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特許7178764回路基板、デバイスおよびバイアホール構造の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】回路基板、デバイスおよびバイアホール構造の形成方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/42 20060101AFI20221118BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20221118BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H05K3/42 610A
H05K3/46 N
H05K1/02 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021517629
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2019108411
(87)【国際公開番号】W WO2020073823
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201811169550.0
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン チャンガン
(72)【発明者】
【氏名】ワン インシン
(72)【発明者】
【氏名】イー バイ
(72)【発明者】
【氏名】サオ ホワジャン
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0174360(US,A1)
【文献】特開2000-261117(JP,A)
【文献】特表2011-526080(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0199736(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0279473(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0326716(US,A1)
【文献】特開2015-133379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造の回路基板本体(10)と、前記回路基板本体(10)に設けられたバイアホール構造を含み、
前記バイアホール構造は、前記回路基板本体(10)内に導電層により囲まれて形成されたホール(12)を含み、前記導電層は前記ホール(12)のホール壁(11)を構成し、
前記バイアホール構造は、誘電体充填層(13)をさらに含み、少なくとも一部の前記ホール壁(11)と前記回路基板本体(10)との間に、前記誘電体充填層(13)が設けられており、前記誘電体充填層(13)の誘電率は、前記回路基板本体(10)の誘電率よりも小さく、
前記回路基板本体(10)の多層構造は、前記バイアホール構造に対応するターゲット信号層(101)を含み、前記ホール(12)は、前記回路基板本体(10)の下端である一端に位置し、前記ホール(12)の下端は、前記回路基板本体(10)の厚さ方向に沿って前記回路基板本体(10)内に延伸し、前記回路基板本体(10)内の対応するターゲット信号層(101)まで延伸し、前記ホール(12)のホール壁(11)の、対応するターゲット信号層(101)内に位置する部分の少なくとも一部が、前記ターゲット信号層(101)に直接接触する、
回路基板。
【請求項2】
前記ホール(12)のホール壁(11)の、対応するターゲット信号層(101)以外に位置する部分と前記回路基板本体(10)との間に前記誘電体充填層(13)が設けられる、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記ホール(12)のホール壁(11)の、対応するターゲット信号層(101)内に位置する部分の全てが、対応するターゲット信号層(101)に直接接触する、
請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記ホール(12)の上端は、前記回路基板の厚さ方向に沿って、前記回路基板本体(10)のトップ層またはアンダー層に向かって延伸する、
請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記回路基板(10)には、少なくとも2つの前記バイアホール構造が設けられる、
請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項6】
前記誘電体充填層(13)は、樹脂から作られる、
請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項7】
デバイス本体および請求項1~6のいずれか一項に記載の回路基板を備え、
前記回路基板は前記デバイス本体上に設置されるデバイス。
【請求項8】
多層構造の回路基板本体(10)に第1ホールを形成し、
