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特許7178893コネクタ組立体、コネクタ組立体のコネクタ対、及び、コネクタ組立体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】コネクタ組立体、コネクタ組立体のコネクタ対、及び、コネクタ組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/36 20060101AFI20221118BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20221118BHJP
   H01R 12/78 20110101ALI20221118BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H05K3/36 A
H01R43/00 Z
H01R12/78
H05K1/14 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018236353
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020098863
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084736(JP,A)
【文献】特開2016-197535(JP,A)
【文献】特開平10-032061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/36
H01R 43/00
H01R 12/78
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ組立体の製造方法であって、
第1コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、第2コネクタとを準備する準備工程であって、前記第1コネクタは、受容部を有しており、前記第1配線シートは、横方向に沿って延びる2つの第1支持部と、2つの前記第1支持部を前記横方向と直交する縦方向において互いに連結する第1連結部と、前記第1連結部から前記横方向において両側に夫々延びる2つの第1変形可能部と、前記第1変形可能部に設けられた導電体からなる第1接点とを有しており、前記第2配線シートは、前記横方向に沿って延びる2つの第2支持部と、2つの前記第2支持部を前記縦方向において互いに連結する2つの第2連結部と、前記第2連結部から互いに向かって夫々延びる2つの第2変形可能部と、前記第2変形可能部に設けられた導電体からなる第2接点とを有しており、前記第2コネクタは、被受容部を有しており、前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程と、
前記第1コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記第2コネクタを、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程であって、前記第1接点を上方に向けつつ2つの前記第1変形可能部を前記受容部の上に位置させ、前記第2接点を下方に向けつつ2つの前記第2変形可能部を2つの前記第1変形可能部の上に夫々位置させ、前記被受容部を、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して前記受容部の上に位置させる、配置工程と、
前記第2コネクタを下方に移動させ、前記被受容部によって前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を下方に向かって押し、これにより、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を変形させつつ前記受容部の内部に押し込む、押工程とを備えており、
前記押工程の途中で前記第2変形可能部の変形が終わり、その後、前記第1変形可能部は、前記第2変形可能部に対して相対的に下方に移動し、
前記押工程が終了したとき、前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持される
コネクタ組立体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体の製造方法であって、
前記第1コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記上下方向と直交する水平方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持している
コネクタ組立体の製造方法。
【請求項3】
第1コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、第2コネクタとを備えたコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、受容部を有しており、
前記第1配線シートは、2つの第1支持部と、第1連結部と、2つの第1変形可能部と、導電体からなる第1接点とを有しており、
前記第1支持部の夫々は、横方向に沿って延びており、
前記第1連結部は、2つの前記第1支持部を前記横方向と直交する縦方向において互いに連結しており、
2つの前記第1変形可能部は、前記第1連結部から前記横方向において両側に夫々延びており、
前記第1接点は、前記第1変形可能部に設けられており、
前記第2配線シートは、2つの第2支持部と、2つの第2連結部と、2つの第2変形可能部と、導電体からなる第2接点とを有しており、
前記第2支持部の夫々は、前記横方向に沿って延びており、
前記第2連結部の夫々は、2つの前記第2支持部を前記縦方向において互いに連結しており、
2つの前記第2変形可能部は、2つの前記第2連結部から互いに向かって夫々延びており、
前記第2接点は、前記第2変形可能部に設けられており、
前記第2コネクタは、被受容部を有しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記第1コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記第2コネクタは、前記横方向及び前記縦方向の双方と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置されており、
前記被受容部は、前記受容部の内部に受容され、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を押しており、
前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持されている
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタ組立体であって、
前記第2変形可能部の夫々の前記横方向における先端は、前記受容部の内部に位置しており、且つ、前記第1連結部の上方に位置している
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載のコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、2つの突出部と、第1床部とを有しており、
前記突出部の夫々は、前記第1床部から上方に突出しており、
前記受容部は、前記横方向において、2つの前記突出部の間に位置しており、
前記第2コネクタは、第2床部を有しており、
前記被受容部は、前記第2床部から下方に突出しており、
前記第1床部及び前記第2床部は、前記上下方向において互いに離れている
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記被受容部は、前記横方向において、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して、2つの前記突部に挟み込まれている
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタ組立体であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ組立体。
【請求項8】
請求項3から請求項7までのいずれかに記載のコネクタ組立体の第1コネクタ及び第2コネクタとして夫々使用可能な2つのコネクタを備えた
コネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、第2コネクタとを備えたコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコネクタ組立体は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
