(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】バンドパスフィルタ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/203 20060101AFI20221117BHJP
H01P 1/205 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H01P1/203
H01P1/205 K
(21)【出願番号】P 2022527517
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2021006396
(87)【国際公開番号】W WO2021240918
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】P 2020093732
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄大
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-072001(JP,U)
【文献】特開平02-284501(JP,A)
【文献】特開平07-058508(JP,A)
【文献】実開平04-116404(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107293831(CN,A)
【文献】Jia-Sheng Hong, et al.,"Cross-Coupled Microstrip Hairpin-Resonator Filters",IEEE TRANSACTION ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,1998年,Vol.46, No.1,pp.118-122
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/203
H01P 1/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの地導体層と、
前記地導体層から離間した層に配列された複数の共振器であって、それぞれが帯状導体により構成された複数の共振器と、
前記複数の共振器のうち最初段の共振器に接続された帯状導体である第1線路と、
前記複数の共振器のうち最終段の共振器に接続された帯状導体である第2線路と、を備え、
前記最初段の共振器から前記第1線路が引き出されている方向と、前記最終段の共振器から前記第2線路が引き出されている方向とは、互いに反対方向であ
り、
前記最初段の共振器を構成する最初段の帯状導体、及び、前記最終段の共振器を構成する最終段の帯状導体の各々は、それぞれ、中点の近傍である第1折り曲げ点において、一方の端部を含む第1区間と他方の端部を含む第2区間とが沿うように、折り曲げられており、且つ、該第1区間及び該第2区間の各々は、それぞれの中点の近傍である第2折り曲げ点において、前記第1折り曲げ点を含む第1サブ区間と一対の端部を含む第2サブ区間とが略直交するように折り曲げられており、
最初段の共振器及び最終段の共振器の各々は、それぞれの第1サブ区間同士が並走し、それぞれの第2サブ区間が延伸されている方向が互いに反対方向になるように配置され、
前記第1線路及び前記第2線路の各々は、それぞれ、前記最初段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍、及び、前記最終段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍に接続されている、
ことを特徴とするバンドパスフィルタ。
【請求項2】
誘電体製の複数の板状部材を含む多層基板と、
前記多層基板に設けられた第1ビア及び第2ビアと、を更に備え、
前記少なくとも1つの地導体層は、前記多層基板の外層に設けられており、
前記複数の共振器は、前記多層基板の内層に設けられており、
前記少なくとも1つの地導体層のうち、いずれかの地導体層には、平面視において前記第1線路の端部のうち最初段の共振器に接続されていない端部である第1端部と重なる領域を取り囲む第1アンチパッドと、平面視において前記第2線路の端部のうち最終段の共振器に接続されていない端部である第2端部と重なる領域を取り囲む第2アンチパッドとが形成されており、
前記第1ビアは、前記第1アンチパッドにより取り囲まれた領域である第1ランドと前記第1端部とを短絡し、
前記第2ビアは、前記第2アンチパッドにより取り囲まれた領域である第2ランドと前記第2端部とを短絡する、
ことを特徴とする請求項
1に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの地導体層は、互いに対向する一対の地導体層であり、
前記複数の共振器は、前記一対の地導体層の間に介在する、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項4】
誘電体製の複数の板状部材を含み、且つ、前記一対の地導体層の各々が一対の外層の各々にそれぞれ設けられている多層基板と、
前記多層基板に設けられ、且つ、前記一対の地導体層同士を短絡する複数のスルービアと、を更に備え、
前記複数の共振器は、前記多層基板の内層に設けられており、
前記複数のスルービアは、平面視において、前記複数の共振器を取り囲む長方形の4辺のうち、前記第1線路の端部のうち最初段の共振器に接続されていない端部である第1端部に近接する第1の辺、及び、前記第2線路の端部のうち最終段の共振器に接続されていない端部である第2端部に近接する第2の辺を含む3辺に沿って設けられている、
ことを特徴とする請求項
3に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項5】
前記3辺を構成する第3の辺は、前記第1の辺及び前記第2の辺以外の2辺のうち前記第1線路及び前記第2線路に近い側の辺である、
ことを特徴とする請求項
4に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項6】
前記複数の共振器は、それぞれが一対の端部同士がギャップを有するように折れ曲がった前記帯状導体により構成されており、且つ、2行3列に配列されており、
1行1列から1行3列に配列された共振器をそれぞれ第1共振器、第2共振器、第3共振器とし、2行3列から2行1列に配列された共振器をそれぞれ第4共振器、第5共振器、第6共振器として、
前記第1共振器及び前記第6共振器の各々は、それぞれ、前記最初段の共振器及び前記最終段の共振器であり、
前記第1共振器~前記第6共振器は、iを1以上5以下の整数として、第i共振器の直線区間と第i+1共振器の直線区間とが近接し、前記第2共振器のギャップと前記第5共振器のギャップとが近接するように配列されている、
ことを特徴とする請求項1~
5の何れか1項に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項7】
前記複数の共振器、前記第1線路、及び前記第2線路は、線対称となるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1~
6の何れか1項に記載のバンドパスフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンドパスフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1のFig.1には、誘電体製の基板と、基板の下側の主面に設けられた地導体層と、基板の上側の主面に設けられたn個(非特許文献1においてはn=6)の共振器、第1線路、及び第2線路と、を備えたバンドパスフィルタが図示されている。
【0003】
