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特許7178877ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造
<図1>
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図1
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図2
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図3
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図4
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図5
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図6
  • 特許-ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】ディスクドライブサスペンション用ダンパーとして構成された疑似構造
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20221118BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20221118BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/60 P
F16F15/02 S
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018210979
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2019087299
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】62/584,007
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/181,681
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】クエン チー イー
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-159197(JP,A)
【文献】特開2001-076452(JP,A)
【文献】米国特許第08228642(US,B1)
【文献】特開2002-093086(JP,A)
【文献】特開2001-028174(JP,A)
【文献】特開2010-020827(JP,A)
【文献】特開2015-109133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0271729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/21
G11B 5/60
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンション用疑似構造であって、
前記疑似構造は、
第1抑制層と、
空隙を含み、かつ、前記サスペンションのベースプレート内に設けられるように構成された第2抑制層と、
前記第1抑制層と前記第2抑制層との間に配置された制振層と、を含み、
前記第1抑制層、前記第2抑制層及び前記制振層は、前記サスペンションの長手方向軸の第1側にある前記ベースプレートの第1開口部内に配置されるように構成され、前記第1抑制層、前記制振層及び前記第2抑制層における前記空隙の少なくとも一部が孔を有することを特徴とするサスペンション用疑似構造。
【請求項2】
前記孔が、前記第1抑制層、前記制振層及び前記第2抑制層のそれぞれの中心にある、請求項に記載の疑似構造。
【請求項3】
前記孔の寸法は、前記サスペンションの剛性及び質量要件に基づいて構成されている、請求項に記載の疑似構造。
【請求項4】
前記第2抑制層は、第1部分と第2部分とを含む、請求項1に記載の疑似構造。
【請求項5】
前記第1部分と前記第2部分とが、前記第1部分と前記第2部分との間に空隙を形成するように配置されている、請求項に記載の疑似構造。
【請求項6】
前記第1部分及び前記第2部分が前記サスペンションの一部として形成されている、請求項に記載の疑似構造。
【請求項7】
前記第1部分及び前記第2部分が前記サスペンションのベースプレートの一部として形成されている、請求項に記載の疑似構造。
【請求項8】
前記第1部分と前記第2部分とが前記サスペンションのロードビームの一部として形成されている、請求項に記載の疑似構造。
【請求項9】
サスペンション用疑似構造の製造方法であって、
前記製造方法は、
第1抑制層を形成し、
空隙を含む第2抑制層を形成し、そして
前記第1抑制層と前記第2抑制層との間に位置するように制振層を形成することを含み、
前記第1抑制層、前記第2抑制層における前記空隙の少なくとも一部及び前記制振層は、孔を有するように形成され、かつ、前記サスペンションの長手方向軸の第1側にある前記ベースプレートの第1開口部内に配置されていることを特徴とするサスペンション用疑似構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、2018年11月6日に出願された米国特許出願第16/181,681号の優先権を主張し、さらに、2017年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/584,007号の優先権利益を主張し、その全ての内容が本明細書に参考として援用される。
【0002】
本発明の実施形態は、ディスクドライブサスペンションに関する。特に、本発明の実施形態は、ディスクドライブサスペンション用のダンパーに関する。
【背景技術】
【0003】
高い記憶容量と低遅延のアクセス時間を有する信頼性の高いデータ記憶装置の必要性は、極限の状況で動作するディスクドライブサスペンションをもたらす。データ記憶装置における現状態の性能を向上させるためには、極限の動作状態においてより良好な動作特性を有するディスクドライブサスペンションが必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
サスペンション用疑似構造及びその製造方法について説明する。サスペンション用疑似構造は、第1抑制層と、第2抑制層と、第1抑制層と第2抑制層との間に配置された制振層とを含む。
【0005】
