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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】誘導型回転検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/30 20060101AFI20221118BHJP
   G01P 3/488 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G01B7/30 M
G01P3/488 M
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019567113
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2019002073
(87)【国際公開番号】W WO2019146637
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2018008985
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597156971
【氏名又は名称】株式会社アミテック
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】後藤 太輔
(72)【発明者】
【氏名】坂元 和也
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-517595(JP,A)
【文献】特開2014-153294(JP,A)
【文献】特開2003-121206(JP,A)
【文献】特開2006-112815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00-7/34
G01D 5/00-5/252
G01D 5/39-5/62
G01L 3/00-3/26
G01P 3/488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と共に回転するように該回転体の円周に沿って該回転体上に配置され、回転軸方向に周期的に変位する線形状のパターンからなる磁気応答部材と、
前記回転体の周囲において非接触的に配置されたステータであって、前記回転体の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成する2次コイルを含む前記ステータと
を備え、前記2次コイルは交流磁場に置かれ、前記回転体の回転位置に依存する前記磁気応答部材の線形状のパターンと前記2次コイルの前記ループパターンとの相対位置に応じた誘導出力交流信号を前記2次コイルから出力する回転検出装置。
【請求項2】
前記回転体は、回転検出対象である機械又は装置内に設けられた回転シャフトそれ自体である、請求項1の回転検出装置。
【請求項3】
前記2次コイルの前記ループパターンは、前記回転体の円周に沿って湾曲する基板の円周面上に形成されている、請求項1又は2の回転検出装置。
【請求項4】
前記磁気応答部材の線形状パターンは矩形波状である、請求項1乃至3のいずれかの回転検出装置。
【請求項5】
前記磁気応答部材の線形状パターンはサイン波状である、請求項1乃至3のいずれかの回転検出装置。
【請求項6】
前記磁気応答部材は、メッキあるいは印刷若しくは焼き付けによって前記回転体の円周面に直接的に形成されている、請求項1乃至5のいずれかの回転検出装置。
【請求項7】
前記磁気応答部材は、非磁気応答素材からなるフィルム上に形成されてなり、該フィルムを前記回転体の円周面上に貼り付けることにより、該回転体上に配置される、請求項1乃至5のいずれかの回転検出装置。
【請求項8】
前記ステータは、前記交流磁場を発生するための1次コイルを含む、請求項1乃至7のいずれかの回転検出装置。
【請求項9】
前記1次コイルは、前記回転体の周囲に巻回された円筒コイルからなる、請求項8の回転検出装置。
【請求項10】
前記回転検出装置は、前記交流磁場を発生するための1次コイルを含んでいる他の検出装置に近接して配置され、
前記2次コイルは、該他の検出装置の前記1次コイルから漏洩する前記交流磁場に置かれる、請求項1乃至7のいずれかの回転検出装置。
【請求項11】
前記2次コイルから出力される前記誘導出力交流信号の振幅レベルを検出することに基づき前記回転体の回転位置を示すデータを得る回路をさらに備える、請求項1乃至10のいずれかの回転検出装置。
【請求項12】
前記2次コイルから出力される前記誘導出力交流信号の振幅レベルに応じてパルス波形信号を生成し、該パルス波形信号に基づき前記回転体の回転速度を示すデータを得る回路をさらに備える、請求項1乃至11のいずれかの回転検出装置。
【請求項13】
前記ステータは、2つの前記2次コイルを含み、該2つの2次コイルの間で、前記ループパターンが前記回転体の円周に関して互いにずれており、一方の2次コイルから回転位置に対してサイン関数振幅特性を示す誘導出力交流信号を生じ、他方の2次コイルから回転位置に対してコサイン関数振幅特性を示す誘導出力交流信号を生じる、請求項1乃至12のいずれかの回転検出装置。
