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特許7178894コネクタ組立体、コネクタ組立体のコネクタ対、及び、コネクタ組立体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】コネクタ組立体、コネクタ組立体のコネクタ対、及び、コネクタ組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/36 20060101AFI20221118BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20221118BHJP
   H01R 12/78 20110101ALI20221118BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H05K3/36 A
H01R43/00 Z
H01R12/78
H05K1/14 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018236682
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020098870
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084736(JP,A)
【文献】特開2015-141827(JP,A)
【文献】特開2018-055958(JP,A)
【文献】特開平08-171949(JP,A)
【文献】特開平10-032061(JP,A)
【文献】特開平04-368790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/36
H01R 43/00
H01R 12/78
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ組立体の製造方法であって、
主コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、副コネクタとを準備する準備工程であって、前記主コネクタは、受容部と、横方向において前記受容部を挟んで互いに反対側に位置する第1台部及び第2台部と、前記第1台部から突出した第1位置決め部と、前記第2台部から突出した第2位置決め部とを有しており、前記第1配線シートは、第1被位置決め部と、前記第1被位置決め部から延びる第1変形可能部と、前記第1変形可能部に設けられた導電体からなる第1接点とを有しており、前記第2配線シートは、第2被位置決め部と、前記第2被位置決め部から延びる第2変形可能部と、前記第2変形可能部に設けられた導電体からなる第2接点とを有しており、前記副コネクタは、被受容部を有しており、前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程と、
前記主コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記副コネクタを、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程であって、前記第1接点を上方に向け且つ前記第1被位置決め部を前記第1位置決め部によって位置決めしつつ、前記第1変形可能部を前記受容部の上を通って前記第2台部の上まで延びるように位置させ、前記第2接点を下方に向け且つ前記第2被位置決め部を前記第2位置決め部によって位置決めしつつ、前記第2変形可能部を、前記第1変形可能部を介して前記受容部の上を通って前記第1台部の上まで延びるように位置させ、前記被受容部を、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して前記受容部の上に位置させる、配置工程と、
前記副コネクタを下方に移動させ、前記被受容部によって前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を下方に向かって押し、これにより、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を変形させつつ前記受容部の内部に押し込む、押工程とを備えており、
前記押工程が終了したとき、前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持される
コネクタ組立体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体の製造方法であって、
前記主コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持している
コネクタ組立体の製造方法。
【請求項3】
主コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、副コネクタとを備えたコネクタ組立体であって、
前記主コネクタは、受容部と、第1台部と、第2台部と、第1位置決め部と、第2位置決め部とを有しており、
前記第1台部及び前記第2台部は、横方向において前記受容部を挟んで互いに反対側に位置しており、
前記第1位置決め部は、前記第1台部から突出しており、
前記第2位置決め部は、前記第2台部から突出しており、
前記第1配線シートは、第1被位置決め部と、第1変形可能部と、導電体からなる第1接点とを有しており、
前記第1変形可能部は、前記第1被位置決め部から延びており、
前記第1接点は、前記第1変形可能部に設けられており、
前記第2配線シートは、第2被位置決め部と、第2変形可能部と、導電体からなる第2接点とを有しており、
前記第2変形可能部は、前記第2被位置決め部から延びており、
前記第2接点は、前記第2変形可能部に設けられており、
前記副コネクタは、被受容部を有しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記主コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記副コネクタは、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置されており、
前記第1被位置決め部は、前記第1位置決め部によって位置決めされており、
前記第2被位置決め部は、前記第2位置決め部によって位置決めされており、
前記被受容部は、受容部の内部に受容され、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を押しており、
前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持されている
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタ組立体であって、
前記第1配線シートは、第1被押さえ部を有しており、
前記第1被位置決め部は、前記横方向において前記第1被押さえ部と前記第1変形可能部との間に位置しており、
前記第2配線シートは、第2被押さえ部を有しており、
前記第2被位置決め部は、前記横方向において前記第2被押さえ部と前記第2変形可能部との間に位置しており、
前記副コネクタは、第1押さえ部と、第1受容部と、第2押さえ部と、第2受容部とを有しており、
前記第1受容部は、前記横方向において前記第1押さえ部と前記被受容部との間に位置しており、
前記第1受容部は、前記第1台部を受容しており、
前記第1押さえ部は、前記第1被押さえ部を、前記横方向において前記第1台部に押さえ付けており、
前記第2受容部は、前記横方向において前記第2押さえ部と前記被受容部との間に位置しており、
前記第2受容部は、前記第2台部を受容しており、
前記第2押さえ部は、前記第2被押さえ部を、前記横方向において前記第2台部に押さえ付けている
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載のコネクタ組立体であって、
前記主コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記被受容部は、前記横方向において、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して、2つの前記突部に挟み込まれている
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタ組立体であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項3から請求項6までのいずれかに記載のコネクタ組立体の主コネクタ及び副コネクタとして夫々使用可能な2つのコネクタを備えた
コネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、副コネクタとを備えたコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコネクタ組立体は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
