(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】インナーフォーカス式撮像レンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20221118BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2018087260
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2020-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102354(JP,A)
【文献】国際公開第2018/216789(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/050175(WO,A1)
【文献】特開2016-118770(JP,A)
【文献】国際公開第2018/050174(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/047112(WO,A1)
【文献】特開昭57-035821(JP,A)
【文献】特開平11-072705(JP,A)
【文献】米国特許第04726669(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正の屈折力を有する第1フォーカスレンズ群と、前記第1フォーカスレンズ群より像側に配置された正の屈折力を有する第2フォーカスレンズ群と、を具備し、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、前記第1フォーカスレンズ群は物体側へ移動し、前記第2フォーカスレンズ群は前記第1フォーカスレンズ群と異なる移動量で物体側へ移動し、
前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に
配置される全てのレンズの合成焦点距離が負であり、
前記第2フォーカスレンズ群より像側に
配置される全てのレンズの合成焦点距離が負であり、さらに
最も物体側に配置されるレンズが負の屈折力を有することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズ。
【請求項2】
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
(1) 0.3 ≦ fo1 / fo2 ≦ 3.3
ただし、fo1:前記第1フォーカスレンズ群の焦点距離
fo2:前記第2フォーカスレンズ群の焦点距離
【請求項3】
前記第2フォーカスレンズ群は、1つのレンズ成分により構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
【請求項4】
前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に、光軸に対し垂直方向に移動する防振レンズ群を有することを特徴とする請求項1~3のうちの一項に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
【請求項5】
以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項4に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
(2) 0.05 ≦ |(1-βvc)×βr| ≦ 1.9
ただし、βvc: 前記防振レンズ群の無限遠合焦時における横倍率、
βr: 前記防振レンズ群より像側に配置されたレンズの無限遠合焦時おけ る合成横倍率
【請求項6】
前記防振レンズ群は、1つのレンズ成分により構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
【請求項7】
第1フォーカスレンズ群より物体側に正のパワーを持つレンズ素子を少なくとも1枚有し、以下の条件式(3)及び(4)を満足することを特徴とする請求項1~6のうちの一項に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
(3)G1dPgF ≦ 0.0282
(4)G1vd ≦ 45.0
ここで、G1dPgF:第1フォーカスレンズ群より物体側の正のパワーを持つレンズ素子 のg線とF線の異常分散性
G1vd: 第1フォーカスレンズ群より物体側の正のパワーを持つレンズ素子 のd線におけるアッベ数
【請求項8】
前記第1フォーカスレンズ群内に負のパワーを持つレンズ素子を少なくとも1枚有し、以下の条件式(5)及び(6)を満足することを特徴とする請求項1~7のうちの一項に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
(5)G2dPgF ≧ 0.0007
(6)G2vd ≦ 45.0
ここで、G2dPgF: 第1フォーカスレンズ群内の負のパワーを持つレンズ素子のg線とF線 の異常分散性
G2vd: 第1フォーカスレンズ群内の負のパワーを持つレンズ素子のd線にお けるアッベ数
【請求項9】
前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群との間に開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1~8のうちの一項に記載のインナーフォーカス式撮像レンズ。
【請求項10】
請求項1~9のうちの一項に記載のインナーフォーカス式撮像レンズと、該インナーフォーカス式撮像レンズの像面に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として小型で、無限遠から最至近までの諸収差を良好に補正させたインナーフォーカス式撮像レンズ、特にフォーカス群のレンズ系を軽量化してフォーカス駆動系の負荷を減少させることが可能なインナーフォーカス式撮像レンズ、及びそのようなインナーフォーカス式撮像レンズを備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特にデジタルカメラを用いた撮影においては、1つの撮影装置で静止画および動画の両方の撮影が可能な撮影装置が普及してきている。このような撮影装置に要求される撮影レンズとしては、静止画撮影時のみならず、動画においても常時映像が記録されることから、フォーカシングの高速化が求められている。
中でも、コントラスト検出方式のオートフォーカス機構を有する撮影装置では、フォーカスレンズ群が合焦のため、光軸に沿って対物方向あるいは結像方向に移動すべきかを判断するために微小に移動するレンズ郡、所謂ウォブリングレンズ群が備えられている。フォーカスレンズ群と前記ウォブリングレンズ群は、ともに光軸に沿って合焦位置が変化するように作動するため、前記フォーカスレンズ群に前記ウォブリングレンズ群の機能を兼ねて有することが望ましく、その場合高速作動が要求されるため、フォーカスレンズ群の軽量化はさらに望ましいものとなる。
【0003】
