(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電気配線用貫通部構造
(51)【国際特許分類】
H02G 3/22 20060101AFI20221117BHJP
G21D 1/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H02G3/22
G21D1/00 M
G21D1/00 B
(21)【出願番号】P 2019073721
(22)【出願日】2019-04-08
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸春
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-067241(JP,U)
【文献】特開平10-145945(JP,A)
【文献】実開平04-047333(JP,U)
【文献】特開昭62-075390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
G21D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器の壁部を貫通して設けられる筒状部材と、
前記密閉容器の外部空間から前記筒状部材に挿入された第1のケーブルと、
前記密閉容器の内部空間から前記筒状部材に挿入された第2のケーブルと、
前記筒状部材の内部に設けられ前記密閉容器の内外を隔てる隔離部材と、を備え、
前記筒状部材には、周回方向に沿って複数の孔が形成され
、
前記隔離部材は、前記第1および第2のケーブルとを露出させる空隙を有し、
複数の前記孔は前記空隙の周囲に形成され、
前記第1および第2のケーブルは、それぞれ導線と被覆とを有するものであり、前記空隙の内部において前記第1および第2のケーブルの各々の前記被覆が剥離され、各々の前記導線が結合されている
ことを特徴とする電気配線用貫通部構造。
【請求項2】
前記外部空間および前記内部空間に対して、気密状態になるように前記空隙を封止する封止部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項
1に記載の電気配線用貫通部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気配線用貫通部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおいては、格納容器の内部空間と外部空間との気密性を維持しつつ格納容器の内外を配線するために、「電気ペネトレーション」と称されるものが使用される。原子力プラントに苛酷事故が発生した場合には、特に格納容器の内部空間が高温/高圧になることが予想される。電気ペネトレーションは、このような場合にも気密性能を維持しつつ、内部空間における機器の制御や測定を続行できるように、耐熱性、耐圧性および電気特性が求められる。
【0003】
電気ペネトレーションの一例として、下記特許文献1の段落0009~0011には、「
図1は、原子炉格納容器である密閉容器11の壁部21の一部の断面構造を図示している。
図1において、符号13が密閉容器11の内部、符号14が密閉容器11の外部である。」、「壁部21には、スリーブ状で比較的熱伝導性の高い材料で形成された筒状部材31が壁部21を貫通して設けられている。筒状部材31と壁部21との間には、密閉容器11の気密性を維持するためのシール材32が設けられている。筒状部材31の壁部21側に張り出したフランジ部33には、リーク弁(図示せず)で通常時には封止された孔34が形成されている。孔34は後述のシール部材51をモニタするために設けられている。」、「筒状部材31内には密閉容器11の内外を電気的に接続するための電気配線41が設けられている。電気配線41は、密閉容器11の内外を接続する各種の信号線や動力線の束から構成されている。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に電気配線に適用されるケーブルは、導線と、導線を囲う被覆とを有している。そして、特許文献1においては、筒状部材31の内部でケーブルの被覆を剥離することは特に記載されていない。しかし、導線と被覆とを有するケーブルをそのまま電気ペネトレーションを介して挿通すると、ケーブルの導線と被覆との間で気密性が維持されているか否かを試験することが困難になる。そのため、電気ペネトレーションの内部では、ケーブルの被覆を剥離し、導線と被覆との間で気密性が維持されているか否か試験できるようにしておくことが好ましい。
【0006】
