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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
B65D5/54 301D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018132487
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020007038
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 裕紀
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-143966(JP,A)
【文献】特開2007-238162(JP,A)
【文献】特開2018-090292(JP,A)
【文献】特開2006-082843(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0426307(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の第1側板及び該一対の第1側板の対向方向に交わる方向に互いに対向する一対の第2側板を有する上下方向に延びる角筒状の胴部と、
前記胴部の下側の開放端を閉鎖する底板部と、
前記第1側板の上縁に折目線を介して連接された外フラップと、
前記第2側板の上縁に折目線を介して連接された内フラップと、を備える包装箱において、
前記胴部の上側の開放端を閉鎖するために、前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた前記内フラップの上面に、前記外フラップを重ね合わせるように折り曲げて、所定の長さに切断した所定幅の接着テープが該外フラップから前記第2側板にわたって貼着される際に、該第2側板のうち該接着テープが貼着することが予定される領域が接着予定部であって、
前記接着予定部が形成された前記第2側板に折目線を介して連接する前記内フラップには、該折目線上において該接着予定部から所定の距離を存した位置の一端と、該一端に対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の他端とを結ぶ、曲線又は屈曲線状の切目線が形成されており、
前記接着予定部が形成された前記第2側板には、前記他端から前記接着予定部の方向に延びる破断可能線が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱において、
前記破断可能線は、前記接着予定部まで到達していることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装箱において、
前記切目線は、前記内フラップの前記接着予定部を挟む前記折目線上の両側に設けられ、
前記内フラップに前記折目線を介して連接された前記第2側板には、両切目線の他端同士を結ぶ曲線又は屈曲線状の前記破断可能線と、該破断可能線と所定の距離を存するとともに両切目線の一端同士を結ぶ第2破断可能線とが形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項4】
互いに対向する一対の第1側板及び該一対の第1側板の対向方向に交わる方向に互いに対向する一対の第2側板を有する上下方向に延びる角筒状の胴部と、
前記胴部の下側の開放端を閉鎖する底板部と、
前記第1側板の上縁に折目線を介して連接された外フラップと、
前記第2側板の上縁に折目線を介して連接された内フラップと、を備える包装箱において、
前記胴部の上側の開放端を閉鎖するために、前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた前記内フラップの上面に、前記外フラップを重ね合わせるように折り曲げて、所定の長さに切断した所定幅の接着テープが該外フラップから前記第2側板にわたって貼着される際に、該第2側板のうち該接着テープが貼着することが予定される領域が接着予定部であって、
前記接着予定部が形成された前記第2側板に折目線を介して連接する前記内フラップには、該折目線上において該接着予定部から所定の距離を存した位置の一端と、該一端に対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の他端とを結ぶ、曲線又は屈曲線状の切目線が形成されており、
前記切目線が形成された内フラップには、前記切目線の一端から前記折目線上を接着予定部の方向に延びる第2破断可能線が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項5】
請求項4に記載の包装箱において、
前記切目線は、前記内フラップの前記接着予定部を挟む前記折目線上の両側に設けられ、
