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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ブラインド及び操作コード巻取装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/326 20060101AFI20221117BHJP
   E06B 9/322 20060101ALI20221117BHJP
   E06B 9/78 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
E06B9/326
E06B9/322
E06B9/78
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019075119
(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公開番号】P2020172787
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】堀 優樹
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-255141(JP,A)
【文献】実開平3-125198(JP,U)
【文献】特開2018-3440(JP,A)
【文献】特開2015-224540(JP,A)
【文献】特開2009-13691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/322-9/326
E06B 9/78
A47H 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材を吊下げ支持する支持部材、前記支持部材から垂下され、前記遮蔽材を開閉操作するための操作コード、及び、前記操作コードの垂下長さを調整可能な操作コード巻取装置を備えたブラインドであって、
前記操作コードはループ状をなし、
前記操作コード巻取装置は、
前記操作コードを巻き掛けした支持軸と、
前記支持軸と同軸上に前記支持軸の周囲を囲い、前記操作コードを巻き取り可能なリールと、を有し、
前記支持軸と前記操作コードとを相対移動可能としている、ブラインド。
【請求項2】
前記リールは、前記操作コードが挿通する開口部を有し、
前記操作コードは、前記開口部を挿通して、前記支持軸に巻き掛けした状態で、前記リールを回動することで、前記リールの外周面に前記操作コードの一方側と他方側を一斉に巻き取りできる、請求項1記載のブラインド。
【請求項3】
前記開口部は、前記リールの外周の一部を断絶し、内部に貫通する切り欠き部からなり、
前記操作コードは、前記切り欠き部のいずれか一方の端部に係止することで、前記リールの外周面に巻き取りできる、請求項2記載のブラインド。
【請求項4】
前記操作コード巻取装置は、前記リールが前記操作コードを巻き取る方向に、前記リールに回転力を付勢する付勢部材を更に備えている、請求項1から3のいずれかに記載のブラインド。
【請求項5】
前記操作コード巻取装置は、前記リールに設けた係合部と係合可能な係合部材を更に備え、
前記係合部材は、
前記係合部と係合した状態では、前記リールの回転を制動し、
前記係合部との係合を解除した状態では、前記リールの回転を許容する、請求項1から4のいずれかに記載のブラインド。
【請求項6】
操作コードの垂下長さを調整可能な操作コード巻取装置であって、
遮蔽材を開閉操作するためのループ状に形成した操作コードと、
前記操作コードを巻き掛けした支持軸と、
前記支持軸と同軸上に前記支持軸の周囲を囲い、前記操作コードを巻き取り可能なリールと、を備え、
前記支持軸と前記操作コードとを相対移動可能としている、操作コード巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド及び操作コード巻取装置に関する。特に、遮蔽材を開閉するブラインド、及び、遮蔽材を操作する操作コードに設けた操作コード巻取装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブラインドは、スラットと呼ばれる細長い複数の帯状の遮蔽材を水平方向に配列し、これらのスラットを垂直方向に開閉する横型ブラインド、ルーバーと呼ばれる細長い複数の帯状の遮蔽材を垂直方向に配列し、これらのルーバーを水平方向に開閉する縦型ブラインド、フラットな生地からなる遮蔽材を巻取パイプに巻き取ることで開閉するロールスクリーン、蛇腹状に伸縮する生地からなる遮蔽材を垂直方向に開閉するプリーツスクリーン等が知られている。このようなブラインドは、遮蔽材を開閉操作するための操作コードを備えている。
【0003】
