(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】排水床及び処理装置
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20221117BHJP
B09C 1/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B09B5/00 N
B09B5/00 S
(21)【出願番号】P 2019055572
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁泉 恒河
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕己
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-039542(JP,A)
【文献】特開2000-140787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
B01D 21/00-43/00
B65D 88/00-90/66
B65F 5/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を収容するとともに前後方向の前部が昇降される容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床であって、
第1の孔を
複数有する第1の床材と、
第2の孔を
複数有し、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置されるとともに、前記前後方向に複数配置される第2の床材
(ただし、第2の床材がメッシュシートである構成は除く)と、
前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置され、第3の孔を複数有する通水シートと、
少なくとも前記前後方向に沿って互いに隣り合う
前記第2の床材に跨って配置され、かつ一部分が前記第1の床材と前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち前側の第2の床材との間に挟まれるとともに、残りの部分が前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち後側の第2の床材上に配置される
保護シートと、
を備え、
前記第2の孔は前記第1の孔よりも小さく、
前記第3の孔は前記第2の孔よりも小さい、
排水床。
【請求項2】
前記シートの前記残りの部分は、左右方向の全長に亘って前記後側の第2の床材上に配置される、請求項1に記載の排水床。
【請求項3】
対象物を収容するとともに前後方向の前部が昇降される容器と、
前記容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床と、を備えた処理装置であって、
前記排水床は、
第1の孔を
複数有する第1の床材と、
第2の孔を
複数有し、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置されるとともに、前記前後方向に複数配置される第2の床材
(ただし、第2の床材がメッシュシートである構成は除く)と、
前記第1の床材と前記第2の床材との間に配置され、第3の孔を複数有する通水シートと、
少なくとも前記前後方向に沿って互いに隣り合う第2の床材に跨って配置され、かつ一部分が前記第1の床材と前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち前側の第2の床材との間に挟まれるとともに、残りの部分が前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち後側の第2の床材上に配置される
保護シートと、
を備え
、
前記第2の孔は前記第1の孔よりも小さく、
前記第3の孔は前記第2の孔よりも小さい、
処理装置。
【請求項4】
前記シートの前記残りの部分は、左右方向の全長に亘って前記後側の第2の床材上に配置される、請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記シートは、通気性と通水性とを有し、かつ前記一部分が前記前側の第2の床材の全体に重ねられる、請求項3又は請求項4に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水床及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却施設で発生する焼却灰やスラグ、汚染土壌等の廃棄物は、重金属類を含有する。鉛(Pb)等、一部の重金属は溶出性が比較的高く、焼却灰のリサイクルや最終処分場での埋立てに際し、重金属の安定化処理が求められている。特許文献1には、廃棄物の安定化処理を行う処理装置が記載されている。特許文献1の処理装置は、廃棄物等の対象物を収容する容器と、容器内の対象物に散水する給水装置と、容器の底部と間隔をあけて配置されかつ散水された対象物を固液分離する排水床とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に示された処理装置は、対象物を固液分離するための複数枚に分割された排水床を備えている。
【0005】
車両のダンプアップの際に廃棄物が上流側から下流側へ流れ落ち、対象物が隣り合う床材間の隙間から下流側の床材の下に侵入して、下流側の床材の一部分がめくれ上がり、下流側の床材が破損する可能性があった。また、床材が破損すると重い床材を取り外さなければならず、作業者の負担となっていた。
【0006】
本発明は、破損することを抑制しメンテナンス性を向上することができる排水床及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る排水床は、対象物を収容するとともに前後方向の前部が昇降される容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床であって、孔を有する第1の床材と、孔を有し、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置されるとともに、前記前後方向に複数配置される第2の床材と、少なくとも前記前後方向に沿って互いに隣り合う第2の床材に跨って配置され、かつ一部分が前記第1の床材と前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち前側の第2の床材との間に挟まれるとともに、残りの部分が前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち後側の第2の床材上に配置されるシートと、を備える。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る処理装置は、対象物を収容するとともに前後方向の前部が昇降される容器と、前記容器の底部から間隔をあけて設置されて、前記対象物を固体物と液状物とに分離する排水床と、を備えた処理装置であって、前記排水床は、孔を有する第1の床材と、孔を有し、前記容器内では前記第1の床材の上側に配置されるとともに、前記前後方向に複数配置される第2の床材と、少なくとも前記前後方向に沿って互いに隣り合う第2の床材に跨って配置され、かつ一部分が前記第1の床材と前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち前側の第2の床材との間に挟まれるとともに、残りの部分が前記前後方向に互いに隣り合う第2の床材のうち後側の第2の床材上に配置されるシートと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、破損することを抑制しメンテナンス性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る処理装置が設置された荷役車両の模式的な側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された荷役車両のダンプアップした状態の模式的な側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された処理装置の床枠の一部分を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3に示された処理装置の床枠を模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図3に示された処理装置の排水床の平面図である。
【
図7】
図7は、
図6中のVII-VII´線に沿う断面図である。
【
図8】
図8は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6に示された排水床の第1の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
【
図11】
図11は、
