(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置および紙葉類処理システム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/60 20190101AFI20221118BHJP
G07D 7/0047 20160101ALI20221118BHJP
G07D 7/12 20160101ALI20221118BHJP
G07D 7/202 20160101ALI20221118BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G07D11/60
G07D7/0047
G07D7/12
G07D7/202
B65H7/14
(21)【出願番号】P 2018100172
(22)【出願日】2018-05-25
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】隅田 忍
(72)【発明者】
【氏名】服部 憲一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 幹久
(72)【発明者】
【氏名】升木 裕文
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-045310(JP,A)
【文献】特開2016-218810(JP,A)
【文献】特開2015-018463(JP,A)
【文献】特開2012-252672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00-13/00
G06Q 40/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる位置にある複数の領域に識別情報が印字された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、
前記紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される紙葉類を撮像して該紙葉類の画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により取得された紙葉類の画像から該紙葉類の前記複数の領域をそれぞれ含む複数の領域画像を抽出し、該複数の領域画像が並んで配置された確認画像を生成する制御部と、
前記制御部により生成された確認画像を出力する出力部とを備え
、
前記確認画像に含まれる複数の領域画像は、1枚の紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像のみであり、
前記紙葉類は、紙幣であり、前記識別情報は、記番号であり、
前記確認画像において、前記複数の領域画像は、該複数の領域画像の各々に含まれる記番号の羅列方向が該確認画像における左右方向となり、且つ、該複数の領域画像が並ぶ方向が該確認画像における上下方向となるように、並んで配置される
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記撮像部により取得された紙葉類の画像または該画像から抽出された前記複数の領域画像に対して、該複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報の目視による比較を容易にするための画像処理を行う
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記搬送部により搬送される紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字された複数の識別情報を照合する照合部を備え、
前記出力部は、前記照合部による前記複数の識別情報の照合結果を出力する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
操作者による操作が与えられる操作部を備え、
前記制御部は、前記複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報が一致するか否かの確認が行われたことを示す操作が前記操作部に与えられると、前記出力部による前記確認画像の出力の終了を許可する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1つにおいて、
操作者による操作が与えられる操作部を備え、
前記制御部は、前記確認画像の確認を完了するための操作が前記操作部に与えられると、次に確認されるべき紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像を含む確認画像を生成する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1つにおいて、
操作者による操作が与えられる操作部と、
前記紙葉類を前記紙葉類処理装置の外に払い出すための払出部とを備え、
前記制御部は、前記出力部により出力された確認画像に含まれる複数の領域画像に対応する紙葉類を返却するための操作が前記操作部に与えられると、該紙葉類が前記払出部に搬送されるように前記紙葉類処理装置の動作を制御する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項において、
前記制御部は、前記紙葉類処理装置における前記紙葉類の処理の結果を示す処理リストを出力し、
前記処理リストには、前記紙葉類に関する情報と前記複数の領域画像とが対応付けられて登録されている
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項において、
前記出力部は、前記確認画像を表示する表示部である
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項9】
請求項1~
7のいずれか1項において、
前記出力部は、前記確認画像を印刷媒体に印刷するプリンタである
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項10】
それぞれ異なる位置にある複数の領域に識別情報が印字された紙葉類を処理する紙葉類処理システムであって、
前記紙葉類を搬送する搬送部と、該搬送部により搬送される紙葉類を撮像して該紙葉類の画像を取得する撮像部とを有する紙葉類処理装置と、
前記撮像部により取得された紙葉類の画像から該紙葉類の前記複数の領域をそれぞれ含む複数の領域画像を抽出し、該複数の領域画像が並んで配置された確認画像を生成する制御部と、
前記制御部により生成された確認画像を出力する出力部とを備え
、
前記確認画像に含まれる複数の領域画像は、1枚の紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像のみであり、
前記紙葉類は、紙幣であり、前記識別情報は、記番号であり、
前記確認画像において、前記複数の領域画像は、該複数の領域画像の各々に含まれる記番号の羅列方向が該確認画像における左右方向となり、且つ、該複数の領域画像が並ぶ方向が該確認画像における上下方向となるように、並んで配置される
ことを特徴とする紙葉類処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、紙葉類処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣や有価媒体などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置が知られている。また、このような紙葉類処理装置において処理される紙葉類には、固有の識別情報(例えば記番号)が複数の領域に印字されており、紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字された複数の識別情報が一致するか否かを判定することが知られている。例えば、特許文献1には、1枚毎に固有の文字列が複数の文字領域に記録された紙葉をセンスし、そのセンスにより得られた画像データに基づいて紙葉の鑑別を行う紙葉識別装置が開示されている。この紙葉識別装置は、紙葉の複数の文字領域を画像として読み取る文字センサと、文字センサによって得られた画像データに基づいて複数の文字領域に記録された文字列を認識する文字認識部と、文字認識部によって認識された複数の文字領域に記録された文字列の相互の整合性を判定する文字判定部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、識別情報の不一致により紙葉類が異常であると判定されたとしても、識別情報がどのような状態で不一致であると判定されたのかを確認することができない。なお、識別情報の状態を確認させるために、紙葉類の画像を表示部に表示させることが考えられるが、紙葉類の離れた位置に小さく印字された識別情報を目視で比較することは困難である。
