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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】データ送信方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20221117BHJP
   H04W 52/18 20090101ALI20221117BHJP
【FI】
H04W72/04 132
H04W72/04 131
H04W52/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020537712
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2018072486
(87)【国際公開番号】W WO2019136718
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】リン、ヤナン
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/163163(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/008459(WO,A1)
【文献】vivo,Remaining issues on NR UL power control[online],3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1719779,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719779.zip>,2017年11月25日
【文献】Intel Corporation,Bandwidth parts configuration and operations,3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707420,2017年05月07日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送信方法であって、
端末が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信することと、
前記端末が第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信することと、を含み、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域帯域幅部分(BWP)によって区分され、
前記端末が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信する前に、前記方法は更に、
前記端末がアクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報を受信し、前記エリア設定情報は前記第1エリアと前記第2エリアの設定を示すことに用いられることと、
前記端末が前記アクセスネットワーク装置から送信された電力差値を受信し、前記電力差値は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値であることと、
前記端末が前記アクセスネットワーク装置から送信された電力パラメータを受信し、前記電力パラメータはターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値のうちの少なくとも1つを含み、前記第1電力の前記電力パラメータと前記第2電力の前記電力パラメータは一部又は全部が独立して設定されることと、を含むことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項2】
前記第1エリアと前記第2エリアが伝送リソースによって区分されることは、
前記第1エリアと前記第2エリアは時間領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは前記時間領域リソースと前記周波数領域リソースによって区分され、
前記時間領域リソースはシンボル、タイムスロット、及びサブフレームのうちの少なくとも1つを含み、前記周波数領域リソースは物理リソースブロック(PRB)とリソースブロックグループ(RBG)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末は、アクセスネットワーク装置から前記第1エリアの周波数領域設定情報と前記第2エリアの周波数領域設定情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1電力の電力パラメータと前記第2電力の電力パラメータが、一部又は全部が独立して設定されることは、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ、前記パスロス補正係数、及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1電力の電力パラメータと前記第2電力の電力パラメータが、一部又は全部が独立して設定されることは、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数及び前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータは共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値、前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は共有して設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データ受信方法であって、
アクセスネットワーク装置が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを受信することと、
前記アクセスネットワーク装置が第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを受信することと、を含み、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域帯域幅部分(BWP)によって区分され、
前記アクセスネットワーク装置が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを受信する前に、前記方法は更に、
前記アクセスネットワーク装置が端末にエリア設定情報を送信し、前記エリア設定情報は前記第1エリアと前記第2エリアの設定を示すことに用いられることと、
前記アクセスネットワーク装置が前記端末に電力差値を送信し、前記電力差値は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値であることと、
前記アクセスネットワーク装置が前記端末に電力パラメータを送信し、前記電力パラメータはターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値のうちの少なくとも1つを含み、前記第1電力の前記電力パラメータと前記第2電力の前記電力パラメータは一部又は全部が独立して設定されることと、を含むことを特徴とするデータ受信方法。
【請求項7】
前記アクセスネットワーク装置は、前記第1エリアの周波数領域設定情報と前記第2エリアの周波数領域設定情報を端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ、前記パスロス補正係数、及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数及び前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記ダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記パスロス補正係数及び前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータは共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおける前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおける前記ダイナミック電力調整値、前記ターゲット受信電力パラメータ及び前記パスロス補正係数は共有して設定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
データ送信装置であって、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるデータ送信装置。
【請求項10】
データ受信装置であって、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるデータ受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願実施例は通信分野に関し、特にデータ送信方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信(5G、The 5th generation)技術には超高信頼低遅延通信(URLLC、Ultra Reliable LowLatency Communication)が導入されている。
