(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】信号処理装置
(51)【国際特許分類】
H04W 88/08 20090101AFI20221118BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20221118BHJP
H04B 10/2575 20130101ALI20221118BHJP
【FI】
H04W88/08
H04W4/42
H04B10/2575
(21)【出願番号】P 2021526712
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2019083702
(87)【国際公開番号】W WO2020098224
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】201811368518.5
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ シャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】ペン リン
(72)【発明者】
【氏名】ザン チャンハン
(72)【発明者】
【氏名】リー シャンヤン
(72)【発明者】
【氏名】バイ ウェンチョン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529795(JP,A)
【文献】特表2017-534199(JP,A)
【文献】特表2017-535210(JP,A)
【文献】特開2015-037328(JP,A)
【文献】特開2006-025001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04B 10/2575
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合モジュールと、スケジューリングモジュールと、第1の処理モジュールと、第2の処理モジュールと、第3の処理モジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
スケジューリングモジュールは、取得した単線伝送信号に基づき処理方法を決定し、対応する処理モジュールを制御して処理を行うよう制御モジュールに通知するように構成され、
第1の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号変換処理を行うように構成され、
第2の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号増幅処理を行うように構成され、
第3の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号迂回処理を行うように構成され、
制御モジュールは、スケジューリングモジュールからの通知に基づき、対応する処理モジュールを制御するように構成される、
信号処理装置。
【請求項2】
前記スケジューリングモジュールは、
前記取得した単線伝送信号の電力または信号特性が予め設定された要求を満たさない時に、処理方法を信号増幅処理と決定し、前記制御モジュールに通知して前記第2の処理モジュールを制御し、
前記単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時に、処理方法を信号迂回処理と決定し、前記制御モジュールに通知して前記第3の処理モジュールを制御し、
前記単線伝送信号が受信装置に達した時に、処理方法を信号変換処理と決定し、前記制御モジュールに通知して前記第1の処理モジュールを制御するように構成される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記スケジューリングモジュールは、
前記取得した単線伝送信号に基づき前記結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するようにさらに構成され、
前記制御モジュールは、
前記結合モジュールを制御して結合情報を前記確定した結合情報として調整するようにさらに構成される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記第1の処理モジュールは、
通信ノードからの信号初期モードの通信信号を、単線伝送線上での伝送がサポートされた線上伝送モードの単線伝送信号に変換するようにさらに構成され、変換後の単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送する、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記第1の処理モジュールは、
大きな障害の発生またはソース通信信号故障時に、単線伝送線近隣の通信ノードまたは予備通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号を、単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送するようにさらに構成される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記第2の処理モジュールは、
取得した単線伝送信号の電力または信号特性が予め設定された要求を満たさない時に、前記単線伝送信号に対して前記信号増幅処理または特性補償を行うように構成される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記第3の処理モジュールは、
前記単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時に、前記単線伝送信号に対して前記信号迂回処理を行い、予め設けた通信路を介して前記取得した単線伝送信号を迂回伝送するように構成される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記結合モジュールは、
単線伝送線上で伝送される単線伝送信号の信号特性を検出するように構成された検出プローブと、
信号を送受信するように構成された結合線と、
結合度の制御および結合線間の定常波調整を行うように構成された駆動装置と、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記第1の処理モジュールは、
変換後の伝送信号をフィルタリングするように構成された信号フィルタ手段と、
通信ノードからの通信信号を受信する信号入力インターフェースと、
初期信号モードの通信信号と線上伝送モードの単線伝送信号との間で変換を行うように構成された変換手段と、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記第2の処理モジュールは、
信号を増幅するように構成された増幅器モジュールと、
前記単線伝送信号について検出された信号特性に基づき増幅器モジュールの総利得を調整するように構成された利得制御モジュールと、
信号に対して補償を行うように構成された信号補償モジュールと、
前記単線伝送信号について検出された信号特性に基づき信号補償モジュールのパラメータを調整するように構成された補償制御モジュールと、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項11】
前記増幅器モジュールは、
可変減衰器の減衰値を制御して増幅器モジュール全体の総利得を制御するように構成された固定利得増幅器と、
固定利得増幅器の両端にそれぞれ接続された第1の可変減衰器および第2の可変減衰器と、を含む、
請求項10に記載の信号処理装置。
【請求項12】
前記第3の処理モジュールは、
前記単線伝送信号の伝送路の開閉を制御するように構成された制御素子と、
前記単線伝送信号を搬送し伝送を保持する迂回接続線と、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項13】
結合モジュールと、第1の処理モジュールと、
スケジューリングモジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第1の処理モジュールは、単線伝送信号に対して信号変換処理を行うように、または、通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号に対して信号変換処理を行うように構成さ
れ、
スケジューリングモジュールは、取得した前記単線伝送信号に基づき、前記結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を前記制御モジュールに通知するように構成され、
制御モジュールは、前記結合モジュールを制御し、結合情報を前記確定した結合情報として調整するように構成される、
信号処理装置。
【請求項14】
結合モジュールと、第2の処理モジュールと、
スケジューリングモジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第2の処理モジュールは、単線伝送信号に対して信号増幅処理を行うように構成さ
れ、
スケジューリングモジュールは、取得した前記単線伝送信号に基づき、前記結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を前記制御モジュールに通知するように構成され、
制御モジュールは、前記結合モジュールを制御し、結合情報を前記確定した結合情報として調整するように構成される、
信号処理装置。
【請求項15】
結合モジュールと、第3の処理モジュールと、
スケジューリングモジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第3の処理モジュールは、単線伝送信号に対して、信号迂回処理を行うように構成さ
れ、
スケジューリングモジュールは、取得した前記単線伝送信号に基づき、前記結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を前記制御モジュールに通知するように構成され、
制御モジュールは、前記結合モジュールを制御し、結合情報を前記確定した結合情報として調整するように構成される、