【0005】
そこで、ここに開示する技術は、識別情報の状態を容易に確認させることが可能な紙葉類処理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示する技術は、それぞれ異なる位置にある複数の領域に識別情報が印字された紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関し、この紙葉類処理装置は、前記紙葉類を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される紙葉類を撮像して該紙葉類の画像を取得する撮像部と、前記撮像部により取得された紙葉類の画像から該紙葉類の前記複数の領域をそれぞれ含む複数の領域画像を抽出し、該複数の領域画像が並んで配置された確認画像を生成する制御部と、前記制御部により生成された確認画像を出力する出力部とを備えている。前記確認画像に含まれる複数の領域画像は、1枚の紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像のみである。前記紙葉類は、紙幣であり、前記識別情報は、記番号である。前記確認画像において、前記複数の領域画像は、該複数の領域画像の各々に含まれる記番号の羅列方向が該確認画像における左右方向となり、且つ、該複数の領域画像が並ぶ方向が該確認画像における上下方向となるように、並んで配置される。
【0007】
前記の構成では、紙葉類の複数の領域(識別情報が印字されている領域)をそれぞれ含む複数の領域画像が並んで配置された確認画像を出力することにより、紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字されている複数の識別情報を目視で容易に比較させることができる。これにより、識別情報の状態を容易に確認させることができる。
【0008】
なお、前記制御部は、前記撮像部により取得された紙葉類の画像に対して、前記複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報の目視による比較を容易にするための画像処理を行うように構成されていてもよい。
【0009】
前記の構成では、紙葉類の画像に対して、複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報の目視による比較を容易にするための画像処理を行うことにより、紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字された複数の識別情報の比較(目視による比較)を容易にすることができる。これにより、識別情報の状態をさらに容易に確認させることができる。
【0010】
また、前記紙葉類処理装置は、前記搬送部により搬送される紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字された複数の識別情報を照合する照合部を備えていてもよい。前記出力部は、前記照合部による前記複数の識別情報の照合結果を出力するように構成されていてもよい。
【0011】
前記の構成では、照合部による前記複数の識別情報の照合結果を出力することにより、紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字された複数の識別情報が一致しているか否かを容易に確認させることができる。
【0012】
また、前記紙葉類処理装置は、操作者による操作が与えられる操作部を備えていてもよい。前記制御部は、前記複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報が一致するか否かの確認が行われたことを示す操作が前記操作部に与えられた場合に、前記出力部による確認画像の出力の終了を許可するように構成されていてもよい。
【0013】
前記の構成では、複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報が一致するか否かの確認が行われたことを条件として、出力部による確認画像の出力の終了させることができる。これにより、複数の領域画像にそれぞれ含まれる複数の識別情報が一致するか否かの確認を実施し忘れることを防止することができる。
【0014】
また、前記紙葉類処理装置は、操作者による操作が与えられる操作部を備えていてもよい。前記制御部は、前記確認画像の確認を完了するための操作が前記操作部に与えられると、次に確認されるべき紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像を含む確認画像を生成するように構成されていてもよい。
【0015】
また、前記紙葉類処理装置は、操作者による操作が与えられる操作部と、前記紙葉類を前記紙葉類処理装置の外に払い出すための払出部とを備えていてもよい。前記制御部は、前記出力部により出力された確認画像に含まれる複数の領域画像に対応する紙葉類を返却するための操作が前記操作部に与えられると、該紙葉類が前記払出部に搬送されるように前記紙葉類処理装置の動作を制御するように構成されていてもよい。
【0016】
また、前記制御部は、前記紙葉類処理装置における前記紙葉類の処理の結果を示す処理リストを出力するように構成されていてもよい。前記処理リストには、前記紙葉類に関する情報と前記複数の領域画像とが対応付けられて登録されていてもよい。
【0017】
前記の構成では、紙葉類に関する情報と複数の領域画像とが対応付けられた処理リストを出力することにより、紙葉類の複数の領域の各々に印字された識別情報(すなわち現物の識別情報)と処理リストに含まれる複数の領域画像の各々に含まれる識別情報とを照合することができる。これにより、紙葉類の管理を容易にすることができる。
【0018】
なお、前記出力部は、前記確認画像を表示する表示部であってもよい。
【0019】
または、出力部は、前記確認画像を印刷媒体に印刷するプリンタであってもよい。
【0020】
また、ここに開示する技術は、それぞれ異なる位置にある複数の領域に識別情報が印字された紙葉類を処理する紙葉類処理システムに関し、この紙葉類処理システムは、前記紙葉類を搬送する搬送部と、該搬送部により搬送される紙葉類を撮像して該紙葉類の画像を取得する撮像部とを有する紙葉類処理装置と、前記撮像部により取得された紙葉類の画像から該紙葉類の前記複数の領域をそれぞれ含む複数の領域画像を抽出し、該複数の領域画像が並んで配置された確認画像を生成する制御部と、前記制御部により生成された確認画像を出力する出力部とを備えている。前記確認画像に含まれる複数の領域画像は、1枚の紙葉類の画像から抽出された複数の領域画像のみである。前記紙葉類は、紙幣であり、前記識別情報は、記番号である。前記確認画像において、前記複数の領域画像は、該複数の領域画像の各々に含まれる記番号の羅列方向が該確認画像における左右方向となり、且つ、該複数の領域画像が並ぶ方向が該確認画像における上下方向となるように、並んで配置される。
【0021】
前記の構成では、紙葉類の複数の領域(識別情報が印字されている領域)をそれぞれ含む複数の領域画像が並んで配置された確認画像を出力することにより、紙葉類の複数の領域にそれぞれ印字されている複数の識別情報を目視で容易に比較させることができる。これにより、識別情報の状態を容易に確認させることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、ここに開示する技術によれば、識別情報の状態を容易に確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態による紙葉類処理システムの構成を例示する概略図である。
【
図2】
図1に示した紙葉類処理装置の構成を例示するブロック図である。
【
図4】
図1に示したバラ紙幣処理部の構成を例示する概略図である。
【
図5】バラ紙幣入金処理における紙葉類処理装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図6】操作表示部に表示される異番号報知画面を例示する図である。
【
図7】
図1に示した有価媒体処理部の構成を例示する概略図である。
【
図8】有価媒体受付処理における紙葉類処理装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図9】操作表示部に表示される紙幣確認画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0025】
(紙葉類処理システム)
図1は、実施形態による紙葉類処理システム1の構成を例示している。紙葉類処理システム1は、紙葉類処理装置10と、管理コンピュータ20とを備えている。例えば、紙葉類処理システム1は、銀行などの金融機関に設けられている。
