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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ブローアウトパネル閉止装置
(51)【国際特許分類】
   G21C 9/004 20060101AFI20221117BHJP
   E06B 5/18 20060101ALI20221117BHJP
   E06B 5/12 20060101ALI20221117BHJP
   E05F 15/60 20150101ALI20221117BHJP
   E05F 15/50 20150101ALI20221117BHJP
   E05F 15/72 20150101ALI20221117BHJP
   E05F 1/10 20060101ALI20221117BHJP
   E05C 19/16 20060101ALI20221117BHJP
   E05F 3/22 20060101ALI20221117BHJP
   E05C 19/06 20060101ALI20221117BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G21C9/004
E06B5/18
E06B5/12
E05F15/60
E05F15/50
E05F15/72
E05F1/10
E05C19/16 Z
E05F3/22 D
E05C19/06 Z
G21C13/00 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019172504
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021050952
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 亮太
(72)【発明者】
【氏名】飯島 唯司
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-120537(JP,A)
【文献】特開2019-200191(JP,A)
【文献】特開2009-121917(JP,A)
【文献】実開昭52-120295(JP,U)
【文献】米国特許第04788999(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 9/004
G21C 13/00
E06B 5/18
E06B 5/12
E05F 15/60
E05F 15/72
E05F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉建屋に設置される開閉扉と、
開いた前記開閉扉を閉じるモータ又はコンプレッサである駆動源と、
常には前記開閉扉を閉じた状態に保持し、前記建屋の内圧が所定程度に上昇したときには前記開閉扉を開放させる第1留め具と
前記開閉扉を支持し当該回転扉の開閉の際に周方向に回転する支持軸と、
前記支持軸側と前記駆動源側とを連結するラチェット機構とを備え、
前記ラチェット機構は、前記開閉扉を開くときは前記支持軸の回転をフリーとし、前記開閉扉を閉じるときは前記駆動源により前記支持軸を回転しない限り当該閉じる動作を阻止するように歯車が噛み合うことを特徴とするブローアウトパネル閉止装置。
【請求項2】
前記開閉扉を開放後に閉じたときには当該開閉扉を閉じた状態で保持する第2留め具を備えることを特徴とする請求項1に記載のブローアウトパネル閉止装置。
【請求項3】
前記第1留め具と前記第2留め具とは同じ装置であることを特徴とする請求項に記載のブローアウトパネル閉止装置。
【請求項4】
同じ装置である前記第1留め具と前記第2留め具とは、磁石の磁力によって前記開閉扉を閉じた位置に保持することを特徴とする請求項に記載のブローアウトパネル閉止装置
【請求項5】
原子炉建屋に設置される開閉扉と、
開いた前記開閉扉を閉じるばねである駆動源と、
常には前記開閉扉を閉じた状態に保持し、前記建屋の内圧が所定程度に上昇したときには前記開閉扉を開放させる第1留め具と
前記開閉扉を開放後に閉じたときには当該開閉扉を閉じた状態で保持する第2留め具とを備え、