【0003】
ダウンリンクサービスデータを送信する場合、基地局はリソースプリエンプションの方式を採用してURLLCデータを送信し、即ち、現在URLLCデータを送信する必要がある場合、拡張モバイルブロードバンド(eMBB、enhance Mobile Broadband)サービスの一部のリソースを占有して送信を行い、それによってURLLCサービスの遅延を低減する。
【0004】
しかし、アップリンクプロセスについては、アップリンクサービスデータは端末によって送信されるため、基地局がリアルタイムで調整する場合、追加のシグナリングオーバーヘッドが導入される必要があり、その結果、端末は送信された制御信号を頻繁に検出する必要があり、端末の消費電力が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願実施例はデータ送信方法、装置、及びシステムを提供し、端末が送信された制御信号を頻繁に検出する必要があるため、端末の消費電力が増加するという問題を解決できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様によれば、データ送信方法を提供し、前記方法は、
端末が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信することと、
前記端末が第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信することと、を含み、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0007】
本願の第2態様によれば、データ送信方法を提供し、前記方法は、
アクセスネットワーク装置は第1エリアにおいて、端末が第1電力を採用して送信したデータを受信することと、
前記アクセスネットワーク装置は第2エリアにおいて、前記端末が第2電力を採用して送信したデータを受信することと、を含み、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0008】
本願の第3態様によれば、データ送信装置を提供し、前記装置は、
第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信することに用いられる第1送信モジュールと、
第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信することに用いられる第2送信モジュールと、を備え、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0009】
本願の第4態様によれば、データ送信装置を提供し、前記装置は、
第1エリアにおいて端末が第1電力を採用して送信したデータを受信することに用いられる第1受信モジュールと、
第2エリアにおいて前記端末が第2電力を採用して送信したデータを受信することに用いられる第2受信モジュールと、を備え、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0010】
本願の第5態様によれば、端末を提供し、前記端末はプロセッサとメモリを備え、前記メモリには少なくとも1つの命令が記憶され、前記少なくとも1つの命令は、前記プロセッサに実行されることによって、上記第1態様に記載のデータ送信方法を実現することに用いられる。
【0011】
本願の第6態様によれば、アクセスネットワーク装置を提供し、前記アクセスネットワーク装置はプロセッサとメモリを備え、前記メモリには少なくとも1つの命令が記憶され、前記少なくとも1つの命令は、前記プロセッサに実行されることによって、上記第2態様に記載のデータ送信方法を実現することに用いられる。
【0012】
本願の第7態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には少なくとも1つの命令が記憶され、前記少なくとも1つの命令は、プロセッサに実行されることによって、上記第1態様に記載のデータ送信方法を実現することに用いられる。
【0013】
本願の第8態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には少なくとも1つの命令が記憶され、前記少なくとも1つの命令は、プロセッサに実行されることによって、上記第2態様に記載のデータ送信方法を実現することに用いられる。
【0014】
本願の第9態様によれば、通信システムを提供し、前記システムは端末とアクセスネットワーク装置を備え、前記端末は第5態様に記載の端末であり、前記アクセスネットワーク装置は第6態様に記載のアクセスネットワーク装置である。
【発明の効果】
【0015】
本願実施例による技術案の有益な効果は、
伝送リソースにおける異なるエリアが設定されることによって、端末は異なるエリアで相応の電力を採用してデータ送信を行うことができ、それによって、端末がアップリンクデータを送信する過程において頻繁に制御信号を検出するということが避けられ、これにより端末の消費電力が低減され、そして、異なる電力を採用してデータ伝送を行うことは、通信システムにおける端末とアクセスネットワーク装置との間のデータ伝送の信頼性と効率の向上に寄与する、ということである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願実施例における技術案をより明確に説明するために、以下では実施例の説明に使用必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下説明する図面は本願の一部の実施例のみであり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて更に他の図面を取得することができる。
【0017】
図1図1は本願の1つの模式的な実施例による通信ネットワークの構造模式図である。
図2図2は本願の1つの模式的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートである。
図3図3は本願の1つの模式的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートである。
図4図4は本願の他の模式的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートである。
図5図5は本願の他の模式的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートである。
図6図6は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信装置のブロック図を示す。
図7図7は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信装置のブロック図を示す。
図8図8は本願の1つの例示的な実施例による端末の構造模式図を示す。
図9図9は本願の1つの例示的な実施例によるアクセスネットワーク装置の構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の目的、技術案及びそのメリットをより明確にするために、以下は図面を参照しながら本願の実施形態をより詳しく説明する。
【0019】
本明細書に言及される「モジュール」とは、通常、メモリに記憶される、ある機能を実現できるプログラム又は命令を指し、本明細書に言及される「ユニット」とは、通常、論理的に分割された機能的な構造を指し、該「ユニット」は完全にハードウェアによって実現されてもよく、又は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0020】
本明細書に言及される「複数」とは2つ以上を意味する。「及び/又は」は関連するオブジェクトの関連関係を説明し、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独に存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独に存在すること、という3つの状況を表すことができる。文字「/」は一般的に前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを表す。本願明細書及び特許請求の範囲で使用される「第1」、「第2」、及びそれに類似する言葉は、何かの順序、数量、又は重要性を表すものではなく、単に異なる構成部分を区別するためのものである。
【0021】
図1は本願の1つの実施例による移動通信システムの構造模式図を示す。該移動通信システムは5Gシステムであってもよく、NRシステムとも称される。該移動通信システムはアクセスネットワーク装置120と端末140を備える。
【0022】