図3に示された処理装置の第1の床材床及び床枠を模式的に示す断面図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態の第1変形例に係る処理装置の排水床の通水シート及びシートの断面図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態の第2変形例に係る処理装置の排水床の第2の床材及びシートの断面図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態の第3変形例に係る処理装置の排水床の第1の床材及びシートの断面図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態の第4変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。
【
図20】
図20は、第1実施形態の第5変形例に係る処理装置の排水床のシートの一部分の断面図である。
【
図21】
図21は、第1実施形態の第5変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。
【
図22】
図22は、第1実施形態の第6変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。
【
図23】
図23は、第2実施形態に係る処理装置の排水床の平面図である。
【
図24】
図24は、第3実施形態に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0012】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る処理装置が設置された荷役車両の模式的な側面図である。
図2は、
図1に示された荷役車両のダンプアップした状態の模式的な側面図である。
図3は、第1実施形態に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
図4は、
図3に示された処理装置の床枠の一部分を模式的に示す斜視図である。
図5は、
図3に示された処理装置の床枠を模式的に示す平面図である。
【0013】
第1実施形態に係る処理装置1は、容器であるコンテナ10内に対象物2を収容し、対象物2の洗浄、安定化処理を行う装置である。なお、第1実施形態では、対象物2は、焼却施設で発生する焼却灰であるが、本発明では、焼却灰に限らず、スラグ、汚染土壌、建設廃棄物のふるい下残さ、汚泥又はアルカリ土壌でもよい。
【0014】
処理装置1のコンテナ10は、箱状に形成され、
図1、
図2及び
図3に示すように、コンテナ本体11と、コンテナ本体11に取り付けられた開閉扉12と、を有する。コンテナ本体11は、四角形、例えば長方形の底部13と、底部13の平行な2辺に連続して設けた一対の側壁14と、コンテナ10の長手方向の一端部に設けられた前壁15とを有する。なお、第1実施形態では、底部13の平面形状は、四角形であるが、本発明では、四角形に限定されない。前壁15は、一対の側壁14及び底部13に連続して、これらの間を塞いでいる。なお、本明細書では、便宜上、コンテナ10において前壁15が設けられている長手方向の一端部を前部といい、前壁15とは長手方向の反対側の他端部を後部という。また、本明細書では、コンテナ10の長手方向をコンテナ10の前後方向Xと記し、コンテナ10の幅方向を左右方向Yと記す。
【0015】
コンテナ本体11は、金属製、例えば、鉄板、鋼鉄、又はステンレス鋼等で形成されている。コンテナ本体11は、底部13の前部及び後部それぞれに回転可能なローラ16が設けられている。ローラ16の回転中心は、左右方向Yと平行である。
【0016】
コンテナ本体11は、前後方向Xの後部側に一対の側壁14と底部13とで囲まれた取り出し口17が形成され、上部に一対の側壁14と前壁15とで囲まれた開口部18が形成されている。
【0017】
開閉扉12は、コンテナ本体11の後部側の取り出し口17において開閉可能に取り付けられている。開閉扉12は、一対の側壁14の後部の上端にヒンジ19により取り付けられている。ヒンジ19は、一対の側壁14の後部の上端と、開閉扉12の上端とを水平方向と平行な軸回りに回転自在に連結している。また、第1実施形態では、開閉扉12は、上端に連結されたヒンジによって取り出し口17を開閉するが、本発明では、これに限定されずに、開閉扉12は、所謂観音開きなどで取り出し口17を開閉してもよい。
【0018】
コンテナ10は、上部に形成された開口部18を通してコンテナ本体11内に対象物2を収容し、コンテナ本体11内に収容した対象物2が取り出し口17を通してコンテナ本体11外に排出される。コンテナ10は、前壁15の外表面に係止部20を設けている。第1実施形態において、コンテナ10は、コンテナ本体11の取り出し口17と開閉扉12との間にこれらの間を水密に保つ図示しないシール部材を備えた所謂水密式のコンテナである。シール部材は、ゴムなどの弾性を有する樹脂から構成され、コンテナ本体11の取り出し口17と開閉扉12との少なくとも一方に設けられている。なお、コンテナ10は、水密式のコンテナでなくともよい。
【0019】
本発明のコンテナ10は、箱状に限定されるものではなく、コンテナ本体11と、コンテナ本体11に取り付けられた開閉扉12とを有するのであれば如何なる形状のコンテナであってもよい。なお、本発明は、コンテナ10において、コンテナ本体11に天蓋を設け、ダンパー等で天蓋を開閉することで開口部18を形成する構成であってもよい。
【0020】
第1実施形態に係る処理装置1は、
図1及び
図2に示すように、荷役車両100に積載される。荷役車両100は、処理装置1のコンテナ10を運搬する車両である。第1実施形態では、荷役車両100は、ダンプカー(dump truck)であるが、本発明では、ダンプカーに限定されない。
【0021】
荷役車両100は、運転者が乗るキャブ101と、キャブ101に連続して設けられた車体フレーム102と、サブフレーム103と、荷役フレーム104と、アクチュエータとしてのシリンダ105とを備えている。車体フレーム102は、水平に配置された金属により構成されたフレームである。サブフレーム103は、金属により構成され、車体フレーム102上に固定されている。荷役フレーム104は、金属により構成され、サブフレーム103上に設けられている。荷役フレーム104は、
図1及び
図2に示すように、箱形状のコンテナ10を支持する。荷役フレーム104は、キャブ101から離れた側の後部に設けられた支持軸106を中心としてサブフレーム103に対して所定角度の範囲内で回動可能である。支持軸106は、荷役車両100の左右方向Yと平行である。
【0022】
荷役フレーム104は、サブフレーム103に重ねられる基部107と、基部107のキャブ101寄りの前部から基部107に対して直交する方向に延びた上方延在部108と、を備える。なお、荷役フレーム104は、車体フレーム102に対して、車体フレーム102の前後方向Xに移動・停止可能であり、かつ、車体フレーム102の前後方向Xに伸縮可能であるが、具体的な構造の説明は省略する。基部107は、支持軸106と同軸なローラ112を回転自在に設けている。上方延在部108は、上端部に係止部20に係止するフック109を設けられている。
【0023】
荷役フレーム104は、基部107に底部13を重ね、上方延在部108に前壁15を重ね、フック109が係止部20に係止することで、コンテナ10を積載可能である。また、荷役フレーム104は、フック109に係止部20を係止させることで、コンテナ10の荷役車両100の前後方向X、及び左右方向Yの移動を規制できる。また、荷役フレーム104は、フック109の係止部20の係止を外すことにより、コンテナ10を取り外すことが可能である。
【0024】
シリンダ105は、サブフレーム103に対して荷役フレーム104を回動させるものである。シリンダ105は、第1実施形態では、サブフレーム103の前端部に取り付けられたシリンダ本体110と、シリンダ本体110から伸縮自在に設けられかつ荷役フレーム104に取り付けられたロッド111とを備える。シリンダ105は、ロッド111を縮小することで、
図1に示すように、荷役フレーム104の基部107を水平方向と平行に位置付け、ロッド111を伸張することで、
図2に示すように、荷役フレーム104の基部107の前端部を後端部よりも上方に位置付ける。
図2に示す荷役フレーム104の基部107の前端部を後端部よりも上方に位置付ける状態をダンプアップという。
【0025】
なお、
図2に示すダンプアップの状態では、開閉扉12は、自重により取り出し口17を開放する。コンテナ10は、
図1に示す位置で開口部18を通して対象物2が積み込まれ、
図2に示す位置で取り出し口17を通して対象物2の外部に排出する。本明細書に添付された図面の各図は、ダンプアップの際の対象物2が流れる方向を符号Fで示す。ダンプアップの際の対象物2が流れる方向Fは、コンテナ10の前部から後部に向かう方向である。なお、第1実施形態では、コンテナ10の前後方向Xと荷役車両100の前後方向が一致し、コンテナ10の左右方向Yと荷役車両100の左右方向とが一致している。コンテナ10は、荷役フレーム104に積載され、シリンダ105により荷役フレーム104が回動されることにより、前後方向Xの前部が昇降される。
【0026】
次に、処理装置1の構成を説明する。処理装置1は、
