(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】デュプレックスミニLCコネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20221117BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/42
(21)【出願番号】P 2020004820
(22)【出願日】2020-01-16
(62)【分割の表示】P 2018562040の分割
【原出願日】2017-05-26
【審査請求日】2020-05-25
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500078303
【氏名又は名称】フィニサー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ロング バン
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-275476(JP,A)
【文献】特開平10-115734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0106897(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104950402(CN,A)
【文献】特開2011-027876(JP,A)
【文献】特開2001-051155(JP,A)
【文献】特表2003-502691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0159710(US,A1)
【文献】OFS,LC Product Specification 640-252-056 D02AK0036 Issue 5,OFS,2006年06月30日
【文献】TREWHELLA, Jean M. et al.,Performance Comparison of Small Form Factor Fiber Optic Connectors,IEEE Transactions on Advanced Packaging,IEEE,2000年05月,Vol. 23, No. 2,pp. 188-196
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255- 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/36 - 6/43
JDreamIII(JSTplus/JSTChina/JST7580)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子通信モジュールであって、
一対の光ファイバコネクタと、
複数の光学サブアセンブリを有するハウジングと、
前記
ハウジングのファイバ側端部に形成されており、前記
ハウジングの幅方向において互いから離間している一対のデュプレックスポートと、を備え、
各デュプレックスポートは、側方のチャネルと2つのフェルールレセプタクルとを有し、各フェルールレセプタクルは、前記複数の光学サブアセンブリのうちの対応する1つに通信可能に接続されており、
各光ファイバコネクタは、本体を備え、
前記本体は、前記本体のファイバ側端部において光ファイバと結合しており、
前記幅方向に互いに離間する2つの対向する側壁と、
前記2つの対向する側壁の間において前記本体内に配置されている2つのコイルばねと、
前記2つの対向する側壁に含まれる2つの隆起キーと、を備え、前記2つの隆起キーの各々は、前記2つの対向する側壁のうちの対応する側壁の長さの少なくとも一部に延び、前記2つの対向する側壁から互いに反対側に延在し、前記2つの隆起キーの各々は、前記2つの対向する側壁のうちの前記対応する側壁の長さと直交する方向に前記2つの対向する側壁の前記対応する側壁から外側に延在し、前記2つの隆起キーは、前記本体内に配置されている
前記2つのコイルばねを収容するため側壁延長部を形成
するとともに、前記デュプレックスポートの前記側方のチャネルの1つの中へスライドするように構成されており、
各光ファイバコネクタは、さらに、
前記本体のモジュール側端部から前記本体の長さ方向に延在する
とともに前記コイルばねのうちの一方によって付勢されている第1のファイバフェルールであって、前記
一対のデュプレックスポートのうちの対応するデュプレックスポート
の前記フェルールレセプタクルのうちの1つに対して光学的に位置合わせされるように構成される、第1のファイバフェルールと、
