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特許7178345異なるフィルムの組み合わせから作製された水溶性単位用量物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】異なるフィルムの組み合わせから作製された水溶性単位用量物品
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/46 20060101AFI20221117BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20221117BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20221117BHJP
【FI】
B65D65/46
C11D17/04
A23L5/00 G
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019516928
(86)(22)【出願日】2017-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017036994
(87)【国際公開番号】W WO2017218402
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】62/349,646
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】サウター フィリップ フランク
(72)【発明者】
【氏名】ケーレールス ロビー レニルデ フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラベック レジーヌ
(72)【発明者】
【氏名】クルシェ フロランス カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】レンマンス マルク レネ ベルト
(72)【発明者】
【氏名】リー デイヴィッド エム
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ スティーヴン ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヤング リー ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ニイ シンスケ
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/061025(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/134657(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0102278(US,A1)
【文献】国際公開第2016/043009(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/46
C11D 17/04
A23L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの封止区画を含む水溶性単位用量物品であって、前記水溶性単位用量物品が、
第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムと、
第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムと、を含み、
前記第1の水溶性フィルムが前記第2の水溶性フィルムと化学的に異なり、
前記第1の水溶性フィルムが、前記第2の水溶性フィルムに封止されて、前記少なくとも1つの封止区画を形成し、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、8cP~40cP、または12cP~30cP、または14cP~25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、4cP~35cP、または10cP~20cP、または10cP~15cP、または12cP~14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、2cP~20cP、または3cP~15cP、または4cP~12cPであり、
但し、前記封止区画が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含み、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むブレンドを含むことを条件とし、
但し、前記封止区画が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含み、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、水溶性単位用量物品。
【請求項2】
第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムの、水溶性単位用量物品を製造するための使用であって封止領域における封止強度を改善するために、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムを、前記封止領域に沿って一緒に封止することを含み、
前記第1の水溶性フィルムが前記第2の水溶性フィルムと化学的に異なり、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、8cP~40cP、または12cP~30cP、または14cP~25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、4cP~35cP、または10cP~20cP、または10cP~15cP、または12cP~14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、2cP~20cP、または3cP~15cP、または4cP~12cPであ、使用。
【請求項3】
前記水溶性単位用量物品が、前記物品中に含まれる組成物を含み、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むブレンドを含むことを条件とし、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、
請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記第1の水溶性フィルムが熱成形されている、または
前記第2の水溶性フィルムが熱成形されていない、または
前記第1の水溶性フィルムが熱成形されており、かつ前記第2の水溶性フィルムが熱成形されていない、請求項1~3のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項5】
前記第1の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂が、または前記第1の水溶性樹脂および前記第2の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含、請求項1~のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項6】
前記ポリビニルアルコールコポリマーがアニオン性モノマー単位を含む、請求項5に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項7】
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、または
前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、または
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含み、かつ前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、請求項5または6に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項8】
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の1%~70重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーと、前記第1の水溶性樹脂の30%~99重量%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーと、を含む、および/または
前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の1重量%~70重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーと、前記第2の水溶性樹脂の30重量%~99重量%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーと、を含む、請求項5または6に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項9】
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の10重量%~70重量%、または15重量%~65重量%、または20重量%~50重量%、または30重量%~40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、または
前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の10重量%~70重量%、または15重量%~65重量%、または20重量%~50重量%、または30重量%~40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、または
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の10重量%~70重量%、または15重量%~65重量%、または20重量%~50重量%、または30重量%~40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含み、かつ前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の10重量%~70重量%、または15重量%~65重量%、または20重量%~50重量%、または30重量%~40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、請求項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項10】
前記アニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、アクリル酸アルキル、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマーからなる群から選択され、請求項5~9のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項11】
前記ポリビニルアルコールコポリマー(複数可)が、独立して、存在する総ポリビニルアルコールコポリマーに対して、2モル%~8モル%、または3モル%~5モル%、または1モル%~4モル%の前記アニオン性モノマー単位を含む、請求項10に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項12】
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、それぞれ独立して、前記フィルムの30重量%~90重量%、または40重量%~80重量%、または50重量%~75重量%、または60重量%~70重量%の前記水溶性樹脂を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項13】
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、それぞれ独立して、300秒以下、または240秒以下、または180秒以下の、MonoSol試験方法MSTM-205による、76ミクロンの厚さを有するフィルムに関して、20℃の温度の水中で、前記水溶性単位用量物品への組み込み前の溶解時間を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項14】
前記水溶性単位用量物品が、6.2未満、または6未満、または5.8未満の、本明細書に記載のパウチ溶解試験方法による平均対数(残留領域)を有する、請求項13に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項15】
前記第1の水溶性フィルムと前記第2の水溶性フィルムとの間の厚さの差が、50%未満、または30%未満、または20%未満、または10%未満であ、請求項1~14のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項16】
前記第1の水溶性フィルムの前記厚さが、前記第2の水溶性フィルムの前記厚さと同じである、請求項15に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項17】
前記水溶性単位用量物品が、パウチであり、350N~2000N、または400N~1000N、または450N~850N、または500N~750Nの範囲の、本明細書に記載のパウチ強度試験によるパウチ強度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項18】
前記水溶性単位用量物品が、本明細書に記載の封止不良試験による0個の封止不良を有する、請求項17に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項19】
前記第1および/または第2の水溶性フィルムが、可塑剤、界面活性剤および嫌悪剤からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含み、前記可塑剤が、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびソルビトールの1種又は2種以上であってもよく、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、四級化ポリオキシエチレン化アミン、アミンオキシド、N-アルキルベタインおよびスルホベタインの1種又は2種以上であってもよい、請求項1~18のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項20】