図3に示すように、前述したコンテナ10と、コンテナ10内に設けられた床枠30と、排水床40とを備える。床枠30は、底部13から間隔をあけて排水床40を支持するものである。床枠30は、
図3、
図4及び
図5に示すように、複数の縦部材31と、複数の横部材32と、複数の支持部33とを備える。縦部材31と横部材32は、直線状に形成され、かつコンテナ本体11内において底部13から間隔をあけて配置される。床枠30は設けられなくともよい。
【0027】
縦部材31は、
図3に示すように、コンテナ10の前後方向Xと平行に配置されている。第1実施形態では、縦部材31は、コンテナ10の左右方向Yの両端それぞれと、左右方向Yの中央に設けられている。横部材32は、
図5に示すように、コンテナ10の左右方向Yと平行に配置されている。横部材32は、両端が互いに隣り合う縦部材31に固定されている。第1実施形態では、横部材32は、互いに隣り合う縦部材31間に前後方向Xに間隔をあけて五つ設けられている。
【0028】
コンテナ10内であって、底部13上に床枠30を介して排水床40が設けられている。床枠30は、
図4のように、コンテナ10の前後方向Xに沿って配置された複数本の縦部材31と、縦部材31同士を接続するようにコンテナ10の左右方向Yに配置した横部材32と、縦部材31に連続して設けた支持部33と、を有する。コンテナ10の前後方向Xは、コンテナ10の長手方向と同じである。縦部材31、横部材32及び支持部33は、共に断面形状がL形の金属材であり、かつ、互いに溶接して固定されている。支持部33は、底部13に接触している。縦部材31及び横部材32は、底部13に対して平行である。そして、2本の縦部材31と、2本の横部材32との間に、空間34が形成されている。空間34は、コンテナ10の平面視で四角形である。また、本発明では、支持部33の縦部材31及び横部材32に対する相対的な位置は、
図4及び
図5に記載されたものに限定されない。縦部材31、横部材32及び支持部33は、第1実施形態では金属材であるが、排水床40を支持することができるものであればよく、金属材に限定されない。縦部材31、横部材32及び支持部33は、本実施形態では断面形状がL形であるが、角型形状や円形形状など排水床40を支持することができるものでよく、断面形状がL形に限定されない。
【0029】
排水床40は、床枠30上に支持されて、対象物2を収容するコンテナ10の底部13から間隔をあけて設置される。排水床40は、床枠30上に支持されて、コンテナ10内の空間を第1空間SP1と第2空間SP2とに区切る。第1空間SP1は、排水床40と底部13との間の空間である。より具体的には、第1空間SP1は、排水床40と底部13と一対の側壁14と前壁15とで囲まれた空間である。第2空間SP2は、排水床40よりも開口部18側の空間である。第2空間SP2は、排水床40と一対の側壁14と前壁15とで囲まれた空間である。
【0030】
排水床40は、上側に対象物2を載せて、コンテナ10内に収容される。排水床40は、通気性と通水性とを有し、対象物2を固体物3と液状物4とに分離するものである。なお、液状物4とは、第1の孔411及び通水シート43の第3の孔及び第2の孔421を通過するものを総称し、固体物3とは、通水シート43上に留まるものを総称する。言い換えると、液状物4とは、排水床40を通って、排水床40とコンテナ10の底部13の間に留まるもの、固体物3とは排水床40の上に留まるものをいう。
【0031】
次に、第1実施形態に係る排水床40の構成を説明する。
図6は、
図3に示された処理装置の排水床の平面図である。
図7は、
図6中のVII-VII´線に沿う断面図である。
図8は、
図3に示された処理装置の排水床の第1の床材を模式的に示す斜視図である。
図9は、
図6に示された排水床の第1の床材が設置された状態を模式的に示す平面図である。
図10は、
図9に示された第1の床材の平面図である。
図11は、
図3に示された処理装置の第1の床材床及び床枠を模式的に示す断面図である。
図12は、
図6に示された排水床の第2の床材の平面図である。
図13は、
図6に示された排水床の通水シートの平面図である。
図14は、
図6に示された排水床のシートの平面図である。
【0032】
排水床40は、
図3、
図6及び
図7に示すように、第1の床材41と、第2の床材42と、第1の床材41と第2の床材42との間に配置される特許請求の範囲に記載されたシートである通水シート43と、保護シート46と、を備える。
【0033】
第1の床材41は、処理装置1に複数設けられている。
図9に示すように、第1の床材41は、前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。第1の床材41は、厚さが1mm以上でかつ20mm以下である。第1の床材41は、金属から構成された平板状の部材であり、打ち抜き加工などにより第1の孔411が形成された所謂パンチングメタルである。第1の床材41は、
図8及び
図10に示すように、第1の孔411と貫通孔414を有している。第1の床材41は、通気性と通水性とを有する。第1の床材41は、第1の孔411を複数有している。第1の孔411は、第1の床材41を貫通している。第1の孔411は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。第1実施形態において、複数の第1の孔411は、等間隔に設けられている。第1実施形態では、第1の孔411の平面形は、円形に形成され、かつ内径が10mm以上でかつ100mm以下である。なお、第1実施形態では、第1の孔411の平面形が円形であるが、本発明では、第1の孔411の平面形は、円形に限定されない。
【0034】
第1の床材41は、
図8及び
図11のように、位置決め片417と結合しても良い。位置決め片417は、L字状の金属からなる部材であって、接続部412と嵌め込み部413を有する。一枚の金属板が約90度に折り曲げられることによって接続部412と嵌め込み部413が形成される。接続部412は、第1の床材41の裏面に溶接などで結合される。嵌め込み部413は、底部13に向かって形成される。第1の床材41は、床枠30上に設けられる。第1の床材41は、床枠30の空間34内即ち互いに隣り合う縦部材31間及び横部材32間に嵌め込まれる。位置決め片417の嵌め込み部413が床枠30と嵌合されていることにより、ダンプアップの際に処理装置1が傾斜しても、第1の床材41は床枠30上に固定された状態を保持することができる。
【0035】
なお、第1実施形態では、第1の床材41は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第1実施形態では、複数の第1の孔411は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第1の床材41は、位置決め片417と結合しているが、位置決め片417はなくともよい。第1実施形態では、第1の床材41はパンチングメタルであるが、金属製のメッシュであってもよい。第1実施形態では、第1の床材41は金属から構成されるが、第1の床材41を構成する材料は、金属に限定されない。
【0036】
第2の床材42は、
図6に示すように、第1実施形態では、処理装置1に複数設けられている。前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。第2の床材42は、厚さが0.1mm以上でかつ5mm以下である。第2の床材42は、金属から構成された平板状の部材であり、打ち抜き加工などにより第2の孔421が形成された所謂パンチングメタルである。第2の床材42は、第2の孔421及び貫通孔424を有している。第2の床材42は、通気性と通水性とを有する。第2の床材42は、第2の孔421を複数有している。第2の孔421は、第2の床材42を貫通している。第2の孔421は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。第2の床材42は、固体物3を留めることができる。第1実施形態において、複数の第2の孔421は等間隔に設けられている。第1実施形態では、第2の孔421の平面形は、円形に形成され、かつ内径が0.5mm以上でかつ30mm以下である。なお、第1実施形態では、第2の孔421の平面形が円形であるが、本発明では、第2の孔421の平面形は、円形に限定されない。なお、第1実施形態では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さいが、本発明では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径以上でもよい。要するに本発明では、第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411の平面形の大きさよりも小さいが、本発明では、第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411の平面形の大きさ以上でもよい。第1の孔411及び第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411及び第2の孔421の平面形の面積である。