しかし、電気ペネトレーションの内部でケーブルの被覆を剥離すると、ケーブルの導線に異物が付着し、ケーブルの電気特性を損なう可能性が生じる。そこで、導線に異物が付着しているか否かを検査し、付着している場合には清掃等を行うことが好ましい。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、内部の観察、清掃等を容易に実行できる電気配線用貫通部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の電気配線用貫通部構造は、密閉容器の壁部を貫通して設けられる筒状部材と、前記密閉容器の外部空間から前記筒状部材に挿入された第1のケーブルと、前記密閉容器の内部空間から前記筒状部材に挿入された第2のケーブルと、前記筒状部材の内部に設けられ前記密閉容器の内外を隔てる隔離部材と、を備え、前記筒状部材には、周回方向に沿って複数の孔が形成され、前記隔離部材は、前記第1および第2のケーブルとを露出させる空隙を有し、複数の前記孔は前記空隙の周囲に形成され、前記第1および第2のケーブルは、それぞれ導線と被覆とを有するものであり、前記空隙の内部において前記第1および第2のケーブルの各々の前記被覆が剥離され、各々の前記導線が結合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気配線用貫通部構造の内部の観察、清掃等を容易に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態による電気ペネトレーションの断面図である。
【
図2】外部空間側から見たヘッダ部材の正面図である。
【
図4】電気ペネトレーション・モジュールの要部の部分断面図である。
【
図6】第2実施形態における電気ペネトレーション・モジュールの要部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、本発明の第1実施形態による電気ペネトレーション100(電気配線用貫通部構造)の断面図である。
電気ペネトレーション100は、原子力プラントに設けられる格納容器250(密閉容器)の壁部256を貫通するものである。格納容器250の内部空間253には、複数のケーブル3が延設されており、外部空間252には、複数のケーブル2が延設されている。電気ペネトレーション100は、外部空間252と内部空間253とを遮蔽しつつ、ケーブル2,3を相互に接続するものである。
【0011】
ケーブル2,3は金属被覆ケーブルであり、例えばケーブルコアである導線と、導線を囲む絶縁体被覆と、絶縁体を囲む金属被覆と、を備えている。ケーブル2,3として金属被覆ケーブルを適用した理由は、ケーブル2,3の耐熱性/耐圧性を高めるためである。電気ペネトレーション100は、ヘッダ部材110と、複数の電気ペネトレーション・モジュール120と、円筒金属管130,132と、バルブ140と、固定具150と、を備えている。そして、円筒金属管130は、格納容器250の壁部256に埋設されている。
【0012】
電気ペネトレーション・モジュール120(以下、モジュール120と呼ぶことがある)は、ヘッダ部材110に形成された貫通孔に挿入され、固定具150によってヘッダ部材110に固定される。また、円筒金属管132は、一端においてヘッダ部材110に溶接され、他端の衝合箇所134において円筒金属管130に溶接されている。円筒金属管130は、格納容器250の外部空間252および内部空間253に突出している。
【0013】
詳細は後述するが、モジュール120にはリークモニタ空間6(空隙)が形成されている。バルブ140は、ヘッダ部材110に装着されている。バルブ140を閉状態にすると、リークモニタ空間6が気密状態になる。また、バルブ140に配管176を介してコンプレッサ172および圧力計174を結合することができる。コンプレッサ172および圧力計174を結合し、バルブ140を開状態にすると、リークモニタ空間6に空気を圧入することができる。そして、圧力計174の指示値を観察すると、リークモニタ空間6の気密性が保たれているか否かを検査することができる。
【0014】
図2は、
図1において外部空間252側から見たヘッダ部材110の正面図である。また、
図3は、
図2のIII-III断面図である。
図2において、ヘッダ部材110は、略円板状に形成されており、軸方向に沿って、7個の円筒状の貫通孔30-1~30-7(以下、貫通孔30と総称することがある)形成されている。
【0015】
図3に示すように、貫通孔30-1は、外部空間252側から内部空間253側に向かって段階的に直径が小さくなっている。すなわち、貫通孔30-1は、大径部30Lと、中径部30Mと、小径部30Sと、を有している。
図2において、他の貫通孔30-2~30-7も、符号は省略するが、貫通孔30-1と同様に、大径部30Lと、中径部30Mと、小径部30Sと、を有している。貫通孔30-7の中径部30Mと、他の貫通孔30-1~30-6の中径部30Mとの間には、細管円筒状の貫通孔32-1~32-6(以下、貫通孔32と総称することがある)が形成されている。
【0016】
また、ヘッダ部材110の上端部には、バルブ140(
図1参照)を装着するためのバルブ装着口34が形成されている。そして、バルブ装着口34と、貫通孔30-1の中径部30Mとの間には、貫通孔32と同径の貫通孔35が形成されている。
図3に示すように、貫通孔32-1,32-4,35は、鉛直方向(図面の上下方向)に対して若干傾斜している。また、
図2に示す他の貫通孔32も、同様に鉛直方向に対して若干傾斜している。
【0017】
図4は、電気ペネトレーション・モジュール120の要部の部分断面図である。
図4において、モジュール120は、一対のスリーブ11と、大径フランジ12と、小径フランジ14と、サポート板8,9と、を備えている。一対のスリーブ11は、金属を円筒状に形成したものである。
【0018】
大径フランジ12および小径フランジ14は、共に略円環状に形成され一対のスリーブ11の間に固定されている。小径フランジ14の外径は、貫通孔30の中径部30M(