【0026】
〔紙葉類処理装置〕
この例では、紙葉類処理装置10は、出納機を構成している。具体的には、
図1および
図2に示すように、紙葉類処理装置10は、バラ紙幣処理部100と、有価媒体処理部200と、帯封紙幣処理部300と、バラ硬貨処理部400と、包装硬貨処理部500と、損貨記念貨処理部600と、貨幣保管部700と、1つまたは複数(この例では2つ)の操作表示部11と、1つまたは複数(この例では2つ)のプリンタ12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。
【0027】
〈バラ紙幣処理部〉
バラ紙幣処理部100は、バラ紙幣(バラ状態の紙幣)を処理する。例えば、バラ紙幣処理部100は、バラ紙幣を入金するバラ紙幣入金処理やバラ紙幣を出金するバラ紙幣出金処理などの各種処理を行う。なお、バラ紙幣処理部100の構成については、後で詳しく説明する。
【0028】
〈有価媒体処理部〉
有価媒体処理部200は、有価媒体を処理する。例えば、有価媒体処理部200は、有価媒体を受け付ける有価媒体受付処理や有価媒体を払い出す有価媒体払出処理などの各種処理を行う。有価媒体処理部200において処理される有価媒体は、損券、旧券、新券、小切手、手形、商品券などである。これらは、バラ紙幣処理部100において処理することができない紙葉類である。なお、有価媒体処理部200の構成については、後で詳しく説明する。
【0029】
〈帯封紙幣処理部〉
帯封紙幣処理部300は、帯封紙幣を処理する。例えば、帯封紙幣処理部300は、帯封紙幣を生成する帯封処理や帯封紙幣を出金する帯封紙幣出金処理などの各種の処理を行う。帯封紙幣は、所定枚数(例えば100枚)のバラ紙幣が帯封紙により帯封されて構成されている。
【0030】
〈バラ硬貨処理部〉
バラ硬貨処理部400は、バラ硬貨(バラ状態の硬貨)を処理する。具体的には、バラ硬貨処理部400は、バラ硬貨を入金するバラ硬貨入金処理やバラ硬貨を出金するバラ硬貨出金処理などの各種処理を行う。
【0031】
〈包装硬貨処理部〉
包装硬貨処理部500は、包装硬貨を処理する。例えば、包装硬貨処理部500は、包装硬貨を生成する包装処理や包装硬貨を出金する包装硬貨出金処理などの各種処理を行う。包装硬貨は、所定枚数(例えば50枚)のバラ硬貨が包装されて構成されている。
【0032】
〈損貨記念貨処理部〉
損貨記念貨処理部600は、損貨や記念貨などの硬貨(バラ硬貨処理部400において処理することができない硬貨)を処理する。具体的には、損貨記念貨処理部600は、損貨や記念貨を受け付ける受付処理などの各種処理を行う。
【0033】
〈貨幣保管部〉
貨幣保管部700は、貨幣を保管する。具体的には、貨幣保管部700は、貨幣保管部700に設けられたドロアに貨幣を収納(装填)する貨幣収納処理やドロアから貨幣を取り出す貨幣取出処理などの各種処理を行う。
【0034】
〈操作表示部〉
操作表示部11は、操作部11aと表示部11bとを有している。例えば、操作表示部11は、タッチパネルによって構成されている。操作部11aは、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。これにより、操作者は、操作部11aを操作して紙葉類処理装置10に各種処理を行わせることができる。すなわち、紙葉類処理装置10は、操作者による操作に応答して動作する。表示部11bは、情報を表示する。
【0035】
〈プリンタと通信部〉
プリンタ12は、情報を印刷媒体(例えばジャーナル)に印刷する。通信部13は、制御部15が外部機器(例えばタブレット端末2やスマートフォン3や管理コンピュータ20など)との間で有線通信または無線通信を行うために設けられている。
【0036】
〈記憶部〉
記憶部14は、情報を記憶する。記憶部14には、紙葉類処理装置10における貨幣や有価媒体の処理状況に関する情報や、紙葉類処理装置10における貨幣や有価媒体の在高に関する情報や、操作表示部11に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、紙葉類処理装置10の動作を制御するための制御情報などが記憶されている。例えば、記憶部14は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。
【0037】
〈各種センサ〉
また、紙葉類処理装置10の各部には、貨幣や有価媒体の通過を検知する通過センサなどの各種センサが設けられている。これらの各種センサによる検知結果(検知信号)は、制御部15に送信される。
【0038】
〈制御部〉
制御部15は、紙葉類処理装置10の各部(この例ではバラ紙幣処理部100と有価媒体処理部200と帯封紙幣処理部300とバラ硬貨処理部400と包装硬貨処理部500と損貨記念貨処理部600と貨幣保管部700と操作表示部11とプリンタ12と通信部13と記憶部14)と電気的に接続されて紙葉類処理装置10の各部との間において信号や情報を伝送可能となっている。また、制御部15は、通信部13を経由して外部機器と通信可能となっている。そして、制御部15は、操作表示部11に与えられた操作や、紙葉類処理装置10の各部(各部に設けられた各種センサを含む)および外部機器から送られてきた信号や情報などに基づいて、紙葉類処理装置10の各部を制御して紙葉類処理装置10の動作を制御する。例えば、制御部15は、プロセッサや、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成されている。
【0039】
〔管理コンピュータ〕
管理コンピュータ20は、紙葉類処理システム1の各部(この例では紙葉類処理装置10)を管理する。この例では、管理コンピュータ20は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを備えている。
【0040】
〈操作部と表示部と通信部〉
操作部21は、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。この例では、操作者は、操作部21を操作して管理コンピュータ20に各種処理を行わせることができる。すなわち、管理コンピュータ20は、操作者による操作に応答して動作する。表示部22は、情報を表示する。通信部23は、制御部25が紙葉類処理装置10や外部機器(例えばタブレット端末2やスマートフォン3など)との間で有線通信または無線通信を行うために設けられている。
【0041】
〈記憶部〉
記憶部24は、情報を記憶する。記憶部24には、紙葉類処理システム1における貨幣や有価媒体の処理状況に関する情報や、紙葉類処理システム1における貨幣や有価媒体の在高に関する情報や、表示部22に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、管理コンピュータ20の動作を制御するための制御情報などが記憶されている。例えば、記憶部24は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。
【0042】
〈制御部〉
制御部25は、管理コンピュータ20の各部(この例では操作部21と表示部22と通信部23と記憶部24)と電気的に接続されて管理コンピュータ20の各部との間において信号や情報を伝送可能となっている。また、制御部25は、通信部23を経由して紙葉類処理装置10や外部機器と通信可能となっている。そして、制御部25は、操作部21に与えられた操作や、管理コンピュータ20の各部および外部機器から送られてきた信号や情報などに基づいて、管理コンピュータ20の各部を制御して管理コンピュータ20の動作を制御する。例えば、制御部25は、プロセッサや、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成されている。
【0043】
〔紙幣の説明〕
次に、
図3を参照して、紙葉類処理装置10において処理される紙幣B(紙葉類の一例)について説明する。以下の説明において、「左右方向」は、紙幣Bに描かれた肖像画を基準とする左右方向のことである。また、「上下方向」は、紙幣Bに描かれた肖像画を基準とする天地方向のことであり、「上」側は、肖像画の「天」側に対応し、「下」側は、肖像画の「地」側に対応している。また、紙幣Bの「表面」は、紙幣Bの肖像画が描かれた面のことであり、紙幣Bの「裏面」は、紙幣Bの肖像画が描かれた面の裏側の面のことである。
【0044】
図3に示すように、紙幣Bには、記番号(識別情報の一例)が複数の領域に印字されている。
図3の例では、紙幣Bの表面における左上に位置する第1領域BR1と、紙幣Bの表面における右下に位置する第2領域BR2とに、「TA016197Z」という記番号が印字されている。
【0045】
通常、1つの紙幣Bに対して1つの固有の記番号が割り当てられており、紙幣Bの複数の領域(