【0037】
第1実施形態では、第2の床材42は、平板状であって第2の孔421の内径は0.5mm以上でかつ30mm以下である。そのため、対象物2の固体物を第2の床材42上に留めることができる。また、ダンプアップ時に、対象物2から第2の床材42にかかる引っ張り力に耐えることができるという効果を奏する。
【0038】
なお、第1実施形態では、第2の床材42は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第1実施形態では、複数の第2の孔421は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第1実施形態では、第2の床材42はパンチングメタルであるが、金属製のメッシュであってもよい。第1実施形態では、第2の床材42は金属から構成されるが、第2の床材42を構成する材料は、金属に限定されない。
【0039】
通水シート43は、第1実施形態では、処理装置1に複数設けられている。前後方向Xに4つ設置され、左右方向Yに2つ設置され、合計8つ設置されている。通水シート43の厚さは、0.01mm以上でかつ1mm以下である。通水シート43は、樹脂等から構成されたメッシュシートである。通水シート43は、
図13に示すように、第3の孔及び貫通孔434を有している。通水シート43は、通気性と通水性とを有する。通水シート43は、第3の孔を複数有している。第3の孔は、通水シート43を貫通している。第3の孔は、対象物2の液状物4が通過することを許容する。通水シート43は、固体物3を留めることができる。第1実施形態において、複数の第3の孔は等間隔に設けられている。第1実施形態では、第3の孔の平面形は、円形に形成され、かつ内径が0.45μm以上でかつ3mm以下である。第3の孔の内径が0.45μm以上でかつ3mm以下であるのは、0.45μmが、溶解物と懸濁物を分ける指標だからであり、第3の孔が溶解物のみを通過させるためである。通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42よりも重さが軽い。なお、第1実施形態では、第3の孔の平面形が円形であるが、本発明では、第3の孔の平面形は、円形に限定されない。
【0040】
なお、第1実施形態では、通水シート43は、処理装置1に8つ設けられているが、1つでもよく、数は限られない。第1実施形態では、複数の第3の孔は等間隔に設けられているが、等間隔でなくともよい。第1実施形態では、通水シート43は樹脂等から構成されるメッシュシートであるが、樹脂から構成された網(所謂、トリカルネット(登録商標)ともいう)、樹脂、布、紙、不織布、ろ布、樹脂性フィルター(メンブレンフィルターなど)などでもよい。即ち、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42を構成する材料よりも機械的な強度(対象物2の荷重に耐え得る強度)が低い材料から構成されたものであればよい。
【0041】
通水シート43は、第1の床材41と第2の床材42との間に配置される。通水シート43は、床枠30及び第1の床材41上に設けられ、床枠30及び第1の床材41とともに支持部33に支持される。
図7に示すように、第1の床材41と通水シート43と第2の床材42とは、ボルト44が第1の床材41の貫通孔414、通水シート43の貫通孔434、第2の床材42の貫通孔424に通されて、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合して結合する。通水シート43の第3の孔は、第2の孔421及び第1の孔411の少なくとも一部に重なるように配置される。
【0042】
なお、第1実施形態では、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42と同数設けられているが、第1の床材41と第2の床材42とのうち一方と同数設けられてもよく、第1の床材41と第2の床材42との双方と異なる数設けられてもよい。第1実施形態では、通水シート43は、第1の床材41及び第2の床材42と等しい大きさに形成されているが、本発明では、第1の床材41と第2の床材42とのうち一方と等しい大きさに形成されてもよく、第1の床材41と第2の床材42との双方と異なる大きさに形成されてもよい。第1実施形態では、第1の床材41と通水シート43と第2の床材42とは、ボルト44で結合されているが、固定することができるものであればよく、ボルト44に限られない。第1実施形態では、第1の孔411と第2の孔421とは、同数設けられているが、異なる数でもよい。第1実施形態では、第3の孔と第1の孔411及び第2の孔421とは、異なる数設けられているが、等しい数でもよい。複数の第3の孔のうち、少なくとも一つが第1の孔411及び第2の孔421と少なくとも一部が重なるように配置されていればよい。第1実施形態では、通水シート43の重さは、第1の床材41及び第2の床材42より軽いが、同じでもよい。
【0043】
第1の孔411、第2の孔421、第3の孔の内径は、対象物2によって適宜設定される。第1実施形態では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さい。第3の孔の内径は、第1の孔411の内径及び第2の孔421の内径よりも小さい。固体物3は、固体物3の大きさによって第2の床材42上又は通水シート43上に留まる。通水シート43の第3の孔は、対象物2のうちの液状物4の通過を許容し、通水シート43上に固体物3を留めることができる。即ち、第1実施形態において、対象物2の液状物4とは、第1の孔411及び通水シート43の第3の孔及び第2の孔421を通過するものを総称し、固体物3とは、通水シート43上に留まるものを総称する。即ち、第1実施形態では、固体物3は、通水シート43又は第2の床材42上に留まる。第2の孔421及び第3の孔には目詰まりが発生するが、第1の孔411の目詰まりを低減することができる。その結果、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、重さの軽い第2の床材42及び通水シート43を取り外して掃除すればよく、清掃のために重い第1の床材41をコンテナ10から取り外す回数を減らすことができ、メンテナンス性を向上することができる。要するに本発明では、第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411の平面形の大きさよりも小さく、第3の孔の平面形の大きさは、第1の孔411及び第2の孔421の平面形の大きさより小さければよい。第3の孔の平面形の大きさは、第3の孔の平面形の面積である。
【0044】
なお、第1実施形態では、通水シート43の第3の孔の内径は、第2の孔421の内径よりも小さいが、等しくてもよく大きくてもよい。第1実施形態では、第2の孔421の内径は、第1の孔411の内径よりも小さいが、等しくてもよい。要するに本発明では、第3の孔の平面形の大きさは、第2の孔421の平面形の大きさより小さいが、等しくても大きくてもよい。本発明では、第2の孔421の平面形の大きさは、第1の孔411の平面形の大きさよりも小さいが、等しくてもよい。
【0045】
第2の孔421の内径を第1の孔411の内径よりも小さくし、又は第2の孔421の内径を第1の孔411の内径と等しくすることにより、通水シート43の破断を抑制することができる。
【0046】
また、ダンプアップ時に、通水シート43上に第2の床材42が設けられていることにより、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、さらに排出に重機を用いた場合、通水シート43に重機のアタッチメントが接触することを抑制することができる。その結果、通水シート43が破損することを抑制することができる。
【0047】
保護シート46は、樹脂、不織布、ろ布又は紙等の可撓性を有する材料で構成されている。第1実施形態では、保護シート46は、通気性及び通水性を有しても良く、通気性及び通水性を有しなくてもよい。第1実施形態では、保護シート46は、
図14に示すように、平面形状が矩形状に形成されている。保護シート46は、
図6に示すように、少なくとも前後方向Xに沿って互いに隣り合う第2の床材42に跨って配置される。このために、第1実施形態では、保護シート46は、
図6に示すように、排水床40に合計6つ設置される。第1実施形態では、保護シート46は、保護シート46の幅方向が前後方向Xと平行で、かつ保護シート46の長手方向が左右方向Yと平行に配置される。
【0048】
また、第1実施形態では、保護シート46の前後方向Xの長さ465(
図14に示す)は、第1の床材41及び第2の床材42の長さ415,425(
図10及び
図12に示す)よりも短い。第1実施形態では、保護シート46の左右方向Yの幅466は、第1の床材41及び第2の床材42の幅416,426よりも広いが、本発明では、幅466は、幅416,426と同等でも良く、幅416,426よりも狭くてもよい。
【0049】
保護シート46は、