アクセスネットワーク装置120は基地局であってもよい。例えば、基地局は5Gシステムにおける、集中・分散型アーキテクチャが採用された基地局(gNB)であってもよい。アクセスネットワーク装置120に集中・分散型アーキテクチャが採用された場合、通常、集中ユニット(CU、central unit)と少なくとも2つの分散ユニット(DU、distributed unit)を備える。集中ユニットには、パケットデータ統合プロトコル(PDCP、Packet Data Covergence Protocol)層、無線リンク層制御プロトコル(RLC、Radio Link Control)層、メディアアクセス制御(MAC、Media Access Control)層のプロトコルスタックが設けられ、分散ユニットには物理(PHY、Physical)層プロトコルスタックが設けられ、本願実施例はアクセスネットワーク装置120の具体的な実現方式を限定しない。選択肢として、アクセスネットワーク装置は更にホーム基地局(HeNB、Home eNB)、中継(Relay)、ピコ基地局(Pico)等を含んでもよい。アクセスネットワーク装置120は更にネットワーク側装置と称されてもよい。
【0023】
アクセスネットワーク装置120と端末140は無線エアインタフェースを介して無線接続を確立する。選択肢として、該無線エアインタフェースは第5世代の移動通信ネットワーク技術(5G)基準に基づく無線エアインタフェースであり、例えば、該無線エアインタフェースは新しいエアインタフェース(NR、New Radio)であり、又は、該無線エアインタフェースは5Gよりも更に次の世代の移動通信ネットワーク技術基準に基づく無線エアインタフェースであってもよい。
【0024】
端末140とはユーザに音声及び/又はデータ接続を提供する装置を指してもよい。端末は無線アクセスネットワーク(RAN、Radio Access Network)経由で1つ又は複数のコアネットワークと通信してもよく、端末140はモバイル端末、例えば、携帯電話(又は「セルラー方式」電話と称される)、及びモバイル端末を有するコンピュータであってもよい。
【0025】
なお、図1に示す移動通信システムには、複数のアクセスネットワーク装置120及び/又は複数の端末140が備えられてもよく、図1には、例として、1つのアクセスネットワーク装置120及び1つの端末140を示すが、本実施例はこれを限定しない。
【0026】
図2は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。本実施例は該方法が図1に記載の端末に適用されることを例として説明する。該方法は、
端末が第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信するステップ201と、
端末が第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信し、第1エリアと第2エリアが伝送リソースによって区分されるステップ202と、を含む。
【0027】
選択肢として、第1エリアと第2エリアは、アクセスネットワーク装置が伝送リソースを区分することで取得した論理的なエリアであり、該伝送リソースは時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースを含む。
【0028】
1つの可能な実施形態では、以下幾つかの方式のいずれか1つを採用して第1エリアと第2エリアを区分する。
【0029】
1、時間領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分する。
【0030】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は時間領域リソースに基づいてエリアを区分し、該時間領域リソースはシンボル(symbol)、タイムスロット(slot)、及びサブフレーム(subframe)のうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
選択肢として、第1エリアと第2エリアそれぞれの占有する時間領域リソースの数量は同じ又は異なる。
【0032】
例えば、アクセスネットワーク装置はタイムスロットでエリアを区分する場合、サブフレームにおける1番目のタイムスロットを第1エリアに区分し、サブフレームにおける2番目のタイムスロットを第2エリアに区分してもよい。
【0033】
勿論、エリアの区分は更に他のタイプの時間領域リソースに基づいてもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0034】
2、周波数領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分する。
【0035】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は周波数領域リソースに基づいてエリアを区分し、該周波数領域リソースは物理リソースブロック(PRB、Physical Resource Block)とリソースブロックグループ(RBG、Resource Block Group)のうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
選択肢として、第1エリアと第2エリアそれぞれの占有する周波数領域リソースの数量は同じ又は異なる。
【0037】
例えば、アクセスネットワーク装置は物理リソースブロックでエリアを区分する場合、1~50番目の物理リソースブロックを第1エリアに区分し、51~100番目の物理リソースブロックを第2エリアに区分してもよい。
【0038】
勿論、エリアの設定は更に他のタイプの周波数領域リソースに基づいてもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0039】
3、時間領域リソース及び周波数領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分する。
【0040】
選択肢として、単独に周波数領域リソース又は時間領域リソースに基づいてエリアを区分するほか、アクセスネットワーク装置は更に、同時に時間領域リソースと周波数領域リソースに基づいてエリアを区分してもよい。
【0041】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は同時にタイムスロットと物理リソースブロックに基づいて第1エリアと第2エリアを設定する。
【0042】
4、周波数領域帯域幅部分(BWP、Band Width Part)によって第1エリアと第2エリアを区分する。
【0043】
BWPとは、所定のパラメータセットと所定のキャリアでの連続した物理リソースブロックのセットを指す。
【0044】
1つの可能な実施形態では、アクセスネットワーク装置は利用可能な帯域幅において、異なるエリアにそれぞれ対応する少なくとも2つのBWPを端末に設定する。例えば、本実施例では、アクセスネットワーク装置は第1エリアと第2エリアにそれぞれ対応するBWP1とBWP2を端末に設定する。
【0045】
選択肢として、2つのBWPが設定された場合、2つのBWPに対応する時間周波数領域リソースは異なり、例えば、BWP1はPRB1-50に対応し、BWP2はPRB51-55に対応し、又は、2つのBWPに対応する時間周波数領域リソースは同じであるが、対応するサブキャリア間隔が異なり、例えば、BWP1とBWP2はいずれもPRB51-55に対応するが、BWP1に対応するサブキャリア間隔は60KHzであり、BWP2に対応するサブキャリア間隔は15KHzである。
【0046】
選択肢として、本願実施例は2つのエリアのみを設定することを例として説明するが、他の可能な実施形態では少なくとも3つのエリアが設定されてもよく、本願はエリアの具体的な数量について限定しない。
【0047】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は第1エリアと第2エリアの設定を示すエリア設定情報を端末に送信し、これにより、端末は該エリア設定情報に基づいて第1エリアと第2エリアを決定する。
【0048】
選択肢として、アクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報は更に第1エリアと第2エリアの区分方式及び設定情報を示すことに用いられ、例えば、BWPによって異なるエリアを設定する場合、該エリア設定情報にはBWPサブキャリア間隔等の設定情報が含まれる。
【0049】
選択肢として、第1電力と第2電力の電力パラメータはアクセスネットワーク装置によって設定され、該電力パラメータは実際の電力値を採用して表示されてもよく、電力スペクトル密度(PSD、Power Spectral Density)を採用して表示されてもよい。
【0050】
1つの可能か応用シーンでは、端末はアクセスネットワーク装置のスケジューリングで、第1エリアにおいて低電力でサービスデータを送信し、又は、第2エリアにおいて高電力でサービスデータを送信する。端末がアクセスネットワーク装置のスケジューリングで優先度の高いサービスデータを送信する場合、優先度の高いサービスデータの伝送遅延を低減するために、端末は第1エリアにおいて、リソースプリエンプションの方式によって優先度の高いサービスデータを送信し、そして、伝送の信頼性を確保するために、優先度の高いサービスデータは高電力で送信される。低電力と高電力はプロトコルによって約束されてもよく、アクセスネットワーク装置によって示されてもよい。
【0051】
選択肢として、1つの実際の応用のシーンでは、上記方法が5GにおけるeMBBサービス及びURLLCサービスのアップリンクデータ送信のシーンに適用される場合、端末はアクセスネットワーク装置のスケジューリングで、第1エリアにおいて第1電力(即ち低電力)でeMBBサービスデータを送信し、第2エリアにおいて第2電力(即ち通常電力)でeMBBサービスデータを送信し、端末がアクセスネットワーク装置のスケジューリングでURLLCサービスデータを送信する場合、URLLCサービスデータの伝送遅延を低減するために、端末は第1エリアを選択してeMBBサービスのリソースをプリエンプトすることによってURLLCサービスデータを送信し、そしてURLLCサービスの高信頼性を確保するために、端末は第1エリアにおいて第3電力(第1電力より大きく、第2電力と同じ又は異なる)でURLLCサービスデータを送信する。
