(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】ゲームシステム、プログラムおよびゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/70 20140101AFI20221118BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20221118BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20221118BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20221118BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221118BHJP
【FI】
A63F13/70
A63F9/00 513
A63F13/45
A63F13/69
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2019009284
(22)【出願日】2019-01-23
【審査請求日】2019-04-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 喜隆
(72)【発明者】
【氏名】三登 章裕
(72)【発明者】
【氏名】東 尚吾
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】比嘉 翔一
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-189591(JP,A)
【文献】特開2003-79956(JP,A)
【文献】特開2009-142559(JP,A)
【文献】特開2011-24639(JP,A)
【文献】特開2012-81154(JP,A)
【文献】特開2006-81674(JP,A)
【文献】特開2017-143989(JP,A)
【文献】自国の名誉を守る戦いに参加せよ――「モンスターゲート オンラインII」,[online],2005年6月6日,[2022年4月20日検索],インターネット<URL:https://nlab.itmedia.co.jp/games/articles/0506/06/news029.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24,A63F13/00-A63F13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が1以上のゲーム装置で構成される複数のグループにより構成されるリーグを決定する組合せ決定部と、
前記リーグが有効に維持される有効期間を設定する期間設定部と、
前記1以上のゲーム装置を使用して複数の目標オブジェクトの各々をプレイヤが獲得するゲームを、前記有効期間内において複数回にわたり実行し、前記リーグに係る前記複数のグループの各々について、当該グループの前記1以上のゲーム装置を使用して前記有効期間内に実行された前記複数回にわたるゲームにおける前記目標オブジェクトの獲得数に応じた第1評価値を算定し、当該第1評価値の増加に寄与した度合の指標である第2評価値を前記プレイヤ毎に算定するゲーム制御部と
を具備し、
前記ゲーム制御部は、前記組合せ決定部が前記リーグを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータを設定する
ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム制御部は、前記複数のグループのうち一のグループに対応するプレイヤが獲得した目標オブジェクトに対して、他のグループに対応するプレイヤが当該目標オブジェクトを獲得することを妨害する妨害オブジェクトを設定する
請求項1のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、前記妨害オブジェクトを設定したプレイヤに報酬を付与する
請求項2のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム制御部は、前記ゲームデータの少なくとも一部を前記ゲーム装置に提供する
請求項1から請求項3の何れかのゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム制御部は、前記組合せ決定部が決定したリーグに応じて前記ゲームデータの少なくとも一部を設定する
請求項1から請求項4の何れかのゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム制御部は、前記ゲーム装置を使用するプレイヤに関するプレイヤデータを利用してゲームを進行させ、
前記プレイヤデータは、前記グループ毎に区別される
請求項1から請求項5の何れかのゲームシステム。
【請求項7】
前記組合せ決定部は、前記1以上のゲーム装置を含む店舗を前記グループとして、前記複数のグループのリーグを決定する
請求項1から請求項6の何れかのゲームシステム。
【請求項8】
複数のクラスの各々に複数のグループが所属し、
前記組合せ決定部は、前記複数のクラスの各々について、当該クラスに所属する複数のグループから前記リーグを決定し、
前記ゲーム制御部は、前記グループが所属するクラスをゲームの結果に応じて変更する
請求項1から請求項7の何れかのゲームシステム。
【請求項9】
複数のゲーム装置と、通信網を介して前記複数のゲーム装置の各々と通信する管理装置とを具備し、複数の目標オブジェクトの各々をプレイヤが獲得するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記管理装置は、
各々が前記複数のゲーム装置のうちの1以上のゲーム装置で構成される複数のグループにより構成されるリーグを決定する組合せ決定部と、
前記リーグを構成する前記複数のグループの各々について複数回にわたりゲームが実行される有効期間を設定する期間設定部と、
前記組合せ決定部が前記リーグを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータを設定し、前記複数のグループの各々における前記1以上のゲーム装置に対する前記ゲームデータの送信と、前記1以上のゲーム装置から送信された結果データに応じた前記ゲームデータの更新とを、前記有効期間内において反復する第1ゲーム制御部とを具備し、
前記1以上のゲーム装置の各々は、前記管理装置から送信された前記ゲームデータを利用してゲームを進行させる処理と、当該ゲームの結果を表す前記結果データを前記管理装置に送信する処理とを、前記有効期間内において反復する第2ゲーム制御部を具備し、
前記第1ゲーム制御部は、前記ゲームデータの更新において、
前記1以上のゲーム装置から送信された結果データに応じて、前記目標オブジェクトの獲得数に応じた前記グループ毎の第1評価値と、当該第1評価値の増加に寄与した度合の指標である前記プレイヤ毎の第2評価値とを算定し、前記算定の結果に応じて前記ゲームデータを更新する
ゲームシステム。
【請求項10】
1または複数のプロセッサに、
各々が1以上のゲーム装置で構成される複数のグループにより構成されるリーグを決定する組合せ決定処理と、
前記リーグが有効に維持される有効期間を設定する期間設定処理と、
前記1以上のゲーム装置を使用して複数の目標オブジェクトの各々をプレイヤが獲得するゲームを、前記有効期間内において複数回にわたり実行し、前記リーグに係る前記複数のグループの各々について、当該グループの前記1以上のゲーム装置を使用して前記有効期間内に実行された前記複数回にわたるゲームにおける前記目標オブジェクトの獲得数に応じた第1評価値を算定し、当該第1評価値の増加に寄与した度合の指標である第2評価値を前記プレイヤ毎に算定するゲーム制御処理と
を実行させ、
前記ゲーム制御処理においては、前記組合せ決定処理により前記リーグを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータを設定する
