(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】天板昇降式什器
(51)【国際特許分類】
A47B 9/00 20060101AFI20221118BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20221118BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20221118BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
A47B13/00 B
A47B13/08 A
A47B17/00 A
(21)【出願番号】P 2017209216
(22)【出願日】2017-10-30
(62)【分割の表示】P 2015093612の分割
【原出願日】2015-04-30
【審査請求日】2018-04-02
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
【合議体】
【審判長】居島 一仁
【審判官】住田 秀弘
【審判官】西田 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0230992(US,A1)
【文献】実開昭51-80302(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0423490(KR,Y1)
【文献】特開平6-225813(JP,A)
【文献】特開2013-70769(JP,A)
【文献】特開2003-111624(JP,A)
【文献】特開平9-299152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/00- 9/20
A47B 13/08-13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部
を備える天板昇降式什器。
【請求項2】
前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている請求項1に記載の天板昇降式什器。
【請求項3】
前記固定部は、前記物品落下防止部材が設けられた前記天板の端部の範囲全体にわたって設けられている請求項1または請求項2に記載の天板昇降式什器。
【請求項4】
前記天板の端部と平行に延びるように設けられ個別空間を確保するための仕切りパネルを備え、
前記物品落下防止部材は、前記仕切りパネルが設けられた側の前記天板の端部に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。
【請求項5】
前記物品落下防止部材と前記天板の端部との間に、配線を挿通可能な配線挿通空間が形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降式の天板を備えたデスク装置、テーブル装置、カウンター装置等の天板昇降式什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等においては、各種作業等を行うことのできる天板を備えたデスク装置、テーブル装置、カウンター装置等の天板付き什器が用いられている。
このような天板付き什器においては、使用者の姿勢、体格、性別、好み等によって、作業のしやすい天板の高さは個々に異なる。したがって、天板の高さを上下に変更可能とする昇降機能を備えた天板昇降式什器が多用されている。
【0003】
さらに、特許文献1に示すように、脚体に複数枚の天板を備え、それぞれの天板に高さ調整機能を備えた脚体を備えた構成の天板昇降式什器が提案されている。このような構成の天板昇降式什器においては、脚体を共通としながら、複数の天板のそれぞれで天板の高さを個別に調整することができる。
【0004】
このように複数の天板を備えた天板昇降式什器において、それぞれの天板上の空間を周囲から仕切って個別空間を確保するため、互いに対向又は隣接する天板同士の間に中間仕切パネルを設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、互いに対向又は隣接する天板同士の間に中間仕切パネルを設けた構成において、それぞれの天板の高さ調整を可能とするには、天板を昇降させる際に中間仕切パネルと干渉しないように、天板と中間仕切パネルとの間に隙間を設ける必要がある。
しかし、天板と中間仕切パネルとの間に隙間があると、天板上で作業等を行っている際に、天板上で使用している各種の物品が天板から落下してしまうことや、この隙間にはまり込んでしまうことがあり、使い勝手の面で改善の余地がある。