前記内フラップに前記折目線を介して連接された前記第2側板には、両切目線の他端同士を結ぶ曲線又は屈曲線状の破断可能線と、該破断可能線と所定の距離を存するとともに両切目線の一端同士を結ぶ前記第2破断可能線とが形成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるA式の段ボール箱においては、両内フラップを前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げ、両外フラップの先端を突き合わせるように折り曲げて前記内フラップの上面に重合させ、所定の長さに切断した所定幅の接着テープを一対の外フラップの両先端縁に沿って貼着させると共に、該接着テープの両端をそれぞれ両端側面に貼着させることで、該胴部の上側の開放端を閉鎖して被包装物の梱包を行う。
【0003】
上記の包装箱では、接着力の高い接着テープを用いることにより、強固な閉鎖状態を維持することができるが、その反面、開封する際には接着テープが剥がしづらく、開封作業を円滑に行えないという不都合がある。
【0004】
これに対し、接着テープが貼着された領域を含む前記端側面の一部を破断させて、接着テープを剥がす包装箱が知られている(下記特許文献1参照)。
【0005】
この包装箱の端側面には、上縁から下縁まで破断可能線が貼着された接着テープを挟んで一対設けられ、さらに、両破断可能線の各中央から互いに接近する一対の切れ込みが設けられている。この結果、上記包装箱では、両切れ込みを繋げるように破断させてから、両破断可能線を上方に破断させていくことで、
端側面から段ボール片を分離し、段ボール片と一体に接着テープを剥離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-8529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記包装箱では、両切れ込みを繋げるように破断させる際に、該切れ込みから手指を箱の内側に押し込んで手指を引っ掛けて端側面を破断する手掛かりを作る必要があるため、例えば包装箱にコピー用紙などが隙間なく収納されている場合など、端側面と内容物との間にスペースがない場合には、手指を押し込みにくく端側面を破断する手掛かりを作ることが困難であるという不都合がある。
【0008】
上記の点に鑑み、本発明は、端側面と内容物との間のスペースの有無に関らず、接着テープを剥離することができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の包装箱は、互いに対向する一対の第1側板及び該一対の第1側板の対向方向に交わる方向に互いに対向する一対の第2側板を有する上下方向に延びる角筒状の胴部と、前記胴部の下側の開放端を閉鎖する底板部と、前記第1側板の上縁に折目線を介して連接された外フラップと、前記第2側板の上縁に折目線を介して連接された内フラップと、を備える包装箱において、前記胴部の上側の開放端を閉鎖するために、前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた前記内フラップの上面に、前記外フラップを重ね合わせるように折り曲げて、所定の長さに切断した所定幅の接着テープが該外フラップから前記第2側板にわたって貼着される際に、該第2側板のうち該接着テープが貼着することが予定される領域が接着予定部であって、前記接着予定部が形成された前記第2側板に折目線を介して連接する前記内フラップには、該折目線上において該接着予定部から所定の距離を存した位置の一端と、該一端に対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の他端とを結ぶ、曲線又は屈曲線状の切目線が形成されており、前記接着予定部が形成された前記第2側板には、前記他端から前記接着予定部の方向に延びる破断可能線が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の包装箱は、上下方向に延びる角筒状の胴部と、前記胴部の下側の開放端を閉鎖する底板部とを備えるので、内容物を収納することができる。
【0011】
ここで、前記胴部は、互いに対向する一対の第1側板及び該第1側板に対向方向に交わる方向に互いに対向する一対の第2側板を有し、該第1側板は、該第1側板の上縁に折目線を介して連接された外フラップを備え、また、該第2側板は、該第2側板の上縁に折目線を介して連接された内フラップを備えるため、前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた該内フラップの上面に、該外フラップを重ね合わせるように該折目線に沿って折り曲げて、前記外フラップから前記第2側板にわたって所定の長さに切断した所定幅の接着テープを貼着することで、前記胴部の上方の開放端を閉鎖することができる。
【0012】
ところで、本発明では、該第2側板の該接着テープが貼着することが予定される領域が接着予定部とされ、この該接着予定部が形成された前記第2側板に折目線を介して連接する前記内フラップは、該折目線上の一端と他端とを結ぶ曲線又は屈曲線状の切目線とを有するため、上述したように該内フラップを前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げたとき、該内フラップの該折目線と該切目線とに囲まれた領域が該第2側板に沿って上方に延設され、該内フラップから起立した状態になる。
【0013】