前記幅方向に前記第1のファイバフェルールから離間して前記本体の前記モジュール側端部から前記本体の前記長さ方向に延在する
とともに前記コイルばねのうちの他方によって付勢されている第2のファイバフェルールであって、前記
一対のデュプレックスポートのうちの対応するデュプレックスポート
の前記フェルールレセプタクルのうちの別の1つに対して光学的に位置合わせされるように構成される、第2のファイバフェルールと、を備え、
前記第1のファイバフェルールと前記第2のファイバフェルールとは、前記本体の前記2つの隆起キーの間に挟まれた空間に配置され、
前記一対のデュプレックスポートの各々は、前記光ファイバコネクタの前記本体の一部分を受容するように構成されており、
前記本体のうち、前記光電子通信モジュールの前記デュプレックスポートで受容されるように構成された前記部分の前記幅方向の最大幅は、前記光電子通信モジュールのファイバ側端部の幅の半分未満であり、前記本体の前記部分の前記最大幅は、前記2つの隆起キーの外表面間の距離である、光電子通信モジュール。
【請求項2】
前記光電子通信モジュールは、クワッド小型フォームファクタプラガブル(QSFP)モジュールを含み、
前記QSFPモジュールの前記ファイバ側端部の幅は、18.35ミリメートル(mm)である、請求項1に記載の光電子通信モジュール。
【請求項3】
前記本体の前記部分の前記最大幅は、8.5mm以下である、請求項2に記載の光電子通信モジュール。
【請求項4】
前記本体の前記部分の前記最大幅は、7.0mm以下である、請求項3に記載の光電子通信モジュール。
【請求項5】
前記光ファイバコネクタの各々は、
前記2つの対向する側部を接続する上側と、
前記上側から上方に延在するラッチタブと、をさらに備える、請求項1に記載の光電子通信モジュール。
【請求項6】
前記光ファイバコネクタの各々は、デュプレックスミニルーセントコネクタ(LC)光ファイバコネクタを含む、請求項1に記載の光電子通信モジュール。
【請求項7】
前記第1のファイバフェルールおよび前記第2のファイバフェルールの各々は、LC光ファイバコネクタに使用される標準ルーセントコネクタ(LC)フェルールを含む、請求項1に記載の光電子通信モジュール。
【請求項8】
前記2つの隆起キーの各々は、前記2つの対向する側壁のうちの前記対応する側壁に対して0.5ミリメートルだけ隆起している、請求項1に記載の光電子通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で議論する実施形態は、デュプレックスミニルーセントコネクタ(LC)コネクタに関連する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別様に示されない限り、本明細書に記載された内容は、本願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって従来技術であると認められるものではない。
【0003】
光電子送受信機モジュールなどの通信モジュールは、光信号の送信および受信に従事する様々な構成要素を含み得る。構成要素の一部は、光電子送受信機モジュールのシェル内に収納され得る。このような構成要素の例には、送信機光学サブアセンブリ(TOSA)および/または受信機光学サブアセンブリ(ROSA)が含まれ得る。光電子送受信機モジュール自体は、通信ネットワークの一構成要素として機能するホストデバイス内で動作可能に受容される。
【0004】
他の通信モジュールとの光通信に従事するため、光電子送受信機モジュールは、1つ以上のコネクタ付き光ファイバと動作可能に接続し得る。光電子送受信機モジュールは、光ファイバ(複数可)のコネクタを受容するように構成された送信ポートおよび/または受信ポートを含み得る。光信号は、光ファイバ(複数可)を介して光電子送受信機モジュールによって受信および/または送信され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】例示的な光電子通信モジュール(以下「モジュール」)の斜視図。
【
図1B】例示的な光電子通信モジュール(以下「モジュール」)のファイバ側端面図。
【
図4A】別の例示的な光電子通信モジュール(以下「モジュール」)の斜視図。
【
図4B】別の例示的な光電子通信モジュール(以下「モジュール」)のファイバ側端面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において特許請求される主題は、任意の欠点を解決するか、または、上記のような環境でのみ動作する、実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、本明細書に記載のいくつかの実施形態を実施し得る1つの例示的な技術領域を示すために提供されるに過ぎない。