そこでなされた本発明の目的は、天板上で使用している物品が天板から落下することを規制できる天板昇降式什器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明に係る天板昇降式什器は、天板部と、前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、 操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、前記天板部は、前記支持脚上に支持された天板と、前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える。
【0008】
また、この発明に係る天板昇降式什器では、前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられているようにしてもよい。
また、この発明に係る天板昇降式什器では、前記物品落下防止部材は、前記天板から垂直に立ち上がる板状の部材であるようにしてもよい。
【0009】
また、この発明に係る天板昇降式什器では、前記天板の端部と平行に延びるように設けられ個別空間を確保するための仕切りパネルを備え、前記物品落下防止部材は、前記仕切りパネルが設けられた側の前記天板の端部に設けられているようにしてもよい。
【0010】
さらに、上記天板昇降式什器では、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備えるようにしてもよい。
【0011】
また、この発明に係る天板昇降式什器では、前記固定部は、前記物品落下防止部材が設けられた前記天板の端部の範囲全体にわたって設けられているようにしてもよい。
【0012】
また、この発明に係る天板昇降式什器では、前記物品落下防止部材と前記天板の端部との間に、配線を挿通可能な配線挿通空間が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る天板昇降式什器によれば、天板上で使用している物品が天板から落下することを規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態に係る天板昇降式什器の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】上記第1の実施形態における天板昇降式什器の側面図である。
【
図3】上記第1の実施形態における天板に対する個別仕切パネルの取付構造を示す斜視図である。
【
図4】第2の実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【
図5】上記第2の実施形態に係る天板昇降式什器の側面図である。
【
図6】上記第2の実施形態の第一変形例における天板昇降式什器の側面図である。
【
図7】第3の実施形態に係る天板昇降式什器の側面図である。
【
図8】上記第3の実施形態に係る天板昇降式什器の変形例を示す側面図である。
【
図9】上記第3の実施形態に係る天板昇降式什器の他の変形例による天板部を示す斜視図である。
【
図10】上記第3の実施形態に係る天板昇降式什器の更に他の変形例による天板部を示す斜視図である。
【
図11】天板に対する個別仕切パネルの取付構造の変形例を示す斜視図である。
【
図12】(a)は上記第3の実施形態に係る天板昇降式什器の更なる他の変形例の天板と個別仕切パネルとの間に配線挿通空間が形成されている様子を示す図で(b)のA-A線断面図、(b)は(a)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明による天板昇降式什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る天板昇降式什器の全体構成を示す斜視図である。
図2は、天板昇降式什器の側面図である。
図3は、天板に対する個別仕切パネルの取付構造を示す斜視図である。
図1、
図2に示すように、デスク装置(天板昇降式什器)10Aは、脚体11と、天板部20A,20Bと、中間仕切パネル30Aと、を備えている。
この実施形態において、天板部20A,20Bは、平面視長方形の天板21A,21Bを備えており、天板21A,21Bは、平面視した状態で、それぞれの短辺方向において互いに対向している。以下の説明において、天板21A,21Bが互いに対向する方向(短辺方向)を対向方向、天板21A,21Bの長手方向に沿った方向を幅方向、デスク装置10Aが設置される床面Fに直交する方向を上下方向と適宜称する。
【0017】
脚体11は、床面Fに沿って設けられるベース部材12,12と、各ベース部材12上に設けられて上下方向に延びる天板部20A,20Bを支持する支持脚部材(支持脚)13,13,…と、を備えている。
【0018】
ベース部材12,12は、幅方向に沿って間隔を空けて配置され、デスク装置10Aの幅方向両端部に位置するよう設けられている。各ベース部材12の下面には、対向方向の両端部に床面Fに接地する接地部材12f,12fが設けられている。各接地部材12fは、ベース部材12から下方への突出寸法が調整可能であり、これによってベース部材12の高さおよび水平レベルを調整できるようになっている。