そして、該囲まれた領域は、これを構成する切目線の一端が前記折目線上の前記接着予定部から所定の距離を存した位置であると共に、他端が該一端に対して該接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置に設けられているため、全体として該接着予定部から離れている。よって、前記接着テープを前記第2側板に貼着したときに、該囲まれた領域には該接着テープが重ならないため、内フラップから起立した該囲まれた領域を指で把持することができる。
【0014】
そして、該囲まれた領域を指で把持したまま下に引っ張って、第2側板を接着予定部まで破断していくと、該接着予定部の外面に貼着されている接着テープは、破断された第2側板と共にその一部がめくれ上がる。この接着テープのめくれ上がった部分を引っ張ることで、該接着テープを包装箱から剥離させることができる。
【0015】
したがって、本発明の包装箱によれば、前記第2側板と内容物との間のスペースの有無
に関らず、前記接着テープを剥離することができる。さらに、前記囲まれた領域を構成する切目線の他端から破断可能線が延びているため、前記囲まれた領域を把持して引っ張ったとき、第2側板は該破断可能線に沿って破断されていく。このとき、該破断可能線は前記接着予定部の方向に向かって延びているため、前記囲まれた領域を引っ張ったときに第2側板は該接着予定部に向かって破断されていき、確実に該接着予定部まで破断されやすくなる。
【0016】
また、本発明の包装箱において、前記破断可能線は、前記接着予定部まで到達していることが好ましい。
【0017】
これによれば、前記囲まれた領域を指で把持して引っ張り前記破断可能線に沿って該第2側板を破断させる際に、確実に該第2側板を前記接着予定部まで破断させることができるため、前記接着テープを包装箱から剥離させることができる。
【0018】
また、本発明の包装箱において、前記切目線は、前記内フラップの前記接着予定部を挟む前記折目線上の両側に設けられ、前記内フラップに前記折目線を介して連接された前記第2側板には、両切目線の他端同士を結ぶ曲線又は屈曲線状の前記破断可能線と、該破断可能線と所定の距離を存するとともに両切目線の一端同士を結ぶ第2破断可能線とが形成されていることが好ましい。
【0019】
これによれば、例えば前記第2側板に正対したときに、左右どちら側からでも、破断させることができる。また、前記破断可能線及び前記第2破断可能線が前記接着テープを幅方向に跨いで形成されているため、一方の前記囲まれた領域から他方の前記囲まれた領域まで破断させたときに、その段ボール片ごと前記接着予定部に貼着した前記接着テープをめくり上げることができるため、より確実に該接着テープを包装箱から剥離させることができる。
【0020】
前述した目的を達成するために、本発明の他の包装箱は、互いに対向する一対の第1側板及び該一対の第1側板の対向方向に交わる方向に互いに対向する一対の第2側板を有する上下方向に延びる角筒状の胴部と、前記胴部の下側の開放端を閉鎖する底板部と、前記第1側板の上縁に折目線を介して連接された外フラップと、前記第2側板の上縁に折目線を介して連接された内フラップと、を備える包装箱において、前記胴部の上側の開放端を閉鎖するために、前記胴部の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた前記内フラップの上面に、前記外フラップを重ね合わせるように折り曲げて、所定の長さに切断した所定幅の接着テープが該外フラップから前記第2側板にわたって貼着される際に、該第2側板のうち該接着テープが貼着することが予定される領域が接着予定部であって、前記接着予定部が形成された前記第2側板に折目線を介して連接する前記内フラップには、該折目線上において該接着予定部から所定の距離を存した位置の一端と、該一端に対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の他端とを結ぶ、曲線又は屈曲線状の切目線が形成されており、前記切目線が形成された内フラップには、前記切目線の一端から前記折目線上を接着予定部の方向に延びる第2破断可能線が形成されていることを特徴とする。
【0021】
この包装箱によれば、前述した理由により、前記第2側板と内容物との間のスペースの有無に関らず、前記接着テープを剥離することができる。さらに、この包装箱によれば、前記囲まれた領域を指で把持して引っ張ったとき、前記第2破断可能線に沿って前記第2側板の上縁が破断されるため、前記接着テープが該第2側板に対して僅かに進入している場合であっても、破断された該第2側板の上縁と共に該接着テープの一部が確実にめくれ上がり、該接着テープを包装箱から剥離させることができる。
【0022】
また、本発明の他の包装箱において、前記切目線は、前記内フラップの前記接着予定部を挟む前記折目線上の両側に設けられ、前記内フラップに前記折目線を介して連接された前記第2側板には、両切目線の他端同士を結ぶ曲線又は屈曲線状の破断可能線と、該破断可能線と所定の距離を存するとともに両切目線の一端同士を結ぶ前記第2破断可能線とが形成されていることが好ましい。
【0023】
これによれば、例えば前記第2側板に正対したときに、左右どちら側からでも、破断させることができる。また、前記破断可能線及び前記第2破断可能線が前記接着テープを幅方向に跨いで形成されているため、一方の前記囲まれた領域から他方の前記囲まれた領域まで破断させたときに、その段ボール片ごと前記接着予定部に貼着した前記接着テープをめくり上げることができるため、より確実に該接着テープを包装箱から剥離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図。
