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特許7178750情報分析装置、情報分析システム、及びプログラム
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  • 特許-情報分析装置、情報分析システム、及びプログラム 図1
  • 特許-情報分析装置、情報分析システム、及びプログラム 図2
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  • 特許-情報分析装置、情報分析システム、及びプログラム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】情報分析装置、情報分析システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221118BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022055160
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518291914
【氏名又は名称】株式会社スキマデパート
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】芳屋 昌治
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-197252(JP,A)
【文献】特開2002-297875(JP,A)
【文献】特開2019-028910(JP,A)
【文献】特開2014-085886(JP,A)
【文献】特開2009-059286(JP,A)
【文献】特開2002-007658(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0019569(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から送信される商品の無駄に関する消費者の音声データを受信可能な音声受信部と、
前記音声データをテキストデータに変換可能な変換部と、
前記テキストデータを分析可能な分析部と、
前記テキストデータの分析結果を外部に提供可能な提供部と、
を備え
前記音声データは、前記端末によって読み取られる前記商品に関する場所に提示された2次元コードと関連付けられて送信され、
前記音声受信部は、前記2次元コードと前記音声データとを関連付けて受信可能であり、
前記分析部は、音声データとともに前記2次元コード提示されている場所を用いて前記テキストデータを分析可能である、情報分析装置。
【請求項2】
前記分析結果に基づく前記音声データの評価を前記音声データの送信元に提供可能な評価部をさらに備える、請求項1に記載の情報分析装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記評価の対象に類似する前記音声データの受信数に関する統計を含む分析が可能であり、
前記評価部は、前記統計に基づく前記評価を提供可能である、
請求項2に記載の情報分析装置。
【請求項4】
前記無駄に関するテーマを消費者に送信可能なテーマ送信部をさらに備え、
前記音声受信部は、前記テーマに関する前記消費者の音声データを受信可能であり、
前記分析部は、前記テーマを用いて前記テキストデータを分析可能である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報分析装置。
【請求項5】
前記テキストデータの分析を機械学習可能な機械学習部をさらに備え、
前記分析部は、前記機械学習を用いて前記テキストデータを分析可能である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報分析装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報分析装置と通信可能な端末に、
商品の無駄に関する音声データを取得可能な取得ステップと、
前記音声データを前記情報分析装置に送信可能な送信ステップと、
を実行させることが可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報分析装置、情報分析システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費期限に基づく商品の廃棄見込み等によって例示される商品の無駄に関する情報を、商品のマーケティング等に活用することが行われている。商品の無駄に関する情報を商品のマーケティング等に活用することにより、商品の無駄を減らし得る。したがって、商品の無駄に関するより多くの情報を商品のマーケティング等によりいっそう活用することが可能であれば、商品の無駄をよりいっそう減らし得る。そして、当該活用によって、SDGsの達成に寄与することも見込み得る。
【0003】
商品の無駄に関する情報を商品のマーケティング等に活用することに関し、特許文献1は、売主の携帯端末により、売りたい資源・商品等の消費期限及びGPS機能により取得した売主現在位置情報を含む売り注文を、ネットワーク経由でサーバに送信するステップと、サーバにより、売り注文により取得した売主現在位置情報と買い注文により取得した買主現在位置情報とを用いて売主から買主までの配送所要時間を算出するステップと、サーバにより、配送所要時間に基づいて資源・商品等の消費期限に間に合うように配送できると判定される場合は、取引成立とし、売主と買主に取引が成立したことを示す旨のメッセージを送信するステップとを備えたこと等を特徴とする取引仲介方法を開示している。
【0004】
特許文献1の技術によれば、迅速な取引により廃棄物の発生を可能な限り削減して環境保全に寄与すること等を見込み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-295477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の技術では、売りたい資源・商品等の消費期限を売主の携帯端末から送信している。すなわち、特許文献1の技術では、商品の無駄に関する情報である消費期限を売主から取得している。商品の無駄に関する情報を消費者等の買主から取得可能であれば、買主側からの商品の無駄に関する情報を活用した新たなマーケティングを行い得る。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は、売主から取得した情報に基づいて廃棄物の発生を可能な限り削減する等の効果を得うるにとどまり、商品の無駄に関する情報を消費者等の買主から取得して利用する点において、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、商品の無駄に関する消費者の音声データを受信し、受信した音声データをテキストデータに変換して分析すること等によって上述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、商品の無駄に関する消費者の音声データを受信可能な音声受信部と、前記音声データをテキストデータに変換可能な変換部と、前記テキストデータを分析可能な分析部と、前記テキストデータの分析結果を外部に提供可能な提供部と、を備える、情報分析装置を提供する。
【0011】
スマートフォン等によって例示される携帯端末から情報を送信することが行われている。携帯端末から情報を送信する手段として、携帯端末の画面に表示されるテキスト入力画面を介してテキストを入力し、送信することが行われている。しかしながら、消費者が商品の無駄に関する情報を得る場所の1つである店舗は、多くの人々が往来し得る場所である。そのような場所において、携帯端末の画面を見ながら商品の無駄に関するテキストを入力し、送信することには、困難が生じ得る。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、情報分析装置は、商品の無駄に関する消費者の音声データを受信できる。これにより、消費者は、携帯端末の画面を見ながらテキストを入力することなく、商品の無駄に関する情報を声に出すだけで、商品の無駄に関する情報を送信し得る。したがって、第1の特徴に係る発明によれば、消費者が商品の無駄に関する情報を送信することの困難を低減し、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、情報分析装置は、受信した商品の無駄に関する消費者の音声データをテキストデータに変換できる。テキストデータは、音声データとの比較において、テキストマイニング等によって例示される自然言語解析の手法等を用いた従来技術の分析をより容易に行えることが知られている。したがって、情報分析装置が商品の無駄に関する消費者の音声データをテキストデータに変換することにより、当該データを従来技術の手法等によって容易に分析できる。
【0014】