n個の共振器は、それぞれ、端部同士がギャップを有するように長方形状に折れ曲げられた帯状導体により構成されており、2行n/2列に配列されている。第1線路は、最初段の共振器に接続されており、第2線路は、最終段の共振器に結合されている。
【0004】
第1線路及び第2線路は、それぞれ、最初段の共振器及び最終段の共振器の各々を構成する帯状導体の中点近傍に接続されている。第1線路及び第2線路は、このバンドパスフィルタに高周波を入出力する線路として機能する。
【0005】
このように構成されたバンドパスフィルタは、マイクロストリップフィルタの一例である。なお、このマイクロストリップフィルタのn個の共振器、第1線路、及び第2線路の上に、別の誘電体製の基板と別の地導体層とを積層することによって、Fig.1に図示されたバンドパスフィルタをストリップラインフィルタに変形することもできる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】J.S. Hong and M.J. Lancaster,Electronics LETTERS,9th November 1995 Vol. 31, No. 23, p.2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
Fig.1に図示されたバンドパスフィルタでは、i番目(iは1以上n-1以下の整数)の共振器である第i共振器とi+1番目の共振器である第i+1共振器とが磁気的に結合し、最初段の共振器と最終段の共振器とが静電的に結合する構成が採用されている。この場合、最初段の共振器及び最終段の共振器は、最初段の共振器のギャップと最終段の共振器のギャップとが近接するように配置される。上述したように、第1線路及び第2線路は、それぞれ、共振器を構成する帯状導体の中点近傍に接続される。すなわち、第1線路及び第2線路は、それぞれ、ギャップが位置する辺の対辺に接続される。そのため、Fig.1に図示されたバンドパスフィルタにおいては、第1線路と第2線路との間隔を容易に広げることができる。
【0008】
一方、バンドパスフィルタの設計方針によっては、最初段の共振器と最終段の共振器とは磁気的に結合し、2番目の共振器である第2共振器と、n-1番目の共振器である第n-1共振器とが静電的に結合する構成を採用する場合もある。このような構成を採用したバンドパスフィルタであるフィルタ2010を
図11に示す。
図11は、フィルタ2010の斜視図である。
【0009】
図11に示すように、フィルタ2010は、多層基板2011と、地導体層2012,2013と、6段の共振器2141~2146と、線路2151,2152と、を備えているストリップラインフィルタである。多層基板2011は、2枚の誘電体製の板状基板である基板2111及び基板2112により構成されている。地導体層2012,2013は、多層基板2011の一対の外層の各々にそれぞれ設けられている。共振器2141~2146、及び、線路2151,2152は、多層基板2011の内層に設けられている。共振器2141は、最初段の共振器であり、共振器2146は、最終段の共振器である。線路2151は、第1線路であり、線路2152は、第2線路である。線路2151は、共振器2141に接続されており、線路2152は、共振器2146に接続されている。
【0010】
このように構成されたフィルタ2010においても、共振器2141と共振器2142との結合、及び、共振器2145と共振器2146との結合は、磁気的であることが求められる。すなわち、共振器2141は、共振器2142及び共振器2146の各々と磁気的に結合し、共振器2146は、共振器2141及び共振器2145の各々と磁気的に結合することが求められる。
【0011】
この条件を満たすために、共振器2141及び共振器2146は、共振器2141の4辺のうちギャップG1を含む辺と、共振器2146の4辺のうちギャップG6を含む辺とが最も離れるように配置されることが好ましい。そのため、線路2151と線路2152との間隔は、狭くならざるを得ない。
【0012】
ところで、線路2151の端部のうち共振器2141に接続されていない端部である第1端部、及び、線路2152の端部のうち共振器2146に接続されていない端部である第2端部の各々には、高周波を結合させるために、以下の構成が設けられている場合がある。すなわち、地導体層2012には、平面視において第1端部と重なる領域を取り囲む第1アンチパッドと、平面視において第2端部と重なる領域を取り囲む第2アンチパッドとが形成されている。第1アンチパッド及び第2アンチパッドの各々に囲まれた領域は、第1ランド及び第2ランドである。そのうえで、第1端部と第1ランドとは、基板2111に設けられた第1ビアにより接続されており、第2端部と第2ランドとは、基板2111に設けられた第2ビアにより接続されている構成である。
【0013】
このように、フィルタ2010が第1ランド、第2ランド、第1ビア、及び、第2ビアを備えている場合、第1ランド及び第1ビアと、第2ランド及び第2ビアとが結合しやすいため、フィルタ特性が劣化しやすい。
【0014】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ストリップラインフィルタ又はマイクロストリップフィルタと呼ばれるタイプのバンドパスフィルタにおいて、フィルタ特性の劣化を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバンドパスフィルタにおいては、少なくとも1つの地導体層と、前記地導体層から離間した層に配列された複数の共振器であって、それぞれが帯状導体により構成された複数の共振器と、前記複数の共振器のうち最初段の共振器に接続された帯状導体である第1線路と、前記複数の共振器のうち最終段の共振器に接続された帯状導体である第2線路と、を備え、前記最初段の共振器から前記第1線路が引き出されている方向と、前記最終段の共振器から前記第2線路が引き出されている方向とは、互いに反対方向である、構成が採用されている。
【0016】
このように構成されたバンドパスフィルタは、ストリップラインフィルタ又はマイクロストリップフィルタと呼ばれるタイプのバンドパスフィルタである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、ストリップラインフィルタ又はマイクロストリップフィルタと呼ばれるタイプのバンドパスフィルタにおいて、フィルタ特性の劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るフィルタの斜視図である。
【
図3】
図1に示したフィルタが備えている共振器及び線路の平面図である。
【
図4】
図1に示したフィルタの第1の変形例が備えている複数の共振器の平面図である。
【
図5】本発明の第1の比較例に係るフィルタが備えている複数の共振器の平面図である。
【
図6】(a)~(d)の各々は、それぞれ、第1の比較例、第1の実施例、第2の比較例、及び、第2の実施例のSパラメータを示すグラフである。
【
図7】(a)~(d)の各々は、それぞれ、
図1に示したフィルタの第2の変形例、第3の変形例、第4の変形例、及び、第5の変形例が備えている複数の共振器の平面図である。
【
図8】(a)~(d)の各々は、それぞれ、第2の変形例、第3の変形例、第4の変形例、及び、第5の変形例のSパラメータを示すグラフである。
【
図9】(b)は、
図7の(b)に示した第3の変形例が備えている複数の共振器の平面図である。(a)及び(c)の各々は、それぞれ、第3の変形例の一変形例が備えている複数の共振器の平面図である。(e)は、
図7の(c)に示した第4の変形例が備えている複数の共振器の平面図である。(d)及び(f)の各々は、それぞれ、第4の変形例の一変形例が備えている複数の共振器の平面図である。
【
図10】(a)~(f)の各々は、それぞれ、
図9の(a)~(f)の各々に示したフィルタのSパラメータを示すグラフである。