図2】第1実施形態における包装箱の展開図。
図3A】第1実施形態における開封作業を示す説明図。
図3B】第1実施形態における開封作業を示す説明図。
図3C】第1実施形態における開封作業を示す説明図。
図4A】本発明の第2実施形態の包装箱を示す斜視図。
図4B】本発明の第2実施形態の包装箱を示す展開図。
図5A】本発明の変形例に係る包装箱の側面図。
図5B】本発明の変形例に係る包装箱の側面図。
図5C】本発明の変形例に係る包装箱の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1図3に基づいて説明する。
【0026】
第1実施形態の包装箱1は、図1に示すように、四角筒状の胴部20と、該胴部20の上側の開放端を閉塞する天板部30と、該胴部20の下側の開放端を閉塞する底板部40とによって直方体状に形成されている。
【0027】
胴部20は、起立状態で互いに対向し、一対の第1側板21と、両第1側板21の対向方向に直交する方向に起立状態で互いに対向する一対の第2側板22とによって構成されている。
【0028】
天板部30は、一対の外フラップ31及び一対の内フラップ32からなる(図2参照)。各外フラップ31は、前記第1側板21の上縁に折目線cを介して連接されている。各内フラップ32は、前記第2側板22の上縁に折目線dを介して連接されている。
【0029】
胴部20の上側の開放端は、胴部20の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げた一対の内フラップ32の上面に、一対の外フラップ31を重ね合わせるように折り曲げることで閉塞されている。なお、底板部40も後述する外フラップ41及び内フラップ42によって同様に閉塞される。
【0030】
このとき、一対の外フラップ31の先端縁を互いに突き当てた部分が、突き当て部31aであり、この突き当て部31aの全長にわたって接着テープTが貼着されることで、包装箱1が封緘される。
【0031】
接着テープTは、その長手方向の各端部が各第2側板22にも貼着される。この第2側板22のうち接着テープTが貼着することが予想される領域を、本発明では接着予定部22aという。
【0032】
第2側板22の上端部の中央には破断予定部50(本発明で言うところの、切目線、破断可能線及び第2破断可能線で囲まれた領域)が設けられている。破断予定部50は、概略U字状であって、その底部中央を交差して通るように接着テープTが貼付されている。破断予定部50のうち接着テープTが交差した領域は、接着予定部22aの一部も構成する。
【0033】
概略U字状の破断予定部50の両上端部にあたる摘み部51(本発明で言うところの、切目線と折目線で囲まれた領域)は、第2側板22の上縁から上方に延出して設けられている。
【0034】
図2に示すように、包装箱1は、一枚の段ボール板紙10Aから形成されている。段ボール板紙10Aは、一対の第1側板21と一対の第2側板22とが、それぞれ折目線aを介して横方向に交互に連設されている。図2における左側の第1側板21の側縁には、折目線bを介して接着片23が連設されている。
【0035】
各第1側板21の上縁には、それぞれ折目線cを介して外フラップ31が連接されている。
【0036】
各第2側板22の上縁には、それぞれ折目線dを介して内フラップ32が連接されている。また、各第2側板22上縁部中央の接着テープTが貼着することが予想される領域が接着予定部22aである。
【0037】
同様に、各第1側板の下縁には、それぞれ折目線cを介して外フラップ41が連接されている。また、各第2側板22の下縁には、それぞれ折目線dを介して内フラップ32が連接されている。
【0038】
一対の内フラップ32には、基端中央の接着予定部22aの両側に切目線52が一対形成されている。
【0039】
切目線52は、下縁(折目線d)上において該接着予定部22aから所定の距離を存した位置である内側端52a(本発明でいうところの一端)と、該内側端52aに対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の外側端52b(本発明でいうところの他端)を結んでコの字状に延びている。
【0040】
さらに、一対の第2側板22には、両切目線52の外側端52bを結ぶ概略Uの字状の第1破断可能線53(本発明でいうところの破断可能線)が形成されている。また、一対の第2側板22には、両切目線52の内側端52aを結ぶ直線状の第2破断可能線54が形成されている。本実施形態では、第1破断可能線53及び第2破断可能線54は、直線状の複数の切れ目が断続した所謂ミシン目として形成されている。
【0041】
外フラップ31には、両側縁の先端側に切欠き31bが形成されている。
【0042】
次に、段ボール板紙10Aから包装箱1を組み立てる工程を説明する。
【0043】
まず、一対の第1側板21及び一対の第2側板22を折目線aに沿って同一方向に折り曲げるとともに、接着片23を折目線bに沿って折り曲げて第1側板21の端部の内側面に重合させて接着することで、図1に示す胴部20を形成する。
