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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】印刷装置およびインク供給方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221118BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221118BHJP
   B41J 2/19 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/175 501
B41J2/175 119
B41J2/175 121
B41J2/175 133
B41J2/175 117
B41J2/19
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019026243
(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2020131513
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】竹内 克説
(72)【発明者】
【氏名】種本 満
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇斗
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-233972(JP,A)
【文献】特開2010-82811(JP,A)
【文献】特開2016-107567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165764(US,A1)
【文献】特開2019-59146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留するインクタンクを着脱可能に保持するタンク保持部と、
前記インクタンクから送液方向に送られてきたインクを貯留する中間タンクと、
前記インクタンクから分岐点まで延設されて、前記インクタンクに貯留されたインクを前記分岐点に送る共通配管と、
前記分岐点から前記中間タンクまで延設された第1配管と、
前記第1配管に設けられた第1ポンプと、
前記第1ポンプよりも前記送液方向の上流側に設定された検知箇所におけるインクの非充填状態を検知するインク検知部と、
前記分岐点から延設されて、前記第1ポンプと前記中間タンクとの間において前記第1配管に設けられた接続点に接続される第2配管と、
前記第2配管に設けられた第2ポンプと、
前記インク検知部の出力に基づいて前記第1ポンプと前記第2ポンプとを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1ポンプを駆動して前記第2ポンプを停止した状態で前記インクタンクから前記中間タンクに向けてインクを送液する第1モードを実行し、
前記第1モードの実行中に前記インク検知部が前記検知箇所におけるインクの非充填状態を検知すると、前記第1ポンプおよび前記第2ポンプを駆動することにより、前記第2配管内のインクを前記接続点を経由して前記中間タンクに向けて移動させるとともに前記検知箇所より前記送液方向の上流側のインクを前記検知箇所に向けて移動させる第2モードを実行し、
前記第2モードの実行中に前記インク検知部が前記検知箇所におけるインクの非充填状態が解消されたことを検知すると、前記第2モードを停止して前記第1モードを再開する再開処理を実行する印刷装置。
【請求項2】
前記検知箇所は、前記第1ポンプよりも上方に位置し、前記検知箇所に到達したインクは重力により前記第1ポンプへ落下する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2配管のうち、前記第2ポンプの配設範囲を少なくとも含む充填範囲にインクを充填する充填動作を、前記第2モードの開始までに実行する請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1モードの開始前に前記充填動作を実行する請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記分岐点と前記第2ポンプとの間で前記第2配管に設けられた弁をさらに備え、
前記充填範囲は、前記第2配管のうち、前記弁から前記第2ポンプの配設範囲までの範囲をさらに含み、
前記制御部は、前記弁を開いた状態で前記第2ポンプを駆動することで前記充填動作を実行して、前記インクタンクから前記充填範囲にインクを充填する請求項3または4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記充填動作が完了すると、前記弁を閉じる請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1モードの実行中は前記弁を閉じる請求項5または6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2モードの実行中は前記弁を開く請求項5ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項9】
