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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】反応チャンバ及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 57/04 20060101AFI20221118BHJP
   B23K 9/23 20060101ALI20221118BHJP
   F27D 1/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
C10B57/04 101
B23K9/23 B
F27D1/00 N
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020145708
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2021042365
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】102019000015956
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520333217
【氏名又は名称】ウォルタ トスト ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】モッザールディ ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ルッカ トスト
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-170916(JP,A)
【文献】特開2002-317186(JP,A)
【文献】特開2010-110819(JP,A)
【文献】特表2018-532033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 57/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーキング反応を収容するように構成された反応チャンバ(100)であって、
前記反応チャンバ(100)は、本体(90)を備え、
前記本体(90)は、
ベース部分(B)と、
ヘッド部分(S)と、
前記ベース部分(B)と前記ヘッド部分(S)との間に配置された略円筒状の側方ケーシング(L)と、
前記側方ケーシング(L)と前記ベース部分(B)との間に配置された環状接続要素(50)と、
を有し、
前記ベース部分(B)は、反応生成物を運ぶための円錐形状を有し、
前記ヘッド部分(S)は、その上部において閉鎖キャップにより画成された略円筒形状を有し
前記本体(90)は、めっき処理が施されないステンレス鋼のシート(10)を有し、
前記ヘッド部分(S)のシートと前記側方ケーシング(L)のシートは、単一の溶接された接合ラインによって互いに接合され、
前記側方ケーシング(L)のシートと前記環状接続要素(50)は、単一の溶接された接合ラインによって互いに接合され、
前記環状接続要素(50)と前記ベース部分(B)のシートは、単一の溶接された接合ラインによって互いに接合され、
前記環状接続要素(50)は、Y字状の断面を有する、
反応チャンバ(100)。
【請求項2】
前記ステンレス鋼は、所定の割合のフェライト鋼を含み、残りの割合がオーステナイト鋼である、請求項1に記載の反応チャンバ(100)。
【請求項3】
前記側方ケーシング(L)、及び/又は前記ベース部分(B)、及び/又は前記ヘッド部分(S)は、複数の略矩形のシート(10)を含み、
前記シート(10)は、各縁線において各単一の溶接された接合ラインにより互いに接合されている、
請求項1又は2に記載の反応チャンバ(100)。
【請求項4】
2枚の連続した前記シート(10)は互いに横方向に整列している、
請求項3に記載の反応チャンバ(100)。
【請求項5】
外部パイプに接続される前記本体(90)の接続部及び計装器に接続される前記本体(-90)の接続部がステンレス鋼から作られている、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の反応チャンバ(100)。
【請求項6】
2枚の連続した前記シート(10)は互いに長手方向にずらして配置されている、
請求項3又は4に記載の反応チャンバ(100)。
【請求項7】
請求項1からのうちいずれか一項に記載の反応チャンバ(100)を組み立てるための組立方法であって、
前記反応チャンバ(100)の本体(90)のベース部分(B)であって、反応生成物を運ぶための円錐形状を有するベース部分(B)を設けるステップと、
上部において閉鎖キャップにより画成された略円筒形状を有するヘッド部分(S)を設けるステップと