【0044】
次に、一対の内フラップ42を折目線dに沿って胴部20の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げ、一対の外フラップ41を折目線cに沿って折り曲げて内フラップ42の上面に重ね合わることで底板部40を形成する。
【0045】
このとき、図1には図示されないが、一対の外フラップ41の先端縁を互いに突き当てた部分が突き当て部41aであり、この突き当て部41aの全長にわたって接着テープTが貼着される。これにより、内容物を胴部20の中に収納できる。
【0046】
次に、一対の内フラップ32を折目線dに沿って胴部20の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げる。このとき、内フラップ32には、両端が折目線d上にある切目線52が設けられているので、内フラップ32を水平姿勢となるように折り曲げたときに、該切目線52と折目線dで囲まれた領域は、内フラップ32の他の領域と共に、水平姿勢に折れ曲がることなく、第2側板22に沿って上方に延びたまま内フラップ32に対して起立した状態になる。この起立した該切目線52と折目線dで囲まれた領域が、図1に示した摘み部51である。
【0047】
次に、一対の外フラップ31を折目線cに沿って折り曲げて、内フラップ32の上面に重ね合わせることで、天板部30を形成する。
【0048】
次に、外フラップ31の突き当て部31aの全長にわたって接着テープTが貼着されることで、包装箱1が封緘される。
【0049】
次いで、封緘された包装箱1の開封作業を説明する。
【0050】
まず、図3Aに示すように、左右いずれか一方の摘み部51を指で摘む(図3Aでは右側を摘まんだ場合を例として説明する。)。
【0051】
次に、図3Bに示すように、摘み部51を若干左下に引っ張った後、そのまま左側に引っ張っていく。これにより、第2側板22は、第1破断可能線53及び第2破断可能線54に沿って徐々に破断されていく。
【0052】
次に、図3Cに示すように、摘み部51を上に引っ張ることで、第2側板22から段ボール片55を分離する。このとき、段ボール片55に対して接着テープTは交差して接着されているため、接着テープTの長手方向の端部も第2側板22から剥離される。
【0053】
そして、接着テープTが貼付された段ボール片55を引っ張ることで、接着テープTはその全長にわたって包装箱1から剥離される。
【0054】
以上説明した第1実施形態の包装箱1によれば、容易に接着テープTを引き剥がすことができる。特に、第2側板22に手指を押し込んで破る必要がないため、包装箱1の内部に内容物としてコピー用紙や紙器箱などが隙間なく収納されている場合であっても、容易に接着テープTを引き剥がすことができる。
【0055】
また、第1実施形態の摘み部51は、第2側板22の上縁から上方に延出しているため、摘み部51を指で摘まむことで、第2側板22を破断して接着テープTを包装箱1から剥離させる手掛かりを得ることができる。
【0056】
また、第1実施形態の第1破断可能線53は、外側端52bから接着予定部22aまで形成されているため、摘み部51を指で把持して下に引っ張ることで第2側板22を接着予定部22aまで破断させ、該接着予定部22aの表面に貼着されている接着テープTを包装箱1から剥離させることができる。
【0057】
また、第1実施形態の破断予定部50は、折目線d上に第2破断可能線54を有するため、接着テープTが第2側板22に対して僅かにしか貼着されていない(接着テープTが第2破断可能線54は超えているが第1破断可能線53は超えていない)場合であっても、該接着予定部22aの表面に貼着されている接着テープTを包装箱1から剥離させることができる。
【0058】
また、第1実施形態の第1破断可能線53及び第2破断可能線54は、両切目線52の両外側端52b及び両内側端52aをそれぞれ繋ぐとともに、接着テープTを幅方向に跨いで形成されているため、摘み部51を一方から他方まで破断させたときに、段ボール片55を包装箱1から分離することができる。そして、接着テープTの一端が貼着された該段ボール片55をひっぱることで、接着テープTを包装箱1から剥離させることができるため、接着テープTの接着面に触れることがなく手が汚れない。
【0059】
また、第1実施形態の破断予定部50は、概略U字状であって、両摘み部51がそれぞれ第2側板22の上縁から上方に延出しているため、右手、左手のどちらでも各摘み部51を指で摘んで第2側板22を破断させることができる。
【0060】
また、第1実施形態の外フラップ31には切欠き31bが形成されているため、外フラップ31を折り曲げて内フラップ32の上面に重ね合わせたときに、外フラップ31の側縁が摘み部51に接触しにくいため、機械梱包した場合であっても、誤って摘み部51が折り曲げられてしまうことを防止することができる。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図4A及び図4Bに基づいて説明する。なお、第2実施形態以降の実施形態において第1実施形態と同一の構成には説明を省略する。
【0062】