図7に示すように、少なくとも前後方向Xの前寄りの一部分461が第1の床材41と前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち前側の第2の床材42との間に挟まれるとともに、前後方向Xの後寄りの残りの部分462が前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置される。第1実施形態では、保護シート46の一部分461は、通水シート43と第2の床材42との間に配置される。また、保護シート46は、左右方向の両端が第1の床材41、第2の床材42の左右方向Yの両端よりも左右方向Yの外側に配置されている。このために、保護シート46の残りの部分462は、左右方向Yの全長に亘って前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置される。
【0050】
また、本発明では、一部分461の前後方向Xの長さ461-1は、望ましくは、1cm以上でかつ第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425以下である。長さ461-1が1cm未満であると、ダンプアップの際に、残りの部分462に対象物2からかかる引っ張り力により一部分461が第1の床材41と第2の床材42との間から抜け出てしまうため、一部分461の前後方向Xの長さ461-1は、1cm以上が好ましい。なお、一部分461の前後方向Xの長さ461-1が第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425である場合、一部分461が前側の第2の床材42の下面の全体に重ねられる。
【0051】
また、本発明では、残りの部分462の前後方向Xの長さ462-1は、1cm以上でかつ第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425の1/2以下である。保護シート46は、長さ462-1が1cm未満であると、残りの部分462が前後方向Xに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上から脱落するため、残りの部分462の前後方向Xの長さ462-1は、1cm以上が好ましい。また、保護シート46は、長さ462-1が長さ415,425の1/2を超えると、ダンプアップの際に、対象物2から保護シート46にかかる引っ張り力により残りの部分462が破断する恐れがあるため、残りの部分462の前後方向Xの長さ462-1は、第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425の1/2以下が好ましい。また、本発明では、保護シート46の左右方向Yの幅466は、コンテナ10の底部13や荷役車両100の幅等に応じて適宜設定され、例えば、50cm以上でかつ10m以下である。なお、第1実施形態では、保護シート46の残りの部分462は、前後方向Xに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42のボルト44よりも前側に配置されている。また、第1実施形態では、保護シート46は、
図14に示すように、ボルト44のネジ部441が通すことが可能な貫通孔464が複数設けられているが、本発明では、貫通孔464が設けられていなくてもよい。
【0052】
前述した構成の排水床40は、第1の床材41が位置決め片417により床枠30上に位置決めされ、ボルト44のネジ部441が第1の床材41の貫通孔414と通水シート43の貫通孔434と保護シート46の貫通孔464と第2の床材42の貫通孔424とに順に通される。排水床40は、保護シート46の一部分461を通水シート43と前側の第2の床材42との間に挟み、残りの部分462を後側の第2の床材42上に重ねて、
図7に示すように、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合してコンテナ本体11に設置される。
【0053】
処理装置1は、第1空間SP1に開口した排水口50と、複数の通気口60とを備えている。排水口50は、第1空間SP1とコンテナ10の外部とをつなぐ通路である。第1実施形態では、排水口50は、図示しない開閉弁が接続しており、開閉弁により開閉される。排水口50は、開閉弁が開くと第1空間SP1内の液状物4をコンテナ10外に排水し、開閉弁が閉じると液状物4が第1空間SP1内に貯留されることを維持する。また、本発明では、排水口50は、開閉弁を介して図示しない排水管、図示しないポンプに接続されて、ポンプにより吸引されて、コンテナ10の外部へ液状物4を排水してもよい。
【0054】
第1実施形態では、通気口60は、2つ設けられ、一方が、第1空間SP1に開口し、他方が、第2空間SP2に開口している。通気口60は、第1空間SP1又は第2空間SP2とコンテナ10の外部とをつなぐ通路である。本発明では、一つの通気口60を給気、一つの通気口60を排気として用いてもよく、通気口60を複数(三つ以上)設けてもよい。
【0055】
第1空間SP1に開口した通気口60の位置は、第1空間SP1に貯留される液状物4の量、特に貯留される液状物4の底部13から上面までの高さを考慮して決めることが好ましい。第1空間SP1に開口した通気口60は、第2空間SP2に貯留される液状物4の最大水位よりも上に位置していることが好ましい。
【0056】
また、通気口60は、図示しない通気管を介してガス供給装置に接続している。ガス供給装置は、第2空間SP2内の対象物2に二酸化炭素(CO2)を含有するガスを供給する装置である。ガス供給装置は、例えば、ガスボンベ、ガスタンク、送風機又は圧縮機等である。ガス供給装置は、ガスの二酸化炭素(CO2)の濃度を調整できる機能を有していてもよい。また、処理装置1が焼却施設で用いられる場合には、ガス供給装置は、焼却炉からの排ガスを利用してガスを供給することもできる。
【0057】
なお、本発明では、ガスは、二酸化炭素に限られず、適宜、空気、水蒸気、酸素、オゾン、窒素、水素、硫化水素、酸性ガス等を適宜含有するガスを用いてもよい。また、その場合、ガス供給装置は、空気、水蒸気、酸素、オゾン、窒素、水素、硫化水素、酸性ガス等を適宜含有するガスを供給する装置であればよい。
【0058】
また、処理装置1は、
図3に示す給水装置70により開口部18を通してコンテナ10の内部に水が散水される。給水装置70は、コンテナ10又は荷役車両100に取り付けられている必要はなく、処理装置1とは別途用意されてもよく、コンテナ10又は荷役車両100に取り付けられて処理装置1の一部分であってもよい。
【0059】
第1実施形態では、給水装置70は、給水ホース71と、給水ホース71に接続された給水管72と、給水管72の先端に取り付けたノズル73と、を備える。給水管72は、複数設けられ、支持フレーム74により支持されている。また、複数の給水管72は、互いに間隔をあけて平行に配置されている。給水装置70は、例えば、給水タンク又は水道等から供給される水を第2空間SP2内の対象物2にノズル73から散水して、対象物2を洗浄する。なお、給水タンクは、雨水を回収するタンクであってもよい。また、本発明では、給水装置70が散水する水は、水、井戸水、水道水、雨水、又は炭酸イオンを含有する溶液が用いられる。また、本発明では、給水装置70の構成は、第2空間SP2内の対象物2に散水することができるものであれば、第1実施形態に記載されたものに限定されない。
【0060】
次に、第1実施形態に係る処理装置1を用いた対象物2の処理作業を簡単に説明する。
第1実施形態に係る処理装置1は、荷役車両100の荷役フレーム104に積載されかつ
図1に示す状態で開口部18を通してコンテナ10内に対象物2が積み込まれる。処理装置1は、給水装置70により開口部18を通して水が散水される。給水装置70から散水された水は、対象物2を洗浄しながら下方に移動し、排水床40を通って液状物4として第1空間SP1に溜まる。また、対象物2のうち固体物3は、排水床40上の第2空間SP2内に留まる。
【0061】
散水中又は散水していない状態で、ガス供給装置からガスがコンテナ10内の対象物2内に供給される。ガスにより、対象物2に含まれる重金属、例えば、鉛、カルシウムなどは、二酸化炭素により炭酸化され不溶化が促進される。処理装置1は、排水口50から液状物4がコンテナ10外へ排出された後、荷役車両100が
図2に示すようにダンプアップすることにより、対象物2が取り出し口17を通してコンテナ10外に排出される。なお、処理装置1は、ダンプアップの際に、重機のアタッチメントによりコンテナ本体11内の対象物2が取り出し口17から外部に排出されてもよい。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、前後方向Xに沿って互いに隣り合う第2の床材42に跨って保護シート46を配置し、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置している。第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。このため、ダンプアップの際に、上流側の前側から下流側の後側の取り出し口17へ向かう対象物2は隣り合う第2の床材42間を移動する際に保護シート46上を移動する。その結果、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0063】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の残りの部分462が左右方向Yの全長に亘って後側の第2の床材42上に配置されているので、保護シート46の残りの部分462が左右方向Yの全長に亘って後側の第2の床材42の前部を覆う。