着脱可能に保持されてインクを貯留するインクタンクから送液方向にインクを送ることで、中間タンクにインクを供給するインク供給方法であって、
前記インクタンクから延設された共通配管と分岐点で接続されて前記分岐点から前記中間タンクまで延設された第1配管に設けられた第1ポンプを駆動して、前記分岐点から延設されて、前記第1ポンプと前記中間タンクとの間において前記第1配管に設けられた接続点に接続される第2配管に設けられた第2ポンプを停止した状態で、前記インクタンクから前記中間タンクに向けてインクを送液する第1モードを実行する工程と、
前記第1モードの実行中に、前記第1ポンプよりも前記送液方向の上流側に設定された検知箇所におけるインクの非充填状態を検知すると、前記第1ポンプおよび前記第2ポンプを駆動することにより、前記第2配管内のインクを前記接続点を経由して前記中間タンクに向けて移動させるとともに前記検知箇所より前記送液方向の上流側のインクを前記検知箇所に向けて移動させる第2モードを実行する工程と、
前記第2モードの実行中に前記検知箇所におけるインクの非充填状態が解消されたことを検知すると、前記第2モードを停止して前記第1モードを再開する再開処理を実行する工程と、を備えたインク供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着脱可能に保持されるインクタンクから中間タンクへインクを供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、インクジェット方式でインクを吐出する印刷装置では、着脱可能に保持されるインクタンクから中間タンクにインクが供給されて、中間タンクに一時的に貯留されたインクが印刷に使用される。また、インクタンクから中間タンクへのインクの供給は、ポンプによって実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-187884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ポンプに空気が混入して、ポンプにインクが充填されないと、ポンプの送液能力が低下する。典型的には、インクタンク内のインクが使いきられた際に、インクタンクからポンプへの空気の混入によるポンプの送液能力の低下が生じやすい。その結果、中間タンクへのインクの供給が停滞してしまう場合があった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インクタンクから中間タンクへインクを供給するポンプの送液能力が低下した場合に、このポンプの送液能力を回復させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷装置は、インクを貯留するインクタンクを着脱可能に保持するタンク保持部と、インクタンクから送液方向に送られてきたインクを貯留する中間タンクと、インクタンクから分岐点まで延設されて、インクタンクに貯留されたインクを分岐点に送る共通配管と、分岐点から中間タンクまで延設された第1配管と、第1配管に設けられた第1ポンプと、第1ポンプよりも送液方向の上流側に設定された検知箇所におけるインクの非充填状態を検知するインク検知部と、分岐点から延設されて、第1ポンプと中間タンクとの間において第1配管に設けられた接続点に接続される第2配管と、第2配管に設けられた第2ポンプと、インク検知部の出力に基づいて第1ポンプと第2ポンプとを制御する制御部と、を備え、制御部は、第1ポンプを駆動して第2ポンプを停止した状態でインクタンクから中間タンクに向けてインクを送液する第1モードを実行し、第1モードの実行中にインク検知部が検知箇所におけるインクの非充填状態を検知すると、第1ポンプおよび第2ポンプを駆動することにより、第2配管内のインクを接続点を経由して中間タンクに向けて移動させるとともに検知箇所より送液方向の上流側のインクを検知箇所に向けて移動させる第2モードを実行し、第2モードの実行中にインク検知部が検知箇所におけるインクの非充填状態が解消されたことを検知すると、第2モードを停止して第1モードを再開する再開処理を実行する。
【0007】
本発明に係るインク供給方法は、着脱可能に保持されてインクを貯留するインクタンクから送液方向にインクを送ることで、中間タンクにインクを供給するインク供給方法であって、インクタンクから延設された共通配管と分岐点で接続されて分岐点から中間タンクまで延設された第1配管に設けられた第1ポンプを駆動して、分岐点から延設されて、第1ポンプと中間タンクとの間において第1配管に設けられた接続点に接続される第2配管に設けられた第2ポンプを停止した状態で、インクタンクから中間タンクに向けてインクを送液する第1モードを実行する工程と、第1モードの実行中に、第1ポンプよりも送液方向の上流側に設定された検知箇所におけるインクの非充填状態を検知すると、第1ポンプおよび第2ポンプを駆動することにより、第2配管内のインクを接続点を経由して中間タンクに向けて移動させるとともに検知箇所より送液方向の上流側のインクを検知箇所に向けて移動させる第2モードを実行する工程と、第2モードの実行中に検知箇所におけるインクの非充填状態が解消されたことを検知すると、第2モードを停止して第1モードを再開する再開処理を実行する工程と、を備える。