図4Aに示すとおり、第2実施形態の包装箱2は、所謂B式の段ボール箱であって、天板部230は、一対の内フラップ232と、1枚の外フラップ231から形成され、該外フラップの先端縁と該先端縁に隣接する第1側板221の上縁に沿って接着テープTが貼付される。
【0063】
第2実施形態の接着予定部222aは、第2側板222の上隅部(図4Aでは右上)に形成されている。
【0064】
第2実施形態の破断予定部250は、概略L字状であって、水平方向に延びる部分に交差するように接着テープTが貼付されている。この摘み部251の接着テープTが交差する領域は、前記接着予定部222aの一部も構成する。
【0065】
図4Bに示すとおり、包装箱2は、一枚の段ボール板紙10Bから形成されている。
【0066】
左側の第1側板221の上縁には、第1実施形態における外フラップの約2倍の長さを有する外フラップ231が折目線cを介して連接されている。他方、第2側板222に挟まれた第1側板221の上縁には、外フラップは連接されていない。
【0067】
第2実施形態では、右側の第2側板222左上隅部が、接着テープTが貼着することが予想される領域である接着予定部222aとなり、他方、第1側板221に挟まれた第2側板222の右上隅部が、同様に接着予定部222aとなる。
【0068】
一対の内フラップ232には、それぞれ接着予定部222aに隣接して切目線252が設けられている。
【0069】
切目線252は、内フラップ232の下縁(折目線d)上において接着予定部222aから所定の距離を存した位置である内側端252aと、該内側端252aに対して前記接着予定部と反対方向に所定の距離を存した位置の外側端252bとを結んでコの字状に延びている。
【0070】
さらに、一対の第2側板222には、外側端252bから接着予定部222aに向かって延びる概略L字状の第1破断可能線253と、内側端252aから折目線d上を接着予定部222aに向かって延びる直線状の第2破断可能線254とが形成されている。第1破断可能線253及び第2破断可能線254は、隣接する内フラップ232の側縁(折目線a)まで延びている。
【0071】
次に、封緘された包装箱2の開封作業を説明する。ここでは、図4Aにおいて手前に示されている第2側板222に正対した場合を例とする。
【0072】
まず、摘み部251を指で摘まんで若干下に引っ張った後、隣接する第1側板221の側縁(折目線a)まで右側に引っ張っていく。これにより、第2側板222は、破断予定部250の第1破断可能線253及び第2破断可能線254に沿って破断される。
【0073】
このとき、接着テープTは破断予定部250に交差して貼付されているため、破断予定部250が包装箱2から破断されてめくれ上がることにより、接着テープTの端部も一緒にめくれ上がる。
【0074】
そして、めくれ上がった接着テープTの端部を把持して引っ張ることで、接着テープTをすべて包装箱2から剥離することができる。
【0075】
以上説明した第2実施形態の包装箱2によれば、所謂B式の包装箱であっても、容易に接着テープTを引き剥がすことができる。
【0076】
なお、第2実施形態では、破断予定部250を隣接する第1側板221の側縁(折目線a)まで破断させて、めくれ上がった接着テープTの端部を把持した例を説明したが、本実施形態はこれに限られず、折目線aまで破断させた破断予定部250を上に引っ張って引き裂くことで、破断予定部250を第2側板222から段ボール片255として分離させることもできる。
【0077】
図5A~Cに基づいてその他の変形例について説明する。
【0078】
第1実施形態においては、摘み部51が接着予定部22aを挟んで両側に設けられているものを示したが、図5A~Cに示すように、どちらか片側にひとつだけ設けてもよい。
【0079】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、摘み部51,251は略四角形のものを示したが、これに限らず、図5Aに示すような三角形、図5Bに示すような半円形又は図5Cに示すような平行四辺形でもよく、あるいは、台形、五角形、六角形、八角形等、並びに楕円形でもよい。
【0080】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、摘み部51,251は接着予定部22a,222aに隣接して設けられているものを示したが、図5Aに示すように接着予定部322aから離れて設けられていてもよい。
【0081】
第1実施形態及び第2実施形態においては、第1破断可能線53,253及び第2破断可能線54,254が両方形成されているものを示したが、図5Bに示すように第1破断可能線453のみ形成されていてもよいし、図5Cに示すようにどちらも形成されていなくてもよいし、図示しないが、第2破断可能線のみ形成されていてもよい。
【0082】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第1破断可能線53,253及び第2破断可能線54,254は接着予定部22a,222aを横断しているものを示したが、図5Bで示すように、接着予定部422aに達していてもよいし、図5Aに示すように接着予定部322aの方向に延びていてもよいし、図5Cに示すように形成されていなくてもよい。