図21を参照すると、特許文献1のコネクタ組立体90は、支持板(第1コネクタ)92と、フレキシブルプリント基板(第1配線シート)94と、フレキシブルプリント基板(第2配線シート)96と、弾性シート(第2コネクタ)98と、押え板99とを備えている。第1コネクタ92には、2つの孔922が形成されており、第2コネクタ98には、孔922に夫々対応する2つの孔982が形成されている。第1配線シート94には、孔922に夫々対応する2つの孔942と、複数の配線パターン948とが形成されている。第2配線シート96には、孔922に夫々対応する2つの孔962と、配線パターン948に夫々対応する複数の配線パターン968とが形成されている。押え板99は、孔922に夫々対応する2つの係止片992を有している。
【0004】
コネクタ組立体90を組み立てる際、押え板99の係止片992の夫々は、対応する孔982、孔962、孔942及び孔922を通した後に折り曲げられ、これにより、第1配線シート94及び第2配線シート96は、互いに密着する(図示せず)。このとき、配線パターン948の端子949は、配線パターン968の端子969と夫々接触する。この結果、第1配線シート94と第2配線シート96とは、互いに電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭62-172168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、2つの配線シートの端子を接触させる際、端子に付着した汚染物や端子に形成された酸化膜等の異物に起因して、2つの配線シートの間の良好な電気的接続が得られない場合がある。従って、コネクタ組立体を特許文献1に開示されたように組み立てる場合、組み立て工程の前に、第1配線シート及び第2配線シートの夫々に対して、異物を除去するためのクリーニング工程を行う必要がある。しかしながら、このようなクリーニング工程を行うと、コネクタ組立体の製造工数が増大する。即ち、コネクタ組立体の製造に要する時間及びコストが増大する。
【0007】
そこで、本発明は、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シートと第2配線シートとの間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コネクタ組立体の第1の製造方法として、
第1コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、第2コネクタとを準備する準備工程であって、前記第1コネクタは、受容部を有しており、前記第1配線シートは、横方向に沿って延びる2つの第1支持部と、2つの前記第1支持部を前記横方向と直交する縦方向において互いに連結する第1連結部と、前記第1連結部から前記横方向において両側に夫々延びる2つの第1変形可能部と、前記第1変形可能部に設けられた第1接点とを有しており、前記第2配線シートは、前記横方向に沿って延びる2つの第2支持部と、2つの前記第2支持部を前記縦方向において互いに連結する2つの第2連結部と、前記第2連結部から互いに向かって夫々延びる2つの第2変形可能部と、前記第2変形可能部に設けられた第2接点とを有しており、前記第2コネクタは、被受容部を有しており、前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程と、
前記第1コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記第2コネクタを、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程であって、前記第1接点を上方に向けつつ2つの前記第1変形可能部を前記受容部の上に位置させ、前記第2接点を下方に向けつつ2つの前記第2変形可能部を2つの前記第1変形可能部の上に夫々位置させ、前記被受容部を、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して前記受容部の上に位置させる、配置工程と、
前記第2コネクタを下方に移動させ、前記被受容部によって前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を下方に向かって押し、これにより、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を変形させつつ前記受容部の内部に押し込む、押工程とを備えており、
前記押工程の途中で前記第2変形可能部の変形が終わり、その後、前記第1変形可能部は、前記第2変形可能部に対して相対的に下方に移動し、
前記押工程が終了したとき、前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持される
コネクタ組立体の製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、コネクタ組立体の第2の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記第1コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記上下方向と直交する水平方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持している
コネクタ組立体の製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、第1のコネクタ組立体として、
前記第1コネクタは、受容部を有しており、
前記第1配線シートは、2つの第1支持部と、第1連結部と、2つの第1変形可能部と、第1接点とを有しており、
前記第1支持部の夫々は、横方向に沿って延びており、
前記第1連結部は、2つの前記第1支持部を前記横方向と直交する縦方向において互いに連結しており、
2つの前記第1変形可能部は、前記第1連結部から前記横方向において両側に夫々延びており、
前記第1接点は、前記第1変形可能部に設けられており、
前記第2配線シートは、2つの第2支持部と、2つの第2連結部と、2つの第2変形可能部と、第2接点とを有しており、
前記第2支持部の夫々は、前記横方向に沿って延びており、
前記第2連結部の夫々は、2つの前記第2支持部を前記縦方向において互いに連結しており、
2つの前記第2変形可能部は、2つの前記第2連結部から互いに向かって夫々延びており、
前記第2接点は、前記第2変形可能部に設けられており、
前記第2コネクタは、被受容部を有しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記第1コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記第2コネクタは、前記横方向及び前記縦方向の双方と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置されており、
前記被受容部は、前記受容部の内部に受容され、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を押しており、
前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持されている
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第2変形可能部の夫々の前記横方向における先端は、前記受容部の内部に位置しており、且つ、前記第1連結部の上方に位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、2つの突出部と、第1床部とを有しており、
前記突出部の夫々は、前記第1床部から上方に突出しており、
前記受容部は、前記横方向において、2つの前記突出部の間に位置しており、
前記第2コネクタは、第2床部を有しており、
前記被受容部は、前記第2床部から下方に突出しており、
前記第1床部及び前記第2床部は、前記上下方向において互いに離れている
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第4のコネクタ組立体として、第1から第3までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記被受容部は、前記横方向において、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して、2つの前記突部に挟み込まれている
コネクタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第5のコネクタ組立体として、第4のコネクタ組立体であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ組立体を提供する。
【0015】
また、本発明は、第1のコネクタ対として、
第1から第5までのいずれかに記載のコネクタ組立体の第1コネクタ及び第2コネクタとして夫々使用可能な2つのコネクタを備えた
コネクタ対を提供する。
【0016】
また、本発明は、第2のコネクタ対として、
第1コネクタと、第2コネクタとを備えたコネクタ対であって、
前記第1コネクタは、2つの突出部と、第1床部とを有しており、
前記突出部の夫々は、前記第1床部から上下方向において上方に突出しており、
前記受容部は、前記上下方向と直交する横方向において、2つの前記突出部の間に位置しており、
前記第2コネクタは、被受容部と、第2床部とを有しており、
前記被受容部は、前記第2床部から下方に突出しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記受容部は、前記被受容部を受容可能であり、
前記被受容部が前記受容部に受容されたとき、前記第1床部及び前記第2床部は、前記上下方向において互いに離れている
コネクタ対を提供する。
【0017】
また、本発明は、第3のコネクタ対として、第2のコネクタ対であって、
前記第1コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記被受容部が前記受容部に受容されたとき、前記被受容部は、前記横方向において、2つの前記突部の間に位置する
コネクタ対を提供する。
【0018】
また、本発明は、第4のコネクタ対として、第3のコネクタ対であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ対を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、配置工程の結果、2つの第1変形可能部は、第1接点を上方に向けつつ受容部の上に位置し、2つの第2変形可能部は、第2接点を下方に向けつつ2つの第1変形可能部の上に夫々位置する。この配置によれば、第1変形可能部及び第2変形可能部が押工程において下方に向かって押されたとき、第1変形可能部及び第2変形可能部は、第1接点及び第2接点を互いに接触させつつ変形する。特に、本発明によれば、押工程の途中で第2変形可能部の変形が終わり、その後、第1変形可能部は、第2変形可能部に対して相対的に下方に移動する。このとき、第1接点は、第2接点に擦り付けられつつ下方に移動し、これにより、第1接点及び第2接点の夫々は、クリーニングされる。即ち、本発明によれば、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シートと第2配線シートとの間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体を示す分解斜視図である。
図2図1のコネクタ組立体を組み立てた状態で示す斜視図である。
図3図1のコネクタ組立体から図2のコネクタ組立体を組み立てる製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4図1のコネクタ組立体の第1コネクタを示す上面図である。
図5図4の第1コネクタを示す分解斜視図である。弾性部材のうちの1つを拡大して描画している。
図6図4の第1コネクタをVI-VI線に沿って示す断面図である。
図7図1のコネクタ組立体の第1配線シートを示す上面図である。第1連結部と第1変形可能部との間の仮想的な境界線を破線で描画している。
図8図7の第1配線シートを示す下面図である。第1連結部と第1変形可能部との間の仮想的な境界線を破線で描画している。
図9図1のコネクタ組立体の第2配線シートを示す上面図である。第2連結部と第2変形可能部との間の仮想的な境界線を破線で描画している。
図10図9の第2配線シートを示す下面図である。第2連結部と第2変形可能部との間の仮想的な境界線を破線で描画している。
図11図1のコネクタ組立体の第2コネクタを示す下面図である。
図12図3の製造方法の配置工程における図1のコネクタ組立体を示す側面図である。
図13図12のコネクタ組立体をXIII-XIII線に沿って示す断面図である。
図14図13のコネクタ組立体の一部(破線Aで囲んだ部分)を示す断面図である。
図15図3の製造方法の押工程における図13のコネクタ組立体を示す断面図である。第1配線シートの端部及び第2配線シートの端部を描画していない。
図16図15のコネクタ組立体の一部(破線Bで囲んだ部分)を示す断面図である。
図17図3の製造方法の押工程が進行した際の図15のコネクタ組立体を示す断面図である。
図18図17のコネクタ組立体の一部(破線Cで囲んだ部分)を示す断面図である。
図19図3の製造方法の押工程終了時における図17のコネクタ組立体を示す断面図である。
図20図19のコネクタ組立体の一部(破線Dで囲んだ部分)を示す断面図である。
図21】特許文献1のコネクタ組立体を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施の形態のコネクタ組立体10は、第1コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、第2コネクタ70とを備えている。コネクタ組立体10は、第1配線シート50と第2配線シート60とを互いに電気的に接続するための組立体である。図3を参照すると、本実施の形態のコネクタ組立体10(図1及び図2参照)は、準備工程(STEP1)、配置工程(STEP2)及び押工程(STEP3)の少なくとも3つの製造工程を経て製造される。以下、本実施の形態のコネクタ組立体10の製造工程について、製造工程の開始順番に沿って説明する。
【0022】
図1を参照すると、まず、準備工程(図3参照)において、第1コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、第2コネクタ70とを準備する。以下、準備工程において準備された際の各部材の構造について説明する。
【0023】
図1及び図4から図6までを参照すると、本実施の形態の第1コネクタ20は、絶縁体からなる基部材30Bと、絶縁体からなる保持部材30と、金属製の4つの弾性部材(弾性部)40とを備えている。基部材30Bは、水平面(XY平面)と平行な平板形状を有している。保持部材30は、上下方向(Z方向)において基部材30Bの上に取り付けられている。弾性部材40の夫々は、保持部材30及び基部材30Bによって保持されている。本実施の形態の第1コネクタ20は、上述の部材から形成されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、基部材30Bは、必要に応じて設ければよい。基部材30Bを設けない場合、弾性部材40の夫々は、保持部材30のみによって保持すればよい。一方、第1コネクタ20は、更に別の部材を備えていてもよい。
【0024】
本実施の形態の保持部材30は、底部32と、第1床部322と、6つの突出部34と、4つの凹部36とを有している。底部32は、XY平面と平行な平板形状を有している。第1床部322は、底部32に形成されている。より具体的には、第1床部322は、底部32の上面(+Z側の面)であり、XY平面と平行な平面である。6つの突出部34は、Z方向と直交する縦方向(X方向)において2列に分けられている。2列の突出部34は、X方向において第1床部322を挟んで並んでいる。各列の3つの突出部34は、X方向及びZ方向の双方と直交する横方向(Y方向)に並んでいる。Y方向において隣り合う2つの突出部34の間には、第1床部322が設けられている。突出部34の夫々は、第1床部322からZ方向において上方(+Z方向)に突出している。
【0025】
凹部36の夫々は、Y方向において隣り合う2つの突出部34の間に位置する空間である。本実施の形態によれば、6つの突出部34が2×3のマトリックス状に配置されており、この配置により、4つの凹部36が形成されている。但し、保持部材30が1以上の凹部36を有している限り、突出部34の数及び配置は、本実施の形態に限定されない。
【0026】
各列の3つの突出部34は、端突出部(突出部)34Aと、端突出部(突出部)34Bと、中間突出部(突出部)34Cとから構成されている。端突出部34A及び端突出部34Bは、各列のY方向における両端に夫々位置している。中間突出部34Cは、Y方向において、端突出部34Aと端突出部34Bとの間の中間に位置している。
【0027】