通常、操作コードは、天井などに取り付けたヘッドボックスから垂下している。操作コードの下端部が床面から低い位置に配置されている場合には、専用のコードクリップを用いて、幼児又はペットなどが届かない位置に操作コードを束ねている。
【0004】
しかし、専用のコードクリップを操作コードに取り付け、又は操作コードから取り外すのは、不便であり、操作コードの操作に支障をきたすことから、操作コードの垂下長さを自由に調整できる操作コード巻取装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平3-125198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9は、従来技術による操作コード巻取装置が適用されるブラインドの構成を示す正面図である。図10は、従来技術による操作コード巻取装置の構成を示す横断面図である。図11は、従来技術による操作コード巻取装置の構成を示す縦断面図であり、図11(A)は、内部の巻取リールが制動された状態図、図11(B)は、内部の巻取リールの制動が解除された状態図である。
【0007】
なお、本願の図9図10は、特許文献1の第1図と第2図に相当し、本願の図11(A)と図11(B)は、特許文献1の第3図と第4図に相当している。
【0008】
図9を参照すると、ブラインド9Bdは、ヘッドボックスBhを上部に取り付けている。ヘッドボックスBhは、複数のスラットStを吊り下げている。又、ヘッドボックスBhは、操作コードChを垂下している。操作コードChを操作することで、複数のスラットStを開閉できる。従来技術による操作コード巻取装置9は、操作コードChの端部に取り付けている。
【0009】
図10又は図11を参照すると、操作コード巻取装置9は、一組の円筒状の第1ケース91と円筒状の第2ケース92を備えている。これらの第1ケース91と第2ケース92は、互いに開口側が突き合わされて、操作コード巻取装置9の外殻を構成している。
【0010】
図10又は図11を参照すると、第1ケース91と第2ケース92は、操作コードChが挿通自在な開口部91hを一端部に設けている。又、第1ケース91と第2ケース92は、操作コード巻取装置9をフックなどに引掛けるための開口部92hを他端部に設けている。
【0011】
図11を参照すると、第1ケース91は、その中央部から支軸91sを内部に突出している。一方、第2ケース92は、陥没自在な薄肉の弾性壁部92wを中央部に形成している。
【0012】
図10又は図11を参照すると、操作コード巻取装置9は、巻取リール93、ぜんまいばね94、及び、制動子95を内部に備えている。巻取リール93は、第1ケース91の支軸91sと回転自在に連結している。巻取リール93は、その外周に操作コードChを巻き取ることができる。
【0013】
図11を参照すると、巻取リール93は、円板部931と外周部932を一体に成形している。外周部932は、円板部931の周縁部に形成している。円板部931の中心部には、軸穴93hを開口している。軸穴93hは、支軸91sと回転自在に連結している。外周部932は、その周囲に立設したフランジ板に規制されて、操作コードChを巻き取ることができる。
【0014】
図10又は図11を参照すると、巻取リール93の外周部932は、中心部に向かって突出した複数の爪片93nを有している。これらの爪片93nが後述する制動子95に設けた戻り止め刃95bに板厚方向から当接することで、巻取リール93が操作コードChを巻き戻す方向に回転することを制動できる。
【0015】
図11を参照すると、ぜんまいばね94は、巻取リール93の内部に配置されている。ぜんまいばね94の一端部は、支軸91sに係止している。ぜんまいばね94の他端部は、外周部932に係止している。ぜんまいばね94は、巻取リール93が操作コードChを巻き取る力を蓄勢している。
【0016】
図10又は図11を参照すると、制動子95は、円柱状の軸部95aと一対の戻り止め刃95b・95bを有している。一対の戻り止め刃95b・95bは、軸部95aから遠心方向に突出している。又、戻り止め刃95bは、爪片93nに対してスライド自在な傾斜面を形成している。
【0017】
図11を参照すると、支軸91sは、その先端部側の内部に圧縮コイルばね96を保持している。制動子95の軸部95aは、支軸91sの先端部側と嵌合している。支軸91sに対して、軸部95aは、軸方向の移動は許容されているが、軸周りの回転が規制されている。制動子95は、圧縮コイルばね96に付勢されて、軸部95aを弾性壁部92wに向かって移動できる。
【0018】
図11(A)に示した状態では、軸部95aの先端面が弾性壁部92wの内壁に当接しているので、制動子95が弾性壁部92wに規制されて停止している。又、図11(A)に示した状態では、爪片93nが戻り止め刃95bに板厚方向から当接しているので、巻取リール93が操作コードChを巻き戻す方向に回転することを制動している。
【0019】