【0083】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第1破断可能線53,253は曲線状のものを示したが、図5Aに示すように、直線状であってもよい。
【0084】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第2破断可能線54,254は内側端52a,252aから折目線d上を接着予定部22a,222aに向かって延びるものを示したが、図5Aに示すように、内側端352aから接着予定部322aに向かって延びていれば、折目線d上を延びていなくてもよい。
【0085】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第2破断可能線54,254は直線状のものを示したが、これに限らず、曲線状や屈曲線状でもよい。
【0086】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第1破断可能線53,253と第2破断可能線54,254が等間隔を保ちながら延びているものを示したが、図5Aに示すように、その間隔が徐々に開いてもよい。接着予定部322aに向けて第2側板を破断する際に、誤って接着予定部322aに到達する前に破断することを防止できるためである。図示しないが、第1破断可能線と第2破断可能線が交差しなければ、その間隔が徐々に狭くなってもよい。
【0087】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、第1破断可能線53,253及び第2破断可能線54,254は直線状の複数の切れ目が断続したいわゆるミシン目として形成されているものを示したが、これに限らず、例えば図示しないが、一端が屈曲する複数の切れ目によるジッパー等として形成してもよい。
【0088】
第1実施形態においては、破断予定部50が第2側板22の上端部に設けられているものを示したが、第2側板22の下端部にも設けられていてもよい。
【0089】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、破断予定部50が一対の第2側板22,222に設けられているものを示したが、いずれか1枚の第2側板22,222にのみ設けられていてもよい。
【0090】
第1実施形態及び第2実施形態においては、四角筒状の胴部20,220を示したが、これに限るものではなく、胴部20,220は、例えば図示しないが、三角筒状、五角筒状、六角筒状、七角筒状、八角筒状等でもよい。
【0091】
第2実施形態においては、天板部230が一対の内フラップ232と1枚の外フラップ231から形成されているものを示したが、1枚の内フラップ232と1枚の外フラップ231から形成されていてもよい。
【0092】
第1実施形態においては、胴部20の上側の開放端を閉塞する際に、一対の外フラップ31の先端を突き当てて、突き当て部31aを形成するものを示したが、これに限らず、図示しないが、第1実施形態より外フラップ31の長さが長いことにより一対の外フラップ31の先端が重なっている、または、外フラップの一対の側端縁の長さが違うことにより先端縁が斜めに形成される等外フラップが特殊な形をしている等、突き当て部31aを形成していなくてもよい。
【0093】
第1実施形態においては、一対の外フラップ31に切欠き31bが形成されているものを示したが、この切欠き31bは形成されていなくてもよい。
【0094】
第1実施形態及び第2実施形態においては、底板部40,240は、一対の内フラップ42,242を折目線dに沿って胴部20の内方に向かって水平姿勢となるように折り曲げ、一対の外フラップ41,241を折目線cに沿って折り曲げて内フラップ42,242の上面に重ね合わること形成されるものを示したが、これに限らず、例えば一対の内フラップ42,242を折り曲げた上面に1枚の外フラップ41,241を重ね合わせることで形成される所謂B式等でもよい。
【0095】
第1実施形態においては、所謂A式の段ボール箱のものを示したが、所謂ラップアラウンドケースでもよい。この場合、胴部20は左右に延びることになる。
【0096】
第1実施形態及び第2実施形態においては、接着テープTはOPPテープ(延伸ポリプロピレンテープ)を採用しているが、これに限らず、クラフトテープ、布テープ等を採用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1、2…包装箱
20、220…胴部
21、221…第1側板
22、222、322、422、522…第2側板
22a、222a、322a、422a、522a…接着予定部
31、231…外フラップ
32、232…内フラップ
40、240…底板部
50、250、350、450…破断予定部
51、251、351、451、551…摘み部
52、252、352、452、552…切目線
52a、252a、352a、452a、552a…内側端
52b、252b、352b、452b、552b…外側端
53、253、353、453…第1破断可能線
54、254、354…第2破断可能線
a、b、c、d…折目線
T…接着テープ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C