図21を参照すると、特許文献1のコネクタ組立体90は、支持板(主コネクタ)92と、フレキシブルプリント基板(第1配線シート)94と、フレキシブルプリント基板(第2配線シート)96と、弾性シート(副コネクタ)98と、押え板99とを備えている。主コネクタ92には、2つの孔922が形成されており、副コネクタ98には、孔922に夫々対応する2つの孔982が形成されている。第1配線シート94には、孔922に夫々対応する2つの孔942と、複数の配線パターン948とが形成されている。第2配線シート96には、孔922に夫々対応する2つの孔962と、配線パターン948に夫々対応する複数の配線パターン968とが形成されている。押え板99は、孔922に夫々対応する2つの係止片992を有している。
【0004】
コネクタ組立体90を組み立てる際、押え板99の係止片992の夫々は、対応する孔982、孔962、孔942及び孔922を通した後に折り曲げられ、これにより、第1配線シート94及び第2配線シート96は、互いに密着する(図示せず)。このとき、配線パターン948の端子949は、配線パターン968の端子969と夫々接触する。この結果、第1配線シート94と第2配線シート96とは、互いに電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭62-172168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、2つの配線シートの端子を接触させる際、端子に付着した汚染物や端子に形成された酸化膜等の異物に起因して、2つの配線シートの間の良好な電気的接続が得られない場合がある。従って、コネクタ組立体を特許文献1に開示されたように組み立てる場合、組み立て工程の前に、第1配線シート及び第2配線シートの夫々に対して、異物を除去するためのクリーニング工程を行う必要がある。しかしながら、このようなクリーニング工程を行うと、コネクタ組立体の製造工数が増大する。即ち、コネクタ組立体の製造に要する時間及びコストが増大する。
【0007】
そこで、本発明は、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シートと第2配線シートとの間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コネクタ組立体の第1の製造方法として、
主コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、副コネクタとを準備する準備工程であって、前記主コネクタは、受容部と、横方向において前記受容部を挟んで互いに反対側に位置する第1台部及び第2台部と、前記第1台部から突出した第1位置決め部と、前記第2台部から突出した第2位置決め部とを有しており、前記第1配線シートは、第1被位置決め部と、前記第1被位置決め部から延びる第1変形可能部と、前記第1変形可能部に設けられた第1接点とを有しており、前記第2配線シートは、第2被位置決め部と、前記第2被位置決め部から延びる第2変形可能部と、前記第2変形可能部に設けられた第2接点とを有しており、前記副コネクタは、被受容部を有しており、前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程と、
前記主コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記副コネクタを、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程であって、前記第1接点を上方に向け且つ前記第1被位置決め部を前記第1位置決め部によって位置決めしつつ、前記第1変形可能部を前記受容部の上を通って前記第2台部の上まで延びるように位置させ、前記第2接点を下方に向け且つ前記第2被位置決め部を前記第2位置決め部によって位置決めしつつ、前記第2変形可能部を、前記第1変形可能部を介して前記受容部の上を通って前記第1台部の上まで延びるように位置させ、前記被受容部を、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して前記受容部の上に位置させる、配置工程と、
前記副コネクタを下方に移動させ、前記被受容部によって前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を下方に向かって押し、これにより、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を変形させつつ前記受容部の内部に押し込む、押工程とを備えており、
前記押工程が終了したとき、前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持される
コネクタ組立体の製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、コネクタ組立体の第2の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記主コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持している
コネクタ組立体の製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、第1のコネクタ組立体として、
主コネクタと、第1配線シートと、第2配線シートと、副コネクタとを備えたコネクタ組立体であって、
前記主コネクタは、受容部と、第1台部と、第2台部と、第1位置決め部と、第2位置決め部とを有しており、
前記第1台部及び前記第2台部は、横方向において前記受容部を挟んで互いに反対側に位置しており、
前記第1位置決め部は、前記第1台部から突出しており、
前記第2位置決め部は、前記第2台部から突出しており、
前記第1配線シートは、第1被位置決め部と、第1変形可能部と、第1接点とを有しており、
前記第1変形可能部は、前記第1被位置決め部から延びており、
前記第1接点は、前記第1変形可能部に設けられており、
前記第2配線シートは、第2被位置決め部と、第2変形可能部と、第2接点とを有しており、
前記第2変形可能部は、前記第2被位置決め部から延びており、
前記第2接点は、前記第2変形可能部に設けられており、
前記副コネクタは、被受容部を有しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記主コネクタ、前記第1配線シート、前記第2配線シート及び前記副コネクタは、前記横方向と直交する上下方向において下からこの順に並ぶように配置されており、
前記第1被位置決め部は、前記第1位置決め部によって位置決めされており、
前記第2被位置決め部は、前記第2位置決め部によって位置決めされており、
前記被受容部は、受容部の内部に受容され、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を押しており、
前記第1接点及び前記第2接点は、前記受容部の内部に位置して互いに接触しており、前記第1接点と前記第2接点との間の接触は、前記弾性部の弾性力によって維持されている
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第1配線シートは、第1被押さえ部を有しており、
前記第1被位置決め部は、前記横方向において前記第1被押さえ部と前記第1変形可能部との間に位置しており、
前記第2配線シートは、第2被押さえ部を有しており、
前記第2被位置決め部は、前記横方向において前記第2被押さえ部と前記第2変形可能部との間に位置しており、
前記副コネクタは、第1押さえ部と、第1受容部と、第2押さえ部と、第2受容部とを有しており、
前記第1受容部は、前記横方向において前記第1押さえ部と前記被受容部との間に位置しており、
前記第1受容部は、前記第1台部を受容しており、
前記第1押さえ部は、前記第1被押さえ部を、前記横方向において前記第1台部に押さえ付けており、
前記第2受容部は、前記横方向において前記第2押さえ部と前記被受容部との間に位置しており、
前記第2受容部は、前記第2台部を受容しており、
前記第2押さえ部は、前記第2被押さえ部を、前記横方向において前記第2台部に押さえ付けている
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記主コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記被受容部は、前記横方向において、前記第1変形可能部及び前記第2変形可能部を介して、2つの前記突部に挟み込まれている
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第4のコネクタ組立体として、第3のコネクタ組立体であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第1のコネクタ対として、
第1から第4までのいずれかに記載のコネクタ組立体の主コネクタ及び副コネクタとして夫々使用可能な2つのコネクタを備えた
コネクタ対を提供する。
【0015】
また、本発明は、第2のコネクタ対として、
主コネクタと、副コネクタとを備えたコネクタ対であって、
前記主コネクタは、受容部と、第1台部と、第2台部と、第1位置決め部と、第2位置決め部とを有しており、
前記第1台部及び前記第2台部は、横方向において前記受容部を挟んで互いに反対側に位置しており、
前記第1位置決め部は、前記第1台部から突出しており、
前記第2位置決め部は、前記第2台部から突出しており、
前記副コネクタは、被受容部を有しており、
前記受容部及び前記被受容部の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられており、