前記水溶性単位用量物品が、少なくとも2つの封止区画、または少なくとも3つの封止区画を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項21】
前記単位用量物品が、上部フィルム、中間フィルム、および下部フィルムを含み、前記上部フィルムおよび下部フィルムが、前記第1の水溶性フィルムを含み、前記中間フィルムが、前記第2の水溶性フィルムを含む、請求項20に記載の水溶性単位用量物品または使用。
【請求項22】
単位用量物品を使用するためのプロセスであって、
a.請求項1または4~21のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品を得ることと
b.前記水溶性単位用量物品を水と接触させて、前記フィルムのうちの少なくとも1つを溶解させ、それにより前記物品に含まれる前記組成物を放出させることと、を含む、プロセス。
【請求項23】
前記物品が、非家庭用ケア組成物を含有し、前記非家庭用ケア組成物が、農業用組成物、航空用組成物、食品および栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医学用組成物、獣医学用組成物、軍用および準軍用組成物、事務用組成物、ならびにレクリエーション用および公園用組成物、ペット用組成物、および水処理用組成物から選択され、請求項1~22のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品、使用、またはプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に基づく2016年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/349,646号の利益がこれによって主張され、その開示がこれによって参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、化学的に異なる水溶性フィルムの組み合わせから作製され、任意に、少なくとも1つの区画内の水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入されている、組成物、例えば家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含む水溶性単位用量物品に関する。
【背景技術】
【0003】
水溶性ポリマーフィルムは、送達される材料の分散、注入、溶解、および投入を単純化するパッケージング材料として一般的に使用される。例えば、水溶性フィルムから作製された水溶性単位用量物品は、一般的に、家庭用ケア組成物、例えば洗濯用洗剤または皿洗い用洗剤を含有するパウチ、および非家庭用ケア組成物、例えば水処理活性剤を含有するパウチをパッケージングするために使用される。使用者(例えば、消費者)は、バケツ、シンク、もしくは洗濯機などの混合容器、またはトイレの水タンク、またはプールに水溶性単位用量物品、例えばパウチを直接添加することができる。有利に、これは、正確な投入を提供すると同時に、消費者がその組成物を計量する必要性を排除する。水溶性単位用量物品はまた、ボトルから液状洗濯洗剤を注ぐことなどの、容器から類似の組成物を分注すること、またはバケツから水処理粒剤もしくはペレットを分注することに関連し得る、散乱を軽減し得る。水溶性単位用量物品はまた、その組成物が使用者の手と接触することから保護する。要約すると、予め測定された薬剤を含有する水溶性単位用量物品は、様々な用途における使用の利便性を提供する。
【0004】
水溶性単位用量物品を作製するために使用されるいくつかの水溶性ポリマーフィルムは、例えば洗濯サイクル中に不完全に溶解し、洗浄中の物品にフィルム残留物を残すであろう。このような問題は、水溶性単位用量物品が、水溶性単位用量物品が冷水(例えば、5℃と低温および/または最高で10℃または15℃の水)中で、短い水との接触時間、例えば、短縮洗浄サイクルで、および/または低濃度のフィルム溶解に利用可能な水で、例えば少量の水での洗浄サイクル(例えば、5mL~300mLの内容物を含有するようにサイズ調整されたパウチに対して、例えば約3L~約20Lの洗浄液)で使用される場合など、応力洗浄条件下で使用される場合に特に生じ得る。とりわけ、環境に対する懸念およびエネルギーコストは、洗濯用途においては、より低温の洗浄水およびより短縮した洗浄サイクルを利用するための消費者の欲求を駆り立てる。
【0005】
加えて、水溶性単位用量物品は、包装、輸送、保管、および使用の間に適用され得る力に耐えるために、製造直後および保管時の両方において、適切な強度を有することが望ましい。意図しない破裂および/または漏出を避けるために、洗濯用洗剤または染料濃縮物などの液体組成物を封入するパウチには、適切な強度が特に好まれ得る。
【0006】
加えて、水溶性単位用量物品は、水溶性単位用量物品からの洗剤またはその他の内容物の早期の漏出を減少させ、それによって容器内の他の水溶性単位用量物品の汚染を減少させるために、適切な封止強度を有することが望ましい。不十分な封止強度はまた、包装、輸送、保管、または使用中に力が適用されたときに、水溶性単位用量物品の早期の破裂を招く可能性もある。
【0007】
良好な水溶性、好適なパウチ強度および封止強度、耐薬品性、フィルムまたはそれから形成された水溶性単位用量物品と接触する洗濯活性剤または他の組成物との化学的および物理的適合性、ならびに/もしくは所望の機械的特性、例えば熱成形および/または好適な封着時の変形性の所望の特性を有する水溶性フィルムおよびパウチなどの水溶性単位用量物品に対する必要性が依然として存在する。本開示による水溶性単位用量物品は、最適な水溶性、封止強度、およびパウチ強度を呈することが見出されている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、少なくとも1つの封止区画を含み、任意に少なくとも1つの家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含む水溶性単位用量物品に関し、水溶性単位用量物品が、第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムとを含み、第1のフィルムが、第2のフィルムに封止されて少なくとも1つの封止区画を形成し、第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または約14cP~約25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約12cP~約14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、第1の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度が、第2の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度よりも大きく、かつ第1の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度と第2の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12cPである。
【0009】
本開示はまた、このようなパウチを作製および使用する方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の図は本質的に例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【0011】
図1】単位用量物品強度試験と封止不良試験の基本構成を模式的に示す。
図2】パウチの側断面図を示す。
図3】多区画パウチを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
本明細書で使用する冠詞「a」および「an」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許請求または記載されるものの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み得るか、本質的にそれからなるか、またはそれらからなることができる。
【0013】
本明細書では、「実質的に含まない」という用語が使用され得る。これは、示された材料が組成物に少なくとも意図的に添加されず、その一部を形成しないこと、または好ましくは分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。示された材料が意図的に含まれる他の材料の1つに不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。示された材料は、存在するとしても、組成物の1重量%未満、または0.1重量%未満、または0.01重量%未満、またはさらに0重量%のレベルで存在し得る。
【0014】
本開示の水溶性単位用量物品は、パッケージ自体の実施形態、および組成物、例えば家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含み得るパッケージを含む。組成物は、液体、固体、またはこれらの組み合わせから選択することができる。本明細書で使用される場合、「液体」は、自由流動性の液体、ならびにペースト、ゲル、発泡体、およびムースを含む。液体の非限定的な例としては、軽質および重質液体洗剤組成物、布地向上剤、洗濯に一般的に使用される洗剤ゲル、漂白および洗濯添加剤が挙げられる。気体、例えば、懸濁気泡、または固体、例えば、粒子を液体内に含めることができる。本明細書で使用する「固体」としては、粉末、凝集物、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。固体の非限定的な例としては、顆粒、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、および真珠光沢のボールが挙げられる。固体組成物は、スルーザウォッシュ利益、前処理利益、および/または美的効果が挙げられるが、これらに限定されない、技術的利益を提供し得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」という用語は、一般に、単一タイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、単一のモノマー反復単位からなる、または本質的になるポリマー鎖)を含む。ポリビニルアルコール(PVOH)の特定の場合について、「ホモポリマー」(または「PVOHホモポリマー」もしくは「PVOHポリマー」)という用語は、加水分解度に応じた、ビニルアルコールモノマー単位および酢酸ビニルモノマー単位の分布を有するコポリマー(例えば、ビニルアルコールおよび酢酸ビニルモノマー単位からなるか、または本質的になるポリマー鎖)をさらに含む。100%加水分解の限定的な場合において、PVOHホモポリマーは、ビニルアルコール単位のみを有する真のホモポリマーを含むことができる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「コポリマー」という用語は、一般に、2つ以上のタイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマー反復単位、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、等からなる、または本質的になるポリマー鎖)を含む。PVOHの特定の場合について、「コポリマー」(または「PVOHコポリマー」)という用語は、加水分解度に応じた、ビニルアルコールモノマー単位および酢酸ビニルモノマー単位、ならびに少なくとも1つの他のタイプのモノマー反復単位の分布を有するコポリマー(例えば、ビニルアルコールモノマー単位、酢酸ビニルモノマー単位、および1つ以上の他のモノマー単位、例えば、アニオン性モノマー単位からなるか、または本質的になるター(もしくは高次)ポリマー鎖)をさらに含む。100%加水分解の限定的な場合において、PVOHコポリマーは、ビニルアルコール単位および1つ以上の他のモノマー単位を有するが酢酸ビニル単位を有しないコポリマーを含むことができる。
【0017】
特に記載のない限り、すべての成分または組成物のレベルは、その成分または組成物の活性部分に関し、不純物、例えば、このような成分または組成物の市販の供給源中に存在し得る、残留溶媒または副産物を含まない。
【0018】
特に指示のない限り、すべての温度は摂氏(℃)で表される。別途記載のない限り、本明細書中のすべての測定は、20℃、大気圧下、および50%相対湿度で行う。
【0019】
本開示において、すべてのパーセンテージは、特に明記しない限り、全組成物の重量によるものである。特に明記しない限り、すべての比は重量比である。
【0020】
この明細書全体を通して与えられるすべての最大数値限界は、すべてのより低い数値限界を、このようなより低い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことを理解されたい。この明細書全体を通して与えられるすべての最小数値限界は、すべてのより高い数値限界を、このようなより高い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。この明細書全体を通して与えられるすべての数値範囲は、このようなより広い数値範囲内に含まれるすべてのより狭い数値範囲を、このようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0021】
本明細書に記載されるすべての範囲は、すべての可能なサブセットの範囲およびこのようなサブセットの範囲の任意の組み合わせを含む。既定では、範囲は、別に記載されない限り、記載される終了点を含む。値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限との間の各々の間の値、およびその記載される範囲内の任意の他の記載される値または間にある値は、本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は独立して、そのより小さな範囲内に含まれ得、また、記載される範囲内の任意の具体的に除外される限界値に従って、本開示内に包含される。記載される範囲がこれらの限界値のうちの1つまたは両方を含む場合、これらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除く範囲も、本開示の一部であることが企図される。
【0022】
例えば、記載される目的物のパラメータまたは記載される目的物に関連付けられた範囲の一部として、本明細書に記載される任意の数値の場合、説明の一部を形成する代替物は、特定の数値を取り囲む機能的に同等の範囲であることが明白に企図される(例えば、「40mm」として開示された寸法について、企図される別の実施形態は「約40mm」である)。
【0023】
水溶性単位用量物品
