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特許7178711容器入り飲料温度調節装置並びに伝熱部材及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】容器入り飲料温度調節装置並びに伝熱部材及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
F25D11/00 101W
F25D11/00 102G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019163449
(22)【出願日】2019-09-06
(62)【分割の表示】P 2018094969の分割
【原出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2019203689
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】398032289
【氏名又は名称】株式会社テックスイージー
(74)【代理人】
【識別番号】100111084
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 義昭
(72)【発明者】
【氏名】橘 英樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕之
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/190515(WO,A1)
【文献】特開2010-251677(JP,A)
【文献】特開2004-043787(JP,A)
【文献】特開昭61-205793(JP,A)
【文献】特開2004-069148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/00
F25D 11/00 ~ 11/04
F25D 31/00
F28D 20/00 ~ 20/02
B65D 81/18
A47G 23/02
A47G 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調節対象となる容器入り飲料の側面の一部に当接する伝熱部材と、
当該伝熱部材を介して、前記容器入り飲料の温度を調節するための温度調節部と
を備え、
前記伝熱部材は、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とによって構成されており、
前記伝熱液は、目標温度より高い温度で凝固する液体であり、
前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、両者の存在状態が、キャピラリー状態になる程度の量に設定されている
ことを特徴とする容器入り飲料温度調節装置。
【請求項2】
温度調節対象となる容器入り飲料の側面の一部に当接する伝熱部材と、
当該伝熱部材を介して、前記容器入り飲料の温度を調節するための温度調節部と
を備え、
前記伝熱部材は、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とによって構成されており、
前記伝熱液は、目標温度より高い温度で凝固する液体であり、
前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で24~48容量%程度である
ことを特徴とする容器入り飲料温度調節装置。
【請求項3】
前記容器入り飲料と前記伝熱部材とを当接させるための付勢部を更に備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項4】
前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の上部に当接する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項5】
前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の上部から下部までの全域にわたって当接する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項6】
複数の前記伝熱部材を備え、
当該複数の前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の長手方向に沿うように間隔を空けて配置されている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項7】
前記伝熱部材と前記温度調節部との間に配置された第二の伝熱部材を
更に備えることを特徴とする請求項又はに記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項8】
前記第二の伝熱部材は、金属板によって構成されている
ことを特徴とする請求項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項9】
前記容器入り飲料の温度調節を開始する前に、前記伝熱部材を加熱して、凝固している前記伝熱液を融解させる
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項10】
前記伝熱粉は、金属粉によって構成されている
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項11】
前記伝熱液は、直鎖炭化水素、第一級アルコール、直鎖アルデヒド及び直鎖カルボン酸のいずれかによって構成されている
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項12】
前記伝熱粉の粒径は、0.04mm~0.16mmの範囲内にある
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の容器入り飲料温度調節装置。
【請求項13】
温度調節対象物の温度を目標温度に調節するために使用される伝熱部材であって、
変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とを備え、
前記伝熱液は、前記目標温度より高い温度で凝固する液体であり、
前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、両者の存在状態が、キャピラリー状態になる程度の量に設定されている
ことを特徴とする伝熱部材。
【請求項14】
温度調節対象物の温度を目標温度に調節するために使用される伝熱部材であって、
変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とを備え、
前記伝熱液は、前記目標温度より高い温度で凝固する液体であり、
前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で24~48容量%程度である
ことを特徴とする伝熱部材。
【請求項15】
前記伝熱粉は、金属粉によって構成されている
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の伝熱部材。
【請求項16】