本発明の実施形態の他の特徴及び利点は、添付の図面及び以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態は、添付の図面の図に限定されるのではなく例として示されており、これらの図面では、同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0007】
図1】一実施形態における3段作動式サスペンションの上方斜視図である。
図2図1におけるサスペンションの底面斜視図である。
図3】一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造を含むサスペンションの一部を示す図である。
図4】一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造の側面図を示す。
図5】一実施形態におけるベースプレートと部分的に一体的に製造されたダンパーとして構成された疑似構造を示す図である。
図6】一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造を含むベースプレート及びロードビームを含むサスペンションを示す図である。
図7】一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造の側面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態は、ダンパーとして構成されたディスクドライブサスペンション用疑似構造、及びダンパーとして構成された疑似構造の製造方法に関する。ダンパーとして構成された疑似構造は、1つ以上の抑制層と少なくとも1つの制振層とを含む。疑似構造は、剛性の追加、振動の最小化、あるいはサスペンションの動作特性の向上など、より良い動作特性を得るためにサスペンションを調整するのを助けるようになっていて、ディスクドライブサスペンションと全体的に又は部分的に搭載又は一体化されるように構成される。さらに、疑似構造の使用は、疑似構造の代わりに追加の圧電モータを含む設計と比較して、サスペンションに使用される圧電モータの数を減らすことを提供する。圧電モータの使用数をより少なくできるということは、コストを削減し、サスペンションの信頼性を向上させる。
【0009】
図1は、一実施形態における3段作動式サスペンションの上方斜視図を示す。3段作動式サスペンション10は、ベースプレート12にある単一の圧電モータ14と疑似構造16とを含む。圧電モータ14の伸縮は、当技術分野で知られているものを含む技法を使用してサスペンション10のロードビーム20を移動させる。
【0010】
図2は、図1におけるサスペンションの斜視図である。サスペンションの両側に配置された2つの圧電フレクシャモータ80,82は、ジンバルにプッシュプル式に作用し、当技術分野で知られているものを含む技術を使用してヘッドスライダ90を回転させるように構成される。ヘッドスライダ90は、ディスクドライブプラッタからそれぞれデータを読み取るか、或いは、ディスクドライブプラッタにデータを書き込むために、磁気読み取り変換器及び磁気書き込み変換器を含む。疑似構造16は、制振の影響をサスペンションに及ぼさない。第1トレース群21a及び第2トレース群21bは、モータ80,82及びヘッドスライダ90などの構成要素に電力及び電気信号を伝えるために使用される。
【0011】
図3は、一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造を含むサスペンションの一部を示す図である。サスペンション100は、2段作動サスペンション、3段作動サスペンション、又は他のサスペンション設計とすることができる。サスペンション100は、ベース110とロードビーム112とを含む。ベース110は、第1開口部114及び第2開口部116を含む。様々な実施形態によれば、サスペンションは、第1開口部114内のダンパーとして構成された疑似構造118及び第2開口部116内の圧電モータ120を含む。疑似構造118は、孔122を有するように構成される。孔122の寸法は、サスペンションに対する剛性及び質量要件に基づいて構成される。例えば、孔122の寸法は、比較的高いねじり剛性を有しながら、より低い曲げ剛性を疑似構造118に提供するように構成することができる。ダンパーとして構成された疑似構造118の他の実施形態は、疑似構造118を形成する1つ以上の層に孔を有しない。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、サスペンション100のベースプレート110は、圧電モータ120が作動する際においてサスペンション100を安定させるためにベースプレート110の開口部114、116を橋渡しするように構成された1つ以上のストラト124,126を含み得る。いくつかの実施形態によれば、ストラト124,126は、溶接、接着剤、その技術分野で知られているものなどの他の取り付け技法を含むがこれらに限定されない技法を用いてベースプレート110に固定される。いくつかの実施形態によれば、ストラト124,126は、ベースプレート110と一体的に形成されている。
【0013】
ベースプレート110は、一対の第1取付パッド126,128及び一対の第2取付パッド130,132を含む。各対の取付パッドは、圧電モータ又はダンパーとして構成された疑似構造を受容するように構成される。様々な実施形態では、一対の第1取付パッド126,128は、一対の第2取付パッド130,132からベースプレート110の長手方向軸の反対側にある。いくつかの実施形態によれば、取付パッド126,128,130,132は、圧電モータ120と、ダンパーとして構成された疑似構造118とを、フレクシャモータと同じ側のサスペンションに取り付けるように構成されている。これにより、ベースプレート110及びフレクシャモータに取り付けるように構成されたダンパーとして構成された圧電モータ120及び疑似構造118を、ディスクドライブサスペンション100の組み立て中の任意の時点において、サスペンション100の製造工程中に同じステージに取り付けることができる。これにより、モータへの損傷を最小限に抑え、サスペンションの製造歩留まりを向上させることができる。
【0014】