前記第1ホール内に誘電体を充填し、前記誘電体の誘電率は、前記回路基板本体(10)の誘電率よりも小さく、
前記第1ホール内の誘電体領域には、前記誘電体を貫通する第2ホールが設けられており、前記第2ホールの孔径は前記第1ホールの孔径より小さく、前記第2ホールの誘電体は、誘電体充填層(13)となるよう設けられており、
前記第2ホールのホール壁に導電層を形成することで、バイアホール構造を取得し、そのうち、前記導電層は囲んでホール(12)を形成し、前記導電層は前記ホール(12)のホール壁(11)を構成し、
前記回路基板本体(10)の多層構造は、前記バイアホール構造に対応するターゲット信号層(101)を含み、前記ホール(12)は、前記回路基板本体(10)の下端である一端に位置し、前記ホール(12)の下端は、前記回路基板本体(10)の厚さ方向に沿って前記回路基板本体(10)内に延伸し、前記回路基板本体(10)内の対応するターゲット信号層(101)まで延伸し、前記ホール(12)のホール壁(11)の、対応するターゲット信号層(101)内に位置する部分の少なくとも一部が、前記ターゲット信号層(101)に直接接触する、
バイアホール構造の形成方法。
【請求項9】
前記誘電体は樹脂を含む、
請求項8に記載のバイアホール構造の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は回路基板分野に関するものであるがこれに限定されず、具体的には回路板、デバイスおよびバイアホール構造の形成方法に関するがこれらに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
システム容量および信号速度はますます高くなり、PCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)の設計密度もこれに伴って増加し、PCBの板厚と層数も増加し、信号の完全性に対する要求も以前より厳しくなってきた。バイアホールは高速、高密度の設計において、必ず採用される構造として、その性能は高速、高密度製品の性能に直接影響している。バイアホールの性能を測定する重要な指標の1つは、インピーダンス連続性であり、バイアホールのインピーダンスは接続されるPCB伝送路の特性インピーダンスよりも一般的に小さく、全体のリンクインピーダンスの連続性を悪くし、信号の完全性に関する問題を引き起こす。
【0003】
バイアホールのインピーダンスは、バイアホールの寄生容量と寄生インダクタンスと関係があり、寄生容量が大きいほど、バイアホールインピーダンスは小さくなり、寄生インダクタンスが大きいほど、バイアホールインピーダンスは大きくなる。バイアホールのインピーダンスを向上させるための関連したやり方は、バイアホールのアンチパッドに対してある程度拡大して穴あけするというものであるが、実際の穴あけの大きさは制限されていなければならず、さもないと信号の参照面の完全性に影響を及ぼし、その他の信号の完全性に関する問題を引き起こし、さらに一定程度の寸法まで穴をあけると、バイアホールのインピーダンス作用を向上させるネックとなる。関連したやり方のもう一つは、バイアホールの孔径を小さくするというものであり、なぜなら、バイアホールの孔径が小さいほど寄生容量も減少し、バイアホールインピーダンスが大きいほど、システムリンクのインピーダンス連続性がよくなるためである。
【0004】
しかしながら、システム容量が増加するにつれて、PCBボードはますます厚くなり、PCBの加工の難しさに影響を与える重要な指標の一つの径厚比(即ち、板厚とバイアホール直径の比)は孔径の減少とともに大きくなる。よって、小さいホールの設計の加工の難易度は高く、PCBの歩留まりに影響し、最終的には製品のコストと信頼性に影響し、さらには径厚比が大きすぎることにより、PCBの加工が失敗して廃棄されることもある。従って、如何にして効果的にバイアホールインピーダンスを向上させるかは、当面の早急に解決すべき技術課題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例では、回路基板、デバイスおよびバイアホール構造の形成方法が提供されており、主に解決される技術的問題は、如何にしてバイアホールのインピーダンスを向上させるかということである。
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明実施例では、多層構造の回路基板本体と、前記回路基板本体に設けられたバイアホール構造を含み、前記バイアホール構造は、前記回路基板本体内に導電層により囲まれて形成されたホールを含み、前記導電層は前記ホールのホール壁を構成し、前記バイアホール構造は、誘電体充填層をさらに含み、少なくとも一部の前記ホール壁と前記回路基板本体との間に、前記誘電体充填層が設けられており、前記誘電体充填層の誘電率は、前記回路基板本体の誘電率よりも小さい、回路基板を提供している。
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明実施例では、デバイス本体および上記回路基板を含むデバイスをさらに提供しており、前記回路基板は前記デバイス本体上に設けられる。
【0008】