図3の例では第1領域BR1と第2領域BR2)には、その紙幣Bに固有の記番号が印字されている。すなわち、紙幣Bの複数の領域にそれぞれ印字されている複数の記番号は、通常、一致している。なお、紙幣Bの複数の領域にそれぞれ印字されている複数の記番号が一致していない場合、その紙幣Bは、正常ではない紙幣(異番号券)となる。このような異番号券は、例えば、2枚の紙幣のうち一方の紙幣の一部(例えば左半分)と他方の紙幣の一部(例えば右半分)を貼り合わせることで変造される。
【0046】
以下では、第1領域BR1および第2領域BR2に記番号が印字された紙幣を対象する場合を例に挙げて説明する。
【0047】
〔バラ紙幣処理部の構成〕
図4は、バラ紙幣処理部100の構成を例示している。
図4に示すように、バラ紙幣処理部100は、入金部101と、入金リジェクト部102と、一括一時保留部103と、複数(この例では4つ)の金種別一時保留部104と、一括紙幣収納部105と、複数(この例では4つ)の金種別紙幣収納部106(収納部)と、出金部107と、出金リジェクト部108と、複数(この例では2つ)の整理一時保留部109と、バラ紙幣搬送部110(搬送部)と、入金識別部111と、スイッチバック反転部112と、出金識別部113と、スパイラル反転部114とを備えている。
【0048】
〈入金部〉
入金部101には、投入された紙幣を集積する。入金部101には、入金部101に集積された紙幣を1枚ずつバラ紙幣搬送部110に繰り出す繰出部101aが設けられている。
【0049】
〈入金リジェクト部〉
入金リジェクト部102は、バラ紙幣入金処理において入金識別部111により正常ではないと識別された紙幣(入金リジェクト紙幣)を集積する。
【0050】
〈一時保留部〉
一括一時保留部103は、複数の金種の紙幣が混合状態で一時的に保留(収納)する。複数の金種別一時保留部104は、それぞれに割り当てられた金種の紙幣を一時的に保留(収納)する。
【0051】
〈収納部〉
一括紙幣収納部105は、一括一時保留部103から送られた紙幣を収納する。一括紙幣収納部105には、一括紙幣収納部105に収納された紙幣を1枚ずつバラ紙幣搬送部110に繰り出す繰出部105aが設けられている。複数の金種別紙幣収納部106は、複数の金種別一時保留部104から送られた紙幣をそれぞれ収納する。金種別紙幣収納部106には、金種別紙幣収納部106に収納された紙幣を1枚ずつバラ紙幣搬送部110に繰り出す繰出部106aが設けられている。
【0052】
〈出金部と出金リジェクト部と整理一時保留部〉
出金部107は、紙幣を払い出す。出金リジェクト部108は、バラ紙幣出金処理において出金識別部113により正常ではないと識別された紙幣(出金リジェクト紙幣)を集積する。複数の整理一時保留部109は、帯封紙幣処理部300において帯封されるべき紙幣を集積する。
【0053】
〈バラ紙幣搬送部〉
バラ紙幣搬送部110は、バラ紙幣処理部100内において紙幣を搬送する。この例では、バラ紙幣搬送部110は、入金部101と入金リジェクト部102と一括一時保留部103と複数の金種別一時保留部104との間において紙幣を搬送する第1バラ紙幣搬送部110aと、一括紙幣収納部105と複数の金種別紙幣収納部106と出金部107と出金リジェクト部108と複数の整理一時保留部109との間において紙幣を搬送する第2バラ紙幣搬送部110bと、それぞれが第1バラ紙幣搬送部110aと第2バラ紙幣搬送部110bとを接続する第3バラ紙幣搬送部110cおよび第4バラ紙幣搬送部110dとを有している。
【0054】
〈入金識別部〉
入金識別部111は、第1バラ紙幣搬送部110aに設けられ、入金部101の下流側に配置されている。そして、入金識別部111は、第1バラ紙幣搬送部110aにより搬送される紙幣に対して識別動作を行う。識別動作では、入金識別部111は、紙幣の金種、真偽、正損、新旧、方向(表裏と向き)、搬送状態、紙幣に印字された記番号などを識別する。また、識別動作では、入金識別部111は、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが一致しているか否かの識別(以下「記番号一致の識別」と記載)を行う。
【0055】
具体的には、入金識別部111は、撮像部111aを有している。撮像部111aは、バラ紙幣搬送部110により搬送される紙幣を撮像して紙幣の画像を取得する。この例では、撮像部111aは、紙幣の両面を撮像して紙幣の表面の画像と紙幣の裏面の画像を取得する。また、入金識別部111は、撮像部111aの他に、ラインセンサや磁気センサなどのセンサ類と、撮像部111aにより取得された紙幣の画像やセンサ類の検知結果に基づいて識別動作を行う識別処理部とを有している。この識別処理部には、照合部111bが含まれている。すなわち、照合部111bは、識別処理部の機能の一部を構成している。照合部111bは、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とを照合して記番号一致の識別を行う。例えば、照合部111bは、撮像部111aにより取得された紙幣の画像に対して光学文字認識(OCR)を行うことにより紙幣の第1領域BR1および第2領域BR2の各々に印字された記番号を読み取り、これらの読み取られた2つの記番号を照合する。そして、入金識別部111による紙幣の識別結果(照合部111bによる記番号の照合結果を含む)と撮像部111aにより取得された紙幣の画像は、制御部15に送信される。
【0056】
〈スイッチバック反転部〉
スイッチバック反転部112は、第1バラ紙幣搬送部110aに設けられ、入金識別部111の下流側であり且つ入金リジェクト部102と一括一時保留部103と複数の金種別一時保留部104の上流側である位置に配置されている。そして、スイッチバック反転部112は、第1バラ紙幣搬送部110aにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わらないように紙幣の表裏を選択的に反転させる。
【0057】
〈出金識別部〉
出金識別部113は、第2バラ紙幣搬送部110bに設けられ、一括紙幣収納部105と複数の金種別紙幣収納部106の下流側であり且つ出金部107と出金リジェクト部108と複数の整理一時保留部109の上流側である位置に配置されている。そして、出金識別部113は、第2バラ紙幣搬送部110bにより搬送される紙幣に対して識別動作を行う。識別動作では、出金識別部113は、紙幣の金種、真偽、正損、新旧、方向(表裏と向き)、搬送状態、紙幣に印字された記番号などを識別する。
【0058】
〈スパイラル反転部〉
スパイラル反転部114は、第2バラ紙幣搬送部110bに設けられ、出金識別部113の下流側であり且つ出金部107と出金リジェクト部108と複数の整理一時保留部109の上流側である位置に配置されている。そして、スパイラル反転部114は、第2バラ紙幣搬送部110bにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わるように紙幣の表裏を選択的に反転させる。
【0059】
〔制御部による確認画像生成動作〕
制御部15は、紙葉類処理装置10の各種処理(例えばバラ紙幣入金処理)において、必要に応じて確認画像生成動作を行う。
【0060】
確認画像生成動作では、制御部15は、撮像部(例えば入金識別部111の撮像部111a)により取得された紙幣の画像から紙幣の第1領域BR1を含む第1領域画像P101と第2領域BR2を含む第2領域画像P102とを抽出する。そして、制御部15は、第1領域画像P101と第2領域画像P102とが並んで配置された確認画像P10(
図6参照)を生成する。例えば、確認画像P10では、第1領域画像P101と第2領域画像P102とが拡大されて並べられている。出力部(例えば操作表示部11)は、制御部15により生成された確認画像P10を出力(例えば表示)する。
【0061】
この例では、確認画像生成動作において、制御部15は、撮像部(例えば入金識別部111の撮像部111a)により取得された紙幣の画像または紙幣の画像から抽出された第1領域画像P101と第2領域画像P102に対して、第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号との比較(目視による比較)を容易にするための画像処理を行う。例えば、制御部15は、第1領域画像P101および第2領域画像P102を拡大するための画像処理や、第1領域画像P101および第2領域画像P102の各々に含まれる記番号を鮮明にするための画像処理(例えば二値化処理やエッジ強調処理)や、第1領域画像P101および第2領域画像P102の色合いを視覚弱者が認識しやすい色合いに変更するための画像処理(例えば色調変更処理)などを行う。
【0062】
〔バラ紙幣入金処理〕
次に、バラ紙幣入金処理について説明する。
【0063】