そして、第1の特徴に係る発明によれば、そのような分析の結果を外部に提供できる。これにより、分析結果を提供された外部では、提供された分析結果を活用したマーケティング等を行い得る。
【0015】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関する消費者の音声データを分析し、分析結果を外部に提供できる。これにより、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析及び活用できる。
【0016】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0017】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記分析結果に基づく前記音声データの評価を前記音声データの送信元に提供可能な評価部をさらに備える、情報分析装置を提供する。
【0018】
情報の送信を促すことに関し、ソーシャルネットワークサービス(「SNS」とも称する。)では、投稿に対する評価を投稿者等に提供することによって、投稿を促すことが行われている。このような評価として、例えば、投稿の表示回数、投稿に対する返信数、投稿を好ましいとしたユーザの数、投稿を他のユーザに知らせたユーザの数、等が挙げられる。
【0019】
第2の特徴に係る発明によれば、分析結果に基づく音声データの評価を音声データの送信元に提供できる。これにより、さらなる音声データの送信を送信元に促し得る。送信元がさらなる音声データの送信を行うことにより、情報分析装置は、商品の無駄に関する消費者の音声データをより多く受信し得る。
【0020】
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0021】
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、前記分析部は、前記評価の対象に類似する前記音声データの受信数に関する統計を含む分析が可能であり、前記評価部は、前記統計に基づく前記評価を提供可能である、情報分析装置を提供する。
【0022】
情報を分析することに関し、統計を含む分析によって、統計の対象となるデータ全体から所定の特徴によって区別される一群のデータを評価することが行われている。このような統計は、例えば、当該一群のデータの数、当該一群のデータがデータ全体に占める割合、等を含む。このような統計を含む分析により、当該一群のデータがデータ全体に数多く含まれる一般的なデータであるか、数少ない独特のデータであるか等を評価し得る。
【0023】
第3の特徴に係る発明によれば、送信元が送信した音声データに類似する音声データの受信数に関する統計を含む分析を行い、当該統計に基づく評価を送信元に提供可能である。これにより、送信元は、送信元が送信した音声データが一般的であるか独特であるか等の評価を提供され得る。
【0024】
第3の特徴に係る発明によれば、このような評価を送信元が提供されることにより、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが一般的な内容であることを把握し、安心してさらなる音声データの送信を行い得る。また、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが独特の内容であることを把握し、自らの独創性に自信を持ってさらなる音声データの送信を行い得る。
【0025】
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、統計に基づく評価を音声データの送信元に提供することにより、送信元がさらなる音声データの送信を行うことを促し得る。これにより、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。
【0026】
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0027】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記無駄に関するテーマを消費者に送信可能なテーマ送信部をさらに備え、前記音声受信部は、前記テーマに関する前記消費者の音声データを受信可能であり、前記分析部は、前記テーマを用いて前記テキストデータを分析可能である、情報分析装置を提供する。
【0028】
情報の送信を促すことに関し、SNSでは、投稿に対するテーマを投稿者等に提供することによって、投稿を促すことが行われている。テーマが提供されることにより、投稿者は、テーマを出発点として投稿内容を検討できる。これにより、投稿者は、テーマが提供されない場合より、投稿を容易に行い得る。
【0029】
第4の特徴に係る発明によれば、無駄に関するテーマを消費者に送信できる。これにより、消費者は、送信されたテーマを出発点として送信する音声データの内容を検討できる。したがって、消費者は、テーマが提供されない場合より、音声データの送信を容易に行い得る。これにより、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。
【0030】
また、第4の特徴に係る発明によれば、受信した音声データに関するテーマを用いてテキストデータを分析できる。これにより、情報分析装置は、より高い精度の分析を行い得る。
【0031】
したがって、第4の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0032】
第5の特徴に係る発明は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る発明であって、前記テキストデータの分析を機械学習可能な機械学習部をさらに備え、前記分析部は、前記機械学習を用いて前記テキストデータを分析可能である、情報分析装置を提供する。
【0033】
データの分析に関し、機械学習を用いることにより、データの分析に要する労力を軽減可能であることが知られている。また、機械学習を用いることにより、データの分析精度を高め得ることが知られている。
【0034】
第5の特徴に係る発明によれば、機械学習を用いてテキストデータを分析できる。これにより、商品の無駄に関する消費者の音声データを変換したテキストデータの分析に要する労力を軽減し、さらに、当該テキストデータの分析精度を高め得る。これにより、商品の無駄に関するより多くの情報をより高い精度で分析できる。
【0035】
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0036】
第6の特徴に係る発明は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る情報分析装置と、前記音声データを前記情報分析装置に送信可能な端末と、を含んで構成され、前記端末は、前記商品に関する場所に掲示された2次元コードを読み取り可能な読取部と、前記2次元コードを読み取った場合に前記音声データを取得可能な取得部と、前記2次元コードと前記音声データとを関連付けて前記情報分析装置に送信可能な送信部と、を備え、前記音声受信部は、前記2次元コードと関連付けられた前記音声データを受信可能であり、前記分析部は、前記2次元コードを用いて前記テキストデータを分析可能である、情報分析システムを提供する。
【0037】
第6の特徴に係る発明によれば、端末は、商品に関する場所に掲示された2次元コードを読取部が読み取った場合に商品の無駄に関する消費者の音声データを取得し、情報分析装置に送信できる。これにより、2次元コードによって商品の無駄に関する消費者の音声データ送信を促し得る。そして、情報分析装置は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析できる。読み取りの対象が読み取りに専用のデバイスを必要とするRFIDタグ等でなく2次元コードであるため、カメラを備える多くの端末が2次元コードを読み取れる。これにより、より多くの消費者が商品の無駄に関する情報を送信できる。
【0038】
第6の特徴に係る発明によれば、情報分析装置は、商品の無駄に関する消費者の音声データを変換したテキストデータの分析を、商品に関する場所に掲示された2次元コードを用いて行い得る。これにより、情報分析装置は、より高い精度の分析を行い得る。
【0039】
したがって、第6の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【0040】
第7の特徴に係る発明は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る情報分析装置と通信可能な端末に、商品の無駄に関する音声データを取得可能な取得ステップと、前記音声データを前記情報分析装置に送信可能な送信ステップと、を実行させることが可能なプログラムを提供する。
【0041】
第7の特徴に係る発明によれば、消費者の端末に、商品の無駄に関する音声データを取得させ、取得した音声データを情報分析装置に送信させることができる。これにより、情報分析装置は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得できる。