【0064】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41と第2の床材42との間に通水シート43を配置している。これにより、排水床40及び処理装置1は、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、さらに排出に重機を用いた場合、通水シート43に重機のアタッチメントが接触することを抑制することができる。その結果、排水床40及び処理装置1は、特に、通水シート43が破損することを抑制することができるという効果を奏する。
【0065】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の孔421が第1の孔411よりも小さいので、第2の孔421を通して露出する通水シート43の破損を抑制でき、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができる。
【0066】
従来は、一枚の床材に孔を形成し固体物3と液状物4を分離していた。細かい粒径の固体物3を分離する場合、孔を小さくしなければならないが、板厚の薄い床材でなければ小さい孔をあける加工が難しいことから、メッシュシートを床材の上に設ける場合があった。しかし、メッシュシートは対象物2からかかる引っ張り力に耐えることができず、メッシュシートが破損してしまうという課題があった。
【0067】
第1実施形態では、第1の床材41と第2の床材42との間に通水シート43を配置することにより、対象物2の固体物3を通水シート43上に留めることができる。さらに、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力に耐えることができるという効果を奏する。
【0068】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第2の床材42の厚さが0.1mm以上でかつ5mm以下であることが好ましい。第2の孔421の内径が0.5mm以上でかつ30mm以下であることが好ましい。
【0069】
第2の床材42の厚さが0.1mm以上でかつ第2の孔421の内径が30mm以下であると、ダンプアップ時に、対象物2から通水シート43にかかる引っ張り力を抑制することができ、通水シート43の破損を抑制することができるからである。
【0070】
また、第2の床材42の厚さが5mmを超えると重く、メンテナンス時に第2の床材42を取り外しにくくなるため、第2の床材42の厚さは5mm以下であることが好ましい。第2の孔421の内径は、対象物2からかかる引っ張り力に耐えることができる0.5mm以上であることが好ましい。したがって、固体物3を通水シート43で留めることができるとともに、対象物2と通水シート43の接触を最小限に抑えることができ、ダンプアップ時に、対象物2からかかる引っ張り力が通水シート43に作用することを抑制することができる。この結果、通水シート43の破損を抑制することができる。
【0071】
また、第2の床材42は破断しないために丈夫な材料でなくてはならないところ、そういった丈夫な部材はプレス加工等によって小さい孔をあけることが難しい。したがって、第2の孔421の内径が0.5mm未満であると、小さい孔をあけるために通水シートと同じような材料で第2の床材42を構成してしまうと破断してしまうので、第1の床材41、第2の床材42及び通水シート43を備える三層構造である意味がなくなってしまうからである。
【0072】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の床材41の厚さが1mm以上であるので、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えるのに必要な機械的な強度を有することとなる。第1の床材41の厚さが1mm未満であると、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えることができない。また、第1の床材41の厚さが20mmを超えると、処理装置1のメンテナンス時に第1の床材41を取り外しにくくなるからである。
【0073】
また、第1実施形態に係る排水床40及び処理装置1は、第1の孔411の内径が10mm以上でかつ100mm以下であるので、10mm未満であるとスケールによる詰まりが発生しやすくなるため、対象物2を固体物3と液状物4とに分離する際にかかる所要時間が長時間化することを抑制できる。なお、第1の孔411の内径が10mm未満であると、通水シート43を通過した液状物4が第1の孔411を通るのにかかる所要時間が長時間化して、第1の孔411の内径が100mmを超えると、第1の床材41が通水シート43、第2の床材42及び対象物2を支えることができないからである。
【0074】
なお、第1実施形態では、第2の孔421を第1の孔411よりも小さくし、第3の孔を第2の孔421よりも小さくしているが、本発明では、これに限定されない、例えば、本発明では、第2の孔421を第3の孔よりも小さくしてもよい。この場合、本発明では、第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第3の孔の大きさとし、第3の孔の大きさを第1実施形態に記載した第2の孔421の大きさとするのが望ましい。
【0075】
第1の床材41、第2の床材42、通水シート43、保護シート46の数、XY平面上の面積(大きさ)、形状は適宜変更できる。第1の床材41、第2の床材42、通水シート43、保護シート46の数、XY平面上の面積(大きさ)は異なっていてもよく、同じでもよい。
【0076】
〔第1変形例〕
本発明の第1実施形態の第1変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図15は、第1実施形態の第1変形例に係る処理装置の排水床の通水シート及びシートの断面図である。なお、
図15は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
第1変形例に係る処理装置1及び排水床40は、第1実施形態の構成に加え、
図15に示すように、保護シート46の一部分461を通水シート43の下面に図示しない接着剤により固定している。
【0078】
第1変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第1変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0079】
また、第1変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を通水シート43の下面に接着剤により固定しているので、保護シート46の一部分461が第1の床材41、第2の床材42間から抜け出ることを抑制することができる。
【0080】
〔第2変形例〕
本発明の第1実施形態の第2変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図16は、第1実施形態の第2変形例に係る処理装置の排水床の第2の床材及びシートの断面図である。なお、
図16は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
第2変形例に係る処理装置1及び排水床40は、第1実施形態の構成に加え、
図16に示すように、保護シート46の一部分461を第2の床材42の下面に図示しない接着剤により固定している。
【0082】
第2変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第2変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0083】
また、第2変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第2の床材42の下面に接着剤により固定しているので、保護シート46の一部分461が第1の床材41、第2の床材42間から抜け出ることを抑制することができる。
【0084】
〔第3変形例〕
本発明の第1実施形態の第3変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図17は、第1実施形態の第3変形例に係る処理装置の排水床の第1の床材及びシートの断面図である。なお、
図17は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
第3変形例に係る処理装置1及び排水床40は、第1実施形態の構成に加え、
図17に示すように、保護シート46の一部分461を第1の床材41の上面に図示しない接着剤により固定している。
【0086】
第3変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第3変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0087】
