(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示システム、及び移動体
(51)【国際特許分類】
H04N 13/385 20180101AFI20221117BHJP
H04N 13/315 20180101ALI20221117BHJP
H04N 13/361 20180101ALI20221117BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20221117BHJP
H04N 13/346 20180101ALI20221117BHJP
H04N 13/363 20180101ALI20221117BHJP
H04N 13/398 20180101ALI20221117BHJP
G02B 30/31 20200101ALI20221117BHJP
【FI】
H04N13/385
H04N13/315
H04N13/361
H04N13/366
H04N13/346
H04N13/363
H04N13/398
G02B30/31
(21)【出願番号】P 2020535768
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(86)【国際出願番号】 JP2019030775
(87)【国際公開番号】W WO2020031979
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2018149167
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】草深 薫
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-114793(JP,A)
【文献】特開2007-072217(JP,A)
【文献】特表2014-509465(JP,A)
【文献】国際公開第2015/174049(WO,A1)
【文献】特開平09-074574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/00
G02B 30/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレームを表示可能に構成される表示パネルと、
前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部及び減光部を形成可能に構成されるバリアパネルと、
前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成されるコントローラと
を備え、
前記表示パネルは、
第1表示領域
及び第2表示領域を形成可能に構成され、
利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成され、且つ、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成され、
利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成され、
前記バリアパネルは、
前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成され、
前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成され、
前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成され、
前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成され、
前記コントローラは、
前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成され、
利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成され、
前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成され、
前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成され、
前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成される、画像表示装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第1表示領域に、前記第1サブフレームに続いて前記第2サブフレームを表示させる場合、前記第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づいて、前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成され、
前記第1表示領域に、前記第2サブフレームに続いて前記第1サブフレームを表示させる場合、直前に表示させていた前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づかず、利用者の眼の位置に基づいて、前記
第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成される、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記視差画像フレームに含まれるサブフレームのフレームレート、及び、前記平面画像フレームのフレームレートは、同一となるように構成され、
前記コントローラは、前記第1表示領域において前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングを含むサブフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させないように構成されるものの、前記第2バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される、請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第2表示領域の少なくとも一部は、黒表示領域を含み、
前記コントローラは、前記バリアパネルに、前記第2バリア領域のうち前記黒表示領域に対応する領域に前記減光部を形成させるように構成される、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記平面画像フレーム毎に、利用者の眼の位置に基づいて、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を制御可能に構成される、請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記右眼画像は、前記第1サブフレームで表示される第1サブ右眼画像と、前記第2サブフレームで表示される第2サブ右眼画像とを含み、
前記左眼画像は、前記第1サブフレームで表示され、前記第1サブ右眼画像と重ならない第1サブ左眼画像と、前記第2サブフレームで表示され、前記第2サブ右眼画像と重ならない第2サブ左眼画像とを含み、
前記コントローラは、前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングにおいて、前記第1サブ右眼画像を表示していた領域に前記第2サブ左眼画像を表示するように構成され、前記第1サブ左眼画像を表示していた領域に前記第2サブ右眼画像を表示するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記表示パネルを制御する第1コントローラと、前記バリアパネルを制御する第2コントローラとを含み、
前記第1コントローラと前記第2コントローラとは、同期可能に構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
複数のフレームを表示可能に構成される表示パネルと、
前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部及び減光部を形成可能に構成されるバリアパネルと、
前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成されるコントローラと
を備える画像表示装置と、
反射部材と
を含み、
前記表示パネルは、
第1表示領域
及び第2表示領域を形成可能に構成され、
利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成され、且つ、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成され、
利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成され、
前記バリアパネルは、
前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成され、
前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成され、
前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成され、
前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成され、
前記コントローラは、
前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成され、
利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成され、
前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成され、