【
図11】従来のバンドパスフィルタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るバンドパスフィルタであるフィルタ10について、
図1~
図3を参照して説明する。また、フィルタ10が実装される実装基板20についても
図2を参照して説明する。
図1は、フィルタ10の斜視図である。
図2は、フィルタ10の断面図である。なお、
図2は、フィルタ10が備えている線路151,152の中心軸に沿った断面を示す。また、
図2には、実装基板20に実装された状態のフィルタ10を示す。
図3は、フィルタ10が備えている共振器141~146及び線路151,152の平面図である。なお、
図3においては、フィルタ10が備えている基板112及び地導体層13の図示を省略している。
【0020】
なお、
図1~
図3においては、基板111及び基板112の各主面がxy平面と平行になるように、且つ、フィルタ10の対称軸AS(
図3参照)がx軸と平行になるように、直交座標系を定めている。また、共振器141から共振器143へ向かう方向をx軸正方向と定め、共振器146から共振器141へ向かう方向をy軸正方向と定め、基板111から基板112へ向かう方向をz軸正方向と定めている。
【0021】
図1及び
図2に示すように、フィルタ10は、多層基板11と、地導体層12と、地導体層13と、共振器141~146と、線路151,152と、ビア161,162と、スルービア171~179,1710と、を備えている。
【0022】
<多層基板>
多層基板11は、基板111,112と、接着層とを備えている。なお、
図1及び
図2においては、接着層の図示を省略している。
【0023】
基板111,112は、誘電体製の2枚の板状部材である。
図1に示した状態においては、基板111の上側(z軸正方向の側)に基板112が配置されている。以下において、基板111の一対の主面のうち基板112と逆側の主面を外層LO11と称し、基板112の一対の主面のうち基板111と逆側の主面を外層LO12と称し、基板111と基板112との間を内層LI1と称する。
【0024】
本実施形態において、基板111,112は、液晶ポリマー樹脂製である。ただし、基板111,112を構成する誘電体は、液晶ポリマー樹脂に限定されるものではなく、ガラスエポキシ樹脂や、エポキシ配合品や、ポリイミド樹脂などであってもよい。また、本実施形態において、基板111,112は、平面視において長方形状である。ただし、基板111,112の形状は、長方形状に限定されるものではなく、適宜選択することができる。
【0025】
接着層は、内層LI1に設けられており、基板111と基板112とを互いに接着する。接着層を構成する接着剤は、限定されるものではなく、既存の接着剤のなかから適宜選択することができる。
【0026】
<地導体層>
地導体層12は、外層LO11に設けられた導体膜により構成されている。地導体層13は、外層LO12に設けられた導体膜により構成されている。地導体層12,13は、互いに対向する一対の地導体層の一例であり、後述する共振器141~146及び線路151,152とともにストリップラインを構成する。
【0027】
なお、本発明の一態様において、地導体層12及び地導体層13のうち、地導体層13を省略することができる。また、地導体層13を省略する場合、基板112も併せて省略することができる。地導体層13を省略する場合、地導体層12は、後述する共振器141~146及び線路151,152とともにマイクロストリップラインを構成する。
【0028】
本実施形態において、地導体層12,13は、銅製である。ただし、地導体層12,13を構成する導体は、銅に限定されるものではなく、金やアルミニウムなどであってもよい。
【0029】
図2及び
図3に示すように、地導体層12には、アンチパッド121,122が形成されている。アンチパッド121は、平面視において、線路151の端部のうち共振器141に接続されていない端部1511と重なる領域を取り囲むように形成されている(
図3参照)。アンチパッド122は、平面視において、第2線路152の端部のうち共振器146に接続されていない端部1521と重なる領域を取り囲むように形成されている(
図3参照)。なお、端部1511,1512の各々は、それぞれ、第1端部及び第2端部の一例である。
【0030】
以下において、アンチパッド121により取り囲まれた領域をランド123と称し、アンチパッド122により取り囲まれた領域をランド124と称する。アンチパッド121及びアンチパッド122の各々は、第1アンチパッド及び第2アンチパッドの一例である。ランド123及びランド124の各々は、それぞれ、第1ランド及び第2ランドの一例である。
【0031】
<共振器>
6段の共振器である共振器141~146は、地導体層12から離間した層内に配列された複数の共振器の一例である。共振器141~146の各々は、隣接する共振器同士の間隔が所定の間隔になるように、互いに離間した状態で配列されている。なお、本発明の一態様において、共振器の数(段数)は6に限定されるものではなく、所望の反射特性及び透過特性を実現するために適宜選択することができる。ただし、共振器の数は、偶数であることが好ましい。
【0032】
本実施形態において、フィルタ10は、ストリップラインフィルタであるので、共振器141~146は、地導体層12,13の各々から離間しており、且つ、地導体層12と地導体層13との間に介在するように設けられている。本実施形態において、共振器141~146は、内層LI1に設けられている。
【0033】
共振器141~146は、
図1及び
図3に示すように、それぞれが帯状導体により構成されている。共振器141~146は、
図3に示すように、内層LI1の層内において、それぞれを構成する帯状導体における一対の端部同士がギャップG1~G6を形成するように、各帯状導体を折れ曲げることによって構成されている。本実施形態において、共振器141~146は、銅製である。ただし、共振器141~146を構成する帯状導体は、銅に限定されるものではなく、金やアルミニウムなどであってもよい。
【0034】
共振器141~146は、2行3列に配列されている。共振器141、共振器142、及び共振器143は、それぞれ、第1共振器、第2共振器、及び第3共振器の一例であり、1行1列から1行3列に配列されている。共振器144、共振器145、及び共振器146は、それぞれ、第4共振器、第5共振器、及び第6共振器の一例であり、2行3列から2行1列に配列されている。
【0035】
(最初段の共振器及び最終段の共振器)
共振器141には、後述する線路151が接続されており、共振器146には、後述する線路152が接続されている。したがって、共振器141及び共振器146は、それぞれ、最初段の共振器及び最終段の共振器の一例である。
【0036】
共振器141を構成する最初段の帯状導体は、該帯状導体の中点の近傍である折り曲げ点P11において、一方の端部である端部E11を含む区間S11と、他方の端部である端部E12を含む区間S12とが沿うように(すなわち並走するように)、折り曲げられている。折り曲げ点P11は、第1折り曲げ点の一例である。また、区間S11及び区間S12は、それぞれ、第1区間及び第2区間の一例である。なお、区間S11及び区間S12のうち、共振器146に近い側の区間を区間S12とし、共振器146から遠い側の区間を区間S11とする。
【0037】
そのうえで、区間S11及び区間S12の各々は、それぞれの中点近傍である折り曲げ点P12において、折り曲げ点P11を含むサブ区間S111,S121の各々と、端部E11,E12を含むサブ区間S112,S122の各々とが直交するように、最初段の帯状導体は、折り曲げられている。サブ区間S111,S121は、第1サブ区間の一例であり、サブ区間S112,S122は、第2サブ区間の一例である。
【0038】