本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって囲まれた少なくとも1つの内部区画を含むように成形された第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムとを含む。水溶性フィルムは、内部区画を画定するように互いに封止され、完成した充填物品において、保管中に洗剤または他の組成物が区画から漏れないように、フィルムは互いに封止される。しかしながら、水溶性単位用量物品を水に加えた場合(またはその逆の場合)、水溶性フィルムは溶解し、内部区画の内容物を、例えば水または洗浄液中に放出する。水溶性単位用量物品は、パウチであってもよい。
【0024】
2つのフィルムが会合して一緒に封止される領域は封止領域と称される。しばしば、封止領域は、第2の水溶性フィルムの領域に封止された第1の水溶性フィルムの領域を含み、一般に単位用量物品の本体から突出している「スカート」または「フランジ」を含む。単位用量物品を作製する好ましい方法は、以下により詳細に記載される。
【0025】
区画は、単位用量物品内の閉じた内部空間を意味するものと理解されるべきであり、これは、洗剤または他の組成物を保持することができる。製造中、本発明による第1の水溶性フィルムは、洗剤または他の組成物が添加される開放区画を含むように成形されてもよい。次いで、本発明による第2の水溶性フィルムは、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムの上に置かれる。次いで、第1および第2のフィルムは、封止領域に沿って共に封止される。
【0026】
単位用量物品は、2つ以上の区画、さらに少なくとも2つの区画、またはさらには少なくとも3つの区画を含んでもよい。区画は、重ね合わされた配向、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置されてもよい。そのような配向では、単位用量物品は、上部、中間、および下部の3つのフィルムを含むことになる。好ましくは、中間フィルムは、本発明による第2の水溶性フィルムに対応し、上部および下部フィルムは本発明による第1の水溶性フィルムに対応することになる。あるいは、区画は、横並びの配向、すなわち、一方が他方の隣に配向されてもよい。区画は、「タイヤとリム」の配置であってもよく、すなわち、第1の区画は第2の区画の隣に位置付けられるが、第1の区画は第2の区画を少なくとも部分的に囲むが第2の区画を完全に囲まない。あるいは、一方の区画が別の区画内に完全に封入されてもよい。このような多区画配向では、本発明による第1の水溶性フィルムは、洗剤または他の組成物が添加される開放区画を含むように成形されてもよい。次いで、本発明による第2の水溶性フィルムは、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムの上に置かれる。
【0027】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、区画のうちの1つは他の区画よりも小さくてもよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を備え、区画のうちの2つが第3の区画より小さくてもよく、好ましくはより小さな区画がより大きな区画に重ね合わされる。重なり合った区画は、好ましくは並置されている。
【0028】
多区画の配向では、組成物(例えば、非家庭用ケア組成物)が区画のうちの少なくとも1つに含まれていてもよい。これは、例えば、ただ1つの区画に含まれてもよく、または2つの区画に、またはさらには3つの区画に含まれてもよい。例えば、多区画の配向では、本発明による洗剤組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれていてもよい。あるいは、例えば、洗剤がただ1つの区画に含まれてもよく、または2つの区画に、またはさらには3つの区画に含まれてもよい。
【0029】
各区画は、同じまたは異なる組成物を含むことができる。異なる組成物は、すべて同じ形態であってもよく、または異なる形態であってもよい。
【0030】
水溶性単位用量物品は、液体組成物が区画のうちの少なくとも1つに含まれている、少なくとも2つの内部区画を含んでもよく、好ましくは単位投与量物品は、液体組成物が区画のうちの少なくとも1つに含まれている、少なくとも3つの区画を含む。例えば、水溶性単位用量物品は、液体洗濯洗剤組成物が区画のうちの少なくとも1つに含まれている、少なくとも2つの内部区画を含んでもよく、好ましくは単位投与量物品は、洗剤組成物が区画のうちの少なくとも1つに含まれている、少なくとも3つの区画を含む。
【0031】
第1および第2の水溶性フィルム
水溶性単位用量物品は、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムを含み、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは互いに化学的に異なる。
【0032】
疑念を避けるために、本明細書の文脈では、「化学的に異なる」とは、「バージンフィルム」、すなわち、供給業者/製造業者から受け取られ、単位用量物品製造ユニットに巻き戻される前のフィルムであって、第1のフィルム組成物を第2のフィルム組成物から区別し、本明細書に記載の試験方法(複数可)による水分容量、伸び弾性率、および破断点引張強さなどのフィルムの物理的特性の少なくとも1つに影響を与え、この少なくとも1つの物理的フィルム特性を第1のフィルムと第2のフィルムとで異なるものにする、フィルム組成物のうちの少なくとも1つに存在する少なくとも1つの物質を有するフィルムを意味する。自然な製造プロセスに起因するフィルムの化学組成の変化、すなわちバッチ間の変動は、それ自体、本発明の範囲内の化学的に異なるフィルムとはみなされない。
【0033】
化学的に区別する物質の非限定的な例には、異なるポリマー標的樹脂および/または含有量、異なる可塑剤組成および/または含有量、もしくは異なる界面活性剤および/または含有量の使用が挙げられる。フィルムの厚さのみが異なるフィルムなどの、物理的性質のみが異なるが同じ物質含有量を有するフィルムを含む水溶性単位用量物品は、本発明の範囲外であるとみなされる。コーティング層の存在対不在によってのみ区別されるフィルムから作製された単位用量物品もまた、本発明の範囲外であるとみなされる。
【0034】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形される。「熱成形」とは、例えば、赤外線ランプの下にフィルムを通過させることによって、変形の前にフィルムを加熱することを意味し、変形工程は、好ましくは、水溶性フィルムを空洞の上に置き、フィルムの下の空洞の内側で真空または減圧を適用することによって有効にされる。第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形され得る。あるいは、第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形されなくてもよい。好ましくは、第1の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形され、第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形されない。
【0035】
第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムはそれぞれ、独立して、40ミクロン~100ミクロン、好ましくは60ミクロン~90ミクロン、より好ましくは70ミクロン~80ミクロンの、単位用量物品に組み込む前の厚さを有することができる。
【0036】
好ましくは、第1の水溶性フィルムと第2の水溶性フィルムとの間の、単位用量物品に組み込む前の厚さの差は、50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、さらにより好ましくは10%であるか、または厚さが等しくてもよい。
【0037】
本発明による第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、好ましくは単一層フィルムであり、より好ましくは溶液流延によって製造される。
【0038】
水溶性フィルムは、カールフィッシャー滴定によって測定される、少なくとも4重量%、例えば約4~約10重量%の範囲の残留含水率をさらに有することができる。
【0039】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは第1の水溶性樹脂を含み、第2の水溶性フィルムは第2の水溶性樹脂を含む。好ましくは、第1の水溶性樹脂は、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、第2の水溶性樹脂は、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそのブレンドを含む。
【0040】
好ましくは、第1の水溶性フィルムの少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドと第2の水溶性フィルムの少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドとは、独立して、約4cP~約40cPの、好ましくは10cP~30cPの、より好ましくは11cP~26cPの範囲の、25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有する。より好ましくは、第1の水溶性樹脂は、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または14cP~26cPの範囲の、25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有する少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、第2の水溶性樹脂は、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約11cP~約14cPの範囲の、25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有する少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含む。
【0041】
好ましくは、第1の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度は、第2の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度よりも大きい。より好ましくは、第1の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度と第2の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差は、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12cPである。
【0042】
「差」とは、本明細書では、第1の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度の値と、第2の水溶性樹脂の少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度の値との差を意味する。
【0043】
第1の水溶性樹脂および第2の水溶性樹脂が、それぞれポリビニルアルコールホモポリマーとアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む場合、第1の水溶性樹脂のアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーは、第1の粘度(μc1)を有していてもよく、第2の水溶性樹脂のアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーは、第2の粘度(μc2)を有していてもよく、第1の水溶性樹脂のポリビニルアルコールホモポリマーは、第1の粘度(μh1)を有していてもよく、第2の水溶性樹脂のポリビニルアルコールホモポリマーは、第2の粘度(μh2)を有していてもよく、第1の水溶性樹脂は、ブレンド粘度(μブレンド1)を有していてもよく、第2の水溶性樹脂は、ブレンド粘度(μブレンド2)を有してもよい。ブレンド粘度は重量平均であり、下記の通りに算出することができる:ブレンド粘度=e^(w1(μc1中)+w2(μh1中))、式中、eはオイラー数であり、wはそれぞれの水溶性樹脂の総重量に基づく重量%である。また、粘度差は、多くの方法で算出することができる:
(i)μh2=μh1である場合、|μc1-μc2|>0、
(ii)μc2=μc1である場合、|μh1-μh2|>0、または
(iii)|μブレンド1-μブレンド2|>0。
【0044】
第1の水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含んでいてもよく、ブレンドは、任意に、0%~70重量%のアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーの第1の水溶性樹脂と、30%~約100重量%のポリビニルアルコールホモポリマーの第1の水溶性樹脂とを含む。ブレンドは、第1の水溶性樹脂の総重量に基づいて、10%~70%、または15%~約65%、または20%~50%、または30%~40%の、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーを含むことができる。別のタイプの実施形態では、ブレンドは65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、または65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0045】
第2の水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含んでいてもよく、ブレンドは、任意に、フィルム中の第2の水溶性樹脂の総重量に基づいて、0%~70重量%のアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーと、30%~100%のポリビニルアルコールホモポリマーとを含む。ブレンドは、フィルム中の第2の水溶性樹脂の総重量に基づいて、10%~70%、または15%~65%、または20%~50%、または30%~40%の、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーを含むことができる。別のタイプの実施形態では、ブレンドは65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、または65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0046】