信号処理装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号を201811368518.5とし、出願日を2018年11月16日とする中国特許出願に基づき提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容を参照として本願に援用する。
【0002】
本願は無線通信技術に関わるものであるがこれに限らず、特に、信号処理装置および信号処理装置がスケジューリングを実現する方法に関わるものである。
【背景技術】
【0003】
近年、我が国の都市交通システムおよび都市間交通システム、例えば動力列車、高速鉄道はいずれも急速な発展を遂げている。現在、我が国の一般的な高速鉄道の時速は既に時速250キロ(Km/h)以上に達し、新設された「復興号」動力列車組の最高運行時速は350Km/hに達することが可能で、将来の高速列車の時速はさらに600Km/hに達することが可能である。交通機関の「スピードアップ」は生活や外出に利便性をもたらすと同時に通信サービス上の課題ももたらしている。
【0004】
我が国の都市交通システムおよび都市間交通システムにおいて既に使用されている通信信号カバレッジ方式の主な形式は、セルラー基地局リンケージカバレッジであり、従来の基地局、基地局+衛星ループバック方式、プライベートネットワークカバレッジ、WiFi(Wireless-Fidelity)システムなどが主に含まれる。
【0005】
図1は関連技術におけるセルラー基地局リンケージカバレッジ方式の模式図であり、
図1に示す通り、セルラー基地局リンケージカバレッジ方式は、基地局を利用して列車路次の通信セルを構築し、コアネットワークが通信基地局に伝送する信号により、基地局が構築した通信セル内においてカバーされる。列車が運行する過程において、ユーザ端末は基地局からの信号を直接受信して、所在地の通信セルに応じて切り替えを行う。このほか、車載アンテナが基地局からの信号を受信した後、車両内のプライベートネットワークカバレッジを行ってもよい。しかし、実際の使用において、セルラー基地局リンケージカバレッジ方式には、セル切り替えが頻繁になるという問題があり、特に列車の運行時速が速くなるにつれて、従来のセルラー基地局リンケージを用いたカバレッジ方式はより頻繁にセル間で切り替えを行う必要がある。
図1における列車のように、運行過程においては、
図1に示すような基地局セル内にて常に切り替えを行う必要があり、一旦切り替えに失敗すれば、信号品質が極めて悪化することになり、ひいては通話が途切れ、ネットワークが切れるなどの現象が生じることになる。また一方で、良好な信号カバレッジを実現するために、路次に通信基地局を設ける密度を高めれば、直接招く結果はコストの上昇であり、建設シーンも複雑である。さらに、通信基地局はトンネル、橋梁、僻地などの信号カバレッジに影響する「デッドゾーン」を完全に網羅することはできないため、信号デッドゾーンの存在は避けることができず、セルラー基地局リンケージカバレッジ方式のさらなる改善はより大きな課題となっている。
【0006】
関連技術においては、電力線搬送通信(PLC)技術に基づく列車無線カバレッジシステムに言及されており、
図2に示す通り、PLC技術に基づく列車無線カバレッジシステムにおいては、コアネットワークが取得した通信信号を変換装置で電気信号または電気搬送波信号に変換し、電気信号または電気搬送波信号は、列車の進行方向の電力線と還流接地線の2線構造で信号の授受が行われる。列車の走行中、電気信号または電気搬送波信号は、車載の受信変換装置によって無線周波数信号またはベースバンド信号に変換され、その後、車両内のカバー装置を介してユーザ端末装置との信号のやりとりが可能になる。しかし、PLC技術に基づく列車無線カバレッジシステムは、一方で、還流がサポートされた「2線」構造、すなわち、伝送媒体として電力線を必要とするとともに、「基準地」の還流を依然として必要とするが、ほとんどの列車運行シーンでは、PLC技術の実現をサポートするために電力線と「基準地」とが互いに近接することはまれであるため、PLC技術に基づく列車無線カバレッジシステムの適用シーンは制限される。また一方で、PLCは、低周波数、例えば90MHz程度で使用されることが多く、減衰も数dB/mに達し、高周波数ではさらに減衰が大きくなり、高周波長距離の伝送には適さないため、PLC技術に基づく列車無線カバレッジシステムは動作周波数帯域が低く、伝送帯域幅が狭い。通信産業の発展に伴い、第5世代移動体通信技術(5G)は、高周波、高速、高帯域の要求を提示しており、電力線搬送を用いた技術は、要求に応えられないことが既に明らかになっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例は、信号処理装置および信号処理装置が信号スケジューリングを実現する信号処理方法を提供する。
【0008】
本願の実施例は、結合モジュールと、スケジューリングモジュールと、第1の処理モジュールと、第2の処理モジュールと、第3の処理モジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
スケジューリングモジュールは、取得した単線伝送信号に基づき処理方法を決定し、対応する処理モジュールを制御して処理を行うよう制御モジュールに通知するように構成され、
第1の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号変換処理を行うように構成され、
第2の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号増幅処理を行うように構成され、
第3の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号迂回処理を行うように構成され、
制御モジュールは、スケジューリングモジュールからの通知に基づき、対応する処理モジュールを制御するように構成される、
信号処理装置を提供する。
【0009】
本願の実施例は、結合モジュールと、第1の処理モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第1の処理モジュールは、単線伝送信号に対して信号変換処理を行うように、または、通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号に対して信号変換処理を行うように構成される、
信号処理装置をさらに提供する。
【0010】
本願の実施例は、結合モジュールと、第2の処理モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第2の処理モジュールは、単線伝送信号に対して信号増幅処理を行うように構成される、
信号処理装置をさらに提供する。
【0011】
本願の実施例は、結合モジュールと、第3の処理モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
第3の処理モジュールは、単線伝送信号に対して、信号迂回処理を行うように構成される、
信号処理装置をさらに提供する。
【0012】
本願の実施例は、単線伝送信号の伝送過程において、取得した単線伝送信号に基づき、単線伝送信号に対して、信号変換処理、または信号増幅処理、または信号迂回処理を行うことを決定することを含む、
信号スケジューリングを実現する方法をさらに提供する。
【0013】
本願の実施例は、単線伝送信号の伝送過程において、単線伝送ケーブルを介して非空気媒体で伝送を行い、単線伝送信号の伝送中において、信号特性についての判定状況に基づき、単線伝送信号に対して、変換、増幅、迂回などの処理を選択的に行い、伝送信号の品質を確保している。また、伝送路次に基地局を配置しなくてもよく、建設の困難さとコストを大幅に低減している。
【0014】
本願のその他の特徴と利点は、後続の明細書における説明のほか、部分的に明細書から明らかになる、または本願の実施を通じて理解される。本願の目的とその利点は明細書、特許請求の範囲、図面において特別に示した構造によって実現および得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は本願の技術案についてさらなる理解を提供するものであって、明細書の一部を構成し、本願の実施例とともに本願の技術案を解釈するために用いられる。
【0016】
【
図1】
図1は関連技術における、セルラー基地局リンケージカバレッジ方式の模式図である。
【
図2】
図2は関連技術における、PLC技術に基づく列車無線カバレッジシステムの模式図である。
【
図3】
図3は本願が信号スケジューリングを実現する方法の実施例のフローチャートである。
【
図4】
図4は本願の信号処理装置の構成構造模式図である。
【
図5】
図5は本願の信号処理装置の実施例の構成構造模式図である。
【
図6】
図6は本願の、結合方式の、実施例を実現する構造模式図である。
【
図7】
図7は本願の信号第1の処理モジュールの実施例の構成構造模式図である。
【
図8a】
図8aは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第1実施例の模式図である。
【
図8b】
図8bは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第2実施例の模式図である。
【
図8c】
図8cは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第3実施例の模式図である。
【
図8d】
図8dは本願の信号伝送モードの第1実施例の模式図である。
【
図8e】
図8eは本願の信号伝送モードの第2実施例の模式図である。
【
図8f】
図8fは本願の信号伝送モードの第3実施例の模式図である。
【
図9】
図9は本願の第2の処理モジュールの実施例の構成構造模式図である。
【
図10】
図10は本願の第2の処理モジュールにおける増幅器モジュールの実施例の構成構造模式図である。
【
図11】
図11は本願の第3の処理モジュールの実施例の模式図である。
【
図12】
図12は本願の信号スケジューリングモジュールがスケジューリングを実現する実施例の模式図である。
【
図13】
図13は本願の信号処理装置を高速列車シーンに応用する実施例の模式図である。
【
図14】
図14は本願において中継器が単線伝送ケーブル上に異なる動作モードを設ける実施例の模式図である。
【
図15】
図15は本願において中継器が単線伝送ケーブル上に異なる動作モードを設ける実施例の模式図である。