【0019】
支持脚部材13は、各ベース部材12の長さ方向(対向方向)の一端部12aと他端部12bとに、それぞれ設けられている。各支持脚部材13は、ベース部材12の上面12uに固定された第一筒部13xと、第一筒部13x内に上下方向に移動可能に挿入された第二筒部13yと、第二筒部13y内に上下方向に移動可能に挿入された第三筒部13zと、を有している。第一筒部13x、第二筒部13y、第三筒部13zは、それぞれ角筒状をなしている。各支持脚部材13は、第一筒部13xに対し、第二筒部13y、第三筒部13zが上下方向に沿って出没することで、上下方向の長さが調整可能となっている。
【0020】
さらに、デスク装置10Aは、支持脚部材13の動作を制御する制御ユニット(不図示。以下同じ。)と、制御ユニットに昇降動作信号を入力するための操作部19と、を備えている。
制御ユニットは、例えば、天板21A,21Bの下面等に固定されている。この制御ユニットには、デスク装置10Aが配置される執務空間に設けられた商用電源に接続される電源ケーブル(不図示。以下同じ。)が接続されている。
【0021】
操作部19は、天板21A,21Bの下面に設けられている。操作部19は、制御ユニットに、配線ケーブル(不図示。以下同じ。)を介して電気的に接続されている。
利用者が操作部19に対して所定の操作を入力すると、操作部19から配線ケーブルを介し、制御ユニットに操作信号が送信される。制御ユニットは、操作部19から操作信号を受信すると、受信した信号に基づいて支持脚部材13に昇降動作を実行させる指令信号を出力する。各支持脚部材13は、指令信号を受信すると、その指令信号に応じて、例えば各支持脚部材13に内蔵された伸縮駆動装置(不図示)によって伸縮駆動され、これによって天板部20A,20Bの高さの調整がなされる。
【0022】
天板部20A,20Bは、天板21A,21Bと、天板21A,21Bのそれぞれに一体的に設けられた個別仕切パネル(物品落下防止部材、板状の部材)22と、を備えている。
【0023】
天板21A,21Bは、幅方向両端部の下面に、対向方向に延びる支持ブラケット23をそれぞれ有している。天板21A,21Bは、これら支持ブラケット23,23を介して、幅方向両端部に位置する支持脚部材13,13の第三筒部13zの上端に連結されている。
【0024】
個別仕切パネル22は、天板21A,21Bのそれぞれにおいて、デスク装置10Aの対向方向中間部に近い側の端部21eに設けられている。個別仕切パネル22は、鉛直面内に位置し、天板21A,21Bの端部21eに沿って幅方向に延びるよう設けられている。
【0025】
図3に示すように、個別仕切パネル22は、例えば、個別仕切パネル22の下端部が挿入される凹溝15aを有した支持部材15を介し、天板21A,21Bの端部21eに固定されている。なお、支持部材15の両端部には、凹溝15aの端部を塞ぐキャップ15cがそれぞれ設けられている。個別仕切パネル22は、上端部が天板21A,21Bの上面より上方に突出している。
支持部材15には、天板21A,21Bの下面にビス16によって締結固定される固定部15bが天板21A,21B側に向かって延出するよう形成されている。天板21A,21Bと支持部材15との間および個別仕切パネル22と支持部材15との間には、隙間がほとんど形成されないように構成されている。
【0026】
そして、個別仕切パネル22の上端部が天板21A,21Bの上面より上方に突出しているとともに、天板21A,21Bと支持部材15との間および個別仕切パネル22と支持部材15との間に隙間がほとんど形成されず、天板21A,21Bと個別仕切パネル22との間が閉塞されているため、天板21A,21B上で使用している物品が対向する天板部20A,20Bの隙間から落下することや、この隙間にはまり込んでしまうことを規制できる。
このような個別仕切パネル22は、アクリル樹脂等、光透過性を有した透過性材料や、表面に布を張設した遮光性材料等によって形成することができる。
【0027】
図1、
図2に戻り、中間仕切パネル30Aは、天板21Aと天板21Bとの間に配置され、鉛直面内に位置して、天板21A,21Bの端部21eと平行に幅方向に延びるよう設けられている。
中間仕切パネル30Aは、デスク装置10Aの幅方向両側に位置するベース部材12,12上に、図示しない取付金具等を介して固定されている。
中間仕切パネル30Aには、例えば、配線等を収容する収容ボックス31(
図1参照)を装着することができる。
【0028】
上記したようにして、デスク装置10Aにおいては、天板21Aと天板21Bとの間に中間仕切パネル30Aが設けられるとともに、天板21A,21Bのそれぞれには、中間仕切パネル30Aに近接する側の端部21eに個別仕切パネル22が設けられている。 このようなデスク装置10Aにおいて、中間仕切パネル30Aの上端30tは、支持脚部材13,13を上方に伸長させて天板部20A,20Bを上昇端位置P1まで上昇させたときに、天板部20A,20Bの下端20s,20sよりも上方に位置するように設けることが好ましい。