図11(A)に示した状態から、圧縮コイルばね96の付勢力に抗して、弾性壁部92wを押下すると、図11(B)に示すように、制動子95を後退できる。
【0020】
図11(B)に示した状態では、爪片93nと戻り止め刃95bの係合が解除されるので、ぜんまいばね94に付勢されて、巻取リール93は、操作コードChを巻き取る方向に回転できる。つまり、操作コード巻取装置9をヘッドボックスBhに向かって移動できる(図9参照)。そして、弾性壁部92wの押下を停止すると、操作コード巻取装置9を高い位置に停止できる。
【0021】
図9を参照して、操作コード巻取装置9が高い位置に停止した状態から、操作コード巻取装置9を下方に引っ張ると、爪片93nが戻り止め刃95bに形成した斜面にスライドできるので、操作コード巻取装置9を低い位置に移動できる。この場合、爪片93nと戻り止め刃95bが間欠的に係合するので、その振動音又は振動で巻取リール93が回転していることを実感できる。
【0022】
特許文献1による操作コード巻取装置は、必要に応じて操作コードの垂下長さを自由に調整でき、操作コードが邪魔になる、又は、美観を損なうことが無い、としている。又、特許文献1による操作コード巻取装置は、操作コードの昇降操作及び長さ調整操作の両方の操作が容易にできる、としている。
【0023】
しかしながら、操作コードは、例えば、始端と終端が連続したループコードで構成している場合もある。このような場合、一方のループコードを引くと、ブラインドを閉じることができ、他方のループコードを引くと、ブラインドを開くることができる。
【0024】
ループコードを特許文献1による操作コード巻取装置9に適用した場合には、折り返したループ部を巻取リール93の外周に取り付けているので、一方のループコードを引くと、操作コード巻取装置9が上昇し、他方のループコードを引くと、操作コード巻取装置9が上昇するので、ブラインドの開閉が容易でないという問題がある。
【0025】
ループコードで構成した操作コードの垂下長さを自由に調整できると共に、ブラインドの開閉が容易なブラインド及び操作コード巻取装置が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0026】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ループコードで構成した操作コードの垂下長さを自由に調整できると共に、ブラインドの開閉が容易なブラインド及び操作コード巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明者は、リールを回転して操作コードを巻き取ることで、操作コードの垂下長さを自由に調整でき、操作コード巻取装置の支持軸に操作コードを相対移動可能に連結することで、操作コード巻取装置を移動させることなく、ループコードを操作できると考え、以下のような新たなブラインド及び操作コード巻取装置を発明するに至った。
【0028】
(1)本発明によるブラインドは、遮蔽材を吊下げ支持する支持部材、前記支持部材から垂下され、前記遮蔽材を開閉操作するための操作コード、及び、前記操作コードの垂下長さを調整可能な操作コード巻取装置を備えたブラインドであって、前記操作コードはループ状をなし、前記操作コード巻取装置は、前記操作コードを巻き掛けした支持軸と、前記支持軸と同軸上に前記支持軸の周囲を囲い、前記操作コードを巻き取り可能なリールと、を有し、前記支持軸と前記操作コードとを相対移動可能としている。
【0029】
(2)前記リールは、前記操作コードが挿通する開口部を有し、前記操作コードは、前記開口部を挿通して、前記支持軸に巻き掛けした状態で、前記リールを回動することで、前記リールの外周面に前記操作コードの一方側と他方側を一斉に巻き取りできることが好ましい。
【0030】
(3)前記開口部は、前記リールの外周の一部を断絶し、内部に貫通する切り欠き部からなり、前記操作コードは、前記切り欠き部のいずれか一方の端部に係止することで、前記リールの外周面に巻き取りできることが好ましい。
【0031】
(4)前記操作コード巻取装置は、前記リールが前記操作コードを巻き取る方向に、前記リールに回転力を付勢する付勢部材を更に備えていることが好ましい。
【0032】
(5)前記操作コード巻取装置は、前記リールに設けた係合部と係合可能な係合部材を更に備え、前記係合部材は、前記係合部と係合した状態では、前記リールの回転を制動し、前記係合部との係合を解除した状態では、前記リールの回転を許容することが好ましい。
【0033】