前記伝熱液は、直鎖炭化水素、第一級アルコール、直鎖アルデヒド及び直鎖カルボン酸のいずれかによって構成されている
ことを特徴とする請求項13~15のいずれか一項に記載の伝熱部材。
【請求項17】
前記伝熱粉の粒径は、0.04mm~0.16mmの範囲内にある
ことを特徴とする請求項1316のいずれか一項に記載の伝熱部材。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか一項に記載の伝熱部材の使用方法であって、
温度調節対象物の側面の一部を前記伝熱部材に押しつけることで、前記伝熱部材の形状を、前記温度調節対象物の形状に適合させ、
前記伝熱部材を介して、前記温度調節対象物の温度を目標温度に調節することで、前記伝熱液を凝固させ、
新たな温度調節対象物の温度調節を開始する際は、前記伝熱部材の加熱を行い、凝固している前記伝熱液を融解させる
ことを特徴とする伝熱部材の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器入り飲料(例えば、瓶入りワイン)の温度を調節(例えば、冷却や保冷)する容器入り飲料温度調節装置、及び、当該容器入り飲料温度調節装置での利用に適した伝熱部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、瓶入りワイン(以下、「ボトルワイン」という)を飲み頃の温度に冷却・保持するためワインクーラーとして、バケツ状の容器に氷や氷水を入れたものが知られている。
【0003】
しかしながら、上記のようなワインクーラーでは、ボトルワインのボトルと氷等が直接接触することになるため、グラスに注ぐためにボトルワインをワインクーラーから取り出した際は、ボトルに付着した水滴を拭き取る等する必要があり、手間がかかることになっていた。
【0004】
なお、特開2010-47313号公報には、従来の一般的なワインクーラーは、ワインボトルに水滴が付着するため、ワインをグラスに注ぐためにボトルをワインクーラーから取り出す毎に、ボトルをタオルで拭いて水滴を取り除く必要があった点に鑑み、簡単な構造で、ワインボトルに水滴が付着しにくく、ワインボトルのラベルを視認できるワインクーラーとして、円筒部及び底面部からなる上方が開口した保冷容器の内壁に、固定手段により保冷材を取り付けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-47313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、氷や氷水を利用することなく、ボトルワイン等の容器入り飲料の温度を調節することができる容器入り飲料温度調節装置、並びに、当該容器入り飲料温度調節装置での利用に適した熱伝導性が高い伝熱部材及びその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る容器入り飲料温度調節装置は、温度調節対象となる容器入り飲料の側面の一部に当接する伝熱部材と、当該伝熱部材を介して、前記容器入り飲料の温度を調節するための温度調節部とを備え、前記伝熱部材は、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とによって構成されており、前記伝熱液は、目標温度より高い温度で凝固する液体であり、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、両者の存在状態が、キャピラリー状態になる程度の量に設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る容器入り飲料温度調節装置は、温度調節対象となる容器入り飲料の側面の一部に当接する伝熱部材と、当該伝熱部材を介して、前記容器入り飲料の温度を調節するための温度調節部とを備え、前記伝熱部材は、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とによって構成されており、前記伝熱液は、目標温度より高い温度で凝固する液体であり、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で24~48容量%程度であることを特徴とする。
【0009】
以上の場合において、前記容器入り飲料と前記伝熱部材とを当接させるための付勢部を更に備えるようにしてもよい。
【0010】
また、以上の場合において、前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の上部に当接するようにしてもよい。また、前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の上部から下部までの全域にわたって当接するようにしてもよいし、複数の前記伝熱部材を備え、当該複数の前記伝熱部材は、前記容器入り飲料の長手方向に沿うように間隔を空けて配置されているようにしてもよい。この場合、前記伝熱部材と前記温度調節部との間に配置された第二の伝熱部材を更に備えるようにしてもよい。更に、この場合、前記第二の伝熱部材は、金属板によって構成されているようにしてもよい。
【0011】
また、以上の場合において、前記容器入り飲料の温度調節を開始する前に、前記温度調節部によって、前記伝熱部材を加熱して、凝固している前記伝熱液を融解させるようにしてもよい。
【0012】
また、以上の場合において、前記伝熱粉は、金属粉によって構成されているようにしてもよい。また、前記伝熱液は、直鎖炭化水素、第一級アルコール、直鎖アルデヒド及び直鎖カルボン酸のいずれかによって構成されているようにしてもよい。
【0013】
また、以上の場合において、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で28~48容量%程度であるようにしてもよい。
【0014】
また、以上の場合において、前記伝熱粉の粒径は、0.04mm~0.16mmの範囲内にあるようにしてもよい。
【0015】
本発明に係る伝熱部材は、温度調節対象物の温度を目標温度に調節するために使用される伝熱部材であって、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とを備え、前記伝熱液は、前記目標温度より高い温度で凝固する液体であり、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、両者の存在状態が、キャピラリー状態になる程度の量に設定されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る伝熱部材は、温度調節対象物の温度を目標温度に調節するために使用される伝熱部材であって、変形可能な袋体と、当該袋体に収容された伝熱粉及び伝熱液とを備え、前記伝熱液は、前記目標温度より高い温度で凝固する液体であり、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で24~48容量%程度であることを特徴とする。
【0017】
以上の場合において、前記伝熱粉は、金属粉によって構成されているようにしてもよい。また、前記伝熱液は、直鎖炭化水素、第一級アルコール、直鎖アルデヒド及び直鎖カルボン酸のいずれかによって構成されているようにしてもよい。
【0018】