第1の樹脂のポリビニルアルコールコポリマー中に存在する、第2の樹脂のポリビニルアルコールコポリマー中に存在する、またはその混合物中に存在するアニオン性モノマー単位は、独立して、ビニル酢酸、アクリル酸アルキル、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマーからなる群から選択することができる。
【0047】
好ましくは、アニオン性モノマー単位は、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびこれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマーからなる群から選択される。
【0048】
より好ましくは、アニオン性モノマー単位は、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびこれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマーからなる群から選択される。
【0049】
好ましくは、第1および第2のポリビニルアルコールコポリマーは、独立して、存在する全ポリビニルアルコールコポリマーに対して、2モル%~8モル%、より好ましくは3モル%~5モル%、最も好ましくは1モル%~4モル%のアニオン性モノマー単位を含む。
【0050】
好ましくは、第1のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第2のポリビニルアルコールホモポリマーと第1のポリビニルアルコールコポリマーおよび第2のポリビニルアルコールコポリマーとは、独立して、80%~99%、好ましくは85%~95%、より好ましくは87%~93%の加水分解度を有する。
【0051】
好ましくは、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、独立して、フィルムの重量の30%~90%、より好ましくは40%~80%、さらにより好ましくは50%~75%、最も好ましくは60%~70%の水溶性樹脂含有量を有する。
【0052】
第1のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第2のポリビニルアルコールホモポリマーと第1のポリビニルアルコールコポリマーおよび第2のポリビニルアルコールコポリマーとに加えて使用するための他の水溶性ポリマーとしては、PVOHホモポリマーと称されることもあるビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、限定されるものではないが、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、およびデンプンが挙げられる水溶性天然ポリマー、限定されるものではないが、加工デンプン、エトキシル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプンおよびヒドロキシプロピル化デンプンが挙げられる水溶性ポリマー誘導体、前述のコポリマー、ならびに前述のいずれかの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。さらに他の水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびそれらの塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸およびそれらの塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ならびに前述のうちの任意の組み合わせを挙げることができる。このような水溶性ポリマーは、PVOHか否かにかかわらず、様々な供給業者から市販されている。
【0053】
第1の水溶性フィルムは第1の水容量を有し、第2の水溶性フィルムは第2の水容量を有し、第1の水容量は第2の水容量よりも小さい。
【0054】
第1の水溶性フィルムと第2の水溶性フィルムとの間の水容量の差は、0.01%~1%、好ましくは0.03%~0.5%、最も好ましくは0.05%~0.3%である。第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムについては、以下でより詳細に説明する。「差」とは、本明細書では、第1の水容量の値と第2の水容量の値との差を意味する。「水容量」とは、本明細書では、試験されるフィルムの質量増加として測定される、特定の相対湿度および温度で一定期間にわたって水を吸収するフィルムの能力を意味する。水容量を測定するための方法は、以下でより詳細に説明される。
【0055】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、1%~10%、より好ましくは2%~8%、最も好ましくは3%~6%の水容量を有する。
【0056】
好ましくは、第2の水溶性フィルムは、1.5%~12%、より好ましくは2.5%~10%、最も好ましくは3.5%~8%の水容量を有する。
【0057】
第1の水溶性フィルムは、300%~1600%、好ましくは400%~1200%、より好ましくは600%~1200%の第1の破断点引張歪みを有することができる。破断点引張歪みを測定する方法は、以下でより詳細に説明される。
【0058】
第2の水溶性フィルムは、300%~1200%、好ましくは500%~1000%、より好ましくは500%~1000%の第2の破断点引張歪みを有することができる。破断点引張歪みとは、本明細書では、フィルムが含有するであろう組成物、例えば洗剤組成物で予め平衡化されたそのフィルムの、フィルムを含む単位用量物品中の該フィルムおよび洗剤または他の組成物を接触させて、応力が適用されているときに破断する前に伸張する能力を意味する。破断点引張歪みを測定する方法は、以下でより詳細に説明される。
【0059】
第1の破断点引張歪みと第2の破断点引張歪みとの間の差は、10%~1000%、好ましくは100%~750%、より好ましくは200%~500%であってもよい。「破断点引張歪みの差」とは、本明細書において、第1の破断点引張歪みの値と第2の破断点引張歪みの値との差を意味する。
【0060】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは第1の伸び弾性率を有し、第2の水溶性フィルムは第2の伸び弾性率を有し、第1の伸び弾性率は第2の伸び弾性率よりも大きく、第1の伸び弾性率と第2伸び弾性率との間の差は、0.5MPa~10MPa、好ましくは1MPa~8MPa、より好ましくは2MPa~7MPaである。
【0061】
「差」とは、本明細書では、第1の伸び弾性率の値と第2の伸び弾性率の値との差を意味する。「伸び弾性率」とは、本明細書では、応力が加えられたときにフィルムが伸びる能力を意味する。伸び弾性率の測定方法については、以下でより詳細に説明される。
【0062】
好ましくは、第1の伸び弾性率は1MPa~20MPa、より好ましくは3MPa~20MPaである。
【0063】
好ましくは、第2の伸び弾性率は1MPa~15MPa、より好ましくは3MPa~15MPaである。
【0064】
好ましくは、水溶性単位用量物品は、6.2未満、好ましくは6未満、より好ましくは5.8未満の、以下の記載される単位用量物品用量物品機械洗浄溶出試験方法に従って、溶解プロファイルを呈する。
【0065】
第1および第2のフィルムは、独立して、不透明、透明または半透明であってもよい。第1および第2のフィルムは、独立して印刷された領域を含むことができる。印刷された領域は、フィルムの表面の10~80%を覆ってもよく、または区画の内部空間と接触したフィルムの表面の10~80%を覆ってもよく、またはフィルムの表面の10~80%と区画の表面の10~80%とを覆ってもよい。
【0066】
印刷領域は、フィルムの中断されていない部分を覆っていてもよく、またはその一部を覆っていてもよく、すなわち、より小さい印刷領域を含み、その合計は、フィルムの表面または区画の内部空間と接触したフィルムの表面もしくはその両方の10~80%を表す。
【0067】
印刷領域は、インク、顔料、染料、青色剤、またはこれらの混合物を含むことができる。印刷領域は、不透明、半透明または透明であってもよい。
【0068】
印刷領域は、単一色を含んでもよく、または複数色、さらには3色を含んでもよい。印刷領域は、白色、黒色、青色、赤色、またはそれらの混合物を含んでもよい。印刷は、フィルムの表面上の層として存在してもよく、フィルムに少なくとも部分的に浸透してもよい。フィルムは、第1の面および第2の面を含むであろう。印刷領域は、フィルムの片面に存在してもよく、またはフィルムの両面に存在してもよい。あるいは、印刷領域は、フィルム自体の内部に少なくとも部分的に含まれていてもよい。
【0069】
印刷領域は、フレキソ印刷またはインクジェット印刷のような、標準的な技術を使用して達成することができる。好ましくは、印刷領域は、フィルムが印刷された後、開いた区画の形状に成形されるフレキソ印刷によって達成される。次いで、この区画は、洗剤または他の組成物で満たされ、第2のフィルムは、区画の上に配置され、第1のフィルムに封止される。印刷の領域は、フィルムの片面または両面上にあり得る。
【0070】
あるいは、フィルムの全部または少なくとも一部が着色されるように、フィルムの製造中にインクまたは顔料を添加してもよい。
【0071】
第1および第2のフィルムは、独立して、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニン、安息香酸デナトニウム、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適なレベルの嫌悪剤をフィルムに使用することができる。好適なレベルとしては、1~5000ppm、またはさらには100~2500ppm、またはさらには250~2000ppmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
第1および/または第2のフィルムはまた、限定されるものではないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、粘着防止剤、抗酸化剤、粘着性除去剤、消泡剤、層状シリケート型ナノクレイ(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)などのナノ粒子、漂白剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、等)、苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウムサッカライド、および塩化デナトニウムなどのデナトニウム塩、オクタアセチルスクロース、キニーネ、ケルセチンおよびナリンゲンなどのフラボノイド、ならびにクアシンおよびブルシンなどのクアシノイド)、ならびに辛味(例えば、カプサイシン、ピペリン、イソチオシアン酸アリル、およびレシンフェラトキシン)などの嫌悪剤、ならびに他の機能的成分のような、通常当業者に既知である他の二次的成分を、これらの意図される目的に適した量で含有し得る。可塑剤を含む実施形態が好ましい。このような薬剤の量は、個別または集合的に、最大約50重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、および/または少なくとも0.01重量%、0.1重量%、1重量%、もしくは5重量%であり得る。
【0073】
可塑剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、最大400MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミン、およびこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロプレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、またはこれらの組み合わせである。可塑剤の総量は、全フィルム重量に基づき、約10重量%~約45重量%、または15重量%~約35重量%、または約20重量%~約30重量%、または約20重量%~約45重量%の範囲、例えば、約25重量%であり得る。実施形態では、水溶性フィルム中の可塑剤の量は、水溶性フィルム中の全水溶性ポリマー(PHR)100部当たりの部数で表され、例えば、少なくとも30PHR、または少なくとも35PHRで存在する。可塑剤の総量は、例えば、最高で40PHRまたは45PHRまたは50PHRであり得る。可塑剤の総量は、例えば、30~50PHR、約32.5PH~約42.5PHR、または35~45PHR、または35~40PHRの範囲内、または30PHR超および45PHR未満、または40PHR~50PHRであり得る。可塑剤の総量は、34または37.5PHRであり得る。
【0074】
水溶性フィルムに使用するための界面活性剤は当該技術分野において周知である。任意に、界面活性剤は、流延時の樹脂溶液の分散を助けるために含まれる。好適な界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、および双性イオン性の部類を挙げることができる。好適な界面活性剤としては、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、およびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、および四級化ポリオキシエチレン化アミン(カチオン性)、ならびにアミンオキシド、N-アルキルベタイン、およびスルホベタイン(双性イオン性)が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な界面活性剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロールおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチルエステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセロールおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコールおよびアルカノールアミド、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩および四級化ポリオキシエチレン化アミン、ならびにアミンオキシド、N-アルキルベタイン、スルホベタイン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0075】