【0042】
したがって、第7の特徴に係る発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、本実施形態の情報分析システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態におけるテキストデータテーブル121の一例である。
図3図3は、情報分析装置1で実行される情報分析処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図4図4は、端末2で実行される音声取得処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<情報分析システムS>
図1は、本実施形態の情報分析システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。情報分析システムSは、少なくとも、システムの運営会社側が有する情報分析装置1と、ネットワークNを介して情報分析装置1に接続可能な利用者の端末2を含んで構成される。
【0046】
なお、図1においては一つの端末2が図示されているが、複数の端末2がネットワークNを介して情報分析装置1に接続可能である。
【0047】
情報分析システムSは、商品の無駄に関する無駄情報を提供可能な無駄情報提供者について、無駄情報提供者の1以上を含む無駄情報提供者群の形成を補助する機能と、無駄情報提供者群から無駄情報を収集する機能と、収集した無駄情報を分析する機能と、情報分析システムSを利用する企業等に、収集した無駄情報の分析結果を提供する機能と、を提供可能である。また、情報分析システムSは、無駄情報提供者群に対して、提供した無駄情報に対する評価を提供する機能を提供できるよう構成可能である。さらに、情報分析システムSは、無駄情報提供者のうち会員登録を行った登録提供者(単に「会員」とも称する。)に所定の特典を付与できるよう構成可能である。
【0048】
情報分析システムSが上述の各機能を提供可能であることにより、企業等は、提供された分析結果を参考にして、新規のビジネスを企画すること等によって例示される各種業務に役立てることができる。
【0049】
情報分析システムSが上述の各機能を提供可能であることにより、登録提供者は、企業等が無駄情報を参考にして開発した新商品の商品サンプルを提供される、情報分析システムSを利用する企業等で出た廃棄間近品を提供される、廃棄間近品を安価で購入できる、新商品を応援するクラウドファンディングに参加することができる、ECサイトでのショッピングで利用可能な割引サービスを受けられる、等によって例示される各種特典を与えられ得る。
【0050】
情報分析システムSが上述の各機能を提供可能であることにより、無駄情報提供者は、無駄情報を提供した場合にその無駄情報の評価を得うる。無駄情報提供者は、提供した無駄情報の評価を得ることにより、さらに無駄情報を提供しようとする意欲を持ち得る。
【0051】
無駄情報の評価は、企業においても活用可能である。高い評価が与えられた無駄情報は、多くの人達が無駄であると感じていることに関する無駄情報であり得る。したがって、企業等は、当該無駄情報に関する無駄を解決可能な新商品がヒットする可能性があると判断し得る。
【0052】
情報分析システムSは、分析結果を提供した企業から、各種の情報を提供してもらい、その情報を登録提供者に提供する機能をさらに備えるよう構成可能である。例えば、当該機能をさらに備える情報分析システムSは、評価の高い無駄を解決するような新商品が情報分析システムSを利用する企業において企画された場合に、当該企画の情報を登録提供者に提供し得る。登録提供者は、当該企画に投資を行うことにより、当該企画がヒット商品となった場合等に投資に対して与えられる利益を得うる。
【0053】
〔情報分析装置1〕
情報分析装置1は、装置制御部11と、装置記憶部12と、装置通信部13と、を備える。情報分析装置1は、特に限定されず、例えば、各種のサーバ装置、互いに通信可能な複数のコンピュータを用いて構成されたクラウドサーバ、担当者等が利用する端末、等でよい。
【0054】
[装置制御部11]
装置制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0055】
装置制御部11は、必要に応じて装置記憶部12及び/又は装置通信部13等と協働し、情報分析装置1のソフトウェア構成要素である、テーマ送信部111、音声受信部112、変換部113、分析部114、提供部115、評価部116、及び機械学習部117、等を実現可能である。情報分析装置1のソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する情報分析装置1で実行される情報分析処理の好ましい流れの説明において、詳述される。
【0056】
[装置記憶部12]
装置記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0057】
装置記憶部12は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0058】
装置記憶部12には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、テキストデータテーブル121、機械学習部117に関する機械学習、商品の無駄に関する消費者の音声データ、等が記憶されている。
【0059】
必須の態様ではないが、装置記憶部12は、商品の無駄に関する消費者の音声データを自動的にファイル名が付されたファイルの態様で記憶可能に構成されてもよい。また、会員を管理するための会員管理用テーブルが装置記憶部12に記憶されてもよい。例えば、会員管理用テーブルは、装置制御部11が自動的に作成した会員番号に、会員を識別可能にする情報を関連付けて記憶するものでもよい。
【0060】
(テキストデータテーブル121)
テキストデータテーブル121には、商品の無駄に関する消費者の音声データを音声認識することによって作成された、商品の無駄に関する消費者のテキストデータが格納される。以下、商品の無駄に関する消費者の音声データと商品の無駄に関する消費者のテキストデータとに含まれる商品の無駄に関する情報は、単に「無駄情報」とも称される。
【0061】
テキストデータテーブル121には、元になる音声データのファイル名、受信日、情報を提供した会員名、情報を提供した会員の連絡先、解決策希望の有無、テーマコード、等の情報の1以上がこのテキストデータに関連付けられて格納されていてもよい。
【0062】
受信日には、例えば、商品の無駄に関する消費者の音声データが装置記憶部12に記憶された日時が記憶される。受信日を記憶することにより、商品の無駄に関する情報の新しさを管理することが可能になる。
【0063】
会員番号は、無駄情報を提供した会員を特定可能にするものであり、商品の無駄に関する情報についてより詳細に知りたい場合等に利用される。
【0064】
必須の態様ではないが、テキストデータテーブル121には、解決策希望の有無がテキストデータに関連付けられて格納されてもよい。解決策希望の有無は、例えば、情報を提供した会員が解決策を希望した場合に「希望あり」を示す情報が記憶され、解決策を希望しない場合に「希望なし」を示す情報が記憶されるもの等でよい。テキストデータテーブル121には、「希望あり」を示す情報が記憶された場合に、企業等の端末2から送信された解決情報が無駄情報のテキストデータに関連付けて格納されてもよい。
【0065】
テーマコードは、商品の無駄に関する情報をテーマ別に分類するものである。例えば、商品の無駄に関する情報をテーマ別に収集した場合に、そのテーマに該当するテーマコードがテキストデータテーブル121に記憶される。テーマ及びそのテーマに該当するテーマコードは、特に限定されない。テーマは、例えば、各種の商品それぞれに関するテーマ、地域に関するテーマ、地域のコワーキンググループに関するテーマ等を含む。特に、テーマが地域に関するテーマ及び/又は地域のコワーキンググループに関するテーマを含むことにより、地域における商品の無駄に関する情報を分類し、該地域に関する各種マーケティングを行い得る。テキストデータテーブル121は、テキストデータに基づく機械学習によって決定したテーマコードを記憶可能に構成されてもよい。
【0066】
上述したテキストデータテーブル121は、単にテキストデータテーブル121の一例を示すものであり、テキストデータテーブル121を上述の情報すべてを格納可能な態様に限定するものではない。テキストデータテーブル121は、少なくとも商品の無駄に関する情報となるテキストデータが格納されていれば足り、他の情報については適宜格納可能である。例えば、テキストデータテーブル121は、テキストデータから複数のキーワードを抽出し、検索ワードとして格納可能でもよい。
【0067】