【0007】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される簡略化形式の概念選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求された主題の主要な特徴または本質的な特性を識別することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0008】
本明細書に記載のいくつかの例示的な実施形態は、一般にデュプレックスミニLCコネクタに関連し得る。
例示的な実施形態では、光ファイバコネクタは、本体と、第1のファイバフェルールと、第2のファイバフェルールと、を含み得る。第1のファイバフェルールは、本体のモジュール側端部から本体の長さ方向に延在し得る。第2のファイバフェルールは、本体の幅方向において第1のファイバフェルールから離間して本体のモジュール側端部から本体の長さ方向に延在し得る。光電子通信モジュールのポートで受容されるように構成された本体の部分の幅方向における最大幅は、光電子通信モジュールのファイバ側端部の幅の半分未満であり得る。
【0009】
別の例示的な実施形態では、光電子通信モジュールは、ハウジングと、第1のデュプレックスポートおよび第2のデュプレックスポートと、プルラッチと、を含み得る。第1のデュプレックスポートは、ハウジングのファイバ側端部に形成され得、かつ、第1のデュプレックス光ファイバコネクタを受容するように構成され得る。第2のデュプレックスポートは、ハウジングの幅方向において第1のデュプレックスポートから離間されたハウジングのファイバ側端部に形成され得、かつ、第2のデュプレックス光ファイバコネクタを受容するように構成され得る。プルタブラッチは、スライダおよびプルタブを含み得る。スライダは、ハウジングのファイバ側端部の上部、2つの側部および底部を囲み得る。プルタブは、スライダの上部の少なくとも一部の上にオーバーモールドされ得、かつ、スライダの2つの側部および底部のいずれの上にもオーバーモールドされなくともよい。
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明に記載され、その一部は説明から明らかになるか、または本発明の実施によって学習され得る。本発明の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘された器具および組合せによって実現され、取得され得る。本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に記載された本発明の実施によって学習され得る。
【0011】
本発明の上記および他の利点および特徴をさらに明確にするために、本発明のより具体的な説明が、添付の図面に示されたその具体的な実施形態を参照することによって与えられるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと考えるべきではないことが理解される。本発明は、以下の添付図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に記載および説明されるであろう。
【0012】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、光電子通信モジュールのデュアルデュプレックス光インターフェースの一部として、別のこのようなデュプレックスミニLCコネクタと一緒に実装され得るデュプレックスミニLCコネクタに関する。光電子通信モジュールは、クワッド小型フォームファクタプラガブル(QSFP)モジュールまたは他の適切な光電子通信モジュールを含み得る。
【0013】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の様々な態様を説明するために、以下で図面への参照が行われる。図面は、このような例示的な実施形態の図表および概略表現であり、本開示を限定するものではなく、また、それらは必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0014】
図1Aおよび
図1Bは、例示的な光電子通信モジュール(以下「モジュール」)100の斜視図およびファイバ側端面図を含む。モジュール100は、QSFPモジュールを含み得、つまり、モジュール100は、QSFPマルチソースアグリーメント(MSA)に準拠し得る。モジュール100は、ハウジング102、プルタブ104およびスライダ106を含む。
【0015】