上記技術課題を解決するために、本発明実施例では、多層構造の回路基板本体に第1ホールを形成し、前記第1ホール内に誘電体を充填し、前記誘電体の誘電率は、前記回路基板本体の誘電率よりも小さく、前記第1ホール内の誘電体領域には、前記誘電体を貫通する第2ホールが設けられており、前記第2ホールの孔径は前記第1ホールの孔径より小さく、前記第2ホールのあいている誘電体が誘電体充填層となるよう設けられており、前記第2ホールのホール壁に導電層を形成することで、バイアホール構造を取得し、そのうち、前記導電層は囲んでホールを形成し、前記導電層は前記ホールのホール壁を構成する、バイアホール構造の形成方法を提供している。
【0009】
本発明の有益な効果は、本発明の実施例により提供される回路基板、デバイスおよびバイアホール構造の形成方法によれば、回路基板の回路基板本体に形成されるバイアホール構造は、回路基板本体内に導電層により囲まれて形成されるホールを含み、導電層はホールのホール壁を構成し、かつ当該ホールの少なくとも一部のホール壁と回路基板本体との間に、誘電率が回路基板本体の誘電率より小さい誘電体充填層が設けられており、即ち、いくつかの実施過程において、バイアホールの周囲の誘電体の誘電率が回路基板本体の誘電率よりも小さくなるようにして、バイアホールの寄生容量を低下させ、バイアホールのインピーダンスを向上させ、伝送路のインピーダンスにより近づけて、システムリンクのインピーダンス連続性を効果的に向上させることができる。
【0010】
本発明のその他の特徴および対応する有益な効果は、明細書の後の部分において説明されており、少なくとも一部の有益な効果は、本発明の明細書の記載から明らかになっていることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の実施例1に係る回路基板構造の構成図1である。
図2図2は本発明の実施例1に係る回路基板構造の構成図2である。
図3図3は本発明の実施例1に係る回路基板構造の構成図3である。
図4図4は本発明の実施例1に係る回路基板構造の構成図4である。
図5図5は本発明の実施例1に係る回路基板構造の構成図5である。
図6図6は本発明の実施例2に係るバイアホール形成方法のフローチャートである。
図7図7は本発明の実施例2に係る1回目の開孔断面構造の構成図である。
図8図8は本発明の実施例2に係る1回目の開孔平面の構成図である。
図9図9は本発明の実施例2に係る誘電体を充填した後の断面構造の構成図である。
図10図10は本発明の実施例2に係る誘電体を充填した後の平面の構成図である。
図11図11は本発明の実施例2に係る2回目の開孔断面構造の構成図である。
図12図12は本発明の実施例2に係る2回目の開孔平面の構成図である。
図13図13は本発明の実施例2に係る別の2回目の開孔断面構造の構成図である。
図14図14は本発明の実施例2に係る別の2回目の開孔平面の構成図である。
図15図15は本発明の実施例2に係る導電層形成後の断面構造の構成図である。
図16図16は本発明の実施例2に係る導電層形成後の平面の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下では、具体的な実施の形態と図面により本発明の実施例をより詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本発明を説明するためだけに用いられるものであり、本発明を限定するために用いられないことを理解されたい。
【0013】
実施例1:
少なくとも回路基板上のバイアホールのインピーダンスを向上させるために、回路基板上の伝送路のインピーダンスにより近づけ、システムリンクのインピーダンス連続性を向上させる。本発明の実施例は、バイアホール構造が設けられた回路基板を含み、当該バイアホール構造は、回路基板本体内に導電層により囲まれて形成されたホールを含み、導電層は当該ホールのホール壁を構成し(当該ホールとホール壁の構成過程)、また当該ホールの少なくとも一部のホール壁と回路基板本体との間には、基板本体の誘電率よりも誘電率が小さい誘電体充填層が設けられており、即ち、回路基板本体に形成されたバイアホールと回路基板本体との間に、回路基板本体自体の誘電率よりも誘電率が小さい誘電体充填層を設けて、バイアホール周囲の誘電体の誘電率を回路基板本体の誘電率よりも小さくし、バイアホールの寄生容量を低下させる。そのうち、バイアホールの寄生容量の計算方法は、以下の式(1)で示される。
【0014】
【数1】
【0015】
上記の式(1)において、Cはバイアホールの寄生容量を表し、Tは回路基板本体の厚さを表し、Dはバイアホールのアンチパッドの直径を表し、Dはパッド径を表し、εは回路基板本体板材の誘電率を表している。式(1)から分かるように、バイアホールの寄生容量は基板本体の板材の誘電率に比例しているため、本実施例では、バイアホールと回路基板本体の間に誘電率が回路基板本体自身の誘電率より小さい誘電体充填層を設けることにより、従来のバイアホールの周囲が回路基板本体の材質である構造に対して、バイアホール周囲の誘電体の誘電率を小さくすることができ、また即ち、ε値を減少させ、さらに、バイアホールの寄生容量Cを減少させ、バイアホールのインピーダンスを増大させ、システムリンクのインピーダンス連続性を向上させる。
【0016】