突出部34の夫々は、収容部342を有している。収容部342は、突出部34の内部に形成された空間であり、上方及びY方向に開口している。端突出部34A及び端突出部34Bの夫々は、Y方向内側に開口した1つの収容部342を有している。一方、中間突出部34Cは、Y方向両側に夫々開口した2つの収容部342を有している。端突出部34A及び端突出部34Bは、XZ平面について互いに鏡対称な形状を有している。中間突出部34Cは、XZ平面について鏡対称な形状を有している。中間突出部34Cの2つの収容部342のうちの一方は、Y方向において、凹部36を挟んで端突出部34Aの収容部342と対向しており、中間突出部34Cの2つの収容部342のうちの他方は、Y方向において、凹部36を挟んで端突出部34Bの収容部342と対向している。
【0028】
4つの弾性部材40は、凹部36と夫々対応するように配置されている。図4から図6までを参照すると、4つの弾性部材40は、互いに同じ形状を有している。弾性部材40の夫々は、弾性支持部44と、4つの突部48とを有している。弾性支持部44は、突部48の夫々を支持している。
【0029】
弾性支持部44は、被保持部442と、4つの突部48に夫々対応する4つのばね部448とを有している。被保持部442は、Z方向において底部32と基部材30Bとの間に挟み込まれており、全体としてY方向に沿って延びている。4つのばね部448のうちの2つは、被保持部442のY方向における両端の一方に設けられており、X方向に並んでいる。4つのばね部448のうちの他の2つは、被保持部442のY方向における両端の他方に設けられており、X方向に並んでいる。ばね部448の夫々は、被保持部442から上方に延びており、対応する突部48を支持している。4つの突部48のうちの2つは、4つの突部48のうちの他の2つと、Y方向において夫々対向している。ばね部448の夫々は、弾性変形可能である。突部48の夫々は、ばね部448からY方向内側に突出しており、ばね部448の弾性変形に伴って、Y方向に移動可能である。
【0030】
図1及び図4を参照すると、本実施の形態の第1コネクタ20は、4つの凹部36に夫々対応する4つの受容部22を有している。受容部22は、互いに同じ構造を有している。受容部22の夫々は、凹部36と、弾性部材40とから形成されており、Y方向において2つの突出部34の間に位置している。弾性部材40の突部48の夫々は、部分的に収容部342の内部に位置しており、且つ、部分的に凹部36の内部に位置している。また、受容部22の夫々には、第1床部322が設けられている。第1床部322は、受容部22の下端(-Z側の端)に位置している。
【0031】
図1を参照すると、受容部22の凹部36は、第2コネクタ70を、第1配線シート50の一部及び第2配線シート60の一部と共に部分的に受容するための部位である。また、受容部22の弾性部材40は、凹部36に受容された部位を、弾性力によってY方向に挟み込むための部位である。上述のように機能する受容部22が設けられている限り、第1コネクタ20の構造は、様々に変形可能である。例えば、第1コネクタ20は、1以上の受容部22を有していればよい。第1コネクタ20は、受容部22を1つのみ有している場合、突出部34を2つのみ有していればよい。
【0032】
突出部34の夫々は、弾性体から形成されていてもよい。この場合、突出部34は、互いに同じ形状を有していてもよい。また、この場合、第1コネクタ20は、弾性部材40を備えていなくてもよい。即ち、受容部22の夫々は、対応する凹部36のみから形成されていてもよい。図5を参照すると、弾性部材40の夫々は、突部48を2つのみ有していてもよい。より具体的には、図5においてX方向に並んでいる2つのばね部448は、X方向において互いに繋がった1つの部位であってもよい。また、図5においてX方向に並んでいる2つの突部48は、X方向において互いに繋がった1つの部位であってもよい。即ち、弾性部材40の夫々は、少なくとも2つの突部48を有していればよい。2つの突部48は、少なくとも部分的に凹部36の内部に位置していてもよく、且つ、Y方向において対向していてもよい。
【0033】
図1図7及び図8を参照すると、本実施の形態の第1配線シート50は、絶縁体からなる第1絶縁シート52と、導電体からなる8つの第1導電パターン54とを備えている。第1絶縁シート52は、XY平面と平行に延びる薄いシートである。第1導電パターン54は、第1絶縁シート52の上面に形成されている。
【0034】
図1及び図7を参照すると、本実施の形態の第1配線シート50は、第1絶縁シート52と第1導電パターン54とからなるFPC(flexible printed circuits)である。第1配線シート50のFPCは、可撓性を有しており、且つ、破断することなく折り曲げ可能である。但し、本発明は、これに限られず、第1配線シート50は、別の部材を備えていてもよい。例えば、第1配線シート50は、第1配線シート50の撓みやすいFPCを補強して平面上を延びるように支持する第1補強板(図示せず)を備えていてもよい。
【0035】
図7及び図8を参照すると、本実施の形態の第1配線シート50は、2つの第1端部522と、3つの第1支持部524と、4つの第1連結部526と、8つの第1変形可能部528と、6つの第1スリット532とを有している。第1端部522、第1支持部524、第1連結部526及び第1変形可能部528の夫々は、第1絶縁シート52の一部である。第1スリット532の夫々は、第1絶縁シート52に形成された孔であり、第1絶縁シート52をZ方向に貫通している。
【0036】
2つの第1端部522は、第1配線シート50のY方向における両端部に夫々位置している。第1スリット532の夫々は、Y方向において2つの第1端部522の間に位置している。6つの第1スリット532は、X方向において2列に分けられている。各列の3つの第1スリット532は、Y方向に並んでいる。本実施の形態によれば、各列において、Y方向における中間部に位置する第1スリット532は、H字形状を有している。一方、各列において、Y方向における両端部に夫々位置する2つの第1スリット532は、互いに向い合うように配置されたC字形状を夫々有している。但し、第1スリット532の形状は、本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。例えば、各列において、Y方向における中間部に位置する第1スリット532に代えて、互いに反対側を向くように配置された2つのC字形状のスリットを設けてもよい。
【0037】
第1スリット532の夫々は、X方向において、第1支持部524のうちの2つの間に位置している。詳しくは、3つの第1支持部524は、2つの第1端部522の間を、Y方向に沿って互いに平行に延びている。第1支持部524のうちの2つは、2列の第1スリット532をX方向において間に挟むようにして延びており、第1支持部524のうちの他の1つは、X方向において2列の第1スリット532の間に挟まれるようにして延びている。第1連結部526の夫々は、Y方向において互いに隣り合う2つの第1スリット532の間に位置している。第1連結部526の夫々は、X方向において互いに隣り合う2つの第1支持部524の間をX方向に沿って延びており、2つの第1支持部524をX方向において互いに連結している。
【0038】
8つの第1変形可能部528は、4つの第1連結部526に夫々対応する4対の第1変形可能部528に分かれている。各対の第1変形可能部528は、2つの第1変形可能部528から構成されている。第1連結部526の夫々は、Y方向において、対応する2つの第1変形可能部528の間に位置している。各対の第1変形可能部528における2つの第1変形可能部528は、対応する第1連結部526からY方向において両側に夫々延びている。換言すれば、第1連結部526の夫々に対応する2つの第1変形可能部528は、第1連結部526からY方向両側に夫々突出している。
【0039】
上述のように形成された第1変形可能部528の夫々は、XY平面において矩形形状を有しており、第1スリット532のうちの1つによって三方から囲まれている。また、第1変形可能部528の夫々は、第1支持部524から離れている。詳しくは、第1変形可能部528の夫々は、第1スリット532のうちの1つによって、第1支持部524から殆ど切り離されている一方、第1連結部526のうちの1つを介して、第1支持部524に連結されている。換言すれば、第1変形可能部528の夫々と第1支持部524との間には、第1スリット532が形成されており、これにより、第1変形可能部528の夫々は、1つの第1連結部526のみによって第1支持部524に連結されている。このように配置された第1変形可能部528の夫々は、対応する第1連結部526に対して相対的に変形可能である。
【0040】
本実施の形態の第1絶縁シート52は、上述の構造を有している。但し、第1絶縁シート52の構造は、本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。例えば、第1絶縁シート52は、1以上の第1連結部526を有していればよい。第1絶縁シート52が第1連結部526を1つだけ有している場合、第1絶縁シート52は、第1連結部526によって互いに連結された2つの第1支持部524と、第1連結部526から延びる2つの第1変形可能部528を有していればよい。即ち、第1配線シート50は、2つの第1支持部524と、1つの第1連結部526と、変形可能な2つの第1変形可能部528とを有していればよい。