また、以上の場合において、前記伝熱粉に対する前記伝熱液の添加量は、容積比で28~48容量%程度であるようにしてもよい。
【0019】
また、以上の場合において、前記伝熱粉の粒径は、0.04mm~0.16mmの範囲内にあるようにしてもよい。
【0020】
本発明に係る伝熱部材の使用方法は、前記伝熱部材の使用方法であって、温度調節対象物の側面の一部を前記伝熱部材に押しつけることで、前記伝熱部材の形状を、前記温度調節対象物の形状に適合させ、前記伝熱部材を介して、前記温度調節対象物の温度を目標温度に調節することで、前記伝熱液を凝固させ、新たな温度調節対象物の温度調節を開始する際は、前記伝熱部材の加熱を行い、凝固している前記伝熱液を融解させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、氷や氷水を利用することなく、ボトルワイン等の容器入り飲料の温度を調節することができる容器入り飲料温度調節装置、並びに、当該容器入り飲料温度調節装置での利用に適した熱伝導性が高い伝熱部材及びその使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるワイン温度調節装置の構成を説明するための図である。
図2】カバー部112を開いた状態のワイン温度調節装置100を示す図である。
図3】ペルチェユニット120の構造を説明するための正面図である。
図4】ペルチェユニット120の構造を説明するための左側面図である。
図5】ペルチェユニット120の構造を説明するための正面図中央横断面図である。
図6】熱電変換モジュール124の構造を説明するための図である。
図7】本発明による別のワイン温度調節装置(第二実施形態)の構成を説明するための図である。
図8】本発明による更に別のワイン温度調節装置(第三実施形態)の構成を説明するための図である。
図9】冷却試験に使用した伝熱パッドの例(実施例2及び実施例5)を示す写真(図面代用写真)である。
図10】冷却試験の様子を示す写真(図面代用写真)である。
図11】各伝熱パッドの測定結果を示す表である。
図12】ボトルワインを所定角度傾けた状態での測定方法を説明するための図である。
図13】ボトルワインを所定角度傾けた状態での測定結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】
以下では、本発明による容器入り飲料温度調節装置としてのワイン温度調節装置について説明する。本ワイン温度調節装置は、ボトルワインの温度を、所定の飲み頃の温度(目標温度)に調節するためのものである。本ワイン温度調節装置は、例えば、室温状態のボトルワインを、目標温度まで冷却し、目標温度に保持するために使用される。なお、以下では、簡単のため、目標温度は、予め決められているものとするが、目標温度をユーザが設定(例えば、予め決められた複数の候補の中から選択)できるようにしてもよい。
【0025】
《第一実施形態》
図1は、本発明によるワイン温度調節装置の構成を説明するための図である。同図(a)は平面図を示し、同図(b)は平面図中央横断面図を示す。なお、簡単のため、同図では、本発明の説明に必要な主要部のみを示している。
【0026】
同図に示すように、本発明によるワイン温度調節装置100は、温度調節対象となるボトルワイン1を収容するためのボトル収容部110と、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1の温度を調節するためのペルチェユニット120と、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1と、ペルチェユニット120との間に配置される伝熱パッド130とを備える。
【0027】
ボトル収容部110は、温度調節対象となるボトルワイン1を収容するための空間であって、本実施形態においては、本体部111と、開閉可能なカバー部112とによって形成されている。
【0028】
本体部111は、ワイン温度調節装置100の主要部をなす部分であって、同図(b)に示すように、その内部に、ペルチェユニット120を備えており、ペルチェユニット120の周囲の空間は、断熱材113で充填されている。
【0029】
カバー部112は、下端部に設けられたヒンジ機構114を介して、本体部111に取り付けられており、ヒンジ機構114の軸を中心に回動可能に構成されている。
【0030】
また、同図に示すように、カバー部112の内側には、板ばね115が設けられている。
【0031】
板ばね115は、カバー部112と共に、ボトルワイン1と伝熱パッド130とを当接させるための付勢部を構成するものであって、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1を、ペルチェユニット120(伝熱パッド130)方向に付勢するための付勢部材である。
【0032】
ペルチェユニット120は、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1の温度を調節(冷却及び保冷)するためのもの(温度調節部)であって、本実施形態においては、伝熱パッド130を介して、ボトルワイン1の温度を調節する。なお、簡単のため、同図においては、簡略化した表示としているが、ペルチェユニット120の構造の詳細については後述する。
【0033】
また、簡単のため、同図では省略してあるが、ワイン温度調節装置100は、ペルチェユニット120の動作を制御するための制御部や、ペルチェユニット120(放熱フィン)を空冷するためのファンや、ペルチェユニット120等の動作に必要な電力を供給するための電源部や、ワイン温度調節装置100の各種動作をユーザが指示するための操作部等を更に備えている。
【0034】
伝熱パッド130は、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1(の側面の一部)に当接して、ボトルワイン1とペルチェユニット120との間で、熱伝導を行うもの(伝熱部材)である。本実施形態においては、伝熱パッド130は、ボトルの肩部付近(側面上部)において、ボトルワイン1に当接する。伝熱パッド130は、概ね矩形平板状の形状を有しており、不図示の取付具によって、ペルチェユニット120の温度調節面と平行になるように吊り下げられている。すなわち、伝熱パッド130は、ペルチェユニット120の温度調節面に固定されてはおらず、伝熱パッド130にボトルワイン1が押し付けられることで、ペルチェユニット120の温度調節面と密着することになる。
【0035】
伝熱パッド130は、変形可能な収容袋と、収容袋内に収容された伝熱粉及び伝熱液とによって構成されている。
【0036】
収容袋は、伝熱粉及び伝熱液を収容する袋体であって、適度な強度及び柔軟性を有した材料(本実施形態においては、合成樹脂(より具体的には、ポリエチレン))によって構成されている。
【0037】
伝熱粉は、伝熱液と共に、主要な熱伝導媒体となるものである。伝熱粉は、熱伝導率が高い金属粉であって、本実施形態においては、銅(Cu)粉によって構成される。
【0038】