【
図16】
図16は本願の第1実施例の増幅器が信号処理を実現する実施例の模式図である。
【
図17】
図17は本願の第1実施例において、大きな障害物の迂回またはソース信号故障時の応急処理の実施例の模式図である。
【
図18】
図18は本願の信号処理装置の具体的な応用配置実施例の模式図である。
【
図19】
図19は本願の信号処理装置応用の第2実施例の模式図である。
【
図20】
図20は本願の信号処理装置応用の第3実施例の模式図である。
【
図21】
図21は本願の信号処理装置応用の第4実施例の模式図である。
【
図22】
図22は本願の信号処理装置応用の第5実施例の模式図である。
【
図23】
図23は本願の信号処理装置応用の第6実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の目的、技術案、利点をより明確にするために、以下では図面を組み合わせて本願の実施例について詳細に説明する。なお、矛盾しなければ、本願の実施例および実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【0018】
本願の実施例は、単線伝送信号の伝送過程において、取得した単線伝送信号に基づき、単線伝送信号に対して、信号変換処理、または信号増幅処理、または信号迂回処理を行うことを決定することを含む、信号スケジューリングを実現する方法である。
図3は本願が信号スケジューリングを実現する方法の実施例のフローチャートであり、
図3に示す通り、以下のステップを含む。
【0019】
ステップ300:単線伝送信号を取得する。
【0020】
ここで、本ステップの前に、
通信ノードからの通信信号(本明細書では信号初期モードとも言う)を、単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号(本明細書では線上伝送モードとも言う)に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送することをさらに含む。
【0021】
例示的な実施例では、単線伝送線の起点である最初の通信ノード、または終点である最後の通信ノードにおいて、通信ノードからの信号初期モードのソース通信信号を受信し、通信信号を、単線伝送線上での伝送がサポートされた線上伝送モードの単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送する。
【0022】
例示的な実施例において、通信ノードはベースバンド装置、基地局装置などを含んでよい。
【0023】
例示的な実施例において、通信ノードは列車の進行路次または近隣のベースバンド装置、基地局装置を含んでよい。
【0024】
例示的な実施例において、キャリアコアネットワークが所望の通信信号を提供し、関連する接続装置を介して前記通信ノードに至る。
【0025】
例示的な実施例において、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送することには、
【0026】
単線伝送線の類型に適合するように、変換して得た、単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に対して結合、整合処理を行い、単線伝送線によって、結合、整合処理後の単線伝送信号を伝送することを含んでよい。
【0027】
例示的な実施例において、単線伝送信号を取得することには、単線伝送線から結合して単線伝送信号を取得することを含んでよい。
【0028】
例示的な実施例において、単線伝送線は、従来の電力線、純金属線、金属芯+媒質シースまたは純媒質のケーブルを含むがこれらに限定されない。
【0029】
単線伝送信号の周波数は実際の応用需要に基づき、マイクロ波~ミリ波帯の帯域をサポートしてよく、信号伝送帯域幅を大幅に拡張し、数GHzまで到達可能であり、単線伝送の変調信号は電磁波であり、一定の輻射電界を有するため、非接触での信号供給または信号受信が可能になる。
【0030】
例示的な実施例において、単線伝送情報は、表面波伝送信号を含む。
【0031】
表面波伝送信号は高周波電磁波であり、伝送時に良好な指向性を有し、本願における信号の供給または信号の受信の伝達方式は実現が容易で、損失が小さい。
【0032】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号に基づき単線伝送信号に対して処理を行うことを決定する前に、
手動にて、前記処理を、信号変換、信号増幅、信号迂回のうちの任意の1つの処理方法として予め設定することをさらに含む。
【0033】
ステップ301:取得した単線伝送信号に基づき単線伝送信号に対して、信号変換、または信号増幅、または信号迂回の処理を行うことを決定する。
【0034】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号に基づき、例えば伝送モード(単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号を用いた線上伝送モード、または通信ノードでの通信信号を用いた信号初期モード)、定常波、信号振幅、チャネル平坦度、帯域外抑制度などを含む、単線伝送信号の信号特性情報を得ることができる。
【0035】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号の電力または信号特性、例えば振幅が予め設定された要求を満たさない、例えば信号の振幅が設定された振幅閾値を下回る時に、単線伝送線上での単線伝送信号の特性が一致することを確保するように、取得した単線伝送信号を増幅または補償する。
【0036】
例示的な実施例において、単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時、つまり定常波が劣る時は、信号伝送を阻害する障害物があると判断することができ、予め設けた通信路を介して、取得した単線伝送信号を迂回伝送し、「結合再供給」の過程を行うことと同じである。
【0037】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号の信号品質劣化、または中断を招くことが分かった時は、予め設けた通信路を介して、取得した単線伝送信号を迂回伝送し、「結合再供給」の過程を行うことと同じである。例を挙げると、信号が小さい障害物に遭遇する前に、結合により単線伝送線から単線伝送信号を取得して予め設けた通信路を介して直接伝送し、単線伝送信号が障害物を迂回した後、再度結合により単線伝送信号を単線伝送線に供給して引き続き伝送する。この時、単線伝送線上の障害物は事前の調査で得る必要があり、これら障害物に遭遇する前に、取得した単線伝送情報に対して信号迂回処理を行い、信号に対する障害物の干渉を回避する。
【0038】
例示的な実施例において、単線伝送信号が車載局などの受信装置に達した時、単線伝送信号に対して信号変換を行い、単線伝送信号を信号初期モードの通信信号に変換し、変換後の通信信号を車載局などの受信装置に伝送して、車両内部の室内分散型カバレッジシステムで車両内部の信号カバーを行うというように、受信装置が属する信号カバレッジシステムにより車両内部の信号カバーを行う。
【0039】
例示的な実施例において、ステップ301は、
例えば、最初の通信ノードまたは最後の通信ノードのソース通信信号に故障が生じたり、単線伝送路に広範囲の遮断現象が生じるなど、大きな障害の発生またはソース通信信号故障時には、近隣の通信ノードまたは予備通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号を単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送することをさらに含んでよい。これにより、近隣の通信ノードまたは予備通信ノードをうまく利用して、大きな障害の発生またはソース通信信号故障に対して応急処置および広範囲障害回避を行うことを解決しており、単線伝送信号の信頼性を確保している。
【0040】
本願では、単線伝送信号の伝送過程において、単線伝送ケーブルにより非空気媒体で伝送を行い、単線伝送信号の伝送中において、単線伝送信号に対して、変換、増幅、迂回などの処理を行う。伝送路次に基地局を配置しなくてもよく、建設の困難さとコストを大幅に低減している。
【0041】
例示的な実施例において、高速列車運行シーンを例として、単線伝送ケーブルと列車との相対位置変化が大きくないというような、随行ケーブルが保持されるということを前提として、本願が提供する信号処理方法を使用し、通信カバレッジの「デッドゾーン」という問題を解消しており、もはや高速列車の運行速度と運行シーンは通信信号カバレッジに対して制限を生じることはない。本願の単線伝送を媒体として信号の授受がサポートされることで、本願の信号処理方法はより多くの応用シーンにより好適に適用される。
【0042】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号に基づき単線伝送信号に対して処理を行うことを決定する前に、
取得した単線伝送信号の信号特性に基づき、信号変換、信号増幅、信号迂回のうちの1つの処理方法に切り替えることをさらに含む。
【0043】
ステップ302:処理後の単線伝送信号を引き続き処理する。
【0044】
例示的な実施例において、処理後の単線伝送信号を引き続き処理する前に、
取得した単線伝送信号に基づき、結合度のような結合情報を調整し、処理後の単線伝送信号が単線伝送ケーブルに正常に供給され引き続き伝送されるようにすることをさらに含む。
【0045】
例示的な実施例において、本ステップは、結合により、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して引き続き伝送することを含んでよい。
【0046】
例示的な実施例において、高速列車運行シーンを例として、本願の方法は、
単線伝送信号から結合して単線伝送信号を取得し、単線伝送信号を通信ノードでの通信信号に変換し、変換後の通信信号を車載局に伝達し、車両内部の室内分散型カバレッジシステムにより車両内部の信号カバーを行い、
また一方で、車載局により車両内部の端末にアップロードされる通信信号を取得し、車載局からの通信信号を単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送した後、単線伝送信号を通信ノードでの通信信号に再度変換して通信ノードにフィードバックすることをさらに含む。