【0008】
このように構成された本発明(印刷装置、インク供給方法)では、インクタンクと中間タンクとは、共通配管と第1配管とによって相互に連通されている。そして、第1配管に設けられた第1ポンプを駆動することで、インクタンクから中間タンクへインクを供給することができる(第1モード)。したがって、検知箇所でのインクへの空気の混入がない通常時には、この第1モードによって中間タンクへインクを供給できる。さらに、共通配管と第1配管とが接続される分岐点からは、第1配管とは別に第2配管が延設され、この第2配管は、第1ポンプと中間タンクとの間で第1配管に設けられた接続点に接続される。このように、分岐点と接続点との間には、第1配管に並列に第2配管が設けられている。そして、検知箇所にてインクへの空気の混入が検知された場合には、第1ポンプの駆動に加えて、第2配管に設けられた第2ポンプを駆動することで、第1配管の接続点より中間タンク側の部分を介して第2配管から中間タンクにインクを供給させるとともに、検知箇所より送液方向の上流側のインクを検知箇所に向けて移動させることができる(第2モード)。さらに、第2モードの実行中に検知箇所でのインクの非充填状態の解消を検知すると、第2モードを停止して第1モードを再開する再開処理を実行する。このように検知箇所でのインクへの空気の混入が生じて第1ポンプの送液能力が低下しても、第2モードを実行することにより第1ポンプの送液能力を復帰することが可能となっている。
【0009】
また、検知箇所は、第1ポンプよりも上方に位置し、検知箇所に到達したインクは重力により第1ポンプへ落下するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、検知箇所までインクを引き込めば、重力によって第1ポンプにインクを充填して、第1ポンプの送液能力を回復することができる。
【0010】
また、制御部は、第2配管のうち、第2ポンプの配設範囲を少なくとも含む充填範囲にインクを充填する充填動作を、第2モードの開始までに実行するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、予め第2ポンプにインクを充填した上で第2モードを開始できるため、第2モードにおいて第2ポンプにより中間タンクへインクを確実に供給することができる。
【0011】
なお、ポンプの配設範囲とは、ポンプの内部でインクが流動する範囲を意味する。
【0012】
また、制御部は、第1モードの開始前に充填動作を実行するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、第1モードから第2モードへの移行を速やかに実行しつつ、第2モードにおいて第2ポンプにより中間タンクへインクを確実に供給することができる。
【0013】
また、分岐点と第2ポンプとの間で第2配管に設けられた弁をさらに備え、充填範囲は、第2配管のうち、弁から第2ポンプの配設範囲までの範囲をさらに含み、制御部は、弁を開いた状態で第2ポンプを駆動することで充填動作を実行して、インクタンクから充填範囲にインクを充填するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、予め第2ポンプにインクを充填した上で第2モードを開始できるため、第2モードにおいて第2ポンプにより中間タンクへインクを確実に供給することができる。
【0014】
また、制御部は、充填動作が完了すると、弁を閉じるように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、充填動作の完了後は、充填範囲に空気が混入するのを弁によって防止できる。
【0015】
また、制御部は、第1モードの実行中は弁を閉じるように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、第1モードの実行に伴って充填範囲に空気が混入するのを弁により防止できるため、第1モードから第2モードへ移行した際の第2ポンプの送液能力を十分に確保することができ、第2モードにおいて第2ポンプにより中間タンクへインクを確実に供給することができる。
【0016】
また、制御部は、第2モードの実行中は弁を開くように、印刷装置を構成しても良い。これによって、第2モードにおいて第2ポンプにより中間タンクへインクを確実に供給することができる。
【0017】
また、制御部は、第2モードの実行中に第1ポンプを駆動するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、第2モードの実行に伴って第1ポンプにインクが充填されると直ちに、第1ポンプによる中間タンクへのインクの供給を開始できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、インクタンクから中間タンクへインクを供給するポンプの送液能力の低下したときに、このポンプの送液能力を回復することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る印刷装置の一例を模式的に示す図。