また,近年のレンズ交換式カメラには動画撮影機能が搭載されることが多く,動画撮影の際の手振れによる画像劣化を防止するために,防振機能を備えることの需要が高まってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5714925号
【文献】特開2016-118770号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のインナーフォーカス式レンズに関し、フォーカスレンズ群の十分な軽量化が図られていることはもとより、小型、広角で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズが、特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズにおいては、フォーカスレンズを一つのレンズ群とし、該フォーカスレンズ群を負レンズ1枚で構成している。従って、フォーカスレンズ群駆動系の負荷を低減することが可能であった。しかし、至近の撮影倍率を上げるためには、原理的にフォーカスレンズ群の移動量を大きくするかあるいは横倍率を上げることが必要である。
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズにおいてフォーカスレンズ群の移動量を大きくする場合、球面収差、像面湾曲、軸上色収差等が増大するため、各種収差を補正することが困難である。
また、特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズにおいてフォーカスレンズ群の横倍率を上げる場合においても、各レンズ群が適切なパワーを維持することが困難となり、無限から至近へのフォーカシング時の収差発生量が大きくなり、それを回避するためには多くのレンズ枚数が必要であり、フォーカスレンズ群駆動系の負荷の軽減や小型化の妨げとなる。
【0007】
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズはまた、防振機構を有さず、防振に対する要求を満たすことができない。
【0008】
従来のインナーフォーカス式レンズであって、収差が抑制されたレンズ系、交換レンズ装置及びカメラシステムが、特許文献2に開示されている。例えば、特許文献2の数値実施例5は、正正負正負の構成であって、無限遠物体合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングは第2レンズ群及び第4レンズ群を光軸に沿って物体側へ移動させる。
【0009】
しかしながら、前記数値実施例5は、フォーカスレンズ群である第2レンズ群と第4レンズ群のパワーバランスが悪く、さらに第4レンズ群の横倍率が高すぎるため、収差を良好に補正するためには第4レンズ群のレンズ数を増やさなければならず、それに伴いフォーカスレンズ群駆動系の負荷が増加し、動画撮影に必要なウォブリング対応の妨げとなっている。また、防振機構を有さず、防振補正に対する要求を満たすことができないという問題があった。
【0010】
(発明の目的)
本発明は、従来のインナーフォーカス式撮像レンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、全体として小型で、無限遠合焦から最至近距離合焦までの諸収差を良好に補正したインナーフォーカス式撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は
正の屈折力を有する第1フォーカスレンズ群と、前記第1フォーカスレンズ群より像側に配置された正の屈折力を有する第2フォーカスレンズ群と、を具備し、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、前記第1フォーカスレンズ群は物体側へ移動し、前記第2フォーカスレンズ群は前記第1フォーカスレンズ群と異なる移動量で物体側へ移動することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
本発明はまた、前記インナーフォーカス式撮像レンズと、該インナーフォーカス式撮像レンズの像面に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、全体として小型で、特に無限遠合焦から最至近距離合焦までの諸収差を良好に補正したインナーフォーカス式撮像レンズ、特にフォーカスレンズ群のレンズ系を軽量化してフォーカスレンズ群駆動系の負荷を減少させることが可能なインナーフォーカス式撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例1のレンズ構成図である。
【
図2A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例1の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図2B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例1の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図3A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例1の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図3B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例1の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図4】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例2のレンズ構成図である。
【
図5A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例2の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図5B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例2の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図6A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例2の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図6B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例2の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図7】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例3のレンズ構成図である。
【