プルタブ104は、スライダ104に結合され、プルタブ104を引くことにより、ホストデバイスからモジュール100を取り外すために使用され得る。スライダ106(時にはラッチフォロワと称される)は、プルタブ104によってそこに及ぼされる十分な力に応答して、(相対運動の許容範囲内で)ハウジング102に対して移動するように構成され、これにより、ホストデバイスからモジュール100をラッチ解除する。米国特許第6908323号は、このようなスライダが動作し得る方法を一般的に記載するが、323特許のスライダは、
図1Aおよび
図1Bのモジュール100で動作するプルタブとは対照的に動作するベールである。
【0016】
図示のようなハウジング102は、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)、TOSAおよびROSAなどの様々な構成要素を配置し得るキャビティを形成するために一緒に結合された上部シェルおよび底部シェルを含む。他の実施形態では、ハウジング102は、その中に配置される前述の構成要素のうちの1つ以上を伴う単一片を含み得る。デュプレックスポート108(例えば、双方向ポート)が、ハウジング102内に形成される。デュプレックスポート108は、デュプレックス光ファイバコネクタ(以下「コネクタ」)110をその内部に受容するような大きさであり、別様に構成される。コネクタ110は、デュプレックス標準LCコネクタを含み得る。
【0017】
コネクタ110は、コネクタのモジュール側端部から外側に延在する2つのフェルールを含む。コネクタ110のフェルールの一方は、ハウジング102内に配置されたTOSAのポートに対して光学的に位置合わせされるように構成され、コネクタ110のフェルールの他方は、ハウジング102内に配置されたROSAのポートに対して光学的に位置合わせされるように構成されている。2つのフェルールは、TOSAによって放射された光信号を光ネットワークに運ぶため、または、光ネットワークからROSAに光信号を運ぶための光ファイバを含み得る。2つのフェルールの各々は、コネクタ110のファイバ側端部から外側に延在する2つの光ファイバ112のうちの対応する光ファイバに対して光学的に位置合わせされる。TOSAに対して位置合わせされるフェルールに対して位置合わせされた光ファイバ112は、
図1Bにおいて「TX」とラベル付けされる一方、ROSAに対して位置合わせされるフェルールに対して位置合わせされた光ファイバ112は、
図1Bにおいて「RX」とラベル付けされる。
【0018】
図1Bはさらに、
図1Aおよび
図1Bのモジュール100およびコネクタ110に関連する様々な測定値を示す。具体的には、モジュール幅w
moduleと称されるモジュール100の幅は、18.35ミリメートル(mm)であり得、コネクタ幅w
connectorと称されるコネクタ110の幅は、約12.5mmであり得る。コネクタ幅w
connectorは、モジュール幅w
moduleの半分よりはるかに大きいので、モジュール100のファイバ側端部にコネクタ110の2つを収容することは不可能であろう。本明細書に記載の実施形態は、2つのこのようなコネクタをモジュール100などの光電子通信モジュールのファイバ側端部に収容するのに十分に小さい再設計されたコネクタにも関連し、光電子通信モジュールはまた、例えばモジュール100に比べて再設計された光電子通信モジュールの帯域幅を2倍にするために2つのROSAおよび2つのTOSAを含むように再設計され得る。
【0019】
図2Aおよび
図2Bは、
図1Aおよび
図1Bのモジュール100のプルタブ104およびスライダ106の斜視図およびファイバ側端面図を含む。プルタブ104は、スライダ106のファイバ側端部の上部および側部上にオーバーモールド(例えば、その上に成形)されたプラスチックまたはゴムを含み得、スライダ106は、成形された板金を含み得る。
図2Bに示されるように、スライダ106のファイバ側端部の側部のプルタブ104のオーバーモールドプラスチック/ゴムにより、プルタブ幅w
pull tabと称される組合されたプルタブ104およびスライダ106の開口幅は、約14.6mmである。
図1Aおよび
図1Bのモジュール100において、
図2Bに示される約14.6mmのプルタブ幅w
pull tabは、モジュール100により収容することができる光ファイバコネクタ(または複数のコネクタ)の最大幅を制限し得る。
【0020】
図3Aおよび
図3Bは、
図1Aおよび
図1Bのコネクタ110および光ファイバ112の斜視図およびモジュール側端面図を含む。コネクタ110のフェルールは、
図3Aおよび
図3Bにおいて302で示されている。
図3Bはさらに、約12.5mmであり得るコネクタ110のコネクタ幅w