様々な実施形態では、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、約0.1重量%~約8.0重量%、または約1.0重量%~約7.0重量%、または約3重量%~約7重量%、または約5重量%~約7重量%の範囲である。実施形態では、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、水溶性フィルム中の全水溶性ポリマー(phr)100部当たりの部数で表され、約0.5phr~約12phr、約1.0phr~約11.0phr、約3.0phr~約10.5phr、または約1.0phr~約2.0phrの範囲で存在する。
【0076】
好適な潤滑剤/離型剤としては、脂肪酸およびその塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート、ならびに脂肪アミドを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい潤滑剤/離型剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、および脂肪アミンアセテートである。1つのタイプの実施形態では、水溶性フィルム中の潤滑剤/離型剤の量は、約0.02重量%~約1.5重量%、任意に約0.1重量%~約1重量%の範囲である。
【0077】
好適な充填剤/増量剤/粘着防止剤/粘着性除去剤としては、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶性セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、ステアリン酸およびその金属塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい材料は、デンプン、加工デンプン、およびシリカである。1つのタイプの実施形態では、水溶性フィルム中の充填剤/増量剤/粘着防止剤/粘着性除去剤の量は、例えば、約1重量%~約6重量%、または約1重量%~約4重量%、または約2重量%~約4重量%、または約1phr~約6phr、または約1phr~約4phr、または約2phr~約4phrの範囲であり得る。
【0078】
粘着防止剤(例えばSiO2および/またはステアリン酸))は、本フィルム中に、少なくとも0.1PHR、もしくは少なくとも0.5PHR、もしくは少なくとも1PHR、または約0.1~5.0PHR、もしくは約0.1~約3.0PHR、もしくは約0.4~1.0PHR、もしくは約0.5~約0.9PHR、もしくは約0.5~約2PHR、もしくは約0.5~約1.5PHR、もしくは0.1~1.2PHR、もしくは0.1~4PHRの範囲、例えば0.5PHR、0.6PHR、0.7PHR、0.8PHR、または0.9PHRの量で存在し得る。
【0079】
粘着防止剤がSiO2粒子である場合、粘着防止剤に好適な中央粒径としては、約3、または約4ミクロン~約11ミクロン、もしくは約4~約8ミクロン、もしくは約5~約6ミクロンの範囲、例えば5、6、7、8、または8ミクロンの中央径が挙げられる。好適なSiO2は、水性系で使用するために設計された未処理の合成非結晶質シリカである。
【0080】
洗剤組成物
洗剤組成物は、自由流動性粉末、液体、圧縮固体、ゲルまたはこれらの混合物の形態であり得る。
【0081】
洗剤組成物は、自由流動性粉末の形態であってもよい。このような自由流動性粉末は、100ミクロン~1500ミクロン、好ましくは100ミクロン~1000ミクロン、より好ましくは100ミクロン~750ミクロンの平均粒径を有することができる。当業者であれば、粒径を測定するための標準的技術を承知しているであろう。洗剤組成物は、自由流動性洗濯洗剤組成物であってもよい。
【0082】
洗剤組成物は液体であってもよい。本発明の液体洗剤組成物に関して、用語「液体」は、分散液、ゲル、ペーストなどの形態を包含する。液体組成物はまた、適切に細分された形態のガスを含むことができる。しかしながら、液体組成物は、錠剤または顆粒などの全体的に非液体である形態を除外する。
【0083】
洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物であってもよい。「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、布地を濡らして処理することができる、例えば家庭用洗濯機で洗浄することができる液体を含む任意の洗濯洗剤組成物を指す。
【0084】
洗濯洗剤組成物は、主洗浄プロセス中に使用されるが、前処理組成物または浸漬組成物として使用されてもよい。
【0085】
洗濯洗剤組成物には、布地洗剤、布地柔軟剤、ツーインワン洗剤および軟化剤、前処理組成物などが挙げられる。
【0086】
洗濯洗剤組成物は、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、増白剤、アルコキシル化ポリアミンおよびポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染防止剤、キレート剤、ビルダー、酵素、香料、封入香料、ポリカルボン酸塩、レオロジー変性剤、構造化剤、ヒドロトロープ、顔料および染料、乳白剤、防腐剤、酸化防止剤、加工助剤、カチオンポリマーを含むコンディショニングポリマー、抗菌剤、水酸化物およびアルカノールアミンなどのpHトリミング剤、抑泡剤、ならびにこれらの混合物から選択される成分を含むことができる。
【0087】
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、非イオン性、両性またはこれらの混合物から選択することができる。好ましくは、布地ケア組成物は、アニオン性、非イオン性またはこれらの混合物を含む。
【0088】
アニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシレートサルフェートおよびこれらの組み合わせから選択することができる。
【0089】
本明細書で有用な好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品に典型的に使用される従来のアニオン性界面活性剤タイプのいずれかを含むことができる。これらには、アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ならびにアルコキシル化または非アルコキシル化アルキル硫酸塩材料が挙げられる。
【0090】
非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレート、オキソ合成脂肪アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレートまたはこれらの混合物から選択することができる。本明細書で使用するのに好適な非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤を含む。アルコールアルコキシレートは、一般式:R1(Cm2mO)nOH(式中、R1は、C8~C16アルキル基であり、mは2~4であり、nは約2から12の範囲である)に相当する物質である。一態様では、R1は、約9~15個の炭素原子、または約10~14個の炭素原子を含む、第一級または第二級であり得るアルキル基である。一態様では、アルコキシル化脂肪アルコールはまた、1分子当たり約2~12個のエチレンオキシド部分、または1分子当たり約3~10個のエチレンオキシド部分を平均して含有するエトキシル化物質である。
【0091】
本洗濯洗剤組成物に用いられるシェーディング染料は、ポリマー性または非ポリマー性の染料、顔料、またはこれらの混合物を含み得る。好ましくは、シェーディング染料は、発色団成分およびポリマー成分を含むポリマー染料を含む。発色団成分は、光に暴露されると、青、赤、紫、紫、またはこれらの組み合わせの波長範囲の光を吸収することを特徴とする。一態様では、発色団成分は、水および/またはメタノール中で約520ナノメートル~約640ナノメートルの吸光度スペクトル最大値を示し、別の態様では、水および/またはメタノール中約560ナノメートル~約610ナノメートルの吸光度スペクトル最大値を示す。
【0092】
任意の好適な発色台が使用されてもよいが、染料発色弾は、好ましくは、ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフトールたるイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノン、アゾ、オキサジン、アジン、キサンテン、トリフェノジオキサジン、およびフタロシアニン色素発色団から選択される。モノおよびジアゾ染料発色団が好ましい。
【0093】
染料は、有機合成経路の直接の結果である未精製混合物の形態で洗剤組成物に導入されてもよい。したがって、染料ポリマーに加えて、少量の未反応出発物質、副反応の生成物、および任意の重合工程から生じると予想されるような反復単位の異なる鎖長を含む染料ポリマーの混合物が存在してもよい。
【0094】
洗濯洗剤組成物は、洗浄性能および/または布地ケア利益を提供する1つ以上の洗剤酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、およびアミラーゼ、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼおよび/またはセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のアミラーゼとのカクテルである。
【0095】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、1つ以上の漂白剤を含むことができる。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸およびこれらの混合物が挙げられる。
【0096】
洗剤組成物は増白剤を含んでもよい。好適な増白剤は、増白剤15などのスチルベンである。他の好適な増白剤は、疎水性増白剤および増白剤49である。増白剤は、3~30マイクロメートル、または3マイクロメートル~20マイクロメートル、または3~10マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する微粉化した粒状形態であってもよい。増白剤は、アルファまたはベータ結晶形態であり得る。
【0097】
本明細書の組成物はまた、任意に、1つ以上の銅、鉄および/またはマンガンキレート剤を含有してもよい。キレート剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)およびその塩、N、N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸およびその塩;2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸およびその塩、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0098】
本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾールまたはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
洗濯洗剤組成物は、1つ以上のポリマーを含ンデもよい。好適なポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマー、アミンポリマー、セルロースポリマー、移染防止ポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマー、イミダゾールとエピクロロヒドリンの任意に1:4:1の比での縮合によって生成された縮合オリゴマー、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0100】
他の好適なセルロース系ポリマーは、0.01~0.99の置換度(DS)およびDS+DBが少なくとも1.00であるか、またはDB+2DS-DS2が少なくとも1.20であるようなブロック度(DB)を有することができる。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.55の置換度(DS)を有することができる。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.35のブロック度(DB)を有することができる。置換セルロース系ポリマーは、1.05~2.00のDS+DBを有することができる。好適な置換セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0101】
別の好適なセルロース系ポリマーは、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである。
【0102】
好適な香料としては、香料マイクロカプセル、シッフ塩基香料/ポリマー複合体を含むポリマー支援型香料送達系、デンプン封入香料アコード、香料充填ゼオライト、ブルーミング香料アコード、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒドをベースとし、典型的にはメラミンホルムアルデヒドを含むシェルによって封入された香料を含む。このような香料マイクロカプセルには、ポリビニルホルムアミド(PVF)および/またはカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(catHEC)などのシェル中にカチオンおよび/またはカチオン性前駆物質を含むことが非常に適している場合がある。
【0103】
好適な抑泡剤としては、シリコーンおよび/またはステアリン酸などの脂肪酸が挙げられる。
【0104】
洗濯用洗剤組成物は着色されていてもよい。液体洗濯洗剤組成物の色は、物品のフィルム上の任意の印刷された領域と同じであっても異なっていてもよい。単位用量物品の各区画は、異なる色を有してもよい。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、少なくとも16の平均アルコキシル化度を有する非実質的な染料を含む。
【0105】
他の組成物
単位用量物品内で使用するための組成物は、非洗剤組成物および/または非家庭用ケア組成物であってもよい。布地ケアまたは家庭用ケア組成物としては、布地処理、硬質面、エアーケア、カーケア、食器洗い、布地コンディショニングおよび柔軟化、洗濯洗剤、洗濯時およびすすぎ時添加剤および/またはケア、硬質面洗浄および/または処理、ならびに消費者または業務用のための他の洗浄剤が挙げられる。非家庭用ケア組成物は他の用途に使用される。例えば、非家庭用ケア組成物は、農業用組成物、航空用組成物、食品および栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事および準軍事用組成物、オフィス組成物、ならびにレクリエーション用および公園用組成物、ペット組成物、水処理組成物から選択することができ、布地ケアおよび家庭用ケア組成物を除外するが、任意のこのような用途に適した洗浄組成物および洗剤組成物を含む、組成物であり得る。