略円筒状の側方ケーシング(L)を前記ベース部分(B)と前記ヘッド部分(S)との間に設けるステップと
前記側方ケーシング(L)と前記ベース部分(B)との間に環状接続要素(50)を設けるステップと、
前記ヘッド部分(S)のシートと前記側方ケーシング(L)のシートとを単一の溶接された接合ラインによって互いに接合するステップと、
前記側方ケーシング(L)のシートと前記環状接続要素(50)とを単一の溶接された接合ラインによって互いに接合するステップと、
前記環状接続要素(50)と前記ベース部分(B)のシートとを単一の溶接された接合ラインによって互いに接合するステップと、
を含む、組立方法。
【請求項8】
前記ベース部分(B)及び/又は前記ヘッド部分(S)及び/又は前記側方ケーシング(L)が、複数の略矩形のシート(10)の接合作業により得られ、
前記複数のシート(10)は、めっき処理が施されていない単一のシートの溶接により互いに接合される、請求項に記載の組立方法。
【請求項9】
前記単一の溶接された接合ラインは、前記反応チャンバを作るために使用される材料と同一の材料を溶接材料として用いることで作られる、請求項又はに記載の組立方法。
【請求項10】
前記単一の溶接された接合ラインは、ニッケル合金を溶接材料として用いることで実現される、
請求項からのうちいずれか一項に記載の組立方法。
【請求項11】
外部パイプに接続される前記本体(90)の接続部の溶接が、前記反応チャンバを作成するために使用される材料と同一の材料を溶加材として用いることで実現される、請求項に記載の組立方法。
【請求項12】
外部パイプに接続される前記本体(90)の接続部の溶接が、前記接続部を作成するために使用される材料と同一の材料を溶接材料として用いることで実現される、請求項に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素熱分解反応チャンバ、及び、当該チャンバ、特には、重質油残留物の熱分解に使用されるチャンバの製造方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、コーキング(コークス化)反応チャンバの構造と、セットアップ、構築、試運転及びメンテナンスの時間及びコストの低減を保証する前記チャンバの構築方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
コーキングは、商業的価値が低い油処理残渣(例えば、常圧蒸留残渣又は減圧蒸留残渣)を、より高品質の留出生成物、並びに、石油ガス及びコークスに変換する熱分解プロセスである。これにより、製油所は、商業的価値が低い燃料油の生産を減らすことが可能になる。
【0004】
遅延コーキングは半連続的なプロセスである。実際には、コーキングは連続的なプロセスであるが、コークスの取り出し、取り扱い、及び処理は不連続的に行われる。装入物が炉内で反応温度まで加熱され、次いで、反応チャンバ(コークスドラム)に移送される。反応チャンバは、通常、プラントにおいて支持「スカート」上に垂直位置で設置されている。
【0005】
コーキング反応は、加熱された装入物が反応チャンバに移送されるまで遅延され、滞留時間は、反応が完了するための十分な長さである。コークスはチャンバ内に堆積し、一方、分解蒸気はチャンバヘッドから出て、下流の分留カラムに入る。
【0006】
用語「遅延」は、コーキング反応に必要な滞留時間が設けられる適切な反応チャンバ(コークスドラム)に加熱された装入物が移送されるまでコーキング反応が遅延されるという事実に基づいている。
【0007】
コークスドラムにおけるコーキングプロセスは多数の段階に分けられ、これらは、スチームアウト、加熱、隣接するコークスドラムからの蒸気による加熱、処理されるべき装入物の導入、コークス化、スチームストリッピング、水硬化、アンヘディング、掘削、及びリヘディングを含む。ユニットは、通常、コーキングとデコーキングとに同じ時間を要し、合計のサイクル時間は18時間~36時間の間で変動する。ユニットの「デコーキング」サイクルは、通常、蒸気の放出と次のコークスドラムでの通過との間の時間として定義され、これは、コークス及び設備のタイプにより異なるが、9時間~18時間である。しかし、最近の傾向では、運転は生産量を増大するようになされて、ユニットサイクルがより短く、より頻繁になっている。現在、9時間~12時間のデコーキング及びコーキングサイクルが採用されている。サイクルが短いほど、年間の熱サイクルが多くなる。さらに、これらの短いサイクルにより、コークスドラムの膜に加えられる熱応力がより高くなり得る。
【0008】
従って、コークスドラムは、高温サイクル負荷に晒されるため、コークスドラム自体は、クリープモード及び疲労モードで設計されている。
【0009】
既知のタイプのチャンバの外壁は、炭素鋼又は低合金鋼C-1/2Mo、1Cr-0.5Mo、1.25Cr0.5Moからつくられ、又は、2.25Cr1Moからも作られる。
【0010】