伝熱液は、伝熱粉と共に、主要な熱伝導媒体となるものである。伝熱液は、目標温度(例えば、8℃)より高い温度で凝固する液体であって、本実施形態においては、パラフィンによって構成される。より具体的には、ペンタデカン(C15H32)(凝固温度:9.9℃)又はヘキサデカン(C16H34)(凝固温度:18℃)によって構成される。すなわち、本実施形態においては、伝熱液は、目標温度(例えば、8℃)と使用環境温度(例えば、25℃)との間の温度(目標温度より高く、使用環境温度より低い温度)で凝固することとなり、使用環境温度(例えば、25℃)では凝固していないことになる。
【0039】
また、伝熱粉に対する伝熱液の添加量は、両者の存在状態が、キャピラリー状態(伝熱粉間の空隙がすべて伝熱液で満たされた状態)になる程度の量、具体的には、容積比で、35~37容量%程度となるように設定されている。
【0040】
図2は、カバー部112を開いた状態のワイン温度調節装置100を示す図である。同図(a)は、冷却開始前にボトルワイン1をセットするためにカバー部112を開いた状態を示し、同図(b)は、目標温度まで冷却された後に、ボトルワイン1を取り出すためにカバー部112を開いた状態を示している。
【0041】
ワイン温度調節装置100を使用する際は、まず、同図(a)に示すように、カバー部112を開けて、温度調節対象となるボトルワイン1をセットし、図1に示すように、カバー部112を閉めた上で、冷却が開始されることになる。
【0042】
ボトルワイン1をセットした上で、カバー部112を閉じると、板ばね115によってボトルワイン1が付勢されて、ボトルワイン1が伝熱パッド130に押し付けられることになる。
【0043】
ボトルワイン1が伝熱パッド130に押しつけられると、伝熱パッド130は、適宜変形して、ボトルワイン1の形状に適合するようになり、ボトルワイン1と伝熱パッド130とが密着して、熱伝導効率が向上することになる。
【0044】
このように、ワイン温度調節装置100では、ボトルワイン1(の側面の一部)を、変形可能な伝熱パッド130に押しつけることで、伝熱パッド130の形状を、ボトルワイン1の形状に適合させるようにしているので、ボトルワイン1の形状やサイズがある程度異なっていても、ボトルワイン1と伝熱パッド130とを密着させることが可能となっている。
【0045】
また、前述したように、伝熱パッド130内に収容された伝熱液は、目標温度より高い温度で凝固するので、目標温度まで冷却される過程で凝固することになる。そのため、目標温度まで冷却された後に、カバー部112を開くと、図2(b)に示すように、伝熱パッド130の形状は、ボトルワイン1の形状に適合するように変形した形状のまま、保持されることになる。従って、例えば、グラスに注ぐためにボトルワイン1を取り出した後に、同じボトルワイン1を再びワイン温度調節装置100内に戻した際も、ボトルワイン1と伝熱パッド130との密着状態は維持されることとなる。
【0046】
なお、ワイン温度調節装置100において、新たなボトルワイン1の冷却を開始する際は、例えば、操作部を介したユーザの指示に応じて、まず、制御部がペルチェユニット120を制御して、伝熱パッド130の加熱を行い、凝固している伝熱液を融解させてから、新たなボトルワイン1のセットを行うようにする。このようにすることで、新たなボトルワイン1をセットした際、改めて、新たなボトルワイン1の形状に適合した形状に伝熱パッド130を変形させることが可能となる。
【0047】
次に、ペルチェユニット120の詳細について説明する。
【0048】
図3図5は、ペルチェユニット120の構造を説明するための図である。図3は正面図を示し、図4は左側面図を示し、図5は正面図中央横断面図を示す。
【0049】
図3図5に示すように、ペルチェユニット120は、伝熱ブロック121と、放熱フィン122と、ケース123とを備える。更に、図5に示すように、伝熱ブロック121と、放熱フィン122との間には、熱電変換モジュール124が挟持されている。
【0050】
伝熱ブロック121は、熱電変換モジュール124の一方の面に接触して熱を伝達する伝熱部材であって、例えば、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)によって構成される。伝熱ブロック121は、概ね四角柱状の形状を有しており、その上面(温度調節面)1211に伝熱パッド130が当接することになる。
【0051】
放熱フィン122は、熱電変換モジュール124の他方の面に接触して熱を伝達(放熱)する伝熱部材(放熱部材)であって、例えば、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)によって構成される。放熱フィン122は、矩形状平板1221と、その底面に取り付けられた多数のフィン1222とによって構成されており、ファン(不図示)によって強制空冷される。
【0052】
ケース123は、伝熱ブロック121及び放熱フィン122によって挟持される熱電変換モジュール124の周囲(側方)を間隔をあけて覆い密閉空間を形成するものであって、例えば、熱伝導性が低く、耐水性を有し、ガス透過性が低い合成樹脂(例えば、ポリフェニレンスルフィド)で構成される。ケース123は、伝熱ブロック121の側面の大部分を覆うように、伝熱ブロック121の側面に沿って伸びる側壁部1231と、放熱フィン122(矩形状平板1221)の上面の一部を覆うよう、放熱フィン122の上面に沿って外向きに伸びる張出部1232とによって構成されており、断面が概ねL字状になるように形成される。ケース123は、例えば、伝熱ブロック121と一体をなすように、インサート成形によって形成され、張出部1232が放熱フィン122に固定(ねじ留め)される。
【0053】
また、図4に示すように、ケース123の張出部1232の一辺には、熱電変換モジュール124に直流電流を供給するためのタブ端子125が一組設けられている。タブ端子125と熱電変換モジュール124(の金属電極)とは、リード線126によって接続されている。
【0054】
図6は、熱電変換モジュール124の構造を説明するための図である。
【0055】
同図に示すように、熱電変換モジュール124は、板状に並べられた複数のπ型熱電素子610(n型半導体素子611及びp型半導体素子612の一端を金属電極613で接合したもの)によって構成されており、複数のπ型熱電素子610は、金属電極620によって、電気的には直列に、熱的には並列に接続されている。同図に示した例では、矢印の方向(π型熱電素子のn側からp側へ向かう方向)に直流電流を流すと、上面側(π型熱電素子のnp接合側)で吸熱が行われ、底面側で放熱が行われることになる。一方、電流の向きを逆にすると、上面側で放熱が行われ、底面側で吸熱が行われることになる。また、一般に、上面及び底面には、それぞれ、絶縁基板630(例えば、セラミック基板)が接合されており、吸熱面及び放熱面を形成している。なお、同図では、上面側の絶縁基板は省略してある。
【0056】
ペルチェユニット120は、以上のような構成を有しているので、ペルチェユニット120(熱電変換モジュール124)に供給する電流の量及び向きを制御することで、伝熱パッド130(及びボトルワイン1)の温度を調節することが可能となっている。
【0057】
《第二実施形態》
次に、本発明による別のワイン温度調節装置(第二実施形態)について説明する。
【0058】
以下では、基本的に、前述した第一実施形態と相違する部分についてのみ説明する。第一実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】