【請求項14】
前記回転体として機能するシャフトの回転を検出するように構成された、請求項10の回転検出装置と、
前記シャフトに生じる捩れトルクを検出するトルクセンサと
を備え、前記トルクセンサが前記他の検出装置として機能する、複合型検出装置。
【請求項15】
前記シャフトは、電動アシスト自転車のペダルクランクシャフト又は自動車のステアリングシャフトである、請求項14の複合型検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導型回転検出装置に関し、さらには、回転シャフトのトルクを検出するトルクセンサと組み合わせられた状態で、該回転シャフトの回転を検出する複合型検出装置に関し、電動アシスト自転車のペダルクランクシャフトの回転検出あるいは自動車のステアリングシャフトの回転検出などに適用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
コイル(インダクタンス要素)を検出要素として使用する位置検出装置は従来より様々なタイプのものが知られている。装置構成の小型化という観点から、通常の円筒コイルを使用することなく、フラットなコイルを使用することが行われている。一例として、特許文献1に示されたものは、プリント基板上に渦巻き状に配置された小さなフラットコイルを検出要素として用いるものである。別の例として、特許文献2~6に示されたものは、フラットな基板上にループパターンを描くように導線を配置することにより、誘導コイルを構成している。位置検出装置において、前記コイルに磁気結合して、検出対象位置に応じて変位する磁気応答部材(又は磁気結合部材)は、鉄のような強磁性体あるいは銅のような良導体からなる金属素材が使用され、その面積あるいは体積が変化するような形状をなしている。
【0003】
一方、自動車のステアリングシャフトにおいてトルクセンサと回転検出装置を組み合わせて備えることも、従来より種々知られている。下記特許文献7~9は、その一例を示す。特許文献7又は8に示されたものは、誘導型のトルクセンサと誘導型の回転位置検出装置をそれぞれ独立の構成として、ステアリングシャフトに設ける。特許文献9に示されたものは、ステアリングシャフトに誘導型のトルクセンサを設ける一方で、変速ギヤ機構を介して回転角検出手段を設ける。電動アシスト自転車のペダルクランクシャフトにおいてトルクセンサと回転検出装置を組み合わせて備えることも、従来より種々知られている。下記特許文献10~12は、その一例を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-122012号公報
【文献】特開平8-313295号公報
【文献】特開2006-112815号公報
【文献】特開2014-95651号公報
【文献】米国特許第6236199号明細書
【文献】米国特許出願公開第2002/0043972号明細書
【文献】特開2005-49180号公報
【文献】国際公開2013/089206号公報
【文献】特開2007-269281号公報
【文献】特開平8-276887号公報
【文献】特開平8-290794号公報
【文献】特開2017-206264号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1~6に示されたようなフラットな基板上に配置するコイルは、リニア位置検出装置には適しているが回転位置検出装置にはあまり適していない。また、磁気応答部材(又は磁気結合部材)の面積あるいは体積が検出対象位置に応じて変化するような構成にあっては、可動部分の構成を小型化することが困難である。
【0006】
また、特許文献7~12に示されたようなトルクセンサと回転検出装置の組合せは、各センサ又は検出装置がそれぞれ独立の構成からなっているため、装置構成を簡素化するには限度があった。また、回転軸と回転検出装置との間に変速ギヤ機構を介在させる構成にあっては、ギャのバックラッシュによるガタツキが制御性能を低下させるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、回転型の検出装置において小型化を促進するのに適した簡潔な構造を持つ回転検出装置を提供しようとするものであり、さらには、トルクセンサと組み合わせられた状態で回転シャフトの回転を検出する複合型検出装置を、簡素化した構成で提供することを目的とする。
【0008】
本発明に係る回転検出装置は、回転体と共に回転するように該回転体の円周に沿って該回転体上に配置され、回転軸方向に周期的に変位する線形状のパターンからなる磁気応答部材と、前記回転体の周囲において非接触的に配置されたステータであって、前記回転体の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成する2次コイルを含む前記ステータとを備え、前記2次コイルは交流磁場に置かれ、前記回転体の回転位置に依存する前記磁気応答部材の線形状のパターンと前記2次コイルの前記ループパターンとの相対位置に応じた誘導出力交流信号を前記2次コイルから出力するようにしたものである。