プログラム。
【請求項11】
各々が1以上のゲーム装置で構成される複数のグループにより構成されるリーグを決定し、
前記リーグが有効に維持される有効期間を設定し、
前記リーグを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータを設定し、
前記1以上のゲーム装置を使用して複数の目標オブジェクトの各々をプレイヤが獲得するゲームを、前記有効期間内において複数回にわたり実行し、前記リーグに係る前記複数のグループの各々について、当該グループの前記1以上のゲーム装置を使用して前記有効期間内に実行された前記複数回にわたるゲームにおける前記目標オブジェクトの獲得数に応じた第1評価値を算定し、当該第1評価値の増加に寄与した度合の指標である第2評価値を前記プレイヤ毎に算定する
コンピュータシステムにより実現されるゲーム提供方法。
【請求項12】
複数のゲーム装置と、通信網を介して前記複数のゲーム装置の各々と通信する管理装置とを具備するゲームシステムにより、複数の目標オブジェクトの各々をプレイヤが獲得するゲームを提供する方法であって、
前記管理装置は、
各々が前記複数のゲーム装置のうちの1以上のゲーム装置で構成される複数のグループにより構成されるリーグを決定し、
前記リーグを構成する前記複数のグループの各々について複数回にわたりゲームが実行される有効期間を設定し、
前記リーグを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータを設定し、
前記複数のグループの各々における前記1以上のゲーム装置に対する前記ゲームデータの送信と、前記1以上のゲーム装置から送信された結果データに応じた前記ゲームデータの更新とを、前記有効期間内において反復し、
前記1以上のゲーム装置の各々は、
前記管理装置から送信された前記ゲームデータを利用してゲームを進行させる処理と、当該ゲームの結果を表す前記結果データを前記管理装置に送信する処理とを、前記有効期間内において反復し、
前記管理装置は、前記ゲームデータの更新において、
前記1以上のゲーム装置から送信された結果データに応じて、前記目標オブジェクトの獲得数に応じた前記グループ毎の第1評価値と、当該第1評価値の増加に寄与した度合の指標である前記プレイヤ毎の第2評価値とを算定し、前記算定の結果に応じて前記ゲームデータを更新する
ゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラムおよびゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤが参加可能なゲームが従来から提案されている。例えば特許文献1には、複数のプレイヤを各々が含む複数のチームの間で対戦するゲームが開示されている。対戦相手となる複数のプレイヤの組合せがゲームの開始前に決定(すなわちマッチング)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のように複数のプレイヤの組合せを決定するためには、同時にゲームに参加可能な複数のプレイヤを探索する必要がある。したがって、複数のプレイヤを探索するための処理負荷が大きいという問題がある。また、ゲームに参加するプレイヤの総数が所定値に到達するまで長時間にわたり待機する必要がある。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様は、処理負荷または処理時間を削減しながら、多数のプレイヤが参加可能なゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係るゲームシステムは、1以上のゲーム装置を各々が含む複数のグループの組合せを決定する組合せ決定部と、有効期間を設定する期間設定部と、前記1以上のゲーム装置を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成するゲーム制御部とを具備する。
【0006】
本発明の他の態様に係るプログラムは、1または複数のプロセッサに、1以上のゲーム装置を各々が含む複数のグループの組合せを決定する組合せ決定処理と、有効期間を設定する期間設定処理と、前記1以上のゲーム装置を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成するゲーム制御処理とを実行させる。
【0007】
本発明の他の態様に係るゲーム提供方法は、1以上のゲーム装置を各々が含む複数のグループの組合せを決定し、有効期間を設定し、前記1以上のゲーム装置を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】ゲームの状況を表すゲーム画面の模式図である。
【
図3】ゲームの結果を表すゲーム画面の模式図である。
【
図4】管理装置の構成を例示するブロック図である。
【
図8】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
【
図9】管理装置およびゲーム装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図10】初期設定処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図11】管理装置とゲーム装置とがゲームデータを授受する手順を例示するフローチャートである。
【
図12】個別ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図13】管理処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。第1実施形態のゲームシステム1は、複数のプレイヤにゲームを提供するコンピュータシステムであり、
図1に例示される通り、管理装置10と複数のゲーム装置30とを具備する。管理装置10は、複数のゲーム装置30の各々の動作を制御するサーバ装置である。管理装置10は、例えばインターネット等の通信網2を介して各ゲーム装置30と通信する。
【0011】
各ゲーム装置30は、プレイヤがゲームのプレイのために使用する端末装置である。複数の店舗Sの各々に1個以上のゲーム装置30が設置される。店舗S内のゲーム装置30の個数は店舗S毎に相違し得る。店舗Sは、例えばゲームセンター等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。なお、店舗S内の複数のゲーム装置30は、例えば相互に離間して設置される。ただし、店舗S内の複数のゲーム装置30が筐体により一体的に連結されてもよい。任意の店舗Sに来場したプレイヤは、当該店舗S内の所望のゲーム装置30を使用してゲームをプレイする。なお、実際には管理装置10とゲーム装置30との間の通信を中継する中継装置が店舗S毎に設置されるが、
図1では中継装置の図示を便宜的に省略した。第1実施形態における店舗Sは、1個以上のゲーム装置30の集合であるグループの例示である。
【0012】
第1実施形態のゲームシステム1が提供するゲームは、各店舗Sに来場したプレイヤのプレイにより進行する。具体的には、複数の店舗SからN個の店舗Sの組合せ(以下「リーグ」という)が決定され、当該リーグ内のN個の店舗Sが相互に対戦する対戦ゲームが提供される(Nは2以上の自然数)。1個の店舗S内でゲームをプレイした複数のプレイヤにより、当該店舗Sに対応する1個のチームが構成される、と表現してもよい。なお、1個のリーグを構成する店舗Sの個数Nは、リーグ毎に相違し得る。
【0013】
図2は、第1実施形態のゲームの概要を説明するための模式図である。各ゲーム装置30に表示されるゲーム画面G1が
図2に例示されている。ゲーム画面G1は、情報表示領域FaとフィールドFbとを含む画像である。情報表示領域Faには、リーグ内のN個の店舗Sの各々に関する情報が表示される。具体的には、各店舗Sを象徴するマークと当該店舗Sの名称とが情報表示領域Faに配列される。
【0014】