【0047】
本願の実施例の信号処理方法を実現するために、本願の実施例は
図4に示す通り、結合モジュールと、スケジューリングモジュールと、第1の処理モジュールと、第2の処理モジュールと、第3の処理モジュールと、制御モジュールと、を含み、
結合モジュールは、単線伝送信号を取得するように構成され、処理後の単線伝送信号を単線伝送線に供給して伝送し、
スケジューリングモジュールは、取得した単線伝送信号に基づき処理方法を決定し、対応する処理モジュールを制御して処理を行うよう制御モジュールに通知するように構成され、
第1の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号変換処理を行うように構成され、
第2の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号増幅処理を行うように構成され、
第3の処理モジュールは、制御モジュールの制御に基づき、単線伝送信号に対して信号迂回処理を行うように構成され、
制御モジュールは、スケジューリングモジュールからの通知に基づき、対応する処理モジュールを制御するように構成される、
信号処理装置をさらに提供する。
【0048】
例示的な実施例において、スケジューリングモジュールは、
取得した単線伝送信号の電力または信号特性が予め設定された要求を満たさない時に、処理方法を信号増幅と決定し、制御モジュールに通知して第2の処理モジュールを制御し、
単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時に、処理方法を信号迂回と決定し、制御モジュールに通知して第3の処理モジュールを制御し、
単線伝送信号が受信装置に達した時に、処理方法を信号変換と決定し、制御モジュールに通知して第1の処理モジュールを制御するように構成される。
【0049】
例示的な実施例において、スケジューリングモジュールは、取得した単線伝送信号に基づき、結合度など、結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するようにさらに構成され、
制御モジュールは、結合モジュールを制御して結合情報を現在確定した結合情報として調整するようにさらに構成される。
【0050】
例示的な実施例において、第1の処理モジュールは、
通信ノードからの通信信号(つまり信号初期モード)を、単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号(つまり線上伝送モード)に変換するようにさらに構成され、これに応じて、結合モジュールが単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送する。
【0051】
例示的な実施例において、単線伝送線は、従来の電力線、純金属線、金属芯+媒質シースまたは純媒質のケーブルなどを含むがこれらに限定されない。
【0052】
例示的な実施例において、単線伝送情報は、表面波伝送信号を含む。
【0053】
例示的な実施例において、第1の処理モジュールは、最初の通信ノードまたは最後の通信ノードのソース通信信号に故障が生じたり、単線伝送路に広範囲の遮断現象が生じるなど、大きな障害の発生またはソース通信信号故障時には、近隣の通信ノードまたは予備通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号を単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送するようにさらに構成される。
【0054】
例示的な実施例において、第2の処理モジュールは、取得した単線伝送信号の電力または信号特性、例えば振幅が予め設定された要求を満たさない、例えば信号の振幅が設定された振幅閾値を下回る時に、単線伝送線上での単線伝送信号の特性が一致することを確保するように、取得した単線伝送信号を増幅または補償するように構成される。
【0055】
例示的な実施例において、第3の処理モジュールは、単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時、つまり定常波が劣る時は、信号伝送を阻害する障害物があると判断することができるように構成され、予め設けた通信路を介して、取得した単線伝送信号を迂回伝送し、「結合再供給」の過程を行うことと同じである。または、取得した単線伝送信号の信号品質劣化、または中断を招くことが分かった時は、予め設けた通信路を介して、取得した単線伝送信号を迂回伝送し、「結合再供給」の過程を行うことと同じである。
【0056】
本願の実施例は、
図4に示す結合モジュールと、第1の処理モジュールと、を少なくとも含む、単一の機能を有する信号処理装置をさらに提供し、このような単一の機能を有する信号処理装置は単線伝送ケーブルの最初の通信ノード、最後の通信ノード、または予備通信ノードまたは予め指定したある単線伝送ケーブル近隣の通信ノードに設けてよく、信号初期モードと線上伝送モードとの間で変換するように主に構成される。例示的な実施例において、このような処理装置は、取得した単線伝送信号に基づき、結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するように構成されるスケジューリングモジュールと、結合モジュールを制御し、結合情報を確定した結合情報として調整するように構成される制御モジュールと、をさらに含んでよい。
【0057】
本願の実施例は、
図4に示す結合モジュールと、第2の処理モジュールと、を少なくとも含む、単一の機能を有する信号処理装置をさらに提供し、このような単一の機能を有する信号処理装置は、単線伝送ケーブルの指定線路部分に設けるか、または予め設定された距離ごとに1つ設けるというような予め設定された配置ポリシーに応じて、第2の処理モジュール機能のみを有する信号処理装置であってよく、伝送中の信号に対して増幅/補償などの処理を行うように主に構成される。例示的な実施例において、このような信号処理装置は、取得した単線伝送信号に基づき、結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するように構成されるスケジューリングモジュールと、結合モジュールを制御し、結合情報を確定した結合情報として調整するように構成される制御モジュールと、をさらに含んでよい。
【0058】
本願の実施例は、
図4に示す結合モジュールと、第3の処理モジュールと、を少なくとも含む、単一の機能を有する信号処理装置をさらに提供し、このような単一の機能を有する信号処理装置は、事前の調査で伝送路上に存在する障害物を取得するように設けてよく、伝送中の信号に対して迂回処理を行い障害物を回避して直接伝送するように主に構成される。例示的な実施例において、このような信号処理装置は、取得した単線伝送信号に基づき、結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するように構成されるスケジューリングモジュールと、結合モジュールを制御し、結合情報を確定した結合情報として調整するように構成される制御モジュールと、をさらに含んでよい。
【0059】
本願の実施例は、
図4に示す結合モジュールと、スケジューリングモジュールと、制御モジュールと、を少なくとも含む、信号処理装置をさらに提供し、このような信号処理装置は、上記の2つまたは2つ以上の、単一の機能を有する信号処理装置が設けられた伝送路に設けてよく、伝送路上の伝送信号に基づき、異なる単一の機能の信号処理装置に対して対応する選択および切り替えを行うように主に構成される。例示的な実施例において、このような処理装置では、スケジューリングモジュールは、取得した単線伝送信号に基づき、結合モジュールの結合情報を確定し、確定した結合情報を制御モジュールに通知するようにさらに構成され、制御モジュールは、結合モジュールを制御し、結合情報を確定した結合情報として調整するようにさらに構成される。
【0060】
図5は本願の信号処理装置の実施例の構成構造模式図であり、
図5に示す通り、結合モジュール501と、第1の処理モジュール502と、第2の処理モジュール503と、第3の処理モジュール504と、制御モジュール505と、スケジューリングモジュール506と、を含み、
【0061】
例示的な実施例において、エネルギーの送受信と供給をするように構成された結合モジュール501は、検出プローブ5011と、結合線5012と、伸縮ロッド5013のような駆動装置と、を含んでよい。結合線5012は信号の送受信を行うように構成され、伸縮ロッド503は結合度の制御および結合線間の定常波を調整するように構成され、検出プローブ5011は単線伝送線上に伝送される単線伝送信号の信号特性を検出するように構成され、結合情報に対するスケジューリングモジュールの制御および3つの処理モジュールの選択に便利である。
【0062】
例示的な実施例において、検出プローブは固定の結合度を有する小型の結合装置とみなしてよく、線結合方式であってよく、プローブ方式であってもよい。
【0063】
本願の実施例において、結合モジュールと第1の処理モジュール、第2の処理モジュール、第3の処理モジュールとは常に対となって現れるものであり、つまり、毎回異なる信号処理を実現する前に、結合モジュールを用いて、単線伝送信号を単線伝送ケーブルから結合し出す必要があり、単線伝送信号に対する処理が完了した後、再び結合モジュールを用いて、処理後の単線伝送信号を単線伝送ケーブル上に供給して伝送する。
【0064】
図6は本願の、結合方式の、実施例を実現する構造模式図であり、これは簡単で、低コストで、効率が高く、制御可能な線結合方式である。
図6に示す通り、インターフェース601に入る信号は、完全に、またはほとんどが結合され、インターフェース604に伝送される。ほぼない、またはわずかな部分のエネルギーは直通インターフェース602インターフェースおよび逆インターフェース603に達する。本願では、結合線と単線伝送ケーブルとの間の相対距離、角度などを制御することにより、結合度を制御することができるため、インターフェース601から入力される信号のエネルギーが制御され、出力インターフェース604が出力する信号のエネルギーを制御できる。なお、
図6は結合方式の簡単で有効な実施例に過ぎず、本願の請求範囲を限定するものではない。