前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成され、
前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成され、
前記反射部材は、前記画像光を反射し、前記利用者の左眼及び右眼に到達させるように構成される
画像表示システム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第1表示領域に、前記第1サブフレームに続いて前記第2サブフレームを表示させる場合、前記第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づいて、前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成され、
前記第1表示領域に、前記第2サブフレームに続いて前記第1サブフレームを表示させる場合、直前に表示させていた前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づかず、利用者の眼の位置に基づいて、前記
第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成される、請求項8に記載の画像表示システム。
【請求項10】
前記視差画像フレームに含まれるサブフレームのフレームレート、及び、前記平面画像フレームのフレームレートは、同一となるように構成され、
前記コントローラは、前記第1表示領域において前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングを含むサブフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させないように構成されるものの、前記第2バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される、請求項8又は9に記載の画像表示システム。
【請求項11】
前記右眼画像は、前記第1サブフレームで表示される第1サブ右眼画像と、前記第2サブフレームで表示される第2サブ右眼画像とを含み、
前記左眼画像は、前記第1サブフレームで表示され、前記第1サブ右眼画像と重ならない第1サブ左眼画像と、前記第2サブフレームで表示され、前記第2サブ右眼画像と重ならない第2サブ左眼画像とを含み、
前記コントローラは、前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングにおいて、前記第1サブ右眼画像を表示していた領域に前記第2サブ左眼画像を表示するように構成され、前記第1サブ左眼画像を表示していた領域に前記第2サブ右眼画像を表示するように構成される、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の画像表示システム。
【請求項12】
複数のフレームを表示可能に構成される表示パネルと、
前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部及び減光部を形成可能に構成されるバリアパネルと、
前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成されるコントローラと
を備える画像表示装置と、
反射部材と
を含み、
前記表示パネルは、
第1表示領域
及び第2表示領域を形成可能に構成され、
利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成され、且つ、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成され、
利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成され、
前記バリアパネルは、
前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成され、
前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成され、
前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成され、
前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成され、
前記コントローラは、
前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成され、
利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成され、
前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成され、
前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成され、
前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成され、
前記反射部材は、前記画像光を反射し、前記利用者の左眼及び右眼に到達させるように構成される
画像表示システムを搭載している移動体。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記第1表示領域に、前記第1サブフレームに続いて前記第2サブフレームを表示させる場合、前記第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づいて、前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成され、
前記第1表示領域に、前記第2サブフレームに続いて前記第1サブフレームを表示させる場合、直前に表示させていた前記第2サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置に基づかず、利用者の眼の位置に基づいて、前記
第1サブフレームにおける前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域それぞれの位置を決定するように構成される、請求項12に記載の移動体。
【請求項14】
前記視差画像フレームに含まれるサブフレームのフレームレート、及び、前記平面画像フレームのフレームレートは、同一となるように構成され、
前記コントローラは、前記第1表示領域において前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングを含むサブフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させないように構成されるものの、前記第2バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される、請求項12又は13に記載の移動体。
【請求項15】
前記右眼画像は、前記第1サブフレームで表示される第1サブ右眼画像と、前記第2サブフレームで表示される第2サブ右眼画像とを含み、
前記左眼画像は、前記第1サブフレームで表示され、前記第1サブ右眼画像と重ならない第1サブ左眼画像と、前記第2サブフレームで表示され、前記第2サブ右眼画像と重ならない第2サブ左眼画像とを含み、
前記コントローラは、前記第1サブフレームから前記第2サブフレームに表示を変更するタイミングにおいて、前記第1サブ右眼画像を表示していた領域に前記第2サブ左眼画像を表示するように構成され、前記第1サブ左眼画像を表示していた領域に前記第2サブ右眼画像を表示するように構成される、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願へのクロスリファレンス】
【0001】
本出願は、日本国特許出願2018-149167号(2018年8月8日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、画像表示装置、画像表示システム、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、アクティブバリアによって利用者の両眼に対して視差画像を投影し、立体視を提供する画像表示装置が知られている。利用者の左眼及び右眼に投影される視差画像の有効画素数は、表示パネルの有効画素数の半分以下である。そこで、1セットで表示される偶数フレームと奇数フレームとで、利用者の左右の眼にそれぞれ投影される画像が交換されるようにアクティブバリアを駆動することによって、視差画像の有効画素数を増やす構成が知られている。この技術は、例えば、以下の論文に記載されている。
Ayuki Hayashishita, Hideki Kakeya, "Time-Division Multiplexing Parallax Barrier with Sub-Subpixel Phase Shift", SID 2018 DIGEST, P-88, 1515-1518
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態に係る画像表示装置は、表示パネルと、バリアパネルと、コントローラとを備える。前記表示パネルは、複数のフレームを表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部と減光部とを形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記表示パネルは、第1表示領域及び第2表示領域を形成可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記コントローラは、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成される。前記コントローラは、前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成される。