【0052】
上記のように、本実施例では、伝送リソースにおける異なるエリアが設定されることによって、端末は異なるエリアにおいて相応の電力でデータ送信を行うことができ、それによって、端末がアップリンクデータを送信する過程において頻繁に制御信号を検出するということが避けられ、これにより、端末の消費電力が低減され、そして、異なる電力でデータ伝送を行うことは、通信システムにおける端末とアクセスネットワーク装置との間のデータ伝送の信頼性と効率の向上に寄与する。
【0053】
図3は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。本実施例は該方法が図1に記載のアクセスネットワーク装置に適用されることを例として説明する。該方法は以下のステップ301~302を含む。
【0054】
ステップ301、アクセスネットワーク装置は第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信する。
【0055】
アクセスネットワーク装置は伝送リソースによって第1エリアと第2エリア(論理的なエリア)を区分し、伝送リソースは時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースを含む。
【0056】
選択肢として、アクセスネットワーク装置がエリアを区分する方式は、
1、時間領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分すること、
2、周波数領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分すること、
3、時間領域リソース及び周波数領域リソースによって第1エリアと第2エリアを区分すること、
4、周波数領域帯域幅部分(BWP、Band Width Part)によって第1エリアと第2エリアを区分すること、を含む。
【0057】
具体的な区分方式についてはステップ202での詳しい記載を参照でき、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0058】
ステップ302、アクセスネットワーク装置は第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信し、第1エリアと第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0059】
区分されたエリアに基づいて、アクセスネットワーク装置は相応のエリアにおいて対応する電力を採用してダウンリンクデータを送信する。
【0060】
1つの可能な実施形態では、アクセスネットワーク装置は第1エリアにおいて低電力でデータを送信し、第2エリアにおいて高電力でデータを送信する。
【0061】
選択肢として、1つの実際の応用のシーンでは、上記方法が5GにおけるeMBBサービス及びURLLCサービスのダウンリンクデータ送信のシーンに適用される場合、アクセスネットワーク装置は第1エリアにおいて第1電力(例えば、低電力)でeMBBサービスデータを送信し、第2エリアにおいて第2電力(例えば、通常電力であり、且つ第1電力より高い)でeMBBサービスデータを送信する。
【0062】
選択肢として、アクセスネットワーク装置がURLLCサービスをスケジューリングする必要がある場合、URLLCサービスデータの伝送遅延を低減するために、アクセスネットワーク装置は第1エリアを選択して、eMBBサービスのリソースをプリエンプトすることによってURLLCサービスデータを送信し、そしてURLLCサービスの高信頼性を確保するために、アクセスネットワーク装置は第1エリアにおいて第3電力(第1電力より大きく、第2電力と同じ又は異なる)でURLLCサービスデータを送信する。
【0063】
選択肢として、類似する方式でアップリンクデータを送信するように端末に指示するために、アクセスネットワーク装置はエリア設定に基づいて、端末にエリア設定情報を送信し、アクセスネットワーク装置はブロードキャストの方式でエリア設定情報を送信してもよい。
【0064】
アクセスネットワーク装置は、端末が異なるエリアにおいて相応の電力でアップリンクデータを送信するように、異なるエリアにおいてデータを送信する電力を更に端末に示す。選択肢として、アクセスネットワーク装置は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値を端末に送信し、又は、アクセスネットワーク装置は第1電力と第2電力の電力パラメータを一部又は全部で独立して設定する。
【0065】
更に、端末はアクセスネットワーク装置のスケジューリングで、第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信し、第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信し、それに対応して、アクセスネットワーク装置は第1エリア及び/又は第2エリアにおいて端末から送信されたデータを受信する。
【0066】
受信したデータについて、選択肢として、アクセスネットワーク装置は伝送時間間隔(TTI、Transmission Time Interval)の長さ、制御リソースセット(CORESET、Control Resource set)、又は物理ダウンリンク制御チャネルフォーマット(PDCCH Format、Physical Downlink Control Channel Format)に基づいて、受信したデータを区分し、例えば、アクセスネットワーク装置はTTI長さに基づいてeMBBデータとURLLCデータを区分する。本実施例はアクセスネットワーク装置がデータタイプを区分する方式について限定しない。
【0067】
上記のように、本実施例では、伝送リソースにおける異なるエリアが設定されることによって、端末は異なるエリアにおいて相応の電力でデータ送信を行うことができ、それによって、端末がアップリンクデータを送信する過程において頻繁に制御信号を検出するということが避けられ、これにより、端末の消費電力が低減され、そして、異なる電力でデータ伝送を行うことは、通信システムにおける端末とアクセスネットワーク装置との間のデータ伝送の信頼性と効率の向上に寄与する。
【0068】
図4は本願の他の例示的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。本実施例は該方法が図1に記載の通信システムに適用されることを例として説明する。該方法は以下のステップ401~406を含む。
【0069】
ステップ401、アクセスネットワーク装置は第1エリアと第2エリアの設定を示すためのエリア設定情報を端末に送信する。
【0070】
選択肢として、該エリア設定情報には時間領域設定情報、周波数領域設定情報、又は時間周波数領域設定情報が含まれる。
【0071】
選択肢として、アクセスネットワーク装置はブロードキャストの方式によって各端末にエリア設定情報を送信し、これにより、アクセスした各端末はいずれもエリアの設定を知ることができる。
【0072】
1つの可能な実施形態では、物理リソースブロックに基づいて異なるエリアを設定する場合、アクセスネットワーク装置が端末に送信するエリア設定情報はPower_parameter(n_PRB)={0,1}というフォーマットを採用してもよく、n_PRBはn番目の物理リソースブロックを示すことに用いられ、0は物理リソースブロックが第1エリアに属することを表し、1は物理リソースブロックが第2エリアに属することを表す。
【0073】
それに類似して、タイムスロットに基づいて異なるエリアを設定する場合、アクセスネットワーク装置が端末に送信するエリア設定情報はPower_parameter(n_slot)={0,1}というフォーマットを採用してもよく、n_slotはn番目のタイムスロットを示すことに用いられ、0はタイムスロットが第1エリアに属することを表し、1はタイムスロットが第2エリアに属することを表す。
【0074】
セル間の干渉を低減してデータ伝送の品質を高めるために、1つの可能な実施形態では、アクセスネットワーク装置間でエリア設定情報の交換が行われ、それによって、隣接するアクセスネットワーク装置のエリア設定情報に基づいて自体のエリア設定を調整して、調整後のエリア設定情報を端末に送信する。例えば、アクセスネットワーク装置Aがアクセスネットワーク装置Bに送信したエリア設定情報AはPower_parameter(PRB1)={0}、Power_parameter(PRB2)={1}であり、即ち、アクセスネットワーク装置Aは1番目の物理リソースブロックを第1エリアに区分し、2番目の物理リソースブロックを第2エリアに区分し、そこで、アクセスネットワーク装置Bは自体のエリア設定情報BをPower_parameter(PRB1)={1}、Power_parameter(PRB2)={0}に調整する。
【0075】
ステップ402、端末はアクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報を受信する。
【0076】