【0106】
1つのタイプの実施形態が、封止区画が布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含有し、フィルムがポリビニルアルコールホモポリマーとアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含み、かつ第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムの両方が65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含むブレンドを含むという条件で、本明細書に記載される物品を含むようになることが企図される。
【0107】
別のタイプの実施形態が、封止区画が布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含有し、フィルムが少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、かつこのとき第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムの両方が少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含むという条件で、本明細書に記載される物品を含むようになることが企図される。
【0108】
1つのタイプの実施形態では、組成物は、農業用化学物質、例えば、1つ以上の殺虫剤、抗かび剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、誘引剤、葉枯病剤、植物成長調節剤、肥料、殺菌剤、微量栄養素、および微量元素を含むことができる。好適な農業用化学物質および二次薬剤は、米国特許第6,204,223号および同第4,681,228号、ならびに欧州特許第0989803A1号に記載されている。例えば、好適な除草剤としては、パラコート塩(例えば、パラコートジクロライドまたはパラコートビス(メチルサルフェート)、ジクワット塩(例えば、ジクワットジブロミドまたはジクワットアルギネート)、およびグリフォセートまたはその塩もしくはエステル(例えば、グリホセートイソプロピルアンモニウム、グリホセートセスキナトリウムまたはグリホサートトリメシウム、スルホセートとしても知られている)が挙げられる。不相溶性対の作物保護化学物質は、例えば米国特許第5,558,228号に記載されているように、別々のチャンバで使用することができる。使用することができる不相溶性対の作物保護化学物質としては、例えば、ベンスルフロンメチルおよびモリネート;2,4-Dおよびチフェンスルフロンメチル;2,4-Dおよびメチル2-[[[[N-4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-N-メチルアミノ]カルボニル]アミノ]-スルホニル]ベンゾエート;2,4-Dおよびメトスルフロンメチル;マネブまたはマンコゼブおよびベノミル;グリホサートおよびメトスルフロンメチル;トラロメトリンおよび任意の有機リン酸塩、例えばモノクロトホスまたはジメトエート;ブロモキシニルおよびN-[[4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル]-アミノ]カルボニル]-3-(エチルスルホニル)-2-ピリジン-スルホンアミド;ブロモキシニルおよびメチル2-[[[[(4-メチル-6-メトキシ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]-ベンゾエート;ブロモキシニルおよびメチル2-[[[[N-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-N-メチルアミノ]カルボニル]アミノ]-スルホニル]ベンゾエートが挙げられる。例えば、米国特許第8,333,033号に記載される実施形態のタイプを含む別の関連するタイプの実施形態では、組成物は、任意に土壌と一緒に1つ以上の種子を含み、さらに任意に、マルチ、砂、ピートモス、ウォータージェリー結晶、および肥料から選択される1つ以上の追加成分を含むことができる。
【0109】
別のタイプの実施形態では、組成物は、水処理剤である。このような薬剤としては、例えば米国特許出願公開第2014/0110301号および米国特許第8,728,593号に記載されているような積極的な酸化化学物質が挙げられる。例えば、殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、および次亜塩素酸リチウムなどの次亜塩素酸塩;ジクロロイソシアヌル酸(「ジクロロ」またはジクロロ-s-トリアジントリオン、1,3-ジクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンとも称される)などの塩素化イソシアヌレート、およびトリクロロイソシアヌル酸(「トリクロロ」または1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンとも称される)を挙げることができる。殺菌性化合物の塩および水和物もまた企図される。例えば、ジクロロイソシアヌル酸は、とりわけ、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム酸二水和物として提供され得る。臭素含有殺菌剤はまた、とりわけ、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、ジブロモシアノ酢酸アミド、1-ブロモ-3-クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン、および2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオールなどの単位用量パッケージング用途で使用するために好適であり得る。酸化剤は、米国特許第7,476,325号に記載されているもの、例えば水素ペルオキシモノ硫酸カリウムであることができる。組成物は、例えば、米国特許出願公開第2008/0185347号に記載されているようなpH調整化学薬品であってもよく、例えば、組成物が水と接触すると発泡性であり、水のpHを調整するように、酸性成分およびアルカリ成分を含むことができる。好適な成分としては、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、水酸化カリウム、スルファミン酸、有機カルボン酸、スルホン酸、およびリン酸二水素カリウムが挙げられる。緩衝剤配合物は、例えば、ホウ酸、炭酸ナトリウム、グリコール酸、およびオキソンモノ過硫酸塩を含み得る。
【0110】
水処理剤は、例えば米国特許出願公開第2014/0124454号に記載されているような凝集剤であってもよく、または凝集剤を含むことができる。凝集剤としては、ポリマー凝集剤、例えば、ポリアクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)、3-メチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)またはアクリル酸のアクリルアミドコポリマーなどのポリアクリルアミドコポリマー;カチオン性ポリアクリルアミド;アニオン性ポリアクリルアミド;中性ポリアクリルアミド;ポリアミン;ポリビニルアミン;ポリエチレンイミン;ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド;ポリオキシエチレン;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸;ポリリン酸;ポリスチレンスルホン酸;またはこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。凝集剤は、酢酸キトサン、乳酸キトサン、アジピン酸キトサン、グルタミン酸キトサン、コハク酸キトサン、リンゴ酸キトサン、クエン酸キトサン、フマル酸キトサン、塩酸キトサン、およびこれらの組み合わせから選択することができる。水処理組成物は、リン酸除去化合物、例えば、ジルコニウム化合物、希土類ランタニド塩、アルミニウム化合物、鉄化合物、またはこれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上を含むことができる。
【0111】
組成物は、例えば、米国特許出願第2006/0172910号に記載されているような石灰除去組成物、例えば、クエン酸またはマレイン酸もしくはその硫酸塩、またはこれらの任意の混合物であってもよい。様々な他のタイプの組成物が、本明細書に記載の単位用量物品で使用するように企図され、これらには、粒子、例えばUS RE29059 Eに記載されているような羽毛;例えば、米国特許出願公開第2004/0144682号および第2006/0173430号に記載されているような超吸収性ポリマー;米国特許第3,580,390号および米国特許出願公開第2011/0054111号に記載されているような顔料および染み剤;米国特許第8,163,104号に記載されているようなろう付け用フラックス(例えば、アルカリ金属フルオロアルミネート、アルカリ金属フルオロシリケートおよびアルカリ金属フルオロ亜鉛酸塩);米国特許出願公開第2007/0003719号に記載されているような食品(例えば、コーヒー粉末または乾燥スープ);ならびに米国特許第4,466,431号に記載されているような創傷被覆材が挙げられる。
【0112】
単位用量物品の少なくとも1つの区画は、固体を含むことができる。存在する場合、固体は、単位用量物品の少なくとも5重量%の濃度で存在してもよい。
【0113】
単位用量物品の作製方法
当業者であれば、本発明の洗剤および他の組成物を作製するプロセスを承知しているであろう。当業者であれば、洗剤または他の組成物を作製するための標準的なプロセスおよび装置を承知しているであろう。
【0114】
当業者であれば、本発明の任意の態様による単位用量物品を作製するための標準的な技術を承知しているであろう。限定されるものではないが、熱成形および真空成形技術を含む標準的な成形プロセスを使用することができる。
【0115】
本発明による水溶性単位用量物品を作製する好ましい方法は、第1の水溶性フィルムを型内で成形して、開放した空洞を形成する工程と、空洞を清浄剤または他の組成物で満たす工程と、第2のフィルムを第1のフィルムの上に置く工程と、好ましくは水を含む溶剤封止を介して第1および第2のフィルムを一緒に封止して水溶性単位用量物品を製造する工程とを含む。
【0116】
試験プロトコル
単位用量物品機械洗浄溶出試験方法
この方法は、応力を受けた洗濯機条件下で洗濯用水溶性単位用量物品の相対溶解特性を評価するために設計されている。この方法のために、Electroluxプログラマブル洗濯機タイプW565H、調整されたEMPA221充填物(EMPA221ソース:Swissatest-SWISSatest試験材料、Movenstrasse 12 CH9015 St Gallen、スイス)およびDigieye画像撮影装置(Digiye by VeriVide)を使用した。
【0117】
調整されたEMPA221充填物は、洗濯機で染色することを目的とする染色溶液(Dylon goldfish orange washing machine dye(N°55))を用いて充填物をオレンジ色に着色することによって調製した。充填物を着色するためには、標準的な家庭用洗濯機を使用することができ、40℃で標準的な綿のサイクルを採用する。500gの塩および200gのDylon goldfishオレンジ機械染料を洗濯機のドラムに加える。その結果、ドラムは塩および染料がそれ以上見えなくなるまで左右に動かされた。その結果、25個のEMPA 221品目(50cm×50cmのサイズ、ほつれを防止するために縁をかがり縫いした)を、品目を折りたたむことなくドラム上に均等に分配させた。40℃での標準的な綿のサイクルは、15gpgの水硬度で行った。サイクルの完了後、50gのAriel感応性粉末をディスペンサーに添加し、40℃の通常の綿サイクルを水硬度15gpgで行った。このサイクルの完了後、洗剤を含まない40℃での2回の追加の通常の綿のサイクルを、水硬度15gpgで行い、次いで品目を吊り干しした。
【0118】
注意:新品のEMPA221品目は、ドラム式Miele洗濯機に25個の品目を添加し、Ariel感受性粉末50gおよび15gpg水硬度で、2回の短縮綿サイクルを60℃で行い(およそ1時間30分の持続時間)、続いて洗剤を含まず、15gpgの水硬度で60℃にて2回の短縮綿サイクル(およそ1時間30分の持続時間)を行い、次にタンブル乾燥させた。
【0119】
Electrolux W565プログラマブル洗濯機は、2つのプログラムでプログラムされていた。第1のプログラムは、充填物を均等に濡らすように設計されていた(プリウェットプログラム)。第2のプログラム(溶解プログラム)は、西ヨーロッパの応力印加サイクル設定の10分をシミュレートするために利用され、続いて水を汲み出し、1100rpmで3分の脱水を開始した。
【表1】
【0120】
50個の染色されたEMPA221布地(約2.45kg)をElectrolux W565洗濯機に均一に導入し、プリウェットプログラムを開始した。プレウェットプログラムの後、6つの水溶性単位用量物品を濡れた充填物にわたって均一に分配し、その後溶解プログラムを開始した。全プログラムの最後に、濡れた充填物を格付け室(D65照明条件を備えている)に移し、専門の評価者によって残留物を評価した。残存する界面活性剤または過剰のポリマー樹脂のために変色点を有する各々の布を、画像解析のための充填物から選択した。
【0121】
この画像解析は、Digi-Eyeカメラを使用して、選択した布地の各面の画像を取得することによって行った(設定:“d90の散乱光、シャッター時間1/4、口径8”)。コントラストを高めるには、布を灰色または黒色の背景に置く必要がある。この後、画像分析ソフトウェアにより画像を評価して、充填物で検出された残留物の総サイズ(ピクセル数)を計算した。このツールは、デルタE閾値(6のデルタE)を用いて、通常のバラストとは異なる色のスポットを特定することによって残留物を検出する。1つの機械および充填物について、残留物スコアは、充填物に存在する残留物の総面積を合計することによって算出される。全残留物面積の対数値を算出し、4つの外部反復、すなわち、4つの異なる洗濯機の運転の平均値を報告した。
【0122】
単位用量物品強度および封止不良試験方法
この試験方法は、最大100kN(キロニュートン)のロードセルを備えたInstron Universal材料試験器具(Instron Industrial Products,825 University Ave.,Norwood,MA 02062-2643)を用いて、単位用量物品強度および封止不良を決定するための実践を記述する。単位用量物品の圧縮を介して、この方法は、フィルムおよび封止領域に圧力をかけることによって、単位用量物品の全体的な強度(ニュートン単位での)を決定する。単位用量物品強度(ニュートン単位での)は、単位用量物品が破断する前に支持することができる最大負荷として定義される。250N未満の圧力で封止領域で開口する単位用量物品は、封止不良として報告され、平均単位用量物品強度を決定する際には考慮されない。