【0005】
本開示の一実施形態に係る画像表示システムは、画像表示装置と反射部材とを備える。前記画像表示装置は、表示パネルと、バリアパネルと、コントローラとを備える。前記表示パネルは、複数のフレームを表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部と減光部とを形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記表示パネルは、第1表示領域及び第2表示領域を形成可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記コントローラは、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成される。前記コントローラは、前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成される。前記反射部材は、前記画像光を反射し、前記利用者の左眼及び右眼に到達させるように構成される。
【0006】
本開示の一実施形態に係る移動体は、画像表示システムを搭載している。前記画像表示
システムは、画像表示装置と反射部材とを備える。前記画像表示装置は、表示パネルと、バリアパネルと、コントローラとを備える。前記表示パネルは、複数のフレームを表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記表示パネルに重なって位置し、前記表示パネルから射出される画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の右眼と左眼とに分ける、透光部と減光部とを形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記表示パネルは、第1表示領域及び第2表示領域を形成可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の右眼で視認される右眼画像を前記第1表示領域の右眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、前記利用者の左眼で視認される左眼画像を前記第1表示領域の左眼視認領域に表示可能に構成される。前記表示パネルは、利用者の両眼で視認される平面画像を前記第2表示領域に表示可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第1表示領域に対応する第1バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記右眼視認領域及び前記左眼視認領域が前記第1表示領域の異なる位置となるように、前記第1バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成するように構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に対応する第2バリア領域を形成可能に構成される。前記バリアパネルは、前記第2表示領域に表示されている前記平面画像に合わせて、前記第2バリア領域に前記透光部及び前記減光部を形成可能に構成される。前記コントローラは、前記表示パネルに連続する2枚のフレームを表示させる場合、前記第1表示領域に位置する部分を、第1サブフレーム及び第2サブフレームを含む1枚の視差画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、利用者が前記1枚の視差画像フレームに含まれる前記第1サブフレーム及び前記第2サブフレームそれぞれで表示される画像を合わせて1枚の視差画像として視認するように、前記表示パネル及び前記バリアパネルを制御可能に構成される。前記コントローラは、前記第1表示領域における視差画像の表示、及び、前記第1バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記視差画像フレーム毎に制御可能に構成される。前記コントローラは、前記視差画像フレームから新たな視差画像フレームに表示を変更するタイミングを含むフレーム変更期間に、前記第1バリア領域の全体に前記減光部を形成させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域に位置する部分を、2枚の平面画像フレームとして表示させるように構成される。前記コントローラは、前記第2表示領域における平面画像の表示、及び、前記第2バリア領域における前記透光部及び前記減光部の形成を、前記平面画像フレーム毎に制御可能に構成される。前記反射部材は、前記画像光を反射し、前記利用者の左眼及び右眼に到達させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す側面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、表示パネルの構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、バリアパネルの構成例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、利用者から見た画像表示装置の見え方の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、左眼画像に含まれるサブ左眼画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、右眼画像に含まれるサブ右眼画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1サブフレームにおける表示パネルの表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2サブフレームにおける表示パネルの表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1バリア領域の制御のタイミングを表すタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、第2バリア領域の制御のタイミングを表すタイミングチャートである。
【
図12】
図12は、一実施形態に係る画像表示システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び
図2に示されるように、一実施形態に係る画像表示装置10は、表示パネル20と、バリアパネル30と、コントローラ50とを備える。表示パネル20は、利用者に視認させる画像を表示可能に構成される。バリアパネル30は、表示パネル20から射出される画像光の一部を利用者の左眼5L及び右眼5Rのうち一方の眼に到達させ、画像光の他の一部を利用者の他方の眼に到達させるように構成される。つまり、バリアパネル30は、画像光の少なくとも一部の進行方向を利用者の左眼5Lと右眼5Rとに分けるように構成される。バリアパネル30は、利用者から見て、表示パネル20よりも近い側に位置してよいし、遠い側に位置してもよい。バリアパネル30によって限定された方向に進む画像光は、利用者の左眼5L及び右眼5Rそれぞれに異なる画像光として到達しうる。その結果、利用者は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれで異なる画像を視認しうる。つまり、画像表示装置10は、利用者の両眼に対して視差画像を投影するように構成されうる。視差画像は、利用者の左眼5L及び右眼5Rそれぞれに投影される別々の画像を含む画像であって、利用者の両眼に視差を与える画像であるとする。利用者は、左眼5Lと右眼5Rとで視差画像を見ることによって、画像を立体視できる。利用者の両眼に視差を与える方向は、視差方向ともいう。視差方向は、利用者の左眼5L及び右眼5Rが並ぶ方向に対応する。
【0009】
コントローラ50は、画像表示装置10の各構成部に接続され、各構成部を制御可能に構成される。コントローラ50は、第1コントローラ51と第2コントローラ52とを含んでよい。第1コントローラ51は、表示パネル20を制御可能に構成されてよい。第2コントローラ52は、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。第1コントローラ51と第2コントローラ52とは、同期可能に構成されてよい。第1コントローラ51及び第2コントローラ52は、マスタ及びスレーブの関係として制御可能に構成されてよい。第1コントローラ51及び第2コントローラ52の一方がマスタとして制御可能に構成されるとともに、他方がスレーブとして制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、第1コントローラ51及び第2コントローラ52の上位に位置し、第1コントローラ51及び第2コントローラ52を制御する上位コントローラをさらに含んでもよい。
【0010】
コントローラ50は、例えばプロセッサとして構成されてよい。コントローラ50は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ50は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ50は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、又は画像表示装置10の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納するように構成されてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ50のワークメモリとして機能するように構成されてよい。
【0011】
表示パネル20は、利用者の左眼5Lに視認させる複数の左眼画像23L(