低合金材料は、コークスドラムがオイル廃棄物の処理中に動作する高温で高い機械的抵抗値(降伏強度)を保証できるため、使用されている。
【0011】
炭素鋼又はC-1/2Moを使用する欠点は、これらの材料を、高温、例えば450℃を超える温度で長期間使用すると、材料の内部構造の黒鉛化及び/又は球状化現象が発生することである。
【0012】
このような現象が、高温での機械的強度の損失をもたらす場合があり、従って、これらの材料をコークスドラム壁の健全な構造のために使用することには潜在的なリスクがある。
【0013】
また、反応温度が高ければ、腐食現象も発生する。
【0014】
このような理由により、既知のタイプのコーキング反応チャンバは、めっきされたシートを使用して作成され、すなわち、コラミネーション(co-lamination)(すなわち、重ね合わせた2つのシートを製鋼所で圧延する)による結合、或いは、少なくとも2つの異なる材料間での爆着(すなわち、重ね合わせた異なる2つのシートを、これらの2つのシート間に強力な接触圧力を、装薬を用いて発生させることにより結合する)により得られ、これは、壁の内側に層(一般的には、薄い(通常、3mm~5mm)の厚さのステンレス鋼シートから作られる)を設けることによる。この内側層の機能は、耐腐食コーティングと、高温での硫酸化の防止である。
【0015】
最も一般的に使用されているめっき材料、すなわち、内張り材料は、ステンレス鋼のタイプ410Sである。しかし、タイプ405のステンレス鋼でコーティングされたコークスドラムも少数存在する。いずれの鋼も、硫酸化に抵抗するために12重量%の公称クロムを含有し、特定の低炭素レベルを有しており、これにより、熱処理なしでのコーティングの修復を可能にしている。
【0016】
従って、既知のタイプの反応チャンバは、めっきされたシート(前段落で定義した、めっきされたシート)の溶接されたジョイントを用いて作成される。
【0017】
以下の説明で使用する用語「シート金属」(sheet metal)は、反応チャンバを構築するためのベース材料として使用されるシート金属要素を意味する。従って、用語「シート」又は「シート金属」が、同一要素を意味するために互換的に使用される。
【0018】
めっきされたシートは、耐腐食シートでコーティングされた炭素鋼又は低合金鋼のベースシートから形成され、めっきは、製鉄所でのラミネート加工により、又は爆着により行われる。
【0019】
ベースシートは、コークスドラムの作業期間中に発生する機械的ストレスに抵抗する機能を有する。ベースプレートをコーティングしている、一般的に薄いステンレス鋼シートは、作業期間中にベース材料を、生成物(コークスドラム自体に含まれている)による腐食から保護する機能を有する。
【0020】
ベースプレートの内部耐腐食コーティング又はめっきには、構造的な機能はない。すなわち、それらがコークスドラム壁の機械的抵抗に関与しているとは見なされない。
【0021】
めっきされたシートをコーキング反応用の反応チャンバの構築のために使用することには多くの欠点がある。
【0022】
第1の欠点は、反応チャンバの耐用年数中に頻繁なメンテナンスが必要であることである。
【0023】
先行技術の反応チャンバに使用されているめっきされた材料は、2つの異なる材料、すなわち、ベース材料(低合金鋼)とコーティング材料(コークスドラムの場合、一般にステンレス鋼)との接着により形成されるため、不均一な材料である。さらに、ベースプレートの溶接されたジョイント領域でのめっきの修復(すなわち、内部耐腐食コーティングの連続性の修復)は、通常、3番目の材料(すなわち、ベースプレート及びめっきとは異なる材料)を用いて行われ、これは、一般的にニッケル合金である。これらの3つの材料(炭素鋼ベース材料又は低合金と、耐腐食コーティング(一般的に、ステンレス鋼)と、耐腐食層の連続性を回復するためのニッケル合金)は、膨張係数は互いに大きく異ならないが、熱膨張差が、特には動作温度が高いことにより生じやすく、従って、上述の膨張による引張荷重、及び、高い周期的負荷を受け、これにより、時間の経過と共にベースシートから耐腐食コーティングが剥離しやすくなる。耐腐食材料(すなわち、めっき)のこのような剥離を、耐腐食性を保証するために、そして、ベース材料の亀裂(耐腐食コーティングにより、もはや「保護されて」いない同じベース材料の腐食による)を防止するために修復すべきことが明らかである。
【0024】
このような修理には、必要な修理を行うためにシステムを停止することが含まれる。
【0025】
コーティングの状態、及び、めっきの剥離から生じる亀裂を修復するための介入には、プラントの数日間の停止が必要であり、その結果、プラント自体のダウンタイムに関するメンテナンス費用が発生する。
【0026】
さらに、メンテナンス中のめっきの修復は、上述のように第3の材料から成る溶加材(一般的に、ニッケル合金)を堆積させることにより行われ、この材料は非常に高価な材料である(ニッケル合金は、コークスドラムの壁自体を形成している材料であるベース材料又はめっき材料とは明らかに異なる)。