同様に、共振器146を構成する最終段の帯状導体は、該帯状導体の中点の近傍である折り曲げ点P61において、一方の端部である端部E61を含む区間S61と、他方の端部である端部E62を含む区間S62とが沿うように(すなわち並走するように)、折り曲げられている。折り曲げ点P61は、第2折り曲げ点の一例である。また、区間S61及び区間S62は、それぞれ、第1区間及び第2区間の一例である。なお、区間S61及び区間S62のうち、共振器141に近い側の区間を区間S62とし、共振器141から遠い側の区間を区間S61とする。
【0039】
そのうえで、区間S61及び区間S62の各々は、それぞれの中点近傍である折り曲げ点P62において、折り曲げ点P61を含むサブ区間S611,S621と、端部E61,E62を含むサブ区間S612,S622とが直交するように、最終段の帯状導体は、折り曲げられている。サブ区間S611,S621は、第1サブ区間の一例であり、サブ区間S612,S622は、第2サブ区間の一例である。
【0040】
共振器141及び共振器146の各々は、第1サブ区間同士が並走し、それぞれの第2サブ区間が延伸されている方向が互いに反対方向になるように配置されている。すなわち、共振器141及び共振器146の各々は、サブ区間S111及びサブ区間S121と、サブ区間S611及びサブ区間S621とが並走し、且つ、サブ区間S112及びサブ区間S122と、サブ区間S612及びサブ区間S622とが延伸されている方向が互いに反対方向になるように配置されている。なお、サブ区間S112及びサブ区間S122の各々が延伸されている方向とは、折り曲げ点P12から端部E11,E12に向かう方向を意味し、本実施形態においては、y軸正方向である。同様に、サブ区間S612及びサブ区間S622の各々が延伸されている方向とは、折り曲げ点P62から端部E61,E62に向かう方向を意味し、本実施形態においては、y軸負方向である。
【0041】
後述する線路151は、共振器141を構成する最初段の帯状導体のうち、サブ区間S111の折り曲げ点P11の近傍に位置する接続点PC1おいて、共振器141に接続されている。また、後述する線路152は、共振器146を構成する最終段の帯状導体のうち、サブ区間S611の折り曲げ点P61の近傍に位置する接続点PC6おいて、共振器146に接続されている。
【0042】
(それ以外の共振器)
2段目から5段目の共振器である共振器142~145の各々は、
図3に示すように、内層LI1の層内において、それぞれを構成する帯状導体を折れ曲げることによって構成されている。より詳しくは、共振器142~145は、それぞれを構成する帯状導体における一対の端部同士がギャップG2~G5を形成するように、且つ、四角形状になるように、各帯状導体を折れ曲げることによって構成されている。本実施形態において、共振器142~145の形状は、正方形状である。
図3においては、共振器142~145の各々を構成する帯状導体の中心軸に対応する正方形R2~R5を二点鎖線で図示している。ただし、共振器142~145の形状は、正方形状に限定されるものではなく、長方形状であってもよい。また、共振器142~145の各々の形状は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
共振器142において、正方形R2の四辺のうち、ギャップG2を含む辺を辺R21と称し、他の3辺については、辺R21から時計回りの方向へ、順番に、辺R22、辺R23、及び、辺R24と称する。
【0044】
共振器143~145の各々についても共振器142と同様に、ギャップG3~G5の各々を含む辺を辺R31、辺R41、辺R51と称し、他の3辺については、辺R31、辺R41、辺R51から時計回りの方向へ、順番に、(1)辺R32、辺R42、辺R52、(2)辺R33、辺R43、辺R53、(3)辺R34、辺R44、辺R54、と称する。
【0045】
共振器142は、ギャップG2が共振器145に近接する方向(すなわちy軸負方向)を向くように配置されている。共振器143は、ギャップG3が共振器144から遠ざかる方向(すなわちy軸正方向)を向くように配置されている。共振器144は、ギャップG4が共振器143から遠ざかる方向(すなわちy軸負方向)を向くように配置されている。共振器145は、ギャップG5が共振器142に近づく方向(すなわちy軸正方向)を向くように配置されている。
【0046】
換言すれば、共振器141~共振器146は、iを1以上5以下の整数として、第i共振器の直線区間である何れか一辺と、第i+1共振器の直線区間である何れか一辺とが近接し、共振器142のギャップG2と共振器145のギャップG5とが近接するように配列されている。なお、共振器141は、サブ区間S122が共振器142の辺R22に近接するように配置されており、共振器146は、サブ区間S622が共振器145の辺R54に近接するように配置されている。
【0047】
(隣接する共振器間における結合)
このように共振器141~146が配列されたフィルタ10において、(1)共振器141と共振器142との間、(2)共振器142と共振器143との間、(3)共振器143と共振器144との間、(4)共振器144と共振器145との間、(5)共振器145と共振器146との間、(6)共振器141と共振器146との間、における結合は、何れも主に磁気的であり、(7)共振器142と共振器145との間における結合は、主に静電的である。
【0048】
群遅延補償のフィルタ及び等群遅延のフィルタを構成する場合、非特許文献1のFig.1に記載のバンドパスフィルタのように、最初段の共振器と最終段の共振器が静電的に結合するように各共振器を配置する場合が多い。その一方で、6段の共振器を備えているバンドパスフィルタであって、使用帯域を急峻に選択する楕円関数型のバンドパスフィルタを構成する場合、2段目の共振器と5段目の共振器との結合を静電的な結合とし、その他の共振器間の結合を磁気的な結合とする場合が多い。本発明の一態様は、非特許文献1のFig.1に記載のバンドパスフィルタのような構成に比べ、6段の楕円関数型のバンドパスフィルタを実現する場合に、後述する一対の入出力ポート間に生じ得る結合を減らし、フィルタ特性におけるその影響を減らすことができる。
【0049】
<線路>
線路151,152は、共振器141~146と同じ層、すなわち内層LI1に設けられている。線路151,152は、直線状の帯状導体により構成されている。線路151,152は、共振器141~146と同じ導体により構成されている。したがって、本実施形態において、線路151,152は、銅製である。ただし、線路151,152は、を構成する導体は、銅に限定されるものではなく、金やアルミニウムなどであってもよい。
【0050】
線路151は、第1線路の一例であり、線路152は、第2線路の一例である。線路151は、接続点PC1において、一方の端部が共振器141に接続されており、接続点PC1からy軸正方向に向かって引き出されている。線路152は、接続点PC6において、一方の端部が共振器146に接続されており、接続点PC6からy軸負方向に向かって引き出されている。したがって、線路151が引き出されている方向と、線路152が引き出されている方向とは、互いに平行であり、且つ、互いに反対方向である。
【0051】
<ビア>
第1ビア及び第2ビアの一例であるビア161,162は、多層基板11を構成する2枚の基板111,112のうち、基板111に設けられた導体製の筒状部材である。ただし、ビア161,162は、導体製の柱状部材であってもよい。
【0052】
ビア161は、平面視において、地導体層12に設けられたランド123と線路151の他方の端部である端部1511とが重なる領域に設けられており、ランド123と端部1511とを短絡する。ビア162は、地導体層12に設けられたランド124と線路152の他方の端部である端部1521とが重なる領域に設けられており、ランド124と端部1521とを短絡する。