図6参照)と、利用者の右眼5Rに視認させる複数の右眼画像23R(
図7参照)と、利用者の両眼に視認させる平面画像24(
図8参照)とを表示可能に構成される。表示パネル20は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶デバイスであってよい。表示パネル20は、有機EL(Electro-Luminescence)又は無機EL等の自発光デバイスであってもよい。表示パネル20が自発光デバイスである場合、バリアパネル30は、表示パネル20よりも利用者に近い側に位置する。
【0012】
図3に示されるように、表示パネル20は、第1表示領域21と、第2表示領域22とを形成可能に構成される。第1表示領域21は、利用者の左眼5Lで視認される複数の左眼視認領域21Lと、利用者の右眼5Rで視認される複数の右眼視認領域21Rとを含む。表示パネル20は、各左眼視認領域21Lに左眼画像23Lを表示可能に構成され、各右眼視認領域21Rに右眼画像23Rを表示可能に構成される。つまり、表示パネル20は、複数の左眼視認領域21Lと複数の右眼視認領域21Rとに視差画像を表示可能に構成される。複数の左眼視認領域21Lと複数の右眼視認領域21Rとは、X軸方向に並んでいる。本実施形態において、視差方向は、X軸方向に対応づけられるとする。X軸方向は、水平方向又は第1方向ともいう。Y軸方向は、垂直方向又は第2方向ともいう。左眼視認領域21Lと右眼視認領域21Rとは、
図3に例示されているように間隔をあけて位置していてもよいし、互いに隣接していてもよい。表示パネル20は、第2表示領域22に平面画像24を表示可能に構成される。
【0013】
複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rは、
図3に示されるように、Y軸方向に沿って延在してよいし、Y軸方向に対して所定角度で傾斜する方向に延在してもよい。言い換えれば、複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rは、視差方向に交差する方向に沿って延在してよい。複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rは、視差方向の成分を含む所定方向に沿って交互に並んでもよい。左眼視認領域21Lと右眼視認領域21Rとが交互に並ぶピッチは、視差画像ピッチともいう。
【0014】
バリアパネル30は、複数の左眼画像23Lに係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させるように構成されるとともに、複数の右眼画像23Rに係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させるように構成される。バリアパネル30は、アクティブバリアとして機能するように構成される。
【0015】
図4に示されるように、バリアパネル30は、第1バリア領域31と、第2バリア領域32とを形成可能に構成される。バリアパネル30が利用者から見て表示パネル20よりも近い側に位置する場合、バリアパネル30は、表示パネル20から射出される画像光の透過率を制御可能に構成される。第1バリア領域31は、第1表示領域21に対応し、第1表示領域21から射出される画像光の透過率を制御可能に構成される。第1バリア領域31は、複数の透光部31Tと、複数の減光部31Sとを形成可能に構成される。複数の透光部31Tは、表示パネル20からバリアパネル30に入射する光を透過させるように構成される。複数の透光部31Tは、第1透過率以上の透過率で光を透過させるように構成されてよい。第1透過率は、例えば100%であってよいし、100%に近い値であってよい。複数の減光部31Sは、表示パネル20からバリアパネル30に入射する光を減じるように構成される。複数の減光部31Sは、第2透過率以下の透過率で光を透過させるように構成されてよい。第2透過率は、例えば0%であってよいし、0%に近い値であってよい。第1透過率は、第2透過率よりも大きい。第1透過率は、複数の減光部31Sを透過した光と十分なコントラストが確保できる範囲であれば、50%より小さい値、例えば、10%などであってよい。第2透過率は、複数の透光部31Tを透過した光と十分なコントラストが確保できる範囲であれば、0%近傍より大きい値、例えば、10%などであってよい。十分なコントラストの比は、例えば100:1であってよい。
【0016】
バリアパネル30が利用者から見て表示パネル20よりも遠い側に位置する場合、バリアパネル30は、表示パネル20に入射する光の透過率を制御可能に構成される。複数の透光部31Tは、表示パネル20に入射する光を透過させるように構成される。複数の減光部31Sは、表示パネル20に入射する光を減じるように構成される。このようにすることで、第1バリア領域31は、第1表示領域21に入射する光の透過率を制御可能に構成される。表示パネル20から射出される画像光の強度は、入射する光の強度に基づいて制御される。表示パネル20から射出される画像光の進行方向は、入射する光の進行方向に基づいて制御される。
【0017】
バリアパネル30は、複数の左眼画像23Lに係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させるように構成されるとともに、複数の右眼画像23Rに係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させるように、複数の透光部31Tを形成するように構成される。バリアパネル30は、複数の左眼画像23Lに係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させない又は到達させにくくするとともに、複数の右眼画像23Rに係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させない又は到達させにくくするように複数の減光部31Sを形成するように構成される。バリアパネル30は、利用者が右眼5Rで複数の右眼画像23Rを視認する一方で、左眼5Lで複数の右眼画像23Rを視認しない又は視認しにくくなるように構成されうる。バリアパネル30は、利用者が左眼5Lで複数の左眼画像23Lを視認する一方で、右眼5Rで複数の左眼画像23Lを視認しない又は視認しにくくなるように構成されうる。バリアパネル30は、複数の左眼画像23L及び複数の右眼画像23Rを含む視差画像に係る画像光の方向を規定するように複数の透光部31T及び複数の減光部31Sを形成するように構成される。
【0018】
バリアパネル30は、複数の透光部31Tと複数の減光部31SとがX軸方向に交互に並ぶように複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成される。バリアパネル30は、複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとの境界が
図4に例示されているようにY軸方向に沿ったりY軸方向に対して所定角度で傾斜する方向に沿ったりするように複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成されてもよい。バリアパネル30は、複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとの境界が視差方向に交差する方向に沿うように複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成されてもよい。言い換えれば、バリアパネル30は、複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとが視差方向の成分を含む所定方向に沿って交互に並ぶように複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成されてよい。
【0019】
複数の透光部31T及び複数の減光部31Sの形状は、複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rの形状に基づいて定まってよい。逆に言えば、複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rの形状は、複数の透光部31T及び複数の減光部31Sの形状に基づいて定まってよい。
【0020】
第2バリア領域32は、第2表示領域22に対応し、第2表示領域22から射出される画像光の透過率を制御可能に構成される。
【0021】
バリアパネル30は、液晶シャッターで構成されてよい。液晶シャッターは、印加する電圧に基づいて光の透過率を制御可能に構成されうる。液晶シャッターは、複数の画素で構成され、各画素における光の透過率を制御可能に構成されてよい。液晶シャッターは、光の透過率が高い領域又は光の透過率が低い領域を任意の形状に形成可能に構成されてよい。バリアパネル30が液晶シャッターで構成される場合、複数の透光部31Tは、第1透過率以上の透過率を有してよい。バリアパネル30が液晶シャッターで構成される場合、複数の減光部31Sは、第2透過率以下の透過率を有してよい。
【0022】
表示パネル20及びバリアパネル30はそれぞれ、複数の画素を有する。表示パネル20の複数の画素の配列ピッチと、バリアパネル30の複数の画素の配列ピッチとは、同じであってよいし、異なっていてもよい。本実施形態において、表示パネル20の複数の画素の配列ピッチと、バリアパネル30の複数の画素の配列ピッチとは同じであるとする。この場合、表示パネル20の各画素とバリアパネル30の各画素とが対応づけられる。バリアパネル30の各画素は、複数の透光部31T及び複数の減光部31Sのいずれかに制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、表示パネル20の各画素の制御と、それに対応づけられるバリアパネル30の各画素の制御とを同期可能に構成されてよい。互いに対応づけられる表示パネル20及びバリアパネル30の各画素の制御が同期可能に構成されることによって、画質が向上しうる。