【0027】
運転中の耐腐食コーティング(すなわち、めっき)の亀裂の修復が遅れると、ベースプレートが、炭化水素がベース材料と直接接触するために腐食し、これにより、時間の経過に伴いベース材料自体に亀裂及び破損が生じ得る。
【0028】
先行技術において反応チャンバの壁のベース材料として使用されている低合金鋼は、炭素鋼と比較して降伏強度が高く延性が低いため、膨らみ現象(コークスドラムの壁の膨張又は非弾性変形、すなわち、運転中の何回かの負荷サイクル後にコークスドラムにて発生する現象)に対しては、より耐性が高い。しかし、これらの鋼は、亀裂が発生及び伝播しやすい傾向がある。これは、例えばチャンバ内部からの腐食現象によるものであり、正確に言えば、降伏強度が高く延性が低いため、反応チャンバの壁の破損や、プラント自体で処理されている油誘導体の不都合な漏出が生じ得る。
【0029】
先行技術のさらなる欠点は、コークスドラムの構築方法、すなわち、めっきされたシートをコークスドラム壁の構築のために使用することに関する。
【0030】
実際、先行技術の構築方法は、溶接されたジョイント及びめっき材料の修復に対して非破壊検査及び追加の機械加工を行う必要があり、これが、めっきされたシート間の上述の溶接作業を遅れさせる。
【0031】
上記の非破壊検査の幾つかは予防的検査であり、すなわち、溶接作業の前に実行されなければならない。めっき材料、すなわち耐腐食材料がベース材料から脱離(剥離)していないことを確認するために、超音波プローブを使用してめっきされたシートを検査しなければならない。めっきされたシートのこの非破壊的検査は、人員及び時間の両方の面でコストがかかる。
【0032】
めっきされたシートの溶接を進めるためには、めっきされたシート縁部のめっきを除去する準備作業を、溶接されるべき縁部をフライス加工又は研削加工することにより行う必要がある。
【0033】
次に、非破壊検査を実行して、溶接されるべきベース材料の縁部のめっき材料の完全な除去を確認する。実際、めっきされたシートを、溶接されるべき縁部から最初にめっきを除去せずには溶接できない。なぜなら、めっきされたシートを、めっきを除去せずに電気アークにより溶接すると、ベース材料とめっき材材料と溶加材との溶融により、制御不能な化学的物理的特性の溶融バスが発生し、従って、機械的強度及び耐腐食特性がコークスドラムの壁の用途に適さなくなる。ベース材料の溶接後、既にめっきが除去されている領域において、耐腐食材料の連続性を回復させる作業が行われる。
【0034】
ベース材料のジョイント領域のめっきの修復は、コーティング金属(一般的には、コークスドラム用のニッケル合金)をベース材料(溶接オーバーレイ)上に電着するプロセス(サブマージドアーク又はエレクトロスラグ)により行われる。
【0035】
従って、既知のタイプの反応チャンバの製造には、制御及び点検作業と、以下の要素のめっき材料の除去及び修復が含まれる。これらの要素は、シーティングを形成しているシートの周方向及び縦方向の溶接部と、底部及び開口部(コークスドラムの、反応生成物の入口及び出口のための外部パイプ、計装などへの接続部)の内部を形成しているプレートの溶接部と、インゴットを鍛造することにより得られる、コラミネーションによっても爆着によってもめっきされることができない部品、例えば、支持スカート、反応器底部、反応器のめっきの間のリング(存在してY字状断面を有する場合)と、である。
【0036】
めっきされたシート金属を使用する反応チャンバの構築は、修復作業に使用されるニッケル合金のコストだけでなく、かなりの労力及び組立時間のコストもかかるという欠点を有する。
【0037】
既知のタイプの反応チャンバのさらなる欠点は、構築時間に加えて、めっきされたシートの調達時間も長いことである。
【0038】
めっきされた材料は、一般に、コラミネーション又は爆着接合により製造される。
【0039】
これらのめっき作業は、ベース材料を製造する製鉄所により直接行われるか、或いは、爆着めっきを専門とする会社により行われ、非常に長い実行時間を必要とする。例えば、現在の市場状況において、めっきされた鋼の納期までに、発注日から4ヵ月~12ヵ月かかる場合がある。これは、もちろん、製鋼所又は爆着めっき会社の作業負荷及び要求数量により異なる。
【0040】
それゆえ、めっきされたシートを使用した反応チャンバの製造には、建設資材の納品のために長い建設時間が必要になるかも知れず、また、反応チャンバ自体の建設時間が長くなり、その結果、コークスドラムが設置される製造プラントの建設時間が長くなるため、顧客に経済損失をもたらす可能性が生じ得る。
【0041】
さらなる欠点は、めっきされたシートを使用して構築された先行技術の反応チャンバにおいては、作業場での組立段階及び製造段階中と、プラント(製油所)での修理後との両方において、溶接後の応力除去熱処理を、修理溶接をする度に行う必要があることである。