図8A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例3の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図8B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例3の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図9A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例3の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図9B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例3の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図10】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例4のレンズ構成図である。
【
図11A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例4の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図11B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例4の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図12A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例4の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図12B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例4の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図13】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例5のレンズ構成図である。
【
図14A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例5の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図14B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例5の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図15A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例5の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図15B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例5の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図16】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例6のレンズ構成図である。
【
図17A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例6の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図17B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例6の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図18A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例6の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図18B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例6の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図19】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例7のレンズ構成図である。
【
図20A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例7の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図20B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例7の無限遠合焦状態の各種収差図である。
【
図21A】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例7の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図21B】本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの実施例7の最至近合焦状態の各種収差図である。
【
図22】本発明の撮像装置の実施例8の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、正の屈折力を有する第1フォーカスレンズ群と、前記第1フォーカスレンズ群より像側に配置された正の屈折力を有する第2フォーカスレンズ群とを具備し、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、前記第1フォーカスレンズ群は物体側へ移動し、前記第2フォーカスレンズ群は前記第1フォーカスレンズ群と異なる移動量で物体側へ移動することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0015】
本発明の第1実施形態においては、2つのフォーカスレンズ群を配置することにより、少ない繰り出し量で撮影倍率を稼ぐことが可能となり、フォーカスレンズ群のレンズ系を軽量化してフォーカスレンズ群駆動系の負荷を減少させることが可能になる。さらに、繰り出し量が小さくなることにより、収差変動を抑制でき、無限遠合焦から最至近距離合焦までの諸収差を良好に補正することが可能になる。
【0016】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、第1実施形態において、以下の条件式(1)を満足することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
(1) 0.3 ≦ fo1 / fo2 ≦ 3.3
ただし、fo1:第1フォーカスレンズ群の焦点距離
fo2:第2フォーカスレンズ群の焦点距離
【0017】
条件式(1)は、第1フォーカスレンズ群と第2フォーカスレンズ群の焦点距離の比を示している。条件式(1)を満足することによって、各フォーカスレンズ群の繰り出し量を適正にし、コンパクトな光学系とすることが可能となり、かつ、少ないレンズ枚数での収差補正を可能とする。