【0023】
第2表示領域22に含まれる複数の画素の少なくとも一部は、黒を表示可能に構成されてもよい。黒を表示している画素で形成される領域は、黒表示領域ともいう。コントローラ50は、バリアパネル30において、第2表示領域22に含まれる黒表示領域に対応する領域に複数の減光部31Sを形成させるように構成されてよい。このようにすることで、黒表示領域における画像光の透過率がより一層低くなる。その結果、黒表示領域は、利用者から見てより一層黒く見える。
【0024】
図5に例示される構成において、バリアパネル30は、利用者の左眼5L及び右眼5Rと、表示パネル20との間に位置する。バリアパネル30は、利用者から見て表示パネル20より遠い側に位置してもよい。バリアパネル30は、表示パネル20に沿って位置する。バリアパネル30は、表示パネル20に重なって位置するともいえる。
【0025】
利用者の左眼5L及び右眼5Rとバリアパネル30との間の距離は、観察距離ともいい、Pとして表されている。透光部31Tと減光部31SとがX軸方向に交互に並ぶピッチは、バリアピッチともいう。左眼5Lと右眼5Rとの間の距離は、眼間距離ともいい、Eとして表されている。バリアパネル30と表示パネル20との間の距離は、ギャップともいい、gとして表されている。
【0026】
表示パネル20は、複数の透光部31Tを介して利用者の左眼5Lから視認可能な複数の左眼視認領域21Lと、複数の減光部31Sによって利用者の左眼5Lから視認できなくなっている又は視認しにくくなっている複数の左眼非視認領域22Lとを形成するように構成される。表示パネル20は、複数の左眼視認領域21Lと複数の左眼非視認領域22LとがX軸方向に交互に並ぶように複数の左眼視認領域21Lと複数の左眼非視認領域22Lとを形成するように構成される。左眼視認領域21Lと左眼非視認領域22Lとの境界の位置は、透光部31Tと減光部31Sとの間の境界の位置と、バリアパネル30から利用者の両眼までの距離(P)と、ギャップ(g)とによって定まる。
【0027】
表示パネル20は、複数の透光部31Tを介して利用者の右眼5Rから視認可能な複数の右眼視認領域21Rと、複数の減光部31Sによって利用者の右眼5Rから視認できなくなっている又は視認しにくくなっている複数の右眼非視認領域22Rとを形成するように構成される。表示パネル20は、複数の右眼視認領域21Rと複数の右眼非視認領域22RとがX軸方向に交互に並ぶように複数の右眼視認領域21Rと複数の右眼被視認領域22Rとを形成するように構成される。右眼視認領域21Rと右眼非視認領域22Rとの境界の位置は、透光部31Tと減光部31Sとの間の境界の位置と、バリアパネル30から利用者の両眼までの距離(P)と、ギャップ(g)とによって定まる。
【0028】
表示パネル20は、各左眼画像23Lが各左眼視認領域21Lに一致するように、視差画像を表示可能に構成されてよい。表示パネル20は、各右眼画像23Rが各右眼視認領域21Rに一致するように、視差画像を表示可能に構成されてよい。つまり、表示パネル20は、透光部31Tと減光部31Sとの間の境界の位置と、バリアパネル30から利用者の両眼までの距離(P)と、ギャップ(g)とに基づいて、視差画像を表示可能に構成されてよい。
【0029】
複数の左眼視認領域21Lと複数の右眼視認領域21RとがX軸方向に沿って少なくとも一部で重複する場合、複数の左眼画像23Lの一部が右眼5Rに投影されたり、複数の右眼画像23Rの一部が左眼5Lに投影されたりする、クロストークが発生しうる。クロストークは、利用者に対して投影される視差画像の画質を悪化させる。
【0030】
複数の左眼視認領域21Lと複数の右眼視認領域21Rとが互いに重複せずにX軸方向に交互に並ぶ場合、左眼5Lが複数の左眼画像23Lだけを視認しうるとともに、右眼5Rが複数の右眼画像23Rだけを視認しうる。つまり、バリアパネル30は、複数の左眼視認領域21Lと複数の右眼視認領域21Rとが第1表示領域21の異なる位置となるように、第1バリア領域31に複数の透光部31T及び複数の減光部31Sを形成するように構成される。この場合、クロストークが低減されうる。左眼5L及び右眼5Rがそれぞれ複数の左眼画像23L及び複数の右眼画像23Rだけを視認できる状態は、観察距離(P)が適視距離(OVD:Optimal Viewing Distance)である場合に実現されうる。適視距離は、眼間距離(E)とギャップ(g)とバリアピッチと視差画像ピッチとに基づいて決定される。言い換えれば、コントローラ50は、観察距離(P)がOVDとなるように、表示パネル20とバリアパネル30とを制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、観察距離(P)がOVDとなるように、バリアパネル30における複数の透光部31T及び複数の減光部31Sの形状及び位置と、表示パネル20に表示させる複数の右眼画像23R及び複数の左眼画像23Lの形状及び位置とを制御可能に構成されてよい。
【0031】
画像表示装置10は、利用者の眼の位置を取得するカメラ等の構成をさらに備えてもよい。コントローラ50は、利用者の眼の位置に基づいて、表示パネル20とバリアパネル30とを制御可能に構成されてよい。コントローラ50が利用者の眼の位置に基づいて第1表示領域21と第1バリア領域31とを制御可能に構成されることによって、クロストークがより一層低減されうる。コントローラ50が利用者の眼の位置に基づいて第2表示領域22と第2バリア領域32とを制御可能に構成されることによって、黒表示領域が利用者から見てより一層黒く見える。
【0032】
表示パネル20は、表示する画像を逐次更新可能に構成される。表示パネル20が表示画像を更新する場合、表示パネル20が動画を表示しているとみなされうる。表示パネル20は、複数のフレームを順次表示可能に構成されることによって、動画を表示しうる。本実施形態において、表示パネル20の表示領域全体が1枚のフレームとみなされる。表示領域全体が1枚のフレームである場合、表示パネル20は、表示面の全面に表示する画像を順次更新可能に構成されることによって、複数のフレームを順次表示可能に構成される。表示パネル20が単位時間に表示するフレームの数は、フレームレートともいう。フレームレートは、表示パネル20が1秒間に表示するフレームの数として表されてよい。
【0033】
表示パネル20は、第1表示領域21に表示する複数の右眼画像23Rと複数の左眼画像23Lとを含む視差画像と、第2表示領域22に表示する平面画像24とを合わせて、1枚のフレームとして表示可能に構成される。
【0034】
視差画像は、
図6に例示される複数の左眼画像23Lの少なくとも一部と、
図7に例示される複数の右眼画像23Rの少なくとも一部とを含む。
【0035】
図6に例示される複数の左眼画像23Lは、複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第2サブ左眼画像232Lとを含む。複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第2サブ左眼画像232Lとは、互いに重ならない。本実施形態において、複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第2サブ左眼画像232Lとは、Y軸方向に延在し、各左眼画像23Lの中でX軸方向に交互に並ぶとする。第1サブ左眼画像231L及び第2サブ左眼画像232LそれぞれのX軸方向の画素数は、左眼画像23LのX軸方向の画素数に対して、1/2以下になっているとする。言い換えると、フル画素の左眼画像23Lは、フル画素の半分以下の画素数の、第1サブ左眼画像231Lと第2サブ左眼画像232Lとに分けられる。第1サブ左眼画像231Lの画素数は、第2サブ左眼画像232Lの画素数と異なりうる。
【0036】
図7に例示される複数の右眼画像23Rは、複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとを含む。複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとは、互いに重ならない。本実施形態において、複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとは、Y軸方向に延在し、各右眼画像23Rの中でX軸方向に交互に並ぶとする。第1サブ右眼画像231R及び第2サブ右眼画像232RそれぞれのX軸方向の画素数は、右眼画像23RのX軸方向の画素数に対して、1/2以下になっているとする。言い換えると、フル画素の右眼画像23Rは、フル画素の半分以下の画素数の、第1サブ右眼画像231Rと第2サブ右眼画像232Rとに分けられる。第1サブ右眼画像231Rの画素数は、第2サブ右眼画像232Rの画素数と異なりうる。
【0037】
複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第1サブ右眼画像231Rとは、互いに重ならない。このようにすることで、表示パネル20は、複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第1サブ右眼画像231Rとを同時に表示可能に構成される。複数の第2サブ左眼画像232Lと複数の第2サブ右眼画像232Rとは、互いに重ならない。このようにすることで、表示パネル20は、複数の第2サブ左眼画像232Lと複数の第2サブ右眼画像232Rとを同時に表示可能に構成される。
【0038】