connector、および、約6.25mmであり得るフェルール302間のピッチ(例えば、中心から中心までの間隔)を示す。
【0021】
図4Aおよび
図4Bは、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に従って構成された別の例示の光電子通信モジュール(以下「モジュール」)400の斜視図およびファイバ側端面図を含む。モジュール400は、QSFPモジュールを含み得、すなわちモジュール400は、QSFP MSAに準拠し得る。他の実施形態では、モジュール400は、他のMSAに準拠し得、または、いずれのMSAに準拠せずともよい。モジュール400は、ハウジング402、プルタブ404およびスライダ406を含む。
【0022】
プルタブ404は、スライダ404に結合され、プルタブ404を引くことにより、ホストデバイスからモジュール400を取り外すために使用され得る。スライダ406(時にはラッチフォロワと称される)は、プルタブ404によってその上に及ぼされるのに十分な力に応答して、(相対運動の許容範囲内で)ハウジング402に対して移動するように構成され、これにより、ホストデバイスからモジュール400をラッチ解除する。上記で示したように、323特許は、このようなスライダが動作し得る方法を一般的に記載するが、323特許のスライダは、
図4Aおよび
図4Bのモジュール400で動作するプルタブとは対照的に動作するベールである。図示のようなハウジング402は、PCBA、2つのTOSAおよび2つのROSAなどの様々な構成要素を配置し得るキャビティを形成するために一緒に結合された上部シェル402Aおよび底部シェル402Bを含む。他の実施形態では、ハウジング402は、その中に配置される前述の構成要素でキャビティを画定する一体シェルを含み得る。2つのデュプレックスポート408は、ハウジング402のファイバ側端部に形成されている。デュプレックスポート408の各々は、2つのデュプレックス光ファイバコネクタ(以下「コネクタ(複数可)」)410のうちの対応するコネクタをその内部に受容するような大きさであり、別様に構成される。コネクタ410の各々は、デュプレックスミニLCコネクタを含み得る。
【0023】
コネクタ410の各々は、外側に、例えばコネクタ410の長さ方向に、コネクタ410のモジュール側端部から延在する2つのフェルールを含む。各々のコネクタ410のフェルールの一方は、ハウジング402内に配置された2つのTOSAのうちの対応するTOSAのポートに対して光学的に位置合わせされるように構成されている一方、各々のコネクタ410のフェルールの他方は、ハウジング402内に配置された2つのROSAのうちの対応するROSAのポートに対して光学的に位置合わせされるように構成されている。フェルールの各々は、対応するTOSAによって放射された光信号を光ネットワークへと運ぶため、または、光信号を光ネットワークからROSAのうちの対応するROSAへと運ぶための光ファイバを含み得る。フェルールの各々は、コネクタ410のファイバ側端部から外側に延在する4つの光ファイバ412(例えば、コネクタ410の各々から延在する2つの光ファイバ412)のうちの対応する光ファイバに対して光学的に位置合わせされている。TOSAに対して位置合わせされるフェルールに対して位置合わせされた光ファイバ412は、
図4Bにおいて「TX」とラベル付けされている一方、ROSAに対して位置合わせされるフェルールに対して位置合わせされた光ファイバ412は、
図4Bにおいて「RX」とラベル付けされている。
【0024】
TOSAおよびROSAは、
図4Bに示すように交互パターンで配置され得る。他の実施形態では、TOSAおよびROSAは、他のパターンで配置され得る。例えば、2つのTOSAは、互いに並んで配置され得、2つのROSAは、2つのTOSAの左または右のどちらかに互いに並んで配置され得る。あるいは、2つのTOSAは、2つのTOSAの両側に1つずつ配置されている2つのROSAの真ん中で互いに並んで配置され得る。あるいは、2つのROSAは、2つのROSAの両側に1つずつ配置されている2つのTOSAの真ん中で互いに並んで配置され得る。
【0025】
図4Bはさらに、
図4Aおよび
図4Bのモジュール400およびコネクタ410に関連する様々な測定値を示す。具体的には、モジュール幅w
moduleと称されるモジュール400の幅は、
図1Aおよび
図1Bと同様に18.35mmであり得、集約コネクタ幅w
connectorsと称される、間に空間を伴う両コネクタ410の幅は、約16mmであり得る。
図4Aおよび