前記受容部は、前記被受容部を受容可能である
コネクタ対を提供する。
【0016】
また、本発明は、第3のコネクタ対として、第2のコネクタ対であって、
前記主コネクタは、保持部材と、弾性部材とを備えており、
前記弾性部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、凹部を有しており、
前記受容部は、前記凹部と、前記弾性部として機能する前記弾性部材とから形成されており、
前記弾性部材は、少なくとも2つの突部と、弾性支持部とを有しており、
2つの前記突部は、少なくとも部分的に前記凹部の内部に位置しており、且つ、前記横方向において対向しており、
前記弾性支持部は、前記突部の夫々を支持しており、
前記受容部が前記被受容部を受容したとき、前記被受容部は、前記横方向において、2つの前記突部の間に位置する
コネクタ対を提供する。
【0017】
また、本発明は、第4のコネクタ対として、第3のコネクタ対であって、
前記弾性部材は、金属製のばねである
コネクタ対を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、配置工程の結果、第1被位置決め部及び第2被位置決め部は、横方向において互いに反対側に位置する第1位置決め部及び第2位置決め部によって夫々位置決めされる。加えて、第1被位置決め部から延びる第1変形可能部及び第2被位置決め部から延びる第2変形可能部は、第1変形可能部に設けられた第1接点を上方に向け且つ第2変形可能部に設けられた第2接点を下方に向けた状態で、受容部の上に位置する。この配置によれば、第1変形可能部及び第2変形可能部が押工程において下方に向かって押されたとき、第1変形可能部及び第2変形可能部は、第1接点及び第2接点を互いに擦り合わせつつ変形する。この結果、第1接点及び第2接点は、押工程が終了するまでにクリーニングされる。即ち、本発明によれば、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シートと第2配線シートとの間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体を示す分解斜視図である。弾性部材のうちの1つを拡大して描画している。第1配線シート及び第2配線シートの夫々は横方向における一方の端部のみを描画している。
図2図1のコネクタ組立体を組み立てた状態で示す斜視図である。
図3図1のコネクタ組立体から図2のコネクタ組立体を組み立てる製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4図1のコネクタ組立体の主コネクタを示す上面図である。
図5図4の主コネクタを示す分解斜視図である。弾性部材のうちの1つを拡大して描画している。
図6図4の主コネクタをVI-VI線に沿って示す断面図である。
図7図1のコネクタ組立体の第1配線シートを示す上面図である。
図8図7の第1配線シートを示す下面図である。
図9図1のコネクタ組立体の第2配線シートを示す上面図である。
図10図9の第2配線シートを示す下面図である。
図11図1のコネクタ組立体の副コネクタを示す斜視図である。
図12図11の副コネクタを示す下面図である。
図13図3の製造方法の配置工程における図1のコネクタ組立体を示す側面図である。コネクタ組立体の一部(2点鎖線で囲んだ部分)を拡大して描画している。拡大図において、主コネクタの隠れた第1位置決め部及び第2位置決め部の輪郭、第1配線シートの隠れた第1被位置決め孔の輪郭、第2配線シートの隠れた第2被位置決め孔の輪郭、及び、副コネクタの隠れた第1位置決め孔及び第2位置決め孔の輪郭を破線で描画している。
図14図13のコネクタ組立体をXIV-XIV線に沿って示す断面図である。
図15図14のコネクタ組立体の一部(1点鎖線Aで囲んだ部分)を示す断面図である。
図16図3の製造方法の押工程における図14のコネクタ組立体を示す断面図である。
図17図16のコネクタ組立体の一部(1点鎖線Bで囲んだ部分)を示す断面図である。
図18図3の製造方法の押工程終了時における図14のコネクタ組立体を示す断面図である。
図19図18のコネクタ組立体の一部(1点鎖線Cで囲んだ部分)を示す断面図である。
図20図2のコネクタ組立体を示す別の斜視図である。
図21】特許文献1のコネクタ組立体を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施の形態のコネクタ組立体10は、主コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、副コネクタ70とを備えている。コネクタ組立体10は、第1配線シート50と第2配線シート60とを互いに電気的に接続するための組立体である。図3を参照すると、本実施の形態のコネクタ組立体10(図1及び図2参照)は、準備工程(STEP1)、配置工程(STEP2)及び押工程(STEP3)の少なくとも3つの製造工程を経て製造される。以下、本実施の形態のコネクタ組立体10の製造工程について、製造工程の開始順番に沿って説明する。
【0021】
図1を参照すると、まず、準備工程(図3参照)において、主コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、副コネクタ70とを準備する。以下、準備工程において準備された際の各部材の構造について説明する。
【0022】
図1及び図4から図6までを参照すると、本実施の形態の主コネクタ20は、絶縁体からなる基部材30Xと、絶縁体からなる保持部材30と、金属製の複数の弾性部材(弾性部)40とを備えている。基部材30Xは、水平面(XY平面)と平行な平板形状を有している。保持部材30は、上下方向(Z方向)において基部材30Xの上に取り付けられている。本実施の形態において、弾性部材40の夫々は、保持部材30及び基部材30Xによって保持されている。本実施の形態の主コネクタ20は、上述の部材から形成されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、基部材30Xは、必要に応じて設ければよい。基部材30Xを設けない場合、弾性部材40の夫々は、保持部材30のみによって保持すればよい。一方、主コネクタ20は、更に別の部材を備えていてもよい。
【0023】
本実施の形態の保持部材30は、底部32と、第1台部34Aと、第2台部34Bと、2つの第1位置決め部342Aと、2つの第2位置決め部342Bと、凹部36とを有している。即ち、本実施の形態の主コネクタ20は、保持部材30に形成された底部32と、第1台部34Aと、第2台部34Bと、2つの第1位置決め部342Aと、2つの第2位置決め部342Bと、凹部36とを有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1台部34A等の各部位は、保持部材30以外の部材の一部であってもよい。
【0024】
底部32は、XY平面と平行な平板形状を有している。底部32の上面(+Z側の面)は、XY平面と平行な平面である。第1台部34A及び第2台部34Bは、Z方向と直交する横方向(Y方向)における保持部材30の両側に夫々位置している。第1台部34A及び第2台部34Bの夫々は、底部32から上方(+Z方向)に突出しており、Y方向及びZ方向の双方と直交するピッチ方向(X方向)に沿って延びている。第1台部34A及び第2台部34Bの夫々の上面は、XY平面と平行な平面である。凹部36は、底部32の上に位置する空間であり、X方向に沿って延びている。凹部36は、Y方向において第1台部34A及び第2台部34Bの間に位置している。即ち、第1台部34A及び第2台部34Bは、Y方向において凹部36を介して対向している。
【0025】
第1位置決め部342Aは、第1台部34Aに設けられており、第2位置決め部342Bは、第2台部34Bに設けられている。2つの第1位置決め部342Aは、第1台部34Aの上面のX方向における両端近傍に夫々位置しており、2つの第2位置決め部342Bは、第2台部34Bの上面のX方向における両端近傍に夫々位置している。第1位置決め部342Aの夫々は、第1台部34Aから上方に向かって円柱状に突出しており、第2位置決め部342Bの夫々は、第2台部34Bから上方に向かって円柱状に突出している。即ち、本実施の形態の第1位置決め部342A及び第2位置決め部342Bの夫々は、上方に突出した突起であり、XY平面において円形状を有している。
【0026】
本実施の形態の保持部材30は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1台部34A及び第2台部34Bの夫々の上面は、平面に限定されない。第1位置決め部342A及び第2位置決め部342Bの夫々のXY平面における形状は、円形状に限定されない。第1位置決め部342Aの夫々のXY平面におけるサイズは、第2位置決め部342Bの夫々のXY平面におけるサイズと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1位置決め部342Aの数及び配置は、本実施の形態に限定されない。同様に、第2位置決め部342Bの数及び配置は、本実施の形態に限定されない。例えば、主コネクタ20は、第1位置決め部342Aを1つのみ有していてもよく、第2位置決め部342Bを1つのみ有していてもよい。
【0027】