前記第1留め具と前記第2留め具とは、前記ばねであり当該ばねの弾性力によって前記開閉扉を閉じた位置に保持することを特徴とするブローアウトパネル閉止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブローアウトパネル閉止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉建屋には、当該建屋の内圧が所定程度以上に高まったときには開いて当該内圧を低下させるブローアウトパネル(BOP)が設けられている。そして、ブローアウトパネルが開いて建屋の壁に開口部が開き、建屋の内圧が所定程度低下した後には、当該開口部を閉止するブローアウトパネル閉止装置も設けられる。ブローアウトパネル閉止装置としては、特許文献1,2に開示されているものが知られている。
【0003】
即ち、本技術分野の背景技術として、特許第6547085号公報(特許文献1)がある。この公報には、「建造物の開口部を閉止する閉止装置であり、開放された所定の面積を有する矩形枠状の正面フレームと、前記正面フレームの少なくとも上下で対向する2つの頂点近傍から延伸する側面を構成するように接合された方形状の側面フレームと、を備える立体フレーム構造体と、1本の回転軸と、前記回転軸に一辺が軸支されて前記回転軸を中心に対向方向に自在に開閉可能な所定の面積を有する第一の平板と第二の平板と、を有し、前記側面フレームが接合された前記正面フレームの同一の1辺の中間位置より頂面の方向側とこれに対向する底面の方向側のそれぞれの位置において前記第一の平板が固定配設された第一の開閉支持機構及び第二の開閉支持機構と、前記第一及び第二の開閉支持機構の第二の平板に固定配設され、前記第一及び第二の開閉支持機構のそれぞれの前記第一の平板と前記第二の平板の開度状態に応じて、前記立体フレーム構造体の内側で右側または左側の側面フレームに当接して前記右側面または前記左側面の開放面の全部又は一部を閉止する側面保持状態、又は、前記立体フレーム構造体の内側で前記正面フレームに当接して正面の開放面の全部を閉止する正面閉止状態、の何れかの閉止状態が選択される、所定の厚みを有する正面閉止板と、前記側面保持状態及び前記正面閉止状態において、前記正面閉止板が回動しないようにその位置を保持する保持機構と、を含んで構成されることを特徴とする閉止装置。」と記載されている(特許請求の範囲参照)。
【0004】
また、本技術分野の背景技術として、特許第6494850号公報(特許文献2)がある。この公報には、「建屋に複数配置されたブローアウトパネルが開放された後の一の開口部を塞ぐための開閉板と、前記開閉板が回動可能に設けられ前記開口部の周縁の取付範囲にそこから出ないように取付可能な枠体と、前記開閉板が前記開口部を延長した空間に存在しないように開いた状態を維持する開手段と、前記開手段が解除されたときに前記開閉板で前記開口部を密閉するために介在させるシール材と、を有し、前記開手段は、前記枠体に固定された支持材に係止することで前記開閉板を水平に保持し、前記ブローアウトパネルが開放された後に前記支持材への係止が外れた前記開閉板を前記シール材に押し付けるための弾性体を備える、ことを特徴とする遮蔽扉。」と記載されている(特許請求の範囲参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6547085号公報
【文献】特許第6494850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、原子炉建屋にブローアウトパネル及びブローアウトパネル閉止装置の両装置を設けることは、煩雑であり、また、原子炉建屋内は狭いため装置の据付作業に困難が伴う。そこで、ブローアウトパネル閉止装置にブローアウトパネルの機能を兼ね備えさせれば、これらの煩雑さや困難性を解消することができる。
そこで、本発明は、原子炉建屋にブローアウトパネル及びブローアウトパネル閉止装置の両装置を設置することに伴う煩雑さや困難性を低減できるブローアウトパネル閉止装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、原子炉建屋に設置される開閉扉と、開いた前記開閉扉を閉じるモータ又はコンプレッサである駆動源と、常には前記開閉扉を閉じた状態に保持し、前記建屋の内圧が所定程度に上昇したときには前記開閉扉を開放させる第1留め具と、前記開閉扉を支持し当該回転扉の開閉の際に周方向に回転する支持軸と、前記支持軸側と前記駆動源側とを連結するラチェット機構とを備え、前記ラチェット機構は、前記開閉扉を開くときは前記支持軸の回転をフリーとし、前記開閉扉を閉じるときは前記駆動源により前記支持軸を回転しない限り当該閉じる動作を阻止するように歯車が噛み合うことを特徴とするブローアウトパネル閉止装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原子炉建屋にブローアウトパネル及びブローアウトパネル閉止装置の両装置を設置することに伴う煩雑さや困難性を低減できるブローアウトパネル閉止装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の開閉扉の駆動系を示す正面図である。