本実施例で提供される一例の回路基板構成は、図1に示すように、多層構造の回路基板本体10を含み、図1の一番上の層が回路基板本体10のトップ層であり、一番下の層が回路基板本体10のアンダー層であると仮定する。回路基板本体10に、バイアホール構造を形成し、当該バイアホール構造には回路基板本体10内に導電層より囲まれて形成されたホール12が形成されており、このときの導電層はホール12のホール壁11を構成し(ホール12とホール壁11は本実施例におけるバイアホールを構成する)、前記バイアホール構造は、誘電体充填層13をさらに含み、ホール壁11の少なくとも一部の領域と回路基板本体10との間に、誘電率が回路基板本体10の誘電率より小さいメデイア充填層13が設けられている。
【0017】
本実施例におけるメデイア充填層13は、回路基板本体10よりも誘電率が小さい単材質の誘電体で構成されてもよいということが理解されるべきである。基板本体10の誘電率よりも誘電率が小さい複数の材質の誘電体から構成されてもよい。また、具体的に採用された誘電体の誘電率の大きさおよび具体的な誘電体の材質は、システムに応じて柔軟に選択されてもよく、例えば、当該誘電体は樹脂を含むが、これに限定されず、誘電体が樹脂である場合、当該誘電体はポリエチレン、ベンゼン、シクロブテン、ポリテフロン(またはテフロン)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。誘電体の誘電率も柔軟に選択することができ、回路基板本体10の誘電率よりも小さいか、あるいは、現在のバイアホールのインピーダンスの需要を満たしていればよい。
【0018】
本実施例において、導電層は囲んでホール12を形成し、即ち、ホール12のホール壁11に用いられる導電材である。ホール壁11を形成する具体的なプロセスも柔軟に選択することができ、例えば、様々な金属めっきをするプロセス(例えば電解めっきを含むが、これに限定されない)を含むがこれに限定されないプロセスによってホール壁11を形成する。
【0019】
本実施例においては、ホール12の断面の形状は円形を含むが、これに限定されず、具体的な応用ニーズに応じて柔軟に設定することができ、例えば、ホール12の断面を楕円形または他の需要を満たすことのできる形状に設定する場合がある。
【0020】
本実施例では、ホール壁11の少なくとも一部の領域と回路基板本体10との間に、誘電体充填層13が設けられている。いくつかの例(例えば、図3を参照)では、ホール壁11全体と回路基板本体10との間に、誘電体充填層13が設けられている。また、図1および図2に示すように、ホール壁11の一部の領域と回路基板本体10との間だけに、誘電体充填層13を設けてもよい。需要と具体的な実施プロセスによって、具体的にどのような設定方式を採用するかを柔軟に選択することができる。
【0021】
例えば、図1を参照すれば分かるように、一例において、回路基板本体10の多層構造は、前記バイアホール構造に対応するターゲット信号層101を含む。ホール12の下端は、回路基板本体10の厚さ方向に沿って回路基板本体10内に延び、回路基板本体10内の対応するターゲット信号層101まで延びている。ホール12のホール壁11の、対応するターゲット信号層内101に位置する部分の少なくとも一部がターゲット信号層101と直接接触し、即ち、ホール12のホール壁11の、ターゲット信号層内101の部分のうち、少なくとも一部とターゲット信号層101との間に誘電体充填層13がなく、これにより対応するターゲット信号層101との間の電気的接続を実現する。図1に示す例では、ホール12のホール壁11は、対応するターゲット信号層101内の部分の全てと、対応するターゲット信号層101との間に誘電体充填層13がなく、即ち、対応するターゲット信号層101に直接接触する。ホール12のホール壁には、ターゲット信号層101以外の部分と回路基板本体10との間に、誘電体充填層13が設けられている。
【0022】
さらに、例えば、一例では、図2に示すように、ホール12のホール壁11上の、対応するターゲット信号層101内に位置する部分の上部とターゲット信号層101との間に、誘電体充填層13を設置し、ホール12のホール壁11には、対応するターゲット信号層101内に位置する部分の下部とターゲット信号層101との間に誘電体充填層13がなく、また、ホール12のホール壁11の、対応するターゲット信号層101以外に位置する部分と回路基板本体10との間に、誘電体充填層13が設けられている。
【0023】
図1および図2の例に示されている誘電体充填層13の設定方法では、回路基板本体10にホールをあけて誘電体充填層13を設けた場合、あけようとするホールの孔径が一般のバイアホールのそれよりも大きいため、開孔時はターゲット信号層101まで伸びず、またはターゲット信号層101の一部だけまで伸びてターゲット信号層101を貫通せず、例えばターゲット信号層101内まで延びて、ターゲット信号層101内の対応するターゲット回路の上に位置し、ターゲット信号層101上の回路やパッドの破壊を回避することで、回路基板の信頼性を保証する。
【0024】