第1台部34Aは、複数の第1収容部344Aを有しており、第2台部34Bは、複数の第2収容部344Bを有している。第1収容部344Aの夫々は、第1台部34Aの内部に形成された空間であり、上方及びY方向内側に開口している。同様に、第2収容部344Bの夫々は、第2台部34Bの内部に形成された空間であり、上方及びY方向内側に開口している。即ち、第1収容部344A及び第2収容部344Bの夫々は、凹部36に向かって開口している。
【0028】
第1収容部344Aは、X方向において等間隔に並んでいる。同様に、第2収容部344Bは、X方向において等間隔に並んでいる。第2収容部344Bは、第1収容部344Aと夫々対応するように設けられている。より具体的には、第1収容部344Aは、XZ平面について第2収容部344Bと鏡対称に配置されている。この結果、第1収容部344Aの夫々は、Y方向において、凹部36を介して対応する第2収容部344Bと対向している。
【0029】
図5を参照すると、弾性部材40は、互いに同じ形状を有している。弾性部材40の夫々は、弾性支持部44と、2つの突部48とを有している。弾性支持部44は、XZ平面について鏡対称な形状を有しており、全体としてY方向に沿って延びている。弾性支持部44は、突部48の夫々を支持している。詳しくは、2つの突部48は、弾性支持部44のY方向における両端に夫々位置しており、XZ平面について鏡対称に配置されている。
【0030】
図5及び図6に示されるように、弾性支持部44の夫々は、被保持部442と、2つの突部48に夫々対応する2つのばね部448とを有している。図6を参照すると、被保持部442は、Z方向において底部32と基部材30Xとの間に挟み込まれており、Y方向に沿って延びている。2つのばね部448は、被保持部442のY方向における両端に夫々設けられている。ばね部448の夫々は、被保持部442から上方に延びており、対応する突部48を支持している。2つの突部48は、Y方向において対向している。ばね部448の夫々は、弾性変形可能である。突部48は、ばね部448からY方向内側に突出しており、ばね部448の弾性変形に伴って、Y方向に移動可能である。
【0031】
弾性部材40は、保持部材30の第1収容部344A(第2収容部344B)と夫々対応するように配置されており、X方向において等間隔に並んでいる。即ち、本実施の形態の主コネクタ20は、1つの弾性部材40、1つの第1収容部344A及び1つの第2収容部344Bからなるセットを複数備えている。弾性部材40の夫々において、2つのばね部448は、対応する第1収容部344A及び第2収容部344Bの内部に夫々収容されている。弾性部材40の夫々において、2つの突部48は、対応する第1収容部344A及び第2収容部344Bの内部に夫々部分的に収容されている。また、突部48の夫々は、部分的に凹部36の内部に位置している。
【0032】
図1及び図4を参照すると、主コネクタ20は、受容部22を有している。本実施の形態の受容部22は、凹部36と、弾性部材40とから形成されている。第1台部34A及び第2台部34Bは、Y方向において受容部22を挟んで互いに反対側に位置している。受容部22には、底部32が設けられている。底部32は、受容部22の下端(-Z側の端)に位置している。
【0033】
図1を参照すると、受容部22の凹部36は、副コネクタ70を、第1配線シート50の一部及び第2配線シート60の一部と共に部分的に受容するための部位である。また、受容部22の弾性部材40は、凹部36に受容された部位を、弾性力によってY方向に挟み込むための部材である。上述のように機能する受容部22が設けられている限り、主コネクタ20の構造は、様々に変形可能である。
【0034】
例えば、第1台部34A及び第2台部34Bの夫々は、弾性体から形成されていてもよい。この場合、主コネクタ20は、弾性部材40を備えていなくてもよく、受容部22は、凹部36のみから形成されていてもよい。主コネクタ20が弾性部材40を備えていない場合、第1台部34Aには、弾性部材40の突部48を収容する第1収容部344Aを設ける必要がなく、第2台部34Bには、突部48を収容する第2収容部344Bを設ける必要がない。また、1つの弾性部材40、1つの第1収容部344A及び1つの第2収容部344Bからなるセットの数は、1以上であればよい。例えば、主コネクタ20は、弾性部材40、第1収容部344A及び第2収容部344Bの夫々を1つのみ備えていてもよい。
【0035】
図1図7及び図8を参照すると、本実施の形態の第1配線シート50は、XY平面と平行に延びている。特に、第1配線シート50は、Y方向における一端である先端50E(+Y側の端)から、Y方向において先端50Eから遠ざかる方向(-Y方向)に沿って長く延びている(図示せず)。図示した第1配線シート50は、第1配線シート50全体(図示せず)の一部であり、先端50Eを含む部位である。第1配線シート50は、絶縁体からなる第1絶縁シート52と、導電体からなる複数の第1導電パターン54と、絶縁体からなる第1補強板58とを備えている。第1絶縁シート52は、XY平面と平行に延びる薄いシートである。第1補強板58は、第1絶縁シート52の下面(-Z側の面)に取り付けられている。第1導電パターン54は、第1絶縁シート52の上面に形成されている。
【0036】
図1及び図7を参照すると、第1配線シート50は、第1絶縁シート52と第1導電パターン54とからなるFPC(flexible printed circuits)を備えている。第1配線シート50のFPCは、可撓性を有しており、且つ、破断することなく折り曲げ可能である。図1及び図8を参照すると、第1補強板58は、第1配線シート50の撓みやすいFPCを補強して平面上を延びるように支持している。但し、第1補強板58は、必要に応じて設ければよい。即ち、第1配線シート50全体がFPCであってもよい。一方、第1配線シート50は、更に別の部材を備えていてもよい。
【0037】
図1図7及び図8に示されるように、本実施の形態の第1配線シート50は、第1主部522と、第1被押さえ部524と、第1被位置決め部526と、第1変形可能部528とを有している。第1主部522、第1被押さえ部524、第1被位置決め部526及び第1変形可能部528の夫々は、第1絶縁シート52の一部であり、X方向において、第1配線シート50の一端から他端に亘って延びている。特に、第1被押さえ部524、第1被位置決め部526及び第1変形可能部528の夫々は、Y方向において一定のサイズを保ちつつ、X方向に沿って帯状に延びている。第1主部522は、第1補強板58によって補強されており、-Y方向に沿って長く延びている(図示せず)。
【0038】
第1変形可能部528、第1被位置決め部526、第1被押さえ部524及び第1主部522は、先端50Eから-Y方向に沿って、この順番に繋がっている。詳しくは、第1変形可能部528は、先端50Eから-Y方向に沿って延びている。第1被位置決め部526は、第1変形可能部528から-Y方向に沿って延びている。換言すれば、第1変形可能部528は、Y方向において、第1被位置決め部526から先端50Eまで延びている。第1被押さえ部524は、第1被位置決め部526から-Y方向に沿って延びている。換言すれば、第1被位置決め部526は、Y方向において第1被押さえ部524と第1変形可能部528との間に位置している。第1主部522は、第1被押さえ部524から-Y方向に沿って延びている。
【0039】
本実施の形態の第1配線シート50は、2つの第1被位置決め孔526Hを有している。第1被位置決め孔526Hは、第1被位置決め部526に設けられている。第1被位置決め孔526Hの夫々は、第1被位置決め部526をZ方向に貫通する孔である。2つの第1被位置決め孔526Hは、第1被位置決め部526のX方向における両端近傍に夫々位置している。
【0040】
図1を参照すると、2つの第1被位置決め孔526Hは、主コネクタ20の2つの第1位置決め部342Aと夫々対応している。第1被位置決め孔526Hの夫々は、XY平面において、対応する第1位置決め部342Aよりも大きな円形状を有している。加えて、XY平面における2つの第1被位置決め孔526Hの中心点の間の距離は、XY平面における2つの第1位置決め部342Aの中心点の間の距離と等しい。従って、第1配線シート50は、第1位置決め部342Aを第1被位置決め孔526Hに夫々挿入しつつ、主コネクタ20の上に配置できる。第1配線シート50を上述のように主コネクタ20の上に配置すると、第1被位置決め部526は、第1台部34Aの上面の上に位置する。このとき、第1変形可能部528は、受容部22の上に位置する。
【0041】
本実施の形態の第1絶縁シート52は、上述の構造を有している。但し、第1被位置決め部526及び第1変形可能部528が設けられている限り、第1絶縁シート52の構造は様々に変形可能である。例えば、第1被位置決め部526を、主コネクタ20に対して相対的に移動しないようにして、第1台部34Aの上面の上に配置できる限り、第1被位置決め孔526Hは、設けなくてもよい。より具体的には、第1被位置決め部526は、第1被位置決め孔526Hに代えて、第1被位置決め部526のX方向における端をX方向内側に凹ませて形成した凹みを有していてもよい。
【0042】