図8に示されるように、コントローラ50は、表示パネル20に、複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第1サブ右眼画像231Rとを1枚の視差画像として第1表示領域21に含むフレームを表示させるように構成される。コントローラ50は、表示パネル20において、複数の第1サブ左眼画像231Lの表示領域が複数の左眼視認領域21Lを含み、且つ、複数の第1サブ右眼画像231Rの表示領域が複数の右眼視認領域21Rを含むように、バリアパネル30の第1バリア領域31を制御可能に構成される。コントローラ50は、複数の第1サブ左眼画像231L及び複数の第1サブ右眼画像231Rそれぞれの表示領域が複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rと一致するように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rが複数の第1サブ左眼画像231L及び複数の第1サブ右眼画像231Rそれぞれの表示領域を含むように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。
【0039】
図9に示されるように、コントローラ50は、表示パネル20に、複数の第2サブ左眼画像232Lと複数の第2サブ右眼画像232Rとを1枚の視差画像として第1表示領域21に含むフレームを表示させるように構成される。コントローラ50は、表示パネル20において、複数の第2サブ左眼画像232Lの表示領域が複数の左眼視認領域21Lを含み、且つ、複数の第2サブ右眼画像232Rの表示領域が複数の右眼視認領域21Rを含むように、バリアパネル30の第1バリア領域31を制御可能に構成される。コントローラ50は、複数の第2サブ左眼画像232L及び複数の第2サブ右眼画像232Rそれぞれの表示領域が複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rと一致するように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、複数の左眼視認領域21L及び複数の右眼視認領域21Rが複数の第2サブ左眼画像232L及び複数の第2サブ右眼画像232Rそれぞれの表示領域を含むように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。
【0040】
利用者が
図8のフレームと
図9のフレームとをそれぞれ単独で見た場合、利用者は、複数の左眼画像23Lとして、複数の第1サブ左眼画像231L及び複数の第2サブ左眼画像232Lの一方を視認する。利用者は、複数の右眼画像23Rとして、複数の第1サブ右眼画像231R及び複数の第2サブ右眼画像232Rの一方を視認する。この場合、利用者が視認する複数の左眼画像23L及び複数の右眼画像23RそれぞれのX軸方向の画素数は、フル画素の1/2倍以下になっている。
【0041】
利用者が
図8のフレームと
図9のフレームとを合わせて見ることができる場合、利用者は、複数の第1サブ左眼画像231Lと複数の第2サブ左眼画像232Lとを合わせた複数の左眼画像23Lを視認できる。利用者が視認する複数の左眼画像23Lは、複数の第1サブ左眼画像231L及び複数の第2サブ左眼画像232Lの各々より大きな画素とされうる。利用者が視認する複数の左眼画像23Lはフル画素とされうる。利用者は、複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとを合わせた右眼画像23Rを視認できる。利用者が視認する複数の右眼画像23Rは、複数の第1サブ右眼画像231R及び複数の第2サブ右眼画像232Rの各々より大きな画素とされうる。利用者が視認する複数の右眼画像23Rはフル画素とされうる。
【0042】
コントローラ50は、
図8のフレームと
図9のフレームとを連続する2枚のフレームとして表示パネル20に表示されることによって利用者に視認させるように、表示パネル20及びバリアパネル30を制御可能に構成される。このようにすることで、利用者は、1枚目に表示されたフレームの残像と、2枚目に表示されているフレームの画像とを合わせて1枚の画像として視認しうる。その結果、ある実施形態において、利用者は、フル画素の左眼画像23Lとフル画素の右眼画像23Rとが両方とも表示されているように認識しうる。利用者の眼における残像を利用した画像の合成は、人感合成ともいう。
【0043】
コントローラ50は、
図8のフレームと
図9のフレームとを、連続する2枚のフレームとして表示パネル20に表示させる場合、第1表示領域21に位置する部分を2枚のサブフレームとして表示させるように構成される。サブフレームは、視差画像を含む。
図8のフレームのうち、第1表示領域21に位置する部分は、第1サブフレームともいう。
図9のフレームのうち、第1表示領域21に位置する部分は、第2サブフレームともいう。コントローラ50は、1枚のフレームが2枚のサブフレームを含むように、表示パネル20にフレームを表示させるように構成される。つまり、コントローラ50は、第1表示領域21に連続して表示する2枚のフレームを、第1サブフレームと第2サブフレームとを含む1枚の視差画像フレームとして表示パネル20に表示させるように構成される。コントローラ50は、第1表示領域21に表示されている視差画像に合わせて、第1バリア領域31を制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、第1バリア領域31によって形成されている複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lに合わせて、第1表示領域21に表示させる視差画像を制御可能に構成されてよい。
【0044】
コントローラ50は、第1サブフレームから第2サブフレームに表示を変更するタイミングにおいて、複数の第1サブ右眼画像231Rを表示していた領域に複数の第2サブ左眼画像232Lを表示させるように構成されてよい。コントローラ50は、同じタイミングで、複数の第1サブ左眼画像231Lを表示していた領域に複数の第2サブ右眼画像232Rを表示させるように構成されてよい。このようにすることで、複数の左眼画像23L及び複数の右眼画像23Rそれぞれの表示位置が交換されうる。複数の左眼画像23Lの表示位置は、複数の左眼画像23Lの表示属性に含まれる。複数の右眼画像23Rの表示位置は、複数の右眼画像23Rの表示属性に含まれる。
【0045】
コントローラ50は、表示するフレームのうち、第2表示領域22に位置する部分に平面画像24を含む平面画像フレームを表示させるように構成される。コントローラ50は、第2表示領域22に表示されている平面画像24に合わせて、バリアパネル30の第2バリア領域32を制御可能に構成される。
【0046】
コントローラ50は、
図8のフレームと
図9のフレームとを、連続する2枚のフレームとして表示パネル20に表示させる場合、第2表示領域22に位置する部分を、連続する2枚の平面画像フレームとして制御可能に構成される。
【0047】
1枚のフレームは、第1表示領域21と第2表示領域22とに同時に表示されるように構成される。つまり、第1表示領域21に表示する部分におけるフレームレートと、第2表示領域22に表示する部分におけるフレームレートとは同一となるように構成される。第1表示領域21に表示される視差画像フレームのサブフレームのフレームレートは、第2表示領域22に表示される平面画像フレームのフレームレートと同一となるように構成される。言い換えれば、第1表示領域21に表示される視差画像フレームのフレームレートは、第2表示領域22に表示される平面画像フレームのフレームレートの1/2倍となるように構成される。
【0048】
本実施形態に係る画像表示装置10は、第1表示領域21において、利用者の各々の眼にフル画素からの画像劣化が少ない視差画像を視認させるように構成されうるとともに、第2表示領域22において、利用者に大きいフレームレートの平面画像24を視認させるように構成されうる。その結果、画像表示装置10の画質が向上する。
【0049】
コントローラ50は、第1サブフレーム及び第2サブフレームそれぞれにおいて第1表示領域21で複数の右眼視認領域21Rが形成されるように、バリアパネル30の複数の透光部31T及び複数の減光部31Sを制御可能に構成される。コントローラ50は、第1サブフレームで形成される複数の右眼視認領域21Rと第2サブフレームで形成される複数の右眼視認領域21Rとが互いに重ならないように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、第1サブフレーム及び第2サブフレームそれぞれにおいて第1表示領域21で複数の左眼視認領域21Lが形成されるように、バリアパネル30の複数の透光部31T及び複数の減光部31Sを制御可能に構成される。コントローラ50は、第1サブフレームで形成される複数の左眼視認領域21Lと第2サブフレームで形成される複数の左眼視認領域21Lとが互いに重ならないように、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。コントローラ50は、形成された複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lに合わせて、表示パネル20に複数の右眼画像23R及び複数の左眼画像23Lを表示させるように構成されてよい。
【0050】
本実施形態において、コントローラ50は、1枚の視差画像フレームを表示している間、新たな視差画像フレームを表示するまで、利用者の眼の位置が同じであるとして、表示パネル20及びバリアパネル30を制御可能に構成されてよい。つまり、第1サブフレームと第2サブフレームとで利用者の眼の位置が異なる場合において、それぞれのサブフレームにおける眼の位置が同じであるとして、複数の右眼視認領域21Rが形成されるように構成されてよい。
【0051】
コントローラ50は、表示パネル20に第1サブフレームに続いて同じ視差画像フレームに含まれる第2サブフレームを表示させる場合、第1サブフレームにおける複数の右眼視認領域21Rの位置に基づいて、第2サブフレームにおける複数の右眼視認領域21Rの位置を決定可能に構成されてよい。この場合、コントローラ50は、利用者の眼の位置に基づかずに、複数の右眼視認領域21Rの位置を決定可能に構成される。