ところで、無駄情報を提供する無駄情報提供者の声の大きさ、周囲の雑音、滑舌、方言等によって音声認識が難しくなる場合がある。そのため、無駄情報について、音声データとテキストデータとが一致しないリスクが生じ得る。当該リスクに関し、テキストデータテーブル121は、音声認識の結果の評価を格納可能でもよい。
【0068】
テキストデータテーブル121が音声認識の結果の評価を格納可能であることにより、情報分析装置1は、評価値が低い場合に、音声認識結果の手動修正及び音声認識の再実行等によって例示される追加処理を行い得る。また、情報分析装置1は、当該追加処理の必要があることを情報分析装置1の管理者等に伝達可能であるよう構成され得る。追加処理の必要があることを管理者等に伝達可能に構成された場合、情報分析装置1は、テキストデータにおいて方言の有無を判断し、方言と思われる表現がある場合に変換候補を表示可能に構成されてもよい。
【0069】
図2は、テキストデータテーブル121の一例である。図2に示すテキストデータテーブル121によれば、音声データファイル名の項目に「N0001」と記憶されている。受信日の項目に「2022/2/22」と記憶されている。商品に関する無駄情報の項目に「コンビニでチキンを買ったとき、店員が袋のミシン目にテープを貼った。これでは、袋がきれいに破れない。袋もテープも店員の手間ももったいない。」という、音声データファイル「N0001」の音声データをテキスト化したデータが記憶されている。会員番号の項目に「100000001」と記憶されている。解決希望の項目に「希望なし」と記憶されている。解決策の項目には何も記憶されていない。テーマコードの項目に「AXXXXX」と記憶されている。
【0070】
無駄情報に関し、情報分析装置1は、商品の無駄に関する情報を提供する無駄情報提供者に、音声データを入力する際に、必ず「もったいない」という言葉を入れることがルールであることを伝達可能に構成されてもよい。これにより、情報分析装置1は、何が無駄であるのか判別しやすくなる。また、ここで言う商品は、物品に限定されず、例えば、土地及び/又はサービスであってもよい。また、商品は、無駄情報提供者自身の所有物に限らず、他人の所有物及び/又は公共物であってもよい。
【0071】
[装置通信部13]
装置通信部13は、情報分析装置1をネットワークNに接続して端末2等と通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0072】
〔端末2〕
端末2は、端末制御部21と、端末記憶部22と、端末通信部23と、表示部24と、入力部25と、を備える。端末2は、読取部26及び/又は出力部27をさらに備えてもよい。端末2は、一般の消費者が利用可能であり、音声入力が可能に構成されている。端末2は、ネットワークNを介して情報分析装置1と通信可能に構成されている。
【0073】
端末2は、特に限定されず、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等の据置型端末等によって例示される各種端末でよい。端末2は、なかでも、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末を含むことが望ましい。端末2が携帯端末を含むことにより、携帯端末である端末2の利用者は、据置型端末が設置されていない場所で商品等の無駄を見出した場合であっても、携帯端末である端末2から無駄情報を送信できる。
【0074】
[端末制御部21]
端末制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0075】
端末制御部21は、必要に応じて端末記憶部22及び/又は端末通信部23等と協働し、端末2のソフトウェア構成要素である、テーマ受信部211、取得部212、送信部213等を実現可能である。端末2のソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する端末2で実行される音声取得処理の好ましい流れの説明において、詳述される。
【0076】
[端末記憶部22]
端末記憶部22は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0077】
端末記憶部22は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0078】
端末記憶部22には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、等が記憶されている。この制御プログラムを端末制御部21が実行することにより、端末2は、テーマ受信部211に関するテーマ受信、取得部212に関する音声データの取得、送信部213に関する情報分析装置1への音声データの送信等の機能を有するようになる。
【0079】
[端末通信部23]
端末通信部23は、端末2をネットワークNに接続して情報分析装置1等と通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0080】
[表示部24]
表示部24の種類は、無駄に関するテーマ及び音声入力画面等が表示可能であれば、特に限定されない。表示部24は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCDディスプレイ)、有機ELディスプレイ、モニタ、プロジェクタ、等によって例示される表示デバイスの1以上を含んで構成される。
【0081】
[入力部25]
入力部25の種類は、音声データを取得可能なマイクロフォンを含むものであれば、特に限定されない。入力部25は、マイクロフォンに加えて、例えば、タッチパネル、ソフトウェアキーボード、外部の装置から入力を受信する通信デバイス、キーボード、マウス等によって例示される入力デバイスの1以上を含んで構成される。
【0082】
入力部25がタッチパネル等の入力デバイスと表示デバイスとの両方の機能を有する場合、入力部25は、表示部24と一体に構成されてもよい。これにより、端末2は、より小型及び/又はより軽量に構成され得る。これにより、端末2は、よりいっそう携帯容易となり、店舗等からの音声データ送信に関する困難を低減し得る。
【0083】
[読取部26]
読取部26は、2次元コードを読み取れれば特に限定されない。読取部26は、例えば、CCDカメラによって例示される各種の撮像デバイスを含んで構成されるものでよい。読取部26は、2次元コード用の読取スキャナによって例示される端末2に外部接続可能な読取装置を利用する構成を含んでもよい。
【0084】
[出力部27]
出力部27は、音声出力が可能であれば特に限定されない。出力部27は、例えば、スピーカによって例示される各種の音声出力デバイスを含んで構成されるものでよい。出力部27は、外部のスピーカ及び/又はイヤホンに音声を出力させることが可能な接続コネクタを含んでもよい。
【0085】
[端末2の利用者]
端末2の利用者は、消費者であれば特に限定されない。端末2には、端末2と情報分析装置1とを通信可能に接続して端末2から情報分析装置1へ音声データを送信するためのプログラム(「アプリケーション」とも称する。)が導入されていることが望ましい。
【0086】
このアプリケーションは、消費者が導入可能であることが好ましい。このアプリケーションは、端末2の利用者が端末2に導入し、実行して、会員登録画面に必要事項を入力することによって、上述の会員登録を可能とするものであることが好ましい。
【0087】
会員の種類は、特に限定されない。会員の種類は、例えば、商品に関する無駄情報の提供のみを行う匿名の匿名会員、匿名会員では得られない特典を得ることが可能な登録会員、等によって例示される各種会員の1以上を含む。会員の種類が匿名会員及び登録会員をともに含む場合、匿名会員になるか登録会員になるかは、端末2の利用者がプログラムの導入時に行われる会員登録において選択可能であることが好ましい。
【0088】
登録会員が得ることが可能な特典は、特に限定されず、例えば、提供した無駄情報に対する評価がもらえる特典、企業等が無駄情報を参考にして新商品を開発した場合に、その商品サンプルを試すことができる特典、提携企業からの廃棄間近品をもらうことあるいは安価で購入できる特典、新商品を応援するクラウドファンディングに参加することができる特典、ECサイトでのショッピングで利用可能な割引サービスを受けられる特典、等が挙げられる。
【0089】
端末2及び/又は情報分析装置1は、登録会員が入力した属性情報(サラリーマン、主婦、キッズ等)に応じて、テーマを設定したり、特定のサービスに対応したテーマを設定したりすることが可能であることが好ましい。
【0090】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、情報分析装置1と端末2とを通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、インターネット、Wi-Fiネットワーク、携帯電話ネットワーク、移動体通信ネットワーク、あるいはこれらのネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。ネットワークNの種類は、なかでも、店舗等の往来がある場所から送信可能という効果に寄与し得る、Wi-Fiネットワーク、携帯電話ネットワーク、移動体通信ネットワークを含む構成であることが望ましい。