図1及び図7を参照すると、第1導電パターン54の夫々は、第1パターン部544と、第1接点546と、第1端子部(図示せず)とを有している。第1接点546の夫々は、第1変形可能部528に配置されている。即ち、第1配線シート50は、第1変形可能部528に設けられた第1接点546を有している。第1パターン部544の夫々は、第1接点546から-Y方向に沿って延びている。第1端子部の夫々は、Y方向において、第1配線シート50の先端50Eと反対側の端の近傍に位置している(図示せず)。第1端子部の夫々は、コネクタ組立体10の使用時に第1対象物(図示せず)に接続される。図示した第1パターン部544の夫々は、上方に露出している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1パターン部544の夫々をレジストによって覆ってもよい。
【0043】
図7を参照すると、第1導電パターン54は、X方向に並んでいる。詳しくは、本実施の形態において、第1絶縁シート52には、2×N個(Nは1以上の整数)の第1導電パターン54が形成されている。X方向において互いに隣り合う2つの第1導電パターン54は、1つの第1導電セット54Sを形成している。即ち、第1絶縁シート52には、N個の第1導電セット54Sが形成されている。
【0044】
第1導電セット54Sの夫々における2つの第1パターン部544は、互いに異なる形状を有している。詳しくは、第1導電セット54Sの夫々において、2つの第1パターン部544のうちの1つは、Y方向に沿って直線状に延びており、2つの第1パターン部544のうちの他の1つは、X方向において部分的に傾斜しつつY方向に沿って延びている。第1導電セット54Sの夫々における2つの第1接点546は、1つの第1接点対546Pを形成している。第1接点対546Pの夫々における2つの第1接点546は、X方向において互いに同じ位置にあり、Y方向に並んでいる。
【0045】
図1図7と併せて参照すると、第1導電セット54Sの第1接点対546Pは、主コネクタ20の弾性部材40と夫々対応するように設けられている。第1配線シート50を、第1位置決め部342Aを第1被位置決め孔526Hに夫々挿入しつつ、主コネクタ20の上に配置すると、第1接点対546Pの夫々は、対応する弾性部材40の上方に位置する。
【0046】
図7を参照すると、本実施の形態における第1導電パターン54は、上述のように配置されている。但し、第1接点546の夫々が第1変形可能部528に位置している限り、第1導電パターン54の配置は、様々に変形可能である。例えば、第1導電パターン54は、互いに同じ形状を有していてもよい。より具体的には、第1導電パターン54の夫々は、Y方向に沿って直線状に延びていてもよい。この場合、第1接点546の全てが、先端50Eまで延びていてもよく、X方向に並んでいてもよい。また、第1絶縁シート52には、少なくとも1つの第1導電パターン54が設けられていればよい。
【0047】
図1図9及び図10を参照すると、本実施の形態の第2配線シート60は、XY平面と平行に延びている。特に、第2配線シート60は、Y方向における一端である先端60E(-Y側の端)から、Y方向において先端60Eから遠ざかる方向(+Y方向)に沿って長く延びている(図示せず)。図示した第2配線シート60は、第2配線シート60全体(図示せず)の一部であり、先端60Eを含む部位である。第2配線シート60は、絶縁体からなる第2絶縁シート62と、導電体からなる複数の第2導電パターン64と、絶縁体からなる第2補強板68とを備えている。第2絶縁シート62は、XY平面と平行に延びる薄いシートである。第2補強板68は、第2絶縁シート62の下面に取り付けられている。第2導電パターン64は、第2絶縁シート62の下面に形成されている。
【0048】
図1及び図10を参照すると、第2配線シート60は、第2絶縁シート62と第2導電パターン64とからなるFPCを備えている。第2配線シート60のFPCは、可撓性を有しており、且つ、破断することなく折り曲げ可能である。第2補強板68は、第2配線シート60の撓みやすいFPCを補強して平面上を延びるように支持している。但し、第2補強板68は、必要に応じて設ければよい。即ち、第2配線シート60全体がFPCであってもよい。一方、第2配線シート60は、更に別の部材を備えていてもよい。
【0049】
図1図9及び図10に示されるように、本実施の形態の第2配線シート60は、第2主部622と、第2被押さえ部624と、第2被位置決め部626と、第2変形可能部628とを有している。第2主部622、第2被押さえ部624、第2被位置決め部626及び第2変形可能部628の夫々は、第2絶縁シート62の一部であり、X方向において、第2配線シート60の一端から他端に亘って延びている。特に、第2被押さえ部624、第2被位置決め部626及び第2変形可能部628の夫々は、Y方向において一定のサイズを保ちつつ、X方向に沿って帯状に延びている。第2主部622は、第2補強板68によって補強されており、+Y方向に沿って長く延びている(図示せず)。
【0050】
第2変形可能部628、第2被位置決め部626、第2被押さえ部624及び第2主部622は、先端60Eから+Y方向に沿って、この順番に繋がっている。詳しくは、第2変形可能部628は、先端60Eから+Y方向に沿って延びている。第2被位置決め部626は、第2変形可能部628から+Y方向に沿って延びている。換言すれば、第2変形可能部628は、Y方向において、第2被位置決め部626から先端60Eまで延びている。第2被押さえ部624は、第2被位置決め部626から+Y方向に沿って延びている。換言すれば、第2被位置決め部626は、Y方向において第2被押さえ部624と第2変形可能部628との間に位置している。第2主部622は、第2被押さえ部624から+Y方向に沿って延びている。
【0051】
本実施の形態の第2配線シート60は、2つの第2被位置決め孔626Hを有している。第2被位置決め孔626Hは、第2被位置決め部626に設けられている。第2被位置決め孔626Hの夫々は、第2被位置決め部626をZ方向に貫通する孔である。2つの第2被位置決め孔626Hは、第2被位置決め部626のX方向における両端近傍に夫々位置している。
【0052】
図1を参照すると、2つの第2被位置決め孔626Hは、主コネクタ20の2つの第2位置決め部342Bと夫々対応している。第2被位置決め孔626Hの夫々は、XY平面において、対応する第2位置決め部342Bよりも大きな円形状を有している。加えて、XY平面における2つの第2被位置決め孔626Hの中心点の間の距離は、XY平面における2つの第2位置決め部342Bの中心点の間の距離と等しい。従って、第2配線シート60は、第2位置決め部342Bを第2被位置決め孔626Hに夫々挿入しつつ、主コネクタ20の上に配置できる。第2配線シート60を上述のように主コネクタ20の上に配置すると、第2被位置決め部626は、第2台部34Bの上面の上に位置する。このとき、第2変形可能部628は、受容部22の上に位置する。
【0053】
本実施の形態の第2絶縁シート62は、上述の構造を有している。但し、第2被位置決め部626及び第2変形可能部628が設けられている限り、第2絶縁シート62の構造は様々に変形可能である。例えば、第2被位置決め部626を、主コネクタ20に対して相対的に移動しないようにして、第2台部34Bの上面の上に配置できる限り、第2被位置決め孔626Hは、設けなくてもよい。より具体的には、第2被位置決め部626は、第2被位置決め孔626Hに代えて、第2被位置決め部626のX方向における端をX方向内側に凹ませて形成した凹みを有していてもよい。
【0054】
図10を参照すると、第2導電パターン64の夫々は、第2パターン部644と、第2接点646と、第2端子部(図示せず)とを有している。第2接点646の夫々は、第2変形可能部628に配置されている。即ち、第2配線シート60は、第2変形可能部628に設けられた第2接点646を有している。第2パターン部644の夫々は、第2接点646から+Y方向に沿って延びている。第2端子部の夫々は、Y方向において、第2配線シート60の先端60Eと反対側の端の近傍に位置している(図示せず)。第2端子部の夫々は、コネクタ組立体10の使用時に第2対象物(図示せず)に接続される。図示した第2パターン部644の夫々は、大部分が第2補強板68によって覆われている一方、部分的に下方(-Z方向)に露出している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2パターン部644の夫々における露出部をレジストによって覆ってもよい。
【0055】
第2導電パターン64は、X方向に並んでいる。詳しくは、本実施の形態において、第2絶縁シート62には、第1配線シート50(図1参照)の第1導電パターン54(図1参照)と夫々対応する2×N個(Nは1以上の整数)の第2導電パターン64が形成されている。X方向において互いに隣り合う2つの第2導電パターン64は、1つの第2導電セット64Sを形成している。即ち、第2絶縁シート62には、N個の第2導電セット64Sが形成されている。
【0056】
第2導電セット64Sの夫々における2つの第2パターン部644は、互いに異なる形状を有している。詳しくは、第2導電セット64Sの夫々において、2つの第2パターン部644のうちの1つは、Y方向に沿って直線状に延びており、2つの第2パターン部644のうちの他の1つは、X方向において部分的に傾斜しつつY方向に沿って延びている。第2導電セット64Sの夫々における2つの第2接点646は、1つの第2接点対646Pを形成している。第2接点対646Pの夫々における2つの第2接点646は、X方向において互いに同じ位置にあり、Y方向に並んでいる。
【0057】