【0041】
図1を参照すると、4つの第1連結部526は、第1コネクタ20の4つの受容部22に夫々対応して設けられている。より具体的には、第1配線シート50を、第1連結部526が受容部22の真上に夫々位置するようにして、第1コネクタ20の上方に配置できる。第1配線シート50を、このように配置したとき、第1連結部526の夫々に対応する2つの第1変形可能部528は、対応する受容部22の上方に位置する。即ち、本実施の形態の第1配線シート50は、受容部22の夫々について、1つの第1連結部526と、2つの(1対の)第1変形可能部528とを有しており、第1連結部526は、2つの第1変形可能部528を、Y方向において互いに連結している。
【0042】
図1及び図7を参照すると、第1導電パターン54の夫々は、第1端子部542と、第1パターン部544と、第1接点546とを有している。第1端子部542の夫々は、第1絶縁シート52の第1端部522に配置されており、コネクタ組立体10の使用時に第1対象物(図示せず)に接続される。第1接点546の夫々は、対となる2つの第1変形可能部528に亘って配置されている。第1パターン部544の夫々は、第1端子部542と第1接点546とを互いに連結している。図示した第1端子部542及び第1パターン部544は、上方に露出している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1端子部542及び第1パターン部544をレジストによって覆ってもよい。
【0043】
図7を参照すると、本実施の形態において、8つの第1接点546は、4対の第1変形可能部528に夫々対応する4つの第1接点対546Pに分かれている。第1接点対546Pの夫々は、2つの第1接点546から構成されている。第1接点対546Pの夫々は、対応する第1連結部526の上面及び対応する2つの第1変形可能部528の上面に形成されている。第1接点対546Pの夫々における2つの第1接点546は、対応する第1連結部526及び対応する2つの第1変形可能部528のX方向における両側に夫々位置している。第1接点対546Pの夫々における2つの第1接点546は、X方向において互いに離れており、且つ、Y方向に沿って互いに平行に延びている。
【0044】
上述したように、本実施の形態による第1配線シート50は、複数対の第1変形可能部528に夫々設けられた複数の第1接点対546P(即ち、複数対の第1接点546)を有している。但し、第1変形可能部528の夫々における第1接点546の配置は、本実施の形態に限定されず、様々に変形可能である。例えば、第1接点対546Pの夫々における2つの第1接点546は、Y方向において互いに離れており、且つ、X方向に沿って互いに平行に延びていてもよい。また、各対の第1変形可能部528には、第1接点対546Pに代えて、1つの第1接点546のみが設けられていてもよい。即ち、第1変形可能部528の夫々には、少なくとも1つの第1接点546が設けられていればよい。
【0045】
図1図9及び図10を参照すると、本実施の形態の第2配線シート60は、絶縁体からなる第2絶縁シート62と、導電体からなる8つの第2導電パターン64とを備えている。第2絶縁シート62は、XY平面と平行に延びる薄いシートである。第2導電パターン64は、第2絶縁シート62の下面(-Z側の面)に形成されている。
【0046】
図1及び図10を参照すると、本実施の形態の第2配線シート60は、第2絶縁シート62と第2導電パターン64とからなるFPCである。第2配線シート60のFPCは、可撓性を有しており、且つ、破断することなく折り曲げ可能である。但し、本発明は、これに限られず、第2配線シート60は、別の部材を備えていてもよい。例えば、第2配線シート60は、第2配線シート60の撓みやすいFPCを補強して平面上を延びるように支持する第2補強板(図示せず)を備えていてもよい。
【0047】
図9及び図10を参照すると、本実施の形態の第2配線シート60は、2つの第2端部622と、3つの第2支持部624と、6つの第2連結部626と、8つの第2変形可能部628と、4つの第2スリット632とを有している。第2端部622、第2支持部624、第2連結部626及び第2変形可能部628の夫々は、第2絶縁シート62の一部である。第2スリット632の夫々は、第2絶縁シート62に形成された孔であり、第2絶縁シート62をZ方向に貫通している。
【0048】
2つの第2端部622は、第2配線シート60のY方向における両端部に夫々位置している。第2スリット632の夫々は、Y方向において2つの第2端部622の間に位置している。4つの第2スリット632は、X方向において2列に分けられている。各列の2つの第2スリット632は、Y方向に並んでいる。本実施の形態によれば、第2スリット632の夫々は、H字形状を有している。但し、第2スリット632の形状は、本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。例えば、本実施の形態の第1スリット532の夫々に代えて、互いに反対側を向くように配置された2つのC字形状のスリットを設けてもよい。
【0049】
第2スリット632の夫々は、X方向において、第2支持部624のうちの2つの間に位置しており、Y方向において、第2連結部626のうちの2つの間に位置している。詳しくは、3つの第2支持部624は、2つの第2端部622の間を、Y方向に沿って互いに平行に延びている。第2支持部624のうちの2つは、2列の第2スリット632をX方向において間に挟むようにして延びており、第2支持部624のうちの他の1つは、X方向において2列の第2スリット632の間に挟まれるようにして延びている。第2連結部626の夫々は、Y方向において互いに隣り合う2つの第2スリット632の間に位置しているか、又は、第2スリット632のY方向外側に位置している。第2連結部626の夫々は、X方向において互いに隣り合う2つの第2支持部624の間をX方向に沿って延びており、2つの第2支持部624をX方向において互いに連結している。
【0050】
本実施の形態において、6つの第2連結部626のうちの4つは、2つの第2端部622のY方向内側の端部であり、4つの第2スリット632をY方向において間に挟むようにして延びている。6つの第2連結部626のうちの他の2つは、Y方向において2つの第2スリット632と他の2つの第2スリット632との間に挟まれるようにして延びている。第2連結部626は、上述のように設けられており、これにより、第2スリット632の夫々は、第2連結部626のうちの2つに対応するようにして設けられている。
【0051】
8つの第2変形可能部628は、4つの第2スリット632に夫々対応する4対の第2変形可能部628に分かれている。各対の第2変形可能部628は、2つの第2変形可能部628から構成されている。各対の第2変形可能部628における2つの第2変形可能部628は、対応する2つの第2連結部626から、Y方向において互いに向かって夫々延びている。換言すれば、第2スリット632の夫々に対応する2つの第2変形可能部628は、第2連結部626のうちの2つから、Y方向において互いに向かって夫々突出している。
【0052】
上述のように形成された第2変形可能部628の夫々は、XY平面において矩形形状を有しており、対応する第2スリット632によって三方から囲まれている。第2変形可能部628の夫々は、Y方向における先端628Eを有している。先端628Eの夫々は、第2変形可能部628のY方向内側の端に位置しており、対応する第2スリット632の内部に位置している。
【0053】
また、第2変形可能部628の夫々は、第2支持部624から離れている。詳しくは、第2変形可能部628の夫々は、対応する第2スリット632によって、第2支持部624から殆ど切り離されている一方、第2連結部626のうちの1つを介して、第2支持部624に連結されている。換言すれば、第2変形可能部628の夫々と第2支持部624との間には、第2スリット632が形成されており、これにより、第2変形可能部628の夫々は、1つの第2連結部626のみによって第2支持部624に連結されている。このように形成された第2変形可能部628の夫々は、対応する第2連結部626に対して相対的に変形可能である。
【0054】