図2図1の印刷装置で実行されるインク供給制御の一例を示すフローチャート。
図3図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図4図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図5図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図6図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図7図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図8図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図9図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
図10図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明に係る印刷装置の一例を模式的に示す図である。図1において、ドットハッチングが付された範囲はインクの存在範囲を示す。この印刷装置1は、それぞれ印刷を実行可能な2台のプリンター2A、2Bを備える。これらプリンター2A、2Bは共通する構成を備えるため、ここでは、プリンター2Aについて説明を行い、プリンター2Bについては相当符号を付して説明を省略する。
【0021】
プリンター2Aは、インクを貯留する中間タンク21と、インクをインクジェット方式で吐出する印刷ヘッド23と、中間タンク21と印刷ヘッド23とを連通する配管24と、配管24に介装されたポンプP25と、を備える。印刷ヘッド23は所定量のインクを貯留するサブタンク(不図示)を有する。ポンプP25は、サブタンクのインク貯留量が減少すると、中間タンク21からサブタンクに向けてインクを補給すべく間欠的に作動する。そして、紙あるいはフィルムといった印刷媒体に対して印刷ヘッド23から吐出されたインクを着弾させることで、印刷が実行される。
【0022】
さらに、印刷装置1は、中間タンク21よりも大きな容量を有してインクを貯留するインクタンクIを着脱可能に保持するタンク保持部3と、タンク保持部3に保持されたインクタンクIから各プリンター2A、2Bの中間タンク21にインクを送る送液ユニット4とを備える。
【0023】
なお、ここの例では、送液ユニット4は、インクタンクIからプリンター2Aの中間タンク21へ向かう送液方向にインクを送ることで、プリンター2Aの中間タンク21にのみインクを供給し、プリンター2Bの中間タンク21にはインクを供給しない。また、以下の説明において、「上流」とは送液方向の上流を意味し、「下流」とは送液方向の下流を意味するものとする。
【0024】
送液ユニット4は、上流端がインクタンクIに設けられた共通配管5と、共通配管5の下流端に相当する分岐点J5から分岐する2本の送液配管6、7を有する。共通配管5はインクタンクIから分岐点J5まで延設されて、インクタンクIから分岐点J5にインクを送る機能を果たす。この共通配管5は、鉛直方向に延設されてインクタンクIに差し込まれた吸引部51と、吸引部51の上端(下流端)から水平方向に延設された水平部52と、水平部52の下流端から分岐点J5まで鉛直下方に延設された排出部53とを有する。
【0025】
送液配管6は、分岐点J5からプリンター2Aの中間タンク21まで延設されており、分岐点J5から当該中間タンク21にインクを送る機能を有する。送液ユニット4は、送液配管6に設けられたポンプP6と、ポンプP6と分岐点J5との間で送液配管6に設けられたバルブV61とを有する。また、ポンプP6とプリンター2Aの中間タンク21との間において、送液配管6にはバルブV62が設けられている。ポンプP6は、例えばダイアフラムポンプであり、送液方向にインクを供給する動力を送液配管6内に発生する。バルブV61、V62のそれぞれは、閉じた状態において送液配管6内におけるインクの流動を規制し、開いた状態において送液配管6内におけるインクの流動を許容する。
【0026】
送液配管7は、分岐点J5からプリンター2Bの中間タンク21まで延設されており、分岐点J5から当該中間タンク21にインクを送る機能を有する。ただし、ここの例では、上述のとおり、プリンター2Bの中間タンク21へのインクの供給は実行されない。送液ユニット4は、送液配管7に設けられたポンプP7と、ポンプP7と分岐点J5との間で送液配管7に設けられたバルブV71とを有する。このバルブV71は、ポンプP7と間隔を空けて設けられており、バルブV71とポンプP6との間の送液配管7内には、所定量のインクを充填しておくことができる。また、ポンプP7とプリンター2Bの中間タンク21との間において、送液配管7にはバルブV72が設けられている。ポンプP7は、例えばダイアフラムポンプであり、送液方向にインクを供給する動力を送液配管7内に発生する。バルブV71、V72のそれぞれは、閉じた状態において送液配管7内におけるインクの流動を規制し、開いた状態において送液配管7内におけるインクの流動を許容する。