図2のフィールドFbは、リーグ内のN個の店舗Sが対戦する仮想的な世界を表す画像である。M個の目標オブジェクトObがフィールドFbに配置される(Mは1以上の自然数)。M個の目標オブジェクトObの各々は、リーグ内の各店舗Sのプレイヤが獲得を目指す目標である。例えば仮想的な建造物(例えば城)または領地等が目標オブジェクトObの好適例である。各目標オブジェクトObは、当該目標オブジェクトObを所有する店舗S毎に相異なる態様(例えば表示色)で表示される。また、各店舗Sを象徴するマークが目標オブジェクトObに付加されることで、目標オブジェクトObが当該店舗Sにより所有されていることが表現される。
【0015】
各店舗Sに来場したプレイヤは、当該店舗S内のゲーム装置30を使用したゲームにより、目標オブジェクトObの獲得を目指す。各店舗Sのプレイヤが獲得した目標オブジェクトObは、当該店舗Sが所有する要素と看做される。各店舗S内のプレイヤは、初期的に中立の状態(すなわち何れの店舗Sにも所有されない状態)にある目標オブジェクトObを獲得するほか、他の店舗Sが所有する目標オブジェクトObを当該店舗Sから奪取することが可能である。すなわち、第1実施形態では、フィールドFb内のM個の目標オブジェクトObの各々をリーグ内のN個の店舗Sの間で争奪する興趣性の高いゲームが展開される。
【0016】
第1実施形態のゲームは、所定の期間(以下「有効期間」という)内に進行する。有効期間は、リーグが有効に維持される所定長の期間であり、例えば数週間程度の時間長に設定される。有効期間毎に複数のリーグが決定され、当該有効期間内におけるゲームの進行に応じて、N個の店舗Sの相互間における対戦結果がリーグ毎に生成される。
【0017】
図3は、リーグによるゲームの結果を説明するための模式図である。各ゲーム装置30に表示されるゲーム画面G2が
図3に例示されている。
図3に例示される通り、第1実施形態のゲーム画面G2には、リーグ内のN個の店舗Sの各々に関する評価値(以下「店舗評価値」という)Zaが表示される。店舗評価値Zaは、ゲーム内における各店舗Sの優劣の指標であり、例えば各店舗Sが獲得した目標オブジェクトObの個数に応じて算定される。
【0018】
目標オブジェクトObをプレイヤが獲得するためには、当該目標オブジェクトObに対応するゲーム(以下「目標獲得ゲーム」という)を攻略する必要がある。第1実施形態の目標獲得ゲームは、目標オブジェクトObに対応するダンジョンを探索するゲームである。ダンジョンは、例えば洞窟または要塞等の仮想的な空間である。プレイヤは、ゲーム装置30を操作することでダンジョン内のキャラクタ(以下「使用キャラクタ」という)を動作させる。ダンジョン内には、使用キャラクタの進行を妨害するオブジェクト(例えばモンスターまたは罠)、またはプレイヤに付与される報酬を表すオブジェクト(例えば宝箱)が設置される。使用キャラクタがダンジョン内の特定の地点に到達した場合に、プレイヤが目標獲得ゲームの攻略に成功したと判定される。
【0019】
図4は、管理装置10の構成を例示するブロック図である。
図4に例示される通り、管理装置10は、処理装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備するコンピュータで実現される。なお、管理装置10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。
【0020】
処理装置11は、管理装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の1種類以上のプロセッサにより、処理装置11が構成される。通信装置13は、例えば通信網2を介して複数のゲーム装置30の各々と通信する。
【0021】
記憶装置12は、処理装置11が実行するプログラムと処理装置11が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。
図4に例示される通り、管理装置10の記憶装置12には、ゲームデータDがリーグ毎に記憶される。ゲームデータDは、リーグデータD1とフィールドデータD2と管理データD3とを含む。
【0022】
図5は、1個のリーグに対応するリーグデータD1の模式図である。リーグデータD1は、リーグを構成するN個の店舗Sを表すデータである。具体的には、
図5に例示される通り、リーグデータD1は、リーグ内のN個の店舗Sの各々の識別情報X(X1,X2,X3,X4)を含む。識別情報Xは、各店舗Sを識別するための符号である。なお、リーグ内のN個の店舗Sの組合せを特定できれば、リーグデータD1の具体的な形式は任意である。
【0023】
リーグデータD1における各店舗Sの識別情報Xには店舗評価値Za(Za1,Za2,Za3,Za4)が対応付けられる。店舗評価値Zaは、前述の通り、リーグ内の各店舗Sの優劣の指標(すなわちスコア)である。例えば、フィールドFb内の目標オブジェクトObの個数Mと、当該店舗Sが所有する目標オブジェクトObの個数(獲得数)Mtとに着目すると、目標オブジェクトObの個数Mに対する獲得数Mtの比率(Mt/M)が店舗評価値Zaとして店舗S毎に算定される。すなわち、各店舗Sの店舗評価値Zaは、当該店舗Sが目標オブジェクトObを獲得した度合の指標である。
【0024】
図6は、1個のリーグに対応するフィールドデータD2の模式図である。フィールドデータD2は、有効期間内における当該リーグに関するゲームの進行の状況(具体的にはフィールドFbの状況)を表すデータである。具体的には、
図6に例示される通り、フィールドデータD2は、フィールドFb内のM個の目標オブジェクトOb(Ob1,Ob2,…,ObM)の各々について目標データUa(Ua1,Ua2,…,UaM)を含む。1個の目標オブジェクトObの目標データUaは、当該目標オブジェクトObを所有する店舗Sの識別情報Xと、当該目標オブジェクトObを獲得したプレイヤの識別情報Yと、当該目標オブジェクトObに対応するダンジョンを規定するダンジョンデータCとを含む。識別情報Yは、プレイヤを識別するための符号である。ダンジョンデータCは、目標オブジェクトObの獲得のために探索すべきダンジョンの形状とモンスター等のオブジェクトの位置とを規定するデータである。
【0025】
目標オブジェクトObの獲得に成功したプレイヤは、当該目標オブジェクトObに対して特定のオブジェクト(以下「妨害オブジェクト」という)を設定可能である。妨害オブジェクトは、他の店舗Sのプレイヤが当該目標オブジェクトObを奪取することを妨害するキャラクタである。例えば、他の店舗Sのプレイヤは、自身の使用キャラクタにより妨害オブジェクトに勝利しなければ目標オブジェクトObを奪取できない。すなわち、妨害オブジェクトは、他の店舗Sのプレイヤから目標オブジェクトObを保護する守護者(ガーディアン)である。
図6に例示される通り、目標オブジェクトObの目標データUaは、当該目標オブジェクトObに設定された妨害オブジェクトの個数および種類を指定する妨害設定データQを含む。
【0026】
図7は、1個のリーグに対応する管理データD3の模式図である。管理データD3は、各プレイヤの状況を表すデータである。具体的には、
図7に例示される通り、管理データD3は、リーグ内の各店舗Sでゲームをプレイした複数のプレイヤの各々についてプレイヤデータUb(Ub1,Ub2,…)を含む。具体的には、店舗S内でゲームをプレイしたプレイヤのプレイヤデータUbは、当該店舗Sの識別情報Xおよび当該プレイヤの識別情報Yと、当該プレイヤの使用キャラクタの能力値Pと、当該プレイヤの個人評価値Zbとを含む。使用キャラクタの能力値Pは、例えば攻撃力または防御力等の数値であり、例えばダンジョン内のモンスターと対戦することで増加する。
【0027】
個人評価値Zbは、プレイヤの個人的な評価の指標である。第1実施形態の個人評価値Zbは、店舗評価値Zaの増加にプレイヤが貢献した度合の指標に相当する。例えば、店舗Sが所有する目標オブジェクトObに対する妨害オブジェクトの設置、および、他の店舗Sのプレイヤが設置した妨害オブジェクトの攻略は、店舗評価値Zaの増加に寄与する。そこで、妨害オブジェクトを設置した回数(設置回数)K1と、他の店舗Sのプレイヤが設置した妨害オブジェクトを攻略した回数(攻略回数)K2とに応じて個人評価値Zbが設定される。例えば、設置回数K1と攻略回数K2との乗算値が個人評価値Zbとして例示される。