【0065】
例示的な実施例において、
図7は本願の信号第1の処理モジュールの実施例の構成構造模式図であり、
図7に示す通り、信号初期モードと線上伝送モードを互いに切り替える第1の処理モジュール502は、変換手段701と、信号フィルタ手段702と、本願に特有の信号入力インターフェース703と、を含んでよく、
信号フィルタ手段702は、変換後の伝送信号に対してフィルタリングを行い、これによりやや純粋な伝送信号が得られ、送受信に便利であって、
信号入力インターフェース703は、通信ノードからの信号を受信する。通信ノードは単線伝送線の起点の最初のソース基地局であってよく、単線伝送線終点の最後のソース基地局であってよく、また単線伝送路次の基地局または予備基地局などであってもよい。
【0066】
変換手段701は、金属ホーン変換構造、またはプリント回路基板PCB回路、または導波モード変換器などの形態で実現してよい。
【0067】
例示的な実施例において、金属ホーン変換構造は、金属内壁のホーン形状構造を有してよい。初期信号伝送の構造との好ましいインピーダンス連続性を実現するために、ホーン構造の先端は同軸線部分に接続され、ホーン構造のホーン形状はモードおよびインピーダンスの変化を実現するためのものである。信号がホーン構造を貫通する際に、同軸線を伝送される信号初期モードから、表面波伝送のメインモードTM00モードのような基本形式の線上伝送モードに切り替え、また一方で、一実施例では、例えば50オームのインピーダンスから表面波伝送時の自由空間インピーダンス377オームへの切り替えを実現する。
【0068】
図8aは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第1実施例の模式図であり、
図8aに示す通り、ホーン構造の寸法は
図8aに示す通りであって、d1は同軸線外径、d2はホーン開口外径、L1はホーン構造の長さである。一般的な状況において、ホーン開口の角度(d2、L1の比に関係がある)が小さいほど変換の効率が高くなり、インピーダンス変化不整合の効果が小さくなる。また、ホーン構造の全体の寸法は、信号の動作周波数に関連して設定され、特定の寸法のホーン構造の各々は1つの周波数範囲に対応し、当該範囲内での変換の効率が最も高い。例えば、一実施例において、周波数が15GHzの信号について、テストにおいて高い効率を有するホーンの寸法は、d2=30mm、L1=50mmであり、d1は標準的な同軸線に適した寸法である。また、一実施例において、周波数が3GHzの信号は、ホーンの寸法がd2=330mm、L1=180mmであり、d1は標準的な同軸線に適した寸法である。より高効率の変換を実現するために、低い周波数ではより大きな寸法のホーン構造が必要であることが見て取れる。
【0069】
図8aにて示す直線型ホーンのほか、ホーン開口形状において、一実施例では、より滑らかなインボリュート型とすることができ、これにより変換効率を向上させることができる。
【0070】
例示的な実施例において、PCB回路の形態は、平面回路間のモード変換として構成してよい。
図8bは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第2実施例の模式図であり、
図8bに示す通り、PCB回路の主な構造特徴は、徐々に変化する溝構造であり、溝の深さが徐々に増し、一定の刻み幅を有する。
図8bは単なる模式図であり、実際には、モード変換の効率を確保するために、溝の深さはゆっくりと変化する傾向があり、刻み幅は固定のもので、PCB回路全体が引き伸ばされる。原理と信号のモード変化において、このようなPCB回路が用いるのは、溝構造の伝送電界に対する摂動により伝送信号電界の変化を実現し、これにより信号伝送モードの変換を実現するものであり、一実施例において、インピーダンスは50オームから表面波へ伝送されて変化できる。
【0071】
PCB回路の構造特徴は、伝送信号の周波数に関連し、高い変換効率を確保するために、信号周波数が固定された後、PCB回路は、信号周波数がPCB回路の動作周波数帯域幅の範囲内にあるようにカスタム設定される。例示的な実施例において、例えば、伝送信号の周波数が4GHz程度の場合、使用するPCB回路のサイズは、最小溝深さが0.5mm、最大溝深さが3.5mm、刻み幅が0.5mmである。
【0072】
例示的な実施例において、ホーン構造との比較においてPCB回路が異なるのは、導波モード変換器を用いてより多くの高次モードの変換を実現することができるという点である。
図8cは本願の第1の処理モジュールにおける変換手段の第3実施例の模式図であり、
図8cに示す通り、導波モード変換器の構造は、横方向に溝が設けられたプリーツ状の導波路内壁として構成されてよい。より純度の高い所望のモード出力を得るために、プリーツの深さw1、プリーツの幅d、プリーツのピッチs、プリーツの全長などの構造パラメータを最適に設定することができる。一実施例において、プリーツの深さは、伝送信号の1/2波長から1/4波長まで徐々に減少してよい。
【0073】
図8a~
図8cに示すのは本願の信号伝送モード変換を実現するいくつかの実施例に過ぎず、いずれも初期伝送信号と線上伝送信号モードの変換の実現に用いることができる。
【0074】
図8dは本願の信号伝送モードの第1実施例の模式図であり、
図8dに示す通り、一実施例において、信号伝送モードは、基本形式の単線伝送ケーブルにおける表面波伝送のメインモードであるTM00モードであってよく、ホーン構造などにより信号モードの変換を行って得られる。
図8eは本願の信号伝送モードの第2実施例の模式図であり、
図8eに示す通り、一実施例において、伝送モードはHE11モードであってよく、HE11モードはTM00モードのようなメインモードより低い伝送損失を有し、良好な指向性を有し、障害回避などに用いてもよく、差動給電形式でホーン構造または導波モード変換器に供給することで生じ得る。
図8fは本願の信号伝送モードの第3実施例の模式図であり、
図8fに示す通り、一実施例において、このような信号伝送モードは導波モード変換器を用いて変換して得たさらなる高次モードであり、
図8dおよび
図8eの2つの信号伝送モードよりも伝送損失が低く、特定の環境下での応用が可能である。
【0075】
例示的な実施例において、
図9は本願の第2の処理モジュールの実施例の構成構造模式図であり、
図9に示す通り、第2の処理モジュールと対で現れる結合線5012、制御モジュール505、検出プローブ5011のほか、特性補償と利得増幅など、線上伝送モードの信号に対して増幅処理を行うように構成された第2の処理モジュール503は、
信号に対して増幅を行う増幅器モジュール901およびそれに対応する利得制御モジュール902、信号に対して補償を行う補償モジュール903およびそれに対応する補償制御モジュール904を含んでよい。利得制御モジュールと補償制御モジュールは、検出プローブによって単線伝送信号について検出された信号特性に基づき増幅器モジュールに対する総利得および信号補償モジュールの関連パラメータを相応に調整して、取得した単線伝送情報処理後に、特性が一致する単線伝送信号を取得して、単線伝送線に再度供給して伝送することを保証する。
【0076】
信号処理装置全体のコストを低減するために、例示的な実施例において、
図10に示す通り、本願の信号処理装置の第2の処理モジュール内の増幅器モジュールは、2つの可変減衰器、すなわち、固定利得増幅器の両端にそれぞれ接続された第1の可変減衰器および第2の可変減衰器と、固定利得増幅器と、を含んでよい。このことにより、利得制御モジュールによって、可変減衰器の減衰値を制御することができ、ひいては増幅器モジュール全体の総利得を制御することができる。例えば、
図10に示す通り、固定利得増幅器の利得をG1、可変減衰器の減衰値範囲を0~X1とすると、増幅器モジュール全体の総利得制御範囲はG1~G1-2*X1である。
【0077】
例示的な実施例において、信号補償モジュールは、チャネル平坦度補償、帯域外抑圧度の増加などの機能を含んでよいが、これらに限定されない。
【0078】
例示的な実施例において、
図11は本願の信号第3の処理モジュールの実施例の構成構造模式図であり、
図11に示す通り、信号が小さな障害部分において障害回避迂回し、原則的に信号に対して処理を行わないように構成された第3の処理モジュールは、取得した単線伝送信号に対して「結合再供給」の過程を行うことと同じである。
【0079】
本願発明者は検討により、単線伝送線のような随行ケーブルには、表面波信号の伝送に影響を与え位置が相対的に固定された障害物があり、表面波の特性は、ケーブル表面付近で伝送を行うことであるため、このようなケーブルに近接または直接接触する障害物は伝送の特性を乱すということを見出した。
図11は、本願の第3の処理モジュールの実施例の模式図であり、
図11に示す通り、第3の処理モジュールは、スイッチ、迂回接続線などの制御素子を含んでよく、制御素子は、前記単線伝送信号の伝送路の開閉を制御するように構成され、迂回接続線は、前記単線伝送信号を搬送し伝送を保持するように構成される。本実施例では、例として障害物を受力クランプ1101とし、信号が受力クランプ1101に遭遇する前に、結合により単線伝送線から単線伝送信号を取得し、スイッチのオンを制御して、迂回接続線を介して直接伝送し、単線伝送信号が障害物を迂回した後に、結合により単線伝送線に単線伝送信号を供給して引き続き伝送する。一実施例において、信号迂回処理の前後に、第2の処理モジュールにより信号に対して増幅/補償処理を行われる可能性がある。なお、制御を具体的にどのように実現するかは、本願が提供する迂回処理の実施例に基づき、当業者にとって容易に実現可能であり、本願の請求範囲を限定するものではないため、ここではその説明を省略する。
【0080】
本願発明者は、シミュレーションにより、信号が第3の処理モジュールを介さずに構成される障害回避装置において、当該障害物により生じる損失は約7~8dBであり、この損失は、理想的な状況下で表面波が随行ケーブル上を伝搬されるときの損失4dB/kmに比べて既に大きく、2kmの伝送損失に相当することを見出した。また、このような障害物は位置が固定であり、出現頻度が高いため、位置が固定の障害回避装置を設置して信号の迂回を行う必要があるが、本願の迂回処理では、約1dBの損失しか発生しない。すなわち、本願の簡単な迂回構造により、小さな障害物部分において、取得した単線伝送信号に対して迂回処理を行うことで、信号の伝送効率が向上することは明らかである。