図7は、本発明による別のワイン温度調節装置(第二実施形態)の構成を説明するための図である。同図(a)は平面図を示し、同図(b)は平面図中央横断面図を示す。
【0060】
同図に示すように、本発明による第二のワイン温度調節装置200は、温度調節対象となるボトルワイン1を収容するためのボトル収容部110と、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1を冷却するためのペルチェユニット120と、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1と、ペルチェユニット120との間に配置される伝熱パッド230及び伝熱板240とを備える。
【0061】
本実施形態においては、ペルチェユニット120は、伝熱板240及び伝熱パッド230を介して、ボトルワイン1の温度を調節する。
【0062】
伝熱板240は、ペルチェユニット120と伝熱パッド230との間に配置されて、ペルチェユニット120と伝熱パッド220との間で、熱伝導を行うもの(伝熱部材)であって、本実施形態においては、薄い(例えば、5mm厚の)金属板(より具体的には、銅板)によって構成されている。伝熱板240は、ペルチェユニット120の伝熱ブロック121に固定(ねじ留め)されている。
【0063】
伝熱パッド230は、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1(の側面の一部)に当接して、ボトルワイン1と伝熱板240との間で、熱伝導を行うもの(伝熱部材)である。伝熱パッド230は、第一実施形態における伝熱パッド130と同じ構成要素(収容袋、伝熱粉及び伝熱液)を有するものであり、両者の違いは、形状及び大きさのみである。すなわち、第一実施形態における伝熱パッド130は、ボトルの肩部付近において、ボトルワイン1に当接するものであるのに対して、第二実施形態における伝熱パッド230は、概ね、縦長の矩形平板状の形状を有しており、ボトルの肩部から下端部までの全域にわたってボトルワイン1に当接するものである。伝熱パッド230は、不図示の取付具によって、伝熱板240と平行になるように吊り下げられている。すなわち、伝熱パッド230は、伝熱板240に固定されてはおらず、伝熱パッド230にボトルワイン1が押し付けられることで、伝熱板240と密着することになる。
【0064】
第二実施形態における伝熱パッド230は、上記のような構成を有しているので、内部のワインが少ない状態(液面が低下した状態)のボトルワインについても、効率よく温度の調節を行えるようになっている。すなわち、ボトル内部のワインを飲み進めていくと、ワインの液面が順次低下していくことになるが、そのような状態のボトルワインを、第一実施形態のワイン温度調節装置100にセットした場合、ボトル内部のワインの液面が伝熱パッド130が当接している部分より下がってしまうと、ボトル内部のワインの温度調節効率(冷却効率)が低下することになる。一方、第二実施形態のワイン温度調節装置200においては、伝熱パッド230がボトルの肩部から下端部までの全域にわたって当接するので、ボトル内部のワインを飲みきるまで、高い温度調節効率(冷却効率)が得られることになる。
【0065】
《第三実施形態》
次に、本発明による更に別のワイン温度調節装置(第三実施形態)について説明する。
【0066】
以下では、基本的に、前述した第一及び第二実施形態と相違する部分についてのみ説明する。第一及び第二実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0067】
図8は、本発明による更に別のワイン温度調節装置(第三実施形態)の構成を説明するための図である。同図(a)は平面図を示し、同図(b)は平面図中央横断面図を示す。
【0068】
同図に示すように、本発明による第三のワイン温度調節装置300は、前述した第二のワイン温度調節装置200とぼぼ同様の構成を有しており、両者の違いは、伝熱パッドの構成の違いのみである。
【0069】
すなわち、第二実施形態における伝熱パッドは、一つの大きな伝熱パッド230によって構成されていたが、第三実施形態における伝熱パッドは、複数の小さな伝熱パッド331~336によって構成されている。
【0070】
複数の伝熱パッド331~336は、垂直方向(同図(b)における上下方向)に間隔をあけて配置されており、ボトル収容部110に収容されたボトルワイン1(の側面の一部)に当接して、ボトルワイン1と伝熱板240との間で、熱伝導を行うもの(伝熱部材)である。各伝熱パッド331~336は、第二実施形態における伝熱パッド222と同じ構成要素(収容袋、伝熱粉及び伝熱液)を有するものであり、両者の違いは、形状及び大きさのみである。すなわち、第二実施形態における伝熱パッドは、一つの伝熱パッド230によって、ボトルの肩部から下端部までの範囲をカバーするものであるのに対して、第三実施形態における伝熱パッドは、ボトルワイン1の長手方向に沿うように間隔を空けて配置された複数の伝熱パッド331~336によって、ボトルの肩部から下端部までの間の範囲をカバーするものである。
【0071】
各伝熱パッド331~336は、概ね矩形平板状の形状を有しており、不図示の取付具によって、伝熱板240と平行になるように吊り下げられている。すなわち、各伝熱パッド331~336は、伝熱板240に固定されてはおらず、各伝熱パッド331~336にボトルワイン1が押し付けられることで、伝熱板240と密着することになる。
【0072】
第三実施形態における伝熱パッドは、上記のような構成を有しているので、第二実施形態と同様に、ボトル内部のワインが少ない状態(液面が低下した状態)のボトルワインについても、効率よく温度の調節を行えるようになっており、ボトル内部のワインを飲みきるまで、高い温度調節効率(冷却効率)が得られることになる。
【0073】
なお、同図において、一番高い位置に配置されている伝熱パッド331は、ボトルワイン1の側面に当接していないが、当該伝熱パッド331は、同図に示したボトルワイン1より背の高い(肩部の位置が高い)ボトルワインに対応するためのものである。
【0074】
以上説明したように、上述したワイン温度調節装置においては、ペルチェユニット及び伝熱部材(伝熱パッド及び伝熱板)によって、温度調節対象となるボトルワインの温度を調節するようにしているので、氷や氷水を利用することなく、ボトルワインの温度を調節することが可能となる。
【0075】