【0028】
以上に説明した通り、店舗Sの識別情報XがプレイヤデータUbに含まれることで、各プレイヤデータUbは店舗Sに対応付けられる。すなわち、プレイヤデータUbは店舗S毎に区別される。例えば、1個のリーグを構成する複数の店舗S(店舗S1および店舗S2)で1人のプレイヤがゲームをプレイした場合には、店舗S1でのプレイに対応するプレイヤデータUbと、店舗S2でのプレイに対応するプレイヤデータUbとが別個に生成される。したがって、プレイヤは、店舗S1でのゲームのプレイの結果を店舗S2でのゲームに持越すことができない。例えば、店舗S1でのゲームにより成長させた使用キャラクタ、または店舗S1でのゲームにより獲得したアイテムを、店舗S2でのゲームに使用することはできない。
【0029】
図8は、各ゲーム装置30の具体的な構成を例示するブロック図である。
図8に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置30は、処理装置31と記憶装置32と通信装置33と操作装置34と表示装置35とを具備する。処理装置31は、ゲーム装置30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、CPU、GPU、DSP、またはFPGA等の1種類以上のプロセッサにより、処理装置31が構成される。
【0030】
記憶装置32は、処理装置31が実行するプログラムと処理装置31が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として利用される。通信装置33は、通信網2を介して管理装置10と通信する。
【0031】
表示装置35は、ゲームの進行の状況を表すゲーム画面を表示する。第1実施形態では、例えば
図2のゲーム画面G1または
図3のゲーム画面G2が表示装置35に表示される。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置35として利用される。操作装置34は、プレイヤからの指示を受付ける入力機器である。例えば操作ボタンまたはジョイスティック等の入力機器が操作装置34として例示される。表示装置35に一体的に設置されたタッチパネルを操作装置34として利用してもよい。
【0032】
図9は、第1実施形態における管理装置10およびゲーム装置30の機能的な構成を例示するブロック図である。
図9に例示される通り、管理装置10の処理装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、ゲームを進行させるための複数の機能(組合せ決定部111,期間設定部112および第1ゲーム制御部113)を実現する。
【0033】
組合せ決定部111は、事前に登録された複数の店舗SからN個の店舗Sの組合せ(すなわちリーグ)を決定する。すなわち、複数の店舗Sのマッチングが実行される。具体的には、組合せ決定部111は、各店舗Sに番号を付与したうえで乱数を順次に発生し、当該乱数に対応する番号が付与されたN個の店舗Sを選択することでリーグを構成する。ただし、N個の店舗Sの組合せを決定する方法は、以上の方法に限定されない。組合せ決定部111は、実際には複数のリーグを決定するが、以下では任意の1個のリーグに着目する。
【0034】
組合せ決定部111は、以上の手順でリーグを決定した結果に応じてリーグデータD1を生成し、当該リーグデータD1を記憶装置12に格納する。以上の説明の通り、第1実施形態では、対戦相手となる複数のプレイヤの組合せを直接的に決定するのではなく、N個の店舗Sの組合せを決定する。すなわち、ゲームに参加する複数のプレイヤが有効期間の始点の時点で特定されている必要はない。
【0035】
図9の期間設定部112は、有効期間を設定する。前述の通り、有効期間は、組合せ決定部111が決定したリーグによるゲームが進行する期間である。リーグが有効に存続する期間を有効期間として表現してもよい。期間設定部112は、例えばゲームシステム1の運営者からの指示に応じて有効期間を設定する。例えば有効期間の始点および終点の日時が運営者により指定される。
【0036】
第1ゲーム制御部113は、組合せ決定部111が決定したリーグによるゲームを有効期間内において進行させる。具体的には、第1ゲーム制御部113は、リーグ内の各店舗Sのゲーム装置30を使用したゲームの進行の状況に応じてゲームデータDを更新する。また、第1ゲーム制御部113は、リーグ内のN個の店舗Sについて有効期間内におけるゲームの結果を生成する。具体的には、第1ゲーム制御部113は、店舗S毎の店舗評価値Zaとプレイヤ毎の個人評価値Zbとを算定する。
【0037】
図9に例示される通り、ゲーム装置30の処理装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで第2ゲーム制御部311として機能する。第2ゲーム制御部311は、ゲームの状況を表すゲーム画面G(例えばG1またはG2)を表示装置35に表示させるほか、操作装置34に対するプレイヤからの指示に応じて目標獲得ゲームを進行させる。以上の説明から理解される通り、管理装置10の第1ゲーム制御部113と各ゲーム装置30の第2ゲーム制御部311との協働により、ゲームを進行させる要素(ゲーム制御部)が実現される。
【0038】
図10は、有効期間の開始にあたり管理装置10の処理装置11が実行する処理(以下「初期設定処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えばゲームシステム1の運営者からの指示を契機として初期設定処理Saが開始される。
【0039】
初期設定処理Saを開始すると、管理装置10の期間設定部112は、有効期間を設定する(Sa100)。組合せ決定部111は、事前に登録された複数の店舗SからN個の店舗Sで構成されるリーグを決定する(Sa102)。組合せ決定部111は、当該リーグの各店舗の識別情報Xを含むリーグデータD1を生成し、当該リーグデータD1を記憶装置12に格納する(Sa104)。ステップSa100は、有効期間を設定する期間設定処理の例示であり、ステップSa102は、N個の店舗Sの組合せ(リーグ)を決定する組合せ決定処理の例示である。
【0040】
第1ゲーム制御部113は、組合せ決定部111が決定したリーグについてフィールドデータD2と管理データD3とを生成して記憶装置12に格納する(Sa106)。初期的なフィールドデータD2が示す各目標オブジェクトObは、リーグ内の何れの店舗Sにも所有されていない中立の状態にある。以上の説明から理解される通り、第1ゲーム制御部113は、組合せ決定部111によるリーグの決定を契機として、有効期間の開始前に、当該リーグによるゲームを展開するためのゲームデータDを設定する。なお、初期設定処理SaにおいてゲームデータDの一部のみを設定してもよい。すなわち、第1ゲーム制御部113は、組合せ決定部111が決定したリーグについてゲームデータDの少なくとも一部を設定する。
【0041】
以上の処理により初期的なゲームデータDを生成すると、第1ゲーム制御部113は、期間設定部112が設定した有効期間を開始する(Sa108)。すなわち、第1ゲーム制御部113は、各ゲーム装置30を使用したゲームをゲームデータDに応じて進行させる制御を開始する。以上の説明から理解される通り、有効期間は、ゲーム装置30を使用したゲームの進行を第1ゲーム制御部113が制御する期間とも表現される。なお、有効期間の設定(Sa100)とリーグの決定(Sa102)との順序を逆転してもよい。また、リーグの決定(Sa102)およびデータの生成(Sa106)との実行後に有効期間を設定(Sa100)してもよい。初期設定処理Saの具体的な手順は以上の通りである。
【0042】
図11は、管理装置10の処理装置11および各ゲーム装置30の処理装置31がゲーム画面G1の表示のために実行する処理の手順を例示するフローチャートである。有効期間内において