【0042】
溶接されたジョイントに対するこの熱処理は、通常、コークスドラムの製造中に製造業者により炉内で行われ、局所的に(すなわち、溶接が行われた領域に対してのみ、電熱バンドを用いた熱処理により)行われる。これは、運転に起因するベース材料の亀裂を溶接することによる実行可能な修理の後に、製油所のコークスドラムの運転者/ユーザにより行われる。
【0043】
溶接後の熱処理は、構成材料及び溶接されたジョイントの厚さに応じて、圧力機器の様々な設計基準(ASMEVIII、EN13445、ADMerkblatterなど)により規定されている。これは、作業負荷による応力に加えての、溶接プロセスでの残留応力の蓄積を回避するためである。
【0044】
「炭素鋼」又は「低合金鋼」のベース材料から作られたコークスドラムの場合、熱処理は、通常、上述の基準により常に規定されている。
【0045】
不都合なことに、製造中に、溶接後の応力除去熱処理を実行すると、コークスドラムのコスト及び製造時間が増加し、プラントの起動時間が延期され、その結果、製油所が設備を稼働できる日時が遅れ、損失が生じる。
【0046】
また、不都合なことに、溶接による亀裂修理の後に、製油所にて、応力除去のための局所的熱処理を実行すると、コークスドラムの運転コストが増大し、また、ダウンタイムも長くさせるため、製油所のコークスドラム運転者が、設備稼働の遅延というロスを被る。
【0047】
このため、不利なことに、低合金から作られたベースプレート(めっき材料の有無に関わらず)で構築された先行技術の反応チャンバは、様々な部品間で機械的特性が不均一である。なぜなら、コークスドラムの一部の部品が溶接により修理され、従って、熱処理され、そして、コークスドラムのその他の部分は修理されず、従って熱処理されずに、不均一な機械的特性を熱処理の多い領域と熱処理の少ない領域の間に生じさせるからである。
【0048】
ちなみに、コークスドラムを構成する材料の高い均一性及び機械的特性の均一性は、非常に望ましい特徴である。なぜなら、コークスドラム自体が運転中に高負荷サイクルにさらされると、材料の不均一性のより大きい領域で応力の蓄積及び増大が引き起こされるために亀裂を生じやすくなるからである。
【0049】
実際、同じ熱処理が、コークスドラムの様々な部分(すなわち、熱処理を多く受ける部分と少ない部分と)の間の機械的特性の不均一性を増大するため、疲労破壊メカニズムを生じやすい。
【0050】
以上に記載した不都合な点は、参照セクターに特に関連しており、また、現在の市場要件が、生産量を高めることを目的としているという事実により増幅されている。この目的は、ユニットサイクルを短くし、頻度を高めるため、コークスドラムは、幾何学性及び材料の両方において不均一性及び均一性の影響を受けやすくなる。
【0051】
処理サイクルは、通常、処理される装入物の単位あたり18時間~36時間続く。
【0052】
しかし、最近の生産需要により、生産量は益々増加し、ユニットサイクルはより短く、より頻繁になり、処理される装入物の単位あたり約9時間~12時間になっている。
【0053】
従って、上述の現象はますます頻繁になり、コーキング反応チャンバの壁は、より短い作業サイクルにより生じる、増大する熱応力に晒されるため、相応の頻繁なメンテナンスが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0054】
このため、本発明により提示及び解決される技術的問題は、上述の先行技術(すなわち、炭素鋼ベース材料又は低合金から作られてめっき材料でコーティングされたコークスドラム)の欠点を克服するコーキング反応用の反応チャンバを提供することで、反応チャンバ自体の製造時間を短縮し、且つプラントの運転中のニーズ及びメンテナンス時間を最小限にし、さらには組立又は修理作業のためのダウンタイムを最小限にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0055】
この問題は、請求項1に記載の反応チャンバ及び請求項10に記載の製造方法により克服される。
【0056】
本発明の好ましい特徴は、それぞれの従属請求項に存在する。
【0057】
本発明は、幾つかの重要な利点を有する。
【0058】
具体的には、本発明は、油処理プラントの運転中の反応チャンバのメンテナンスの必要性を最小限にすることを可能にする。
【0059】
実際、前記反応チャンバの特定の構造は、有利なことに、チャンバ自体を構成する様々な部分に加えられる応力を均一化して、めっきされたシート又はめっき修復用ニッケル合金などの不均一な材料を使用するときに発生する、応力集中による亀裂(クラック)の形成を減じることを可能にする。
【0060】
前記チャンバの内壁にコーティング層が存在しないことにより、熱膨張のレベルが異なる材料間の接触による局所的な応力の発生を最小限に抑えることが可能になる。