図1図10と併せて参照すると、第2導電セット64Sの第2接点対646Pは、主コネクタ20の弾性部材40と夫々対応するように設けられている。第2配線シート60を、第2位置決め部342Bを第2被位置決め孔626Hに夫々挿入しつつ、主コネクタ20の上に配置すると、第2接点対646Pの夫々は、対応する弾性部材40の上方に位置する。
【0058】
図10を参照すると、本実施の形態における第2導電パターン64は、上述のように配置されている。但し、第2接点646の夫々が第2変形可能部628に位置している限り、第2導電パターン64の配置は、様々に変形可能である。例えば、第2導電パターン64は、互いに同じ形状を有していてもよい。より具体的には、第2導電パターン64の夫々は、Y方向に沿って直線状に延びていてもよい。この場合、第2接点646の全てが、先端60Eまで延びていてもよく、X方向に並んでいてもよい。また、第2絶縁シート62には、少なくとも1つの第2導電パターン64が設けられていればよい。
【0059】
図1図11及び図12を参照すると、本実施の形態の副コネクタ70は、絶縁体からなり、全体としてXY平面と平行な平板形状を有している。副コネクタ70は、上板部72と、第1押さえ部74Aと、第2押さえ部74Bと、2つの端壁部74Cと、第1受容部76Aと、第2受容部76Bと、被受容部78とを有している。本実施の形態の副コネクタ70は、上述の部位が形成された単一の部材である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、副コネクタ70は、複数の部材を備えていてもよい。
【0060】
上板部72は、XY平面と平行に延びる平板であり、XY平面において矩形形状を有している。図11及び図12を参照すると、第1押さえ部74A、第2押さえ部74B、端壁部74C及び被受容部78の夫々は、上板部72の下面から下方に突出している。第1押さえ部74A及び第2押さえ部74Bは、上板部72のY方向における端に夫々位置しており、X方向に沿って互いに平行に延びている。2つの端壁部74Cは、上板部72のX方向における端に夫々位置しており、Y方向に沿って互いに平行に延びている。端壁部74Cの夫々は、第1押さえ部74A及び第2押さえ部74BのX方向における端をY方向に連結している。被受容部78は、上板部72のY方向における中間に位置しており、2つの端壁部74Cの間をX方向に沿って延びている。
【0061】
第1受容部76A及び第2受容部76Bの夫々は、上板部72の下に位置する空間である。第1受容部76Aは、Y方向において第1押さえ部74Aと被受容部78との間に位置しており、2つの端壁部74Cの間をX方向に沿って延びている。第2受容部76Bは、Y方向において第2押さえ部74Bと被受容部78との間に位置しており、2つの端壁部74Cの間をX方向に沿って延びている。
【0062】
図1図11及び図12を参照すると、本実施の形態の副コネクタ70は、2つの第1位置決め孔722Aと、2つの第2位置決め孔722Bとを有している。第1位置決め孔722A及び第2位置決め孔722Bの夫々は、上板部72をZ方向に貫通する孔であり、XY平面において円形状を有している。第1位置決め孔722Aの夫々は、第1受容部76Aの上に位置して第1受容部76Aと連通しており、第2位置決め孔722Bの夫々は、第2受容部76Bの上に位置して第2受容部76Bと連通している。2つの第1位置決め孔722Aは、第1受容部76AのX方向における両端近傍に夫々位置しており、2つの第2位置決め孔722Bは、第2受容部76BのX方向における両端近傍に夫々位置している。
【0063】
図1図2及び図20を参照すると、副コネクタ70は、主コネクタ20を部分的に受容可能な構造を有している。より具体的には、図20を参照すると、副コネクタ70の第1押さえ部74Aと第2押さえ部74Bとの間のY方向における距離寸法は、主コネクタ20のY方向におけるサイズよりも大きく、且つ、副コネクタ70の2つの端壁部74Cの間のX方向における距離寸法は、主コネクタ20のX方向におけるサイズよりも大きい。また、主コネクタ20の第1台部34AのY方向におけるサイズは、副コネクタ70の第1受容部76AのY方向におけるサイズよりも小さく、主コネクタ20の第2台部34BのY方向におけるサイズは、副コネクタ70の第2受容部76BのY方向におけるサイズよりも小さい。加えて、副コネクタ70の被受容部78のY方向におけるサイズは、主コネクタ20の凹部36のY方向におけるサイズよりも小さい。
【0064】
上述の構造により、主コネクタ20の受容部22は、副コネクタ70の被受容部78を少なくとも部分的に受容可能である。被受容部78が受容部22に受容されると、主コネクタ20の第1台部34A及び第2台部34Bは、副コネクタ70の第1受容部76A及び第2受容部76Bに少なくとも部分的に受容される。
【0065】
図1及び図2を参照すると、副コネクタ70の2つの第1位置決め孔722Aは、主コネクタ20の2つの第1位置決め部342Aに夫々対応して設けられており、副コネクタ70の2つの第2位置決め孔722Bは、主コネクタ20の2つの第2位置決め部342Bに夫々対応して設けられている。第1位置決め孔722Aの夫々は、XY平面において、対応する第1位置決め部342Aよりも大きなサイズを有しており、第2位置決め孔722Bの夫々は、XY平面において、対応する第2位置決め部342Bよりも大きなサイズを有している。加えて、XY平面における2つの第1位置決め孔722A及び2つの第2位置決め孔722Bの中心点の位置関係は、XY平面における2つの第1位置決め部342A及び2つの第2位置決め部342Bの中心点の位置関係と一致している。
【0066】
図2を参照すると、副コネクタ70の被受容部78(図11参照)が主コネクタ20の受容部22(図1参照)に受容されると、主コネクタ20の第1位置決め部342Aは、副コネクタ70の第1位置決め孔722Aに夫々挿入され、主コネクタ20の第2位置決め部342Bは、副コネクタ70の第2位置決め孔722Bに夫々挿入される。この結果、主コネクタ20及び副コネクタ70は、XY平面において互いに位置決めされる。
【0067】
本実施の形態の副コネクタ70は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、図20を参照すると、受容部22が被受容部78を受容可能である限り、被受容部78のサイズや形状は特に限定されない。図11を参照すると、第1押さえ部74A、第2押さえ部74B、端壁部74C、第1位置決め孔722A及び第2位置決め孔722Bは、必要に応じて設ければよい。第1押さえ部74A、第2押さえ部74B及び端壁部74Cが設けられていない場合、第1受容部76A及び第2受容部76Bの夫々は、被受容部78のY方向外側に位置する空間であり、X方向外側及びY方向外側に開いている。
【0068】
図1を参照すると、主コネクタ20の受容部22の凹部36は、副コネクタ70の被受容部78を、第1配線シート50の第1変形可能部528及び第2配線シート60の第2変形可能部628と共に受容するための部位である。また、受容部22の弾性部40は、凹部36に受容された被受容部78、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を、弾性力によってY方向に挟み込むための部位である。本実施の形態によれば、受容部22には、弾性部40が設けられている一方、被受容部78には、弾性部が設けられていない。但し、本発明はこれに限られない。例えば、被受容部78には、弾性部が設けられている一方、受容部22には、弾性部40が設けられていなくてもよい。また、受容部22及び被受容部78の夫々に弾性部が設けられていてもよい。
【0069】
図1及び図3を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態のコネクタ組立体10の製造方法は、主コネクタ20と、第1配線シート50と、第2配線シート60と、副コネクタ70とを準備する準備工程であって、主コネクタ20は、受容部22と、X方向において受容部22を挟んで互いに反対側に位置する第1台部34A及び第2台部34Bと、第1台部34Aから突出した第1位置決め部342Aと、第2台部34Bから突出した第2位置決め部342Bとを有しており、第1配線シート50は、第1被位置決め部526と、第1被位置決め部526から延びる第1変形可能部528と、第1変形可能部528に設けられた第1接点546とを有しており、第2配線シート60は、第2被位置決め部626と、第2被位置決め部626から延びる第2変形可能部628と、第2変形可能部628に設けられた第2接点646とを有しており、副コネクタ70は、被受容部78を有しており、受容部22及び被受容部78の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられている、準備工程を備えている。
【0070】
図3及び図13を参照すると、準備工程に続く配置工程において、主コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び副コネクタ70は、Z方向において下からこの順に並ぶように配置される。このとき、主コネクタ20は、例えば作業台(図示せず)のXY平面と平行な上面の上に置かれ、移動しないように仮保持される。第1配線シート50、第2配線シート60及び副コネクタ70の夫々は、XY平面と平行に延びるように配置される。
【0071】