【0091】
なお、本実施形態においては、端末2が電話機専用であり、ネットワークNが電話回線であってもよい。例えば、情報分析装置1は、特定の電話番号への発信が端末2から行われた場合に、情報分析装置1と端末2とを通話可能に接続し、情報分析装置1から端末2に自動音声案内を行い、該案内に従って会員が発話した商品の無駄に関する情報を音声データとして取得可能に構成されてもよい。この場合、情報分析装置1は、その音声データにファイル名を付けて装置記憶部12に記憶してもよい。
【0092】
〔2次元コード〕
端末2は、QRコード(登録商標)によって例示される2次元コードを読取部26において読み取った場合に、情報分析装置1へ音声データを送信することが可能な音声入力画面を表示部24に表示可能に構成されることが好ましい。これにより、会員は、音声入力画面を操作して音声データの入力を開始し、終了後に該音声入力画面を介して音声データを情報分析装置1に送信することができる。
【0093】
音声入力画面は、予め導入されたアプリケーションが実行された場合に表示される画面であることが好ましい。当該アプリケーションは、端末2と情報分析装置1とを通信可能に接続し、音声データを端末2から情報分析装置1に送信可能なアプリケーションである。
【0094】
端末2は、2次元コードを読み取った際に、端末2にアプリケーションが導入されていない場合に、アプリケーションの導入画面を表示部24に表示し、該アプリケーションの導入後に音声入力画面を表示部24に表示されることが可能でもよい。
【0095】
該アプリケーションは、導入後に、会員登録画面を表示部24に表示可能であることが好ましい。会員登録画面を表示する場合、端末2は、該会員登録画面を介した会員登録後に音声入力画面を表示部24に表示可能であることが好ましい。
【0096】
2次元コードの掲示場所は、特に限定されない。2次元コードは、例えば、運営会社のホームページ・SNS等を通じて端末の画面に表示させる態様、テレビCMの画面に表示させる態様、企業・飲食店等に掲示可能な2次元コードが表示されたポスターの態様、スーパー・コンビニ等のレシート・袋に印刷される態様、並びに、自動販売機・商品等に貼り付け可能な2次元コードが表示されたシールの態様等によって例示される各種態様の1以上を含む態様でよい。
【0097】
端末2の利用者が2次元コードを介して会員登録可能であることにより、無駄情報提供者群をよりいっそう拡大し得る。
【0098】
〔販売場所〕
無駄情報に関する販売場所は、提携した企業等が商品を販売する場所であれば、特に限定されず、例えば、ショップ及び/又は自動販売機の設置場所等でよい。販売場所は、実際の場所であってもよく、ネットワーク上の仮想空間であってもよい。この販売場所において、登録会員が、情報分析システムSを利用する企業等が提供する商材の購入、配布されるサンプル及び/又はプレゼントの受け取り、並びにアンケート協力等によって例示される無駄情報の分析結果を用いたマーケティングを行うことが可能になる。
【0099】
上述の2次元コードは、販売場所に掲示可能であることが好ましい。これにより、無駄情報提供者は、端末2を操作して、販売場所にて2次元コードを読み取ることができる。したがって、無駄情報提供者は、無駄情報の音声データを販売場所から容易に入力し、送信し得る。
【0100】
販売場所に掲示された2次元コードを読み取って無駄情報を送信する場合、端末2は、音声データとともに2次元コードに関する情報(例えば、2次元コードの場所)を情報分析装置1に送信可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、2次元コードと関連付けた音声データ分析を行うことが可能になる。したがって、無駄をよりいっそう減らすマーケティングが行われ得る。
【0101】
〔情報分析処理のメインフローチャート〕
図3は、情報分析装置1で実行される情報分析処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。以下、図3を用いて、情報分析装置1で実行される情報分析処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0102】
必須の態様ではないが、情報分析装置1は、ステップS1からステップS2のテーマ送信ステップを実行可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、運営会社側が適宜設定したテーマを端末2に送信し得る。
【0103】
[ステップS1:テーマを送信するか判別]
装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働してテーマ送信部111を実行し、テーマを送信するか否か判別する処理を行う(ステップS1)。テーマを送信すると判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS2に移す。テーマを送信すると判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0104】
テーマを送信するか否か判別する処理は、特に限定されず、例えば、情報分析装置1の管理者が送信対象となるテーマを指定した場合にテーマを送信すると判別する手順、端末2から送信されたテーマが送信対象であると判別された場合にテーマを送信すると判別する手順、等によって例示される各種手順の1以上を含む手順でよい。
【0105】
[ステップS2:テーマを送信]
装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働してテーマ送信部111を実行し、端末2にテーマを送信する処理を行う(ステップS2)。装置制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0106】
[ステップS3:音声データを受信したか判別]
ステップS3において、装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働して音声受信部112を実行し、端末2から音声データを受信したか否か判別する処理を行う。装置制御部11は、音声データを受信したと判別したならば、処理をステップS4に移す。音声データを受信したと判別しなかったならば、装置制御部11は、処理をステップS1に移し、ステップS1からステップS8の処理を繰り返す。
【0107】
ステップS3において端末2が受信する音声データは、特に限定されない。当該音声データは、ステップS2において送信されたテーマ、端末2が読み取った2次元コードに関する情報、会員情報、等によって例示される各種情報の1以上と関連付けられていることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、関連付けられた各種情報を用いて音声データを分析し得る。
【0108】
[ステップS4:音声データをテキストデータに変換]
装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働して変換部113を実行し、ステップS3において受信した音声データをテキストデータに変換し、該変換で得られたテキストデータをテキストデータテーブル121に格納する処理を行う(ステップS4、変換ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0109】
ステップS4において、装置制御部11は、ステップS3において受信した音声データを装置記憶部12に記憶可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、テキストデータに変換される前の音声データを提供し得る。音声データを装置記憶部12に記憶する手段は、特に限定されず、例えば、受信した音声データにファイル名を付けて装置記憶部12に記憶する手段等でよい。
【0110】
ステップS3において端末2が受信した音声データが各種情報と関連付けられている場合、装置制御部11は、テキストデータとこれら各種情報とを関連付けてテキストデータテーブル121に格納可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、テキストデータと各種情報とを関連付けて分析し得る。
【0111】
[ステップS5:テキストデータを分析]
装置制御部11は、装置記憶部12と協働して分析部114を実行し、ステップS4における変換で得られたテキストデータを分析する処理を行う(ステップS5、分析ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0112】
ステップS5において分析部114が実行する分析方法は、特に限定されない。当該分析手法として、例えば、テキストマイニングによるテキストデータの分類(クラスタリング)、分類を用いたデータマイニング、等を利用可能である。また、当該分析手法は、外部のコンピュータで分析する態様を含んでもよい。