ステップ403、アクセスネットワーク装置は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値である電力差値を端末に送信する。
【0077】
第1エリアと第2エリアでのデータ送信の干渉を低減するために、端末は異なるエリアにおいて異なる電力でデータを送信する必要があり、それに対応して、エリア設定を示すと同時に、アクセスネットワーク装置は更に異なるエリアでのデータの送信電力を端末に示す必要がある。
【0078】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は第1エリアと第2エリアとの電力差値を端末に送信する。該電力パラメータは実際の電力値又は電力スペクトル密度で表してもよい。
【0079】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は更に設定した電力パラメータを端末に送信し、これにより、端末は該電力パラメータ及び電力差値に基づいて第1電力と第2電力を決定する。アクセスネットワーク装置が送信した電力パラメータはターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値のうちの少なくとも1つを含む。
【0080】
選択肢として、電力パラメータは以下の幾つかの設定方式を含む。
【0081】
1、電力パラメータにおけるパスロス補正係数は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0082】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのパスロス補正係数を各エリアにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは異なるパスロス補正係数を有するが、同じターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を有する。
【0083】
2、電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは共有して設定される。
【0084】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値を各エリアにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータを各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは異なるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値を有するが、同じターゲット受信電力パラメータを有する。
【0085】
3、電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0086】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのダイナミック電力調整値を各エリアにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは異なるダイナミック電力調整値を有するが、同じターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を有する。
【0087】
上記の3つの方式で電力パラメータを設定する場合、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別した電力制御を行うことができ、更に電力パラメータを設定する時のシグナリングオーバーヘッドを低減できる(共有の設定が存在するため)。
【0088】
4、電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値、ターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0089】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置は統一したターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは同じターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を有する。
【0090】
この方式で電力パラメータを設定する場合、異なるエリアが設定パラメータを共有するため、電力パラメータを設定する時のシグナリングオーバーヘッドは最も低いレベルに低減される。その後のプロセスでは、端末はアクセスネットワーク装置によって設定された電力差値に基づいて、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別した電力制御を行う。
【0091】
5、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0092】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を各エリアにそれぞれ設定し、ダイナミック電力調整値を各エリアに共有させ、即ち、異なるエリアは異なるターゲット受信電力パラメータ及び異なるパスロス補正係数を有するが、同じダイナミック電力調整値を有する。
【0093】
この設定方式を採用する場合、異なるシーン、サービス及びデータタイプに対して区別して電力制御を行うことができ、それと同時に、共有したダイナミック電力調整値に基づいてチャネルの変化情況をリアルタイムに追跡できる。
【0094】
6、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値は独立して設定される。
【0095】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を各エリアにそれぞれ設定し、即ち、異なるエリアは異なるターゲット受信電力パラメータ、異なるパスロス補正係数、及び異なるダイナミック電力調整値を有する。
【0096】
この設定方式を採用する場合、それぞれの電力パラメータを各エリアにそれぞれ設定するため、異なるシーン、サービス、データタイプに対して、区別してより精確な電力制御を行うことができる(但し、シグナリングオーバーヘッドもそれに伴って増加する)。
【0097】
7、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0098】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータを各エリアにそれぞれ設定し、統一したダイナミック電力調整値及びパスロス補正係数を各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは異なるターゲット受信電力パラメータを有するが、同じダイナミック電力調整値及び異なるパスロス補正係数を有する。
【0099】
この設定方式を採用する場合、ターゲット受信電力パラメータのみを独立して設定し、即ち、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別して電力制御を行い、それと同時に、電力パラメータ設定のシグナリングオーバーヘッドを低減する。
【0100】
8、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるパスロス補正係数は共有して設定される。
【0101】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を各エリアにそれぞれ設定し、統一したパスロス補正係数を各エリアに設定し、即ち、異なるエリアは異なるターゲット受信電力パラメータ及び異なるダイナミック電力調整値を有するが、同じパスロス補正係数を有する。選択肢として、電力差が大き過ぎて、ダイナミックシグナリングの追跡ができなくなることを避けるために、アクセスネットワーク装置は準静的設定の方式で電力差値を設定する。例えば、アクセスネットワーク装置は所定の時間間隔ごとに、端末に電力差値を送信し、端末はアクセスネットワーク装置が電力差値を次に送信するまでに、現在受信した電力差値を記憶して使用する。
【0102】
なお、ステップ401とステップ403の間には厳格な順序がなく、即ち、ステップ401とステップ403は同時に実行されてもよく、本実施例は両者の実行時間順序を限定しない。
【0103】
ステップ404、端末はアクセスネットワーク装置から送信された電力差値を受信する。
【0104】
選択肢として、端末はアクセスネットワーク装置の設定した電力パラメータに基づいてアクセスネットワーク装置の期待する送信電力を計算し、そして期待された送信電力及び電力差値に基づいて、異なるエリアにおけるデータの送信電力を決定する。
【0105】
選択肢として、端末はプロトコルによって約束された送信電力計算式に基づいて、アクセスネットワーク装置の設定した電力パラメータにより、アクセスネットワーク装置の期待する送信電力を計算し、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0106】
1つの可能な実施形態では、端末が第1エリアにおいてデータを送信するようにスケジューリングされた場合、端末は送信電力(第1電力)を期待された送信電力‐電力差値に設定し、
端末が第2エリアにおいてデータを送信するようにスケジューリングされた場合、端末は送信電力(第2電力)をアクセスネットワーク装置の期待した送信電力に設定する。