図13から図15までを参照すると、第1配線シート50は、配置工程(図3参照)において、主コネクタ20の第1位置決め部342Aが第1被位置決め孔526Hを夫々貫通した状態で、第1接点546を上方に向けて、主コネクタ20の上に配置される。即ち、第1被位置決め部526は、第1位置決め部342Aによって、XY平面において移動しないように位置決めされつつ、第1台部34Aの上面の上に位置する。このとき、第1変形可能部528は、Y方向に沿って、第1台部34Aから、受容部22の上を通って第2台部34Bまで延びる。また、第1接点546の夫々は、対応する弾性部材40の上方に位置する。
【0072】
第2配線シート60は、配置工程(図3参照)において、主コネクタ20の第2位置決め部342Bが第2被位置決め孔626Hを夫々貫通した状態で、第2接点646を下方に向けて、第1配線シート50を介して主コネクタ20の上に配置される。即ち、第2被位置決め部626は、第2位置決め部342BによってXY平面において移動しないように位置決めされつつ、第1変形可能部528の一部を介して第2台部34Bの上面の上に位置する。このとき、第2変形可能部628は、第1変形可能部528の上に位置し、且つ、第2台部34Bから、Y方向に沿って、受容部22の上を通って第1台部34Aまで延びる。また、第2接点646の夫々は、対応する弾性部材40の上方に位置して、対応する第1接点546と接触又は対向する。
【0073】
副コネクタ70は、配置工程(図3参照)において、被受容部78を下方に向けた状態で、第1配線シート50及び第2配線シート60を介して主コネクタ20の上に配置される。このとき、被受容部78は、第1配線シート50の第1変形可能部528及び第2配線シート60の第2変形可能部628を介して主コネクタ20の受容部22の真上に位置する。また、図13を参照すると、副コネクタ70の第1位置決め孔722Aは、主コネクタ20の第1位置決め部342Aの真上に夫々位置し、副コネクタ70の第2位置決め孔722Bは、主コネクタ20の第2位置決め部342Bの真上に夫々位置する。
【0074】
図14及び図15を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態によるコネクタ組立体10の製造方法は、主コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び副コネクタ70を、Z方向において下からこの順に並ぶように配置する配置工程(図3参照)であって、第1接点546を上方に向け且つ第1被位置決め部526を第1位置決め部342Aによって位置決めしつつ、第1変形可能部528を受容部22の上を通って第2台部34Bの上まで延びるように位置させ、第2接点646を下方に向け且つ第2被位置決め部626を第2位置決め部342Bによって位置決めしつつ、第2変形可能部628を、第1変形可能部528を介して受容部22の上を通って第1台部34Aの上まで延びるように位置させ、被受容部78を、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を介して受容部22の上に位置させる、配置工程を備えている。
【0075】
図1図3図14及び図15を参照すると、本実施の形態の配置工程の結果、弾性部材40を夫々含む複数のセットが形成される。各セットは、1つの弾性部材40と、この弾性部材40に対応する2つの第1接点546と、この2つの第1接点546が形成された第1変形可能部528の一部と、この弾性部材40に対応する2つの第2接点646と、この2つの第2接点646が形成された第2変形可能部628の一部とを含んでいる。本実施の形態によれば、配置工程に続く押工程において、副コネクタ70を下方に移動することで、複数のセットの夫々において第1変形可能部528及び第2変形可能部628が変形し、これにより、コネクタ組立体10が組み立てられる。以下、配置工程によって形成された複数のセットのうちの1つに注目しつつ、押工程について説明する。以下の説明は、複数のセットの全てについて成り立つ。
【0076】
図16及び図17を参照すると、配置工程(図3参照)に続いて、副コネクタ70を下方に移動する。副コネクタ70を下方に移動すると、第1配線シート50の第1変形可能部528及び第2配線シート60の第2変形可能部628は、副コネクタ70の被受容部78によって下方に向かって押される。このとき、第1配線シート50の第1被位置決め部526は、主コネクタ20の第1位置決め部342Aによって、主コネクタ20に対して相対的に移動しないように位置決めされている。同様に、第2配線シート60の第2被位置決め部626は、主コネクタ20の第2位置決め部342Bによって、主コネクタ20に対して相対的に移動しないように位置決めされている。
【0077】
第1被位置決め部526及び第2被位置決め部626の主コネクタ20に対する位置は、上述のように固定されているため、被受容部78に押された第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、YZ平面において被受容部78に沿うようにして変形し始める。副コネクタ70を更に下方に移動すると、第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、被受容部78と共に、Y方向において2つの突部48に挟まれ、被受容部78のY方向における両側に押し付けられる。第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、このように変形しつつ、被受容部78と共に主コネクタ20の受容部22の内部に押し込まれる。この結果、弾性部材40の2つの突部48は、第1接点546、第2接点646及び被受容部78をY方向に挟み込み、第1接点546の夫々は、弾性部材40の弾性力によって、対応する第2接点646に押し付けられる。
【0078】
副コネクタ70を更に下方に移動し続けると、第1位置決め部342Aは、副コネクタ70の第1位置決め孔722A(図13参照)を夫々貫通し、第2位置決め部342Bは、副コネクタ70の第2位置決め孔722B(図13参照)を夫々貫通する。このとき、コネクタ組立体10は、図14及び図15に示した状態から、図16及び図17に示した状態に遷移している。この状態遷移の間、2つの第1接点546の夫々は、対応する第2接点646に押し付けられつつ且つ擦り付けられつつ変形する。
【0079】
詳しくは、図17を参照すると、被受容部78が距離D1だけ下方に移動すると、2つの第1接点546のうちの1つ(+Y側の第1接点546)は、対応する第2接点646に対して相対的に、距離D1の2倍の距離D2だけ下方に移動する。このとき、2つの第2接点646のうちの1つ(-Y側の第2接点646)は、対応する第1接点546に対して相対的に、距離D2だけ下方に移動する。この結果、互いに対応する第1接点546と第2接点646とは、互いに擦り付けられ、これにより、第1接点546及び第2接点646に付着した汚染物や第1接点546及び第2接点646に形成された酸化膜等の異物が除去される。即ち、第1接点546及び第2接点646の夫々は、ワイピングされる。
【0080】
図18及び図19を参照すると、副コネクタ70を更に下方に移動し続けると、第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、更に変形しつつ、被受容部78と共に主コネクタ20の受容部22の内部に押し込まれる。コネクタ組立体10が、図14及び図15に示した状態から、図18及び図19に示した状態に遷移し、押工程(図3参照)が終了するまで、2つの第1接点546の夫々は、対応する第2接点646に押し付けられつつ且つ擦り付けられつつ変形し、これにより異物が除去される。
【0081】
以上の説明を纏めると、本実施の形態によるコネクタ組立体10の製造方法は、副コネクタ70を下方に移動させ、被受容部78によって第1変形可能部528及び第2変形可能部628を下方に向かって押し、これにより、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を変形させつつ受容部22の内部に押し込む、押工程(図3参照)を備えている。
【0082】
図19を参照すると、押工程(図3参照)が終了したとき、第1接点546及び第2接点646は、受容部22の内部に位置して互いに接触している。この結果、第1配線シート50の第1導電パターン54は、第2配線シート60の第2導電パターン64と接続し、第1配線シート50は、第2配線シート60と電気的に接続される。このとき、弾性部材40の2つの突部48は、第1接点546、第2接点646及び被受容部78をY方向に挟み込んでおり、これにより、第1接点546の夫々は、対応する第2接点646に押し付けられている。即ち、本実施の形態の弾性部材40は、弾性力によって第1接点546を第2接点646に押し付ける弾性部として機能する。第1接点546と第2接点646との間の接触は、弾性部40の弾性力によって維持される。
【0083】
図15及び図19を参照すると、本実施の形態によれば、上述したように、配置工程(図3参照)の結果、第1被位置決め部526及び第2被位置決め部626は、Y方向において互いに反対側に位置する第1位置決め部342A及び第2位置決め部342Bによって夫々位置決めされる。加えて、第1被位置決め部526から延びる第1変形可能部528及び第2被位置決め部626から延びる第2変形可能部628は、第1変形可能部528に設けられた第1接点546を上方に向け且つ第2変形可能部628に設けられた第2接点646を下方に向けた状態で、受容部22の上に位置する。