本実施の形態の第2絶縁シート62は、上述の構造を有している。但し、第2絶縁シート62の構造は、本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。例えば、第2絶縁シート62は、2以上の第2連結部626を有していればよい。第2絶縁シート62が第2連結部626を2つだけ有している場合、第2絶縁シート62は、2つの第2連結部626によって互いに連結された2つの第2支持部624と、2つの第2連結部626から互いに向かって夫々延びる2つの第2変形可能部628を有していればよい。即ち、第2配線シート60は、2つの第2支持部624と、2つの第2連結部626と、変形可能な2つの第2変形可能部628とを有していればよい。
【0055】
図1を参照すると、4つの第2スリット632は、第1コネクタ20の4つの受容部22に夫々対応して設けられている。より具体的には、第2配線シート60を、第2スリット632が受容部22の真上に夫々位置するようにして、第1コネクタ20の上方に配置できる。第2配線シート60を、このように配置したとき、第2スリット632の夫々に対応する2つの第2変形可能部628は、対応する受容部22の上方に位置する。即ち、本実施の形態の第2配線シート60は、受容部22の夫々について、2つの(1対の)第2連結部626と、2つの(1対の)第2変形可能部628とを有しており、2つの第2変形可能部628は、2つの第2連結部626からY方向において互いに向かって夫々突出している。
【0056】
図10を参照すると、第2導電パターン64の夫々は、第2端子部642と、第2パターン部644と、第2接点646とを有している。第2端子部642の夫々は、第2絶縁シート62の第2端部622に配置されており、コネクタ組立体10(図1参照)の使用時に第2対象物(図示せず)に接続される。第2接点646の夫々は、対となる2つの第2変形可能部628に夫々配置された2つの接点を含んでいる。即ち、第2接点646の夫々は、Y方向において第2スリット632を挟む2つの接点に分かれている。第2パターン部644の夫々は、第2端子部642と第2接点646とを互いに連結している。図示した第2端子部642及び第2パターン部644は、下方に露出している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2端子部642及び第2パターン部644をレジストによって覆ってもよい。
【0057】
図10を参照すると、本実施の形態において、8つの第2接点646は、4対の第2変形可能部628に夫々対応する4つの第2接点対646Pに分かれている。第2接点対646Pの夫々は、2つの第2接点646から構成されている。第2接点対646Pの夫々は、対応する2つの第2変形可能部628の上面に形成されている。第2接点対646Pの夫々における2つの第2接点646は、対応する1対の第2変形可能部628のX方向における両側に夫々位置している。第2接点対646Pの夫々における2つの第2接点646は、X方向において互いに離れており、且つ、Y方向に沿って互いに平行に延びている。
【0058】
上述したように、本実施の形態による第2配線シート60は、複数対の第2変形可能部628に夫々設けられた複数の第2接点対646P(即ち、複数対の第2接点646)を有している。但し、第2変形可能部628の夫々における第2接点646の配置は、本実施の形態に限定されず、様々に変形可能である。例えば、第2接点対646Pの夫々における2つの第2接点646は、Y方向において互いに離れており、且つ、X方向に沿って互いに平行に延びていてもよい。また、各対の第2変形可能部628には、第2接点対646Pに代えて、1つの第2接点646のみが設けられていてもよい。即ち、第2変形可能部628の夫々には、少なくとも1つの第2接点646が設けられていればよい。
【0059】
図1図11及び図12を参照すると、本実施の形態の第2コネクタ70は、絶縁体からなり、主部72と、第2床部722と、8つの通過孔724と、6つの受容空間74と、4つの被受容部76とを有している。主部72は、XY平面と平行な平板形状を有している。第2床部722は、主部72に形成されている。より具体的には、第2床部722は、主部72の下面であり、XY平面と平行な平面である。即ち、第2コネクタ70は、第2床部722が形成された主部72を有している。通過孔724の夫々は、主部72をZ方向に貫通する孔である。受容空間74の夫々は、主部72の下方に位置する空間である。被受容部76の夫々は、第2床部722から下方に突出している。本実施の形態の第2コネクタ70は、上述の部位が形成された単一の部材である。但し、本発明は、これに限られず、第2コネクタ70は、複数の部材を備えていてもよい。
【0060】
図1及び図11を参照すると、6つの受容空間74は、第1コネクタ20の6つの突出部34と夫々対応しており、突出部34と同様に配置されている。より具体的には、受容空間74は、X方向において2列に分けられている。2列の受容空間74は、X方向において第2床部722を挟んで並んでいる。各列の3つの受容空間74は、Y方向に並んでいる。被受容部76の夫々は、Y方向において隣り合う2つの受容空間74の間に位置している。
【0061】
各列の3つの受容空間74は、端受容空間(受容空間)74Aと、端受容空間(受容空間)74Bと、中間受容空間(受容空間)74Cとから構成されている。端受容空間74A及び端受容空間74Bは、各列のY方向における両端に夫々位置している。中間受容空間74Cは、Y方向において、端受容空間74Aと端受容空間74Bとの間の中間に位置している。受容空間74の夫々のXY平面における形状は、対応する突出部34のXY平面における形状に対応しており、受容空間74の夫々のXY平面におけるサイズは、対応する突出部34のXY平面におけるサイズよりも大きい。但し、受容空間74が突出部34を夫々受容可能である限り、受容空間74の形状及びサイズは特に限定されず、受容空間74の数及び配置も特に限定されない。
【0062】
4つの被受容部76は、第1コネクタ20の4つの受容部22(凹部36)に夫々対応して設けられている。より具体的には、第2コネクタ70を、被受容部76が受容部22の真上に夫々位置するようにして、第1コネクタ20の上方に配置できる。被受容部76の夫々のXY平面における形状は、対応する凹部36のXY平面における形状に対応しており、被受容部76の夫々のXY平面におけるサイズは、対応する凹部36のXY平面におけるサイズよりも小さい。特に、本実施の形態の被受容部76の夫々は、XY平面において矩形形状を有している。但し、凹部36が被受容部76を夫々受容可能である限り、被受容部76の形状及びサイズは特に限定されず、被受容部76の数及び配置も特に限定されない。
【0063】
図1を参照すると、第1コネクタ20の受容部22の凹部36は、第2コネクタ70の被受容部76を、第1配線シート50の第1変形可能部528及び第2配線シート60の第2変形可能部628と共に受容するための部位である。また、受容部22の弾性部40は、凹部36に受容された被受容部76、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を、弾性力によってY方向に挟み込むための部位である。本実施の形態によれば、受容部22には、弾性部40が設けられている一方、被受容部76には、弾性部が設けられていない。但し、本発明はこれに限られない。例えば、被受容部76には、弾性部が設けられている一方、受容部22には、弾性部40が設けられていなくてもよい。また、受容部22及び被受容部76の夫々に弾性部が設けられていてもよい。
【0064】
図1及び図3を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態のコネクタ組立体10の製造方法は、第1コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、第2コネクタ70とを準備する準備工程であって、第1コネクタ20は、受容部22を有しており、第1配線シート50は、Y方向に沿って延びる2つの第1支持部524と、2つの第1支持部524をX方向において互いに連結する第1連結部526と、第1連結部526からY方向において両側に夫々延びる2つの第1変形可能部528と、第1変形可能部528に設けられた第1接点546とを有しており、第2配線シート60は、Y方向に沿って延びる2つの第2支持部624と、2つの第2支持部624をX方向において互いに連結する2つの第2連結部626と、第2連結部626から互いに向かって夫々延びる2つの第2変形可能部628と、第2変形可能部628に設けられた第2接点646(図10参照)とを有しており、第2コネクタ70は、被受容部76を有しており、受容部22及び被受容部76の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程を備えている。
【0065】