【0053】
ランド123とビア161とは、フィルタ10における一対の入出力ポートの1つとして機能する。同様に、ランド124とビア162とは、フィルタ10における一対の入出力ポートの1つとして機能する。
【0054】
<スルービア>
10本のスルービア171~179,1710は、多層基板11を貫通するように多層基板11に設けられた導体製の筒状部材である。ただし、スルービア171~179,1710は、導体製の柱状部材であってもよい。スルービア171~179,1710の各々は、何れも、地導体層12と地導体層13とを短絡する。
【0055】
図3に示すように、基板111を平面視した場合に、共振器141~146を取り囲む長方形RSの4辺のうち、線路151の端部1511に近接する辺を辺RS1と称し、線路152の端部1521に近接する辺を辺RS2と称する。また、辺RS1,RS2以外の2辺のうち、線路151,152に近い側(x軸負方向側)の辺を辺RS3と称し、線路151,152から遠い側の辺を辺RS4と称する。辺RS1、辺RS2、及び辺RS3の各々は、それぞれ、第1の辺、第2の辺、及び第3の辺の一例である。
【0056】
本実施形態において、スルービア171~179,1710は、基板111を平面視した場合に、長方形RSの4辺である辺RS1~辺RS4に沿って設けられている。ただし、これらのスルービアは、少なくとも、辺RS1における端部1511の近傍と、辺RS2における端部1521の近傍に設けられていればよく、辺RS1及び辺RS2を含む3辺に設けられていることが好ましい。また、これらのスルービアが長方形RSの4辺である辺RS1~RS4のうち3辺に設けられている場合、その3辺は、辺RS1、辺RS2、及び辺RS3であることが好ましい。これらのスルービアの配置の変形例については、
図7~
図10を参照して後述する。
【0057】
<フィルタにおける対称性>
図3に示すように、平面視において、共振器141~146、線路151、及び線路152は、対称軸ASに対して線対称となるように配置されている。対称軸ASは、線路151及び線路152が延在する方向(すなわちy軸方向)に直交する方向(すなわちx軸方向)と平行であり、且つ、共振器141と共振器146との中間に位置する軸である。
【0058】
<実装基板>
上述したように、
図2には、実装基板20に実装された状態のフィルタ10を示している。ここでは、実装基板20について、
図2を参照して説明する。実装基板20は、多層基板21と、地導体層22と、地導体層23とを備えている。
【0059】
多層基板21は、基板211,212と、接着層とを備えている。なお、
図2においては、接着層の図示を省略している。
【0060】
(多層基板)
基板211,212は、誘電体製の2枚の板状部材である。
図2に示した状態においては、基板211がフィルタ10に近接する側の基板であり、基板211の下側(z軸負方向の側)に基板212が配置されている。以下において、基板211の一対の主面のうち基板212と逆側の主面を外層LO21と称し、基板212の一対の主面のうち基板211と逆側の主面を外層LO22と称し、基板211と基板212との間を内層LI2と称する。接着層は、内層LI2に設けられており、基板211と基板212とを互いに接着する。
【0061】
(地導体層)
地導体層22は、外層LO21に設けられた導体膜により構成されている。地導体層23は、外層LO22に設けられた導体膜により構成されている。地導体層22,23は、後述する線路251,252とともにストリップラインを構成する。
【0062】
図2に示すように、地導体層22には、アンチパッド221,222が形成されている。以下において、アンチパッド221により取り囲まれた領域をランド223と称し、アンチパッド222により取り囲まれた領域をランド224と称する。本実施形態において、ランド223とランド224との中心間距離は、ランド123とランド124との中心間距離と等しい。
【0063】
(線路)
線路251,252は、内層LI2に設けられた、直線状の帯状導体である。線路251は、平面視において、一方の端部がランド223と重なるように構成されている。線路252は、平面視において、一方の端部がランド224と重なるように構成されている。線路251,252は、上述したように、地導体層22,23とともにストリップラインを構成する。
【0064】
(ビア)
ビア261,262は、多層基板21を構成する2枚の基板211,212のうち、基板211に設けられた導体製の筒状部材である。ただし、ビア261,262は、導体製の柱状部材であってもよい。
【0065】
ビア261は、平面視において、地導体層22に設けられたランド223と線路251の一方の端部とが重なる領域に設けられており、ランド223と線路251の一方の端部とを短絡する。ビア262は、地導体層22に設けられたランド224と線路252の一方の端部とが重なる領域に設けられており、ランド224と線路252の一方の端部とを短絡する。
【0066】
ランド223とビア261とは、実装基板20における一対の入出力ポートの1つとして機能する。同様に、ランド224とビア262とは、実装基板20における一対の入出力ポートの1つとして機能する。
【0067】
(半田)
本実施形態において、フィルタ10は、実装基板20に対して、半田31,32,33を用いて実装されている。
【0068】
半田31は、ランド123とランド223とを導通させるとともに、フィルタ10を実装基板20に固定する。半田32は、ランド124とランド224とを導通させるとともに、フィルタ10を実装基板20に固定する。複数の半田33は、地導体層12と地導体層22とを短絡させるとともに、フィルタ10を実装基板20に固定する。
【0069】
以上のように、フィルタ10は、実装基板20に対して、低損失且つ容易に実装することができる。
【0070】
〔第1の変形例〕
図1~
図3に示したフィルタ10の第1の変形例であるフィルタ10Aについて、
図4を参照して説明する。
図4は、フィルタ10Aが備えている6段の共振器である共振器141A、共振器142A、共振器143、共振器144、共振器145A、及び共振器146Aの平面図である。なお、
図4においては、フィルタ10Aが備えている基板112及び地導体層13の図示を省略している。
【0071】
フィルタ10Aは、フィルタ10をベースにして、共振器141,142,145,146を、共振器141A,142A,145A,146Aに置き換えることによって得られる。したがって、本変形例では、共振器141A,142A,145A,146Aについてのみ説明し、フィルタ10Aの部材のうちフィルタ10と共通する部材には同じ部材番号を付し、その説明を省略する。
【0072】
共振器142A,145Aは、フィルタ10における共振器142,145と同様に、それぞれを構成する帯状導体における一対の端部同士がギャップG2A,G5Aを形成するように、且つ、四角形状になるように、各帯状導体を折れ曲げることによって構成されている。ただし、共振器142A,145Aの形状は、長辺がy軸方向と平行な方向に延在している長方形状である。
図4においては、共振器142A,145Aの各々を構成する帯状導体の中心軸に対応する長方形R2A,R5Aを二点鎖線で図示している。
【0073】
共振器142Aにおいて、長方形R2Aの四辺のうち、ギャップG2Aを含む辺を辺R21Aと称し、他の3辺については、辺R21Aから時計回りの方向へ、順番に、辺R22A、辺R23A、及び、辺R24Aと称する。
【0074】
共振器145Aにおいて、ギャップG5Aを含む辺を辺R51Aと称し、他の3辺については、辺R51Aから時計回りの方向へ、順番に、辺R54A、辺R53A、及び辺R52Aと称する。
【0075】
共振器142Aは、ギャップG2Aが共振器145Aに近接する方向(すなわちy軸負方向)を向くように配置されている。共振器145Aは、ギャップG5Aが共振器142Aに近づく方向(すなわちy軸正方向)を向くように配置されている。