【0081】
例示的な実施例において、
図11に示す迂回構造のほか、2つの結合線に結合整合装置を追加し、中間の接続線と結合装置との間に整合処理装置を追加し、あるいは、低損失の接続線などを使用してよく、これらはみな迂回処理の全体的な機能を効果的に改善する一助となる。
【0082】
例示的な実施例において、
図12は本願の信号スケジューリングモジュールがスケジューリングを実現する実施例の模式図であり、
図12に示す通り、以下のステップを含んでよい。
【0083】
ステップ1200:本願の信号処理装置を起動する。
【0084】
ステップ1201:手動設置。本ステップはオプションである。
【0085】
本ステップの手動設置により、本願の信号処理装置は、信号変換、または信号増幅、または信号迂回のいずれかの機能の下で動作するように設定することができる。手動設置は、本願の信号処理装置を初めて使用する際に信号検出後に機能切り替えを行う手間を省くことができる。
【0086】
例えば、手動設置により、最初の基地局または最後の基地局の信号処理装置を、信号変換機能に設定することができ、つまり、この時本願の信号処理装置における結合モジュール、第1の処理モジュール、スケジューリングモジュール、制御モジュールは動作状態にある。一実施例では、このような状況において、本願の信号処理装置が、信号の初期モードから線上伝送モードへの切り替えを実現するように固定構成される場合、スケジューリングモジュールは、非動作モードに設定されてよい。
【0087】
また、例えば、上記の受力クランプのように、予め調査して分かっている固定の障害物については、手動設置により、信号処理装置の初期動作状態を信号迂回機能として設定し、障害物に到達した時点で信号を迂回させるようにしてもよい。
【0088】
ステップ1202~ステップ1203:本願の信号処理装置は起動後、単線伝送信号を検出し、検出した信号特性に基づいて対応する信号処理機能を決定する。
【0089】
ステップ1201を省略する場合、本ステップは、検出された信号特性に基づいて対応する信号処理機能を決定し、信号処理装置の動作モジュールを設定する。ステップ1201が既に実行された場合、このステップは、検出された信号特性に基づいて対応する信号処理機能を決定し、必要に応じて対応する動作モジュールに切り替えられる。
【0090】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号に基づき、例えば伝送モード(単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号を用いた伝送方法、または通信ノードでの通信信号を用いた伝送方法)、定常波、信号振幅、チャネル平坦度、帯域外抑制度などを含む、単線伝送信号の信号特性情報を得ることができる。
【0091】
例示的な実施例において、取得した単線伝送信号の電力または信号特性、例えば振幅が予め設定された要求を満たさない、例えば信号の振幅が設定された振幅閾値を下回る時に、信号増幅処理を行うのに必要な機能モジュールを動作モードに設定し、単線伝送線上での単線伝送信号の特性が一致することを確保するように、取得した単線伝送信号を増幅または補償する。
【0092】
例示的な実施例において、単線伝送信号が大きな反射信号を有することが検出された時、つまり定常波が劣る時は、信号伝送を阻害する障害物があると判断することができ、信号迂回処理を行うのに必要な機能モジュールを動作モードに設定し、予め設けた通信路を介して、取得した単線伝送信号を迂回伝送し、「結合再供給」の過程を行うことと同じである。
【0093】
例示的な実施例において、本ステップは、
最初の通信ノードまたは最後の通信ノードのソース通信信号に故障が生じたり、単線伝送路に広範囲の遮断現象が生じるなど、大きな障害の発生またはソース通信信号故障時には、近隣の通信ノードまたは予備通信ノードからの通信信号を受信し、受信した通信信号を単線伝送線上での伝送がサポートされた単線伝送信号に変換し、単線伝送信号を単線伝送線に結合して伝送することをさらに含んでよい。これにより、近隣の通信ノードまたは予備通信ノードをうまく利用して、大きな障害の発生またはソース通信信号故障に対して応急処置および広範囲障害回避を行うことを解決しており、単線伝送信号の信頼性を確保している。
【0094】
ステップ1204:受信結合を起動し、随行ケーブル上の単線伝送信号を本願の信号処理装置内部に受信させて信号処理を行う。
【0095】
ステップ1205:決定した処理モードに従い、受信した単線伝送信号を処理する。
【0096】
ステップ1206:送信結合を起動し、処理後の単線伝送信号を随行ケーブルに再供給し引き続き伝送する。
【0097】
上記の信号処理過程が終了した後、ステップ1202~ステップ1203に戻り、単線伝送信号の特性検出を引き続き継続し、信号処理装置の動作モードを適時調整して、随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号の品質をよりよく保つ。
【0098】
例示的な実施例においては、スケジューリングモジュールからの通知に基づき、対応する処理モジュールの動作を制御するように構成される制御モジュールは、結合度のような結合モジュールの結合情報を制御するようにさらに構成される。
図5に示す通り、結合線と単線伝送ケーブルとの間の相対距離、角度などを制御することにより、結合モジュールの結合度を制御する。例示的な実施例において、最も簡単な方式は、
図5における伸縮ロッド5013の長さを調節することで結合モジュール全体の結合度を調節するというものである。
【0099】
なお、制御モジュールは異なる信号処理機能モジュールの切り替えを制御し、複数の実現形態を含んでよく、機械的な切り替え、電気的な切り替え、論理的な切り替えなどの方式を含むがこれらに限定されない。具体的な実現方式は多数あり、本願の請求範囲を限定するものではないため、ここでは繰り返し説明しない。
【0100】
図13は本願の信号処理装置を高速列車シーンに応用する実施例の模式図であり、
図13に示す通り、コアネットワークは関連キャリアのコアネットワークであってよく、所望の通信信号を提供するように構成される。本願において、コアネットワークは単体のキャリアネットワークまたは複数のキャリアネットワークの組み合わせであってよい。通信ノードは前記通信信号を提供するように構成される。例示的な実施例において、列車運行路次に設けられたベースバンド、基地局装置を含んでよい。本実施例では、信号伝送過程において信号を送信する初期ノードと信号を受信する最終ノードを少なくとも含む。単線伝送ケーブルは、主に単線伝送信号の伝送媒体となる独立したケーブルである。例示的な実施例において、単線伝送ケーブルは、従来の電力線、純金属線、金属芯+媒質シースまたは純媒質のケーブルを含むがこれらに限定されない。
【0101】
中継器は、信号の検出、補償、増幅などを行うように構成してよく、信号の障害回避迂回などを行うように構成してもよい。信号変換部、送受信結合部、中継器、随行ケーブルは、本願の信号処理装置に相当する。
【0102】
このほか、車載結合装置は、列車と随行ケーブル上の信号との信号のやりとりがサポートされるように構成され、本願の信号処理装置における結合モジュールと同様に、列車における関連受信装置と、整合装置とを含んでなり、受信装置は、例えば、車載アンテナと、随行ケーブルに近接する車載装置に設けられた結合装置とを含んでよい。車載アクセスシステムは、車載局と、分散型送受信装置とをさらに含み、無線信号カバレッジの配置および送受信過程を実現するように構成される。車載局は、列車内信号がカバーするように主に構成され、室内分散型システムは、車両内の信号のカバーを実現にするように構成され、主な形態は、例えば、分散型アンテナシステム(DAS,Distributed Antenna System)、Pico-RRU(Pico-Radio Remote Unit)、BBU(Building Base Band Unit)+RRUの組み合わせなどを含んでよい。ユーザ端末は、通信信号を受信する車両内の端末装置である。
【0103】
図13に示す高速列車無線信号カバレッジシステムの信号処理の下り過程は以下の内容を含む。
【0104】
キャリアコアネットワークは必要な通信信号を提供し、関連する接続装置を介して列車走行ルート上または近隣の通信ノード上に直接到達する。通信ノードは、列車の走行路次に設置されたベースバンド、基地局装置などを含んでよいが、これらに限定されない。通信ノードが通信信号を受信すると、当該通信信号は、信号変換後に、単線伝送信号のような、随行ケーブル上での伝送がサポートされた線上伝送モードに変換され、使用する随行ケーブルの類型に適合するように、結合、整合処理を行い整合されてから、エネルギー伝達要素によって伝送媒体である
図13の単線伝送ケーブルに結合/供給されて伝送される。
【0105】
単線伝送ケーブルに設けられた中継器は、伝送信号に対して媒体間での変換、中継、信号検出増幅などの処理を行うことができる。例えば、単線伝送ケーブルで伝送され中継器に至る単線伝送信号の大きさが予め設定された閾値を下回った時に、中継器内の増幅器が起動し、取得した単線伝送信号を増幅してから単線伝送ケーブルに供給して引き続き路次伝送をする。また、中継器で検出した単線伝送信号の品質が劣っていたり、途絶えたりした時に、関連の補償/迂回処理が起動される。
【0106】
列車の走行過程において、車載結合装置により信号が単線伝送ケーブルから受信されて結合され、ここでは、整合処理により、実際の使用要求に対する結合度などの結合情報を設定することで結合エネルギーの大きさを決定してよく、他の受信されていない単線伝送信号は引き続き単線伝送ケーブルにて伝送されて他の列車の使用に供される。列車の車載結合装置は信号を受信すると、線上伝送モードの単線伝送情報を信号初期モードに変換する。
【0107】
信号が車両内の車載局に到達し、信号カバーの配置が行われた後、分散型送受信システムを用いて信号を各車両に配信してカバーすることで、信号は乗員の所持するユーザ端末に受信される。
【0108】
図13に示す高速列車無線信号カバレッジシステムの信号処理の上り過程は以下の内容を含む。
【0109】