【0009】
本発明によれば、回転体上に配置された磁気応答部材は、回転軸方向に周期的に変位する線形状のパターンからなっているので、構造が簡潔であり、検出装置において小型化を促進するのに適している。また、ステータにおけるコイル構成においては、2次コイルが前記回転体の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成するように構成されているため、回転体の円周に沿ってコンパクトに装備されるのに適したものとなっている。こうして、回転型の検出装置において小型化を促進するのに適した簡潔な構造を持つ回転検出装置を提供することができる。
【0010】
前記回転体は、回転検出対象である機械又は装置内に設けられた回転シャフトそれ自体であってよい。したがって、回転検出装置における専用のロータ部品を省略又は簡略化することができ、検出装置全体の小型化に一層寄与する。前記ステータは、前記交流磁場を発生するための1次コイルを含んでいてもよい。この1次コイルは、前記回転体の周囲に巻回された円筒コイルからなっていてもよく、これにより、簡潔な構成によって回転体の周囲に必要十分な交流磁界を発生させることができる。別の例として、前記ステータは前記1次コイルを含むことなく、この回転検出装置を、前記交流磁場を発生するための1次コイルを含んでいる他の検出装置に近接して配置するようにしてもよい。その場合、前記ステータに含まれる前記2次コイルは、前記他の検出装置の1次コイルから漏洩する交流磁場に置かれる。
【0011】
例えば、この回転検出装置を、回転可能なシャフトに生じる捩れトルクを検出するトルクセンサと組み合わせることにより、複合型検出装置を構成するようにしてよい。その場合、前記トルクセンサは、交流磁場を発生するための1次コイルを少なくとも含むように構成されたものであるとよく、それにより、該トルクセンサを前記他の検出装置として機能させることができる。換言すれば、発明に係る複合型検出装置は、回転可能なシャフト(回転体)に生じる捩れトルクを検出するトルクセンサであって、交流磁場を発生するための1次コイルを少なくとも含む、前記トルクセンサと、前記シャフトの回転を検出するための回転検出装置とを具備し、前記回転検出装置は、前記シャフトと共に回転する回転体の円周に沿って該回転体上に配置され、回転軸方向に周期的に変位する線形状のパターンからなる磁気応答部材と、前記回転体の周囲において非接触的に配置されたステータであって、前記回転体の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成する2次コイルを含む前記ステータとを備え、前記2次コイルは前記トルクセンサの前記1次コイルから漏洩する前記交流磁場に置かれ、前記回転体の回転位置に依存する前記磁気応答部材の線形状のパターンと前記2次コイルの前記ループパターンとの相対位置に応じた誘導出力交流信号を、前記回転検出装置の前記2次コイルから出力することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る複合型検出装置によれば、回転検出装置は専用の1次コイルを持たず、前記ステータは2次コイルのみを含んでいればよいため、回転検出装置の構造を簡素化することができる。また、回転体上に配置された磁気応答部材は、回転軸方向に周期的に変位する線形状のパターンからなっているので、構造が簡潔であり、回転検出装置において小型化を促進するのに適している。また、ステータにおけるコイル構成においては、2次コイルが前記回転体の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成するように構成されているため、回転体の円周に沿ってコンパクトに装備されるのに適したものとなっている。こうして、小型化を促進するのに適した簡潔な構造を持つ複合型検出装置を提供することができる。さらに、変速ギヤ機構を必要としないため、ギャバックラッシュによる制御性能の低下が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は本発明の一実施例に係る回転検出装置の外観を示す概略斜視図、(b)は該回転検出装置の要部を分解して示す概略斜視図。
図2】(a)は2次コイルのループパターンを展開して例示する図、(b)は磁気応答部材のパターンを展開して例示する図、(c)~(e)は(b)とは異なる回転位置にあるときの磁気応答部材のパターンを展開して例示する図、(f)は2次コイルの誘導出力交流信号の1回転(1円周)にわたるレベル変化の一例を示す図、(g)は2次コイルの誘導出力交流信号の1回転(1円周)にわたるレベル変化の別の例を示す図、(h)は2次コイルの誘導出力交流信号の1回転(1円周)にわたるレベル変化に基づいて生成される回転速度検出用のパルス波形を例示する図。
図3】(a)は2次コイルの誘導出力交流信号に基づいて回転位置を示すデータを得るための回路例を示す図、(b)は2次コイルの誘導出力交流信号に基づいて回転速度を示すデータを得るための回路例を示す図。