【0076】
共振器142A,145Aにおいては、辺R21A,R23A,R51A,R53Aが短辺であり、辺R22A,R24A,R52A,R54Aが長辺である。
【0077】
フィルタ10Aは、フィルタ10と比較して、共振器141A,142A,143,144,145A,146Aが占有する領域のx軸方向に沿った長さを短縮し、縦横比を1:1に近づけることができるので、本発明の一態様に係るバンドパスフィルタをコンパクト化することができる。
【0078】
なお、フィルタ10Aでは、共振器142A,145Aの形状として長方形状を採用したことに伴い、共振器141,146を共振器141A,146Aに置き換えている。共振器141A,146Aは、共振器141,146と比較して、サブ区間S122A,S622Aの長さを延長している。この構成によれば、共振器142A,145Aの形状として長方形状を採用した場合であっても、共振器141Aと共振器142Aとの間における結合、及び、共振器145Aと共振器146Aとの間における結合の大きさを最適化することができる。
【0079】
〔第1の実施例及び第2の実施例〕
第1の実施形態に係るフィルタ10において、ビア161,162と、地導体層12に形成されていたアンチパッド121及びアンチパッド122とを省略したものを第1の実施例とし、第1の実施形態に係るフィルタ10を第2の実施例とした。また、第1の実施例及び第2の実施例の各々に対する比較例を、それぞれ、第1の比較例及び第2の比較例とした。第1の比較例は、
図5に示したフィルタ1010において、ビア1161,1162と、一方の地導体層に形成されているアンチパッド1121及びアンチパッド1122とを省略したものである。第2の比較例は、
図5に示したフィルタ1010である。
【0080】
第1の比較例及び第2の比較例と、第1の実施例及び第2の実施例とを対比した場合、基板1111、アンチパッド1121、アンチパッド1122、ランド1123、ランド1124、共振器1141~1146、線路1151,1152、ビア1161,1162、及び、スルービア1171~1177の各々は、それぞれ、基板111、アンチパッド121、アンチパッド122、ランド123、ランド124、共振器141~146、線路151,152、ビア161,162、及び、スルービア171~179,1710に読み替えられる。
【0081】
ただし、第1の比較例及び第2の比較例においては、共振器1141,1146の形状を、共振器1142~1145と同様に正方形状とし、そのうえで、線路1151が共振器1141から引き出されている方向と、線路1152が共振器1146から引き出されている方向とを同じ方向(x軸負方向)とした。したがって、第1の比較例及び第2の比較例においては、第1の実施例及び第2の実施例と比較して、線路1151と線路1152との間隔が線路151と線路152との間隔よりも狭くなっている。それに伴い、第2の比較例においては、第2の実施例と比較して、ビア1161及びランド1123とビア1162及びランド1124との間隔が、ビア161及びランド123とビア162及びランド124との間隔よりも狭くなっている(
図5参照)。
【0082】
なお、第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例においては、各共振器を構成する帯状導体の幅として120μmを採用し、正方形状に折り曲げられた各共振器における1辺の長さとして約1mmを採用し、ビア161,162,1161,1162の直径として100μmを採用した。
【0083】
また、
図2に示したように、フィルタ10を実際に使用する場合、フィルタ10は、実装基板20に実装される。したがって、ランド及びビアを有する第2の実施例及び第2の比較例は、より現実的な構成であり、ランド及びビアを有さない第1の実施例及び第1の比較例は、参考的な構成である。
【0084】
図6の(a)~(d)の各々は、それぞれ、第1の比較例、第1の実施例、第2の比較例、及び、第2の実施例のSパラメータを示すグラフである。なお、これらのSパラメータは、シミュレーションにより得たものである。
図6の(a)~(d)の各々において、SパラメータS11を実線でプロットし、SパラメータS21を破線で示した。なお、以下においては、SパラメータS11の周波数依存性のことを反射特性と称し、SパラメータS21の周波数依存性のことを透過特性と称する。また、本願明細書において、反射特性及び透過特性のことをまとめてフィルタ特性と称する。
【0085】
図6の(a)及び(b)を参照し、ランド及びビアを有さない第1の比較例と第1の実施例とを比較した場合、何れも良好な反射特性及び透過特性を示すことが分かった。
【0086】
そのうえで、第1の比較例に対してランド1123,1124及びビア1161,1162を追加することによって第2の比較例とした場合、反射特性及び透過特性が大きく劣化することが分かった(
図6の(c)参照)。
【0087】
一方、第1の実施例に対してランド123,124及びビア161,162を追加することによって第2の実施例とした場合、反射特性及び透過特性における劣化が第2の比較例よりも小さいことが分かった(
図6の(d)参照)。
【0088】
これらの結果は、対となるビア及びランド同士の間隔が広いほど、対となるビア及びランド同士の間に生じ得る想定外の結合を抑制することができるためと考えられる。
【0089】
〔第2の変形例~第5の変形例〕
図4に示した第1の変形例であるフィルタ10Aの更なる変形例である第2の変形例~第5の変形例について、
図7及び
図8を参照して説明する。以下では、第2の変形例をフィルタ10A1と称し、第3の変形例をフィルタ10A2と称し、第4の変形例をフィルタ10A3と称し、第5の変形例をフィルタ10A4と称する。
図7の(a)~(d)は、フィルタ10A1~フィルタ10A4が備えている複数の共振器の平面図である。なお、
図7の(d)に示すように、フィルタ10A4は、
図4に示したフィルタ10Aをベースにし、複数の共振器を取り囲む長方形RSの4辺のうち、第1線路及び第2線路に近い側の辺(
図7の(d)に示す辺RS3)に設けられているスルービアの数を2本増やすことによって得られたものである。すなわち、フィルタ10A4は、12本のスルービア171~179,1710~1712を備えている。
図8の(a)~(d)は、フィルタ10A1~フィルタ10A4のSパラメータを示すグラフである。なお、これらのSパラメータは、シミュレーションにより得たものである。
【0090】
フィルタ10A1~フィルタ10A3は、フィルタ10A4をベースにして、複数のスルービアを設ける辺の数を変化させることによって得られる。したがって、
図7の(a)~(d)においては、複数の共振器を取り囲む長方形RSと、その4辺である辺RS1~辺RS4と、複数のスルービア(例えば、フィルタ10A4であればスルービア171~179,1710~1712)とにのみ符号を付し、それら以外の部材の符号を省略している。
【0091】
図7の(d)に示すように、フィルタ10A4において、スルービア171~179,1710~1712は、長方形RSの辺RS1~辺RS4のすべてにスルービアが設けられている。具体的には、辺RS1にはスルービア171~173が設けられており、辺RS2には177~179が設けられており、辺RS3にはスルービア1710~1712が設けられており、辺RS4にはスルービア174~176が設けられている。
【0092】
図7の(a)に示すように、フィルタ10A1は、フィルタ10A4をベースにして、辺RS3及び辺RS4の各々に設けられたスルービア1710~1712及びスルービア174~176を省略することによって得られる。換言すれば、フィルタ10A1において、複数のスルービアは、辺RS1及び辺RS2のみに設けられている。辺RS1及び辺RS2の各々は、それぞれ、第1の辺及び第2の辺の一例である。