本実施例では、ホール12の上端は、ホール12の下端と対向しており、ホール12の上端は、回路基板本体10の厚さと逆の、回路基板本体10の上層方向または下層方向に沿って延びることができる。即ち、本実施例におけるバイアホールは、回路基板本体10のトップ層(即ちTOP層)から回路基板本体内の対応するターゲット信号層に開設してもよく、回路基板本体10のアンダー層(即ちBOT層)から回路基板本体10内の対応するターゲット信号層に開設してもよい。例えば図4に示すように、回路基板本体10のアンダー層(即ちBOT層)から回路基板本体10内の対応するターゲット信号層に開設してもよく、ホール12の上端は回路基板本体10のアンダー層に位置している。
【0025】
本実施例では、ホールの下端とは、回路基板本体10にホールをあけたときに、回路基板本体10内部に延びる一端を指し、ホールの上端とは当該下端と対向する他端を指すということを理解すべきである。例えば、一例では、回路基板本体10のトップ層から下(即ち回路基板本体10内部)にホールをあけた場合、得られたホールの下端は回路基板本体10の内部の端に位置し、ホールの上端は回路基板本体10のトップ層にある端に位置する。また、例えば、一例では、回路基板本体10のアンダー層から上(即ち回路基板本体10内部)にホールをあけた場合、得られたホールの下端は回路基板本体10の内部の端に位置し、ホールの上端は回路基板本体10のアンダー層にある端に位置する。
【0026】
また、いくつかの例では、ホール12の上端と下端は、回路基板本体10内の、接続する必要がある2つの信号層の中にあってもよく、この2つの層の信号層のそれぞれの回線を接続するために用いられてもよいことが理解されるべきである。この2つの信号層は、いずれも回路基板本体10の内部に位置する場合も、1つの層が回路本体10の内部にあり、もう1つの層が回路基板本体10のトップ層やアンダー層などにある場合もある。例えば、図5に示すように、2つの信号層が回路基板本体10の内部にある場合には、回路基板本体10の内部に本実施例が提供するバイアホール構造を形成することができ、図5に示すバイアホール構造を埋込み式バイアホールと呼ぶことができる。
【0027】
本実施例において、回路基板本体10に設ける必要があるバイアホール構造の個数および各バイアホール間の距離、サイズ関係は、具体的なシステムニーズに応じて柔軟に設定されてもよく、例えば、1つのバイアホール構造を設けてもよいし、具体的なニーズに応じて、2つ以上のバイアホール構造を設けてもよいし、例えば差動デバイスの応用シーンに用いる2つのバイアホール構造を設定してもよいし、3つ以上のバイアホール構造を設定して、対応するアプリケーションシーンのニーズに対応するようにしてもよい。また、本実施例では、回路基板本体10に少なくとも2つのバイアホール構造が設けられている場合には、一部のバイアホール構造を本実施例で提供されたバイアホール構造とし、残りのバイアホールを他のバイアホール構造としてもよい。なお、本実施例においては、各バイアホールのアンチパッド構造は、各種のアンチパッド構造を採用することができ、本実施例においてはこれに対してはいかなる制限もしないことが理解されるべきである。よって、本実施例では、回路基板本体10に形成された上記バイアホール構造は、片端信号のバイアホールに適用可能であり、差動信号のバイアホールにも適用可能である。また、使用されるバイアホールアプリケーションシーンには、BGA(Ball Grid Array、半田ボールアレイパッケージ)のバイアホール、圧着コネクタのバイアホール、交流結合容量ファンアウトバイアホール、チップの長方形のパッドファンアウトバイアホール、溶接コネクタのパッドファンアウトバイアホールなどが含まれているが、これらに限定されない。
【0028】
また、本実施例で提供されるバイアホール構造は、スルーホールだけでなく、レーザブラインドビア、機械ブラインドビア、埋込み式のホール、POFV(Plating Over Filled Via、皿のホール)などを含むが、これらに限定されないことが理解されるべきである。
【0029】
また、本実施例は、バイアホール構造を有する回路基板を採用する必要のあるさまざまなデバイスであってもよく、デバイス本体と上記のような回路基板を備え、当該回路基板はデバイス本体上に設けられる。
【0030】
本実施例によって提供されるバイアホール構造は、回路基板本体よりも誘電率が小さい誘電体をホールと回路基板本体の間に充填し、さらに、バイアホール周囲の誘電体の誘電率を減少させることにより、バイアホールの寄生容量を低減し、バイアホールのインピーダンスを改善し、伝送路のインピーダンスに近づけ、システムリンクのインピーダンス連続性を効果的に向上させている。また、本実施例で提供されたバイアホール構造は、他のバイアホールインピーダンスを向上させ、かつ結合可能な構造と組み合わせて使用されてもよく、バイアホールインピーダンスを増大させる効果を高めることができる。例えば、バイアホールのアンチパッドをある程度拡大したり、バイアホールの孔径をある程度減らすことができるが、これらに限定されない。
【0031】
実施例2:
理解しやすくするために、本実施例では、1つのバイアホール構造の形成方法に関連して例示的に説明する。本実施例によって提供されるバイアホール構造の形成方法によって得られるのは、上記実施例に示したバイアホール構造に限定されるものではない。そのうち、1つのバイアホール構造の形成方法の例示的なプロセスは、図6を参照すれば分かるように以下のステップを含む。