図4】2つの2次コイルを重ね合わせてリング状の基板上に配置する実施例における各2次コイルのループパターンの展開図。
図5】磁気応答部材の線形状パターンをサイン波状に形成した例を示す展開図。
図6】2次コイルのループパターンの別の例を示す展開図。
図7】本発明に係る回転検出装置を、交流磁場発生機能を持つ別のセンサと組み合わせることにより、複合型検出装置として構成した実施例を示す概略外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、(a)は本発明の一実施例に係る回転検出装置1の外観を示す概略斜視図、(b)は該回転検出装置1の要部を分解して示す概略斜視図である。回転検出装置1は、回転体2の回転位置を検出するもので、該回転体2と共に回転するように該回転体2の円周に沿って該回転体2上に配置された磁気応答部材3と、該回転体2の周囲において非接触的に配置されたステータ4とで構成される。図1(a)において、矢印Rは回転体2の回転方向を示し、矢印Aは回転軸方向を示す。磁気応答部材3は、回転方向R及び回転軸方向Aに関して周期的に変位する線形状のパターンからなっており、鉄あるいはフェライトのような強磁性体素材又は銅あるいはアルミニウムのような良導電体素材からなる。回転体2の素材が鉄のような磁性体である場合、磁気応答部材3としては良導電体素材を用いるとよい。別の例として、回転体2の素材がアルミニウムのような導電体である場合、磁気応答部材3としては磁性体素材を用いるとよい。この磁気応答部材3のパターンは、メッキあるいは印刷若しくは焼き付け等適宜の加工技法によって回転体2の円周面に直接的に形成され得る。別の例として、磁気応答部材3のパターンは、非磁気応答素材からなる適宜のフィルム上に形成されていてもよく、そのようなフィルムを回転体2の円周面に接着剤を介して貼り付けることにより、該磁気応答部材3のパターンを回転体2上に配置し得る。なお、回転体2は、回転検出装置1の専用部品ではなく、該回転検出装置1を適用する(つまり、回転検出対象である)機械又は構造若しくは装置あるいは設備内に設けられた回転シャフトそれ自体であり、すなわち、回転検出対象である回転シャフトそれ自体である。したがって、回転検出装置1における専用のロータ部品を省略又は簡略化することができ、検出装置全体の小型化に寄与する。
【0015】
ステータ4は、回転体2の周囲に巻回された1次コイル5と、該回転体2の円周に沿って複数サイクルのループパターンを形成する2次コイル6とを含む。典型的には、2次コイル6は、円周面を有するリング状の絶縁性の基板7上にリード線(導体)からなる所定のループパターンをプリント配線することにより構成し得る。すなわち、2次コイル6のループパターンは、回転体2の円周に沿って湾曲する基板7の円周面上に形成されている。1次コイル5は、よく知られたような円筒コイルからなっていてよい。円筒コイルからなる1次コイル5の内部に、2次コイル6を備えたリング状の基板7が配置されることにより、ステータ4のコイルアセンブリが構成される。そして、このステータ4のコイルアセンブリは、回転体2に嵌装され、該回転体2上に配置された磁気応答部材3の部分をコイルアセンブリ内に挿入した状態で固定される。通常知られているように、1次コイル5の入力端子には一定周波数の交流信号(例えばsinωt)が印加され、コイルアセンブリにおいて交流磁場が形成される。このように回転検出装置1を回転体2の所定位置に設置した状態で、回転体2が回転すると、その回転位置に応じて磁気応答部材3のパターンがステータ4のコイルアセンブリに対して相対的に変位し、この相対的変位に応じて1次コイル5と2次コイル6間の磁気結合度が変化し、回転位置に応じた出力信号が2次コイル6の出力端子から得られる。
【0016】
図2(a)は、リング状の基板7上に配置された2次コイル6のループパターンを展開して例示する図である。2次コイル6は、リング状の基板7の1円周にわたって複数サイクルのループパターンを形成している。詳しくは、2次コイル6は、2つの出力端子O1,O2間に接続された、全体として一連のリード線(導体)からなり、該リード線が所定のパターンで蛇行しつつリング状基板7の1円周の行程を辿って折り返す(往復する)ことにより4つのループエリアL1,L2,L3,L4を形成している。各ループエリアL1,L2,L3,L4の回転方向Rの長さ(幅)は、概ね、円周の1/4である。図2(a)の例においては、各1つのループエリアL1,L2,L3,L4は上ラインup1,up2,up3,up4と下ラインdn1,dn2,dn3,dn4とを含み、各上ラインup1,up2,up3,up4は隣接するループエリアの下ラインdn1,dn2,dn3,dn4につながり、各下ラインdn1,dn2,dn3,dn4は隣接するループエリアの上ラインup1,up2,up3,up4につながる。これにより、各ループエリアL1,L2,L3,L4において、或る瞬間において上下の対向するリード線(つまり、上ラインと下ライン)を流れる電流の向きは、図中矢印で例示するように、互いに逆向きとなる。なお、図中矢印で例示した電流の向きは、出力端子O1,O2間からみれば同じ向きであることに注意されたい。なお、図2(a)の例においては、2次コイル6が概ね矩形状に蛇行するループパターンを形成している。これにより、各ループエリアL1,L2,L3,L4において、上ラインup1,up2,up3,up4は当該エリアの上辺において概ね直線状に延び、下ラインdn1,dn2,dn3,dn4は当該エリアの下辺において概ね直線状に延びている。