バラ紙幣入金処理では、制御部15は、入金部101から繰り出された紙幣が入金識別部111において識別されて入金識別部111の識別結果に応じて一時保留部(一括一時保留部103または金種別一時保留部104)または入金リジェクト部102に搬送されるように、バラ紙幣処理部100の動作を制御する。
【0064】
そして、バラ紙幣入金処理において処理されるべき紙幣の全部(具体的には入金部101に投入された紙幣の全部)に対して入金識別部111による識別が行われた後に、バラ紙幣処理部100における紙幣の入金を承認するための操作(承認操作)が操作表示部11に与えられると、制御部15は、一時保留部(一括一時保留部103または金種別一時保留部104)に一時的に保留されている紙幣が収納部(一括紙幣収納部105または金種別紙幣収納部106)に送られるように、バラ紙幣処理部100の動作を制御する。
【0065】
なお、この例では、バラ紙幣入金処理において、制御部15は、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが一致しないと識別された場合に、入金識別部111の撮像部111aにより取得された紙幣の画像に基づいて確認画像生成動作を行う。これにより、確認画像P10が生成される。
【0066】
また、この例では、バラ紙幣入金処理において、操作表示部11(出力部)は、照合部111bによる記番号の照合結果を表示(出力)する。具体的には、制御部15は、照合部111bによる記番号の照合結果を操作表示部11に供給し、操作表示部11は、制御部15により供給された照合部111bによる記番号の照合結果を表示する。
【0067】
この例では、制御部15は、確認画像P10と照合部111bによる記番号の照合結果とを含む異番号報知画面の画像(紙幣が異番号券に該当することを報知するための画像)を生成する。操作表示部11は、異番号報知画面の画像を表示する。なお、異番号報知画面については、後で詳しく説明する。
【0068】
〔バラ紙幣入金処理における紙葉類処理装置の動作〕
次に、
図5を参照して、バラ紙幣入金処理における紙葉類処理装置10の動作について説明する。紙葉類処理装置10では、バラ紙幣入金処理において入金部101から繰り出された紙幣が入金識別部111に搬送される毎に、以下の処理が行われる。
【0069】
〈ステップS101〉
まず、入金識別部111は、入金識別部111に搬送されてきた紙幣に対して識別動作を行う。この識別動作では、紙幣の金種、真偽、新旧、方向(表裏と向き)、搬送状態、記番号の識別の他に、第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが一致しているか否かの識別(以下「記番号一致の識別」と記載)が行われる。入金識別部111による紙幣の識別結果(照合部111bによる記番号の照合結果を含む)と撮像部111aにより取得された紙幣の画像は、制御部15に送信される。
【0070】
〈ステップS102〉
次に、制御部15は、ステップS101における紙幣の識別結果に基づいて、紙幣が正常であると識別されたか否かを判定する。紙幣が正常であると識別された場合には、ステップS103へ進み、そうでない場合には、ステップS104へ進む。
【0071】
〈ステップS103〉
紙幣が正常であると識別された場合、制御部15は、正常であると識別された紙幣が一時保留部(一括一時保留部103または金種別一時保留部104)に搬送されるように、バラ紙幣処理部100の動作を制御する。
【0072】
〈ステップS104〉
一方、紙幣が正常ではないと識別された場合、制御部15は、正常ではないと識別された紙幣が入金リジェクト部102に搬送されるように、バラ紙幣処理部100の動作を制御する。
【0073】
〈ステップS105〉
次に、制御部15は、ステップS101における紙幣の識別結果に基づいて、紙幣が正常ではないと識別された要因が記番号の不一致という要因であるか否かを判定する。紙幣が正常ではないと識別された要因が記番号の不一致という要因である場合には、ステップS106へ進み、そうでない場合には、ステップS108へ進む。
【0074】
〈ステップS106〉
紙幣が正常ではないと識別された要因が記番号の不一致という要因である場合、制御部15は、入金識別部111の撮像部111aにより取得された紙幣の画像に基づいて確認画像生成動作を行う。これにより、制御部15において第1領域画像P101および第2領域画像P102が並んで配置された確認画像P10が生成され、確認画像P10が操作表示部11に表示される。
【0075】
この例では、制御部15は、
図6に示す異番号報知画面の画像(紙幣が正常ではないと識別された要因が記番号の不一致という要因であることを報知するための画像)を操作表示部11に表示させる。この異番号報知画面には、確認画像P10と、照合結果表示領域R1と、確定アイコンR10とが含まれている。
【0076】
図6の例では、確認画像P10において第1領域画像P101と第2領域画像P102とが上下方向に並んで配置されている。具体的には、確認画像P10では、第1領域画像P101および第2領域画像P102の各々に含まれる記番号の羅列方向(記番号を構成する複数の数字および文字が並ぶ方向)が予め定められた第1方向(
図6の例では左右方向)に沿う方向となり、且つ、第1領域画像P101および第2領域画像P102が並ぶ方向が第1方向と直交する第2方向(
図6の例では上下方向)となるように、第1領域画像P101および第2領域画像P102が並んでいる。また、第1領域画像P101に含まれる記番号を構成する複数の数字および文字は、第2方向において第2領域画像P102に含まれる記番号を構成する複数の数字および文字と一対一で対向している。
【0077】
また、
図6の例では、確認画像P10には、第1領域画像P101と第2領域画像P102の他に、全体画像P100が含まれている。全体画像P100は、紙幣の全体(具体的には紙幣の表面の全体)の画像であり、撮像部(この例では入金識別部111の撮像部111a)により取得された紙幣の画像(または紙幣の画像に基づいて生成された画像)である。
【0078】
また、
図6の例において、照合結果表示領域R1は、照合部111bによる記番号の照合(紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号との照合)の結果を表示するための領域である。
図6の例では、照合結果表示領域R1には、第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが不一致であることが示されている。
【0079】
〈ステップS107〉
次に、制御部15は、操作表示部11に表示された異番号報知画面を確認したことを示す操作(画像確認操作)が操作表示部11に与えられたか否かを判定する。画像確認操作が与えられると、処理を終了する。
【0080】
この例では、
図6に示した異番号報知画面の中から確定アイコンR10を選択するための操作(画像確認操作)が操作表示部11に与えられると、制御部15は、操作表示部11に表示された異番号報知画面が確認されたことを認識する。そして、制御部15は、操作表示部11による異番号報知画面の表示を終了させる。
【0081】
〈ステップS108〉
一方、入金識別部111において紙幣が正常ではないと識別された要因が記番号の不一致という要因ではない場合、制御部15は、紙幣が正常ではないと識別された要因を報知するための異常報知画面の画像を操作表示部11に表示させる。そして、操作表示部11に表示された異常報知画面を確認したことを示す操作が操作表示部11に与えられると、制御部15は、操作表示部11による異常報知画面の表示を終了させる。
【0082】
〔実施形態による効果〕
以上のように、紙幣の第1領域BR1および第2領域BR2をそれぞれ含む第1領域画像P101および第2領域画像P102が並んで配置された確認画像P10(この例では第1領域画像P101および第2領域画像P102が拡大されて並べられた確認画像P10)を出力することにより、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とを目視で容易に比較させることができる。これにより、記番号の状態(例えば記番号が一致するか否かや記番号が不一致となる要因など)を容易に確認させることができる。
【0083】
また、紙幣の画像に対して画像処理(第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号との比較(目視による比較)を容易にするための画像処理)を行うことにより、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号との比較(目視による比較)を容易にすることができる。これにより、記番号の状態をさらに容易に確認させることができる。
【0084】
