、45度以上でかつ60度以下とする。
【0109】
第1シール部材48及び第2シール部材49は、ゴム等の弾性を有する樹脂により構成されている。第1シール部材48は、止水壁47と開閉扉12との間を水密に保つためのものであり、第2シール部材49は、床枠30と開閉扉12との間を水密に保つためのものである。変形例では、シール部46は、第1シール部材48と第2シール部材49とを備えるが、本発明では、少なくとも第1シール部材48を備えていればよい。
【0110】
変形例では、第1シール部材48は、止水壁47に固定されている。第1シール部材48は、止水壁47の左右方向Yの全長に亘って設けられている。第1シール部材48は、取り出し口17を閉じた開閉扉12から押圧されて開閉扉12と止水壁47との間を水密に維持するリップ481を備えている。変形例では、第1シール部材48は、止水壁47に固定されているが、本発明では、開閉扉12に固定されてもよく、開閉扉12と止水壁47との双方に固定されてもよい。
【0111】
変形例では、第2シール部材49は、床枠30に固定されている。第2シール部材49は、床枠30の左右方向Yの全長に亘って設けられている。第2シール部材49は、取り出し口17を閉じた開閉扉12から押圧されて開閉扉12と床枠30との間を水密に維持するリップ491を備えている。変形例では、第2シール部材49は、床枠30に固定されているが、本発明では、開閉扉12に固定されてもよく、開閉扉12と床枠30との双方に固定されてもよい。
【0112】
変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、第1の床材41と第2の床材42-8とを備え、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、又は、第2の孔421の大きさを第1の孔411の大きさと等しくしている。その結果、変形例に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42-8のみを取り外して掃除すればよく、重い第1の床材41をコンテナ10から取り外すメンテナンスの回数を減らすことができ、第1実施形態と同様に、メンテナンス性を向上することができる。
【0113】
また、変形例に係る処理装置1は、第1空間SP1内の液状物4が取り出し口17を通してコンテナ10外に漏れることを規制するシール部46を備えているので、コンテナ10が非水密式コンテナであっても、第1空間SP1内の液状物4が意図しないタイミングで取り出し口17から漏れ出ることを抑制できる。
【0114】
また、変形例に係る処理装置1は、止水壁47が最も後部側の支持部33との間に間隔をあけ、シール部46の止水壁47の前後方向Xの断面形状が前部側に斜面471を設け、後部側が上方に延びた三角形状であるので、ダンプアップした際に、第1空間SP1内の液状物4を斜面471上に流して取り出し口17からコンテナ10外にスムーズに排出することができる。その結果、変形例に係る処理装置1は、第1空間SP1内を洗浄するためにコンテナ10内に供給した液状物4をダンプアップすることをコンテナ10外に容易に排出することができる。
【0115】
なお、変形例では、止水壁47の前後方向Xの断面形状を斜面471を設けた三角形状としているが、本発明では、止水壁47の前後方向Xの断面形状は、三角形状に限定されずに、種々の形状にしても良い。なお、本発明の処理装置1は、止水壁47の断面形状によっては、第1空間SP1内を洗浄した後の液状物4を排水口50を通して図示しないポンプによりコンテナ10外に排出してもよい。
【0116】
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施形態等において、焼却灰の炭酸化反応を良好に行うことができる処理装置1を説明したが、本発明の処理装置1は、これに限定されない。例えば、本発明では、処理装置1は、焼却灰に限らず、スラグ、汚染土壌、建設廃棄物のふるい下残さ、汚泥又はアルカリ土壌を適宜処理する処理装置でもよい。
【0117】
また、上記実施形態に記載された処理装置1は、コンテナ10が荷役車両100に積載されるものであるが、本発明では、処理装置1は、コンテナ10が荷役車両100に積載されなくてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 処理装置
2 対象物
3 固体物
4 液状物
10 コンテナ(容器)
13 底部
14 側壁
30 床枠
33,33-3,33-4 支持部
37 伸張部
38 第1の領域
40 排水床
41 第1の床材
42 第2の床材
43 通水シート
411 第1の孔
421 第2の孔
431 第3の孔