ベースプレート110に取り付けられた圧電モータ120は、ロードビーム100を動かすように構成されている。様々な実施形態では、圧電モータ120は、本明細書に記載のものを含む技術を用いて実施される。いくつかの実施形態によれば、ダンパーとして構成された疑似構造118は、質量分布のバランスを取り、サスペンション100に所望の剛性を付加し、そしてサスペンション100に生じる振動を減衰させるように構成される。ダンパーとして構成された疑似構造118は、別々に製造された後、ベースプレート110に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、疑似構造118は、溶接、接着剤、及びその技術分野で知られているものなどの他の取り付け技法を含むがこれらに限定されない技法を使用してベースプレート110に固定される。いくつかの実施形態によれば、疑似構造118は、ベースプレート110と一体的に形成されている。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、圧電モータ120は、非導電性接着剤を用いて取付パッド130及び132に取り付けられる。圧電モータ上の第1電極は、当技術分野で知られているものを含む技法を使用して、サスペンション100上の導電層のトレースのうちの少なくとも1つと結合される。トレースは、当技術分野で知られているものを含む技法を使用して、圧電モータ120に制御信号などの信号を提供するように構成される。例えば、制御信号は電力である。圧電モータ120の第2電極は、接地を提供するためにベースプレート110と電気的に結合されている。例えば、接地点134は、当技術分野で知られているものを含む技法を使用して第2電極をベースプレート110に電気的に結合することができる。
【0016】
図4は、一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造の側面図を示す。疑似構造401はダンパーとして構成される。様々な実施形態によれば、疑似構造401は、第1の層としての第1抑制層402、中間層としての制振層404、及び第3の層としての第2抑制層406を含む。図4に示す実施形態によれば、制振層は、第1抑制層402と第2抑制層406との間に配置されている。いくつかの実施形態では、第1抑制層402、制振層404及び第2抑制層406は、各々の層に孔を有するように構成される。いくつかの実施形態では、各層の孔は疑似構造401の中心に整列している。様々な実施形態によれば、第2抑制層406は、第1部分406aと第2部分406bとの間に空隙408を有する第1部分406a及び第2部分406bで成り立つ。空隙408は、反対方向の力が第2抑制層406に作用しているときに、第1部分406aと第2部分406bとの間の相対移動を可能にする。例えば、そのような相対運動は、サスペンションの揺れ振動中、又はサスペンション上の圧電モータの作動中に発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、第1抑制層402、制振層404及び第2抑制層406のうちのいずれか1つは、複数の層から構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、疑似構造401は、別々に製造され、次いで、レーザ溶接、はんだ付け、および接着剤を含むがこれらに限定されない当技術分野で知られている技法を使用してベースプレートに固定される。他の実施形態によれば、疑似構造401は、部分的に又は全体的にベースプレートと一体的に製造される。
【0018】
図5は、一実施形態におけるベースプレートと部分的に一体的に製造されたダンパーとして構成された疑似構造を示す。ダンパーとして構成された疑似構造502は、第1抑制層506、制振層508及び第2抑制層510を含む。第2抑制層510は、第1部分512aと第2部分512bとの間に空隙514を形成する第1部分512a及び第2部分512bを含む。第1部分512a及び第2部分512bは、サスペンションのベースプレート504と一体的に形成されている。
【0019】
様々な実施形態によれば、ベースプレート504はステンレス鋼(「SST」)から作られる。同様に、疑似構造502の第2抑制層510は、ステンレス鋼からベースプレート504と一体的に形成されている。成形、エッチング又はレーザーアブレーションは、第2抑制層510を形成するために、ベースプレート504の厚さ及び幅が増減する領域を作り出すことができる。さらに、局所的により柔らかい領域を形成するなど、レーザ処理により、疑似構造502の第2抑制層510内のステンレス鋼の機械的特性を局所的に変更して、疑似構造502の特性を微調整するのを助けることができる。制振層508及び第1抑制層は、本明細書に記載されたものを含む技術に従って形成される。
【0020】
図6は、一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造を含むベースプレート及びロードビームを含むサスペンションを示す図である。いくつかの実施形態によれば、サスペンション602のベースプレート604及びロードビーム605は、本明細書に記載されるものを含む技術を使用してステンレス鋼で形成される。ベースプレート604及びロードビーム605は、溶接及び接着剤を含むがこれらに限定されない当技術分野で知られている技法を使用して互いに物理的に結合されている。ダンパーとして構成された疑似構造611は、本明細書に記載されたものを含む技術を使用して形成された第1抑制層610、制振層608及び第2抑制層612を含む。第2抑制層612は、第1部分612aと第2部分612bとの間に空隙614を形成する第1部分612a及び第2部分612bを含む。第1部分612a及び第2部分612bは、サスペンションのロードビーム605と一体的に形成されている。ロードビーム605と一体的に形成されていない実施形態は、疑似構造のそれぞれの端部を受容し、本明細書に記載されるものを含む技術を使用してそれぞれの端部を取付パッドに取り付けるように構成される第1取付パッド及び第2取付パッドを含み得る。
【0021】
図7は、一実施形態におけるダンパーとして構成された疑似構造の側面図を示す。疑似構造701は、本明細書に記載されたものを含む技術を用いてハードディスクドライブのサスペンションに使用するためのダンパーとして構成される。様々な実施形態によれば、疑似構造701は、第1層としての第1抑制層702、中間層としての制振層704及び第3層としての第2抑制層706を含む。図7に示す実施形態によれば、制振層は、第1抑制層702と第2抑制層706との間に配置されている。いくつかの実施形態では、第1抑制層702、制振層704及び第2抑制層706は、各々の層に孔を有するように構成される。実施形態では、各層の孔は疑似構造701の中心に整列している。他の実施形態は、本明細書に記載されたものを含む技術に従ってロードビーム又はベースプレートから一体的に形成された第2抑制層を有するダンパーとして構成された疑似構造を含む。
【0022】
前述の明細書において、本発明の特定の例示的な実施形態が説明されている。しかしながら、それに対して様々な修正及び変更がなされてもよいことは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7