また、温度調節対象となるボトルワインの側面の一部と、変形可能な伝熱パッドとを当接させるようにしているので、ボトルワインと伝熱パッドとを密着させることが可能となり、効率よく、ボトルワインの温度を調節することが可能となっている。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明の実施形態は上記のものに限られない。例えば、上述した実施形態においては、伝熱液として、ペンタデカン又はヘキサデカンを使用するようにしていたが、目標温度等に応じて、他の直鎖炭化水素(例えば、ヘプタデカン(C17H36)(凝固温度:22℃)、オクタデカン(C18H38)(凝固温度:27.1~28.5℃)、ノナデカン(C19H40)(凝固温度:32~34℃))や、第一級アルコール(例えば、1-ウンデカノール(C11H24O)(凝固温度:19℃)、1-ドデカノール(C12H26O)(凝固温度:24℃)、1-トリデカノール(C13H28O)(凝固温度:29~34℃))や、直鎖アルデヒド(例えば、ドデカナール(C12H24O)(凝固温度:12℃)、トリデカナール(C13H26O)(凝固温度:14℃)、テトラデカナール(C14H28O)(凝固温度:23℃)、ペンタデカナール(C15H30O)(凝固温度:25℃))や、直鎖カルボン酸(例えば、オクタン酸(C8H16O2)(凝固温度:16.7℃)、ノナン酸(C9H18O2)(凝固温度:11~13℃)、デカン酸(C10H20O2)(凝固温度:31℃)、ウンデカン酸(C11H22O2)(凝固温度:28~31℃))を使用することも考えられる。なお、使用可能な伝熱液の凝固温度の上限としては、通常は、使用環境温度以下ということになるが、冷却を開始する前に、ペルチェユニット等によって加熱して融解させることを考えると、ペルチェユニット等によって融解可能な温度以下ということになる。
【0077】
また、上述した実施形態においては、カバー部112を、ヒンジ機構114の軸を中心に回動可能に構成するようにしていたが、カバー部112を、水平方向(図2における左右方向)にスライド可能に構成するようにすることも考えられる。カバー部112を水平方向にスライド可能に構成するようにすることで、より幅広い範囲で、サイズ(径)の異なるボトルワイン1に対応することが可能となる。
【0078】
また、上述した実施形態においては、ボトル収容部110は、温度制御対象のボトルワイン1を、垂直な状態(立てた状態)で収容するように構成されていたが、温度制御対象のボトルワイン1を所定角度傾けた状態(寝かせた状態)で収容するように構成することも考えられる。
【0079】
また、上述した実施形態においては、伝熱粉として、金属粉を使用するようにしていたが、他の材料の粉末(例えば、セラミック粉末)を使用することも考えられる。
【0080】
また、上述した実施形態では、ボトルワインの温度を調節する場合について説明したが、もちろん、本発明を、缶ワインその他の容器入り飲料の温度の調節に利用することもできる。
【0081】
また、上述した実施形態では、伝熱パッドを、飲料の温度調節に利用する場合について説明したが、本発明による伝熱パッドを、飲料以外の液体や容器入り飲料以外の物の温度を調節するために利用することも考えられる。
【実施例
【0082】
次に、本発明による容器入り飲料温度調節装置において使用される伝熱パッドの実施例について説明する。
【0083】
まず、以下のようにして、それぞれ粒径の異なる伝熱粉(銅粉)を収容した複数種の伝熱パッドを作製した。
【0084】
《実施例1》
メーカ表示粒径3μm(0.003mm)の銅粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製)を、電子はかり(株式会社タニタ製、KD-321)を使用して75g量り取り、チャック付きポリ袋(株式会社生産日本社製、ユニパック(登録商標) GP B-4)(以下、「B-4ポリ袋」という)内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)をピペット(ギルソン社製、P1000)を用いて、0.5mlずつ、ゆっくりと馴染ませながら滴下し、銅粉表面に目視で液面が確認できた状態となってから、さらに0.5mlを加えた。調製した伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッド(図9参照)とした。
【0085】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで8mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、22.5mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比(伝熱粉の嵩体積に対する比)で、約36(=(8/22.5)×100)容量%となる。
【0086】
《実施例2》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッド(図9右側)を作製した。
【0087】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、14mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約36(=(5/14)×100)容量%となる。
【0088】
《実施例3》
メーカ表示粒径0.1mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0089】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、13.5mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約37(=(5/13.5)×100)容量%となる。
【0090】
《実施例4》
メーカ表示粒径0.2mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0091】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、13.75mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約36(=(5/13.75)×100)容量%となる。
【0092】
《実施例5》
メーカ表示粒径0.3mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッド(図9左側)を作製した。
【0093】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、14.25mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約35(=(5/14.25)×100)容量%となる。
【0094】
《実施例6》
メーカ表示粒径53~150μm(0.053~0.15mm)の銅粉(ヒカリ素材工業株式会社製、純度99.9w%)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0095】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前記銅粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、14mlであった。従って、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約36(=(5/14)×100)容量%となる。
【0096】
また、以下のようにして、伝熱粉(銅粉)及び伝熱液(ペンタデカン)のいずれか一方のみを収容した伝熱パッドを作製した。
【0097】
《比較例1》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移し、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0098】