(6)本発明による操作コード巻取装置は、操作コードの垂下長さを調整可能な操作コード巻取装置であって、遮蔽材を開閉操作するためのループ状に形成した操作コードと、前記操作コードを巻き掛けした支持軸と、前記支持軸と同軸上に前記支持軸の周囲を囲い、前記操作コードを巻き取り可能なリールと、を備え、前記支持軸と前記操作コードとを相対移動可能としている。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるブラインドは、操作コードを巻き掛けした支持軸と操作コードを巻き取り可能なリールを有する操作コード巻取装置を備え、リールを回転して操作コードを巻き取ることで、操作コードの垂下長さを自由に調整でき、支持軸に操作コードを相対移動可能に連結することで、操作コード巻取装置を移動させることなく、ループコードを操作できる。
【0035】
本発明による操作コード巻取装置は、操作コードを巻き掛けした支持軸と操作コードを巻き取り可能なリールを備え、リールを回転して操作コードを巻き取ることで、操作コードの垂下長さを自由に調整でき、支持軸に操作コードを相対移動可能に連結することで、操作コード巻取装置を移動させることなく、ループコードを操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態によるブラインドの構成を示す正面図であり、操作コード巻取装置が下部に配置された状態図である。
図2】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の斜視分解組立図である。
図3】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の縦断面図であり、操作コード巻取装置が操作コードの最下端部に配置された状態図である。
図4】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の縦断面図であり、操作コード巻取装置に内部に備えたぜんまいばねが蓄勢した状態図である。
図5】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の縦断面図であり、操作コード巻取装置が操作コードを巻き取る前の状態図である。
図6】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の縦断面図であり、操作コード巻取装置が操作コードを巻き取っている状態図である。
図7】前記実施形態によるブラインドに備わる操作コード巻取装置の縦断面図であり、操作コード巻取装置に内部に備えたぜんまいばねの蓄勢を解放している状態図である。
図8】前記実施形態によるブラインドの構成を示す正面図であり、操作コード巻取装置が上部に配置された状態図である。
図9】従来技術による操作コード巻取装置が適用されるブラインドの構成を示す正面図である。
図10】従来技術による操作コード巻取装置の構成を示す横断面図である。
図11】従来技術による操作コード巻取装置の構成を示す縦断面図であり、図11(A)は、内部の巻取リールが制動された状態図、図11(B)は、内部の巻取リールの制動が解除された状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0038】
[ブラインド及び操作コード巻取装置の構成]
(全体構成)
最初に、本発明の一実施形態によるブラインドの全体構成を説明する。なお、従来技術で付した符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じにするので、以下、説明を省略することがある。
【0039】
図1又は図8を参照すると、本発明の一実施形態によるブラインドBdは、支持部材となるC形チャンネル状のヘッドボックスBhを上部に取り付けている。ヘッドボックスBhは、複数のラダーコードCeを介して、複数の遮蔽材となるスラットStを吊り下げている。又、ヘッドボックスBhは、操作コードChを介して、スラットStを角度調整するためのメカニズムを内部に配置している。ブラケットBrを用いて、ヘッドボックスBhを二点以上支持すると共に、ブラケットBrを窓枠の上面又は天井に固定することで、ブラインドBdを窓の内側に配置できる。
【0040】
図1を参照すると、ヘッドボックスBhは、複数のドラム台Sd・Sdを内部に備えている。ドラム台Sdは、図示しない回転ドラム及び巻取ドラムDrを回転自在に支持している。ラダーコードCeは、その一端を回転ドラムに係留している。回転ドラムを所定角度、回動することで、複数のスラットStの傾斜角度を一斉に調整できる。昇降コードCrは、その一端を巻取ドラムDrに係留している。巻取ドラムDrを一方又は他方の方向に回転することで、複数のスラットStを垂直方向に開閉できる。
【0041】
図1を参照すると、ブラインドBdは、プーリ1p付きの駆動装置Mdと回転軸SrをヘッドボックスBhの内部に配置している。駆動装置Mdは、回転軸Srを介して、巻取ドラムDrを回転することで、複数の遮蔽材となるスラットStを開閉(昇降)できる。
【0042】
図1を参照すると、ブラインドBdは、図示しない回転ドラム及び巻取ドラムDrの中心部を長尺の回転軸Srに固定又は嵌合している。又、回転軸Srは、その一方の端部を図示しない駆動装置Mdに連結している。駆動装置Mdは、プーリ1p(図3参照)を回転軸Srに取り付けている。