図11の処理が実行される。前述の初期設定処理Saを実行すると、管理装置10の第1ゲーム制御部113は、記憶装置12に記憶されたゲームデータDを、リーグの各店舗Sに設置されたゲーム装置30に対して通信装置13から送信する(Sb100)。ゲームデータDの送信(Sb100)は、有効期間内において、例えば所定の時間(例えば数分)毎に反復される。
【0043】
各ゲーム装置30の第2ゲーム制御部311は、管理装置10が送信したゲームデータDを通信装置33により受信する(Sb300)。第2ゲーム制御部311は、管理装置10から受信したゲームデータDを利用して
図2のゲーム画面G1を表示装置35に表示させる(Sb302)。具体的には、リーグの各店舗Sの情報を含む情報表示領域Faと、M個の目標オブジェクトObが配置されたフィールドFbとを含むゲーム画面G1が表示装置35に表示される。すなわち、組合せ決定部111によるリーグの決定の結果が反映されたゲームデータDが、リーグを構成する各店舗S内のゲーム装置30に送信される。例えば、ゲームデータDのうちフィールドデータD2が表すフィールドFbを含むゲーム環境が、各店舗S内の各プレイヤに提供される。管理装置10によるゲームデータDの送信(Sb100)とゲームデータDを利用したゲーム画面G1の表示(Sb302,Sb304)とが所定の時間毎に反復されることで、表示装置35に表示されるゲーム画面G1は、最新のゲームデータDを反映した内容に随時に更新される。なお、プレイヤがゲーム装置30を使用して実際にゲームをプレイしている期間内に限定して、ゲームデータDの送信(Sb100)またはゲーム画面G1の更新(Sb302,Sb304)を実行してもよい。
【0044】
なお、以上の説明ではゲームデータDの全部をゲーム装置30に提供する場合を例示したが、ゲームデータDの一部を管理装置10からゲーム装置30に提供してもよい。具体的には、ゲームデータDのうちゲーム画面G1の表示に必要な部分が管理装置10からゲーム装置30に提供される。例えば、ゲームデータDの一部であるフィールドデータD2(または管理データD3)のみをゲーム装置30に提供してもよい。また、ゲームデータDのうちフィールドデータD2(または管理データD3)の一部のみをゲーム装置30に提供してもよい。以上の例示から理解される通り、第1ゲーム制御部113は、ゲームデータDの少なくとも一部をゲーム装置30に提供する。
【0045】
図12は、各ゲーム装置30の処理装置31が実行する処理(以下「個別ゲーム処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。各ゲーム装置30におけるゲーム画面G1の更新(Sb300-Sb302)に並行して
図12の個別ゲーム処理が実行される。すなわち、有効期間内において直前に実行された
図11の処理で管理装置10から受信したゲームデータDが、
図12の個別ゲーム処理Scに適用される。なお、個別ゲーム処理Scの開始を契機としてゲーム装置30が管理装置10から最新のゲームデータDを取得し、当該ゲームデータDを個別ゲーム処理Scに適用してもよい。管理装置10から提供されるゲームデータDを利用して各ゲーム装置30におけるゲームが進行する。
【0046】
店舗Sに来場したプレイヤが当該店舗S内のゲーム装置30に遊技価値の所定量を投入することを契機として、個別ゲーム処理が開始される。なお、遊技価値は、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)もしくはチケット等の有体の媒体、または、クレジットもしくはポイント等の無体の価値である。無体の遊技価値の数量は、例えばICカード等の記録媒体にデータとして記憶される。有体の遊技価値および無体の遊技価値の何れかをプレイヤが選択して消費してもよい。
【0047】
店舗S内のプレイヤは、操作装置34を操作することで、ゲーム画面G1に含まれるM個の目標オブジェクトObから所望の目標オブジェクトObを選択する。第2ゲーム制御部311は、プレイヤによる目標オブジェクトObの選択を待機する(Sc300:NO)。
【0048】
目標オブジェクトObの選択を受付けると(Sc300:YES)、第2ゲーム制御部311は、当該目標オブジェクトObの獲得を目指す目標獲得ゲームを、操作装置34に対するプレイヤからの指示に応じて進行させる(Sc302)。具体的には、第2ゲーム制御部311は、プレイヤが選択した目標オブジェクトObについてフィールドデータD2のダンジョンデータCが表すダンジョンと、管理データD3が示す使用キャラクタとを表示装置35に表示させる。第2ゲーム制御部311は、使用キャラクタをプレイヤからの操作に応じて当該ダンジョン内で動作させ、モンスターとの戦闘または宝物の取得等の各種のイベントを進行させる。目標オブジェクトObに妨害オブジェクトが設置されている場合、第2ゲーム制御部311は、使用キャラクタが当該妨害オブジェクトと対戦するイベントを発生させ、当該対戦での勝利を条件として目標獲得ゲームを進行させる。
【0049】
第2ゲーム制御部311は、目標獲得ゲームの攻略に成功したか否かを判定する(Sc304)。例えばダンジョン内の特定の地点に使用キャラクタが到達した場合に目標獲得ゲームの攻略に成功したと判定される。なお、リーグ内の相異なる店舗Sに所在する複数のプレイヤが1個の目標オブジェクトObの獲得を目指して目標獲得ゲームを並列にプレイする場合がある。以上の状況では、複数のプレイヤのうち唯1人のみが目標獲得ゲームを攻略できる。例えば、複数のプレイヤのうちダンジョン内の特定の地点に最初に到達したプレイヤが目標獲得ゲームの攻略に成功し、残余のプレイヤは攻略に失敗したと判定される。
【0050】
目標獲得ゲームの攻略に成功した場合(Sc304:YES)、第2ゲーム制御部311はプレイヤに報酬を付与する(Sc306)。報酬は、例えばクレジット等の遊技価値の所定量である。なお、目標獲得ゲームを有利に進行させるためのアイテム(例えば妨害オブジェクト)を報酬としてプレイヤに付与してもよい。
【0051】
目標獲得ゲームの攻略に成功した場合、プレイヤは、操作装置34を操作することで妨害オブジェクトの設定を指示することが可能である。第2ゲーム制御部311は、目標オブジェクトObに対する妨害オブジェクトの設定がプレイヤから指示されたか否かを判定する(Sc308)。妨害オブジェクトの設定が指示された場合(Sc308:YES)、第2ゲーム制御部311は、目標オブジェクトObに妨害オブジェクトを設定する(Sc310)。また、第2ゲーム制御部311は、妨害オブジェクトを設定したプレイヤに報酬を付与する(Sc312)。例えば遊技価値の所定量または特定のアイテムが報酬として付与される。以上の構成によれば、妨害オブジェクトを設定する誘因をプレイヤに付与できる。他方、目標獲得ゲームの攻略に失敗した場合(Sc304:NO)、報酬の付与(Sc306,Sc312)と妨害オブジェクトの設定(Sc308,Sc310)とは実行されない。
【0052】
第2ゲーム制御部311は、以上に説明した目標獲得ゲームの結果を表す結果データを通信装置33から管理装置10に送信する(Sc314)。結果データは、店舗Sの識別情報Xおよびプレイヤの識別情報Yに加えて、プレイヤが獲得した目標オブジェクトObと、妨害オブジェクトの設定の有無とを指定する。
【0053】
図13は、初期設定処理Saの実行後に管理装置10の処理装置11が実行する処理(以下「管理処理」という)Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。有効期間の開始を契機として管理処理Sdが開始される。有効期間内においては、
図11に例示したゲームデータDの反復的な送信(Sb100)に並行して管理処理Sdが実行される。
【0054】
第1ゲーム制御部113は、複数のゲーム装置30の何れかから結果データを受信したか否かを判定する(Sd100)。結果データを受信すると(Sd100:YES)、第1ゲーム制御部113は、当該結果データに応じてゲームデータDを更新する(Sd102-Sd106)。
【0055】