【0018】
条件式(1)の下限を下回る場合、第2フォーカスレンズ群のパワーが弱いために横倍率が低くなり、フォーカスに要する第2フォーカスレンズ群の繰り出し量が増加し、コンパクトな光学系が設計しづらくなるか、もしくは、第1フォーカスレンズ群のパワーが強すぎて球面収差オーバー、像面湾曲アンダー傾向となり、少ないレンズ枚数での収差補正が難しくなり、フォーカス駆動系の負荷が大きくなる。
一方、条件式(1)の上限を上回る場合、第1フォーカスレンズ群のパワーが弱いために横倍率が低くなり、フォーカスに要する第1フォーカスレンズ群の繰り出し量が増加し、コンパクトな光学系の設計が困難になるか、もしくは第2フォーカスレンズ群のパワーが強くなりすぎて、球面収差、像面湾曲共にアンダー傾向となり、少ないレンズ枚数での収差補正が難しくなり、フォーカス駆動系の負荷が大きくなる。
【0019】
なお、条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。このとき、次に示す範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
好ましくは (1)’ 0.6 ≦ fo1 / fo2 ≦ 3.0
さらに好ましくは (1)’’ 0.9 ≦ fo1 / fo2 ≦ 2.7
さらに好ましくは (1)’’’ 1.2 ≦ fo1 / fo2 ≦ 2.4
【0020】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態において、前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に、負の屈折力を有するレンズ群を有することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0021】
第1フォーカスレンズ群と第2フォーカスレンズ群の間に負のレンズ群を配置することによって、第1フォーカスレンズ群及び第2フォーカスレンズ群の少なくとも何れか一方の横倍率を上げることが可能になり、フォーカスに要する第1フォーカスレンズ群及び第2フォーカスレンズ群(横倍率を上げたフォーカスレンズ群)の繰り出し量を減少させることができ、コンパクトな光学系の設計が可能となる。
【0022】
このとき、前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に、負の屈折力を有するレンズ群を有するとは、前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に配置される全てのレンズの合成焦点距離が負であることを示す。当該負の屈折力を有するレンズ群は、フォーカシングに際して光軸に固定されることが好ましい。
【0023】
第1フォーカスレンズ群と第2フォーカスレンズ群の間に負のレンズ群を配置し、かつ上述した条件式(1)を満足することによって、第1フォーカスレンズ群及び第2フォーカスレンズ群の横倍率を適切にすることがより容易となり、繰り出し量を適正にし、よりコンパクトな光学系とすることが可能となる。
【0024】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、第1実施形態ないし第3実施形態のうちの一実施形態において、前記第2フォーカスレンズ群より像側に、負の屈折力を有するレンズ群を有することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0025】
第2フォーカスレンズ群より後方に負のレンズ群を有することで、第2フォーカスレンズ群を通る周辺光束が光軸に近づき、第2フォーカスレンズ群の小径化、軽量化を図ることが可能となり、高速なフォーカシング作動及びウォブリング作動の要望に対応できる光学系の設計が可能となる。
【0026】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態は、第1実施形態ないし第4実施形態のうちの一実施形態において、前記第2フォーカスレンズ群が、1つのレンズ成分により構成されることを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
ここで、前記1つのレンズ成分とは、単レンズや接合レンズや複合非球面レンズなどの最も物体側の面と最も像側の面の間に空気層を含まないレンズを指す。
【0027】
第2フォーカスレンズ群を1つのレンズ成分によって構成することで、軽量化を図り、高速なフォーカシング作動及びウォブリング作動の要望に対応できる光学系とすることが可能となる。
【0028】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、第1実施形態ないし第5実施形態のうちの一実施形態において、前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群の間に、光軸に対し垂直方向に移動することによって手振れ補正を行う防振レンズ群を有することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0029】
第1フォーカスレンズ群と第2フォーカスレンズ群の間は、中心光束及び周辺光束が収束するため、防振レンズ群の小型・軽量化が可能である。また、無限遠物体合焦状態及び近接物体合焦状態の光路差が少ないため、防振時の解像性能を高めることが容易となる。
【0030】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態は、第6実施形態において、以下の条件式(2)を満足することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
(2) 0.05 ≦ |(1-βvc)×βr| ≦ 1.9
ただし、βvc:前記防振レンズ群の無限遠合焦時における横倍率、
βr:前記防振レンズ群より像側に配置されたレンズの無限遠合焦時おける合成 横倍率
【0031】
条件式(2)は、防振レンズ群の移動量に対して像がシフトする割合を規定する条件式である。
条件式(2)の上限を上回ると、防振レンズ群が微小に移動しても像が大きくシフトしてしまうので、高精度な制御が要求される。また、防振レンズ群のパワーが大きく、球面収差がオーバー傾向となり、高性能な解像性能が出づらくなる。
また、条件式(2)の下限を下回ると、所定量だけ像をシフトさせるのに必要な防振レンズ群の移動量が大きくなるため、防振駆動系が大きくなってしまい鏡筒の小型化の妨げとなる。
【0032】
なお、条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。このとき、次に示す範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
好ましくは、 (2)’ 0.10 ≦ |(1-βvc)×βr| ≦ 1.6
さらに好ましくは、(2)’’ 0.15 ≦ |(1-βvc)×βr| ≦ 1.3
さらに好ましくは、(2)’’’ 0.20 ≦ |(1-βvc)×βr| ≦ 1.0