また、第3変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41の上面に接着剤により固定しているので、保護シート46の一部分461が第1の床材41、第2の床材42間から抜け出ることを抑制することができる。
【0088】
〔第4変形例〕
本発明の第1実施形態の第4変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図18は、第1実施形態の第4変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。
図19は、
図18に示された処理装置の排水床の変形例の要部の断面図である。なお、
図18及び
図19は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0089】
第4変形例に係る処理装置1及び排水床40は、
図18及び
図19に示すように、ボルト44とナット45との代わりに、第1の床材41に固定されたフック47により第1の床材41、通水シート43、保護シート46及び第2の床材42を固定すること以外、第1実施形態と構成が同じである。
【0090】
フック47は、第1の床材41の上面から鉛直方向に延びた鉛直部471と、鉛直部471の先端から前後方向Xの前側に延びた前側延在部472とを備えている。フック47は、通水シート43の貫通孔434と、保護シート46の貫通孔464と、第2の床材42の貫通孔424とに順に通された後、第1の床材41との間に通水シート43の貫通孔434の内縁部と保護シート46の貫通孔464の内縁部と第2の床材42の貫通孔424の内縁部を挟んで、これらを固定する。第4変形例では、
図18に示すように、前後方向Xの前側と後側との双方にフック47を設けてもよく、
図19に示すように、前側のみにフック47を設け、後側にはボルト44とナット45とを設けてもよい。後側のみにフック47を設け、前側にはボルト44とナット45とを設けてもよい。なお、前側とは、前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち前部寄りの第2の床材42を固定するものを示し、後側とは、前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後部寄りの第2の床材42を固定するものを示している。
【0091】
第4変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第4変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0092】
また、第4変形例に係る排水床40及び処理装置1は、フック47により第1の床材41、通水シート43、保護シート46及び第2の床材42を固定するので、これらを容易に固定することができる。
【0093】
〔第5変形例〕
本発明の第1実施形態の第5変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図20は、第1実施形態の第5変形例に係る処理装置の排水床のシートの一部分の断面図である。
図21は、第1実施形態の第5変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。なお、
図20及び
図21は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0094】
第5変形例に係る処理装置1及び排水床40は、
図20に示すように、保護シート46に貫通孔464を設けずに、保護シート46の一部分461にシート固定用板48を取り付け、シート固定用板48にボルト44のネジ部441を通す貫通孔484を設けて、第1の床材41、通水シート43、保護シート46及び第2の床材42を固定すること以外、第1実施形態と構成が同じである。
【0095】
図20に示す例では、シート固定用板48は、保護シート46の一部分461の上面及び下面の双方に取り付けられている。第5変形例では、ボルト44のネジ部441が通水シート43の貫通孔434とシート固定用板48の貫通孔484と第2の床材42の貫通孔424とに順に通される。第5変形例では、排水床40は、シート固定用板48及び保護シート46の一部分461を通水シート43と第2の床材42との間に挟み、残りの部分462を第2の床材42上に重ねて、
図21に示すように、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合してコンテナ本体11に設置される。
【0096】
なお、第5変形例では、保護シート46の一部分461の上面及び下面にシート固定用板48を取り付けたが、本発明では、シート固定用板48に限定されずに、クリップを保護シート46の一部分461に取り付けてもよい。また、第5変形例では、排水床40は、シート固定用板48及び保護シート46の一部分461を通水シート43と第2の床材42との間に挟んだが、本発明では、シート固定用板48及び保護シート46の一部分461を通水シート43と第2の床材42との少なくとも一方に接着してもよい。
【0097】
第5変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第5変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0098】
また、第5変形例に係る排水床40及び処理装置1は、保護シート46の一部分461にシート固定用板48を取り付け、シート固定用板48を第1の床材41、第2の床材42間に挟むので、保護シート46の一部分461の第1の床材41、第2の床材42間からの脱落を抑制することができる。
【0099】
〔第6変形例〕
本発明の第1実施形態の第6変形例に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図22は、第1実施形態の第6変形例に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。なお、
図22は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0100】
第6変形例に係る処理装置1及び排水床40は、
図22に示すように、通水シート43が第1実施形態等に記載した保護シート46の機能を実現すること以外、第1実施形態と構成が同じである。即ち、第6変形例では、処理装置1及び排水床40は、保護シート46を備えない。
【0101】
第6変形例に係る処理装置1及び排水床40の通水シート43は、前後方向Xの長さが第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425よりも長く、左右方向Yの幅が第1実施形態の保護シート46と同様に第1の床材41、第2の床材42の幅416,426よりも広い。
【0102】
前述した構成の第6変形例に係る排水床40は、第1の床材41が位置決め片417により床枠30上に位置決めされ、ボルト44のネジ部441が通水シート43の貫通孔434と第2の床材42の貫通孔424とに順に通される。排水床40は、通水シート43の前後方向Xの前寄りの大部分431を第1の床材41と前側の第2の床材42との間に挟み、通水シート43の前側の第2の床材42からはみ出した残りの部分432を後側の第2の床材42上に重ねて、
図22に示すように、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合してコンテナ本体11に設置される。
【0103】
第6変形例では、通水シート43の前後方向Xの前寄りの大部分431は、第1実施形態の保護シート46の一部分461に相当し、残りの部分432は、第1実施形態の保護シート46の残りの部分462に相当する。大部分431の前後方向Xの長さ431-1は、長さ461-1と同様の長さであるとともに、残りの部分432の前後方向Xの長さ432-1は、長さ462-1と同様の長さである。
【0104】
また、第6変形例に係る排水床40の通水シート43は、左右方向Yの両端が第1の床材41、第2の床材42の左右方向Yの両端よりも左右方向Yの外側に配置されている。このために、通水シート43の残りの部分432は、左右方向Yの全長に亘って前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置される。
【0105】
また、第6変形例に係る排水床40の通水シート43は、大部分431が、前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち前側の第2の床材42の下面の全体に重ねられる。このために、第5変形例では、保護シート46の一部分461に相当する大部分431の長さ431-1は、第1の床材41、第2の床材42の長さ415,425と等しい。
【0106】