具体的には、第1ゲーム制御部113は、結果データに応じてフィールドデータD2を更新する(Sd102)。例えば、特定の店舗Sのプレイヤが目標オブジェクトObを獲得した場合、第1ゲーム制御部113は、当該目標オブジェクトObの目標データUaにおける識別情報Xおよび識別情報Yを、結果データが表す識別情報Xおよび識別情報Yに更新する。また、妨害オブジェクトをプレイヤが設置した場合、第1ゲーム制御部113は、目標オブジェクトObの目標データUaにおける妨害設定データQを、結果データが表す妨害オブジェクトの情報に更新する。
【0056】
第1ゲーム制御部113は、更新後のフィールドデータD2を参照することで店舗評価値Zaを算定し、リーグデータD1に登録された既存の店舗評価値Zaを、新規に算定した店舗評価値Zaに更新する(Sd104)。また、第1ゲーム制御部113は、結果データを参照することでプレイヤの個人評価値Zbを算定し、管理データD3内の当該プレイヤのプレイヤデータUbに登録された個人評価値Zbを、新規に算定した個人評価値Zbに更新する(Sd106)。以上に説明したゲームデータDの更新(Sd102-Sd106)が、有効期間内において結果データの受信毎に反復される。
【0057】
ゲームデータDの更新(Sd102-Sd106)を実行した場合、または、結果データを受信しない場合(Sd100:NO)、第1ゲーム制御部113は、有効期間が満了したか否かを判定する(Sd108)。有効期間が満了していない場合(Sd108:NO)、第1ゲーム制御部113は、処理をステップSd100に移行する。他方、有効期間が満了した場合(Sd108:YES)、第1ゲーム制御部113は、現時点のフィールドデータD2を参照することで、N個の店舗Sの各々について最終的な店舗評価値Zaを算定し、当該店舗評価値Zaを記憶装置12に格納する(Sd110)。有効期間の満了により、リーグによるゲームの進行を第1ゲーム制御部113が制御する動作が終了する。以上に例示した管理処理Sdにより、記憶装置12に記憶されたゲームデータDは、リーグ内のN個の店舗Sの各々において随時に実行される目標獲得ゲームの結果を反映した最新の内容に更新される。以上の説明から理解される通り、管理処理Sdは、有効期間内においてゲームを進行させ、有効期間内における当該ゲームの結果を生成するゲーム制御処理の例示である。
【0058】
各店舗S内のプレイヤが操作装置34を操作することで結果の表示を指示すると、ゲーム装置30の第2ゲーム制御部311は、通信装置33からデータの要求を送信する。管理装置10の第1ゲーム制御部113は、リーグ内の各店舗Sの店舗評価値Zaとプレイヤの個人評価値Zbとを含む評価データを要求元のゲーム装置30に送信する。要求元のゲーム装置30の第2ゲーム制御部311は、リーグ内の各店舗Sの店舗評価値Zaとプレイヤの個人評価値Zbとを含む
図3のゲーム画面G2を表示装置35に表示させる。
【0059】
以上に説明した通り、第1実施形態では、N個の店舗Sの組合せであるリーグが決定され、有効期間内において当該リーグによるゲームが展開される。すなわち、ゲームに参加する複数のプレイヤが有効期間の開始の時点で特定されている必要はない。したがって、複数のプレイヤの組合せを決定するための処理負荷または処理時間を削減しながら、複数のプレイヤが参加可能なゲームを提供することが可能である。
【0060】
なお、店舗Sに設置されるゲーム装置30の個数(以下「装置数」という)は店舗S毎に相違し得る。したがって、装置数が多い店舗Sのほうがゲームを有利に進行できるという不平等感が発生し得る。しかし、装置数が店舗S毎に相違する場合でも、有効期間の全体では、装置数が少ない店舗Sにおけるゲーム装置30の稼働率が、装置数が多い店舗Sにおける稼働率と比較して高くなり易いという傾向がある。以上の傾向を考慮すれば、店舗S毎の装置数の差異に起因した極端な有利または不利は、有効期間内において是正される傾向がある。
【0061】
第1実施形態では、店舗S毎にプレイヤデータUbを区別する構成を例示したが、プレイヤデータUbを店舗Sに対応させない構成(以下「態様A」という)も想定される。態様Aでは、1個の店舗Sにおけるプレイの実績(例えば使用キャラクタの能力値または獲得したアイテム等)を他の店舗Sでのプレイに持越すことが可能である。しかし、態様Aにおいては、特定の店舗Sで充分にプレイしたプレイヤが他の店舗Sでプレイした場合に、複数の店舗Sの相互間においてプレイヤの実績のバランスが唐突に変化する可能性がある。
【0062】
態様Aとは対照的に、第1実施形態では、プレイヤデータUbが店舗S毎に区別される。すなわち、前述の通り、1個のリーグを構成する店舗S1および店舗S2において1人のプレイヤがゲームをプレイした場合には、店舗S1でのプレイに対応するプレイヤデータUbと、店舗S2でのプレイに対応するプレイヤデータUbとが別個に生成される。したがって、店舗S1でのプレイの実績を他の店舗S2でのプレイに持越すことができない。したがって、N個の店舗Sの相互間において各プレイヤの実績のバランスを適切に維持することが可能である。すなわち、N個の店舗Sの相互間において各プレイヤの実績のバランスが唐突に変化する可能性を低減できる。
【0063】
なお、以上の説明は、態様Aと比較した場合の第1実施形態の効果の説明であり、態様Aを本発明の範囲から除外する趣旨ではない。例えば、N個の店舗Sの相互間におけるバランスの変動が特段の問題とならないのであれば、態様Aを採用してもよい。あるいは、態様Aを採用することにより、各店舗Sにおけるプレイヤの実績のバランスを積極的に変動させてもよい。
【0064】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0065】
第1実施形態では、初期的なフィールドデータD2が表すフィールドFbの目標オブジェクトObを、何れの店舗Sにも所有されない中立の状態に設定した。したがって、組合せ決定部111による決定の結果に関わらず、初期的なフィールドFbの態様は共通する。第2実施形態の第1ゲーム制御部113は、初期設定処理Sa(
図10)のステップSa106において、組合せ決定部111が決定したリーグに応じてフィールドFbを設定する。すなわち、フィールドFbの態様がリーグに応じて変化する。
【0066】
具体的には、第1ゲーム制御部113は、初期的なフィールドFbにおける各目標オブジェクトObに対してリーグ内のN個の店舗Sの何れかを割当てる。目標オブジェクトObに割当てられた店舗Sは、当該目標オブジェクトObの初期的な所有者を意味する。したがって、リーグを構成する店舗Sの個数Nに応じてフィールドFbの態様(具体的には目標オブジェクトObの所有者の総数)が変化する。また、各店舗Sが初期的に所有する目標オブジェクトObの個数を、当該店舗Sの属性(例えば所在地や種別)に応じて相違させてもよい。第2実施形態によれば、組合せ決定部111が決定した組合せに応じた多様なフィールドFbを提供することが可能である。
【0067】
[第3実施形態]
第3実施形態においては、各店舗Sが複数のクラス(階級)の何れかに所属する。各クラスに所属する店舗Sの個数は相違する。例えば、複数のクラスのうち上位のクラスほど店舗Sの総数は少ない。組合せ決定部111は、クラス毎にリーグを決定する。すなわち、組合せ決定部111は、複数のクラスの各々について、当該クラスに所属する複数の店舗SからN個の店舗Sの組合せ(リーグ)を決定する。なお、1個のリーグを構成する店舗Sの個数Nをクラス毎に相違させてもよい。
【0068】
第1ゲーム制御部113は、各店舗Sが所属するクラスをゲームの結果(例えば店舗評価値Za)に応じて変更する。すなわち、各店舗Sがゲームの結果に応じて昇格または降格する。例えば、第1ゲーム制御部113は、N個の店舗Sのうちゲームの最終的な順位において上位に位置する所定個の店舗Sを現状よりも上位のクラスに昇格させ、下位に位置する所定個の店舗Sを現状よりも下位のクラスに降格させる。第3実施形態によれば、各店舗Sのクラスがゲームの結果に応じて変更されるから、各店舗Sのプレイヤにゲームをプレイする誘因を付与できる。
【0069】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0070】