図4Bのモジュール400の帯域幅は例えば、モジュール400がモジュール100の2倍の数のコネクタ410とインターフェースすることができる2倍の数のROSAおよびTOSAを含む限り、
図1Aおよび
図1Bのモジュール100の帯域幅の2倍であり得る。
【0026】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に従って構成された
図4Aおよび
図4Bのモジュール400のプルタブ404およびスライダ406の斜視図およびファイバ側端面図を含む。プルタブ404は、スライダ406のファイバ側端部の上部にオーバーモールドされたプラスチックまたはゴムを含み得、スライダ406は、成形された板金を含み得る。他の実施形態では、プルタブ404および/またはスライダ406は、プラスチック、ゴムおよび/または成形された板金以外の材料を含み得る。
【0027】
本例では、プルタブ404は、
図2Aおよび
図2Bの実装とは対照的に、スライダ406のファイバ側端部の側部または底部上にオーバーモールドされていない。スライダ406の側部にプルタブ404のプラスチックまたはゴム(または他の材料)が存在しないことにより、
図2Bに示すプルタブ104およびスライダ106の組合せの開口幅(例えば、プルタブ幅w
pull tab)と比較してプルタブ404およびスライダ406の組合せの開口幅が増大する。具体的には、スライダ幅w
sliderと称される
図5Bのプルタブ404およびスライダ406の組合せの開口幅は、
図2Bのプルタブ幅w
pull
tabについての約14.6mmに比べて約17.35mmであり得る。結果として、プルタブ404およびスライダ406を含むモジュール400は、プルタブ104およびスライダ106を伴うモジュール100によって収容可能な最大幅よりも大きな最大幅(例えば、複数のコネクタの集約において)を伴うより大きなコネクタおよび/または複数のコネクタを収容することができる。代替的に、破線502で示すように、1つ以上の切欠きまたは他の特徴がスライダ406に形成され得(以下「切欠き502」)、
図5Aおよび
図5Bのプルタブ404およびスライダ406の組合せによって収容されることができるよりもさらに大きな最大幅を収容する。
【0028】
図6Aおよび
図6Bは、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に従って構成された
図4Aおよび
図4Bの1つのコネクタ410および2つの光ファイバ412の斜視図およびモジュール側端面図を含む。コネクタ410のフェルールは、
図6Aおよび
図6Bにおいて602で示されている。フェルール602のそれぞれは、LC光ファイバコネクタに使用される標準LCフェルールを含み得る。
図6Bはさらに、コネクタ幅w
connectorと称されるコネクタ410の幅が約7mmであり得、フェルール602間のピッチ(例えば、中心から中心までの間隔)が約3.8mmであり得ることを示す。
【0029】
より詳細には、コネクタ410は、本体(またはハウジング)604を含む。フェルール602は、本体604の長さ方向に本体604のモジュール側端部から延在している。2つのフェルール602は、本体604の幅方向に互いに離間されている。2つのコネクタ410をモジュール400のファイバ側端部に収容できるように、コネクタ410の最大幅を、モジュール400のファイバ側端部の幅の半分以下(以内)に限定し得る。例えば、モジュール400が18.35mmのそのファイバ側端部の幅を伴うQSFPモジュールである場合、コネクタ410の最大幅を、8.5mm以下、または7.0mm以下、または8.5mm未満の何らかの他の値などの、18.35mmの半分以下とし得る。
【0030】
本明細書で使用されるように、コネクタ410の「最大幅」は、2つのデュプレックスポート408の一方で受容されるコネクタ410の部分の最大幅を指し得、任意選択的にはコネクタ410のラッチタブ606などのコネクタ410の他の部分への適用またはその包含を伴わずともよく、ラッチタブ606は、2つのデュプレックスポートの一方で受容されるコネクタ410の部分の最大幅よりも大きな幅を有し得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、コネクタ410は、本体604内に配置された2つのコイルばね(図示せず)、例えば、本体604内に配置された1つのフェルール602当たり1つのコイルばねを含む。コイルばねは、対応するTOSAまたはROSAに対して、または少なくともそれに向けて、フェルール602をバイアスするように構成され得る。コイルばねは、フェルール602と同軸であり得る。本体604内にコイルばねを収容するために、本体604は、本体604の2つの対向する側壁610に形成された2つの隆起キー608または側壁延長部を含み得る。隆起キー608のそれぞれは、2つの対向する側壁610のうちの対応する側壁から離れて延在し得る。