【0033】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態は、第6実施形態、または第7実施形態において、前記防振レンズ系は、1つのレンズ成分により構成されたことを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0034】
防振レンズ群が複数のレンズによって構成された場合、軽量化を図ることが困難となり、防振駆動系が大きくなってしまい、鏡筒の小型化の妨げとなる。
【0035】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態は、第1実施形態ないし第8実施形態のうちの一実施形態において、第1フォーカスレンズ群より物体側に正のパワーを持つレンズ素子を少なくとも1枚有し、以下の条件式(3)及び(4)を満足することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
(3)G1dPgF ≦ 0.0282
(4)G1vd ≦ 46.0
ここで、G1dPgF:第1フォーカスレンズ群より物体側の正のパワーを持つレンズ素子の
g線とF線の異常分散性
G1vd:第1フォーカスレンズ群より物体側の正のパワーを持つレンズ素子の
d線におけるアッベ数
【0036】
条件式(3)及び(4)を満たした場合、無限遠から至近にかけて軸上色収差及び倍率色収差の変動を抑制することができる。
【0037】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態は、第1実施形態ないし第9実施形態のうちの一実施形態において、第1フォーカスレンズ群内に負のパワーを持つレンズ素子を少なくとも1枚有し、以下の条件式(5)及び(6)を満足することを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
(5)G2dPgF ≧ 0.0007
(6)G2vd ≦ 45.0
ここで、G2dPgF:第1フォーカスレンズ群内の負のパワーを持つレンズ素子のg線とF線の
異常分散性
G2vd:第1フォーカスレンズ群内の負のパワーを持つレンズ素子のd線におけ
るアッベ数
【0038】
条件式(5)及び(6)を満たした場合、無限遠から至近にかけて軸上色収差及び倍率色収差の変動を抑制することができる。
【0039】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態は、第1実施形態ないし第10実施形態のうちの一実施形態において、前記第1フォーカスレンズ群と前記第2フォーカスレンズ群との間に開口絞りが配置されることを特徴とするインナーフォーカス式撮像レンズである。
【0040】
開口絞りを挟んでフォーカスレンズ群を配置することにより、フォーカス駆動系の配置、及び周辺光束の上下光線の口径蝕のコントロールが容易となる。
【0041】
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態は、実施形態1~11のうちの一つのインナーフォーカス式撮像レンズと、該インナーフォーカス式撮像レンズの像面に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0042】
撮像装置は、全体として小型で、特に無限遠合焦から最至近距離合焦までの諸収差を良好に補正したインナーフォーカス式撮像レンズの特徴を活かし、撮像素子に好適な光束による結像によって撮像することができる。
【0043】
(実施例)
以下、本発明のインナーフォーカス式撮像レンズの第1実施例~第8実施例を添付図面に基づいて説明する。
インナーフォーカス式撮像レンズの実施例の光学諸元表において、No.は面番号であり、面番号は物体側から像面側への面の順番を示す。Rは各レンズ面の曲率半径(mm)、Dはレンズ肉厚および空気間隔(mm)、NdおよびABVは、d線(λ=587.6nm)の波長における屈折率およびアッべ数を示す。なお、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた場合を正とする。
Fはインナーフォーカス式撮像レンズの全系の焦点距離(mm)であり、FnoはFナンバーであり、Wは半画角(°)である。
【0044】
面番号の後にASPHを付した面は、非球面形状の面である。非球面形状は、面頂点を原点とし、光軸に垂直方向の座標をH、Hにおける光軸方向の変位量をX(H)、近軸曲率半径をR、円錐係数をε、2次の非球面係数A,4次の非球面係数B,6次の非球面係数C,8次の非球面係数D,10次の非球面係数Eとしたとき、次の式1で表される。
【数1】
【0045】
面形状及び屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては、近軸領域で考えるものとする。
【0046】
実施例のレンズ構成図を示す
図1、
図4、
図7、
図10、
図13、
図16、
図19において、無限遠合焦状態及び最至近距離合焦状態を示す。収差図のうち
図2、
図5、
図8、
図11、
図14、
図17、
図20は、無限遠合焦状態の各種縦収差(A)及び横収差(B)を示す。収差図のうち
図3、
図6、
図9、
図12、
図15、
図18、
図21は、最至近距離合焦状態の各種縦収差(A)及び横収差(B)を示す。各縦収差図は、図面に向かって左から順に、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示す。球面収差図において、縦軸は開放F値との割合をとり、実線はd線(587.5618nm)、破線はC線(656.2725nm)、長破線はF線(486.1327nm)を表す。非点収差図において、縦軸は像高(IMG HT)をとり、実線がサジタル方向(S)、四点鎖線がメリジオナル方向(T)を表す。歪曲収差図において、縦軸は像高(IMG HT)をとる。各横収差図において、上から各像高(半画角)毎に、左側にタンジェンシャル方向の横収差、右側にサジタル方向の横収差を表す。これらの横収差図において、実線はd線(587.5618nm)、破線はC線(656.2725nm)、長破線はF線(486.1327nm)を表す。
【0047】
(実施例1)
実施例1のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図1に示すように、正の第1レンズ群L1、正の第2レンズ群L2、負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4、負の第5レンズL5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズ群L4が第2フォーカスレンズ群である。
【0048】
実施例1のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
No. R D Nd ABV
1ASPH -1212.5063 1.4000 1.49845 81.61
2ASPH 29.0985 12.4057
3 170.9861 4.9865 1.94136 21.13
4 -68.1355 6.1277
5 -35.9780 1.2000 1.85505 23.78
6 -454.1711 2.5504