【0052】
コントローラ50は、表示パネル20に第2サブフレームに続いて新たな視差画像フレームの第1サブフレームを表示させる場合、第2サブフレームにおける複数の右眼視認領域21Rの位置に基づかず、第1サブフレームにおける複数の右眼視認領域21Rの位置を決定可能に構成されてよい。この場合、コントローラ50は、直前に表示していた第2サブフレームにおける複数の右眼視認領域21Rの位置に基づかず、利用者の眼の位置に基づいて、複数の右眼視認領域21Rの位置を決定可能に構成される。
【0053】
仮に、第1サブフレームと第2サブフレームとで利用者の眼の位置が異なる場合において、それぞれのサブフレームにおける眼の位置に基づいて複数の右眼視認領域21Rが形成可能に構成されるとする。この場合、第1サブフレームで表示される複数の第1サブ右眼画像231R、及び、第2サブフレームで表示される複数の第2サブ右眼画像232Rの少なくとも一方は、複数の右眼視認領域21Rに対してずれて表示される現象が起こりうる。この現象は、複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとが互いに重ならないことに起因する。この現象が発生した場合、クロストークが発生する。
【0054】
利用者の眼の位置の変化に応じて、複数の第2サブ右眼画像232Rが変更される場合、複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第2サブ右眼画像232Rとが少なくとも一部で重複する。その結果、利用者から見た複数の右眼画像23Rの画質が低下する。
【0055】
ここまで、右眼5Rに関する説明として、複数の右眼視認領域21Rにおける複数の右眼画像23Rの表示態様が説明されてきたが、複数の左眼視認領域21Lにおける複数の左眼画像23Lの表示態様は、右眼5Rに関する説明と同一又は類似に説明されうる。
【0056】
本実施形態に係る画像表示装置10によれば、1枚の視差画像フレームが表示されている間、利用者の眼の位置が同じであるとしてコントローラ50が表示パネル20及びバリアパネル30を制御可能に構成される。このようにすることで、クロストークが発生しにくくなるとともに、利用者から見た画像の質が低下しにくくなる。
【0057】
コントローラ50は、第1表示領域21に位置する部分を、第1サブフレームと第2サブフレームとを含む1枚の視差画像フレームとして表示パネル20に表示させるように構成される。コントローラ50は、第1表示領域21に対応する第1バリア領域31を、サブフレームの変更、及び、視差画像フレームの変更に合わせて制御可能に構成される。つまり、コントローラ50は、第1バリア領域31をサブフレーム毎に制御可能に構成される。コントローラ50は、
図10に示されるように、各サブフレームを2つの期間に分けて、第1バリア領域31を制御可能に構成されてよい。
図10において、期間が右方向に位置するほど、時刻が進んでいるとする。コントローラ50は、第1サブフレームを表示している期間をP1及びP2で表される2つの期間に分けて、第1バリア領域31を制御可能に構成されてよい。P1で表される期間は、第1サブフレームの開始から所定の時間が経過するまでの期間に対応する。P2で表される期間は、P1で表される期間の終了から第1サブフレームの終了までの期間に対応し、第1サブフレームから第2サブフレームへの変更のタイミングを含む。P2で表される期間は、サブフレーム変更期間ともいう。コントローラ50は、第2サブフレームを表示している期間をP3及びP4で表される2つの期間に分けて、第1バリア領域31を制御可能に構成されてよい。P3で表される期間は、第2サブフレームの開始から所定の時間が経過するまでの期間に対応する。P4で表される期間は、P3で表される期間の終了から第2サブフレームの終了までの期間に対応し、第2サブフレームから第1サブフレームへの変更のタイミングを含む。つまり、P4で表される期間は、表示中の視差画像フレームから新たな視差画像フレームへの変更のタイミングを含む。P4で表される期間は、フレーム変更期間ともいう。コントローラ50は、1枚の視差画像フレームを表示している期間をP1からP4までで表される4つの期間に分けて第1バリア領域31を制御可能に構成されてよい。
【0058】
コントローラ50は、P1で表される期間において、第1サブフレームに対応する複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lが形成されるように、第1バリア領域31に複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成される。つまり、コントローラ50は、第1表示領域21に表示される複数の第1サブ右眼画像231Rと複数の第1サブ左眼画像231Lとに対応する、複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lを第1表示領域21に形成するように構成される。
【0059】
コントローラ50は、P2で表される期間において、P1で表される期間におけるバリアパネル30の第1バリア領域31の状態を維持するように構成される。
【0060】
コントローラ50は、P3で表される期間において、第2サブフレームに対応する複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lが形成されるように、第1バリア領域31に複数の透光部31Tと複数の減光部31Sとを形成するように構成される。つまり、コントローラ50は、第1表示領域21に表示される複数の第2サブ右眼画像232Rと複数の第2サブ左眼画像232Lとに対応する、複数の右眼視認領域21R及び複数の左眼視認領域21Lを第1表示領域21に形成するように構成される。
【0061】
コントローラ50は、P4で表される期間において、第1バリア領域31の全体に減光部31Sを形成し、第1バリア領域31の全体を黒表示にするように構成される。P4で表される期間に付されている斜線のハッチングは、第1バリア領域31の全体を黒表示にすることに対応している。
【0062】
コントローラ50は、P4で表される期間の制御を終了し、1つの視差画像フレームの表示を終了するように構成される。コントローラ50は、新たにP1で表される期間の制御を開始し、新たな視差画像フレームを表示するように構成される。表示される視差画像フレームが切り替えられるタイミングの前に、第1バリア領域31の全体が黒表示にされることによって、利用者は、切り替えられる前に表示されていたフレームの残像を感じにくくなる。その結果、画質が向上する。
【0063】
コントローラ50は、P4で表される期間において、第1バリア領域31の各画素の透過率を、複数の透光部31Tにおける透過率よりも低く設定するように構成されてよい。第1バリア領域31の透過率が複数の透光部31Tにおける透過率よりも低くされることによっても、利用者は、切り替えられる前に表示されていたフレームの残像を感じにくくなる。その結果、画質が向上する。
【0064】
コントローラ50は、P2で表される期間において、第1バリア領域31の状態を維持するように構成される。つまり、コントローラ50は、第1サブフレームから第2サブフレームへ切り替えられるタイミングの前に、第1バリア領域31を黒表示にしたり、第1バリア領域31の透過率を低くしたりしないように構成される。このようにすることで、利用者は、第1サブフレームで表示されていた画像の残像を感じやすくなる。このようにすることで、利用者は、第1サブフレームの残像と、第2サブフレームで表示されている実像とを合成した、フル画素の右眼画像23R及び左眼画像23Lを両方とも視認しているように感じる。その結果、画質が向上する。
【0065】
コントローラ50は、視差画像フレームを4つに分けた期間毎にバリアパネル30を制御可能に構成されることによって、利用者がサブフレーム間の残像を感じやすくなる状況を生成するように構成されるとともに、利用者が視差画像フレーム間の残像を感じにくくなる状況を生成するように構成される。その結果、画質が向上する。
【0066】
コントローラ50は、第2表示領域22に位置する部分に平面画像24を含む平面画像フレームを表示するように構成される。コントローラ50は、第2表示領域22に対応する第2バリア領域32を、平面画像フレームの変更に合わせて制御可能に構成される。つまり、コントローラ50は、第2バリア領域32を平面画像フレーム毎に制御可能に構成される。コントローラ50は、
図11に示されるように、各平面画像フレームを2つの期間に分けて制御可能に構成されてよい。
図11において、期間が右方向に位置するほど、時刻が進んでいるとする。コントローラ50は、平面画像フレームを表示している期間をP5及びP6で表される2つの期間に分けて、バリアパネル30を制御可能に構成されてよい。P5で表される期間は、平面画像フレームの開始から所定の時間が経過するまでの期間に対応する。P6で表される期間は、P5で表される期間の終了から平面画像フレームの終了までの期間に対応し、表示中の平面画像フレームから新たな平面画像フレームへの変更のタイミングを含む。
【0067】
コントローラ50は、P5で表される期間において、平面画像フレームに表示されている平面画像24に含まれる黒表示に対応するように、第2バリア領域32に減光部31Sを形成するように構成される。
【0068】
コントローラ50は、P6で表される期間において、第2バリア領域32の全体に減光部31Sを形成し、第2バリア領域32の全体を黒表示にするように構成される。P6で表される期間に付されている斜線のハッチングは、第2バリア領域32の全体を黒表示にすることに対応している。
【0069】