図3及び図12を参照すると、準備工程に続く配置工程において、第1コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び第2コネクタ70は、Z方向において下からこの順に並ぶように配置される。第1コネクタ20は、例えば作業台(図示せず)のXY平面と平行な上面の上に置かれ、移動しないように仮保持される。第1配線シート50、第2配線シート60及び第2コネクタ70の夫々は、XY平面と平行に延びるように配置される。本実施の形態によれば、第1配線シート50は、第1コネクタ20の上に置かれ、第2配線シート60は、第1配線シート50の上に置かれ、第2コネクタ70は、第2配線シート60の上に置かれる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1配線シート50、第2配線シート60及び第2コネクタ70を、Z方向において互いに距離をあけて配置してもよい。
【0066】
図13を参照すると、配置工程(図3参照)により、受容部22の夫々と、対応する2つの第1変形可能部528と、対応する2つの第2変形可能部628と、対応する被受容部76とは、Z方向に沿って一列に並ぶ。図14を参照すると、このとき、第1配線シート50の第1導電パターン54の夫々は、上方を向いており、第2配線シート60の第2導電パターン64の夫々は、下方を向いている。特に、本実施の形態によれば、配置工程により、第2接点646の夫々は、Z方向において、対応する第1接点546と接触する。但し、第2接点646の夫々は、Z方向において、対応する第1接点546から離れて、対応する第1接点546と対向してもよい。
【0067】
以上の説明を纏めると、本実施の形態によるコネクタ組立体10の製造方法は、第1コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び第2コネクタ70を、Z方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程(図3参照)であって、第1接点546を上方に向けつつ2つの第1変形可能部528を受容部22の上に位置させ、第2接点646を下方に向けつつ2つの第2変形可能部628を2つの第1変形可能部528の上に夫々位置させ、被受容部76を、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を介して受容部22の上に位置させる、配置工程を備えている。
【0068】
図1図3及び図13を参照すると、本実施の形態の配置工程の結果、受容部22を夫々含む4つのセットが形成される。各セットは、1つの受容部22と、この受容部22に対応する1つの第1連結部526と、この第1連結部526のY方向における両側に夫々繋がった2つの第1変形可能部528と、この受容部22に対応する2つの第2連結部626と、この2つの第2連結部626とY方向において夫々繋がった2つの第2変形可能部628と、被受容部76とから構成されている。
【0069】
本実施の形態によれば、配置工程に続く押工程において、第2コネクタ70を下方に移動することで、4つのセットの夫々において第1変形可能部528及び第2変形可能部628が変形され、これにより、コネクタ組立体10が組み立てられる。以下、配置工程によって形成された4つのセットのうちの1つに注目しつつ、押工程について説明する。以下の説明は、4つのセットの全てについて成り立つ。
【0070】
図15及び図16を参照すると、配置工程(図3参照)に続いて、第2コネクタ70を下方に移動する。第2コネクタ70を下方に移動すると、第1配線シート50の第1連結部526、及び、第2配線シート60の2つの第2変形可能部628のY方向内側の端部は、第2コネクタ70の被受容部76によって下方に向かって押される。被受容部76に押された第1連結部526は、被受容部76及び第1変形可能部528のY方向内側の端部と共に下方に移動する。この結果、2つの第1変形可能部528のY方向外側の端部は、突出部34の上面と夫々突き当たり、2つの第1変形可能部528は、被受容部76のY方向における両側面に夫々近づくようにして変形し始める。また、2つの第2変形可能部628は、Y方向内側の端部を被受容部76のY方向における両側面に夫々押し付けるようにして変形し始める。
【0071】
第2コネクタ70を下方に移動し続けると、第1連結部526は、第1端部522及び第1変形可能部528と共に下方に移動し続け、弾性部材40の突部48の下方に位置する(図15参照)。このとき、2つの第1変形可能部528及び2つの第2変形可能部628は、被受容部76と共に、Y方向において2つの突部48に挟まれ、これにより、第1変形可能部528の夫々は、対応する第2変形可能部628を介して、被受容部76のY方向における側面に押し付けられる。第1変形可能部528及び第2変形可能部628の夫々は、このように変形しつつ、被受容部76と共に第1コネクタ20の受容部22の内部に押し込まれる。図16を参照すると、このとき、第1接点546の夫々は、弾性部材40の弾性力によって、対応する第2接点646に押し付けられている。
【0072】
図15及び図16を参照すると、第1変形可能部528及び第2変形可能部628が変形途中の状態にあるとき、第1変形可能部528のY方向外側の端は、第1コネクタ20の上端(+Z側の端)を越えて上方に突出しており、これにより、第2連結部626は、第1コネクタ20の上方に位置している。詳しくは、第2連結部626は、第1コネクタ20の突出部34の上面から離れており、第2端部622と共に第1コネクタ20の上方に位置している。
【0073】
図17及び図18を参照すると、第2コネクタ70を更に下方に移動し続けると、第1連結部526は、第1端部522及び第1変形可能部528と共に更に下方に移動し、第1変形可能部528全体が受容部22の内部に位置する。この移動の間、第2変形可能部628は、被受容部76のY方向における側面から下方に向かう力を受け、第1変形可能部528と共に下方に移動する。この結果、第2連結部626は、第2端部622と共に下方に移動して突出部34の上面と突き当たる。このとき、第2変形可能部628の変形及び移動が終了する。図18を参照すると、このとき、第2変形可能部628の先端628Eの夫々は、受容部22の内部に位置しており、第1接点546の夫々は、弾性部材40の弾性力によって、対応する第2接点646に押し付けられている。
【0074】
図19及び図20を参照すると、第2コネクタ70を更に下方に移動し続けると、第1連結部526は、第1端部522及び第1変形可能部528と共に更に下方に移動し、第1コネクタ20の第1床部322と突き当たる。このとき、第1変形可能部528の変形及び移動が終了する。上述の移動の間、第2配線シート60は、第2変形可能部628を含めて移動しない。図20を参照すると、上述の移動の間、第1接点546の夫々は、弾性部材40の弾性力によって対応する第2接点646に押し付けられつつ下方に移動する。即ち、互いに対応する第1接点546と第2接点646とは、互いに擦り付けられ、これにより、第1接点546及び第2接点646に付着した汚染物や第1接点546及び第2接点646に形成された酸化膜等の異物が除去される。即ち、第1接点546及び第2接点646の夫々は、ワイピングされる。
【0075】
以上の説明を纏めると、本実施の形態によるコネクタ組立体10の製造方法は、第2コネクタ70を下方に移動させ、被受容部76によって第1変形可能部528及び第2変形可能部628を下方に向かって押し、これにより、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を変形させつつ受容部22の内部に押し込む、押工程(図3参照)を備えている。特に、押工程の途中で第2変形可能部628の変形が終わり、その後、第1変形可能部528は、第2変形可能部628に対して相対的に下方に移動する。
【0076】
図13及び図14を参照すると、本実施の形態によれば、配置工程(図3参照)の結果、2つの第1変形可能部528は、第1接点546を上方に向けつつ受容部22の上に位置し、2つの第2変形可能部628は、第2接点646を下方に向けつつ2つの第1変形可能部528の上に夫々位置する。この配置によれば、第1変形可能部528及び第2変形可能部628が押工程において下方に向かって押されたとき、第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、第1接点546及び第2接点646を互いに接触させつつ変形する。
【0077】
図17及び図18を参照すると、特に、本実施の形態によれば、押工程の途中で第2変形可能部628の変形及び下方への移動が終わり、その後、第1変形可能部528は、第2変形可能部628に対して相対的に下方に移動する。このとき、第1接点546は、第2接点646に擦り付けられつつ下方に移動し、これにより、第1接点546及び第2接点646の夫々は、クリーニングされる。即ち、本実施の形態によれば、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シート50と第2配線シート60との間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体10を提供できる。