ここで、天板部20A,20Bの下端20s,20sとは、天板21A,21Bの下面21f,21fと、個別仕切パネル22の下端22sと、支持部材15とのうち、最も低い位置にある部分を指す。すなわち、天板21A,21Bの下面21f,21fが、個別仕切パネル22の下端22sや支持部材15よりも低い位置に設けられていれば、天板部20A,20Bの下端20s,20sとは、天板21A,21Bの下面21f,21fである。また、個別仕切パネル22の下端22sが、天板21A,21Bの下面21f,21fや支持部材15よりも低い位置に設けられていれば、天板部20A,20Bの下端20s,20sとは、個別仕切パネル22の下端22sである。支持部材15が、天板21A,21Bの下面21f,21fや個別仕切パネル22の下端22sよりも低い位置に設けられていれば、天板部20A,20Bの下端20s,20sとは、支持部材15である。
【0029】
さらに、中間仕切パネル30Aの下端30sは、ベース部材12,12上に固定されて、床面Fの近傍に位置することが好ましい。
このようにすることで、天板部20A,20Bがいかなる高さに設定されていても、天板部20A,20Bよりも下方の空間全体を中間仕切パネル30Aによって仕切ることができる。
【0030】
上述したような天板昇降式什器によれば、互いに対向配置される一対の天板部20A,20Bと、それぞれの天板部20A,20Bを昇降可能に支持する支持脚部材13,13と、一対の天板部20A,20Bどうしの間に配置された中間仕切パネル30Aと、を備えている。さらに、それぞれの天板部20A,20Bは、支持脚部材13,13上に支持された天板21A,21Bと、天板21A,21Bにおいて中間仕切パネル30A側の端部21eに設けられた物品落下防止部材としての個別仕切パネル22と、を備えている。 このように、中間仕切パネル30Aを備えた構成において、天板部20A,20Bのそれぞれに個別仕切パネル22を備えることで、天板部20A,20Bを昇降させるときには、個別仕切パネル22が天板21A,21Bと一体に昇降する。これによって、天板21A,21B上における個別空間を確保するとともに、天板21A,21B上で使用している物品が、天板21A,21Bと中間仕切パネル30Aとの隙間に落下することや、この隙間にはまり込むことを規制し、使い勝手を向上させることができる。
【0031】
さらに、互いに対向する天板部20A,20Bの間に中間仕切パネル30Aを設けるとともに、それぞれの天板部20A,20Bの天板21A,21Bに個別仕切パネル22を設けることで、一対の天板部20A,20Bのそれぞれを昇降させて高さを変更しても、一方の天板21A上における個別空間と、他方の天板21B上における個別空間とを仕切る機能を高めることができる。
【0032】
また、
図2に示すように、中間仕切パネル30Aは、上端30tが、上昇端位置P1における天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置している。さらに、中間仕切パネル30Aは、下端30sが、下降端位置P2における天板部20A,20Bの下端20sよりも下方である床面Fの近傍に位置している。
このように構成することで、一方の天板部20A,20Bが上昇端位置P1にあり、他方の天板部20A,20Bが下降端位置P2にあっても、双方の天板部20A,20Bの間の上下方向の隙間を塞ぐことができる。さらに、中間仕切パネル30Aによって、天板部20A,20Bの下方空間を覆うことができる。これによって、天板部20A,20Bの下方に配置される配線や、利用者の下肢等が見えることを防ぐことができる。
【0033】
このようにして、天板21A,21B上の個別空間の独立性を高めるとともに、多様な利用形態に関わらず仕切機能を確保することが可能となる。
【0034】
また、一方の天板部20A,20Bを支持する支持脚部材13,13と、他方の天板部20A,20Bを支持する支持脚部材13,13と、中間仕切パネル30Aとが、床面Fに沿って延びるベース部材12上に設けられている。
このように構成することで、一方の天板部20A,20Bおよび支持脚部材13,13、他方の天板部20A,20B及び支持脚部材13,13に加え、中間仕切パネル30Aを一体にユニット化することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、天板昇降式什器の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態において、デスク装置10Bの全体的な構成は、上記第1実施形態に示したデスク装置10Aと同様であり、中間仕切パネル30Bの構成のみが異なる。そこで、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図4は、第2の実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