【0043】
図1又は図3を参照すると、プーリ1pには、ループした操作コードChを巻き掛けしている。駆動装置Mdは、プーリ1pを介して、操作コードChの操作による回転を回転軸Srに伝動できるが、回転軸Srからの回転が阻止されるように構成している。
【0044】
図1を参照して、回転軸Srが一方の方向に回転するように、操作コードChを操作すると、巻取ドラムDrが昇降コードCrを巻き取ることで、複数のスラットStを開く(上昇させる)ことができる。
【0045】
一方、図1を参照して、回転軸Srが他方の方向に回転するように、操作コードChを操作すると、複数のスラットSt及びボトムレールRbの自重で、昇降コードCrが巻取ドラムを巻き戻すことで、複数のスラットStを閉じる(下降させる)ことができる。
【0046】
(操作コード巻取装置の構成)
次に、ブラインドBdに備わる操作コード巻取装置10の構成を説明する。図1又は図2を参照すると、本発明の一実施形態による操作コード巻取装置10は、ループ状をなす操作コードChの端部に取り付けている。
【0047】
図2から図7を参照すると、操作コード巻取装置10は、一組の円筒状のケース11・12を備えている。一方のケース11と他方のケース12は、互いに開口側が突き合わされて、操作コード巻取装置10の外殻を構成している。
【0048】
図2から図7を参照すると、一方のケース11と他方のケース12は、操作コードChを挿通できる開口部1hを有している。一方のケース11は、その内壁の中心部から支持軸11sを突出している。支持軸11sには、操作コードChを巻き掛けしている(図3又は図5参照)。
【0049】
図2から図7を参照すると、操作コード巻取装置10は、円筒状のリール2、付勢部材となるぜんまいばね3、及び、係合部材となる操作ボタン4を更に備えている。リール2は、一方のケース11の支持軸11sと回転自在に連結している。リール2は、支持軸11sの外周を囲っている。又、リール2は、その外周面21cに操作コードChを巻き取ることができる(図6参照)。
【0050】
図2を参照すると、リール2は、巻取部21とドラム部22を一体に成形している。巻取部21は、軸穴21hを中心部に開口している。軸穴21hは、支持軸11sと回転自在に連結しており、支持軸11sはリール2の回転中心となっている。巻取部21は、その周囲に立設したフランジ板に規制されて、操作コードChを巻き取ることができる。ドラム部22は、操作ボタン4の先端部と係合可能な係合部となる穴22hを外周に開口している。
【0051】
図2又は図3及び図5を参照すると、リール2は、操作コードChが挿通する開口部2hを有している。図3又は図5を参照して、操作コードChが開口部2hを挿通して、支持軸11sに巻き掛けした状態で、リール2を回動することで、リール2の外周面21cに一方側の操作コード1Chと他方側の操作コード2Chを一斉に巻き取りできる(図6参照)。
【0052】
図2又は図3及び図5を参照すると、開口部2hは、実体として、リール2の外周面21cの一部を断絶し、内部に貫通する切り欠き部からなっている。操作コードChは、切り欠き部の両端部21e・22eのいずれか一方の端部に係止することで、リール2の外周面21cに巻き取りできる(図6参照)。
【0053】
図2又は図4及び図6を参照すると、ぜんまいばね3は、リール2の内部に配置されている。ぜんまいばね3の一端部は、支持軸11sに係止している。ぜんまいばね3の他端部は、ドラム部22の外周に係止している。ぜんまいばね3は、リール2が操作コードChを巻き取る力を蓄勢している。ぜんまいばね3は、リール2が操作コードChを巻き取る方向に、リール2に回転力を付勢している。
【0054】
図2から図7を参照すると、操作ボタン4は、一方のケース11の外周に取り付けられている。操作ボタン4は、一方のケース11の遠心方向に移動自在に取り付けられている。操作ボタン4を押下すると、操作ボタン4の先端部をリール2の穴22hに係合できる(図3から図5参照)。そして、リール2の回転を制動できる。ドラム部22に対する穴22hの位置は、操作コードChがリール2から全て巻き戻された状態において、操作ボタン4が係合可能な位置に形成されている。
【0055】
図6又は図7を参照して、操作ボタン4の頭部を把持して、リール2から離れる方向に操作ボタン4を移動すると、リール2との係合を解除できる。そして、リール2の回転を許容できる。
【0056】
[ブラインド及び操作コード巻取装置の作用]
次に、実施形態によるブラインドBd及び操作コード巻取装置10の動作を説明しながら、ブラインドBd及び操作コード巻取装置10の作用及び効果を説明する。
【0057】