【0078】
図20を参照すると、押工程(図3参照)が終了したとき、第1接点546及び第2接点646は、被受容部76と共に受容部22の内部に位置して互いに接触している。この結果、第1配線シート50の第1導電パターン54は、第2配線シート60の第2導電パターン64と接続し、第1配線シート50は、第2配線シート60と電気的に接続される。また、弾性部材40の2つの突部48は、第1接点546、第2接点646及び被受容部76をY方向に挟み込んでおり、これにより、第1接点546は、第2接点646に押し付けられている。即ち、本実施の形態の弾性部材40は、弾性力によって第1接点546を第2接点646に押し付ける弾性部として機能し、第1接点546と、第2接点646との間の接触は、弾性部40の弾性力によって維持される。
【0079】
図15及び図17を参照すると、本実施の形態の押工程(図3参照)により、第1コネクタ20の突出部34の夫々は、第2コネクタ70の対応する受容空間74に受容される。本実施の形態によれば、受容空間74に受容された突出部34の夫々は、XY平面の外側に露出しており、外部から視認可能である(図2参照)。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2コネクタ70は、XY平面において受容空間74を囲む壁部(図示せず)を有していてもよい。即ち、受容空間74に受容された突出部34の夫々は、XY平面において第2コネクタ70の壁部に囲まれていてもよい。
【0080】
図2及び図20を参照すると、本実施の形態によれば、第2コネクタ70の通過孔724を通して、第1接点546と第2接点646との間の接触部を視認可能である。但し、通過孔724は、必要に応じて設ければよい。
【0081】
図2を参照すると、押工程(図3参照)が終了したとき、コネクタ組立体10は、組み立てられている。このとき、第1コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び第2コネクタ70は、Z方向において下からこの順に並ぶように配置されている。図20を参照すると、被受容部76は、受容部22の内部に受容され、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を押している。第1接点546及び第2接点646は、受容部22の内部に位置して互いに接触しており、第1接点546と第2接点646との間の接触は、弾性部40の弾性力によって維持されている。第2変形可能部628の夫々のY方向における先端628Eは、受容部22の内部に位置しており、且つ、第1連結部526の上方に位置している。
【0082】
本実施の形態によれば、被受容部76は、Y方向において、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を介して、弾性部材40の2つの突部48に挟み込まれている。即ち、受容部22に設けられた弾性部材40が弾性部として機能する。換言すれば、受容部22に、弾性変形可能な弾性部40が設けられている。但し、前述したように、本発明は、これに限られず、受容部22及び被受容部76の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられていればよい。
【0083】
本実施の形態の弾性部材40は、金属製のばねであり、被受容部76、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を確実に挟み込むことができる。但し、弾性部材40は、必要に応じて様々な材料から様々な構造に形成できる。
【0084】
本実施の形態によれば、第1コネクタ20は、少なくとも2つの突出部34を有している。第1コネクタ20の2つの突出部34は、Y方向に並んでおり、第2コネクタ70の被受容部76は、Y方向において2つの突出部34の間に位置している。また、突出部34の夫々は、第1コネクタ20の第1床部322から上方に突出しており、被受容部76は、第2コネクタ70の第2床部722から下方に突出している。
【0085】
上述の構造により、第1床部322及び第2床部722は、Z方向において、第1配線シート50の厚さ(図1のZ方向におけるサイズ)及び第2配線シート60の厚さ(図1のZ方向におけるサイズ)の合計値(合計厚さ)よりも大きな距離をあけて互いに離れている。換言すれば、第1床部322と第2床部722とは、Z方向において隙間をおいて互いに離れている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2コネクタ70において、受容空間74の夫々は、主部72をZ方向に貫通する受容孔であってもよく、被受容部76の夫々は、主部72のうち2つの受容孔の間に位置する部位であってもよい。この場合、第1床部322及び第2床部722は、Z方向において、第1配線シート50及び第2配線シート60の合計厚さだけの距離をあけて互いに離れていてもよい。
【0086】
図19を参照すると、本実施の形態によれば、第1配線シート50の第1端部522と第2配線シート60の第2端部622とは、Z方向において互いに離れている。即ち、第1配線シート50の第1導電パターン54の夫々の第1端子部542は、第2配線シート60の対応する第2導電パターン64の第2端子部642から離れて下方に位置している。但し、本発明は、これに限られず、第1端子部542の夫々は、例えば絶縁体を介して対応する第2端子部642に押し付けられていてもよい。
【0087】
図2を参照すると、本実施の形態のコネクタ組立体10は、第1コネクタ20と、第2コネクタ70とを備えたコネクタ対12を含んでいる。本実施の形態によれば、第1コネクタ20の受容部22は、第2コネクタ70の被受容部76を夫々受容可能である。この構造により、コネクタ対12は、第1配線シート50及び第2配線シート60を互いに電気的に接続できる。また、第1コネクタ20及び第2コネクタ70の夫々は、既に説明した様々な部位を有している。
【0088】
例えば、第1コネクタ20は、Y方向に並ぶ2つの突出部34を有している。受容部22は、凹部36と、弾性部として機能する弾性部材40(図1参照)とから形成されており、Y方向において2つの突出部34の間に位置している。被受容部76が第1配線シート50及び第2配線シート60を伴うことなく受容部22に受容されたとき、被受容部76は、Y方向において、弾性部材40の2つの突部48(図1参照)の間に僅かな隙間をあけて位置する。この構造により、コネクタ対12は、第1配線シート50及び第2配線シート60を互いに電気的に確実に接続できる。また、被受容部76が受容部22に受容されたとき、第1コネクタ20の第1床部322及び第2コネクタ70の第2床部722は、Z方向において互いに離れている。
【0089】
但し、本発明は、これに限られず、コネクタ対12は、第1コネクタ20及び第2コネクタ70として夫々使用可能な2つのコネクタを備えていればよい。例えば、被受容部76が受容部22に受容されたとき、被受容部76は、Y方向において、弾性部材40の2つの突部48(図1参照)によって挟み込まれるようにして、2つの突部48の間に位置してもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 コネクタ組立体
12 コネクタ対
20 第1コネクタ
22 受容部
30B 基部材
30 保持部材
32 底部
322 第1床部
34 突出部
34A,34B 端突出部(突出部)
34C 中間突出部(突出部)
342 収容部
36 凹部
40 弾性部材(弾性部)
44 弾性支持部
442 被保持部
448 ばね部
48 突部
50 第1配線シート
52 第1絶縁シート
522 第1端部
524 第1支持部
526 第1連結部
528 第1変形可能部
532 第1スリット
54 第1導電パターン
542 第1端子部
544 第1パターン部
546 第1接点
546P 第1接点対
60 第2配線シート
62 第2絶縁シート
622 第2端部
624 第2支持部
626 第2連結部
628 第2変形可能部
628E 先端
632 第2スリット
64 第2導電パターン
642 第2端子部
644 第2パターン部
646 第2接点
646P 第2接点対
70 第2コネクタ
72 主部
722 第2床部
724 通過孔
74 受容空間
74A,74B 端受容空間(受容空間)
74C 中間受容空間(受容空間)
76 被受容部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21