図3参照)の内径よりも若干小さくなっている。また、大径フランジ12の外径は、貫通孔30の大径部30Lの内径よりも若干小さくなっている。これらスリーブ11、大径フランジ12および小径フランジ14を合わせて筒状部材10と呼ぶことがある。
【0019】
小径フランジ14には、半径方向に沿って形成された貫通孔である複数のリークモニタ孔5(孔)が、周回方向に沿って形成されている。また、大径フランジ12の左端部には、周回方向に沿って環状の凹部(符号なし)が形成されており、環状パッキンであるOリング22(封止部材)が嵌め込まれている。また、スリーブ11には、小径フランジ14に隣接するように、環状パッキンであるOリング24(封止部材)が嵌め込まれている。
【0020】
また、スリーブ11の内部において、小径フランジ14の左方および大径フランジ12の右方には、一対のサポート板8,9が固定されている。サポート板8,9は、セラミックス等の無機材料を円板状に形成したものであり、その随所にケーブル2,3等を挿通する貫通孔8a,9aが形成されている。なお、図示の例において、ケーブル2,3は一本のケーブルである。サポート板8の左方およびサポート板9の右方において、スリーブ11の内部空間には、充填剤を充填した充填部7が充填されている。
【0021】
そして、サポート板8,9と、スリーブ11とに囲まれた空間は空洞になっており、この空間が上述したリークモニタ空間6である。リークモニタ空間6の内部において、ケーブル2,3は、ケーブルコアである導線4と、導線4の周囲を囲む被覆2a,3aと、を有している。図示は省略するが、上述したように、被覆2a,3aは、導線4を囲む絶縁体被覆と、絶縁体被覆を囲む金属被覆と、を備えている。
【0022】
図示のように、リークモニタ空間6の内部では、ケーブル2,3の被覆2a,3aは剥離されており、ケーブル2,3の導線4が露出している。導線4を露出させた理由は、導線4と被覆2a,3aとの間、または被覆2a,3aを構成する絶縁体被覆と金属被覆との間で気密性が維持されているか否か試験できるようにするためである。
【0023】
また、ケーブル2,3を挿通したサポート板8,9の貫通孔8a,9aには、接着剤を塗布して固めた接着部18が形成されている。上述のように、被覆2a,3aの最外層は金属被覆であり、サポート板8,9は無機材料である。従って、接着部18は金属と無機材料とを接着するものであり、接着剤を塗布する際に接着剤が飛散し、導線4に付着する可能性がある。ここで、上述した充填部7、サポート板8およびサポート板9は、格納容器250(
図1参照)の外部空間252と内部空間253とを隔離する機能を有するため、これらを総称して隔離部材20と呼ぶことがある。
【0024】
図5は、
図1におけるV部詳細図である。
図示のように、貫通孔30-1の中径部30Mと、モジュール120の小径フランジ14との間には、隙間26が形成されている。隙間26は、小径フランジ14の外周面に沿って形成され、各リークモニタ孔5およびリークモニタ空間6に連通している。そして、隙間26の左右端は、Oリング22,24によって封止され、隙間26は、外部空間252および内部空間253に対して気密状態になる。
【0025】
図2に示す他の貫通孔30-2~30-7における中径部30Mと、対応するモジュール120との間にも、貫通孔30-1の場合と同様に、隙間26(
図5参照)が形成される。そして、各貫通孔30-1~30-7における隙間26は、貫通孔32,35を介してバルブ装着口34に連通している。
【0026】
〈第1実施形態の組立手順〉
次に、本実施形態による電気ペネトレーション100の組立手順について説明する。
まず、格納容器250はコンクリート等によって構築されるが、コンクリート用の型枠に円筒金属管130が予め装着された状態でコンクリートが型枠に流し込まれる。これにより、格納容器250が構築された際、格納容器250は既に円筒金属管130を備えた状態になっている。
また、ヘッダ部材110は、工場出荷時に円筒金属管132に溶接される。そして、現地において、円筒金属管130,132は衝合箇所134において溶接される。
次に、各モジュール120がヘッダ部材110から外されている状態で、
図4に示したように、各モジュール120を組み立てる。ここで、接着部18はリークモニタ空間6に露出しているため、接着剤の破片等の異物が、むき出しになっている導線4に付着する可能性がある。導線4に異物が付着すると、絶縁距離が短くなり、ケーブル2,3の電気特性が低下する可能性がある。そこで、このような場合は、ケーブル2,3の本来の電気特性を維持するために、異物を取除く清掃を行うことが好ましい。
【0027】
本実施形態によれば、小径フランジ14には複数のリークモニタ孔5が形成されているため、様々な方向から導線4を観察することができる。これにより、作業者は、導線4に異物が付着している場合には、その旨を明確に認識することができる。そして、導線4に異物が付着している場合には、エアブロー、液体洗浄等の方法で内部の洗浄・清掃を行うことができる。そして、複数のリークモニタ孔5が形成されていることにより、洗浄後の乾燥も容易になる。また、モジュール120の洗浄・清掃が可能になることで、異物が発生しやすい材料や加工方法も適用できるようになり、モジュール120内の各部の素材や加工方法の制限が軽減される。