また、照合部111bによる記番号の照合結果を出力することにより、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが一致しているか否かを容易に確認させることができる。
【0085】
なお、制御部15は、記番号の不一致という要因により紙幣が正常ではないと識別された場合に、その紙幣に関する情報が印刷された印刷媒体(例えばジャーナル)をプリンタ12に発行させるように構成されていてもよい。この印刷媒体には、発生日時、操作者ID、金種、券種、リジェクト要因(正常ではないと識別された要因)、左右の記番号(紙幣の第1領域BR1および第2領域BR2の各々に印字された記番号)などの情報が印刷される。そして、このような情報が印刷された印刷媒体は、記番号の不一致という要因により正常ではないと識別された紙幣(すなわち現物)とともに管理される。
【0086】
また、制御部15は、紙幣の欠損や汚れなどにより、第1領域画像P101(または第2領域画像P102)に含まれる記番号を構成する数字および文字の一部が欠落している場合に、第1領域画像P101(または第2領域画像P102)において記番号の欠落箇所に予め定められた記号(例えばアスタリスク)が埋め込まれるように、第1領域画像P101(または第2領域画像P102)に対して画像処理を行うように構成されていてもよい。または、制御部15は、第1領域画像P101(または第2領域画像P102)に含まれる記番号を構成する数字および文字の一部が欠落していることを通知するためのメッセージを操作表示部11に表示させるように構成されていてもよい。
【0087】
(実施形態の変形例1)
なお、制御部15は、有価媒体受付処理において確認画像生成動作を行うように構成されていてもよい。以下、この変形例1について詳しく説明する。なお、以下では、説明の便宜上、有価媒体受付処理において処理される有価媒体が紙幣(第1領域BR1と第2領域BR2の各々に記番号が印字された紙幣)である場合を例に挙げて説明する。
【0088】
〔有価媒体処理部の詳細〕
図7は、有価媒体処理部200の構成を例示している。
図7に示すように、有価媒体処理部200は、投入部201と、払出部202と、複数(この例では4つ)の新券収納部203と、一時保留部204と、複数(この例では3つ)の小切手収納部205と、複数(この例では2つ)の損券収納部206と、搬送部207と、撮像部208とを有している。
【0089】
〈投入部〉
投入部201には、有価媒体が投入される。この例では、投入部201は、筐体30の前面に設けられ、複数枚の有価媒体を投入することができるように構成されている。また、投入部201には、投入部201に投入された有価媒体を搬送部207に一枚ずつ繰り出す繰出機構201aが設けられている。
【0090】
〈払出部〉
払出部202は、有価媒体を機外に払い出す。この例では、払出部202は、筐体30の前面に設けられ、複数枚の有価媒体を集積することができるように構成されている。また、払出部202には、搬送部207から払出部202に搬送されてきた有価媒体を払出部202に一枚ずつ繰り入れる羽根車202aが設けられている。また、払出部202には、開閉可能なシャッタが設けられており、このシャッタが開状態となっている場合に、払出部202に集積された有価媒体を操作者が取り出すことができるようになっている。
【0091】
〈新券収納部〉
複数の新券収納部203は、それぞれが新券を収納する。この例では、複数の新券収納部203は、筐体30の前部に設けられて上下方向に並んで配置され、それぞれが複数枚の新券を集積することができるように構成されている。また、新券収納部203には、新券収納部203に収納された新券を搬送部207に一枚ずつ繰り出す繰出機構203aが設けられている。
【0092】
〈一時保留部〉
一時保留部204は、有価媒体を一時的に保留(収納)する。この例では、一時保留部204は、テープ巻き取り式の収納部によって構成されている。具体的には、一時保留部204は、正回転方向および逆回転方向の両方に回転可能なドラム204aを有しており、このドラム204aに一対のテープが巻き取られるようになっている。そして、搬送部207から一時保留部204に送られた有価媒体は、この一対のテープの間に挟まれた状態で1枚ずつ順番にドラム204a(正回転方向に回転するドラム204a)により巻き取られて収納される。また、ドラム204aを逆回転方向に回転させると、巻き取られた有価媒体が搬送部207に1枚ずつ繰り出される。
【0093】
〈小切手収納部〉
複数の小切手収納部205は、それぞれが小切手を収納する。この例では、小切手収納部205は、スタッカ式の収納部によって構成されている。具体的には、小切手収納部205は、複数枚の小切手を集積することができるように構成されている。
【0094】
〈損券収納部〉
複数の損券収納部206は、それぞれが損券を収納する。この例では、2つの損券収納部206のうち一方の損券収納部206の構成は、小切手収納部205の構成(スタッカ式の収納部)と同様となっており、他方の損券収納部206の構成は、一時保留部204の構成(テープ巻き取り式の収納部)と同様となっている。
【0095】
〈搬送部〉
搬送部207は、有価媒体を搬送する。この例では、搬送部207は、投入部201と払出部202と複数の新券収納部203と一時保留部204と複数の小切手収納部205と複数の損券収納部206との間において有価媒体を搬送するように構成されている。例えば、搬送部207は、有価媒体を搬送するための搬送ベルトおよび搬送ローラにより構成された搬送路や、搬送ベルトおよび搬送ローラを駆動するための駆動機構や、有価媒体の搬送を案内するためのガイド機構や、有価媒体の搬送方向を切り換えるための分岐爪などによって構成されている。
【0096】
〈撮像部〉
撮像部208は、搬送部207に設けられ、投入部201の下流側に配置されている。そして、撮像部208は、搬送部207により搬送される有価媒体を撮像して有価媒体の画像を取得する。この例では、撮像部208は、有価媒体の両面を撮像して有価媒体の表面の画像と有価媒体の裏面の画像を取得する。撮像部208により取得された有価媒体の画像は、制御部15に送信される。
【0097】
〔有価媒体受付処理〕
次に、有価媒体受付処理について説明する。
【0098】
有価媒体受付処理では、制御部15は、投入部201から繰り出された紙幣が撮像部208において撮像されて一時保留部204に搬送されるように、有価媒体処理部200の動作を制御する。また、制御部は、撮像部208により取得された紙幣の画像に基づいて簡易識別動作を行う。簡易識別動作では、紙幣の金種や新旧の識別が行われるが、紙幣の汚損や欠損などが原因となって識別できない場合がある。なお、簡易識別動作では、紙幣の記番号一致の識別(紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とが一致しているか否かの識別)は行われない。操作表示部11は、撮像部208による取得された紙幣の画像と制御部15による紙幣の簡易識別結果とを表示(出力)する。
【0099】
また、有価媒体受付処理では、撮像部208により撮像された紙幣の識別結果(操作者による紙幣の識別結果)を入力するための操作(入力操作)が操作表示部11に与えられる。そして、撮像部208により撮像された紙幣の識別結果を確定するための操作(確定操作)が操作表示部11に与えられると、制御部15は、その紙幣の識別結果とその紙幣の画像とを対応付けて記憶部16に記憶する。一方、撮像部208により撮像された紙幣を返却するための操作(返却操作)が操作表示部11に与えられると、制御部15は、一時保留部204から繰り出された紙幣(返却すべき紙幣)が払出部202に搬送されるように、有価媒体処理部200の動作を制御する。
【0100】
そして、有価媒体受付処理において処理されるべき紙幣の全部(具体的には投入部201に投入された紙幣の全部)に対して確定操作または返却操作が行われると、制御部15は、一時保留部204に一時的に保留されている紙幣が損券収納部206に搬送されるように、有価媒体処理部200の動作を制御する。
【0101】
なお、この例では、有価媒体受付処理において、制御部15は、撮像部208により取得された紙幣の画像に基づいて確認画像生成動作を行う。これにより、第1領域画像P101と第2領域画像P102とが並んで配置された確認画像P10が生成される。
【0102】
また、この例では、有価媒体受付処理において、操作表示部11は、確認画像P10の第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号とが一致するか否かを確認することを指示するための情報(照合指示情報)を出力する。具体的には、制御部15は、照合指示情報を操作表示部11に供給して照合指示情報を操作表示部11に表示させる。
【0103】