7ASPH 25.9693 8.1222 1.59412 67.02
8ASPH -33.7218 2.7571
9STOP 0.0000 0.2000
10 104.2271 1.0224 1.80655 25.30
11 23.8723 15.5621
12ASPH 43.8452 5.6989 1.49856 81.56
13ASPH -31.2197 0.2000
14 33.3772 5.9035 1.86290 24.80
15 266.4530 1.2815 1.65965 33.72
16 19.5017 12.2639
17 -20.7323 1.2000 1.61599 38.71
18 -33.4231 17.5658
【0049】
無限遠 近距離
F 41.1947 36.1160
Fno 2.0834 2.3759
W 27.4433 23.7380
D( 0) INF 134.5124
D( 4) 6.1277 2.6108
D( 8) 2.7571 6.2740
D(11) 15.5621 11.2121
D(13) 0.2000 4.5500
【0050】
実施例1の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 6.40958E-06 -2.02463E-08 3.45386E-11 -2.75776E-14
2 1.00000E+00 5.65334E-06 -1.43670E-08 1.97422E-11 -2.41721E-14
7 1.00000E+00 -1.19932E-05 -3.89527E-09 -2.76725E-11 1.24792E-13
8 1.00000E+00 1.26852E-05 -1.31319E-08 1.35488E-11 8.33317E-14
12 1.00000E+00 -1.84977E-06 -5.69701E-09 -3.09555E-11 6.56866E-14
13 1.96612E+00 6.29488E-06 4.80463E-11 2.02382E-11 -5.09673E-14
【0051】
(実施例2)
実施例2のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図3に示すように、正の第1レンズ群L1、正の第2レンズ群L2、負の第3レンズ群L3,正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズ群L4が第2フォーカスレンズ群である。
【0052】
実施例2のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
No. R D Nd ABV
1 93.7186 1.2100 1.55350 51.76
2 33.5533 8.1771 1.88621 40.14
3 1027.4025 7.2701
4 -65.7611 1.2000 1.68988 31.22
5 288.6738 0.2000
6ASPH 35.9503 7.9664 1.59489 68.62
7ASPH -62.3459 0.2000
8 123.8312 1.2000 1.89262 29.84
9 26.7206 6.7003
10STOP 0.0000 24.0963
11ASPH 90.0851 3.2672 1.59489 68.62
12ASPH -50.2927 2.7146
13 352.7908 4.3549 1.86290 24.80
14 -34.8987 3.2867 1.67017 32.78
15 99.3779 7.6526
16 -32.2053 1.2000 1.80969 42.90
17 -189.6140 19.7532
【0053】
無限遠 近距離
F 87.3068 60.3001
Fno 2.0602 2.5154
W 13.6158 11.7595
D( 0) INF 292.4777
D( 3) 7.2701 3.2701
D( 7) 0.2000 4.2000
D(10) 24.0963 15.4823
D(12) 2.7146 11.3286
【0054】
実施例2の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
6 1.00000E+00 -3.62033E-06 -2.21401E-09 -7.67439E-12 8.86764E-15
7 1.00000E+00 4.66764E-06 -6.48288E-09 3.21758E-12 3.10470E-15
11 1.00000E+00 3.11699E-07 5.90701E-09 -5.58276E-11 -1.91998E-14
12 -0.36293E+00 -1.21240E-06 7.25732E-09 -5.91160E-11 -4.13513E-14
【0055】
(実施例3)
実施例3のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図7に示すように、正の第1レンズ群L1、正の第2レンズ群L2、負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズL4が第2フォーカスレンズ群である。
【0056】
実施例3のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
No. R D Nd ABV
1ASPH 144.2896 1.2000 1.59035 69.06
2ASPH 18.0423 26.6523
3 39.0915 3.6647 1.90539 32.50
4 -88.7922 4.9746
5 -28.5745 1.2000 1.85505 23.78
6 0.0000 0.2000
7ASPH 39.9090 4.9136 1.72086 49.84
8ASPH -24.5222 1.5000
9STOP 0.0000 1.8144
10 59.0991 1.2000 1.82660 24.63
11 17.3219 10.1939
12ASPH 36.5683 4.6860 1.67031 55.23
13ASPH -21.6467 0.2000
14 -29.5345 1.2000 1.70804 29.98
15 -39.9753 0.2000
16 -167.1765 1.2168 1.88621 40.14
17 -162.2011 0.2000
18 609.1983 1.2000 1.59745 68.00
19 23.9583 24.0298
【0057】
無限遠 近距離
F 25.5053 22.5703
Fno 2.0640 2.2011
W 40.7679 38.9042
D( 0) INF 69.0527
D( 4) 4.9746 3.2034
D( 8) 1.5000 3.2712
D(11) 10.1939 8.6007
D(13) 0.2000 1.7932
【0058】
実施例3の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 1.23969E-06 -7.26264E-09 1.55979E-11 -3.34862E-15