【0017】
一方、2次コイル6の各ループエリアL1,L2,L3,L4において、1次コイル5からの交流磁場に応じて誘導される電流の方向は、上ラインup1,up2,up3,up4と下ラインdn1,dn2,dn3,dn4とで、同じ向きである。したがって、例えば、ループエリアL1において、上ラインup1と下ラインdn1に同量の電流が誘導されるとき、これらの誘導電流は相殺され、該ループエリアL1の部分における誘導電流の合計は0となる。あるいは、ループエリアL1の上ラインup1と下ラインdn1に誘導される電流が異なるとき、これらの誘導電流の差分が該ループエリアL1の部分において生じる。このように、上ラインup1,up2,up3,up4と下ラインdn1,dn2,dn3,dn4の誘導電流の差分が各ループエリアL1,L2,L3,L4の部分において生じ、それらの合計が2次コイル6の出力端子O1,O2間に生じることになる。
【0018】
図2(b)は、回転体2上において円周方向に沿って配置された磁気応答部材3のパターンを展開して例示する図である。一例として、磁気応答部材3の線形状パターンは、1円周にわたって2サイクルで、回転軸A方向に周期的に変位する、矩形波状のパターンからなっている。展開図において、両端の部分3aと3a'は同一の部分である。すなわち、磁気応答部材3の2サイクル変化パターンはリング状につながっている。磁気応答部材3の矩形状パターンの1サイクルは、回転方向Rに直線状に延びた上辺部分3up1,3up2と、回転方向Rに直線状に延びた下辺部分3dn1,3dn2とを含む。上辺部3up1,3up2と下辺部分3dn1,3dn2は、回転方向R及び軸方向Aの両方に関してオフセットされている。上辺部分3up1,3up2及び下辺部分3dn1,3dn2の各々の回転方向Rの長さ(幅)は、円周の1/4である。
【0019】
図2(a)に示された2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4と、図2(b)に示されたような磁気応答部材3のパターンの対応関係について説明する。図2(a)と(b)に示すように、磁気応答部材3のパターンの上辺部分3up1がループエリアL1に略一致し、下辺部分3dn1がループエリアL2に略一致し、上辺部分3up2がループエリアL3に略一致し、下辺部分3dn2がループエリアL4に略一致した状態を、便宜上、同相状態ということにする。ループエリアL1について見ると、磁気応答部材3の上辺部分3up1が上ラインup1の全域にオーバーラップすることにより、上ラインup1に最大の誘導電流が流れ、その一方で、下ラインdn1には磁気応答部材3がオーバーラップしていないことにより、下ラインdn1の誘導電流は0である。したがって、上ラインup1の誘導電流は差し引かれることなく流れる。ループエリアL2については、磁気応答部材3の下辺部分3dn1が下ラインdn2の全域にオーバーラップすることにより、下ラインdn2に最大の誘導電流が流れ、その一方で、上ラインup2には磁気応答部材3がオーバーラップしていないことにより、上ラインup2の誘導電流は0である。したがって、下ラインdn2の誘導電流は差し引かれることなく流れ、上ラインup1の誘導電流に対して同相で加算される。ループエリアL3については前記ループエリアL1と同様に動作し、ループエリアL4については前記ループエリアL2と同様に動作する。この状態においては、各ループエリアL1,L2,L3,L4における磁気結合度は正の最大値であるということができる。したがって、この場合、2次コイル6の出力端子O1,O2間に最大レベルの誘導出力交流信号が生じる。
【0020】
図2(c)は、回転体2が図2(b)の位置から磁気応答部材3のパターンの1/4サイクル相当の距離だけ変位した状態を示す展開図である。磁気応答部材3のパターンの1サイクルを2πで表すとすると、磁気応答部材3のパターンの1/4サイクル相当の距離はπ/2で表せる。この場合、図2(a)に示された2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4に対する図2(c)に示された磁気応答部材3のパターンの相対位置関係は、上記同相状態に比べて1/4サイクルずれた状態となる。この場合、各ループエリアL1,L2,L3,L4における磁気結合度は正負同値となって相殺され、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベルは0となる。
【0021】