【0032】
多層構造の回路基板本体に第1ホールを形成するステップS601。
【0033】
本ステップで回路基板本体に形成される第1ホールは、誘電率が回路基板本体よりも小さい誘電体を設定するためであり、これにより誘電体充填層を形成する。第1ホールの具体的な開孔の深さと孔径の大きさは柔軟に設定でき、第1ホールの具体的な開設方法は、様々な開孔方法が用いられ、例えば、穴をあけることにより実現することを含むが、これに限定されない。
【0034】
第1ホール内に誘電体を充填するステップS602。
【0035】
本ステップにおいて、第1ホールに誘電体を充填する方法は、例えば、射出成形、沈殿、押圧などのプロセスを用いて誘電体の充填を実現することを含むが、これらに限定されず、具体的な応用シーンに応じて柔軟に設定することもできる。
【0036】
また、誘電体充填層と回路基板本体の各層が一体となって成形することをプロセスが支援する場合にも、このような一体成形プロセスを用いて、回路基板の対応する層の対応する領域に誘電体充填層を形成することができることを理解されたい。本実施例では、誘電体充填層は、誘電率が回路基板本体の誘電率よりも小さい1つの材質の誘電体から構成されてもよいし、回路基板本体の誘電率よりも誘電率が小さい複数の材質の誘電体から誘電体充填層構成されてもよい。例えば、誘電率が2.6、2.5、2.4以下の誘電体を採用し、また、例えば、当該誘電体は、樹脂を含むが、これに限定されない。
【0037】
第1ホール内の誘電体領域内に誘電体を貫通する第2ホールを開設し、第2バイアホールを開設した誘電体を誘電体充填層に形成するステップS603。
【0038】
本実施例では、第2ホールと第1ホールは同心ホールであってもよく、同心ホールでなくてもよい。また、第2ホールの開孔の深さは第1ホール以上であり、第2ホールの孔径は第1ホールの孔径より小さい。
【0039】
第2ホールのホール壁に導電層を形成してバイアホール構造を取得し、そのうち、前記導電層は囲んでホールを形成し、前記導電層はホールのホール壁を構成するステップS604。
【0040】
当該ステップにおける導電層および導電層に囲まれて形成されたホール(導電層が当該ホールのホール壁を構成する)は、本実施例におけるバイアホールを構成し、かつ当該導電層の形成プロセスも柔軟に選択可能である。当該導電層を通して、バイアホールを利用して接続することが必要な各信号層の対応する回線を接続することができる。
【0041】
図6に示すバイアホール形成方法により得られたバイアホール構造は、バイアホールと回路基板本体との間に、回路基板本体よりも誘電率が小さい誘電体充填層を形成し、バイアホールの寄生容量を低減し、バイアホールのインピーダンスを向上させ、伝送路のインピーダンスに近づけ、システムリンクのインピーダンス連続性を効果的に向上させた。また、本実施例で提供されるバイアホール構造の形成方法は、さらに少なくとも以下の利点を備える。
【0042】
回路基板(例えば、PCBを含むが、これに限らない)の設計と加工に有利である。関連する、バイアホール孔径を小さくすることによりバイアホールインピーダンスを向上させる方法には、PCBの径厚比が大きいほど、加工の難易度が高くなり、コストと歩留まりが保証されにくいという問題があるが、これに対し、本実施例は、バイアホール周囲の誘電体充填層の誘電率を低減する方法により、バイアホールインピーダンスを増加させており、バイアホール孔径を小さくすることでバイアホールインピーダンスを向上させる必要がなく、加工の難しさを大幅に低減し、加工コストを低減し、歩留まりを向上させた。
【0043】
インピーダンスの連続性を向上させることに有利である。バイアホールの周囲の誘電率が減少し、これによりバイアホールの寄生容量が減少することで、バイアホールのインピーダンスが増加し、ターゲット回路のインピーダンスにより近づき、システムリンクのインピーダンス連続性が効果的に向上する。
【0044】
上述したように、本実施例においては、第2ホールの開孔の深さは、第1ホール以上であってよい。例えば、1つの例では、第1ホールの下端は回路基板本体の厚さ方向に沿って回路基板本体に延び、回路基板本体内の対応するターゲット信号層の1つ上の層(もちろん、ターゲット信号層の上の他の層であってもよく、具体的には必要に応じて柔軟に設定してよい)に延びたり、ターゲット信号層内の対応するターゲット回路上まで伸びる。
【0045】
第2ホールの下端は回路基板本体内に延び、ターゲット信号層まで伸びる。
【0046】
理解しやすくするために、本実施例は、次の実施例において、1つの完成された製造プロセスに関連して例示的に説明する。
【0047】
図7および図8を参照すると、回路基板本体10はn層を有し、穴あけによって第1ホールまたは第2ホールを形成すると仮定する。ターゲット信号層101は、Lm2層上にあると仮定する。この例では、回路基板本体10のトップ層TOP層から第m1(1<m1<n)層(即ち、Lm1層)まで1回目の穴あけをして第1ホール14が得られ、第1ホール14の直径はDs1である。
【0048】