2 1.00000E+00 -2.98346E-06 -1.50521E-08 -5.70384E-11 -3.82983E-14
7 1.00000E+00 -2.00525E-05 -1.59477E-08 -8.50223E-12 -3.61332E-14
8 1.00000E+00 1.69432E-05 -5.91383E-08 2.02637E-10 -5.76224E-13
12 1.00000E+00 -8.31099E-06 -1.90220E-08 8.57290E-12 5.70173E-13
13 -0.42671E-01 1.24067E-05 -4.59324E-09 -4.46177E-10 2.53286E-12
【0059】
(実施例4)
実施例4のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図10に示すように、負の第1レンズ群L1,正の第2レンズ群L2,負の第3レンズ群L3,正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズ群L4が第2フォーカスレンズ群である。
【0060】
実施例4のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
(実施例4)
No. R D Nd ABV
1ASPH -78.2652 1.3957 1.49853 81.63
2ASPH 33.3626 3.4702
3 243.5409 3.8575 1.94531 20.32
4 -68.8567 9.7200
5 -29.5735 1.2026 1.87533 22.25
6 -65.2816 7.4205
7ASPH 23.9635 7.9275 1.59412 67.02
8ASPH -36.8715 1.5000
9STOP 0.0000 1.8103
10 91.4476 0.9970 1.85505 23.78
11 23.6155 16.3202
12ASPH 41.5111 5.9874 1.49856 81.56
13ASPH -29.9802 0.1985
14 36.7723 7.4493 1.86290 24.80
15 -428.8345 1.1097 1.72037 39.19
16 20.1231 10.4727
17 -18.5250 1.2007 1.58580 43.84
18 -27.4392 16.9226
【0061】
無限遠 近距離
F 40.3257 35.5993
Fno 2.0601 2.3208
W 28.0112 24.2389
D( 0) INF 132.3661
D( 4) 9.7200 6.7748
D( 8) 1.5000 4.4462
D(11) 16.3202 11.9698
D(13) 0.1985 4.5464
【0062】
実施例4の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 6.84115E-06 -1.73113E-08 3.30311E-11 -3.74126E-14
2 1.00000E+00 -5.25764E-07 -1.16342E-08 9.34315E-12 -3.25672E-14
7 1.00000E+00 -1.37129E-05 6.01825E-10 -5.47753E-11 2.20626E-13
8 1.00000E+00 1.50797E-05 -1.64311E-08 2.51506E-11 1.16154E-13
12 1.00000E+00 -2.68692E-06 -1.19155E-08 1.22634E-11 -5.54621E-14
13 1.88983E+00 7.31224E-06 1.09594E-09 1.45533E-11 -3.19242E-14
【0063】
(実施例5)
実施例5のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図13に示すように、正の第1レンズ群L1,正の第2レンズ群L2,負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズL4が第2フォーカスレンズ群である。
【0064】
実施例5のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
(実施例5)
No. R D Nd ABV
1ASPH -144.9792 1.4001 1.50841 79.78
2ASPH 29.9487 8.2836
3 -322.0749 3.5524 1.94256 20.87
4 -52.1927 7.6513
5 -23.7315 1.2001 1.87452 22.30
6 -42.7383 5.1398
7ASPH 26.2145 8.0508 1.59412 67.02
8ASPH -31.4199 1.5020
9STOP 0.0000 1.6805
10 76.9449 0.9998 1.68894 31.29
11 20.9447 16.2467
12 47.8142 7.8130 1.53998 74.89
13 -17.4544 1.1998 1.72763 29.87
14ASPH -27.4945 0.2002
15 53.7381 6.2365 1.86290 24.80
16 -28.5797 1.1100 1.69410 33.47
17 26.1070 10.1769
18 -15.4296 1.1995 1.85869 34.28
19 -22.0548 15.9633
【0065】
無限遠 近距離
F 37.7214 33.0633
Fno 2.0600 2.2720
W 30.1474 26.7569
D( 0) INF 120.6865
D( 4) 7.6513 4.9677
D( 8) 1.5020 4.1858
D(11) 16.2467 11.8982
D(14) 0.2002 4.5497
【0066】
実施例5の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 7.73911E-06 -2.42113E-08 3.11207E-11 -3.05238E-14
2 1.00000E+00 1.72533E-06 -1.71241E-08 -1.98236E-11 -4.69372E-14
7 1.00000E+00 -1.29551E-05 2.25819E-09 -3.91687E-11 1.89476E-13
8 1.00000E+00 1.44505E-05 -8.67265E-09 9.66543E-12 1.18841E-13
14 1.93852E+00 6.62353E-06 2.55413E-09 3.22498E-11 1.52721E-14
【0067】
(実施例6)
実施例6のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図16に示すように、正の第1レンズ群L1,正の第2レンズ群L2,負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズL4が第2フォーカスレンズ群である。実施例6のインナーフォーカス式撮像レンズの第3レンズ群L3において、像側に配置された負レンズは防振レンズ群である。