図3】本発明の実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置のモータ側と支持軸側とを連結しているラチェット機構の斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の正面図である。
図5】本発明の実施例2に係るブローアウトパネル閉止装置の駆動源の構成を示す斜視図である。
図6】本発明の実施例3に係るブローアウトパネル閉止装置の駆動源の構成を示す斜視図である。
図7】本発明の実施例4に係るブローアウトパネル閉止装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
まず、原子炉建屋には、当該建屋の内圧が所定程度以上に高まったときには開いて当該内圧を低下させるブローアウトパネルが設けられている。そして、ブローアウトパネルが開いて建屋の壁に開口部が開き、建屋の内圧が所定程度低下したときは、当該開口部を閉止するブローアウトパネル閉止装置も設けられる。
【0011】
しかしながら、原子炉建屋にブローアウトパネル及びブローアウトパネル閉止装置の両装置を設けることは、煩雑であり、また、原子炉建屋内は狭いため装置の据付作業に困難が伴う。そこで、ブローアウトパネル閉止装置にブローアウトパネルの機能を兼ね備えさせれば、これらの煩雑さや困難性を解消することができる。そこで、以下では、ブローアウトパネルの機能を兼ね備えたブローアウトパネル閉止装置の実施例を複数例説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の斜視図である。ブローアウトパネル閉止装置1は、図示しない原子炉建屋の外壁に、一般的には複数台設置される。ブローアウトパネル閉止装置1は、矩形状の枠体2と、枠体2の内側の開口部3を開閉する例えば矩形の板状である開閉扉4とを備えている。枠体2の一方の側枠2a側には開閉扉4の側部4aに固定されて開閉扉4を支持し、開閉扉4の開閉の際に周方向に回転する支持軸5(図2参照)が設けられている。枠体2の上枠2bの上部で支持軸5(図2参照)の例えば上方位置等には、支持軸5を周方向に回転することで開閉扉4を開閉する駆動源6が設けられている。支持軸5は、枠体2に軸支されている。
【0013】
図2は、本実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の開閉扉の駆動系を示す正面図である。駆動源6は、本実施形態1ではモータ11であり、モータ11のモータ軸11a(図3)と支持軸5とは、直接、又は所定の連結機構を介して接続されている。
【0014】
図3は、本実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置のモータ側と支持軸側とを連結しているラチェット機構の斜視図である。図3の例は、モータ11のモータ軸11aと支持軸5とがラチェット機構12を介して連結する例を示している(図2においてはラチェット機構12を図示せず)。ラチェット機構12は、モータ軸11aの先端部に固定されたギア12aと、支持軸5の先端部に固定されたギア12bとからなる。ギア12aとギア12bの構成は同様である。すなわち、ギア12a,12bは、何れも円柱状の部材であり、それぞれモータ軸11a、支持軸5が固定されているのとは反対側の面12a1,12b1に歯12a2,12b2が形成されている。この歯12a2,12b2は、面12a1,12b1の上面視で当該面12a1,12b1の周縁部を一周して形成されている。この歯12a2,12b2の形状は、当該周縁部を時計方向に見てなだらかな昇り傾斜と、これに続く急激な下り傾斜とが連続している。そして面12a1と面12b1とは接している(図3では、歯12a2,12b2の形状がわかりやすいように、面12a1と面12b1との間に距離を置いて図示している)。
【0015】
図4は、本実施例1に係るブローアウトパネル閉止装置の正面図である。枠体2の他方の側枠2cの中間高さからは、留め板13が開口部3側に張り出している。開閉扉4は通常は閉じており、この閉じた開閉扉4を留め板13が留めて開閉扉4が閉じた状態を保持している。すなわち、留め板13は第1留め具となるものである。第1留め具としては、留め板13以外にもクリップ等、様々な部材を用いることができる。
【0016】