【0028】
各モジュール120の製造、検査が完了し、必要に応じて清掃・洗浄等を行った後、
図1に示すように、各モジュール120をヘッダ部材110に挿通する。次に、固定具150によって各モジュール120を固定する。そして、ヘッダ部材110にバルブ140を装着すると、電気ペネトレーション100は
図1に示すような状態になる。
【0029】
次に、
図1に示す状態において、電気ペネトレーション100の気密性試験を行う。具体的には、バルブ140に配管176を介してコンプレッサ172および圧力計174を結合する。次に、コンプレッサ172を作動させ、バルブ140を介して圧縮空気をヘッダ部材110の内部に圧入する。ここで、電気ペネトレーション100に気密不良個所が存在した場合、コンプレッサ172を停止させると、圧力計174の指示値が次第に下がってくる。
【0030】
一方、電気ペネトレーション100に気密不良個所が無ければ、コンプレッサ172を停止させた後、圧力計174の指示値は、長時間に渡って一定値に維持される。これにより、電気ペネトレーション100の気密性を試験することができる。なお、上述した気密性試験は、電気ペネトレーション100の製造時のみならず、原子力プラントの稼働後も定期的に実行される。
【0031】
〈第1実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態の電気配線用貫通部構造(100)によれば、筒状部材(10)には、周回方向に沿って複数の孔(5)が形成されている。これにより、この孔(5)を介して、内部の観察、清掃等を容易に実行できる。さらに、隔離部材(20)は、ケーブル(2,3)を露出させる空隙(6)を有し、複数の孔(5)は空隙(6)の周囲に形成されている。これにより、孔(5)は空隙(6)を介して、ケーブル(2,3)の観察、清掃等を容易に実行できる。
【0032】
さらに、電気配線用貫通部構造(100)は、密閉容器(250)の外部空間(252)および内部空間(253)に対して、気密状態になるように空隙(6)を封止する封止部材(22,24)をさらに備える。これにより、空隙(6)を気密状態に保持することができる。さらに、ケーブル(2,3)は、導線(4)と被覆(2a,3a)とを有するものであり、空隙(6)の内部において被覆(2a,3a)が剥離された箇所を有する。これにより、空隙(6)の気圧を上げると、ケーブル(2,3)が気密状態を維持しているか否か試験することができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による電気ペネトレーションの構成を説明する。
本実施形態の電気ペネトレーションの全体構成は第1実施形態のものと同様である。但し第1実施形態の電気ペネトレーション・モジュール120に代えて、本実施形態においては、
図6に示す電気ペネトレーション・モジュール220(以下、モジュール220と呼ぶことがある)が適用される。モジュール220において、ケーブル2,3は別体のケーブルであり、両者の導線4はリークモニタ空間6内で接続コンタクト42によって接続されている。上述した以外のモジュール220の構成は、第1実施形態のモジュール120と同様である。
【0034】
一般的に、ケーブルの被覆を剥離するには、そのケーブルに適合した剥離工具が使用される。但し、一般的な剥離工具は、ケーブルの端部において被覆を剥離するように構成されている。本実施形態によれば、別体であるケーブル2,3の各々の端部において被覆2a,3aを剥離できるため、一般的な剥離工具を使用できるという利点がある。
【0035】
さらに、本実施形態においても、小径フランジ14には複数のリークモニタ孔5が形成されているため、一つのリークモニタ孔5から接続コンタクト42を検査する際、他のリークモニタ孔5を介して光を入射させることができる。これにより、接続コンタクト42の検査も容易に実行することができる。
【0036】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0037】
(1)上記各実施形態においては、電気ペネトレーション100は複数の電気ペネトレーション・モジュール120,220を備えており、各モジュール120,220は複数のケーブル2,3を挿通するものであった。しかし、電気ペネトレーション100は少なくとも1個のモジュール120,220を備えていればよく、各モジュール120,220も、少なくとも1本の(または1対の)ケーブル2,3を挿通していればよい。
【0038】
(2)上記第1実施形態によれば、リークモニタ空間6の内部でケーブル2,3の被覆2a,3aを剥離したが、被覆2a,3aは必ずしも剥離しなくてもよい。
【0039】
(3)本発明の適用対象は原子力プラントの格納容器250に限定されるわけではなく、種々の密閉容器に対する電気配線に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
2,3 ケーブル
2a,3a 被覆
4 導線
5 リークモニタ孔(孔)
6 リークモニタ空間(空隙)
10 筒状部材
20 隔離部材
22,24 Oリング(封止部材)
100 電気ペネトレーション(電気配線用貫通部構造)
250 格納容器(密閉容器)
252 外部空間
253 内部空間
256 壁部