【0093】
図7の(b)に示すように、フィルタ10A2は、フィルタ10A4をベースにして、辺RS4に設けられたスルービア174~176を省略することによって得られる。換言すれば、フィルタ10A2において、複数のスルービアは、辺RS1、辺RS2、及び辺RS3に設けられている。したがって、フィルタ10A2において、第3の辺は、第1線路及び第2線路に近い側の辺である辺RS3である。
【0094】
図7の(c)に示すように、フィルタ10A3は、フィルタ10A4をベースにして、辺RS3に設けられたスルービア1710~1712を省略することによって得られる。換言すれば、フィルタ10A3において、複数のスルービアは、辺RS1、辺RS2、及び辺RS4に設けられている。したがって、フィルタ10A3において、第3の辺は、第1線路及び第2線路から遠い側の辺である辺RS4である。
【0095】
図8の(d)を参照すれば、フィルタ10Aの反射特性及び透過特性はおおむね良好であるものの、遮断帯域のうち35GHzの近傍においてSパラメータS21の抑圧が悪くなっておりピークを示すことが分かった。
【0096】
それに対して、
図8の(a)を参照すれば、複数のスルービアを設ける辺を辺RS1及び辺RS2とすることによって、フィルタ10A1は、35GHzの近傍におけるSパラメータS21を抑制することができ、フィルタ10Aにおいては生じていたピークをなくすことができた。ただし、フィルタ10A1(
図8の(a)参照)とフィルタ10A
4(
図8の(d)参照)とを比較した場合、フィルタ10A1において、遮断帯域のうち22.8GHzの近傍においてSパラメータS21の抑圧が悪くなっていることが分かった。
【0097】
図8の(b)及び(c)を参照すれば、複数のスルービアを設ける辺を、辺RS1、辺RS2、及び辺RS3、あるいは、辺RS1、辺RS2、及び辺RS4とすることによって、フィルタ10A2,10A3は、35GHzの近傍、及び、22.8GHzの近傍の両方においてSパラメータS21をよく抑圧できることが分かった。なお、フィルタ10A2とフィルタ10A3とを比較した場合、フィルタ10A2のほうが35GHzの近傍におけるSパラメータS21をより抑圧できることが分かった。
【0098】
〔第3の変形例及び第4の変形例の一変形例〕
図7の(b)に示したフィルタ10A2、及び、
図7の(c)に示したフィルタ10A3の各々をベースにして、辺RS3あるいは辺RS4に設けるスルービアの本数を変化させた場合について、
図9及び
図10を参照して説明する。
図9においては、(b)としてフィルタ10A2が備えている複数の共振器の平面図を示し、(e)としてフィルタ10A3が備えている複数の共振器の平面図を示す。そのうえで、
図9の(a)及び(c)の各々は、それぞれ、第3の変形例の一変形例であるフィルタ10A2a及びフィルタ10A2bが備えている複数の共振器の平面図である。また、
図9の(d)及び(f)の各々は、それぞれ、第4の変形例の一変形例であるフィルタ10A3a及びフィルタ10A3bが備えている複数の共振器の平面図である。
図10の(a)~(f)の各々は、それぞれ、
図9の(a)~(f)の各々に示したバンドパスフィルタのSパラメータを示すグラフである。
【0099】
図9の(a)及び(c)に示すように、フィルタ10A2aにおいては、辺RS3に2本のスルービア1710,1712が設けられており、フィルタ10A2bにおいては、辺RS3に5本のスルービア1710~1714が設けられている。また、
図9の(d)及び(f)に示すように、フィルタ10A3aにおいては、辺RS4に2本のスルービア174,176が設けられており、フィルタ10A3bにおいては、辺RS4に7本のスルービア174~176,1715~1718が設けられている。
【0100】
図10の(a)~(c)を参照すれば、第3の辺が辺RS3であるフィルタ10A2,10A2a,10A2bにおいては、辺RS3に設ける複数のスルービアの数を増やせば増やすほど遮断帯域(特に高周波側の遮断帯域)におけるSパラメータS21の抑圧がよくなることが分かった。
【0101】
一方、
図10の(d)~(f)を参照すれば、第3の辺が辺RS4であるフィルタ10A3,10A3a,10A3bにおいては、辺RS4に設ける複数のスルービアの数を増やしても、透過特性は、その影響をほとんど受けないことが分かった。
【0102】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
〔まとめ〕
本発明の第1の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、少なくとも1つの地導体層と、前記地導体層から離間した層に配列された複数の共振器であって、それぞれが帯状導体により構成された複数の共振器と、前記複数の共振器のうち最初段の共振器に接続された帯状導体である第1線路と、前記複数の共振器のうち最終段の共振器に接続された帯状導体である第2線路と、を備え、前記最初段の共振器から前記第1線路が引き出されている方向と、前記最終段の共振器から前記第2線路が引き出されている方向とは、互いに反対方向である、構成が採用されている。
【0104】
このように構成されたバンドパスフィルタは、ストリップラインフィルタ又はマイクロストリップフィルタと呼ばれるタイプのバンドパスフィルタである。
【0105】
上記の構成によれば、第1線路及び第2線路が互いに反対方向に引き出されているので、第1線路の端部のうち最初段の共振器に接続されていない端部と、第2線路の端部のうち最終段の共振器に接続されていない端部とを遠ざけることができる。したがって、複数の共振器が配列されている層とは異なる層に形成された線路から、ランド及びビアを介して第1線路に高周波を入力し、且つ、第2線路から、ビア及びランドを介して複数の共振器が配列されている層とは異なる層に形成された別の線路に高周波を出力する場合に、一方のランド及びビアと、他方のビア及びランドとの間に生じ得る結合を低減することができる。したがって、このような構成を採用した場合に生じ得るフィルタ特性の劣化を低減することができる。
【0106】
また、本発明の第2の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第1の態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、前記最初段の共振器を構成する最初段の帯状導体、及び、前記最終段の共振器を構成する最終段の帯状導体の各々は、それぞれ、中点の近傍である第1折り曲げ点において、一方の端部を含む第1区間と他方の端部を含む第2区間とが沿うように、折り曲げられており、且つ、該第1区間及び該第2区間の各々は、それぞれの中点の近傍である第2折り曲げ点において、前記第1折り曲げ点を含む第1サブ区間と一対の端部を含む第2サブ区間とが略直交するように折り曲げられており、最初段の共振器及び最終段の共振器の各々は、それぞれの第1サブ区間同士が並走し、それぞれの第2サブ区間が延伸されている方向が互いに反対方向になるように配置され、前記第1線路及び前記第2線路の各々は、それぞれ、前記最初段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍、及び、前記最終段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍に接続されている、構成が採用されている。
【0107】
上記の構成によれば、第1線路及び第2線路の各々は、それぞれ、最初段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍、及び、最終段の帯状導体の第1区間の第1折り曲げ点の近傍に接続しつつ、最初段の共振器から第1線路が引き出されている方向と、最終段の共振器から第2線路が引き出されている方向とを互いに反対方向にすることが容易にできる。