枠体2の側枠2cの開口部3側には、開閉扉4の側方先端縁部分4bを受ける受枠14が設けられている。受枠14には、磁石15が設けられている。図4の例では、例えば、受枠14の上部、下部、中間高さ位置の3箇所に磁石15が設けられている。また、開閉扉4の側方先端縁部分4bにおける、開閉扉4を閉じたときに磁石15と対応する位置には、磁石15と異極の磁石16が設けられている。すなわち、磁石15と磁石16とは開閉扉4を閉じたときに互いに吸着する。なお、開閉扉4が金属製で、磁石15が開閉扉4を吸着できるときは、磁石16は設けなくてもよい。この磁石15,16は、第2留め具となるものである。なお、第2留め具としては、磁石以外にも、開閉扉4を閉じたときに開閉扉4を閉じ位置においてある程度の強度をもって保持でき、しかも、開閉扉4を開閉可能とする部材であれば様々な部材を用いることができる。
【0017】
次に、本実施例1の作用効果について説明する。
本実施例1のブローアウトパネル閉止装置1は、ブローアウトパネル(BOP)も兼用している。ブローアウトパネル閉止装置1が設置されている原子炉建屋の内圧が所定程度以上となったときは、開閉扉4の圧力に押されて留め板13が屈曲したり、破断したりして、開閉扉4が開いて開口部3が開放される。これによって、原子炉建屋の内圧が低下する。すなわち、開閉扉4はブローアウトパネルとして機能する。そのため、留め板13は、原子炉建屋の内圧が開閉扉4を開く必要がある値以上となったときに屈曲したり、破断したりして外れるように設計されている。モータ11は図示しない作業者が中央制御室などから操作することができる。開閉扉4が開いて原子炉建屋の内圧が十分に低下したときは、作業者の操作によってモータ11が駆動され、開閉扉4は閉じる。この際、磁石15と磁石16とが吸着して、開閉扉4は閉じた状態を維持し、不用意に開かないようにすることができる。すなわち、この場合に開閉扉4は、ブローアウトパネル閉止装置の閉止扉として機能する。
【0018】
このように、ブローアウトパネル閉止装置1は、1枚の開閉扉4がブローアウトパネルとしてもブローアウトパネル閉止装置の閉止扉としても機能する。従って、原子炉建屋にブローアウトパネル及びブローアウトパネル閉止装置の両装置を設ける必要はなく、当該両装置を設けることによる煩雑さや、狭い原子炉建屋内に当該両装置の据付作業を行う困難性を回避することができる。
また、開閉扉4を閉じるときの駆動源6としてモータ11を用いているため、作業者は、開閉扉4を閉じるタイミングを十分に選べ、原子炉建屋内の内圧が十分に低下した後で開閉扉4を閉じることができる。
【0019】
さらに、開閉扉4を開閉する機構に前記の構成のラチェット機構12を採用している。そのため、開閉扉4を開くときには、ギア12aの歯12a2とギア12bの歯12b2とは、互いに相手の歯の表面を時計方向に摺動して、ゆるい上り坂を登っては急な下り坂を下るという動作を行う。そのため、開閉扉4を開く動作を行う際には、支持軸5の回転、ひいては開閉扉4の開き動作はフリーであり、開閉扉4がブローアウトパネルとして機能することに支障がない。
【0020】
一方、開閉扉4が閉じる動作を行うときは、ギア12aの歯12a2とギア12bの歯12b2とは、互いに相手の歯の表面を反時計方向に移動しようとして互いの急な下り坂同士で係止し合って、支持軸5は回転せず、ひいては開閉扉4は閉じない。支持軸5を開閉扉4が閉じる方向に回転させるためにはモータ11を駆動する必要がある。モータ11を駆動すると、ギア12aが回転し、ギア12aの急な下り坂の面とギア12bの急な下り坂の面とが係合して、ギア12b、ひいては支持軸5が開閉扉4を閉じる方向に回転する。これにより、モータ11を駆動したときだけ開閉扉4は閉じる動作を行い、そうでないときは開いた状態を維持することができる。
【0021】
その上、開閉扉4を完全に閉じたときは、磁石15と磁石16とが吸着し合って、開閉扉4の閉状態を維持することができる。
なお、ブローアウトパネル閉止装置1においては、開閉扉4を閉じたときの気密性を高い状態で確保するために、枠体2、開閉扉4、受枠14等の部材の必要な箇所にパッキン等を設けることが好ましい。
【実施例2】
【0022】
以下に説明する各実施例では、前記の実施例1と共通する部材等には、実施例1と共通の符号を用い、詳細な説明は省略する。以下では、前記各実施例が実施例1と異なっている技術的事項を中心に説明する。
【0023】
図5は、本発明の実施例2に係るブローアウトパネル閉止装置1Aの駆動源6の構成を示す斜視図である。本実施例2の駆動源6が実施例1のものと異なるのは、駆動源6としてモータ11ではなく、コンプレッサ21を使用している点である。すなわち、支持軸5の先端部には例えば風車22などが設けられ、コンプレッサ21で吸引され圧縮された外気はノズル23を介して風車22に吹き付けられ、風車22を回転させて、ひいては支持軸5を回転させることができる。