【0027】
さらに、送液ユニット4は、送液配管6と送液配管7とを相互に接続する接続配管8を有する。つまり、送液配管6には接続点J6が設けられ、送液配管7には接続点J7が設けられており、接続点J6と接続点J7とを接続する接続配管8を介して、送液配管6と送液配管7とは連通する。送液配管6において、バルブV61およびポンプP6は分岐点J5と接続点J6との間に配置されており、送液配管7において、バルブV71およびポンプP7は分岐点J5と接続点J7との間に配置されている。
【0028】
換言すれば、送液配管7は、分岐点J5から接続点J7に到る上流部71と、接続点J7から中間タンク21に到る下流部72とを有し、送液配管7の上流部71と接続配管8とが1本の送液配管78を構成する。そして、分岐点J5と接続点J6との間において、送液配管78が送液配管6と並列に配置されており、この送液配管78に、ポンプP7およびバルブV71が設けられている。また、図2を用いて後述する制御では、送液配管78のうち、バルブV71から接続点J6までの範囲が「充填範囲R」に相当する。
【0029】
また、送液ユニット4は、共通配管5内のインクの充填状態を検知するエンプティセンサーSを有する。エンプティセンサーSは、例えば静電容量センサーであり、水平部52の下流端、換言すれば排出部53の上流端に設定された検知箇所Lにおける所定量のインクの有無を検知する。このエンプティセンサーSは、検知箇所Lに所定量のインクが存在すると判断すると「オン」(充填状態)を出力し、検知箇所Lに所定量のインクが存在しないと判断すると「オフ」(非充填状態)を出力する。
【0030】
検知箇所Lにおいてインクが非充填状態になると、エンプティセンサーSよりも送液方向の下流側に位置するポンプP6がエア噛みを起こして正常に作動しなくなる可能性が高くなる。このため、本実施形態では検知箇所Lでインクが充填されていないことを検知すると、インクが充填した状態に検知箇所Lを戻す処理を実行する。詳細は後述する。
【0031】
かかる印刷装置1は、送液ユニット4およびプリンター2A、2Bを制御するコントローラー9を備える。コントローラー9は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random access memory)等で構成されたプロセッサーである。さらに、印刷装置1は、コントローラー9の指令に基づき、例えば音声、光あるいは文字等によりユーザーに報知を行うとともにユーザーからの指令をコントローラー9に入力するUI(User Interface)91を有する。そして、コントローラー9がエンプティセンサーSの検知結果等に基づき、ポンプP6、P7およびバルブV61、V62、V71、V72を制御することで、以下に説明する動作を実行する。
【0032】
なお、図1および以下の図において、ポンプP6、P7のうち、斜線ハッチングが付されていないポンプが稼動しており、斜線ハッチングが付されたポンプは停止している。また、バルブV61、V62、V71、V72のうち、斜線ハッチングが付されていないバルブが開いており、斜線ハッチングが付されたバルブは閉じている。
【0033】
図2図1の印刷装置で実行されるインク供給制御の一例を示すフローチャートであり、図3図10図2のインク供給制御に従って実行される動作の一例を模式的に示す図である。図3図10において濃いドットハッチング(図1と同一のドットハッチング)が付された範囲は充填状態のインクの存在範囲を示し、薄いドットハッチングが付された範囲は空気が混入したインクの存在範囲を示す。なお、プリンター2A、2BのポンプP25はサブタンクのインク貯留量に応じて間欠的に作動するため、配管24に常時インクが充填しているわけではない。しかし、簡単のため、図1および図3図10では、配管24に常時インクが充填しているように濃いドットハッチングを付して図示するものとする。
【0034】
このインク供給制御は、インクタンクIからプリンター2Aの中間タンク21へのインクの供給を制御するものであり、コントローラー9によって実行される。なお、プリンター2Bの中間タンク21へのインクの流入を制御するバルブV72は常時閉じられており、上述のとおり、プリンター2Bの中間タンク21にはインクの供給は実行されない。
【0035】
図1に示すように、通常時には、バルブV71が閉じているため送液配管78内でのインクの流動は規制されており、ポンプP7は停止している。なお、送液配管78の充填範囲Rにはインクが予め充填されている。このインクは、前回のインクタンクIの際(すなわち、現在使用中のインクタンクIをタンク保持部3に装着する際)に実行された後述の充填動作(ステップS107)によって、充填範囲Rに充填されたものである。一方、バルブV61、V62は開いており、ポンプP6は駆動されている。したがって、送液配管6内のインクはポンプP6によって送液方向に駆動され、インクタンクIから共通配管5および送液配管6を介して中間タンク21にインクが供給される(ステップS101)。なお、図1および図3図10に示す各状態を通じて、バルブV61、V62は常時開いており、ポンプP6は常時駆動されている。