この例では、制御部15は、確認画像P10と制御部15による紙幣の簡易識別結果と照合指示情報とを含む紙幣確認画面の画像(紙幣を確認させるための画像)を生成する。操作表示部11は、紙幣確認画面の画像を表示する。なお、紙幣確認画面については、後で詳しく説明する。
【0104】
また、この例では、有価媒体受付処理において、制御部15は、確認画像P10の第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号とが一致するか否かの確認が行われたことを示す操作(一致確認操作)が操作表示部11に与えられた場合に、操作表示部11(出力部)による画像(確認画像P10を含む紙幣確認画面)の出力の終了を許可する。
【0105】
〔有価媒体受付処理における紙葉類処理装置の動作〕
次に、
図8を参照して、有価媒体受付処理における紙葉類処理装置10の動作について説明する。紙葉類処理装置10では、有価媒体受付処理において投入部201から繰り出された紙幣が撮像部208に搬送される毎に、以下の処理が行われる。
【0106】
〈ステップS201〉
まず、撮像部208は、撮像部208に搬送されてきた紙幣を撮像して紙幣の画像を取得する。撮像部208により取得された紙幣の画像は、制御部15に送信される。なお、撮像部208により撮像された紙幣は、一時保留部204に搬送される。
【0107】
〈ステップS202〉
次に、制御部15は、ステップS201において撮像部208により取得された紙幣の画像に基づいて簡易識別動作を行う。簡易識別動作では、紙幣の金種や新旧の識別が行われる。
【0108】
〈ステップS203〉
また、制御部15は、ステップS201において撮像部208により取得された紙幣の画像に基づいて確認画像生成動作を行う。これにより、制御部15において第1領域画像P101および第2領域画像P102が並んで配置された確認画像P10が生成され、確認画像P10が操作表示部11に表示される。この例では、確認画像P10において第1領域画像P101および第2領域画像P102が拡大されて並べられている。また、第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号との比較(目視による比較)を容易にするための画像処理が必要に応じて行われてもよい。
【0109】
この例では、制御部15は、
図9に示す紙幣確認画面の画像(紙幣を確認させるための画像)を操作表示部11に表示させる。この紙幣確認画面には、確認画像P10と、金種指定領域R2と、券種指定領域R3と、照合指示領域R4と、確定アイコンR10と、返却アイコンR20とが含まれている。
【0110】
図9の例では、
図6の例と同様に、確認画像P10において第1領域画像P101と第2領域画像P102とが上下方向に並んで配置されており、記番号の一致/不一致を確認しやすくなっている。さらに、確認画像P10には、第1領域画像P101と第2領域画像P102の他に、全体画像P100が含まれている。
【0111】
また、
図9の例において、金種指定領域R2は、紙幣の金種を指定するための領域である。
図9の例では、金種指定領域R2には、4つの金種(「1万円」と「5千円」と「2千円」と「千円」)にそれぞれ対応する4つのチェックボックスが設けられている。この4つのチェックボックスの中から1つのチェックボックスを指定するための操作(すなわち操作者により識別された紙幣の金種を指定するための操作)が操作表示部11に与えられると、そのチェックボックスに対応する金種が指定される。また、
図9の例では、制御部15の簡易識別動作において紙幣の金種が「1万円」であると識別されており、金種指定領域R2に設けられた4つのチェックボックスのうち「1万円」に対応するチェックボックスが予め指定されている。すなわち、金種指定領域R2には、制御部15による紙幣の簡易識別結果の一部が含まれている。なお、制御部15の簡易識別動作において紙幣の金種を識別することができない場合は、4つのチェックボックスの全部が空欄(選択されていない状態)となる。
【0112】
また、
図9の例において、券種指定領域R3は、紙幣の券種を指定するための領域である。
図9の例では、券種指定領域R3には、2つの券種(「C券」と「D券」)にそれぞれ対応する2つのチェックボックスが設けられている。この2つのチェックボックスの中から1つのチェックボックスを指定するための操作(すなわち操作者により識別された紙幣の券種を指定するための操作)が操作表示部11に与えられると、そのチェックボックスに対応する券種が指定される。なお、C券およびD券は、紙幣の発行時期に基づいて割り当てられる券種のことである。また、
図9の例では、制御部15の簡易識別動作において紙幣の券種(新旧)が「C券」であると識別されており、券種指定領域R3に設けられた4つのチェックボックスのうち「C券」に対応するチェックボックスが予め指定されている。すなわち、券種指定領域R3には、制御部15による紙幣の簡易識別結果の一部が含まれている。なお、制御部15の簡易識別動作において紙幣の券種(新旧)を識別することができない場合は、2つのチェックボックスの全部が空欄(選択されていない状態)となる。
【0113】
また、
図9の例において、照合指示領域R4は、第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号とが一致するか否かの確認(以下「記番号の一致の確認」と記載)を行うことを指示するための領域である。照合指示領域R4には、記番号の一致の確認が行われた場合に選択されるチェックボックスが設けられている。このチェックボックスを選択するための操作(すなわち記番号の一致の確認が行われたことを示す操作)が操作表示部11に与えられると、制御部15は、操作表示部11による画像(紙幣確認画面)の表示の終了を許可する。
【0114】
〈ステップS204〉
次に、制御部15は、操作表示部11により表示された紙幣(すなわちステップS201において撮像部208により撮像された紙幣)の識別結果を確定させるための操作(確定操作)が操作表示部11に与えられた否かを判定する。確定操作が操作表示部11に与えられている場合には、ステップS205へ進み、そうでない場合には、ステップS207へ進む。この例では、
図9に示した紙幣確認画面の中から確定アイコンR10を選択するための操作(確定操作)が与えられると、ステップS205へ進む。
【0115】
〈ステップS205〉
次に、制御部15は、確定操作が操作表示部11に与えられる前に、記番号の一致の確認が行われたことを示す操作(一致確認操作)が操作表示部11に与えられているか否かを判定する。確定操作が操作表示部11に与えられる前に一致確認操作が操作表示部11に与えられている場合、制御部15は、操作表示部11に表示された紙幣確認画面における紙幣の識別結果(例えば金種と券種)と紙幣の画像(例えば全体画像P100)とを対応付けて記憶部16に記憶する。そして、制御部15は、操作表示部11による画像(紙幣確認画面)の表示を終了させる。一方、確定操作が操作表示部11に与えられる前に一致確認操作が操作表示部11に与えられていない場合には、ステップS206へ進む。
【0116】
〈ステップS206〉
確定操作が操作表示部11に与えられる前に一致確認操作が操作表示部11に与えられていない場合、制御部15は、一致確認操作が操作表示部11に与えられていないことを報知するための情報を出力する。例えば、制御部15は、一致確認操作を操作表示部11に与えることを指示するための画像を操作表示部11に表示させる。次に、ステップS203へ進む。
【0117】
〈ステップS207〉
また、ステップS204において確定操作が操作表示部11に与えられていないと判定された場合、制御部15は、ステップS201において撮像部208により撮像された紙幣を返却するための操作(返却操作)が操作表示部11に与えられているか否かを判定する。返却操作が操作表示部11に与えられている場合には、ステップS208へ進み、そうでない場合には、ステップS204へ進む。この例では、
図9に示した紙幣確認画面の中から返却アイコンR20を選択するための操作(返却操作)が与えられると、ステップS208へ進む。例えば、2つの記番号が一致しない場合は、紙幣(現物)を確認する必要があるため、紙幣の返却が指示される。
【0118】
〈ステップS208〉
返却操作が操作表示部11に与えられている場合、制御部15は、一時保留部204に一時的に保留されている紙幣が払出部202に搬送されるように、有価媒体処理部200の動作を制御する。
【0119】
〔実施形態の変形例1による効果〕
以上のように、紙幣の第1領域BR1および第2領域BR2をそれぞれ含む第1領域画像P101および第2領域画像P102が並んで配置された確認画像P10(この例では第1領域画像P101および第2領域画像P102が拡大されて並べられた確認画像P10)を出力することにより、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号とを目視で容易に比較させることができる。これにより、記番号の状態(例えば記番号が一致するか否かや記番号が不一致となる要因など)を容易に確認させることができる。