図5は、天板昇降式什器の側面図である。
図4、
図5に示すように、この実施形態におけるデスク装置(天板昇降式什器)10Bは、脚体11と、天板部20A,20Bと、中間仕切パネル30Bと、を備えている。
【0037】
中間仕切パネル30Bは、ベース部材12,12上に、支持フレーム35を介して設けられている。支持フレーム35は、ベース部材12,12にそれぞれ固定され、上方に向かって延びる支柱35a,35aと、支柱35a,35a間に架設された支持板部35bと、を有した門型をなしている。中間仕切パネル30Bは、支持フレーム35の支持板部35bの上面に、図示しない取付金具等を介して固定されている。
【0038】
上記したようなデスク装置10Bにおいて、中間仕切パネル30Bの上端30tは、上記第1の実施形態と同様、支持脚部材13,13を上方に伸長させて天板部20A,20Bを上昇端位置P1まで上昇させたときに、天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置するように設けることが好ましい。
さらに、中間仕切パネル30Bの下端30sは、天板部20A,20Bを下降端位置P2まで下降させた状態で、天板部20A,20Bの下端20s、20sよりも下方に位置するように設けることが好ましい。
このようにすることで、天板部20A,20Bの高さに関わらず、中間仕切パネル30Bの下端30sが、天板部20A,20Bの下端20s、20sよりも下方に位置する。
【0039】
上述したような天板昇降式什器によれば、上記第1の実施形態と同様、互いに対向する天板部20A,20Bの間に中間仕切パネル30Bを設けるとともに、それぞれの天板部20A,20Bの天板21A,21Bに個別仕切パネル22を設けている。これによって、天板21A,21B上における個別空間を確保するとともに、天板21A,21B上で使用している物品が、天板21A,21Bと中間仕切パネル30Bとの隙間から落下することや、この隙間にはまり込むことを規制でき、使い勝手を向上させることができる。
【0040】
また、中間仕切パネル30Bは、上端30tが、上昇端位置P1における天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置している。さらに、中間仕切パネル30Bは、下端30sが、下降端位置P2における天板部20A,20Bの下端20sよりも下方に位置している。
このように構成することで、一方の天板部20A,20Bが上昇端位置P1にあり、他方の天板部20A,20Bが下降端位置P2にあっても、双方の天板部20A,20Bの間の上下方向の隙間を塞ぐことができる。さらに、中間仕切パネル30Aによって、天板部20A,20Bの下方空間の少なくとも一部を覆うことができる。これによって、天板部20A,20Bの下方に配置される配線や、利用者の下肢等が見えることを防止できる。
【0041】
(第2の実施形態の変形例)
図6は、第2の実施形態の第一変形例における天板昇降式什器の側面図である。
上記第2の実施形態では、中間仕切パネル30Bの下端30sは、支持脚部材13,13を短縮させて天板部20A,20Bを下降端位置P2まで下降させた状態で、天板部20A,20Bにそれぞれ設けられた個別仕切パネル22の上端22tよりも下方に位置するように設けた。天板部20Aの高さと天板部20Bの高さとが、いかなる関係にあっても、天板部20Aと天板部20Bとの上下方向の隙間を常に塞ぐのであれば、以下のようにしてもよい。
すなわち、
図6に示すように、この変形例におけるデスク装置(天板昇降式什器)10Cが備える中間仕切パネル30Cは、上端30tが、支持脚部材13,13を上方に伸長させて天板部20A,20Bを上昇端位置P1まで上昇させたときに、天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置するように設ける。
【0042】
また、中間仕切パネル30Cの下端30sは、天板部20A,20Bを下降端位置P2まで下降させた状態で、天板部20A,20Bにそれぞれ設けられた個別仕切パネル22の上端22tよりも下方であって、天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置するように設ける。
【0043】
このような構成によれば、中間仕切パネル30Cは、上端30tが、上昇端位置P1における天板部20A,20Bの下端20sよりも上方に位置している。さらに、中間仕切パネル30Cは、下端30sが、下降端位置P2における天板部20A,20Bの個別仕切パネル22の上端22tよりも下方に位置している。