【0084】
上述の配置によれば、第1変形可能部528及び第2変形可能部628が押工程(図3参照)において下方に向かって押されたとき、第1変形可能部528及び第2変形可能部628は、第1接点546及び第2接点646を互いに擦り合わせつつ変形する。この結果、第1接点546及び第2接点646は、押工程が終了するまでにクリーニングされる。即ち、本実施の形態によれば、製造時に特別なクリーニング工程を行うことなく、第1配線シート50と第2配線シート60との間の良好な電気的接続が得られるコネクタ組立体10を提供できる。
【0085】
図14図16及び図18を参照すると、押工程における副コネクタ70の下方への移動に伴い、主コネクタ20の第1台部34A及び第2台部34Bは、副コネクタ70の第1受容部76A及び第2受容部76Bに夫々受容される。本実施の形態によれば、この移動の際、副コネクタ70の第1押さえ部74Aは、第1配線シート50の第1主部522及び第1被押さえ部524を下方に向かって押し続け、副コネクタ70の第2押さえ部74Bは、第2配線シート60の第2主部622及び第2被押さえ部624を下方に向かって押し続ける。この結果、第1主部522及び第2主部622は、副コネクタ70と共に下方に移動する。また、第1被押さえ部524は、第1台部34AのY方向外側の側面に沿うようにして変形し、第2被押さえ部624は、第2台部34BのY方向外側の側面に沿うようにして変形する。
【0086】
本実施の形態によれば、押工程の際に、第1変形可能部528は、被受容部78によって下方に向かって押され、第1被押さえ部524は、第1押さえ部74Aによって下方に向かって押される。また、押工程の際に、第2変形可能部628は、被受容部78によって下方に向かって押され、第2被押さえ部624は、第2押さえ部74Bによって下方に向かって押される。図1を参照すると、この結果、第1被位置決め部526は、Y方向において互いに反対向きの2つの力を受け、これにより、第1被位置決め部526のX方向における中間部のY方向における移動が防止される。同様に、第2被位置決め部626は、Y方向において互いに反対向きの2つの力を受け、これにより、第2被位置決め部626のうち、X方向において2つの第2被位置決め孔626Hの間に位置する部位のY方向における移動がより確実に防止される。
【0087】
加えて、図18を参照すると、押工程が終了したとき、第1配線シート50の第1主部522は、主コネクタ20の第1台部34Aの上面よりも下方に位置しており、XY平面に沿って延びている。このとき、第2配線シート60の第2主部622は、主コネクタ20の第2台部34Bの上面よりも下方に位置しており、XY平面に沿って延びている。本実施の形態によれば、第1配線シート50の第1被押さえ部524は、第1台部34Aと第1押さえ部74Aとの間に挟み込まれて保持され、且つ、第2配線シート60の第2被押さえ部624は、第2台部34Bと第2押さえ部74Bとの間に挟み込まれて保持される。この構造により、第1配線シート50と第2配線シート60との間の接続を確実に維持できる。但し、本発明は、これに限られず、第1押さえ部74A及び第2押さえ部74Bは、必要に応じて設ければよい。
【0088】
図19を参照すると、本実施の形態によれば、1つの弾性部材40に対して、2つの突部48に夫々対応する2つの第1接点546と、2つの突部48に夫々対応する2つの第2接点646とが設けられている。この構造により、1つの弾性部材40を使用して2つの第1接点546及び2つの第2接点646を同時にクリーニングできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、1つの弾性部材40に対して、1つの第1接点546と、1つの第2接点646とが対応していてもよい。より具体的には、第1接点546及び第2接点646の夫々は、Y方向において2つの突部48に亘って延びていてもよい。
【0089】
図5を参照すると、弾性部材40の夫々は、例えば4つ以上の突部48を有していてもよい。より具体的には、X方向において互いに隣り合う2つの弾性部材40は、連結部(図示せず)によって互いに連結されていてもよい。即ち、弾性部材40の夫々は、少なくとも2つの突部48を有していればよい。2つの突部48は、少なくとも部分的に凹部36の内部に位置していてもよく、且つ、Y方向において対向していてもよい。
【0090】
図19及び図20を参照すると、押工程(図3参照)が終了したとき、コネクタ組立体10は、組み立てられている。このとき、主コネクタ20、第1配線シート50、第2配線シート60及び副コネクタ70は、Z方向において下からこの順に並ぶように配置されている。第1被位置決め部526は、第1位置決め部342Aによって位置決めされており、第2被位置決め部626は、第2位置決め部342Bによって位置決めされている。また、被受容部78は、受容部22の内部に受容され、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を押している。第1接点546及び第2接点646は、受容部22の内部に位置して互いに接触しており、第1接点546と第2接点646との間の接触は、弾性部40の弾性力によって維持されている。
【0091】
本実施の形態によれば、被受容部78は、Y方向において、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を介して、弾性部材40の2つの突部48に挟み込まれている。即ち、受容部22に設けられた弾性部材40が弾性部として機能する。換言すれば、受容部22に、弾性変形可能な弾性部40が設けられている。但し、前述したように、本発明は、これに限られず、受容部22及び被受容部78の少なくとも一方に、弾性変形可能な弾性部が設けられていればよい。
【0092】
本実施の形態の弾性部材40は、金属製のばねであり、被受容部78、第1変形可能部528及び第2変形可能部628を確実に挟み込むことができる。但し、弾性部材40は、必要に応じて様々な材料から様々な構造に形成できる。
【0093】
図18を参照すると、本実施の形態のコネクタ組立体10において、副コネクタ70の第1受容部76Aは、主コネクタ20の第1台部34Aを部分的に受容しており、副コネクタ70の第2受容部76Bは、主コネクタ20の第2台部34Bを部分的に受容している。副コネクタ70の第1押さえ部74Aは、第1配線シート50の第1被押さえ部524を、Y方向において第1台部34Aに押さえ付けており、副コネクタ70の第2押さえ部74Bは、第2配線シート60の第2被押さえ部624を、Y方向において第2台部34Bに押さえ付けている。前述したように、この構造によれば、第1配線シート50と第2配線シート60との間の接続を確実に維持できる。
【0094】
図2及び図20を参照すると、本実施の形態のコネクタ組立体10は、主コネクタ20と、副コネクタ70とを備えたコネクタ対12を含んでいる。本実施の形態によれば、主コネクタ20の受容部22は、副コネクタ70の被受容部78を受容可能である。図1を参照すると、受容部22が被受容部78を受容したとき、被受容部78は、Y方向において、弾性部材40の夫々の2つの突部48の間に位置する。このとき、被受容部78は、Y方向において2つの突部48に挟み込まれていてもよいし、Y方向において第1配線シート50の厚さ(図1のZ方向におけるサイズ)及び第2配線シート60の厚さ(図1のZ方向におけるサイズ)よりも小さな間隔をあけて2つの突部48の間に位置していてもよい。
【0095】
上述の構造により、コネクタ対12は、第1配線シート50及び第2配線シート60を互いに電気的に接続できる。また、主コネクタ20及び副コネクタ70の夫々は、既に説明した様々な部位を有している。但し、本発明は、これに限られず、コネクタ対12は、主コネクタ20及び副コネクタ70として夫々使用可能な2つのコネクタを備えていればよい。
【符号の説明】
【0096】
10 コネクタ組立体
12 コネクタ対
20 主コネクタ
22 受容部
30X 基部材
30 保持部材
32 底部
34A 第1台部
34B 第2台部
342A 第1位置決め部
342B 第2位置決め部
344A 第1収容部
344B 第2収容部
36 凹部
40 弾性部材(弾性部)
44 弾性支持部
442 被保持部
448 ばね部
48 突部
50 第1配線シート
50E 先端
52 第1絶縁シート
522 第1主部
524 第1被押さえ部
526 第1被位置決め部
526H 第1被位置決め孔
528 第1変形可能部
54 第1導電パターン
54S 第1導電セット
544 第1パターン部
546 第1接点
546P 第1接点対
58 第1補強板
60 第2配線シート
60E 先端
62 第2絶縁シート
622 第2主部
624 第2被押さえ部
626 第2被位置決め部
626H 第2被位置決め孔
628 第2変形可能部
64 第2導電パターン
64S 第2導電セット
644 第2パターン部
646 第2接点
646P 第2接点対
68 第2補強板
70 副コネクタ
72 上板部
722A 第1位置決め孔
722B 第2位置決め孔
74A 第1押さえ部
74B 第2押さえ部
74C 端壁部
76A 第1受容部
76B 第2受容部
78 被受容部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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図20
図21