図1を参照すると、操作コード巻取装置10は、操作コードChの下端部に取り付けている。操作コードChの下端部が床面から低い位置に配置されている場合には、操作コード巻取装置10は、幼児又はペットなどが届かない位置に、操作コードChを巻き取ることができる(図8参照)。
【0058】
図3又は図5を参照すると、支持軸11sは、ループ状をなす操作コードChを巻き掛けしている。又、リール2は、操作コードChを巻き取りできるが、操作ボタン4によって回転が制動されている。
【0059】
図3又は図5に示した状態では、支持軸11sと操作コードChとを相対移動可能としている。つまり、ブラインドBdは、操作コード巻取装置10を移動させることなく、スラットStの昇降操作が可能となる。
【0060】
図2又は図3及び図5を参照すると、リール2は、操作コードChが挿通する開口部2hを有し、操作コードChは、開口部2hを挿通して、支持軸11sに巻き掛けした状態で、リール2を回動することで、リール2の外周面21cに操作コードChの一方側と他方側を一斉に巻き取りできる(図6又は図7参照)。これにより、ブラインドBdは、操作コードChの垂れ下がり量を短くすることができる(図8参照)。
【0061】
図2又は図3及び図5を参照すると、開口部2hは、実体として、リール2の外周面21cの一部を断絶し、内部に貫通する切り欠き部からなっている。操作コードChは、切り欠き部の両端部21e・22eのいずれか一方の端部に係止することで、リール2の外周面21cに巻き付け易くなる。
【0062】
図2又は図4及び図6を参照すると、ぜんまいばね3は、リール2の内部に配置されている。ぜんまいばね3の一端部は、支持軸11sに係止している。ぜんまいばね3の他端部は、ドラム部22の外周に係止している。操作コードChを巻き取る方向に回転するようにぜんまいばね3を設けることにより、付勢力を利用して、操作コードChをリール2に巻き取ることができる。
【0063】
図2から図7を参照すると、操作コード巻取装置10は、リール2に設けた穴22hと係合可能な操作ボタン4を更に備えている。操作ボタン4は、穴22hと係合して状態では、リール2の回転を制動し、穴22hとの係合を解除した状態では、リール2の回転を許容できる。これにより、操作コード巻取装置10は、操作コードChの巻取り量が変更できるようになり、操作コードChの垂下長さを調整することができる。
【0064】
図1から図8を参照すると、操作コード巻取装置10は、複数のスラットStを開閉操作するためのループ状に形成した操作コードChと、中心部に配置され、操作コードChを巻き掛けした支持軸11sと、支持軸11sと同軸上に支持軸11sの周囲を囲い、操作コードChを巻き取り可能なリール2と、を備えている。そして、操作コード巻取装置10は、支持軸11sと操作コードChとを相対移動可能としているので、ループ状の操作コードChを使用しても、操作コード巻取装置10を操作コードChに連結した状態で、複数のスラットStを昇降操作することが可能になる。
【0065】
図3から図5に示した状態から、操作ボタン4を引くと、一組のケース11・12とリール2の係合が解除されるので、ぜんまいばね3の付勢力を利用して、リール2を一方の方向に回転でき、操作コードChをリール2に巻き取ることができる(図6参照)。そして、操作コード巻取装置10を相対的に高い位置に配置できる(図8参照)。
【0066】
図6を参照して、リール2が操作コードChを巻き取る過程において、操作ボタン4を押下すると、操作ボタン4の先端部を穴22hに係合でき(図4参照)、リール2の回転を制動できる。これにより、操作コード巻取装置10を任意の位置に停止できる。
【0067】
図8に示した状態から、操作ボタン4を引くと、一組のケース11・12とリール2の係合が解除されるので、ぜんまいばね3の付勢力に抗して、操作コード巻取装置10を下方に移動できる。リール2が操作コードChを巻き戻す過程において、操作ボタン4を押下すると、操作ボタン4の先端部を穴22hに係合でき(図4参照)、リール2の回転を制動できる。又、図1を参照して、操作コード巻取装置10が操作コードChの最下端部に配置された状態では、操作コード巻取装置10を移動させることなく、スラットStの昇降操作が可能となる。
【0068】
実施形態による操作コード巻取装置10は、ぜんまいばねを利用した自動巻取装置を開示したが、手動操作によりリールを回転させる手動操作式の巻取装置に適用することもできる。
又、実施形態では、支持軸11sを一方のケース11の内壁の中心部から突出させたが、これに限らない。即ち、支持軸をケース(操作コード巻取装置)の中心部から外れた位置から突出させてもよい。支持軸はリールの回転中心となっていればよい。
【符号の説明】
【0069】
2 リール
10 操作コード巻取装置
11s 支持軸
Bd ブラインド
Bh ヘッドボックス(支持部材)
Ch 操作コード
St スラット(遮蔽材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11