図2(d)は、回転体2が図2(b)の位置から磁気応答部材3のパターンの1/2サイクル相当の距離だけ変位した状態を示す展開図である。磁気応答部材3のパターンの1/2サイクル相当の距離はπで表せる。この場合、図2(a)に示された2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4に対する図2(d)に示された磁気応答部材3のパターンの相対位置関係は、上記同相状態に比べて1/2サイクルずれた状態(つまり逆相状態)となる。この場合、各ループエリアL1,L2,L3,L4における磁気結合度は負の最大値となる。したがって、この場合、2次コイル6の出力端子O1,O2間に最大レベルの誘導出力交流信号が生じる。ただし、図2(d)の位置関係において生じる最大レベルの誘導出力交流信号の電気的位相は、前記図2(b)の位置関係において生じる最大レベルの誘導出力交流信号の電気的位相に対して逆相となる。
【0022】
図2(e)は、回転体2が図2(b)の位置から磁気応答部材3のパターンの3/4サイクル相当の距離だけ変位した状態を示す展開図である。磁気応答部材3のパターンの3/4サイクル相当の距離は3π/2で表せる。この場合、図2(a)に示された2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4に対する図2(e)に示された磁気応答部材3のパターンの相対位置関係は、上記同相状態に比べて3/4サイクルずれた状態となる。この場合、各ループエリアL1,L2,L3,L4における磁気結合度は正負同値となって相殺され、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベルは0となる。
【0023】
上述のように、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベルは、回転体2に設けられた磁気応答部材3のパターンの1サイクルに相当する回転変位を1サイクルとして周期的に変化する。したがって、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベルは回転体2の回転位置に関連した値を示すことになるので、該2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号に基づき回転体2の回転位置及び/又は回転速度を検出することができる。
【0024】
図2(f)は、回転体2の1回転(1円周)にわたる変位にしたがって生じる、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベル変化の一例を示すもので、概ね、サイン関数特性(sinθ)のレベル変化を得ることができるように、磁気応答部材3のパターンと2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4等との関係を設計した例を示す。この場合、磁気応答部材3のパターンは、回転体2の1回転(1円周)につき2サイクル配置されているので、上記サイン関数特性(sinθ)の角度変数θは、回転体2の1回転(1円周)につき4πの範囲で変化する。つまり、2次コイル6の出力端子O1,O2間の出力信号においては、回転体2の4分の1回転の範囲の回転位置をアブソリュート値で示すレベル変化が生じる。このサイン関数特性(sinθ)のレベルを示すデータは、公知のように、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号(例えばsinθsinωt)を整流することにより得られる。
【0025】
図2(g)は、回転体2の1回転(1円周)にわたる変位にしたがって生じる、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベル変化の別の一例を示すもので、概ね、三角波関数特性のレベル変化を得ることができるように、磁気応答部材3のパターンと2次コイル6のループエリアL1,L2,L3,L4等との関係を設計した例を示す。この場合も、磁気応答部材3のパターンは、回転体2の1回転(1円周)につき2サイクル配置されているので、上記三角波関数の角度変数θは、回転体2の1回転(1円周)につき4πの範囲で変化する。つまり、2次コイル6の出力端子O1,O2間の出力信号においては、回転体2の4分の1回転の範囲の回転位置をアブソリュート値で示すレベル変化が生じる。この三角波関数の角度変数θを示すデータも、公知のように、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号を整流することにより得られる。
【0026】
図2(f)及び(g)において、縦軸の+領域と-領域は、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号の電気的位相が互いに逆相であることを示す。つまり、-領域における誘導出力交流信号のレベルの電気的位相は、+領域における誘導出力交流信号のレベルの電気的位相に対して逆相となる。なお、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベル変化の関数特性は、図2(f)又は(g)に示したようなサイン関数特性又は三角波関数特性に限らず、任意に設計可能である。
【0027】