【0123】
単位用量物品強度および封止不良は、単位用量物品製造後1時間ですぐに測定され、フィルム/単位用量物品が変換後に硬化時間を有するようにした。この方法は、30~40%の相対湿度(RH)と20~23℃の間の室内環境で実施した。保管された単位用量物品は、試験前に1時間試験室環境に再平衡させた。
【0124】
図1は、単位用量物品強度試験と封止不良試験の基本構成を模式的に示す。単位用量物品強度および封止不良を測定するために、単位用量物品510を、プラスチックの脱気されたバッグ500(クロージャを有する150mm×124mm、60ミクロンの厚さ、例えばRajaグリップRGP6B)に封入し、単位用量物品の破裂時の作業環境の汚染を防止した。バッグ内に封入された後、単位用量物品510を、器具の2つの圧迫板520、530の間の中央に位置させる。単位用量物品510は、幅封止寸法540(例えば、試験される実際の単位用量の物品では41mmである、封止領域をちょうど包囲する定義された長方形の平面内の最も小さな寸法)が、幅封止部上に応力が加えられるように、圧縮板の間にある(x-方向)にあるように、直立位置で配置される。圧縮のために、プレート520および530の間の距離を減少させる速度は60mm/分に設定される。試験トレッグごとに10回複製し、平均単位用量物品強度および封止不良データを報告する。
【0125】
引張歪み試験およびe-弾性率試験
引張強度(TS)試験に従う引張強度および弾性率(MOD)試験によるe-弾性率(引張弾性率または引張応力)によって特徴付けられるか、またはこれらについて試験される水溶性フィルムを、以下の通りに分析した。この手順は、ASTM D 882(「薄いプラスチックシートの引張特性のための標準試験方法」)に従った、引張歪みの決定および引張強度の決定を含む。フィルムデータの収集には、INSTRON引張試験装置(モデル5544引張試験機または同等物-Instron Industrial Products,825、University Ave.,NorWood,MA 02062-2643)を使用した。寸法安定性および再現性を保証するために、信頼できる切削工具(例えばJDC精密試料カッター、Model 1-10、Thwing Albert Instrument Company,Philadelphia,PA U.S.A製)でそれぞれ切断した最低3つの試験片機械方向(MD)(適用可能な場合)、すなわち水溶性フィルムロール巻取り/巻き出し方向で各測定について試験した。水溶性フィルムは、環境条件を試験するために最低でも48時間事前調整した。試験は、23±2.0℃および35±5%相対湿度の標準的な実験室雰囲気中で行った。引張強度または弾性率決定のために、3.0±0.15mil(または76.2±3.8μm)の厚さを有する単一のフィルムシートの1インチ幅(2.54cm)の試料を用意する。e-弾性率試験のために、バージンフィルムを試験した。引張歪み試験のために、試験フィルムを、最初に試験洗剤中に下記のプロトコルに従って予め浸漬した。その後、試料をINSTRON引張試験機に移して試験を進めた。500Nのロードセルを備えた引張試験機は、製造業者の指示に従って用意し、較正した。正しいグリップおよびフェースを取り付ける(ゴムコーティングされ、幅25mmである、型番号2702-032フェースを有するINSTRONグリップ、または同等物)。試料を引張試験機に取り付け、1N/分の速度で伸長させ、e-弾性率(すなわち、弾性変形領域における応力-歪み曲線の傾き)および破断点引張歪み(すなわち、フィルム破断時に得られる伸び%、すなわち100%は開始長さを反映し、200%はフィルム破断時に2倍に延伸されたフィルムを反映する)を決定するように分析した。最小3つの試験片の平均を計算し、報告した。
【0126】
フィルム事前浸漬プロトコル
液体家庭用洗剤組成物を封入する封止された区画を形成するために使用されることを意図した11cm×12cmの大きさのフィルム試料を両方のフィルムから調製した。試験フィルムを含む封止された区画内に封入されることを意図した家庭用液体洗剤組成物の合計750mlが各試験フィルムに必要であった。清浄な不活性ガラス受容器の底を薄い液体層で覆い、試験されるフィルムを液体上に広げて、フィルムの下に閉じ込められた気泡を静かに両側に押し込んだ。次いで、残りの液体を、フィルムが液体中に完全に浸漬されるように、フィルムの上に静かに注いだ。フィルムにしわがなく、気泡がフィルムに触れないようにする必要がある。フィルムを液体と接触したままにして、密閉容器条件下で35℃で6日間、その後21℃で一晩貯蔵した。試験フィルムごとに、別々のガラス受容器を使用した。次にフィルムを貯蔵容器から取り出し、過剰の液体をフィルムから除去した。ベンチペーパーの上に置いたフィルムの上に紙を置き、次いでフィルムを乾燥紙で完全に拭き取った。その結果、フィルムは、上述の引張歪み環境試験条件に予備調整された。固体家庭用洗剤組成物を封入しようとする場合、引張歪み試験のためにバージンフィルムを使用した。
【0127】
水容量の測定方法
水容量はDVS(動的水蒸気吸着)装置で測定した。使用した機器は、ProUmid製のSPS-DVS(浸透性キットを備えたSPSx-1μ-High load型モデル)であった。DVSは吸湿/脱着の測定に重量測定を使用し、完全に自動化されている。
【0128】
システムの精度は、RH(相対湿度)が0-98%にわたる範囲では±0.6%であり、25℃では±0.3℃である。温度は、+5~+60℃の範囲とすることができる。この機器の微量天秤は、質量変化で0.1μgを分解することができる。各フィルムを二通りで測定し、平均水容量値を報告する。
【0129】
試験の特定の条件については、5枚のフィルムを同時に試験することができる6パンのカルーセル(1パンが微量天秤の基準として使用され、空のままである必要がある)を使用した。
【0130】
各パンは、フィルムを固定するように設計されたネジ付きアルミニウムリングを有している。フィルム片をパンの上に置き、穏やかに伸ばした後、リングを上に置き、フィルムをねじでしっかりと固定して、余分なフィルムを取り除いた。パン表面を覆うフィルムは、80mmの直径を有していた。
【0131】
温度は20℃に固定した。相対湿度(RH)を6時間で35%に設定し、次いで5分で50%に徐々に上げた。RHは12時間で50%であった。測定の合計持続時間は18時間であった。
【0132】
サイクル時間(=各パンを測定する間の時間)を10分に設定し、DVSは各重量結果を時間に対して記録し、自動的に%Dm(相対重量変化対フィルムの開始重量、すなわち、10%は、出発フィルム重量に対して10%のフィルム重量増加を反映する)。
【0133】
水用量(または、20℃で12時間の一定時間中に50%RHサイクルにわたって得られた%Dm)を、50%のRHにおける%Dmの値(50%RHで測定した最後の値)から35%のRHにおける%Dm(50%RHまで上がる前の最後の値)を差し引いた差によって算出した。
【0134】
溶解および崩壊試験(MSTM 205)
フィルムは、当該技術分野で周知され、US20160024446で論じられている方法、MonoSol試験方法205(MSTM 205)に従う溶解時間および崩壊時間を特徴とし得るか、またはそれらを試験され得る。
【実施例
【0135】
以下の単位用量物品を調製し、本明細書に記載のプロトコルに従って単位用量物品強度、封止不良、およびパウチ溶解について試験する。本発明の範囲外の比較単位用量物品(複数可)は、単一フィルムタイプから調製されるが、本発明による単位用量物品の例は、ホモポリマーの分子量が異なる2つの異なるフィルムから調製される。
【0136】
41mm×43mmのフットプリント、20.1mmの空洞深さ、および25mlの空洞容積を有する多区画の水溶性単位用量物品は、熱/真空成形によって作製される。デュアルフィルムの例では、単位用量の物品フィルムAは真空下で変形されるが、一方フィルムBは閉鎖フィルムとして使用される。Fairy non-Bioスリーインワン水溶性単位用量物品の底部区画において、2016年1月に英国で市販されている標準的な洗剤組成物を、これらの単一区画単位用量物品の中に封入した。
【0137】
以下の表1は、比較および例示的な単位用量物品を調製するために使用されるフィルム組成物の詳細を示す。
【表2】
【0138】
以下の表2は、本明細書に記載の試験プロトコルによって得られた、比較例および実施例の単位用量物品のパウチ強度、封止不良、およびパウチ溶解の結果をまとめたものである。2つの異なる水溶性フィルム(ポリビニルアルコールホモポリマーの分子量が異なる)を含む本発明によるパウチは、単一のタイプのフィルムから作製されている比較例のパウチと比較して、優れたパウチ強度、封止不良、およびパウチ溶解プロファイルを示している。
【表3】
【0139】
いずれの相互参照または関連特許もしくは出願、ならびに本願がその優先権または利益を主張するいずれの特許出願または特許を含む、本明細書で引用されるすべての文献は、明示的に除外または限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書において開示もしくは特許請求される任意の発明に関する先行技術であること、またはそれ単独で、もしくはあらゆる他の参考文献(複数可)との任意の組み合わせで、このような任意の発明を教示、示唆、もしくは開示することを認めるものではない。さらに、本明細書中の用語のいずれの意味または定義が、参照により組み込まれる文献中の同じ用語のいずれの意味または定義と矛盾する限りでは、本明細書中でその用語に割り当てられた意味または定義が適用される。
【0140】
本発明の特定の実施形態を例示し、説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更および修正を包含することが意図される。
次に、本発明のまた別の好ましい態様を示す。
1. 少なくとも1つの封止区画を含む水溶性単位用量物品であって、前記水溶性単位用量物品が、
第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムと、
第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムと、を含み、
前記第1のフィルムが、前記第2のフィルムに封止されて、前記少なくとも1つの封止区画を形成し、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または約14cP~約25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約12cP~約14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12cPであり、
但し、前記封止区画が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含み、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むブレンドを含むことを条件とし、
但し、前記封止区画が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物を含み、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、水溶性単位用量物品。
2. 前記第1の水溶性フィルムが、前記水溶性単位用量物品に組み込む前に、熱成形されている、上記1に記載の水溶性単位用量物品。
3. 前記第2の水溶性フィルムが、前記水溶性単位用量物品に組み込む前に、熱成形されていない、上記1~2のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
4. 前記第1の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む、上記1~3のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
5. 前記第2の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む上記1~4のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
6. 前記第1の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む、上記1~5のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
7. 前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記6に記載の水溶性単位用量物品。
8. 前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の約1%~約70重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーと、前記第1の水溶性樹脂の約30%~約99重量%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーと、を含む、上記6に記載の水溶性単位用量物品。
9. 前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の約10重量%~約70重量%、または約15重量%~約65重量%、または約20重量%~約50重量%、または約30重量%~約40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記8に記載の水溶性単位用量物品。
10. 前記第2の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む、上記1~9のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
11. 前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の65重量%以上の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記10に記載の水溶性単位用量物品。
12. 前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の1重量%~約70重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーと、前記第2の水溶性樹脂の約30重量%~約99重量%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーと、を含む、上記11に記載の水溶性単位用量物品。