【0107】
端末が優先度の高いデータを送信するようにスケジューリングされた場合、端末は第1エリアにおいて優先度の高いデータを送信することを決定し、そして、送信電力をアクセスネットワーク装置の期待した送信電力に設定し、それによって、第2エリアにおける他の優先度の低いデータの干渉を低減し、優先度の高いデータの伝送の信頼性を高める。
【0108】
1つの模式的な例示では、eMBBサービス及びURLLCサービスのスケジューリングのシーンにおいて、アクセスネットワーク装置の期待する送信電力がPであり、そしてアクセスネットワーク装置の設定した電力差値がdeltaPであり、端末が第1エリアにおいてeMBBデータを送信するようにスケジューリングされた場合、送信電力をP-deltaPに設定し、端末が第2エリアにおいてeMBBデータを送信するようにスケジューリングされた場合、送信電力をPに設定し、端末が第1エリアにおいてURLLCデータを送信するようにスケジューリングされた場合、送信電力をPに設定する。
【0109】
ステップ405、端末は第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信する。
【0110】
上記ステップでの例示に対応して、端末は第1エリアにおいてeMBBデータを送信するようにスケジューリングされた場合、送信電力P-deltaPを採用してeMMBデータを送信する。
【0111】
ステップ406、端末は第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信する。
【0112】
上記ステップでの例示に対応して、端末は第2エリアにおいてeMBBデータを送信するようにスケジューリングされた場合、送信電力Pを採用してeMMBデータを送信する。
【0113】
選択肢として、リソースをプリエンプトするURLLCサービスが存在する場合、端末は第1エリアにおいて第3電力を採用してURLLCデータを送信し、例えば、該第3電力は上記例示でのPであってもよい。
【0114】
上記のように、本実施例では、伝送リソースにおける異なるエリアが設定されることによって、端末は異なるエリアにおいて相応の電力でデータ送信を行うことができ、それによって、端末がアップリンクデータを送信する過程において頻繁に制御信号を検出するということが避けられ、これにより、端末の消費電力が低減され、そして、異なる電力でデータ伝送を行うことは、通信システムにおける端末とアクセスネットワーク装置との間のデータ伝送の信頼性と効率の向上に寄与する。
【0115】
本実施例では、アクセスネットワーク装置は端末装置にエリア設定情報及び異なるエリアの電力差値を送信し、これにより、端末はエリア設定情報に基づいて異なるエリアを決定し、そして該電力差値に基づいて異なるエリアでのデータの送信電力を決定し、それによって、その後のアップリンクデータ伝送を行い、アップリンクデータ伝送の信頼性と効率が高められ、それと同時に、アクセスネットワーク装置は準静的な方式で電力差値を設定し、それによって、電力ジャンプの追跡の失敗を避ける。
【0116】
本実施例では、アクセスネットワーク装置の間でエリア設定情報を交換し、そして取得したエリア設定情報に基づいてエリア調整を行うことによって、隣接するエリアの間の干渉を低減し、更にシステムのデータ伝送品質を高める。
【0117】
図5は本願の他の例示的な実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。本実施例は該方法が図1に記載の通信システムに適用されることを例として説明する。該方法は以下のステップ501~506を含む。
【0118】
ステップ501、アクセスネットワーク装置は第1エリアと第2エリアの設定を示すためのエリア設定情報を端末に送信する。
【0119】
本実施例では、アクセスネットワーク装置はそれぞれ第1エリアと第2エリアに対応する2つのBWPを端末に設定し、端末にエリア設定情報を送信する時に、アクセスネットワーク装置は2つのBWPの設定情報及び設定情報を端末に送信する。
【0120】
選択肢として、2つのBWPに対応する時間周波数領域リソースは異なり、例えば、BWP1はPRB1-50に対応し、BWP2はPRB51-55に対応し、又は、2つのBWPに対応する時間周波数領域リソースは同じであるが、対応するサブキャリア間隔は異なり、例えば、BWP1とBWP2はいずれもPRB51-55に対応するが、BWP1に対応するサブキャリア間隔は60KHzであり、BWP2に対応するサブキャリア間隔は15KHzである。本実施例はこれを限定しない。
【0121】
ステップ502、端末はアクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報を受信する。
【0122】
それに対応して、端末はエリア設定情報を受信した後、そこにおけるBWP設定情報に基づいて第1エリアと第2エリアを決定する。
【0123】
ステップ503、アクセスネットワーク装置は端末に電力パラメータを送信し、第1電力の電力パラメータと前記第2電力の電力パラメータは一部又は全部が独立して設定される。
【0124】
本実施例では、アクセスネットワーク装置は各BWPに一部又は全部の(アップリンク)電力パラメータを独立して設定し、これにより、端末はBWPに設定した電力パラメータに基づいて各エリアでのデータの送信電力を決定する。
【0125】
選択肢として、該電力パラメータはターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値のうちの少なくとも1つを含み、ターゲット受信電力パラメータはアクセスネットワーク装置がデータを期待して受信できる電力であり、パスロス補正係数は伝送過程における電力ロスを補正することに用いられ、ダイナミック電力調整値は値又はセット(例えば、{-3,0,3,6})の方式で示されてもよい。
【0126】
選択肢として、電力パラメータの設定方式は以下の幾つかを含む。
【0127】
1、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0128】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を各BWPにそれぞれ設定し、ダイナミック電力調整値を各BWPに共有させ、即ち、異なるBWPは異なるターゲット受信電力パラメータ及び異なるパスロス補正係数を有するが、同じダイナミック電力調整値を有する。
【0129】
例えば、アクセスネットワーク装置は送信する電力パラメータに、BWP1に設定するターゲット受信電力P1とパスロス補正係数a1、BWP2に設定するターゲット受信電力P2とパスロス補正係数a2、及び統一的に設定するダイナミック電力調整値f1を含める。
【0130】
この設定方式を採用する場合、異なるシーン、サービス及びデータタイプに対して区別して電力制御を行うことができ、それと同時に、共有したダイナミック電力調整値に基づいてチャネルの変化情況をリアルタイムに追跡できる。
【0131】
2、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値は独立して設定される。
【0132】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を各BWPにそれぞれ設定し、即ち、異なるBWPは異なるターゲット受信電力パラメータ、異なるパスロス補正係数、及び異なるダイナミック電力調整値を有する。
【0133】
例えば、アクセスネットワーク装置は送信する電力パラメータに、BWP1に設定するターゲット受信電力P1、パスロス補正係数a1、及びダイナミック電力調整値f1、BWP2に設定するターゲット受信電力P2、パスロス補正係数a2、及びダイナミック電力調整値f2を含める。
【0134】
この設定方式を採用する場合、それぞれの電力パラメータを各BWPにそれぞれ設定するため、異なるシーン、サービス、データタイプに対して、区別してより精確な電力制御を行うことができる(但し、シグナリングオーバーヘッドもそれに伴って増加する)。
【0135】
3、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0136】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータを各BWPにそれぞれ設定し、統一したダイナミック電力調整値及びパスロス補正係数を各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは異なるターゲット受信電力パラメータを有するが、同じダイナミック電力調整値及び異なるパスロス補正係数を有する。
【0137】
例えば、アクセスネットワーク装置は送信する電力パラメータに、BWP1に設定するターゲット受信電力P1、BWP2に設定するターゲット受信電力P2、及び統一的に設定するダイナミック電力調整値f1とパスロス補正係数a1を含める。
【0138】
この設定方式を採用する場合、ターゲット受信電力パラメータのみを独立して設定し、即ち、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別して電力制御を行い、それと同時に、電力パラメータ設定のシグナリングオーバーヘッドを低減する。
【0139】
4、電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるパスロス補正係数は共有して設定される。