【0113】
当該分析手法は、統計を含む分析結果を提供可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、統計の対象となるデータ全体から所定の特徴によって区別される一群のデータを評価し得る。このような統計は、特に限定されず、例えば、当該一群のデータの数、当該一群のデータがデータ全体に占める割合、等の1以上を含むものでよい。このような統計を含む分析により、当該一群のデータがデータ全体に数多く含まれる一般的なデータであるか、数少ない独特のデータであるか等を評価し得る。
【0114】
[ステップS6:分析結果を提供]
装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働して提供部115を実行し、分析結果を、運営会社が指定する相手先に提供する処理を行う(ステップS6、提供ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0115】
分析結果の提供先は、特に限定されない。当該提供先は、例えば、運営会社が提唱する無駄情報を利用したビジネス構想に関する複数の提供先(コンサルタント、ビッグデータ活用企業、クラウドファンディングの資金調達者、広告企業、Eコマース企業)の1以上を含むものでよい。
【0116】
情報を分析することに関し、統計を含む分析によって、統計の対象となるデータ全体から所定の特徴によって区別される一群のデータを評価することが行われている。このような統計は、例えば、当該一群のデータの数、当該一群のデータがデータ全体に占める割合、等を含む。このような統計を含む分析により、当該一群のデータがデータ全体に数多く含まれる一般的なデータであるか、数少ない独特のデータであるか等を評価し得る。
【0117】
ステップS6で提供される分析結果は、ステップS3で受信した音声データに類似することを特徴とする音声データの受信数に関する統計を含むことが好ましい。これにより、ステップS3で受信した音声データがデータ全体に数多く含まれる一般的なデータであるか、数少ない独特のデータであるか等を分析し得る。
【0118】
[ステップS7:分析結果に基づく評価を提供]
装置制御部11は、装置記憶部12及び装置通信部13と協働して評価部116を実行し、ステップS6において提供される分析結果に基づく評価を提供する処理を行う(ステップS7、評価ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0119】
ステップS3で受信した音声データに類似することを特徴とする音声データの受信数に関する統計を含む分析が行われた場合、評価ステップは、当該統計に基づく評価を該音声データの送信元に提供可能であることが好ましい。
【0120】
これにより、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが一般的な内容であることを把握し、安心してさらなる音声データの送信を行い得る。また、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが独特の内容であることを把握し、自らの独創性に自信を持ってさらなる音声データの送信を行い得る。
【0121】
したがって、情報分析装置1が評価ステップを実行し、統計に基づく評価を音声データの送信元に提供可能であることにより、情報分析装置1は、送信元がさらなる音声データの送信を行うことを促し得る。これにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。
【0122】
[ステップS8:テキストデータの分析を機械学習]
装置制御部11は、装置記憶部12と協働して機械学習部117を実行し、テキストデータの分析を機械学習する処理を行う(ステップS8、機械学習ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS1に移し、ステップS1からステップS8の処理を繰り返す。
【0123】
以上、情報分析装置1で実行される情報分析処理について説明したが、必要に応じて適宜処理を追加することも可能である。例えば、情報分析装置1は、次に記載する商品提供ステップ、投資情報提供ステップ、広告提供ステップ、オンライン販売情報提供ステップ、情報登録ステップ、の1以上を実行可能に構成されてもよい。
【0124】
[商品提供ステップ]
情報分析装置1は、提携企業等から商品及び/又はサンプル等の提供があった場合に、該提供があったことの情報を登録会員の端末2に送信する商品提供ステップ(図示せず)を実行可能に構成されてもよい。これにより、販売場所に訪れた登録会員は、当該提供によって無駄情報の音声データを送信する動機を得うる。したがって、情報分析装置1は、商品及び/又はサンプルに対する無駄情報をよりいっそう受信し得る。
【0125】
[投資情報提供ステップ]
情報分析装置1は、提携企業等が開発した商品が投資情報である場合、例えば、商品がクラウドファンディングの対象である場合に、投資情報を登録会員の端末2に送信する投資情報提供ステップ(図示せず)を実行可能に構成されてもよい。これにより、登録会員は、例えば、クラウドファンディングの対象商品に投資することが可能になる。一方、企業側はクラウドファンディングの商品に関する無駄情報を取得することが可能になり、実際に市場に出す前に、商品に対して更なる改良を加えることが可能になる。このように、情報分析装置1の分析結果に基づいて商品の無駄に関するクラウドファンディング等の商品の無駄に関する投資情報を提供するマーケティングを行うことが可能になる。
【0126】
[広告提供ステップ]
情報分析装置1は、提携企業等が開発した商品に関する広告の提供があった場合に、その広告を登録会員の端末2に送信する広告提供ステップ(図示せず)を実行可能に構成されてもよい。これにより、情報分析装置1の分析結果に基づいて広告を提供するマーケティングが行われ得る。
【0127】
[オンライン販売情報提供ステップ]
装置制御部11は、提携企業等が開発した商品に関するオンライン販売情報の提供があった場合に、その情報を登録会員の端末2に送信するオンライン販売情報提供ステップ(図示せず)を実行可能に構成されてもよい。これにより、情報分析装置1の分析結果に基づいてオンライン販売情報を提供するマーケティングが行われ得る。
【0128】
[情報登録ステップ]
装置制御部11は、端末2が無駄情報の音声データを取得するためのアプリケーションを導入した情報を受信した場合、あるいはアプリケーションを導入していない端末2から2次元コードを読み取った旨の情報を受信した場合に、端末2に対して会員登録用のフォーマットデータを送信する情報登録ステップ(図示せず)を実行可能に構成されてもよい。
【0129】
端末2の利用者が所定の入力画面に生年月日、性別、SMS等の利用者情報を入力して情報分析装置1に送信することにより、情報分析装置1は、装置記憶部12が記憶する会員管理用テーブルに送信された利用者情報を格納できる。これにより、情報分析装置1は、例えば、送信元の年齢別・男女別に無駄情報を分類して行われる分析によって例示される、送信元の利用者情報を用いた分析が可能となる。
【0130】
[情報分析処理の効果まとめ]
以上説明したように構成された本実施形態によれば、情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データを受信できる。これにより、消費者は、携帯端末の画面を見ながらテキストを入力することなく、商品の無駄に関する情報を声に出すだけで、商品の無駄に関する情報を送信し得る。したがって、消費者が商品の無駄に関する情報を送信することの困難を低減し、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。
【0131】
また本実施形態によれば、情報分析装置1は、受信した商品の無駄に関する消費者の音声データをテキストデータに変換できる。テキストデータは、音声データとの比較において、テキストマイニング等によって例示される自然言語解析の手法等を用いた従来技術の分析をより容易に行えることが知られている。したがって、情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データをテキストデータに変換することにより、当該データを従来技術の手法等によって容易に分析できる。さらに、情報分析装置1は、そのような分析の結果を外部に提供できる。これにより、分析結果を提供された外部では、提供された分析結果を活用したマーケティング等を行い得る。
【0132】
また本実施形態によれば、情報分析装置1は、分析結果に基づく音声データの評価を音声データの送信元に提供できる。これにより、情報分析装置1は、さらなる音声データの送信を送信元に促し得る。送信元がさらなる音声データの送信を行うことにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データをより多く受信し得る。よって、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段が提供され得る。