回転体2の回転位置を示すデータを得るために、図3(a)に示すように、2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号を整流回路11に入力してよい。整流回路11は、該誘導出力交流信号を整流してその振幅レベルを検出する(振幅レベルを示す直流電圧を出力する)。整流回路11は、2次コイル6から出力される前記誘導出力交流信号の振幅レベルを検出することに基づき前記回転体2の回転位置を示すデータを得る回路である。振幅レベルを示す直流電圧を出力する整流回路11に限らず、該誘導出力交流信号の振幅レベルをデジタル的に検出する回路を用いてもよい。
【0028】
次に、回転体2の回転速度の測定例について図2(h)及び図3(b)を参照して説明する。図3(b)は回転速度用の回路構成例を示す。2次コイル6の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号をレベル比較回路12に入力し、該誘導出力交流信号の振幅レベルが所定の基準電圧Vrより大きいときレベル比較回路12から出力電圧を生じる。この基準電圧Vrは、図2(f),(g)に例示するように、図2(b)及び(d)に示すような位置関係において生じる誘導出力交流信号の最大レベルよりも小さな適宜の値である。レベル比較回路12の出力電圧はパルス成形回路13に入力され、交流信号成分を除去して平滑化したパルス波形として成形される。図2(h)は、パルス成形回路13から出力されるパルス波形を例示する。図2の例では、回転体2の1回転につき4個のパルス波形が生じる。パルス成形回路13から出力されるパルス波形は回転数カウント回路14に入力される。回転数カウント回路14は、パルス成形回路13から出力されるパルス波形の数をカウントし、所定の単位時間あたりのパルスカウント数から回転速度を検出する。レベル比較回路12、パルス成形回路13及び回転数カウント回路14は、2次コイル6から出力される前記誘導出力交流信号の振幅レベルに応じてパルス波形信号を生成し、該パルス波形信号に基づき回転体2の回転速度を示すデータを得る回路として機能する。
【0029】
上記実施例ではリング状の基板7上に1つの2次コイル6のみを設けているが、これに限らず、円周方向の角度配置を互いにずらした状態で、2以上の2次コイル6を前記リング状の基板7上に配置するようにしてよい。例えば、2つの2次コイル6a,6bを重ね合わせて前記リング状の基板7上に配置する場合の各2次コイル6a,6bの展開図を図4に示し、(a)が2次コイル6aの展開図、(b)が2次コイル6bの展開図である。各2次コイル6a,6bは、上述の図2(a)に示すような2次コイル6と同一パターンからなっていてよいが、その円周方向の角度配置が磁気応答部材3のパターンの1/4サイクル相当の距離π/2だけ互いにずれるように配置される。これにより、一方の2次コイル6a(又は6b)の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベル変化特性がサイン関数特性であるとすると、他方の2次コイル6b(又は6a)の出力端子O1,O2間の誘導出力交流信号のレベル変化特性がコサイン関数特性となるように設計することができる。すなわち、2つの2次コイル6a,6bから、回転変位成分θに対してサイン関数振幅特性を示す誘導出力交流信号sinθsinωtと、回転変位成分θに対してコサイン関数振幅特性を示す誘導出力交流信号cosθsinωtを得るようにすることができる。これは公知のレゾルバ型の回転検出装置と同様の出力信号であるから、このような2つの2次コイル6a,6bを備えた本発明に係る回転検出装置を公知のレゾルバ型の回転検出装置と同様の用途に応用することができる。
【0030】
磁気応答部材3の線形状パターンは、図示のような矩形状のパターンに限らず、周期的に変位する線形状であれば、サイン波状あるいは三角波状などその他任意の形状であってよい。また、1円周あたりのサイクル数も任意に設計してよい。図5は、磁気応答部材3の線形状パターンをサイン波状に形成した例を示す展開図である。
【0031】
2次コイル6,6a,6bのループパターンの形状も、図示のような矩形状のものに限らず、サイン波状あるいは三角波状などその他任意の形状であってよい。図6(a)は、2次コイル6のループパターンをサイン波状に形成した例を示す。図6(a)の場合、磁気応答部材3の線形状パターンも図5のようなサイン波状にするとよい。図6(b)は、2次コイル6の各ループエリアL1,L2,L3,L4をフラットな渦巻状のパターンで形成した例を示す。図6(b)の場合、各隣接するループエリアL1,L2,L3,L4の渦巻パターンの巻回方向は、図中矢印で示すように、互いに逆方向となる。なお、図6(b)に示すような渦巻パターン状のループエリアL1,L2,L3,L4からなる2次コイル6を使用する場合は、磁気応答部材3の線形状パターンもそれに適合するように適宜変形するものとする。例えば、磁気応答部材3の矩形状パターンのうち上辺部分3up1,3up2だけが渦巻パターン状のループエリアL1,L2,L3,L4に対応し、下辺部分3dn1,3dn2は渦巻パターン状のループエリアL1,L2,L3,L4に対応しないようにする。