(1)前述の各形態では、複数のゲーム装置30を店舗S毎に区分したが、リーグを構成する単位であるグループ(すなわち1個以上のゲーム装置30の集合)の範囲は、店舗Sに限定されない。例えば系列店の関係にある複数の店舗Sにより1個のグループを構成してもよい。また、施設内の複数の階層にゲーム装置30が設置された場合を想定すると、ひとつの階層に設置された1個以上のゲーム装置30により1個のグループを構成しても良い。
【0071】
(2)前述の各形態では、目標オブジェクトObの奪取を妨害する妨害オブジェクトを例示したが、妨害オブジェクトの機能は以上の例示に限定されない。例えば目標オブジェクトObの奪取を禁止するオブジェクト(以下「禁止オブジェクト」という)をプレイヤが設定してもよい。禁止オブジェクトは妨害オブジェクトの一例である。禁止オブジェクトが設定された目標オブジェクトObは奪取が不可能となる。なお、有効期間内の特定の期間(例えば終点付近の期間)では、禁止オブジェクトの設定を許容しない構成も好適である。
【0072】
(3)前述の各形態では、N個の店舗S間で目標オブジェクトObを争奪する対戦ゲームを例示したが、ゲームの内容は以上の例示に限定されない。例えば、リーグを構成するN個の店舗Sが協働して所定の目標の達成(例えばモンスターの討伐)を目指すゲームにも本発明は適用される。各店舗Sの店舗評価値Zaは、例えば目標の達成に関する店舗S毎の貢献度に応じて算定される。また、複数のプレイヤが同時に参加するMMO(Massively Multiplayer Online)ゲーム等のリアルタイムゲームにも本発明は適用される。相異なるプレイヤにより操作される複数の使用キャラクタがフィールドFb(例えば仮想空間)内において並列に行動する。
【0073】
(4)初期設定処理Saの開始の契機は任意である。例えば、複数の店舗Sの何れかに設置されたゲーム装置30に対するプレイヤからの指示を契機として、有効期間の設定(Sa110)とリーグの決定(Sa102)とを含む初期設定処理Saを開始してもよい。
【0074】
(5)前述の各形態では、第2ゲーム制御部311を各ゲーム装置30に設置したが、第2ゲーム制御部311の機能を管理装置10に搭載してもよい。例えば、第2ゲーム制御部311の機能を第1ゲーム制御部113により実現してもよい。また、管理装置10と各ゲーム装置30との通信を中継する中継装置が店舗S毎に設置された構成では、第2ゲーム制御部311を中継装置に設置してもよい。中継装置の第2ゲーム制御部311は、店舗内の複数のゲーム装置30の各々におけるゲームの進行を制御する。
【0075】
(6)前述の各形態における管理装置10の機能は、前述の通り、処理装置11とプログラムとの協働により実現される。好適な態様に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0076】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0077】
[付記1]
本発明の好適な態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せを決定する組合せ決定部(111)と、有効期間を設定する期間設定部(112)と、前記1以上のゲーム装置(30)を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成するゲーム制御部(113,311)とを具備する。以上の態様によれば、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せが決定され、各グループの1以上のゲーム装置(30)を使用してプレイヤが有効期間内にプレイしたゲームの結果が生成されるから、ゲームに参加する複数のプレイヤが当該ゲームの開始の時点で特定されている必要はない。したがって、複数のグループの組合せを決定するための処理負荷または処理時間を削減しながら、多数のプレイヤが参加可能なゲームを提供することが可能である。
【0078】
「グループ」は、1以上のゲーム装置(30)の集合である。グループの典型例は、1個の店舗(S)内に設置された1以上のゲーム装置(30)の集合であるが、店舗(S)とは無関係に選定された1以上のゲーム装置(30)の集合でもよい。例えば、1個の店舗(S)に設置された複数のゲーム装置(30)が複数のグループに区分されてもよいし、複数の店舗(S)に設置された複数のゲーム装置(30)により1個のグループが構成されてもよい。
【0079】
複数のグループの各々に含まれるゲーム装置(30)の個数(以下「装置数」という)は任意である。装置数は、複数のグループにわたり共通してもよいしグループ毎に相違してもよい。装置数がグループ毎に相違する場合でも、有効期間の全体では、装置数が少ないグループにおけるゲーム装置(30)の稼働率が、装置数の多いグループにおける稼働率と比較して高くなり易いという傾向がある。したがって、グループ毎の装置数の差異に起因した極端な有利または不利は、有効期間内において是正される傾向がある。
【0080】
各グループに含まれる複数のゲーム装置(30)は、典型的には相互に離間して設置された装置であるが、装置間の構造上または外観上の関係は以上の例示に限定されない。例えば、複数のゲーム装置(30)が筐体により一体的に連結されてもよい。すなわち、相互に離間して設置された複数の装置の各々が1個のゲーム装置(30)として観念されるほか、一体的に構成された装置において各プレイヤがゲームのプレイに使用する部分も1個のゲーム装置(30)として観念される。
【0081】
ゲーム装置(30)を使用したゲームの種類は任意である。例えば本発明が適用されるゲームは、複数のプレイヤがリアルタイムに対戦するゲームである必要はない。また、本発明が適用されるゲームの典型例は、複数のグループの間で相互に対戦するゲームであるが、複数のグループが相互に目標の達成を目指すゲームについても本発明は適用される。
【0082】
「ゲームの結果」は、例えば、組合せに係る複数のグループの間における順位、または、複数のグループの各々におけるゲームでの得点である。ゲーム制御部(113,311)がゲームの結果を生成する時期は任意である。例えば、有効期間の満了を契機としてゲームの結果を生成する構成、または、有効期間内の任意の時点においてゲームの結果を生成する構成が採用される。有効期間内でゲームの結果を生成する時期としては、例えばゲームに何らかの進行が発生した時期、または所定の時間毎に到来する時期が例示される。
【0083】
[付記2]
付記1の好適な態様(付記2)において、前記ゲームは、複数の目標オブジェクト(Ob)の各々をプレイヤが獲得するゲームであり、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記複数のグループの各々について、当該グループの前記1以上のゲーム装置(30)により獲得された目標オブジェクト(Ob)の個数に応じてゲームの結果を生成する。以上の態様によれば、複数の目標オブジェクト(Ob)の各々の獲得を目指す興趣性の高いゲームが提供される。
【0084】
「目標オブジェクト(Ob)」は、ゲーム内においてプレイヤが獲得を目指す目標である。例えば仮想的な建造物(例えば城)または領地等の任意の要素が目標オブジェクト(Ob)として例示される。
【0085】
目標オブジェクト(Ob)の獲得を目指すゲームの典型例は、目標オブジェクト(Ob)をプレイヤ間で争奪するゲームであるが、目標オブジェクト(Ob)を他のプレイヤから奪取することまでは必須ではない。
【0086】
[付記3]
付記2の好適な態様(付記3)において、前記ゲームは、前記複数の目標オブジェクト(Ob)の各々をプレイヤが争奪するゲームであり、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記複数のグループのうち一のグループに対応するプレイヤが獲得した目標オブジェクト(Ob)に対して、他のグループに対応するプレイヤが当該目標オブジェクト(Ob)を獲得することを妨害する妨害オブジェクトを設定する。以上の態様によれば、複数の目標オブジェクト(Ob)の各々を複数のグループの間で争奪する興趣性の高いゲームが提供される。また、目標オブジェクト(Ob)の獲得を妨害する妨害オブジェクトが設定されるから、戦略性の高いゲームを提供することが可能である。