【0068】
実施例6のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
(実施例6)
No. R D Nd ABV
1ASPH -43.5266 1.2000 1.63362 36.44
2ASPH 56.3816 11.7252
3 67.1842 4.6770 2.06011 26.94
4 -97.6864 6.8650
5 -33.9476 0.9000 1.74707 27.76
6 143.8662 4.0940
7ASPH 30.5293 8.4267 1.59412 67.02
8ASPH -28.0899 9.0426
9STOP 0.0000 1.5129
10 54.7950 1.2000 1.75012 27.63
11 24.2625 3.1410
12ASPH 77.3167 1.2000 1.49856 81.56
13ASPH 47.6594 6.7361
14ASPH 93.9603 3.8390 1.49856 81.56
15ASPH -23.9153 1.5091
16 -26.1396 2.0613 1.88621 40.14
17 -21.1309 1.2100 1.64591 35.08
18 -34.3681 8.2055
19 79.9335 1.2000 1.49845 81.61
20 32.5952 21.7017
【0069】
無限遠 近距離
F 41.2014 36.2004
Fno 2.0600 2.3254
W 28.1265 24.5238
D( 0) INF 130.4830
D( 4) 6.8650 3.0748
D( 8) 9.0426 12.8328
D(13) 6.7361 2.5251
D(15) 1.5091 5.7201
【0070】
実施例6の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 1.35021E-05 -2.28598E-08 2.90367E-11 -1.91937E-14
2 1.00000E+00 6.77610E-06 -1.09467E-08 7.55415E-12 -2.98774E-15
7 1.00000E+00 -1.60670E-05 5.27756E-09 -1.50323E-11 1.97303E-14
8 1.00000E+00 1.22746E-05 -1.19400E-08 2.28792E-11 -7.10720E-15
12 1.00000E+00 -6.37003E-06 -5.05953E-08 5.55206E-10 -1.01982E-12
13 1.00000E+00 -8.25959E-06 -2.72239E-08 3.11555E-10 -1.42452E-13
14 1.00000E+00 1.16536E-07 4.26346E-08 -4.32069E-10 1.37300E-12
15 1.00000E+00 7.37942E-06 4.11151E-08 -4.08413E-10 1.25153E-12
【0071】
(実施例7)
実施例7のインナーフォーカス式撮像レンズは、
図19に示すように、正の第1レンズ群L1,正の第2レンズ群L2,負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4,負の第5レンズ群L5の構成であり、第2レンズ群L2が第1フォーカスレンズ群であり、第4レンズL4が第2フォーカスレンズ群である。実施例7のインナーフォーカス式撮像レンズの第3レンズ群L3において、像側に配置された正レンズが防振レンズ群である。
【0072】
実施例7のインナーフォーカス式撮像レンズの光学諸元表を以下に示す。
No. R D Nd ABV
1ASPH -45.6091 1.2810 1.58547 59.46
2ASPH 58.1783 13.4670
3 37.9247 4.5845 2.06011 26.94
4 1087.0454 7.8754
5 -33.1619 0.9000 1.80633 29.84
6 72.2716 1.2802
7ASPH 28.9469 7.3500 1.69661 53.20
8ASPH -27.3544 2.7020
9STOP 0.0000 3.8810
10 -42.8152 1.2000 1.85505 23.78
11 33.7973 1.7417
12ASPH 40.7465 3.7329 1.49856 81.56
13ASPH -45.6027 10.1351
14ASPH -178.9853 2.7530 1.82537 42.71
15ASPH -28.9395 1.9025
16 54.2768 1.2100 1.71828 45.78
17 17.8291 4.9894 1.85435 23.75
18 23.5671 29.6485
【0073】
無限遠 近距離
F 41.1921 36.2086
Fno 2.0600 2.3274
W 27.5161 24.9626
D( 0) INF 128.9162
D( 4) 7.8754 3.9207
D( 8) 2.7020 6.6551
D(13) 10.1351 6.0469
D(15) 1.9025 5.9876
【0074】
実施例7の非球面係数を以下に示す。
No. ε *4 *6 *8 *10
1 1.00000E+00 7.37837E-06 -1.24030E-08 1.56528E-11 -7.22325E-15
2 1.00000E+00 -2.28069E-06 -6.87805E-09 -1.94934E-12 1.69529E-14
7 1.00000E+00 -1.74080E-05 8.36553E-09 -2.75833E-11 5.10058E-14
8 1.00000E+00 1.41270E-05 -1.97640E-08 4.48228E-11 -2.33347E-14
12 1.00000E+00 -1.58229E-06 -2.50994E-08 3.23867E-10 -6.01941E-13
13 1.00000E+00 3.09904E-06 2.06002E-08 6.67456E-11 1.11953E-13
14 1.00000E+00 -4.47999E-06 2.34183E-08 -6.30846E-11 -3.71892E-14
15 1.00000E+00 1.01773E-06 1.32507E-08 -2.83436E-11 -6.23085E-14
【0075】
各実施例の条件式に関する値を表1に示す。
【表1】
【0076】
(実施例8)
実施例8の撮像装置100は、
図22の構成図に示すように、撮像レンズ110と、撮像レンズ110の像面に配置された撮像素子120とから構成される。撮像レンズ110と撮像素子120の間には、フィルタFやカバーガラスCGが配置されることがある。
【符号の説明】
【0077】
F フィルタ
CG カバーガラス
IMG 像面
STOP 開口絞り
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群