【0140】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を各BWPにそれぞれ設定し、統一したパスロス補正係数を各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは異なるターゲット受信電力パラメータ及び異なるダイナミック電力調整値を有するが、同じパスロス補正係数を有する。
【0141】
例えば、アクセスネットワーク装置は送信する電力パラメータに、BWP1に設定するターゲット受信電力P1とダイナミック電力調整値f1、BWP2に設定するターゲット受信電力P2とダイナミック電力調整値f2、及び統一的に設定するパスロス補正係数a1を含める。
【0142】
5、電力パラメータにおけるパスロス補正係数は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は共有して設定される。
【0143】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのパスロス補正係数を各BWPにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは異なるパスロス補正係数を有するが、同じターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値を有する。
【0144】
6、電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは共有して設定される。
【0145】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値を各BWPにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータを各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは異なるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値を有するが、同じターゲット受信電力パラメータを有する。
【0146】
7、電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0147】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置はそれぞれのダイナミック電力調整値を各BWPにそれぞれ設定し、統一したターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは異なるダイナミック電力調整値を有するが、同じターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数を有する。
【0148】
上記の3つの方式で電力パラメータを設定する場合、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別した電力制御を行うことができ、更に電力パラメータを設定する時のシグナリングオーバーヘッドを低減できる(共有の設定が存在するため)。
【0149】
8、電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値、ターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0150】
この設定方式を採用する場合、アクセスネットワーク装置は統一したターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を各BWPに設定し、即ち、異なるBWPは同じターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値を有する。
【0151】
この方式で電力パラメータを設定する場合、異なるBWPが設定パラメータを共有するため、電力パラメータを設定する時のシグナリングオーバーヘッドは最も低いレベルに低減される。その後のプロセスでは、端末はアクセスネットワーク装置によって設定された電力差値に基づいて、異なるシーン、サービス、データタイプに対して区別した電力制御を行う。
【0152】
ステップ504、端末はアクセスネットワーク装置から設定された電力パラメータを受信する。
端末はアクセスネットワーク装置によって設定された電力パラメータを受信して記憶し、これにより、その後アップリンクデータを送信する時に、該電力パラメータに基づいて送信電力を決定する。
【0153】
ステップ505、端末は電力パラメータに基づいて第1電力を決定して、第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信する。
【0154】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は電力パラメータのうちの比較的に小さいターゲット受信電力をBWP1(第1エリアに対応する)に設定し、これにより、端末は第1エリアにおいてデータを送信するようにスケジューリングされた場合、電力パラメータのうちの比較的に小さいターゲット受信電力に基づいて送信電力(即ち第1電力)を設定し、そして設定した送信電力に基づいてデータを送信する。
【0155】
例えば、BWP1において(アップリンク)eMMBデータを送信する場合、端末は比較的に小さいターゲット受信電力を参考して送信電力を設定し、それによって、第1エリアにおいて低電力でeMMBデータを送信することが実現される。
【0156】
ステップ506、端末は電力パラメータに基づいて第2電力を決定して、第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信する。
【0157】
選択肢として、アクセスネットワーク装置は電力パラメータのうちの比較的に大きいターゲット受信電力をBWP2(第2エリアに対応する)に設定し、これにより、端末は第2エリアにおいてデータを送信するようにスケジューリングされた場合、電力パラメータのうちの比較的に大きいターゲット受信電力に基づいて送信電力(即ち第2電力)を設定し、そして設定した送信電力に基づいてデータを送信する。
【0158】
例えば、BWP2において(アップリンク)eMMBデータを送信する場合、端末は比較的に大きいターゲット受信電力を参考して送信電力を設定し、それによって、第2エリアにおいて高電力でeMMBデータを送信することが実現される。
【0159】
選択肢として、URLLCデータを送信する必要がある場合、端末はリソースプリエンプションの方式によって、BWP1(第1エリアに対応する)のリソースを使用してURLLCデータを送信し、そして比較的に大きい送信電力をそれに設定し(例えば、比較的に大きいターゲット受信電力に基づいて)、それによって、URLLCデータ伝送の信頼性を高める。
【0160】
上記のように、本実施例では、伝送リソースにおける異なるエリアが設定されることによって、端末は異なるエリアにおいて相応の電力でデータ送信を行うことができ、それによって、端末がアップリンクデータを送信する過程において頻繁に制御信号を検出するということが避けられ、これにより、端末の消費電力が低減され、そして、異なる電力でデータ伝送を行うことは、通信システムにおける端末とアクセスネットワーク装置との間のデータ伝送の信頼性と効率の向上に寄与する。
【0161】
また、5Gシステムでは、URLLCサービスとeMBBサービスの信頼性要求が異なり、そして物理層ではサービスタイプが見えないため、サービスタイプに基づいて電力制御を行うことは解決すべき課題となる。本願の実施例では、少なくとも2つのBWPを設定し、そしてそのうちの1つのBWPのみにおいて高電力でURLLCデータを送信することによって、サービスタイプに基づく電力区別制御が実現され、そしてURLLCデータ伝送の信頼性向上に利し、それと同時に、URLLCデータのみに対して電力を増強することで伝送の消費電力及びシステム干渉を低減できる。
【0162】
以下は本願の装置実施例であり、装置実施例と方法実施例との間に対応関係が存在するため、装置実施例において説明されない技術詳細については、上記方法実施例における対応の説明を参照できる。
【0163】
図6は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信装置のブロック図を示す。該データ送信装置はソフトウェア、ハードウェア、又はその両者の組み合わせによって、端末の全部又は一部として実現されてもよい。該装置は、
第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信することに用いられる第1送信モジュール610と、
第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信することに用いられる第2送信モジュール620と、を備え、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0164】
選択肢として、前記第1エリアと前記第2エリアは時間領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは前記時間領域リソースと前記周波数領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域帯域幅部分(BWP)によって区分され、