【0024】
また、本実施例2においても前記のラチェット機構12を用いている。すなわち、風車22側と支持軸5側とはラチェット機構12(図5には図示せず)を介して連結されている。
【0025】
本実施例2の作用効果について説明する。
本実施例2によれば、開閉扉4を閉じるときの駆動源6としてコンプレッサ21を用いているため、作業者は、開閉扉4を閉じるタイミングを十分に選べ、原子炉建屋内の内圧が十分に低下した時点で操作装置(図示せず)の遠隔操作等によって開閉扉4を閉じることができる。
その他、本実施例2においても、実施例1と共通の部材は、実施例1と共通の作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0026】
図6は、本発明の実施例3に係るブローアウトパネル閉止装置1Bの駆動源6の構成を示す斜視図である。本実施例3が実施例1と異なるのは、駆動源6としてモータ11ではなく、ばね31を使用している点である。ばね31としては、例えば、ねじりコイルばねを用いることができる。図6の例では、ばね31の一端部を駆動源6の筐体(図6で図示せず)の内部で筐体に固定し、他の一端部を支持軸5の端部に固定する。本実施例3においては、前記のラチェット機構12は設けられていない。
【0027】
本実施例3の作用効果について説明する。
本実施例3では、平常時、開閉扉4は留め板13によって閉じられている。そして、原子炉建屋の内圧が所定程度以上に大きくなったときに、開閉扉4は、留め板13が屈曲したりして開く。これによって開閉扉4はブローアウトパネルとして機能する。このとき、ばね31がねじられて、ばね31による弾性力が高まる。その後、原子炉建屋の内圧が低下すると、開閉扉4を開かせる力より、ばね31の弾性力による開閉扉4を閉じさせる力の方が高まり、開閉扉4は閉じる。閉じた開閉扉4は、磁石15と磁石16とが吸着し合って、その後、閉状態を維持することができる。
【0028】
本実施例3では、開閉扉4を閉じる駆動源6としてばね31を用いる。そのため、駆動源6としてモータ、コンプレッサ等を使用する場合のように、配線の施設、駆動回路や制御装置の設置、電源の確保等が不要であるため、製造コストを低減することができる。また、電源が消失したときでも、開閉扉4を閉じることができる。
【0029】
また、留め板13、磁石15,16を設けなくても、開閉扉4がブローアウトパネルとして開くまで、ばね31の弾性力で開閉扉4の閉じた状態を維持し、開閉扉4の開放後に開閉扉4が閉じた後も31の弾性力で開閉扉4の閉じた状態を維持することも可能となる。そのため、第1留め具、第2留め具をばね31で兼用することができ、留め板13、磁石15,16の設置を不要とすることで部品点数の削減による製造コストの低減を図ることも可能となる。
その他、本実施例3においても、実施例1と共通の部材は、実施例1と共通の作用効果を奏することができる。
【実施例4】
【0030】
図7は、本発明の実施例4に係るブローアウトパネル閉止装置1Cの正面図である。本実施例4が実施例1と異なるのは、留め板13が設けられていないことである。留め板13が設けられなくても、磁石15,16の磁力によって、開閉扉4がブローアウトパネルとして開くまで開閉扉4の閉じた状態を維持し、開閉扉4が閉じた後も開閉扉4の閉じた状態を維持することも可能となる。本実施例4は、駆動源6が実施例3のようなばねではなく、実施例1,2のようなモータやコンプレッサであるときに有益である。
【0031】
本実施例4によれば、留め板13を設けなくても、磁石15,16が第1留め具及び第2留め具の機能を果たすので、専用の第2留め具は不要であり、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
その他、本実施例4においても、実施例1と共通の部材は、実施例1と共通の作用効果を奏することができる。
【0032】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1,1A,1B,1C ブローアウトパネル閉止装置
4 開閉扉
5 支持軸
6 駆動源
11 モータ
12 ラチェット機構
12a2,12b2 歯車
13 留め板(第1留め具)
15 磁石(第1留め具、第2留め具)
16 磁石(第1留め具、第2留め具)
21 コンプレッサ
31 ばね(第1留め具、第2留め具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7