乗客の所持するユーザ端末がアップロード信号を送信し、車両内の分散型送受信システムは、ユーザがアップロードした信号を受信し、信号配置を担当する車載局に信号を伝達した後、信号を単線伝送ケーブルでの伝送がサポートされた線上伝送モードに変換してアップロード継続の準備をする。車載結合装置の相関パラメータは、使用する随行ケーブルの類型に合わせて整合設置により整合される。変換して得た線上伝送モードの単線伝送信号は、車載エネルギー伝達要素を介して、伝送媒体である
図13の単線路伝送ケーブルに結合/供給されて伝送される。
【0110】
単線伝送ケーブルに設けられた中継器は、伝送信号に対して媒体間での変換、中継、信号検出増幅などの処理を行うことができる。単線伝送信号は変換後、線上伝送モードから信号初期モードに変換され、伝送ケーブルを介して通信ノードに至り、通信ノードは信号をコアネットワークにアップロードし処理を行う。ここでは、同様に、整合処理により、実際の応用要求に対する結合度などの結合情報を設定することで、結合度と整合状況を調整することができる。
【0111】
本願の信号処理の実現は、伝送路において、空気伝送電磁波信号の代わりに、随行ケーブル+中継器という方式を採用し、また一方で、表面波伝送技術(SWT)を用いて信号の伝達を行う。
図13から分かるように、上記の応用シーンにおける中継器には、3つの主要な機能が存在し、
図14に示す通り、中継器が単線伝送ケーブル上で異なる動作モードを設定することを示している。ここで、モードIは、信号初期モードと線上伝送モードとの間の変換機能を実現することを示し、モードIIは、単線伝送ケーブル上で単線伝送信号の障害回避迂回機能を実現することを示し、モードIIIは、単線伝送ケーブル上で単線伝送信号の中継増幅を実現し、ケーブル上の伝送信号が一定の強度と信号特性を保持するようにして車載装置に受信されることを示す。なお、
図14では、異なるモードに対応する箇所において、伝送ケーブル上の信号に対する結合処理モジュールを省略している。
図14に示す通り、一実施例において、モードIの中継器および結合デバイスは、最初の基地局および最後の基地局に配置されてよく、増幅器の利得40dBを例にとると、伝送総損失10dB/Kmの条件下で、増幅補償機能を有するモードIIIの中継器および結合装置を4Kmごとに1つ設けることができ、また、パターンIIの中継器および結合装置は、事前に調査された、障害物があり信号に対して障害回避迂回処理を行う必要がある場所に設置してよい。
【0112】
実際の応用においては、多くの原因により、システム全体の運用においてリスクが存在することになる。
図15に示す通り、例えば、基地局の故障による信号の中断、伝送線に曲がりが生じる、天気により伝送品質に影響する、その他の不確定な要素などがある。
図15において示す各中継器はみなスケジューリング機能を有する中継器を用いており、
図4に示す、スケジューリング機能を有するスケジューリングモジュールは、異なる動作モードでの中継器の切り替えをよりよく実現しており、これら伝送線路上のリスクに順応でき、信号伝送の品質をよりよく確保している。
【0113】
以下では、具体的な実施例を組み合わせて本願について詳細に説明する。
【0114】
第1実施例は、高速列車無線カバレッジシステムに用いられる信号処理装置が信号処理を実現する方法である。
【0115】
第1実施例において、小さな障害の迂回ポリシーは、随行ケーブル上のよく見られ位置が相対的に固定された障害ポイントに中継結合器(中継器、結合装置を含む)を設置し、迂回モードであるモードIIを動作モードに予め設定する。主要な障害ポイントは、例えば、受力クランプ、ケーブル転換ノードなどを含んでよい。本実施例では、信号が随行ケーブルで伝送される総損失計算に迂回損失を付加し、増幅動作モードにある中継結合器の設定を指示するものとする。
【0116】
図16は本願の第1実施例の増幅器が信号処理を実現する実施例の模式図であり、第1実施例において、増幅器設置ポリシーは、固定増幅器が40dBの利得を有することを例とし、10dB/Kmの伝送損失で計算すると、増幅/補償動作モードであるモードIIIの中継結合器が4Kmごとに1つ設けられていることを少なくとも確保する必要がある。
図16に示す通り、その増幅制御特性は、増幅器の利得が固定で、両端の可変減衰器により増幅器全体の利得を制御するということである。例えば、増幅器の利得をG1、両側の可変減衰器の最大減衰値をX1とすると、増幅器全体の利得はG1-2*X1~G1の範囲である。本実施例では、信号振幅閾値範囲がB1~B2に設定されていると仮定し、信号振幅が最小振幅閾値B1を下回ることを随行ケーブル上に位置する中継結合器が検出した時に、中継結合器を増幅動作モードであるモードIIIに切り替え、入力信号が最大振幅閾値B2よりも大きいことをモードIIIの中継結合器が検出した時に、増幅器利得を調整する。これにより、増幅/補償状態の各中継結合器の出力端における信号振幅がより良く一致することを確保できる。例えば、
図16に示す通り、信号振幅閾値の最小値をB1、信号振幅閾値の最大値をB2とすると、中継結合器出力端での信号振幅は、A2=(B2-B1)/2となる。
図16に示すように、モードIIIである2つの中継結合器1401,1402があると仮定すると、その入力信号の幅には違いがあり、それぞれA1、A4であるが、これらの出力端は利得制御により出力信号の幅をともにA2としている。仮に、増幅器の最大利得G1に達しても装置最終端での信号振幅がA2に達しない場合には、次の中継結合器に信号を送り続けた時(通常、次の装置は迂回装置であるが、障害回避迂回状態の装置は増幅状態の装置よりもはるかに大きいため)、現在の中継結合器の動作モードをモードIIIに切り替えて、信号の増幅処理を続行する。
図16の迂回モードIIの中継結合器1403のように、信号振幅A3が振幅閾値設定値を下回ることを検出した時には、自動的にモードIIIに切り替えて信号の増幅を実現し、この時、中継結合器での増幅器利得をA2~A3に制御する。
【0117】
図17は本願の第1実施例において、大きな障害物の迂回またはソース信号故障時の応急処理の実施例の模式図であり、大きな障害物の迂回またはソース信号の故障の応急ポリシーは、最初、最後の基地局のソース信号に故障1501が発生したか、または途中で随行ケーブルに広範囲の遮断1502が発生した場合、モードIで動作する中継結合器1503、中継結合器1504、近隣のソース信号1505を用いて基地局信号を取得し、応急処理および広範囲障害回避を行うことができる。
図17に示すように、途中の基地局1505の信号は伝送ケーブルを介して途中の任意の信号処理装置の信号入力インターフェースから中継結合器に入力でき、変換機能により初期信号を線上伝送モードの単線伝送信号に変換してから単線伝送ケーブルに再供給して伝送することも容易にできる。
【0118】
なお、本願における信号処理装置は、実際の応用シーンの違いに応じて適宜配置することができる。例えば、メンテナンスが比較的難しい特殊環境の高密度で安定性の高いシーンについては、低利得で高密度の固定の増幅モードの配置を用いることができる。さらに、路次の予備基地局を適宜追加することもできる。また、一般的なシーンについて、増幅器は、通常の利得を有し、推奨される配置密度を有する。さらに、路次に少数の応急局を設けることもできる。また、環境が安定しているシーンについては、増幅器が高い利得と低い配置密度を有するように設定することで、安定したシーンに適用することができ、信号伝送が受ける外乱は小さく、信号減衰と特性状況は安定していることに加え、メンテナンスがより容易なシーンであって、低コストも実現できる。
図18は本願の信号処理装置の具体的な応用配置実施例の模式図であり、
図18に示す通り、破線の円は、それぞれ四種類の本願の信号処理装置である
図18における3in1中継結合器を応用したシステムにおける応用形態を示す。
図18におけるその他の部分の説明は、
図13の説明を参照されたく、ここでの説明は省略する。
【0119】
第2実施例、
図19は本願の信号処理装置応用の第2実施例の模式図であり、第2実施例において、
図19に示すように、本発明の信号処理装置は、最初、最後の基地局または予備基地局の通信ノードと随行ケーブルとの間に位置し、信号モードの変換とエネルギー伝達を実現するように構成される。
【0120】
図19に示す通り、信号処理装置は、信号入力インターフェースを介して最初、最後の基地局または予備基地局の通信ノードからの信号を受信し、信号変換部により信号初期モードのソース基地局信号を線上伝送モードの単線伝送信号に変換し、結合モジュールにより単線伝送信号を単線伝送随行ケーブルに結合して伝送する。本実施例では、本願の信号処理装置の機能モジュールのうち、第1の処理モジュール、つまり、信号変換機能を実現するモジュールは動作状態にあり、迂回を実現する、つまり、障害を回避して直接伝送する第3の処理モジュールと、増幅/補償を実現する第2の処理モジュールは待機状態にある。本実施例では、信号入力ポートから信号が入力されるため、
図19に示す結合モジュールの受信結合部は非動作状態、送信結合は動作状態であり、スケジューリングと制御の作用下で、単線伝送信号の信号特性に基づき結合度と定常波が調整され、信号の良好な伝送を実現する。端末からフィードバックされたアップロード信号に対して、信号変換の逆過程を経て、線上伝送モードの単線伝送信号を信号初期モードのソース基地局信号に変換してからソース基地局に伝送し、具体的な実現は上記説明に基づいて容易に実現できるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0121】
第3実施例、
図20は本願の信号処理装置応用の第3実施例の模式図であり、第3実施例においては、本発明の信号処理装置が随行ケーブル上に位置し、信号のモニタリング、増幅、補償を実現するように構成されることを例として説明する。
【0122】
図20に示す通り、信号処理装置が予め設定された信号増幅動作モードであるとき、または随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号の幅もしくは類型特性が予め設定された要求を満たさないと検出プローブが検出した時に、信号処理装置は信号増幅動作モードであり、結合モジュールの受信結合部により随行ケーブル上で伝送される単線通信信号を受信し、増幅/補償を実現する第2の処理モジュールにより信号に対して処理を行った後、結合モジュールにより単線伝送随行ケーブルに単線伝送信号を結合して伝送する。本実施例では、本願の信号処理装置の機能モジュールのうち、第1の処理モジュール、つまり、信号変換機能を実現するモジュールと、迂回を実現する、つまり、障害を回避して直接伝送する第3処理モジュールが待機状態にある。さらに、本実施例では、結合モジュールの出力結合端の結合度を調整して、信号が随行ケーブルに正常に供給されて引き続き伝送されるようにしてもよい。検出プローブは、さらに、随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号について検出を続ける。