図9および図10を参照して、第1ホール14に誘電体を設け、例えば、低誘電率の誘電体を採用して第1ホール14を塞ぎ、ここで低誘電率とは、回路基板本体10の誘電率よりも低い誘電率を指す。例えば、回路基板本体10がガラス繊維材である場合には、誘電率がガラス繊維の誘電率より低い材質を誘電体充電層に採用し、例えば、樹脂を含むが、これに限定されない。
【0049】
図11および図12を参照して、2回目の穴あけを行い、2回目の穴あけは第1ホールの内部に位置し、回路基板本体10のトップ層TOP層からm2(m1<m2<n)層まで穴あけをして第2ホール15を取得し、第2ホール15の直径はDs2であり、かつDs2はDs1より小さい。第1ホールに充填された誘電体は、第2ホール15を通ったあと、誘電体充填層13として形成される。
【0050】
この例では、2回目の穴あけは第1のバイアホール内部に位置しており、第1ホールの中心から穴をあけて第1ホールと同心する第2ホール15を得ることに限らず、任意の位置であってもよい。例えば、図13および図14を参照すると、第2ホール15は、第1ホール14内の任意の偏心位置に位置してもよい。
【0051】
図15および図16を参照して、第2ホール15内に電気めっき等のプロセスにより導電層11が形成され、導電層11は囲んでホール12を形成する。
【0052】
理解しやすくするために、本実施例は、以下のいくつかの具体的な応用シーンで、バイアホール構造の形成過程を例示して説明する。
【0053】
シーン1:高速プレートコネクタ差動圧着ホール
【0054】
多くのデバイスが高速コネクタを使用しているが、いくつかの応用例では、関連する設計は一般的に、圧着バイアホールのインピーダンスを80~85オームの間に保証しており、100オームのシステムにとって不連続であれば、リンクの不連続性を増加させる。特に400Gなどの応用シーンに対しては、信号速度がより高く、信号エッジがより急峻であれば、バイアホールインピーダンスに対する要求がより高い。いくつかの例示的なタイプのコネクタに対して、差動バイアホールの穴あけの直径は0.4mm、アンチパッドの直径は1.2mmであり、この応用シーンにおいてPCBの層数は24層であると仮定し、M6G板を採用し、誘電率は3.5であり、ターゲット信号層はL10層である。この応用シーンのバイアホール構造の形成プロセスは、以下のことを含む。
【0055】
TOP層からL9層までの誘電体をpp(pre-pregnant、半硬化板)/core(内芯板)/ppの順に第一子板(即ち回路基板本体の一部)として圧着し、第一子板に1回目の穴あけを行い、穴あけ直径Ds1は1.0mmであり、高速コネクタは差動信号を採用するので、第一子板の穴あけ数は2個であり、1.2mmのホール中心距離を設定する。
【0056】
第一子板の穴あけが終わったら、低誘電率誘電体(例えば、誘電率2.6の誘電体)を用いてホールを塞いで、誘電体充填層を得る。
【0057】
BOTTOM層からL12層までの誘電体をpp/core/ppの順に圧着して第二子板にし、第二子板に一回穴をあけて、穴あけ直径Ds1=1.0mm、穴あけ数は2個で、1.2mmのホール中心距離を設定する。
【0058】
第二子板の穴あけが終わったら、低誘電率誘電体(例えば、誘電率が2.6の誘電体)を用いてホールを塞いで、誘電体充填層を得る。
【0059】
第一子板、L10~L11層のコアプレートと第二子板を圧着した後、それぞれ前に得られたホール内の誘電体充填層領域の穴あけ中心を二次穴あけし、穴あけ直径Ds2=0.4mmとする。
【0060】
次に二回目の穴あけから得られたホールに電気めっきをして対応するホールを得る。
【0061】
本応用シーンでは、上記実施形態により、高速コネクタの差動バイアホールの周囲の誘電体の誘電率が3.5から2.6に低減され、差動バイアホールの寄生容量が効果的に低減され、差動バイアホールインピーダンスが向上し、システムリンクインピーダンスの連続性が改善される。
【0062】
シーン2:高速板BGAの差動ファンアウトバイアホール
【0063】
高速チップはBGAパッケージ方式を採用することができ、BGAファンアウトのバイアホールのインピーダンス連続性はシステムリンクインピーダンスの連続性に影響する重要な要素である。
【0064】
本応用シーンにおいて、回路基板本体の厚さは3mm、BGA差動バイアホール穴明け直径0.2mm、回路基板本体の誘電体はM6G、誘電率は3.5で、ターゲット信号層はL10層であり、この応用シーンの一種のバイアホール構造の形成過程は以下を含む。
【0065】
TOP層からL9層までの誘電体をpp(pre-pregnant、半硬化板)/core(内芯板)/ppの順に第一子板として圧着し、第一子板に1回目の穴あけを行い、穴あけの直径Ds1は0.7mmであり、高速チップに差動信号を採用するため、穴あけの数は2つであり、ホール中心距離は1mmであると仮定する。
【0066】
第一子板の穴あけが終わったら、低誘電率誘電体(例えば、誘電率2.4の誘電体)でホールを塞いで誘電体充填層を得る。
【0067】
BOTTOM層からL12層までの誘電体をpp/core/ppの順に圧着して第二子板にし、第二子板に一回穴をあけて、穴あけ直径Ds1=0.7mm、穴あけ数は2個で、ホール中心距離を1mmとする。