【0120】
また、紙幣の画像に対して画像処理(第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号との比較(目視による比較)を容易にするための画像処理)を行うことにより、紙幣の第1領域BR1に印字された記番号と第2領域BR2に印字された記番号との比較(目視による比較)を容易にすることができる。これにより、記番号の状態をさらに容易に確認させることができる。
【0121】
また、記番号の一致の確認(第1領域画像P101に含まれる記番号と第2領域画像P102に含まれる記番号とが一致するか否かの確認)が行われたことを示す操作が操作表示部11に与えられた場合に、操作表示部11による確認画像P10の表示(出力)の終了を許可することにより、記番号の一致の確認が行われたことを条件として、操作表示部11による確認画像P10の表示の終了させることができる。これにより、記番号の一致の確認を実施し忘れることを防止することができる。
【0122】
(実施形態の変形例2)
また、制御部15は、紙葉類処理装置10において行われる各種処理(例えばバラ紙幣入金処理や有価媒体受付処理など)が完了すると、紙葉類処理装置10における紙幣の処理の結果を示す処理リストを出力するように構成されていてもよい。処理リストには、紙幣に関する情報と第1領域画像P101および第2領域画像P102とが対応付けられて登録されている。例えば、制御部15は、処理リストを操作表示部11に出力して処理リストを操作表示部11に表示させる。または、制御部15は、処理リストをプリンタ12に出力して処理リストが印刷された印刷媒体をプリンタ12に発行させる。
【0123】
この例では、制御部15は、有価媒体受付処理が完了すると、
図10に示す処理リストを出力する。この処理リストは、有価媒体受付処理において受け付けられた紙幣に関する情報が登録された処理リストである。この処理リストでは、処理日と処理時刻と担当者と券種と金種と第1領域画像P101と第2領域画像P102とが対応付けられて登録されている。例えば、
図10に示された処理リストの第1段目は、「2018年05月01日」の「12:31」に担当者「太郎」による操作に応じて紙葉類処理装置10において有価媒体受付処理が行われ、その有価媒体受付処理において受け付けられた紙幣の券種が「E券」であり且つ金種が「1万円」であることを示しており、この第1段目には、この紙幣の画像(撮像部208により取得された紙幣の画像)から抽出された第1領域画像P101と第2領域画像P102とが登録されている。
【0124】
〔実施形態の変形例2による効果〕
以上のように、紙幣に関する情報と第1領域画像P101および第2領域画像P102とが対応付けられた処理リストを出力することにより、紙幣の第1領域BR1および第2領域BR2の各々に印字された記番号(すなわち現物の記番号)と処理リストに含まれる第1領域画像P101および第2領域画像P102の各々に含まれる記番号とを照合することができる。これにより、紙幣の管理を容易にすることができる。
【0125】
例えば、処理リストは、紙葉類処理装置10から回収された紙幣を別の場所へ移動させる場合に、証拠として現物(紙葉類処理装置10から回収された紙幣)とともに管理することにより、処理リストを用いて現物を確認することができる。
【0126】
また、処理リストを保存管理しておくことにより、処理リストに基づいて紙幣の追跡調査を行うことができる。例えば、有価媒体処理部200に収納された損券のように偽造券や変造券である可能性がある紙幣の追跡調査を行うことができる。
【0127】
なお、処理リストには、第1領域画像P101および第2領域画像P102の他に、全体画像P100(紙幣の全体の画像)が含まれていてもよい。
【0128】
また、処理リストに登録される項目(紙幣の情報に関する項目)は、任意に増減することができるようになっていてもよい。これにより、データ容量などの目的に応じて処理リストに登録される項目を最適化することができる。
【0129】
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、確認画像P10において第1領域画像P101と第2領域画像P102とが上下方向に並んで配置されている場合を例に挙げたが、これに限らず、確認画像P10において第1領域画像P101と第2領域画像P102とが左右方向に並んで配置されていてもよい。
【0130】
また、以上の説明では、確認画像P10に全体画像P100(紙幣の表面の画像)が含まれている場合を例に挙げたが、確認画像P10には、全体画像P100に加えて、紙幣の裏面の画像が含まれていてもよい。
【0131】
また、以上の説明では、確認画像P10を含む異番号報知画面の画像が操作表示部11に表示される場合を例に挙げたが、これに限らず、異番号報知画面の画像は、管理コンピュータ20やタブレット端末2やスマートフォン3などの外部機器に表示されてもよい。例えば、制御部15は、異番号報知画面の画像を管理コンピュータ20に送信するように構成されていてもよい。そして、管理コンピュータ20の制御部25は、制御部15から送信された異番号報知画面の画像を管理コンピュータ20の表示部22に表示させるように構成されていてもよい。このような構成により、確認画像P10を含む異番号報知画面の画像を管理コンピュータ20やタブレット端末2やスマートフォン3などの外部機器の操作者(例えば出納係や上位者などの管理者)に確認させることができる。すなわち、確認画像P10を表示する表示部は、紙葉類処理装置10の操作表示部11(具体的には表示部11b)であってもよいし、管理コンピュータ20の表示部22であってもよいし、タブレット端末2やスマートフォン3などの表示部であってもよい。
【0132】
また、以上の説明では、確認画像P10を含む異番号報知画面の画像が操作表示部11(具体的には表示部11b)に表示される場合を例に挙げたが、確認画像P10を含む異番号報知画面の画像は、プリンタ12により印刷媒体に印刷されてもよい。すなわち、確認画像P10を出力する出力部は、確認画像P10を表示する表示部(具体的には紙葉類処理装置10の操作表示部11や管理コンピュータ20の表示部22やタブレット端末2やスマートフォン3などの表示部など)であってもよいし、確認画像P10を印刷媒体に印刷するプリンタ(具体的にはプリンタ12)であってもよい。
【0133】
また、以上の説明では、2つの領域(第1領域BR1および第2領域BR2)に記番号が印字された紙幣を対象とする場合を例に挙げたが、紙幣ではない他の紙葉類(例えば小切手や手形や商品券など)を対象としてもよい。すなわち、2つ以上の領域に識別情報が印字された紙葉類を対象としてもよい。
【0134】
また、以上の説明では、紙葉類処理装置10が出納機を構成している場合を例に挙げたが、これに限らず、紙葉類処理装置10は、オートキャッシャやロビー入金機や紙幣釣銭機などを構成するものであってもよい。なお、紙葉類処理装置10が紙幣釣銭機を構成している場合は、確認画像P10を含む異番号報知画面の画像がPOS端末の表示部(図示を省略)に表示されるようになっていてもよい。
【0135】
また、以上の実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上説明したように、ここに開示する技術は、紙葉類処理装置や紙葉類処理システムとして有用である。
【符号の説明】
【0137】
1 紙葉類処理システム
10 紙葉類処理装置
100 バラ紙幣処理部
200 有価媒体処理部
300 帯封紙幣処理部
400 バラ硬貨処理部
500 包装硬貨処理部
600 損貨記念貨処理部
700 貨幣保管部
11 操作表示部(出力部)
11a 操作部
11b 表示部
12 プリンタ(出力部)
13 通信部
14 記憶部
15 制御部
101 入金部
102 入金リジェクト部
103 一括一時保留部
104 金種別一時保留部
105 一括紙幣収納部
106 金種別紙幣収納部
107 出金部
108 出金リジェクト部
109 整理一時保留部
110 バラ紙幣搬送部(搬送部)
111 入金識別部
112 スイッチバック反転部
113 出金識別部
114 スパイラル反転部
201 投入部
202 払出部
203 新券収納部
204 一時保留部
205 小切手収納部
206 損券収納部
207 搬送部
208 撮像部
20 管理コンピュータ
21 操作部
22 表示部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
B 紙幣(紙葉類)
BR1 第1領域
BR2 第2領域
P10 確認画像
P101 第1領域画像
P102 第2領域画像