【0133】
また本実施形態によれば、分析部114は、評価の対象に類似する音声データの受信数に関する統計を含む分析できるよう構成可能である。また、評価部116は、統計に基づく評価を提供できるよう構成可能である。このように構成されることにより、情報分析装置1は、送信元が送信した音声データに類似する音声データの受信数に関する統計を含む分析を行い、当該統計に基づく評価を送信元に提供可能である。
【0134】
これにより、送信元は、送信元が送信した音声データが一般的であるか独特であるか等の評価を提供され得る。しかも、このような評価を送信元が提供されることにより、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが一般的な内容であることを把握し、安心してさらなる音声データの送信を行い得る。また、送信元である消費者は、例えば、送信した音声データが独特の内容であることを把握し、自らの独創性に自信を持ってさらなる音声データの送信を行い得る。
【0135】
また本実施形態によれば、情報分析装置1は、無駄に関するテーマを消費者に送信可能なテーマ送信部111をさらに備えるよう構成可能である。また、音声受信部112は、テーマに関する消費者の音声データを受信できるよう構成可能である。さらに、分析部114は、テーマを用いてテキストデータを分析できるよう構成可能である。
【0136】
このように構成されることにより、情報分析装置1は、無駄に関するテーマを消費者に送信できる。これにより、消費者は、送信されたテーマを出発点として送信する音声データの内容を検討できる。したがって、消費者は、テーマが提供されない場合より、音声データの送信を容易に行い得る。これにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し得る。しかも、情報分析装置1は、受信した音声データに関するテーマを用いてテキストデータを分析できる。これにより、情報分析装置1は、より高い精度の分析を行い得る。
【0137】
また本実施形態によれば、情報分析装置1は、テキストデータの分析を機械学習可能な機械学習部117をさらに備えるよう構成可能である。また、分析部114は、機械学習を用いて前記テキストデータを分析できるよう構成可能である。
【0138】
このように構成されることにより、情報分析装置1は、機械学習を用いてテキストデータを分析し得る。これにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データを変換したテキストデータの分析に要する労力を軽減し、さらに、当該テキストデータの分析精度を高め得る。これにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関するより多くの情報をより高い精度で分析できる。
【0139】
以上説明したように本実施形態によれば、情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データを分析し、分析結果を外部に提供できる。これにより、情報分析装置1は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析及び活用できる。
【0140】
〔音声取得処理のメインフローチャート〕
続いて、端末2で実行される音声取得処理について、説明する。図4は、端末2で実行される音声取得処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。以下、図4を用いて、端末2で実行される音声取得処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0141】
[ステップS11:2次元コードを読み取ったか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22及び読取部26と協働し、2次元コードを読み取ったか否か判別する処理を行う(ステップS11、読取ステップ)。2次元コードを読み取ったと判別したならば、端末制御部21は、処理をステップS13に移す。2次元コードを読み取ったと判別しなかったならば、端末制御部21は、処理をステップS12に移す。
【0142】
読取ステップは、2次元コードを読み取ったと判別した場合において、音声データを入力可能な音声入力画面を表示可能であることが好ましい。当該音声入力画面は、特に限定されず、例えば、端末2と情報分析装置1とを通信可能に接続可能であり、かつ、音声データを端末2から情報分析装置1に送信可能なアプリケーションによって表示される音声入力画面等でよい。
【0143】
[ステップS12:音声データ取得を指令されているか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22及び入力部25と協同して取得部212を実行し、音声データ取得を指令されているか否かを判別する処理を行う(ステップS12、指令判別ステップ)。音声データ取得を指令されていると判別したならば、端末制御部21は、処理をステップS13に移す。音声データ取得を指令されていると判別しなかったならば、端末制御部21は、処理をステップS11に移し、ステップS11からステップS16の処理を繰り返す。
【0144】
音声データ取得を指令されているか判別する処理は、特に限定されない。当該処理は、例えば、所定アプリケーションの起動、音声データ取得表示(画面に表示された録音ボタン等)の操作、音声データのアップロード指令、音声命令による音声データ取得指示、等があった場合に音声データ取得を指令されていると判別する処理でよい。
【0145】
必須の態様ではないが、端末2は、ステップS13からステップS14のテーマ受信ステップを実行可能であることが好ましい。
【0146】
[ステップS13:テーマを受信したか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末通信部23と協働してテーマ受信部211を実行し、情報分析装置1からテーマを受信したか否か判別する処理を行う(ステップS13)。テーマを受信したと判別したならば、端末制御部21は、処理をステップS14に移す。テーマを受信したと判別しなかったならば、端末制御部21は、処理をステップS15に移す。
【0147】
[ステップS14:受信したテーマを提供するよう指令]
端末制御部21は、端末記憶部22並びに表示部24及び/又は出力部27と協働してテーマ受信部211を実行し、ステップS13で受信したテーマを端末2の利用者に提供するよう指令する処理を行う(ステップS14)。端末制御部21は、処理をステップS15に移す。
【0148】
テーマを提供する態様は、特に限定されない。当該態様は、例えば、表示部24にテーマを表示する態様でもよく、テーマを読み上げる音声を出力部27によって再生する態様でもよい。音声を再生する態様は、表示画面を見なくていいという効果をよりいっそう発揮することが可能になる。
【0149】
[ステップS15:音声データを取得したか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22及び入力部25と協働して取得部212を実行し、音声データを取得したか否か判別する処理を行う(ステップS15、取得ステップ)。音声データを取得したと判別したならば、端末制御部21は、処理をステップS16に移す。音声データを取得したと判別しなかったならば、端末制御部21は、処理をステップS11に移し、ステップS11からステップS16の処理を繰り返す。
【0150】
[ステップS16:音声データを送信]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末通信部23と協働して送信部213を実行し、ステップS15において取得した音声データを情報分析装置1に送信する処理を行う(ステップS16、送信ステップ)。端末制御部21は、処理をステップS11に移し、ステップS11からステップS16の処理を繰り返す。
【0151】
ステップS11において2次元コードを読み取っている場合、送信ステップは、当該2次元コードと音声データとを関連付けて情報分析装置1に送信可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、当該2次元コードと音声データとを関連付けた分析を行い得る。
【0152】
ステップS13においてテーマを受信している場合、送信ステップは、当該テーマと音声データとを関連付けて情報分析装置1に送信可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、当該テーマと音声データとを関連付けた分析を行い得る。
【0153】
利用者情報登録ステップが実行される場合、送信ステップは、利用者を識別可能な情報と音声データとを関連付けて送信可能であることが好ましい。これにより、情報分析装置1は、利用者を識別可能な情報と音声データとを関連付けた分析を行い得る。