コントローラ50は、P6で表される期間の制御を終了し、1つの平面画像フレームの表示を終了するように構成される。コントローラ50は、新たにP5で表される期間の制御を開始し、新たな平面画像フレームを表示するように構成される。表示される平面画像フレームが切り替えられるタイミングの前に、第2バリア領域32の全体が黒表示にされることによって、利用者は、一時的に黒画像を視認する。利用者は、一時的に黒画像を視認することによって、切り替えられる前に表示されていたフレームの残像を感じにくくなる。その結果、画質が向上する。
【0070】
コントローラ50は、P6で表される期間において、第2バリア領域32の各画素の透過率を、複数の透光部31Tにおける透過率よりも低く設定するように構成されてよい。第2バリア領域32の透過率が複数の透光部31Tにおける透過率よりも低くされることによって、利用者が視認する画像の輝度が一時的に低下する。画像の輝度が一時的に低下することによって、利用者は、切り替えられる前に表示されていたフレームの残像を感じにくくなる。その結果、画質が向上する。画像の輝度が低下している表示状態は、低輝度表示ともいう。
【0071】
コントローラ50は、平面画像フレームを2つに分けた期間毎にバリアパネル30を制御可能に構成されることによって、利用者が平面画像フレーム間の残像を感じにくくなる状況を生成しうる。その結果、画質が向上する。
【0072】
第2バリア領域32を制御するP5で表される期間は、第1バリア領域31を制御するP1で表される期間及びP3で表される期間のいずれかと一致するように構成される。第2バリア領域32を制御するP6で表される期間は、第1バリア領域31を制御するP2で表される期間及びP4で表される期間のいずれかと一致するように構成される。P6で表される期間は、平面画像フレーム変更期間ともいう。平面画像フレーム変更期間は、サブフレーム変更期間及びフレーム変更期間のいずれかと一致するように構成される。
【0073】
コントローラ50は、フレーム変更期間において、第1バリア領域31の全体を黒表示又は低輝度表示にするように構成されるとともに、第2バリア領域32の全体を黒表示又は低輝度表示にするように構成される。コントローラ50は、サブフレーム変更期間において、第1バリア領域31を黒表示にも低輝度表示にもしないように構成されるものの、第2バリア領域32の全体を黒表示又は低輝度表示にするように構成される。このようにすることで、利用者がサブフレーム間の残像を感じやすくなるとともに、利用者が視差画像フレーム間及び平面画像フレーム間の残像を感じにくくなる。その結果、画質が向上する。
【0074】
バリアパネル30の制御の単位となる期間は、同じ長さとなるように構成されてよいし、異なる長さとなるように構成されてもよい。コントローラ50が周期的な信号であるクロック信号に基づいて動作可能に構成される場合、バリアパネル30の制御の単位となる期間は、同じ長さとなるように構成されやすい。コントローラ50は、各期間の長さを異ならせるために、イネーブル信号と組み合わせて、バリアパネル30の各画素の状態を制御可能に構成されてよい。イネーブル信号は、各画素の状態を実際に変更するタイミングを制御するために用いられてよい。コントローラ50は、P5及びP6それぞれで表される期間における各画素の状態に関する情報を、クロック信号に基づくタイミングで予め書き込んでおくように構成されてよい。コントローラ50は、イネーブル信号が入力されるタイミングで、予め書き込まれている情報を各画素の状態に反映させるように構成されてよい。情報が予め書き込まれるタイミングに対して、イネーブル信号が入力されるタイミングが遅れるほど、その期間の開始が遅くなる。その結果、その期間が短くなる。例えば、P6で表される期間におけるイネーブル信号の入力のタイミングが、P5で表される期間におけるイネーブル信号の入力のタイミングより遅くなることによって、P6で表される期間は、P5で表される期間より短くされうる。
【0075】
コントローラ50は、バリアパネル30の各画素を、最も高い透過率を有する白表示状態と、最も低い透過率を有する黒表示状態との2つの状態のいずれかに遷移させるように構成されてよい。つまり、コントローラ50は、バリアパネル30の各画素を白表示状態に対応する最高階調と、黒表示状態に対応する最低階調との2つの階調で制御可能に構成されてよい。本実施形態において、画素に電圧が印加されていない場合に画素が黒表示状態に遷移するように構成されるとともに、画素に所定電圧が印加されている場合に画素が白表示状態に遷移するように構成されるとする。所定電圧は、バリアパネル30の仕様によって決定されてよい。つまり、コントローラ50は、2つの値のいずれかの電圧を画素に印加するように構成されるとともに、中間値の電圧を印加しないように構成される。画素が2つの階調で制御可能に構成される場合、画素が中間階調で制御可能に構成される場合と比べて、画素の応答が速くなる。画素の応答が速くなることによって、画素の状態を制御する期間が短縮される。例えば、P2、P4及びP6それぞれで表される期間が短縮される。
【0076】
コントローラ50は、P4及びP6それぞれで表される期間において、第1バリア領域31及び第2バリア領域32の全体を黒表示又は低輝度表示にするように構成される。第1バリア領域31及び第2バリア領域32の全体が黒表示又は低輝度表示とされている間、利用者は、黒い画像又は低い輝度の画像を視認する。黒表示又は低輝度表示によって、利用者から見た画像の輝度は、1つの視差画像フレーム内、又は、1つの平面画像フレーム内でも、時間の経過とともに変化するように構成される。この場合、1つの視差画像フレーム内、又は、1つの平面画像フレーム内における画像の輝度の時間平均値は低下する。つまり、利用者から見た画像の輝度は、全体として低下する。黒表示又は低輝度表示とされる時間が短縮されることによって、利用者から見た画像の輝度が高められる。P4及びP6それぞれで表される期間が短縮されることによって、黒表示又は低輝度表示とされる期間が短縮される。このようにすることで、1つの視差画像フレーム内、又は、1つの平面画像フレーム内における画像の輝度の時間平均値が増加する。その結果、利用者から見た画像の輝度が高められる。
【0077】
比較例に係る装置において、表示パネル20は、利用者がフレーム間の残像を感じにくくなるように、1つのフレームを表示している間の所定期間において黒表示とされるように構成される。比較例において、表示パネル20の各画素は、中間階調で制御可能に構成される。この場合、黒表示から中間階調へ変更する制御に対する画素の応答速度は、黒表示及び白表示の2つの階調の間で変更する制御に対する画素の応答速度よりも遅い。その結果、比較例に係る装置において、黒表示とされる期間は短縮されにくい。言い換えれば、本実施形態に係る画像表示装置10は、比較例に係る装置に対して、画素が黒表示とされる期間を短縮しやすい。その結果、本実施形態に係る画像表示装置10は、比較例に係る装置に対して、画像の輝度をより一層高めうる。
【0078】
図12に示されるように、一実施形態に係る画像表示システム1は、画像表示装置10と、反射部材60とを備える。画像表示システム1は、画像表示装置10に画像を表示させ、その画像光を射出可能に構成される。画像光は、破線で示されている経路62に沿って、反射部材60で反射し、利用者の左眼5L及び右眼5Rに到達するように構成される。画像光が利用者の眼に入射可能に構成されることによって、利用者は、画像表示装置10に表示されている画像を視認しうる。利用者は、反射部材60で反射された画像光を視認することによって、画像表示装置10に表示される画像を虚像10Qとして視認する。虚像10Qは、利用者の左眼5L及び右眼5Rと反射部材60とを結ぶ経路62を、反射部材60の反対側に延長した経路の先に位置する。画像表示システム1は、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)であってもよい。画像表示システム1及び画像表示装置10は、利用者に直視されることによって、利用者に立体視を提供してもよい。
【0079】
本実施形態に係る画像表示システム1は、移動体に搭載されてよい。画像表示システム1が移動体に搭載される場合、画像表示システム1の利用者は、移動体の運転者若しくは操作者、又は、同乗者であってよい。画像表示システム1が移動体に搭載される場合、画像表示システム1の構成の一部は、移動体が備える他の装置、部品と兼用可能に構成されてよい。例えば、移動体のウインドシールドは、画像表示システム1の構成の一部として兼用可能に構成されてよい。例えば
図1に示されている反射部材60は、移動体のウインドシールドによって置き換えられてよい。
【0080】
本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
【0081】
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0082】
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
【0083】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1領域は、第2領域と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0084】
本開示において、X軸、Y軸、及びZ軸は、説明の便宜上設けられたものであり、互いに入れ替えられてよい。本開示に係る構成は、X軸、Y軸、及びZ軸によって構成される直交座標系を用いて説明されてきた。本開示に係る各構成の位置関係は、直交関係にあると限定されるものではない。
【符号の説明】
【0085】
1 画像表示システム
5L 左眼
5R 右眼
10 画像表示装置
10Q 虚像
20 表示パネル
21L 左眼視認領域
21R 右眼視認領域
22L 左眼非視認領域
22R 右眼非視認領域
30 バリアパネル
31 第1バリア領域
31T 透光部
31S 減光部
32 第2バリア領域
50 コントローラ
60 反射部材
62 経路