【0061】
さらに、本発明によれば、前記反応チャンバを構成している様々な部分の間の接合が、単一の材料(すなわち、様々な参照標準により許容される許容差を除いて同一の化学組成を有する材料)、好ましくは、前記チャンバ自体の壁を作成するために使用される材料と同一の材料を使用した溶接により実行される。
【0062】
それゆえ、有利なことに、前記溶接作業は、めっきされたシートの溶接よりも速く完了され、前記反応チャンバの製造方法(これもまた本発明の目的である)も、反応チャンバの製造時間だけでなく、メンテナンス及び/又は修理作業を行うために必要なプラントのダウンタイムも最小限にできる。
【0063】
本発明のさらなる利点は、前記反応チャンバの製造に使用される材料が高い延性値を有し、従って、先行技術において現在使用されている低合金めっきされた炭素鋼材料と比較して、どのような亀裂の伝播も抑制及び回避できることである。
【0064】
さらなる利点は、本発明が、めっきされたシートを製造に使用する場合に必要な非破壊検査と、めっきされたシートの縁に溶接前に行われるべき、工作機械での機械加工とを省略可能にし、これにより、機械加工時間の点だけでなく、組立又はメンテナンスに含まれる熟練労働力の点でもコストを削減できることである。
【0065】
本発明のその他の利点、特徴及び使用手段は、幾つかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。これらの実施形態は例として提供されるのであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0066】
添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明による反応チャンバの実施形態の動作状態における正面図である。
図2図1の反応チャンバの主要部分の正面図である。
図3図1の反応チャンバの主要部分の正面図である。
図4図1の反応チャンバの主要部分の正面図である。
図5図1の反応チャンバの一要素の正面図である。
図5a図5の拡大された詳細を示す図である。
図6図1の反応チャンバの組立状態における部分分解正面図である。
図7a】先行技術の反応チャンバの部分間の溶接段階の概略的シーケンスを示す図である。
図7b】本発明による方法の実施形態に従って組み立てられる反応チャンバの部分間の溶接段階の概略的シーケンスを示す図である。
図8】コーキング及びデコーキングサイクル中の時間の関数としての温度傾向を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
異なる図面においても類似の部品は同一の参照番号を用いて示す。
【0069】
本発明の第1実施形態による反応チャンバの全体が番号100で示されている。
【0070】
本発明による反応チャンバは、コーキング(コークス化)反応を収容するように構成されており、ベース部分B及びヘッド部分Sを有する本体90を備えている。
【0071】
図2に示されているように、ヘッド部分Sは、ほぼ円筒状の形状を有し、その上部が閉鎖キャップにより画成されている。
【0072】
また、閉鎖キャップは、反応チャンバのヘッドから分解蒸気を逃がして処理プラントでさらに処理するための出口接続部又は開口部を有する。逃がされた分解蒸気は、例えば、反応チャンバの下流に位置する分留カラムに搬送される。
【0073】
図4に示されているように、ベース部分Bは、反応生成物、具体的には石油コークスを運ぶために円錐状になっている。
【0074】
図示されていない構成において、ベース部分B及びヘッド部分Sは、それぞれの接合縁にて互いに接合されている。
【0075】
有利には、本体90の壁は、一体的な非めっきステンレス鋼(マルテンサイト、フェライト、オーステナイト又はオーステナイト-フェライト、いわゆる二相鋼)から、ベース部分Bと前記ヘッド部分Sとの間のジョイント、及び、部分B及び部分Sを構成しているシート間のジョイントを可能にするように作成される。これは、シートを長手方向及び周方向に溶接することにより行われ、シート自体にはめっきが全く存在しないため、ベースシートのみを溶接することにより行われる。この溶接は、具体的には、単一の溶接材料(すなわち、様々な参照標準により許容される許容差を除いて同一の化学組成を有する材料)を用いて行われ、めっきされたシートを使用した場合に必要な、耐腐食層の修復の必要がない。
【0076】
好ましくは、本体90の壁を作成するために使用されるステンレス鋼は、マルテンサイト鋼S.S.410S又はS.S.405Sであり、これらの熱膨張はオーステナイト系ステンレス鋼よりも低く、炭素鋼と同等である。
【0077】
有利には、本体90の壁を作成するために使用されるステンレス鋼と同一のステンレス鋼が、接合部分間の溶接線を作成するために使用される。
【0078】