第6変形例に係る排水床40及び処理装置1は、通水シート43の前寄りの大部分431を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分432を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を通水シート43により覆っている。その結果、第6変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0107】
また、第6変形例に係る排水床40及び処理装置1は、第1実施形態等の保護シート46を設けずに、通水シート43が保護シート46の機能を実現する。これにより、第6変形例に係る排水床40及び処理装置1は、部品点数を抑制できるとともに、通水シート43の大部分431が第1の床材41、第2の床材42間に挟まれているために、ダンプアップ時等の対象物2から引っ張り力が作用しても通水シート43が破損することを抑制できる。その結果、第6変形例に係る排水床40及び処理装置1は、通水シート43の残りの部分432を第2の床材42上に維持することができる。
【0108】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図23は、第2実施形態に係る処理装置の排水床の平面図である。なお、
図23は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0109】
第2実施形態に係る処理装置1-2及び排水床40-2は、第2の床材42-2の大きさが異なること以外、第1実施形態と同じである。第2実施形態に係る処理装置1-2及び排水床40-2の第2の床材42-2は、
図23に示すように、第1実施形態の第2の床材42よりも大きい。本実施形態では、第2の床材42-2は、第1実施形態の第2の床材42が前後方向Xに2つ連結された大きさである。このために、本実施形態では、第2の床材42-2は、
図14に示すように、前後方向Xに2つ設置され、左右方向Yに2つ設置されて、合計4つ設置されている。
【0110】
第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、第2の床材42-2を第1実施形態の第2の床材42が前後方向Xに2つ連結された大きさにして、前後方向Xに沿って並べられる第2の床材42-2の数を変更している。第2の床材42及び第1の床材41の数、XY平面上の面積(大きさ)、形状は適宜変更できる。また、第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、前後方向Xに沿って互いに隣り合う第2の床材42-2に跨って配置される保護シート46の数を変更している。なお、
図23に示す例では、排水床40は、保護シート46を2つのみ備えている。保護シート46の数、XY平面上の面積(大きさ)、形状は適宜変更できる。第1の床材41、第2の床材42、保護シート46の数、XY平面上の面積(大きさ)は異なっていてもよく、同じでもよい。
【0111】
第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42-2間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42-2のうち後側の第2の床材42-2上に配置して、第2の床材42-2の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、第1実施形態と同様に、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42-2間の隙間から後側の第2の床材42-2と第1の床材41の間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42-2の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42-2が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42-2の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0112】
また、第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、第2の床材42-2を第1の床材41よりも大きくして、前後方向Xに沿って並べられる第2の床材42-2の数、及び前後方向Xに沿って互いに隣り合う第2の床材42-2に跨って配置される保護シート46の数を減らしている。その結果、対象物2が第2の床材42-2間に侵入し後側の第2の床材42-2,第1の床材41間に侵入することを抑制し、後側の第2の床材42-2が破損することを抑制することができるとともに、第2の床材42-2及び部品点数を減らすことができるという効果を奏する。
【0113】
なお、本発明では、第2実施形態に係る排水床40-2及び処理装置1-2は、第1実施形態と同様に、第1変形例から第6変形例の構成を適用されてもよい。
【0114】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係る排水床及び処理装置を図面に基づいて説明する。
図24は、第3実施形態に係る処理装置の排水床の要部の断面図である。なお、
図24は、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0115】
第3実施形態に係る処理装置1-3及び排水床40-3は、通水シート43を備えていないこと以外、第1実施形態と同じである。第3実施形態に係る排水床40-3は、第1の床材41が位置決め片417により床枠30上に位置決めされ、ボルト44のネジ部441が保護シート46の貫通孔464と第2の床材42の貫通孔424とに順に通される。排水床40は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41と前側の第2の床材42との間に挟み、保護シート46の後寄りの残りの部分462を後側の第2の床材42上に重ねて、
図24に示すように、ボルト44のネジ部441にナット45が螺合してコンテナ本体11に設置される。
【0116】
第3実施形態に係る排水床40-3及び処理装置1-3は、保護シート46の前寄りの一部分461を第1の床材41、第2の床材42間に挟み、後寄りの残りの部分462を前後方向Xに互いに隣り合う第2の床材42のうち後側の第2の床材42上に配置して、第2の床材42の前後方向Xの前部を保護シート46により覆っている。その結果、第3実施形態に係る排水床40-3及び処理装置1-3は、保護シート46により、対象物2が隣り合う床材42間の隙間から後側の第2の床材42と通水シートの間に侵入することを抑制することができる。言い換えると、後側の第2の床材42の一部分がめくれ上がり、後側の第2の床材42が破損することを抑制することができるという効果を奏する。また、第2の床材42の破損を抑制することができることから清掃の回数を削減することができメンテナンス性を向上することができる。
【0117】
なお、本発明では、第3実施形態に係る排水床40-3及び処理装置1-3は、第1実施形態と同様に、第1変形例から第6変形例の構成を適用されてもよく、第2実施形態の構成を適用されてもよい。
【0118】
また、本発明では、第3実施形態に係る排水床40-3及び処理装置1-3は、例えば、第1の孔411及び第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第3の孔の大きさとしてもよく、第1の孔411及び第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第2の孔421の大きさとしてもよく、第1の孔411及び第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第1の孔411の大きさとしてもよい。また、本発明では、第3実施形態に係る排水床40-3及び処理装置1-3は、例えば、第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第3の孔の大きさとし、第1の孔411の大きさを第1実施形態に記載した第2の孔421の大きさとしてもよく、第2の孔421の大きさを第1実施形態に記載した第3の孔の大きさとし、第1の孔411の大きさを第1実施形態に記載した第1の孔411の大きさとしてもよい。
【0119】
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施形態等において、焼却灰の炭酸化反応を良好に行うことができる処理装置1,1-2,1-3を説明したが、本発明の処理装置1,1-2,1-3は、これに限定されない。例えば、本発明では、処理装置1,1-2,1-3は、焼却灰に限らず、スラグ、汚染土壌、建設廃棄物のふるい下残さ、汚泥又はアルカリ土壌を適宜処理する処理装置でもよい。
【符号の説明】
【0120】
1,1-2,1-3 処理装置
2 対象物
3 固体物
4 液状物
10 コンテナ(容器)
13 底部
40,40-2,40-3 排水床
41 第1の床材
411 第1の孔(孔)
42 第2の床材
421 第2の孔(孔)
43 通水シート(シート)
431 大部分(一部分)
432 残りの部分
46 保護シート(シート)
461 一部分
462 残りの部分
X 前後方向
Y 左右方向