【0108】
また、本発明の第3の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第1の態様又は第2の態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、誘電体製の複数の板状部材を含む多層基板と、前記多層基板に設けられた第1ビア及び第2ビアと、を更に備え、前記少なくとも1つの地導体層は、前記多層基板の外層に設けられており、前記複数の共振器は、前記多層基板の内層に設けられており、前記少なくとも1つの地導体層のうち、いずれかの地導体層には、平面視において前記第1線路の端部のうち最初段の共振器に接続されていない端部である第1端部と重なる領域を取り囲む第1アンチパッドと、平面視において前記第2線路の端部のうち最終段の共振器に接続されていない端部である第2端部と重なる領域を取り囲む第2アンチパッドとが形成されており、前記第1ビアは、前記第1アンチパッドにより取り囲まれた領域である第1ランドと前記第1端部とを短絡し、前記第2ビアは、前記第2アンチパッドにより取り囲まれた領域である第2ランドと前記第2端部とを短絡する、構成が採用されている。
【0109】
上記の構成によれば、第1ランド及び第2ランドの各々を入出力ポートとして用いることによって、本バンドパスフィルタと別の線路とを容易に接続することができる。
【0110】
また、本発明の第4の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第1の態様~第3の態様の何れか一態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、前記少なくとも1つの地導体層は、互いに対向する一対の地導体層であり、前記複数の共振器は、前記一対の地導体層の間に介在する、構成が採用されている。
【0111】
上記の構成によれば、複数の共振器が一対の地導体層により挟みこまれているので、一対の地導体層が複数の共振器を外部から遮蔽することができる。
【0112】
また、本発明の第5の態様に係るバンドパスフィルタは、上述した第4の態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、誘電体製の複数の板状部材を含み、且つ、前記一対の地導体層の各々が一対の外層の各々にそれぞれ設けられている多層基板と、前記多層基板に設けられ、且つ、前記一対の地導体層同士を短絡する複数のスルービアと、を更に備え、前記複数の共振器は、前記多層基板の内層に設けられており、前記複数のスルービアは、平面視において、前記複数の共振器を取り囲む長方形の4辺のうち、前記第1線路の端部のうち最初段の共振器に接続されていない端部である第1端部に近接する第1の辺、及び、前記第2線路の端部のうち最終段の共振器に接続されていない端部である第2端部に近接する第2の辺を含む3辺に沿って設けられている、構成が採用されている。
【0113】
上記の構成によれば、複数のスルービアにより一対の地導体層が短絡されているので、一対の地導体層の電位差を小さくすることができる。そのうえで、本バンドパスフィルタは、複数のスルービアが第1の辺及び第2の辺のみに設けられている場合、及び、4辺に設けられている場合と比較して、遮断帯域における透過特性を抑圧することができる。
【0114】
また、本発明の第6の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第5の態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、前記3辺を構成する第3の辺は、前記第1の辺及び前記第2の辺以外の2辺のうち前記第1線路及び前記第2線路に近い側の辺である、構成が採用されている。
【0115】
上記の構成によれば、第3の辺が第1線路及び第2線路から遠い側の辺である場合と比較して、高周波側の遮断帯域における透過特性を抑圧することができる。
【0116】
また、本発明の第7の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第1の態様~第6の態様の何れか一態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、前記複数の共振器は、それぞれが一対の端部同士がギャップを有するように折れ曲がった前記帯状導体により構成されており、且つ、2行3列に配列されており、1行1列から1行3列に配列された共振器をそれぞれ第1共振器、第2共振器、第3共振器とし、2行3列から2行1列に配列された共振器をそれぞれ第4共振器、第5共振器、第6共振器として、前記第1共振器及び前記第6共振器の各々は、それぞれ、前記最初段の共振器及び前記最終段の共振器であり、前記第1共振器~前記第6共振器は、iを1以上5以下の整数として、第i共振器の直線区間と第i+1共振器の直線区間とが近接し、前記第2共振器のギャップと前記第5共振器のギャップとが近接するように配列されている、構成が採用されている。
【0117】
上記の構成によれば、第i共振器と第i+1共振器とを主に磁気結合により結合し、第2共振器と第5共振器とを主に静電結合により結合することができる。したがって、本バンドパスフィルタは、所望のフィルタ特性を実現しやすい。
【0118】
また、本発明の第8の態様に係るバンドパスフィルタにおいては、上述した第1の態様~第7の態様の何れか一態様に係るバンドパスフィルタの構成に加えて、前記複数の共振器、前記第1線路、及び前記第2線路は、線対称となるように配置されている、構成が採用されている。
【0119】
上記の構成によれば、バンドパスフィルタの対称性を高めることができるので、設計パラメータを少なくすることができる。したがって、複数の共振器、第1線路、及び第2線路が線対称でないように配置されている場合と比較して、本バンドパスフィルタの設計を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0120】
10、10A、10A1、10A2、10A3、10A2a、10A2b、10A3a、10A3b フィルタ(バンドパスフィルタ)
11 多層基板
111、112 基板(板状部材)
LI1 内層
LO11、LO12 外層
12 地導体層
121、122 アンチパッド(第1アンチパッド、第2アンチパッド)
123、124 ランド(第1ランド、第2ランド)
13 地導体層
141、141A 共振器(最初段の共振器、第1共振器)
P11、P12 折り曲げ点(第1折り曲げ点、第2折り曲げ点)
S11、S12 区間(第1区間、第2区間)
E11、E12 端部(一方の端部、他方の端部)
S111、S121 サブ区間(第1サブ区間)
S112、S122 サブ区間(第2サブ区間)
PC1 接続点
142~145 共振器(第2共振器、第3共振器、第4共振器、第5共振器)
142A、145A(第2共振器、第5共振器)
146、146A 共振器(最終段の共振器、第6共振器)
P61、P62 折り曲げ点(第1折り曲げ点、第2折り曲げ点)
G1~G6、G2A、G5A ギャップ
S61、S62 区間(第1区間、第2区間)
E61、E62 端部(一方の端部、他方の端部)
S611、S621 サブ区間(第1サブ区間)
S612、S622 サブ区間(第2サブ区間)
PC6 接続点
R2、R3、R4、R5 正方形
R2A、R5A 長方形
R21~R24、R31~R34、R41~R44、R51~R54、R21A~R24A、R51A~R54A 辺
151、152 線路(第1線路、第2線路)
1511、1521 端部(第1端部、第2端部)
161、162 ビア(第1ビア、第2ビア)
171~179、1710~1718 スルービア(複数のスルービア)
RS 長方形
RS1、RS2、RS3 第1の辺、第2の辺、第3の辺
AS 対称軸