別の実施形態において、フェライト鋼とオーステナイト鋼との割合のバランスがとれているステンレス鋼(いわゆる二相鋼)が、本体90の壁に使用される。
【0079】
ステンレス鋼の使用により、有利なことに、高い延性値が保証され、それにより、亀裂の進行を抑制及び回避できる。
【0080】
図1及び図6に示されている好ましい実施形態において、本発明による反応チャンバ100の本体90は、ベース部分Bとヘッド部分Sとの間に配置されたほぼ円筒状の側方ケーシングLを含む。
【0081】
詳細には、側方ケーシングLは、ほぼ円筒状に形作られて、ベース部分B及びヘッド部分Sの両方に、それぞれの溶接線により接合されている。
【0082】
上述の本体90の全体寸法がかなり大きいため、本体90の各部分が、複数のほぼ矩形のシート10を含む。
【0083】
例えば、側方ケーシングL、ベース部分B及びヘッド部分Sは全て、複数のシート10から作られ、それらは、それぞれの溶接線により、各縁線にて互いに接合されている。
【0084】
コークスドラムのめっきの構成は、一般的に、複数のプレートを共に横方向に連結して単一のスカートを形成し、そして、複数のスカートを連結させてめっき全体を完成させることにより作成される。
【0085】
反応チャンバ100を、反応チャンバが地面にほぼ垂直の方向に沿って配置されている動作状態(例えば図1に示されている)で地面又は支持構造物に固定できるようにするために、円筒状スカートを使用する。
【0086】
異なる実施形態においては、円筒状めっきと、スカートと、円錐状めっきとの間の接続が、「Y」字状の要素を用いて行われる。
【0087】
支持要素Gが、反応チャンバを少なくとも周囲領域に沿って支持するように形作られている。熱動作サイクル中に本体90の壁が膨張すると、上述の支持領域に応力が蓄積する可能性がある。なぜなら、「スカート」と称される支持要素は反応チャンバの外側にあり、従って、高温で処理される生成物に直接接触しないため、反応チャンバと同一の熱膨張を受けないからである。
【0088】
上述の支持領域における亀裂の形成を防止するために、本体90は、側方ケーシングLとベース部分Bとの間に配置された、又は配置され得る環状接続要素50を含み得る。
【0089】
好ましくは、図4に示されているように、環状接続要素50はベース部分Bの端縁に配置されている。
【0090】
詳細には、図5に示されているように、環状接続要素50は、「Y」字状の横断面を有する。
【0091】
従って、有利には、図5aの拡大図に示されているように、支持要素Gは「Y」セクションの自由端に連結され、「Y」リングの機能は、スカートGの溶接部をコーンとのめっき接続ゾーン(ゾーン自体の幾何学的形状により高い応力集中を受ける領域)から遠ざけて、3つの要素の、めっき/円錐状底部/スカートの間の溶接部で発生し得る亀裂の形成を低減することである。
【0092】
また、「Y」字形状の接続部は、通常、鍛造リング又はカレンダー加工により得られたリングから形成され、工作機械で機械加工されるため、接続自体の幾何学的形状と幾何公差をより適切に制御できる。
【0093】
反応チャンバ100は、特定の製造要件、及び、処理される装入物の量に応じて、多かれ少なかれ、かさばる寸法になる。全体の寸法が変化すると、本体90の壁厚も変化する。圧力容器の既知の設計基準の式に従って計算された、本発明による反応チャンバ100の壁に使用されるステンレス鋼シートの厚さは、既知のタイプの炭素鋼ベースプレート又は低合金鋼ベースプレートにめっきしたシートの厚さよりもわずかに大きく(例えば、約10%大きく)なるであろう。従って、一体的ステンレス鋼シートの構造強度値は、なお、めっきされたシートの構造強度値と同等である。対象となるタイプのプラントに一般的に採用されている設計温度及び圧力条件下で、フェライト系ステンレス鋼シートの厚さは約20mm~約70mm程度であろう。
【0094】
コークスドラムが一般的に機能する設計条件下では、一体的な(めっきされていない)ステンレス鋼コークスドラムの壁厚は、めっきされた炭素鋼又は低合金鋼シートから得られる厚さよりもわずかに大きくなり得るが、そうであっても、以下のことに留意されたい。すなわち、現在の市場条件下で2つの建設ソリューションを比較すると建設資材の価格は非常に似ており、従って、反応チャンバの材料(コークスドラム)の価格は、先行技術によるコークスドラムの材料価格と比較して、一体的ステンレス材料の使用(本発明による)による技術的改良のおかげで、実質的に、高くはならない。
【0095】
反応チャンバ100の溶接されたジョイントは、有利にはニッケル合金から作られ、或いは溶接がステンレス鋼電極を使用して行われて、溶接されたジョイントを構造の残りの部分に対して均一にし、本体90の壁での膨張係数が異なる材料の使用による応力の不連続を回避する。
【0096】
上述したように、本発明による反応チャンバ100の組立方法は、既知のタイプのめっきされたシートの溶接において実行されなければならない非破壊検査及び機械加工の多くを回避する。