図4Aおよび
図4Bのモジュール400の2つのデュプレックスポート408の1つに受容されるように構成されたコネクタ410の部分の最大幅は、
図6Bにコネクタ幅w
connector測定値として示す、2つの隆起キー608の外表面間の距離を含み得る。2つの隆起キー608のそれぞれは、約0.5mmまたは何らかの他の量であり得るオフセット幅w
offsetだけ、2つの対向する側壁610のうちの対応する側壁に対して隆起し得る(例えば、そこから離れて延在し得る)。
【0032】
2つの隆起キー608により、本体604がその内部にコイルばねを収容することができる。2つの隆起キー608なしでは、コイルばねが少なくとも部分的に本体604の外部に露出されるかもしれない。同時に、対向する側壁610全体を外側に拡張するのではなく2つの隆起キー608を設けてコイルばねを内部に収容することによって、ハウジング402は、デュプレックスポート408のうちの対応するポートにコネクタ410を保持するために十分に強く作成され得る。
【0033】
より詳細には、
図7Aおよび
図7Bは、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に従って構成されたハウジング402の斜視図および断面図を含む。
図7Bはさらに、2つのコネクタ410の一方を含み、他方はハウジング402の様々な態様を視認可能とするために省略されている。
図7Aに示されているように、ハウジング402のファイバ側端部702は、2つのデュプレックスポート408をともに画定する側壁704、中央壁706および底壁708を含む。中央壁706は、代替的または追加的にデュプレックスポート408の各々についての側壁と称され得る。
【0034】
チャネル710または開口は、側壁704および中央壁706の各々に形成されている。チャネル710は、
図7Aにおいて側壁704および中央壁706の各々をすべて通って延在するが、他の実施形態では部分的にのみそれらを通って延在し得る。
図7Bに示すように、ハウジング402のチャネル710は、コネクタ410の隆起キー608を収容するように構成されている。特に、各コネクタ410の隆起キー608のうちの1つが、側壁704のうちの対応する側壁のチャネル710内に受容されるように構成されている一方、両コネクタ410の隆起キー608の他方は、中央壁706のチャネル内に受容されるように構成されている。
【0035】
したがって、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、小型フォームファクタ光モジュール(例えば、モジュール400)について高ポート密度光コネクタ(例えば、コネクタ410)を収容し得る。代替的にまたは追加的に、プルタブ404および/またはスライダ406の設計により、高密度アプリケーションにおける最大コネクタ本体幅が可能となる。(側部に沿ってオーバーモールドされたプルタブとは対照的に)モジュールハウジングの側部に沿ってスライダとして成形された板金により、コネクタについてより多くの空間が利用可能となる。代替的にまたは追加的に、本明細書に記載されるコネクタは、コネクタ本体内にコイルばねを収容するために隆起キーまたは側壁延長部を含み得る一方、スライダは、切欠き(例えば、切欠き502)を含み得、および/または、モジュールハウジングは、コネクタの隆起キーまたは側壁延長部を収容するために側壁または中央壁チャネル(例えば、チャネル710)を含み得る。
【0036】
図4A~
図7Bに関連して説明されたコネクタ410は、デュプレックスミニLCコネクタとして記載されている。本明細書に記載される原理は、LCコネクタに代えてまたはそれに加えて他の形式の光ファイバコネクタに適用され得、同様にそのような他の形式の光ファイバコネクタを小型化する。さらに、
図4A~
図4Bに関連して説明したモジュール400は、QSFPモジュールとして記載されている。本明細書に記載の原理は、他のフォームファクタを伴うモジュールおよび/または他のMSAに準拠したモジュールにも適用され得る。
【0037】
本明細書に記載のすべての例および条件付き言語は、当該技術の促進に発明者が貢献する本開示および概念を理解する上で読者を支援する教育的目的を意図し、そのような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、様々な変更、置換および改変を、本開示の精神および範囲を逸脱することなくこれに対して行えることが理解されるべきである。