【0068】
第二子板の穴あけが終わったら、低誘電率誘電体(例えば、誘電率2.4の誘電体)でホールを塞いで誘電体充填層を得る。
【0069】
第一子板、L10~L11層のコアプレートと第二子板を圧着した後、それぞれ前に得られたホール内の誘電体充填層領域の穴あけ中心を二回穴あけし、穴あけ直径Ds2=0.2mmとする。
【0070】
次に2回目の穴あけから得られたホールに電気めっきをして対応するバイアホールを得る。
【0071】
本応用シーンでは、上記実施の形態によりBGA差動バイアホール周囲の誘電体の誘電率を3.6から2.4に低減し、差動バイアホールの寄生容量を効果的に低減することで、差動バイアホールインピーダンスを向上させ、システムリンクインピーダンスの連続性を改善することができる。
【0072】
シーン3:高密板レーザブラインドビア
【0073】
高密板においては、内層配線空間を占有しないために、レーザブラインドビアを採用し、本実施例によって提供されたバイアホール構造を利用すれば、レーザブラインドビアの穴あけ性能を効果的に向上させることができる。例えば、回路基板本体の厚さは3mm、BGA差動バイアホールの穴あけ直径0.25mm、回路基板本体の誘電体は誘電体M4S、誘電率は3.6、信号はTOP層からL3層に切り替わると仮定して、この応用シーンのバイアホール構造の形成過程は以下を含む。
【0074】
TOP層からL3層までの誘電体をpp/coreの順に第一子板として圧着し、圧着した後に機械穴あけ(即ち、1回目の穴あけ)ができ、この回のドリルはL2層を貫通するがL3層は貫通しない。
【0075】
第一子板の穴あけが終わったら、低誘電率誘電体(例えば誘電率が2.0の誘電体)を用いてホールを塞いで誘電体充填層を得る。
【0076】
L4層からBOTTOM層までの誘電体をpp/core/ppの順に第2子板として圧着する。
【0077】
第一子板と第二子板を二次圧着する。
【0078】
誘電体充填層領域内でTOPから下にレーザ穴あけ(即ち2回目の穴あけ)を行い、L3層を貫通してからレーザ穴あけによりホールを得て電気めっきして導電層のホール壁として形成した。
【0079】
本応用シーンでは、上記実施形態による高密板レーザブラインドビア周囲の誘電体の誘電率を3.6から2.0に低減し、バイアホールの寄生容量を効果的に低減することで、バイアホールインピーダンスを向上させ、リンクインピーダンスの連続性を改善することができる。
【0080】
本実施例で提供されるバイアホール構造は、上記の例のいくつかの応用シーンに適用されることに限定されないことを理解されたい。また、バイアホールインピーダンスを向上させ、結合可能な他の構造を組み合わせて使用することができ、例えば、バイアホールのアンチパッドを一定の程度拡大して穴をあけたり、バイアホールの孔径をある程度小さくして、さらにバイアホールインピーダンスを増大させ、伝送路のインピーダンスにより近づけて、システムリンクのインピーダンス連続性を効果的に向上させることができる。
【0081】
ここから分かるように、当業者は、上記で開示された方法のすべてまたはいくつかのステップ、システム、デバイス内の機能モジュール/ユニットが、ソフトウェア(計算装置で実行可能なコンピュータプログラムコードで実現できる)、ファームウェア、ハードウェア、および適切な組み合わせとして実装され得ることを理解するだろう。ハードウェアの実施形態では、上述した機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的コンポーネントの区分に対応していない。例えば、1つの物理的コンポーネントは、複数の機能を有してもよく、または、1つの機能またはステップは、いくつかの物理的コンポーネントによって共同で実行されてもよい。いくつかの物理的コンポーネントまたはすべての物理的コンポーネントは、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサまたはマイクロプロセッサによって実行されるソフトウェアのようなプロセッサとして実装されてもよく、またはハードウェアとして実装されてもよく、または専用集積回路のような集積回路として実装されてもよい。
【0082】
さらに、当業者にとって周知のように、通信メディアは、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、または搬送波または他の伝送機構のような変調データ信号の他のデータを含み、任意の情報伝達媒体を含むことができる。したがって、本発明は、任意の特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0083】
以上の内容は、具体的な実施形態に関連して本発明の実施形態についてさらに詳細に説明したものであり、本発明の具体的な実施はこれらの説明に限定されているとは認められない。当業者にとっては、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推論または代替を行うことができ、いずれも本発明の保護範囲に属するものと見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16