【0032】
上記実施例においては、説明の便宜上、回転検出装置1は、回転体2の1回転(1円周)に満たない範囲の回転位置をアブソリュートで検出する例について説明した。しかし、これに限らず、この技術分野で公知の技術に従い回転体2の1回転(1円周)にわたる範囲の回転位置をアブソリュートで検出する場合にも、あるいは回転体2の1回転(1円周)以上の範囲の回転位置をアブソリュートで検出する場合にも、本発明に従う回転検出装置の技術思想を適用することができる。
【0033】
本発明に係る回転検出装置1は、交流磁場発生機能を持つ他の検出装置(センサ)と組み合わせて使用することにより、1次コイル5を省略することができる。図7は、その一例を示す概略外観斜視図であり、前記回転検出装置1を前記他の検出装置(センサ)として機能するトルクセンサ20と組み合わせることにより複合型検出装置10を構成した例を示す。この複合型検出装置10は、電動アシスト型自転車(図示せず)のペダルクランク(図示せず)のクランクシャフトのトルク及び回転数検出を行うように構成されている。この場合、該クランクシャフトが前記回転体2として機能する。図において、矢印2A及び2Bの方向には左右のペダルクランク(図示せず)がそれぞれ接続され、該クランクシャフト(回転体2)の所定箇所にドライブスプロケット(図示せず)が配置される。公知のように、ドライブスプロケットは後輪駆動用のチェーン(図示せず)を駆動するように構成されており、該チェーンはパワーアシスト用のスプロケット(図示せず)にも係合している。該パワーアシスト用のスプロケットは電気モータ(図示せず)によって駆動される。公知のように、電動アシスト型自転車においては、乗り手のペダル踏み込み力を検知すると共にクランク回転数及び車速を検知し、検知した踏み込み力とクランク回転数及び車速等に基づき前記電気モータによってアシストすべき動力を決定し、該決定した動力を生成するように該電気モータを駆動する仕組みを有している。
【0034】
図7において、トルクセンサ20は、前記クランクシャフト(回転体2)に設けられており、該クランクシャフトに生じる捩れトルクを検出することにより、前記ペダル踏み込み力を検知するように機能するものである。このトルクセンサ20の具体的な構成は、少なくとも交流磁場を生成する1次コイルを有するものであれば、如何なる仕組みからなるものであってもよい。一例として、トルクセンサ20は、磁歪効果を利用して前記クランクシャフト(回転体2)に生じる捩れを検知する磁歪リング式トルクセンサであってよい。トルクセンサ20は、クランクシャフト(回転体2)と一緒に回転するように配置されたリング状の磁歪材21を含み、該磁歪材21の所定箇所には円周に沿って2列のナーリングパターン(凹凸)が形成されており、各ナーリングパターンに対応して検出コイル22及び23が設けられている。各検出コイル22及び23は、交流信号によって励磁されて交流磁場を形成し、対応する磁歪材21の磁歪効果に応じた検出信号を生成する。公知のように、これらの検出コイル22及び23から得られる検出信号に基づきクランクシャフト(回転体2)の捩れ(トルク)が検出される。
【0035】
トルクセンサ20における検出コイル22及び23は、本発明に係る回転検出装置1における1次コイルとしても機能する。すなわち、本発明に係る回転検出装置1を、トルクセンサ20の近傍に配置し、検出コイル22及び23が発生する交流磁場の影響下に置かれるようにする。図7の例では、2つの検出コイル22及び23の間に本発明に係る回転検出装置1が配置される。この場合、回転検出装置1は、クランクシャフト(回転体2)と一緒に回転するように配置された磁気応答部材3と、ステータ4とを備え、ステータ4は、2次コイル6を配置したリング状の基板7を有するが、専用の1次コイル5は持たない。専用の1次コイル5を持たないことにより、回転検出装置1の構造を簡素化することができる。なお、磁気応答部材3及び2次コイル6の構成は、上記実施例に示したものと同様であり、同様の動作で回転検出を行う。この回転検出装置1は、ペダルクランクの回転数(回転速度)センサとして使用されるが、ペダルクランクの回転位置(角度)の検出にも使用可能である。
【0036】
本発明に係る回転検出装置1を、交流磁場発生機能を持つ別のセンサと組み合わせて使用する場合、電動アシスト型の自転車のペダルクランク回転数検出に限らず、その他任意の用途に適用し得る。例えば、本発明に係る回転検出装置1を、自動車のハンドルのステアリングシャフトに設けられたトルクセンサと組み合わせて使用してもよい。すなわち、本発明に係る複合型検出装置10を、自動車のハンドルのステアリングシャフト(前記回転体2として機能する)に関連して設置することにより、ステアリングトルクとステアリング操舵角検出を、簡略化された構成によって効果的に行うことができる。なお、トルクセンサ20は、前述したような磁歪式センサに限らず、交流磁場を発生するための1次コイルを少なくとも含むタイプであれば、如何なる検出原理に基づくものであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7