《比較例2》
ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を、前記ピペットを使用して20ml量り取り、B-4ポリ袋に移し、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0099】
また、以下のようにして、ペンタデカンより高い温度で凝固する伝熱液を収容した伝熱パッドを作製した。
【0100】
《実施例7》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ヘキサデカン(C16H34)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、0.5mlずつ、ゆっくりと馴染ませながら滴下し、銅粉表面に目視で液面が確認できた状態となってから、さらに0.5mlを加えた。調製した伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0101】
なお、ヘキサデカン注入量は、トータルで5mlであった。一方、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ヘキサデカン)の添加量は、容積比で、約36(=(5/14)×100)容量%となる。
【0102】
また、以下のようにして、目標温度では未だ凝固しない(凝固温度が目標温度より低い)伝熱液を収容した伝熱パッドを作製した。
【0103】
《比較例3》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、シリコーン油(株式会社エーゼット製、AZシリコーンオイル)を前記ピペットを用いて、0.5mlずつ、ゆっくりと馴染ませながら滴下し、銅粉表面に目視で液面が確認できた状態となってから、さらに0.5mlを加えた。調製した伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0104】
なお、シリコーン油注入量は、トータルで5mlであった。一方、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(シリコーン油)の添加量は、容積比で、約36(=(5/14)×100)容量%となる。
【0105】
《比較例4》
メーカ表示粒径0.3mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した比較例3と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0106】
なお、シリコーン油注入量は、トータルで5mlであった。一方、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14.25mlであるので、この場合、伝熱粉(銅粉)に対する伝熱液(シリコーン油)の添加量は、容積比で、約35(=(5/14.25)×100)容量%となる。
【0107】
また、以下のようにして、銅(Cu)とは熱伝導率が異なる伝熱粉(金属粉)を収容した伝熱パッドを作製した。
【0108】
《実施例8》
メーカ表示粒径~150μm(~0.15mm)のアルミ(Al)粉(ヒカリ素材工業株式会社製、純度99.7w%)を、前記電子はかりを使用して35g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0109】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで8mlであった。一方、前記アルミ粉35gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、22mlであった。従って、この場合、伝熱粉(アルミ粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約36(=(8/22)×100)容量%となる。
【0110】
《実施例9》
メーカ表示粒径~150μm(~0.15mm)の錫(Sn)粉(ヒカリ素材工業株式会社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0111】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで5.5mlであった。一方、前記錫粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、16.5mlであった。従って、この場合、伝熱粉(錫粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約33(=(5.5/16.5)×100)容量%となる。
【0112】
《実施例10》
メーカ表示粒径~53μm(~0.053mm)の亜鉛(Zn)粉(ヒカリ素材工業株式会社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。以下、前述した実施例1と同様にして、伝熱パッドを作製した。
【0113】
なお、ペンタデカン注入量は、トータルで7.5mlであった。一方、前記亜鉛粉75gの嵩体積を50mlメスシリンダを用いて計測すると、19.25mlであった。従って、この場合、伝熱粉(亜鉛粉)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約39(=(7.5/19.25)×100)容量%となる。
【0114】
また、以下のようにして、それぞれ伝熱液(ペンタデカン)の添加量が異なる複数種の伝熱パッドを作製した。
【0115】
《実施例11》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら1.66ml滴下し、均一にするため、よく撹拌してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0116】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約12(=(1.66/14)×100)容量%となる。
【0117】
《実施例12》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら3.33ml滴下し、均一にするため、棒でよく撹拌してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0118】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約24(=(3.33/14)×100)容量%となる。
【0119】
《実施例13》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら3.88ml滴下し、均一にするため、棒でよく撹拌してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0120】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約28(=(3.88/14)×100)容量%となる。
【0121】