13. 前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の約10重量%~約70重量%、または約15重量%~約65重量%、または約20重量%~約50重量%、または約30重量%~約40重量%の、アニオン性モノマー単位を含む前記ポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記12に記載の水溶性単位用量物品。
14. 前記アニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、アクリル酸アルキル、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマーからなる群から選択される、上記6~13のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
15. 前記アニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびこれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマー単位からなる群から選択される、上記14に記載の水溶性単位用量物品。
16. 前記アニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびこれらの組み合わせから誘導されるアニオン性モノマー単位からなる群から選択される、上記15に記載の水溶性単位用量物品。
17. 前記ポリビニルアルコールコポリマー(複数可)が、独立して、存在する総ポリビニルアルコールコポリマーに対して、約2モル%~約8モル%、または約3モル%~約5モル%、または約1モル%~約4モル%の前記アニオン性モノマー単位を含む、上記6~16のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
18. 前記水溶性単位用量物品が、パウチであり、約2000N未満、または約1000N未満、または約850N未満、または約750N未満の、本明細書に記載のパウチ強度試験によるパウチ強度を有する、上記1~17のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
19. 前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、それぞれ独立して、前記フィルムの約30重量%~約90重量%、または約40重量%~約80重量%、または約50重量%~約75重量%、または約60重量%~約70重量%の前記水溶性樹脂を含む、上記1~18のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
20. 前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、それぞれ独立して、約40ミクロン~約100ミクロン、または約60ミクロン~約90ミクロン、または約70ミクロン~約80ミクロンの、前記水溶性単位用量物品への組み込み前の厚さを有する、上記1~19のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
21. 前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、それぞれ独立して、約300秒以下、または約240秒以下、または約180秒以下の、MonoSol試験方法MSTM-205による、約76ミクロンの厚さを有するフィルムに関して、20℃の温度の水中で、前記水溶性単位用量物品への組み込み前の溶解時間を有する、上記1~20のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
22. 前記水溶性単位用量物品が、約6.2未満、または約6未満、または約5.8未満の、本明細書に記載のパウチ溶解試験方法による平均対数(残留領域)を有する、上記1~21のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
23. 前記第1の水溶性フィルムと前記第2の水溶性フィルムとの間の厚さの差が、約50%未満、または約30%未満、または約20%未満、または約10%未満である、上記1~22のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
24. 前記第1の水溶性フィルムの前記厚さが、前記第2の水溶性フィルムの前記厚さと同じである、上記1~23のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
25. 前記水溶性単位用量物品が、パウチであり、少なくとも約350N未満、または少なくとも約400N未満、または少なくとも約450N未満、または少なくとも約500N未満の、本明細書に記載のパウチ強度試験によるパウチ強度を有する、上記1~24のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
26. 前記水溶性単位用量物品が、本明細書に記載の封止不良試験による0個の封止不良を有する、上記1~25のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
27. 前記第1の水溶性フィルムが、可塑剤をさらに含む、上記1~26のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
28. 前記第2の水溶性フィルムが、可塑剤をさらに含む、上記1~27のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
29. 前記可塑剤が、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、上記27または上記28に記載の水溶性単位用量物品。
30. 前記第1の水溶性フィルムが、界面活性剤をさらに含む、上記1~29のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
31. 前記第2の水溶性フィルムが、界面活性剤をさらに含む、上記1~30のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
32. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、四級化ポリオキシエチレン化アミン、アミンオキシド、N-アルキルベタイン、スルホベタイン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記30または上記31に記載の水溶性単位用量物品。
33. 前記第1の水溶性フィルムが、嫌悪剤をさらに含む、上記1~32のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
34. 前記第2の水溶性フィルムが、嫌悪剤をさらに含む、上記1~33のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
35. 前記水溶性単位用量物品が、少なくとも2つの封止区画、または少なくとも3つの封止区画を含む、上記1~34のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
36. 前記単位用量物品が、上部フィルム、中間フィルム、および下部フィルムを含み、前記上部フィルムおよび下部フィルムが、前記第1の水溶性フィルムを含み、前記中間フィルムが、前記第2の水溶性フィルムを含む、上記35に記載の水溶性単位用量物品。
37. 前記第1の水溶性樹脂が、約80%~約99%、または約85%~約95%、または約86%~約90%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記1~36のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
38. 前記第2の水溶性樹脂が、約80%~約99%、または約85%~約95%、または約86%~約90%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、上記1~37のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
39. 前記第1の水溶性樹脂が、約80%~約99%、または約85%~約95%、または約86%~約90%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーを含む、上記1~38のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
40. 前記第2の水溶性樹脂が、約80%~約99%、または約85%~約95%、または約86%~約90%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーを含む、上記1~39のいずれ一項に記載の水溶性単位用量物品。
41. 少なくとも第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムと、任意に単位用量物品内に含まれる組成物と、を含む単位用量物品の使用であって、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、消費者の投入経験を改善するために、互いに化学的に異なり、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または約14cP~約25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約12cP~約14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12Cpであり、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むことを条件とし、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、使用。
42. 第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムの、任意に物品中に含まれる組成物を含む水溶性単位用量物品の製造における使用であって、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、封止領域における封止強度を改善するために、前記封止領域に沿って一緒に封止され、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または約14cP~約25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約12cP~約14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12cPであり、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むことを条件とし、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、使用。
43. 単位用量物品を使用するためのプロセスであって、
a.少なくとも第1の水溶性樹脂を含む第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性樹脂を含む第2の水溶性フィルムと、前記用量物品内に含まれる組成物とを含む、水溶性単位用量物品を得ることであって、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが互いに化学的に異なり、
前記第1の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約8cP~約40cP、または約12cP~約30cP、または約14cP~約25cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第2の水溶性樹脂が、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドが、約4cP~約35cP、または約10cP~約20cP、または約10cP~約15cP、または約12cP~約14cPの範囲の25℃での脱塩水中の4%溶液粘度を有し、
前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度が、前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度よりも大きく、かつ前記第1の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の前記4%溶液粘度と前記第2の水溶性樹脂の前記少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、または前記少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、または前記それらのブレンドの25℃での脱塩水中の4%溶液粘度との間の差が、約2cP~約20cP、または約3cP~約15cP、または約4cP~約12cPであり、
b.前記水溶性単位用量物品を水と接触させて、前記フィルムのうちの少なくとも1つを溶解させ、それにより前記物品に含まれる前記組成物を放出させることと、を含み、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むことを条件とし、
但し、前記組成物が、布地ケアまたは家庭用ケア組成物であり、かつフィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合には、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方が、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含むことを条件とする、プロセス。
44. 前記物品が、非家庭用ケア組成物を含有する、上記1~43のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品、使用、またはプロセス。
45. 前記非家庭用ケア組成物が、農業用組成物、航空用組成物、食品および栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医学用組成物、獣医学用組成物、軍用および準軍用組成物、事務用組成物、ならびにレクリエーション用および公園用組成物、ペット用組成物、および水処理用組成物から選択される、上記44に記載の水溶性単位用量物品、使用、またはプロセス。
46. 前記非家庭用ケア組成物が、農業用組成物を含む、上記45に記載の水溶性単位用量物品、使用またはプロセス。
47. 前記非家庭用ケア組成物が、水処理用組成物を含む、上記45に記載の水溶性単位用量物品、使用またはプロセス。
図1
図2
図3