【0097】
有利には、外部パイプ(開口部)への接続部もまた一体的なステンレス鋼から作られ、従って、めっき材料の修復を必要としない(先行技術においては一般的に接続部もめっき材料から作られており、従って、めっき材料すなわち接続部の修復を必要とする材料が鍛造材料から得られ、この鍛造材料が、上述の溶加材の堆積プロセス(エレクトロスラグ、サブマージドアーク又は被覆電極又はコアドワイヤ)によるニッケル合金又はステンレス鋼めっきを必要とすることに留意されたい)。
【0098】
本発明の実施形態による反応チャンバ100の組立方法は、反応チャンバ100の本体90の、上述のようなベース部分B及びヘッド部分Sを準備するステップを含む。有利には、本明細書に記載する方法によれば、シート間の溶接作業をステンレス鋼シート間の溶接のみに限定することが可能であり、現在使用されている構造で生じるような、炭素鋼又は低合金鋼材料の溶接(一般的に、ニッケル合金溶接)後の耐腐食材料の修復を省き得る。
【0099】
詳細には、本明細書にて説明する例において、この組立方法は、ほぼ円筒状の側方ケーシングLを準備、いわゆるめっきをするステップと、ベース部分Bとヘッド部分Sとの間に側方ケーシングLを接合するステップも含む。有利には、ケーシングLの接合が、各ジャンクション縁に対し、均一の溶接ラインにより実行され、これにより、上述のような耐腐食材料の修復が回避される。
【0100】
有利には、本体90の各部分、例えば、ベース部分B、ヘッド部分S、及び側方ケーシングL(いわゆるめっき)が、複数のほぼ矩形のシート10の溶接接合作業により得られる。この作業において、溶接されるジョイントの各々が、均一の溶接ラインにより作られ、これにより、上述のような耐腐食材料の修復が回避される。
【0101】
好ましくは、接合される部分の縁は、機械加工(例えば、かしめによる)されて、溶接に使用される溶加材の収容を可能にする。
【0102】
有利なことに、炭素鋼又は低合金鋼のベースプレートから形成された既知のタイプのめっきされたシートを組み立てるためには実行されなければならない全ての非破壊検査及び溶接後の応力除去熱処理作業が省略され、製造コストの削減及び製造時間の短縮を可能にする。
【0103】
図7aと図7bとの比較に示されているように、本発明による方法は、縁溶接を得るために必要な工程の数を大幅に減らすことを可能にする。
【0104】
有利なことに、本明細書に記載する反応チャンバ内及びその組立方法おいては、めっきされた材料が存在しないため、めっきされた材料の存在及びめっきされた材料を修復するために使用される材料に関連する全ての欠点が排除される。
【0105】
一体的材料を使用すること、そして、炭素鋼又は低合金鋼から作られたベースプレートにめっきを施すのではないことのさらなる利点は、先行技術においては応力を除去するために組立工程の最後に行われなければならない熱処理もまた省略できることである。これらの熱処理は非常に長くかかる場合があり、数日間続くこともある。
【0106】
さらに、上述のように、本発明による反応チャンバは、一体的材料、特にはステンレス鋼を使用すると、既知のタイプ(めっきされたシートを含む)の反応チャンバよりも、建設時間を大幅に、すなわち、15ヵ月~20ヵ月(めっきされたシートの現在の2019年の納期及び製造業者の作業負荷に関するおおよその期間)から約12ヵ月以下(めっきされたシートの現在の2019年の納期及び製造業者の作業負荷に関するおおよその期間)まで短縮できる。
【0107】
それゆえ、有利なことに、本発明によれば、前記溶接作業がめっきされたシートの溶接よりも速く完了され、反応チャンバの製造方法(これもまた本発明の目的である)も、反応チャンバの製造時間だけでなく、チャンバのメンテナンス及び/又は修理作業を行うために必要なプラントのダウンタイムも最小限にすることを可能にする。
【0108】
実際、一般的に数ヶ月間も連続的にクリープモード及び疲労モードで動作する反応チャンバは、ベース材料に亀裂が発生する場合があり、これらの亀裂は同一材料内で伝播する可能性があるため、溶加材での溶接によりシーリングして修復する必要がある。この作業は、プラントのダウンタイム中にのみ実行でき、また、溶接後の応力除去リペアメントのための、後続の熱処理のために長い時間が必要である。本発明によれば、これはもはや必要でない。
【0109】
本発明を、その好ましい実施形態に従って、適用範囲を限定することなく例としてのみ説明したが、本発明が、本明細書の特許請求の範囲で定義される発明の概念の範囲から逸脱せずに、当業者により修正及び/又は適合され得ることが理解されよう。
【符号の説明】
【0110】
10 シート
30 環状要素
50 環状接続要素
90 本体
100 反応チャンバ
B ベース部分
G 支持要素
L 側方ケーシング
S ヘッド部分
図1
図2
図3
図4
図5
図5a
図6
図7a
図7b
図8