前記時間領域リソースはシンボル、タイムスロット、及びサブフレームのうちの少なくとも1つを含み、前記周波数領域リソースは物理リソースブロック(PRB)とリソースブロックグループ(RBG)のうちの少なくとも1つを含む。
【0165】
選択肢として、前記装置は更に、
アクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報を受信することに用いられ、 前記エリア設定情報は前記第1エリアと前記第2エリアの設定を示すことに用いられる情報受信モジュールを備える。
【0166】
選択肢として、前記装置は更に、
アクセスネットワーク装置から送信されたエリア設定情報を受信することに用いられ、前記エリア設定情報は前記第1電力エリアと前記第2電力エリアの設定を示すことに用いられる情報受信モジュールと、
前記端末が前記アクセスネットワーク装置から送信された電力差値を受信することに用いられる差値受信モジュールと、を備え、
前記電力差値は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値である。
【0167】
選択肢として、前記電力差値は準静的に設定される。
【0168】
選択肢として、前記第1電力の電力パラメータと前記第2電力の電力パラメータは一部又は全部が独立して設定される。
【0169】
選択肢として、前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値、ターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0170】
それに関する詳細については、上記の各方法実施例における端末によって実行されるステップを参照できる。
【0171】
図7は本願の1つの例示的な実施例によるデータ送信装置のブロック図を示す。該データ送信装置はソフトウェア、ハードウェア、又はその両者の組み合わせによって、アクセスネットワーク装置の全部又は一部として実現されてもよい。該装置は、
第1エリアにおいて第1電力を採用してデータを送信することに用いられる第3送信モジュール710と、
第2エリアにおいて第2電力を採用してデータを送信することに用いられる第4送信モジュール720と、を備え、
前記第1エリアと前記第2エリアは伝送リソースによって区分される。
【0172】
選択肢として、前記第1エリアと前記第2エリアは時間領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは前記時間領域リソースと前記周波数領域リソースによって区分され、又は、
前記第1エリアと前記第2エリアは周波数領域帯域幅部分(BWP)によって区分され、
前記時間領域リソースはシンボル、タイムスロット、及びサブフレームのうちの少なくとも1つを含み、前記周波数領域リソースは物理リソースブロック(PRB)とリソースブロックグループ(RBG)のうちの少なくとも1つを含む。
【0173】
選択肢として、前記装置は更に、
端末にエリア設定情報を送信することに用いられ、前記エリア設定情報は前記第1エリアと前記第2エリアの設定を示すことに用いられる情報送信モジュールを備える。
【0174】
選択肢として、前記装置は更に、
端末にエリア設定情報を送信することに用いられ、前記エリア設定情報は前記第1エリアと前記第2エリアの設定を示すことに用いられる情報送信モジュールと、
前記端末に電力差値を送信することに用いられる差値送信モジュールと、を備え、
前記電力差値は第1電力の電力パラメータと第2電力の電力パラメータとの差値である。
【0175】
選択肢として、前記電力差値は準静的に設定される。
【0176】
選択肢として、前記第1電力の電力パラメータと前記第2電力の電力パラメータは一部又は全部が独立して設定される。
【0177】
選択肢として、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ、パスロス補正係数、及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びダイナミック電力調整値は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるパスロス補正係数及びダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータは共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値は独立して設定され、且つ前記電力パラメータにおけるターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定され、
又は、
前記電力パラメータにおけるダイナミック電力調整値、ターゲット受信電力パラメータ及びパスロス補正係数は共有して設定される。
【0178】
それに関する詳細については、上記の各方法実施例におけるアクセスネットワーク装置によって実行されるステップを参照できる。
【0179】
図8は本願の1つ例示的な実施例による端末装置の構造模式図を示し、該端末はプロセッサ101、受信機102、送信機103、メモリ104、及びバス105を備える。
【0180】
プロセッサ101は1つ以上の処理コアを備え、プロセッサ101はソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することによって、様々な機能アプリケーション及び情報処理を実行する。
【0181】
受信機102と送信機103は1つの通信コンポーネントとして実現されてもよく、該通信コンポーネントは1つの通信チップであってもよい。
【0182】
メモリ104はバス105を介してプロセッサ101に接続される。
【0183】
メモリ104は少なくとも1つの命令を記憶することに用いられてもよく、プロセッサ101は該少なくとも1つの命令を実行して上記方法実施例における端末によって実行される各ステップを実現することに用いられる。
【0184】
また、メモリ104は任意のタイプの揮発性又は不揮発性記憶装置又はそれらの組み合わせによって実現されてもよく、揮発性又は不揮発性記憶装置は磁気ディスク又は光ディスク、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)を含むが、それらに限らない。
【0185】
図9は本願の1つの例示的な実施例によるアクセスネットワーク装置の構造模式図を示し、該アクセスネットワーク装置はプロセッサ111、受信機112、送信機113、メモリ114、及びバス115を備える。
【0186】
プロセッサ111は1つ以上の処理コアを備え、プロセッサ111はソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することによって、様々な機能アプリケーション及び情報処理を実行する。
【0187】
受信機112と送信機113は1つの通信コンポーネントとして実現されてもよく、該通信コンポーネントは1つの通信チップであってもよい。
【0188】
メモリ114はバス115を介してプロセッサ111に接続される。
【0189】
メモリ114は少なくとも1つの命令を記憶することに用いられてもよく、プロセッサ111は該少なくとも1つの命令を実行して上記方法実施例におけるアクセスネットワーク装置によって実行される各ステップを実現することに用いられる。
【0190】
また、メモリ114は任意のタイプの揮発性又は不揮発性記憶装置又はそれらの組み合わせによって実現されてもよく、揮発性又は不揮発性記憶装置は磁気ディスク又は光ディスク、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)を含むが、それらに限らない。
【0191】
本願はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には少なくとも1つの命令が記憶され、前記少なくとも1つの命令は前記プロセッサによってロードして実行されて、上記各方法実施例によるデータ送信方法を実現する。
【0192】
本願は更にコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品がコンピュータにおいて実行される時、コンピュータは上記の各方法実施例によるデータ送信方法を実行する。
【0193】
当業者が意識できるように、上記1つ又は複数の例示において、本願実施例に記載の機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実現してもよい。ソフトウェアを使用して実現する場合、それらの機能をコンピュータ可読媒体に記憶し、又はコンピュータ可読媒体における1つ又は複数の命令又はコードとして伝送してもよい。コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み、通信媒体はコンピュータプログラムを1つの場所から他の場所に伝送するのに便利な任意の媒体を含む。記憶媒体は汎用又は専用のコンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0194】
以上は本願の好適な実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではない。本願の精神及び原則内において行われる如何なる修正、同等な代替、改善等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9