これにより、一方の天板部20A,20Bが上昇端位置P1にあり、他方の天板部20A,20Bが下降端位置P2にあっても、双方の天板部20A,20Bの間の上下方向の隙間を塞ぐことができる。つまり、一対の天板部20A,20Bの高さがいかなる位置関係にあっても、低い位置にある天板部20A,20Bの上方から、高い位置にある天板部20A,20Bの下方空間が見えることを防止できる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、天板昇降式什器の第3の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態において、デスク装置10Cの構造は上記第1の実施形態、第2の実施形態と同様であり、中間仕切パネル30Dの構成のみが異なる。そこで、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図7は、第3の実施形態に係る天板昇降式什器の側面図である。
図7に示すように、この実施形態におけるデスク装置(天板昇降式什器)10Dは、脚体11と、天板部20A,20Bと、中間仕切パネル30Dと、を備えている。
【0046】
この実施形態におけるデスク装置10Dにおいて、中間仕切パネル30Dの上端30tは、支持脚部材13,13を上方に伸長させて天板部20A,20Bを上昇端位置P1まで上昇させた状態において、天板部20A,20Bにそれぞれ設けられた個別仕切パネル22の上端22tよりも上方に位置するように設けることが好ましい。
このようにすることで、デスク装置10Aにおいては、天板部20A,20Bの高さに関わらず、常に中間仕切パネル30Dの上端30tが最も上方に位置することとなる。
【0047】
そして、同一空間に設置する複数のデスク装置10Dにおいて、中間仕切パネル30Dの上端30tの高さを統一する。
【0048】
上述したような天板昇降式什器によれば、上記第1の実施形態と同様、天板21A,21B上における個別空間を確保するとともに、天板21A,21B上で使用している物品が、天板21A,21Bと中間仕切パネル30Dとの隙間から落下することや、この隙間にはまり込むことを防止でき、使い勝手を向上させることができる。
【0049】
また、中間仕切パネル30Dは、上端30tが、上昇端位置P1における天板部20A,20Bの上端22tよりも上方に位置するようにしている。このように構成することで、一対の天板部20A,20Bの高さがいかなる位置関係にあっても、中間仕切パネル30Dの上端30tが天板部20A,20Bよりも高くなる。複数のデスク装置10Dを同一空間に配置したときに、中間仕切パネル30Dの上端30tの位置が統一されているので、空間に統一感が生まれ、見栄えが向上する。
【0050】
なお、上記第3の実施形態では、中間仕切パネル30Dは、上記第1の実施形態と同様に、ベース部材12,12上に直接設けるようにしたが、第2の実施形態と同様に、中間仕切パネル30Dを、ベース部材12,12上に、支持フレーム35を介して設けるようにしてもよい。
【0051】
(その他の実施形態)
なお、天板昇降式什器は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態では、天板部20A,20Bに、物品落下防止部材として個別仕切パネル22を備えるようにしたが、物品落下防止部材は個別仕切パネル22に限られるものではない。物品落下防止部材は、天板部20A,20Bの昇降動作を妨げることなく、天板21A,21B上で使用している物品が天板21A,21Bと中間仕切パネル30A~30Dとの隙間から落下することや、この隙間にはまり込むことを防止できるのであれば、適宜他の構成に代えることができる。
【0052】
図8は、この実施形態に係る天板昇降式什器の変形例を示す側面図、
図9は、この実施形態に係る天板昇降式什器の他の変形例による天板部を示す斜視図、
図10は、この実施形態に係る天板昇降式什器の更に他の変形例による天板部を示す斜視図である。
例えば、
図8に示すように、物品落下防止部材29は、天板21A,21Bのそれぞれにおいて、デスク装置10Aの対向方向中間部に近い側の端部21eに沿って、幅方向に延びて天板21A,21B上に立ち上がる縁材としてもよい。この物品落下防止部材29は、天板21A,21Bで使用している物品が天板上から落下することを防止できるように、天板21A,21Bの上面から立ち上がっていればよく、例えば、少なくとも1cm以上立ち上がっていることが好ましい。
【0053】
なお、物品落下防止部材29の断面形状や高さ、天板21A,21Bへの取付構造は、適宜設定されてよい。例えば、縁材29と天板21A,21Bとは別体に形成され、物品落下防止部材29と天板21A,21Bとが固定具や接着剤などで連結されていてもよいし、物品落下防止部材29と天板21A,21Bとが一体に形成されていてもよい。
【0054】