【0154】
以上、端末2で実行される音声取得処理について説明したが、必要に応じて適宜処理を追加することも可能である。例えば、端末2は、商品提供ステップ、投資情報受信ステップ、広告受信ステップ、オンライン販売情報受信ステップ、利用者情報登録ステップ、等の以下に示す各種ステップの1以上を実行可能に構成されてもよい。
【0155】
[投資情報受信ステップ]
端末制御部21は、装置制御部11から投資情報を受信した場合に、その投資情報を表示部24に表示する投資情報受信ステップを実行できるよう構成可能である。これにより、登録会員は、投資情報に基づいて投資の価値があるか否か判断すること、及び/又は、投資対象の商品に関する無駄情報の音声データを送信すること、等を行い得る。
【0156】
[広告受信ステップ]
端末制御部21は、装置制御部11から広告を受信した場合に、その広告を表示部24に表示する広告受信ステップを実行できるよう構成可能である。これにより、登録会員は、商品を購入すること、及び/又は、商品に関する無駄情報の音声データを送信すること、等を行い得る。
【0157】
[オンライン販売情報受信ステップ]
端末制御部21は、装置制御部11からオンライン販売情報を受信した場合に、そのオンライン販売情報を表示部24に表示するオンライン販売情報受信ステップを実行できるよう構成可能である。これにより、登録会員は、オンライン販売されている商品を購入すること、及び/又は、商品に関する無駄情報の音声データを送信すること、等を行い得る。
【0158】
[利用者情報登録ステップ]
端末制御部21は、装置制御部11から会員登録用のフォーマットデータを受信した場合に、会員登録用のフォーマットを表示部24に表示する利用者情報登録ステップを実行できるよう構成可能である。これにより、端末2の利用者は、フォーマットに必要事項を入力することにより、会員登録をすることが可能になる。また、2次元コードを読み取ったことを契機として会員登録用のフォーマットが表示部24に表示された場合には、2次元コードが付された商品に関する無駄情報の音声データを送信することができる。
【0159】
[音声取得処理の効果まとめ]
このように構成された本実施形態によれば、端末2は、商品に関する場所に掲示された2次元コードを読取部26が読み取った場合に商品の無駄に関する消費者の音声データを取得し、情報分析装置1に送信できる。
【0160】
これにより、端末2は、2次元コードによって商品の無駄に関する消費者の音声データ送信を促し得る。そして、情報分析装置1は、商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析できる。
【0161】
読み取りの対象が読み取りに専用のデバイスを必要とするRFIDタグ等でなく2次元コードであるため、2次元コードを読み取ることが可能な端末2は、カメラを備える一般的な構成であれば足りる。これにより、より多くの消費者が商品の無駄に関する情報を送信できる。
【0162】
情報分析装置1が商品の無駄に関する消費者の音声データを変換したテキストデータの分析を商品に関する場所に掲示された2次元コードを用いて行い得ることにより、情報分析装置1は、より高い精度の分析を行い得る。
【0163】
<使用例>
続いて、本実施形態における情報分析システムSの使用例を説明する。
【0164】
まず、端末2の利用者が登録会員である場合の使用例を説明する。例えば、登録会員がコンビニエンスストアでチキンを買ったとする。このときに、店員が袋のミシン目にテープを貼ったことを見て、登録会員がもったいないと感じたとする。ここで、登録会員は、端末2を操作してチキンの袋に印刷されている2次元コードを読み取る。
【0165】
2次元コードを読み取った端末2の表示部24には、音声入力画面が表示されるとともに、テーマの選択画面が表示される。登録会員は、例えば、当該選択画面から「コンビニ」というテーマを選択する。この選択に応じて、選択されたテーマが音声入力画面に表示される。また、音声入力画面は、2次元コードに含まれている商品名及び店舗名等をさらに表示できる。
【0166】
登録会員は、音声入力を開始し、「コンビニでチキンを買ったとき、店員が袋のミシン目にテープを貼った。これでは、袋がきれいに破れない。袋もテープも店員の手間ももったいない。」という音声を入力した後に音声入力を終了する。そして、登録会員は、端末2を介して解決希望の有無を選択し、送信を実行する。これにより、音声データ並びに音声データに関連するテーマ及び/又は2次元コードに含まれている情報が登録会員の端末2から情報分析装置1に送信される。
【0167】
情報分析装置1は、音声データをテキストデータに変換して、テキストデータテーブル121に格納する。これにより、図2に示すようなデータがテキストデータテーブル121に記憶される。そして、情報分析装置1は、格納されたテキストデータを分析して、特徴点と、この特徴点と同じ特徴点を有する一群のデータ数と、一群のデータがデータ全体に占める割合、等を得る。得られた分析は、運営会社が指定する提供先(コンサルタント、ビッグデータ活用企業、クラウドファンディングの資金調達者、広告企業、Eコマース企業等を含む)に提供される。
【0168】
さらに、情報分析装置1は、一群のデータがデータ全体に数多く含まれる一般的なデータであるか、数少ない独特のデータであるか等を評価して、音声データの送信元である登録会員の端末2に送信する。これにより、登録会員は、送信した音声データ(無駄情報)の評価を確認することができる。
【0169】
情報分析装置1は、必要に応じて、企業等から提供された商材の情報、サンプル情報、投資情報、広告、オンライン販売情報等を登録会員の端末2に送信する。これにより、登録会員は、これらの情報を確認することができる。
【0170】
これにより、例えば、投資情報に含まれているクラウドファンディングの対象商品が、登録会員が送信した音声データ(無駄情報)であって比較的評価が高い無駄情報に関連する商品であった場合に、登録会員は、対象商品に対して積極的に投資を行い得る。
【0171】
また、登録会員は、対象商品に付された2次元コードを端末2によって読み取り、対象商品に対する無駄情報を該2次元コードと関連付けられた音声データとして情報分析装置1に送信し得る。
【0172】
次に、企業側の使用例を説明する。企業側には、情報分析装置1が収集した無駄情報の分析結果が提供される。企業側は、分析結果を新たな商品開発に利用すること、無駄を解決した新たな商品を他の企業に提案すること、等の手順を介してビジネスに活用することが可能になる。また、企業側は、分析結果の無駄を解決した新たな商品を開発した場合に、その情報を情報分析装置1に送信することによって、一般消費者の意見を収集することが可能になる。
【0173】
例えば、企業が、図2に示すテキストデータテーブル121にある「コンビニでチキンを買ったとき、店員が袋のミシン目にテープを貼った。これでは、袋がきれいに破れない。袋もテープも店員の手間ももったいない。」という無駄に類似する意見が比較的多いことに着目して、袋のミシン目に沿って切れやすいテープを開発したとする。このテープの製品情報を情報分析装置1に送信することによって、一般消費者の意見を収集することが可能になり、更なる改良点を見いだすことが可能になる。また、無駄と感じている登録会員の中から投資者が現れることが期待できる。
【0174】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0175】
S 情報分析システム
1 情報分析装置
11 装置制御部
111 テーマ送信部
112 音声受信部
113 変換部
114 分析部
115 提供部
116 評価部
117 機械学習部
12 装置記憶部
121 テキストデータテーブル
13 装置通信部
2 端末
21 端末制御部
211 テーマ受信部
212 取得部
213 送信部
22 端末記憶部
23 端末通信部
24 表示部
25 入力部
26 読取部
N ネットワーク
【要約】
【課題】商品の無駄に関するより多くの情報を消費者から取得し、分析して活用することが可能な手段を提供すること。
【解決手段】本発明の情報分析装置1は、商品の無駄に関する消費者の音声データを受信可能な音声受信部112と、音声データをテキストデータに変換可能な変換部113と、変換後のテキストデータを分析可能な分析部114と、分析結果を外部に提供可能な提供部115と、を備える。本発明の情報分析装置1は、分析結果に基づく音声データの評価を音声データの送信元に提供可能な評価部116をさらに備えることが好ましい。また、本発明の情報分析装置1は、無駄に関するテーマを消費者に送信可能なテーマ送信部111をさらに備え、音声受信部112は、当該テーマに関する消費者の音声データを受信可能であり、分析部114は、当該テーマを用いてテキストデータを分析可能であることが好ましい。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4