【0087】
「妨害オブジェクト」は、目標オブジェクト(Ob)の獲得を妨害する要素である。例えば、妨害オブジェクトとの対戦における勝利を条件として目標オブジェクト(Ob)の獲得が許可される。また、目標オブジェクト(Ob)の獲得を禁止する妨害オブジェクトも想定される。なお、有効期間内の特定の期間(例えば終点付近の期間)では、目標オブジェクト(Ob)の獲得を禁止する妨害オブジェクトの設定を許容しない構成も好適である。
【0088】
妨害オブジェクトをプレイヤが設定する時点は任意である。例えば、有効期間内の任意の時点で妨害オブジェクトを設定できる構成のほか、目標オブジェクト(Ob)の獲得時に当該目標オブジェクト(Ob)に妨害オブジェクトを設定できる構成が想定される。
【0089】
[付記4]
付記3の好適な態様(付記4)において、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記妨害オブジェクトを設定したプレイヤに報酬を付与する。以上の態様によれば、妨害オブジェクトを設定する誘因をプレイヤに付与できる。
【0090】
「報酬」の内容は任意である。例えばゲーム内で使用可能なアイテムが報酬の好適例である。また、ゲームをプレイするために消費される遊技価値(例えばトークンコインまたはクレジット)の所定量を報酬として付与する構成、または、景品と交換可能な価値媒体(リデンプションチケット)を報酬として付与する構成も想定される。以上の例示から理解される通り、報酬が有体物であるか無体物であるかは不問である。
【0091】
[付記5]
付記1から付記4の何れかの好適な態様(付記5)において、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記組合せ決定部(111)が前記組合せを決定すると、前記有効期間の開始前に、当該組合せによるゲームを展開するためのゲームデータ(D)を設定する。以上の態様によれば、組合せによるゲームが展開されるフィールド(Fb)が設定および提供される。
【0092】
[付記6]
付記5の好適な態様(付記6)において、前記ゲーム制御部(113)は、前記ゲームデータ(D)の少なくとも一部を前記ゲーム装置(30)に提供する。例えば、ゲームデータ(D)のうち、ゲームが展開されるフィールド(Fb)の状況を表すフィールドデータ(D2)がゲーム装置(30)に提供される。
【0093】
[付記7]
付記5または付記6の好適な態様(付記7)において、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記組合せ決定部(111)が決定した組合せに応じて前記ゲームデータ(D)の少なくとも一部を設定する。以上の態様によれば、組合せ決定部(111)が決定した組合せに応じた多様な展開のゲームを提供できる。
【0094】
「組合せに応じてゲームデータ(D)の少なくとも一部を設定する」とは、組合せ毎にゲームデータ(D)の少なくとも一部の内容が相違することを意味する。例えば、組合せに係るグループの個数に応じて、ゲームデータ(D)の一部が表すフィールド(Fb)の内容が相違する。
【0095】
[付記8]
付記1から付記7の何れかの好適な態様(付記8)において、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記ゲーム装置(30)を使用するプレイヤに関するプレイヤデータ(Ub)を利用してゲームを進行させ、前記プレイヤデータ(Ub)は、前記グループ毎に区別される。以上の態様では、プレイヤデータ(Ub)がグループ毎に区別される。すなわち、組合せに係る複数のグループについて1人のプレイヤがゲームをプレイした場合には、一のグループでのプレイに対応するプレイヤデータ(Ub)と、他のグループでのプレイに対応するプレイヤデータ(Ub)とが個別のデータとして処理される。したがって、一のグループでのプレイの結果を他のグループでのプレイに持越すことはできない。以上の構成によれば、複数のグループの相互間においてゲーム内での各プレイヤの実績のバランスを適切に維持することが可能である。
【0096】
[付記9]
付記1から付記8の何れかの好適な態様(付記9)において、前記組合せ決定部(111)は、前記1以上のゲーム装置(30)を含む店舗(S)を前記グループとして、前記複数のグループの組合せを決定する。
【0097】
[付記10]
付記1から付記9の何れかの好適な態様(付記10)において、複数のクラスの各々に複数のグループが所属し、前記組合せ決定部(111)は、前記複数のクラスの各々について、当該クラスに所属する複数のグループから前記組合せを決定し、前記ゲーム制御部(113,311)は、前記グループが所属するクラスをゲームの結果に応じて変更する。以上の態様によれば、グループが所属するクラスがゲームの結果に応じて変更されるから、各グループのプレイヤにゲームをプレイする誘因を付与することが可能である。
【0098】
ゲームの結果に応じたクラスの変更の態様は任意であるが、例えばゲームの結果である順位が上位に位置するグループは上位のクラスに昇格し、順位が下位であるグループは下位のクラスに降格するといった態様が想定される。
【0099】
[付記11]
本発明の好適な態様(付記11)に係るプログラムは、1または複数のプロセッサ(11)に、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せを決定する組合せ決定処理(Sa102)と、有効期間を設定する期間設定処理(Sa100)と、前記1以上のゲーム装置(30)を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成するゲーム制御処理(Sd)とを実行させる。以上の態様によれば、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せが決定され、各グループの1以上のゲーム装置(30)を使用してプレイヤが有効期間内にプレイしたゲームの結果が生成されるから、ゲームに参加する複数のプレイヤが当該ゲームの開始の時点で特定されている必要はない。したがって、複数のグループの組合せを決定するための処理負荷または処理時間を削減しながら、多数のプレイヤが参加可能なゲームを提供することが可能である。
【0100】
[付記12]
本発明の好適な態様(付記12)に係るゲーム提供方法は、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せを決定し(Sa102)、有効期間を設定し(Sa100)、前記1以上のゲーム装置(30)を使用したゲームを前記有効期間内において進行させ、前記組合せに係る前記複数のグループについて前記有効期間内におけるゲームの結果を生成する(Sd)。以上の態様によれば、1以上のゲーム装置(30)を各々が含む複数のグループの組合せが決定され、各グループの1以上のゲーム装置(30)を使用してプレイヤが有効期間内にプレイしたゲームの結果が生成されるから、ゲームに参加する複数のプレイヤが当該ゲームの開始の時点で特定されている必要はない。したがって、複数のグループの組合せを決定するための処理負荷または処理時間を削減しながら、多数のプレイヤが参加可能なゲームを提供することが可能である。
【0101】
複数のグループの組合せの決定と有効期間の設定との時間的な先後は任意である。すなわち、複数のグループの組合せの決定後に有効期間を設定してもよいし、有効期間の設定後に複数のグループの組合せを決定してもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…ゲームシステム、2…通信網、10…管理装置、11,31…処理装置、111…組合せ決定部、112…期間設定部、113…第1ゲーム制御部、12,32…記憶装置、13,33…通信装置、30…ゲーム装置、311…第2ゲーム制御部、34…操作装置、35…表示装置、S…店舗、Ob…目標オブジェクト、G1,G2…ゲーム画面、D…ゲームデータ、D1…リーグデータ、D2…フィールドデータ、D3…管理データ。