また、
図9に示すように、物品落下防止部材29は、天板21A,21Bのそれぞれにおいて、デスク装置10Aの対向方向中間部に近い側の端部21eに沿って、幅方向に延びて天板21A,21B上に立ち上がる柵状の部材としてもよい。このような場合、柵の桟の間隔は、天板21A,21B上で使用している物品が通り抜けできない間隔とすることが好ましい。
【0055】
また、
図10に示すように、物品落下防止部材29は、天板21A,21Bのそれぞれにおいて、デスク装置10Aの対向方向中間部に近い側の端部21eに沿って、幅方向に延びる部分29aと、デスク装置10Aの幅方向の両側の端部21g,21gに沿って、対向方向に延びる部分29b,29bと、を有する平面視略C字状の形態としてもよい。このようにすることにより、天板21A,21B上で使用している物品がデスク装置10Aの対向方向中間部に近い側の端部21eに加えて、幅方向の両側の端部21g,21gから落下することを規制できる。
【0056】
なお、
図8~10は、上記第1の実施形態におけるデスク装置10Aにおいて、物品落下防止部材として縁材29を備える例を示したが、上記第2、第3の実施形態およびその変形例においても同様に縁材29を備えることができる。
【0057】
また、例えば、上記第1~第3の実施形態においては、中間仕切パネル30が、ベース部材12,12や支持フレーム35上に図示しない取付金具等を介して固定されている。しかし、中間仕切パネル30の取付構造については何ら限定するものではない。
【0058】
また、個別仕切パネル22は、支持部材15によって天板21A,21Bに固定するようにしたが、これに限らない。
図11は、天板に対する個別仕切パネルの取付構造の変形例を示す斜視図である。
この
図11に示すように、略L字状の支持部材26を介し、個別仕切パネル22を天板21A,21Bに固定することもできる。ここで、支持部材26は、個別仕切パネル22に沿って上下方向に延びる固定部26aと、固定部26aの上端から水平方向に延び、天板21A,21Bにビス27等によって固定される固定部26bと、を有する。
このような支持部材26を用いた場合、個別仕切パネル22の下端22sを、天板21A,21Bの下面21fよりも下方に延ばすことができる。この場合、天板部20A,20Bの下端20sは、個別仕切パネル22の下端22sとなる。
なお、個別仕切パネル22は、支持部材15,26を介さずに天板21A,21Bと一体に形成されていてもよいし、支持部材15,26を介さずに天板21A,21Bと接着剤などで接着されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、天板部20A,20Bが、天板21A,21Bの短手方向において互いに対向し、これら天板21A,21Bの間に個別仕切パネル22,22や中間仕切パネル30が配置されるようにしたが、これに限らない。すなわち、天板部20A,20Bが、天板21A,21Bの長手方向において互いに対向し、これら互いに隣接する天板21A,21Bの間に個別仕切パネル22,22や中間仕切パネル30が配置されるようにしてもよい。
【0060】
さらに、天板部20A,20Bを支持する支持脚部材13,13は、ベース部材12上に設けられるようにしたが、天板部20Aを支持する支持脚部材13と、天板部20Bを支持する支持脚部材13とを、別々に設けるようにしてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【0061】
また、上記の実施形態において、
図12に示すように、天板21A,21Bと個別仕切パネル22との間に、配線を挿通可能な配線挿通空間41が形成され、配線挿通空間41は、ゴムなどを材料として形成された弾性変形可能な弾性部材42に閉塞されていて、弾性部材42が弾性変形すると開口されるようにしてもよい。
このようにすることで、天板21A,21B上で使用している電子機器の配線43を配線挿通空間41から天板21A,21Bの下方へ降ろすことができ、使い勝手を良くすることができる。そして、配線挿通空間41のうちの配線43が挿通される部分41aのみを弾性部材42を弾性変形させて開口することにより、配線挿通空間41のうちの配線43が挿通されていない部分41bは閉塞された状態とすることができる。このため、天板21A,21B上で使用している物品が配線挿通空間41から落下することや、配線挿通空間41にはまり込んでしまうことを規制できる。
【符号の説明】
【0062】
10A、10B、10C、10D デスク装置(天板昇降式什器)
13 支持脚部材(支持脚)
20A,20B 天板部
21A,21B 天板
21e 端部
21f 下面
21g 端部
22 個別仕切パネル(物品落下防止部材)
22b 下端
22t 上端
26b 固定部
29 物品落下防止部材
30A、30B、30C、30D 中間仕切パネル(仕切りパネル)
41 配線挿通空間