《実施例14》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら4.44ml滴下し、均一にするため、棒でよく撹拌してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0122】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約32(=(4.44/14)×100)容量%となる。
【0123】
《実施例15》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら6.66ml滴下してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0124】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約48(=(6.66/14)×100)容量%となる。
【0125】
《実施例16》
メーカ表示粒径0.07mmの銅粉(ECKA Granules Germany GmbH社製)を、前記電子はかりを使用して75g量り取り、B-4ポリ袋内に移した。次に、ペンタデカン(C15H32)(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を前記ピペットを用いて、ゆっくりと馴染ませながら8.33ml滴下してから、伝熱パッド内の気泡を振動等で十分に取り除き、出来る限り袋内の空気を除いた状態で封を行い、最終的な伝熱パッドとした。
【0126】
なお、前述したように、前記銅粉75gの嵩体積は、14mlであるので、この場合、伝熱粉(Cu)に対する伝熱液(ペンタデカン)の添加量は、容積比で、約60(=(8.33/14)×100)容量%となる。
【0127】
次に、以下のようにして、各伝熱パッドの冷却性能(伝熱性能)を測定した。
【0128】
まず、図10に示すように、測定対象となる伝熱パッドの充填部中央が、未開封ボトルワイン(750ml)(径72mm、高さ301mm)の肩部(底面からの高さ208mm付近)と、ペルチェ式冷却試験機(図1に示した本体部111と同様の構成を有するもの)の低温部(ペルチェユニットの伝熱ブロック)とで挟持されるように伝熱パッドを配置した上で、ボトルワインを伝熱パッドに押し当てて密着させた。
【0129】
次に、ボトルワイン下部(底面からの高さ20mm付近)の側面に、温度センサ(熱電対)を貼り付け、温度を計測しながら、室温状態からの冷却を行った。そして、冷却開始後10分経過時の温度T1と、冷却開始後60分経過時の温度T2との温度差ΔT(=T1-T2)を、冷却性能(伝熱性能)の指標として算出した。
【0130】
図11は、各伝熱パッドの測定結果を示す表である。
【0131】
同図に示すように、比較例1(銅粉単独)及び比較例2(ペンタデカン単独)との比較では、実施例1~16のいずれもが、相対的に高い冷却性能(伝熱性能)を示している。
【0132】
また、比較例3及び4(銅粉+シリコーン油)との比較では、実施例2,3,6~10,12~16が、相対的に高い冷却性能(伝熱性能)を示しており、特に、実施例2,3,6~10,13~16については、ΔTが4.0以上となっており、顕著に高い冷却性能(伝熱性能)を示している。
【0133】
以上の結果から、まず、伝熱粉の粒径に着目してみると、粒径が0.04mm~0.16mm程度であれば、顕著に高い冷却性能(伝熱性能)が得られると考えられる。
【0134】
また、伝熱粉に対する伝熱液の添加量に着目してみると、容積比で、24容量%以上であれば、高い冷却性能(伝熱性能)が得られ、28容量%以上であれば、顕著に高い冷却性能(伝熱性能)が得られると考えられる。なお、実施例15及び16においては、伝熱パッド内で伝熱粉(銅粉)の沈殿が発生しており、上記測定の際は、沈殿した伝熱粉の部分が、ボトルワインの肩部とペルチェ式冷却試験機の低温部とで挟持されるようにしている。そのため、実施例15と実施例16との間では、伝熱液の増加分は、冷却性能(伝熱性能)にほとんど影響を及ぼしていないと考えられ、実際、両者は同じ冷却性能(伝熱性能)を示している。以上のことから、伝熱液の添加量が、24~48容量%程度であれば、高い冷却性能(伝熱性能)が得られ、28~48容量%程度であれば、顕著に高い冷却性能(伝熱性能)が得られると考えられる。
【0135】
また、伝熱粉の材料に着目してみると、銅、アルミニウム、錫、亜鉛のいずれの金属種についても顕著に高い冷却性能(伝熱性能)が得られている。これらの金属種の内、最も熱伝導率が低い錫の熱伝導率は、66.8W/m・Kであることから、伝熱粉の材料としては、概ね、熱伝導率が60W/m・K程度以上のものを使用すれば、高い冷却性能(伝熱性能)が得られると考えられる。
【0136】
また、以下のようにして、ボトルワインを所定角度傾けた状態での伝熱パッド(実施例3)の冷却性能(伝熱性能)を測定した。
【0137】
まず、図12に示すように、伝熱板(80mm×250mm×5mmの銅板)440を追加したペルチェ式冷却試験機400を、鉛直方向から30°傾けた上で、実施例3の伝熱パッド430の充填部中央が、未開封ボトルワイン(750ml)(径72mm、高さ301mm)の肩部(底面からの高さ208mm付近)と、伝熱板440とで挟持されるように伝熱パッド430を配置し、ボトルワインを伝熱パッド430に押し当てて密着させた。
【0138】
次に、ボトルワイン下部の側面部A(底面からの高さ20mm付近)及びB(底面からの高さ100mm付近)それぞれに、温度センサ(熱電対)を貼り付け、温度を計測しながら、室温状態からの冷却を行った。そして、冷却開始後10分経過時の温度T1と、冷却開始後60分経過時の温度T2との温度差ΔT(=T1-T2)を、冷却性能(伝熱性能)の指標として算出した。
【0139】
同様に、上記ペルチェ式冷却試験機400を45°及び60°傾けた上で、それぞれの場合について、同様の測定を行い、ΔTを算出した。
【0140】
図13は、測定結果を示す表である。
【0141】
同図に示すように、ボトルワインを大きく傾けた場合(傾斜角60°の場合)に比較して、ボトルワインをあまり傾けない場合(傾斜角30°及び45°の場合)の方が、冷却性能が高くなっている。
【0142】
これは、図12に示したような構成の場合、ボトルワインを大きく傾けると、ボトル内部での対流が発生しずらくなり、冷却効率が低下するためと考えられる。
【符号の説明】
【0143】
1 ボトルワイン
100 ワイン温度調節装置
110 ボトル収容部
111 本体部
112 カバー部
113 断熱材
114 ヒンジ機構
115 板ばね
120 ペルチェユニット
121 伝熱ブロック
1211 上面
122 放熱フィン
1221 矩形状平板
1222 フィン
123 ケース
1231 側壁部
1232 張出部
124 熱電変換モジュール
125 タブ端子
126 リード線
130 伝熱パッド
200 ワイン温度調節装置
230 伝熱パッド
240 伝熱板
300 ワイン温度調節装置
331~336 伝熱パッド
400 ペルチェ式冷却試験機
430 伝熱パッド
440 伝熱板
610 π型熱電素子
611 n型半導体素子
612 p型半導体素子
613,620 金属電極
630 絶縁基板
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12
図13