【0123】
第4実施例、
図21は本願の信号処理装置応用の第4実施例の模式図であり、第3実施例では、
図21に示す通り、本願の信号処理装置が随行ケーブルの小さな固定の障害物部分または検出装置が検出した定常波が劣る部分に位置し、信号回避と迂回を実現するように構成されることを例として説明する。
【0124】
図21に示す通り、固定の障害物部分に位置し且つ予め信号迂回機能に設定されている、または随行ケーブル上に大きな反射信号があると検出プローブが検出した時、つまり定常波が劣り正常な伝送要求を満たすことができない時に、信号処理装置は信号迂回の動作モードにある。結合モジュールの受信結合部分により随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号を受信し、障害を回避して直接伝送を実現する第3処理モジュールにより信号の伝送を行ってから、結合モジュールにより単線伝送随行ケーブルに単線伝送信号を結合して伝送し、原則的に信号特性に対して処理は行わない。本実施例において、本願の信号処理装置の機能モジュールのうち、第1の処理モジュール、つまり、信号変換機能を実現するモジュールと、信号増幅/補償を実現する第2処理モジュールが待機状態にある。さらに、本実施例では、結合モジュールの出力結合端の結合度を調整して、信号が随行ケーブルに正常に供給されて引き続き伝送されるようにする。検出プローブは、さらに、随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号について検出を続ける。
【0125】
第5実施例、
図22は本願の信号処理装置応用の第5実施例の模式図であり、
図22に示すように、第5実施例において、本願の信号処理装置は、随行ケーブルと列車車載局との間に位置し、信号モードの変換を実現するように構成される。
【0126】
図22に示す通り、信号処理装置は信号変換機能にあり、つまり信号装置内の、信号モードの変換を実現するように構成される第1の処理モジュールが動作状態にあり、迂回を実現する、つまり、障害を回避して直接伝送する第3処理モジュールと、増幅/補償を実現する第2処理モジュールが非動作状態にある。第5実施例は第1実施例の逆の機能、すなわち、結合モジュール内の受信結合部分により単線伝送線上で伝送される単線伝送信号を受信し、信号変換部により線上伝送モードの単線伝送信号を信号初期モードの信号に変換し、信号変換後、変換後の信号を変換処理モジュールの信号インターフェースにより車載局に伝達し、車両内の室内分散型カバレッジシステムにより車両内の信号カバーを行う。車両内のユーザ端末がアップロードする信号については、信号変換の逆過程により信号初期モードのソース基地局信号から線上伝送モードの単線伝送信号に変換され、結合モジュール内の送信結合部により単線伝送ケーブルに供給され、具体的な実現は上述の説明に基づいて容易に実現できるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0127】
第6実施例、
図23は本願の信号処理装置応用の第6実施例の模式図であり、
図23に示す通り、本発明の信号処理装置が信号処理を実現する詳細な過程には、具体的に以下の内容を含む。
【0128】
ステップ2301:信号処理装置を起動し、初期化を行う。
【0129】
ステップ2302:手動設置。手動設置により信号処理装置を動作させることは、信号変換、または信号増幅、または信号迂回のいずれかの機能の下で行われる。手動設置は、本願の信号処理装置を初めて使用する際に信号検出後に機能切り替えを行う手間を省くことができる。
【0130】
例えば、手動設置により最初、最後の基地局の信号処理装置を信号変換機能モードに設定し、信号初期モードから線上伝送モードへの切り替えを実現するように固定構成してよい。また、上記の受力クランプのような固定の障害物は、手動設置により信号処理装置の初期動作状態を信号迂回の障害回避迂回機能としてよい。
【0131】
ステップ2303~ステップ2304:本願の信号処理装置は、起動後、信号の信号モードを検出し、信号モードが信号初期モードの時にステップ2305に移行し、信号モードが線上伝送モードの時にステップ2313に移行する。
【0132】
ステップ2305:信号モードが信号初期モードの時、受信変換機能を起動する。
【0133】
ステップ2306~ステップ2307:信号を検出する。信号が予め設定された信号特性を満たさないことが検出された時に、例えば、ソース基地局の通信ノードからの信号異常などの故障を自発的に報告する。信号特性が予め設定された信号特性を満たす時にステップ2308に移行する。
【0134】
ステップ2308:信号に対し信号モード変換を行う。したがって、信号の信号モードは随行ケーブル上で伝送される線上伝送モードに適合させるために変換される。
【0135】
ステップ2309~ステップ2312:結合モジュールの出力(送信とも言う)結合端の定常波を検出し、適切な結合度と定常波に調整した後、変換後の線上伝送信号を随行ケーブルに供給する。信号特性の検出を保持する。
【0136】
ステップ2313:信号モードが線上伝送モードの時は、信号が既に線上で伝送される能力を有していることを表し、モード変換を行う必要はなく、信号を検出する。随行ケーブル上で伝送される線上伝送信号が予め設定された要求を満たす時、つまり正常である時はステップ2314に移行し、随行ケーブル上で伝送される線上伝送信号が、予め設定された信号特性を満たさず且つ定常波が劣る時はステップ2316に移行し、随行ケーブル上で伝送される線上伝送信号が予め設定された信号特性を満たさず且つ信号電力が不足である時にステップ2321に移行し、随行ケーブル上で伝送される線上伝送信号が予め設定された信号特性を満たさない時にステップ2329に移行する。
【0137】
ステップ2314:信号処理装置が機能を実現しない待機状態に移行し、ステップ2312に移行し信号の検出を保持する。
【0138】
ステップ2316:低周波が劣る、つまり現在の信号処理装置の所在位置に大きな反射信号があることが検出された時に、ここに信号伝送を阻害する障害物があると判定できる。
【0139】
ステップ2317~ステップ2318:判定された障害物が、前期調査における障害物でない場合、つまり手動設置においてこの障害ポイントがない場合は、随行ケーブル上に別途のまたは新たな障害物が現れたことを意味し、情報を報告して信号処理装置の現在の所在地の障害の位置と特性を知らせる。障害物が先の調査における障害物であると判定されれば、障害迂回機能を起動して信号迂回の処理を行う。
【0140】
ここで、信号処理装置を取り付ける際に信号処理装置の位置分布情報が記録されるため、報告される障害の位置は信号処理装置の番号から得ることができ、障害の特性は信号処理装置内部の論理判定によってフィードバックされ、例えば、迂回が予め設定されていない信号処理装置が大きな反射情報を検出した時、新たな障害物が出現したと判断できる。
【0141】
信号迂回処理を行うように構成されたモジュールは信号に対して処理を行わず、つまり信号は装置により直接伝送され、障害物を迂回して伝送されるに過ぎない。
【0142】
ステップ2319~ステップ2320:結合モジュールの受信結合端と送信結合端に対して定常波検出と調整を行った後、信号を随行ケーブルに結合して戻し、伝送2119を行う。信号特性検出を保持する。
【0143】
ステップ2321~ステップ2322:随行ケーブル上で伝送される単線伝送信号の電力が不足であることが検出された時に、増幅器を起動して信号に対して振幅または特性上の補償を行う。つまり、装置は増幅/補償機能を実現するモジュール動作に切り替えられる。
【0144】
ステップ2323~ステップ2328:受信信号の電力と結合モジュールの受信結合端の定常波を検出し、異常であれば、関連の結合度と定常波の調整を行い、増幅器入力ポートの定常波が良好であることを確保し、その後信号の増幅を行う。信号が増幅器を通過して増幅された後、増幅後の信号振幅値検出、および結合モジュールの出力結合端の定常波の検出と調整を行う。ここで、振幅値検出は、信号の振幅値が予め設定された信号品質の要求を満たすことを確保するためのものであり、信号の振幅値が大きすぎる場合又は小さすぎる場合は、増幅器内の可変減衰器の値を調整することによって、増幅器モジュール全体の利得を制御することができる。検出された信号が振幅値要求を満たした後、結合モジュールの出力結合端の定常波調整が行われ、信号を随行ケーブルに供給して引き続き伝送する。信号特徴の検出を維持する。
【0145】
ステップ2329:信号特性が予め設定された信号品質の要求を満たさない場合、信号特性の補償を行い、これら特性には信号振幅、チャネル平坦度、帯域外抑制度などを主に含むが、これらに限定されない。
【0146】
ステップ2330:信号補償機能を起動する。
【0147】
ステップ2331~ステップ2335:信号の補償実現と振幅値の補償は基本的に一致するものであり、信号に対して補償を行う前に、結合モジュールの受信結合端の結合度と定常波について調整を行い、信号に対して補償を行った後、補償の関連パラメータをフィードバック調整するために、信号の特性を検出し、また一方で、結合モジュールの出力結合端の結合度を調整し、信号が随行ケーブルに正常に供給されて引き続き伝送されるようにする。信号の検出を保持する。
【0148】
なお、上記実施例では、本願の信号処理装置を高速列車シーンに応用した場合のみを例としたが、本発明の応用シーンを限定するものではない。つまり、本願の信号処理装置は、表面波伝送技術を用いて信号カバーを実現するその他のあらゆるシーンにも応用することができ、例えば、電力線により通信信号を伝送して僻地の信号カバーを実現するシーン、その他の動きのないシーンなどに応用することができる。
【0149】
上述の内容は本願の好適な実施例に過ぎず、本願の請求範囲を限定するものではない。本願の精神と原則の範囲内にあるものであれば、いかなる修正、均等な置き換え、改善などもすべて本願の請求範囲内にあるとみなされる。