【0036】
通常時において、コントローラー9はこのようにポンプP6により中間タンク21にインクを供給しつつ(ステップS101)、エンプティセンサーSの出力がオフになったか否かを監視する(ステップS102)。
【0037】
ポンプP6はインクタンクIから中間タンク21に向けてインクを供給する。これに伴って、インクタンクI内のインク液面Isが次第に下降する。インクタンクI内のインク液面Isが吸引部51の下端近傍まで下降すると、空気が混入したインクが吸引部51から水平部52に向けて送液される。図3はこの状態を示している。この結果、検知箇所Lには空気が混入したインクが供給される。すると、エンプティセンサーSの出力がオフになり(ステップS102で「YES」)、次のステップS103に移行する。ステップS103では、コントローラー9がインクタンクIの交換をUI91からユーザーに要求する。
【0038】
次のステップS104では、コントローラー9はインクタンクIの交換がユーザーによって行われたかを監視する。ユーザーはタンク保持部3上のインクタンクIを新しいインクタンクIに交換した後、UI91からインクタンクIを交換した旨を入力する。コントローラー9はこれによりインクタンクIが交換されたと判断する(ステップS104で「YES」)。あるいは、タンク保持部3にインクタンクIを検出するセンサー(不図示)を設けておき、当該センサーの出力によりコントローラー9はインクタンクIが交換されたと判断しても良い。
【0039】
図4は新しいインクタンクIに交換された直後の印刷装置1を示している。インクタンクI内のインク液面Isは吸引部51の下端よりも上方に位置している。このため、空気が混入したインクが吸引部51から水平部52に送液されることはない。しかし、検知箇所LからポンプP6にかけては空気が混入したインクが存在するため、ポンプP6の送液能力は通常時と比較して著しく低下している。
【0040】
そこで、コントローラー9は、インクタンクIが交換されたことを確認すると(ステップS104で「YES」)、バルブV71を開くとともに、ポンプP7の駆動を開始する(ステップS105)。このステップS105の開始によって、図5に示すように、送液配管78内のインクはポンプP7によって送液方向に駆動され、充填範囲Rに充填されていたインクが接続点J6を介して送液配管6に流入して、中間タンク21へと向かう。これによって、接続点J6と中間タンク21との間において送液配管6内に存在していたインクが中間タンク21に流入する。このように、ポンプP6の送液能力が低下した場合には、ポンプP7によって中間タンク21へのインクの供給を実行できる。
【0041】
また、ポンプP7の駆動により充填範囲R内のインクが送液配管6内へ移動する。これに伴って、分岐点J5近傍の空気がバルブV71を超えて充填範囲Rに進入する。このときバルブV72が閉鎖しているため、ポンプP7を駆動しても、充填範囲R内のインクが接続点J7から下流部72に向けて流入することはない。また、かかる空気の移動に伴って、検知箇所Lよりも送液方向の上流側のインクが共通配管5内を送液方向に進む。その結果、図6に示すように、共通配管5内を進むインクが検知箇所Lに到達して、エンプティセンサーSがオンを出力する。上述のとおり、検知箇所LはポンプP6よりも上方に位置するため、検知箇所Lに到達したインクの一部は重力によりポンプP6向かって落下する。その結果、図7の落下インクFに示すように、ポンプP6まで落下したインクがポンプP6に充填され、ポンプP6の送液能力が回復する。
【0042】
コントローラー9は、エンプティセンサーSの出力がオンになったのを確認すると(ステップS106で「YES」)、所定時間が経過するのを待つ(ステップS107)。この期間において、ポンプP6、P7によってインクタンクIから吸引され検知箇所Lに到達したインクがポンプP6に順次落下する。その結果、図8に示すように、送液配管6においては、インクタンクIからポンプP6までの範囲から、ポンプP6の下流側に空気が追い出される。また、送液配管7においては、インクタンクIからポンプP7までの範囲から、ポンプP7の下流側に空気が追い出される。さらに、図8および図9の比較から分かるように、充填範囲Rに残存していた空気(図8)が接続点J6を介して充填範囲Rから下流側に排出されるとともに(図9)、インクタンクIから吸引されたインクが充填範囲Rに流入して、充填範囲Rへインクが充填される(充填動作)。この充填動作で充填範囲Rに充填されたインクは、次のインクタンクIの交換時におけるステップS105により、ポンプP7によって中間タンク21に供給されることができる。
【0043】
ステップS107の所定時間は、この充填動作の完了に要する時間以上に設定されており、換言すれば、所定時間が経過すると(ステップS107で「YES」)、充填動作が完了している。そして、コントローラー9は、所定時間の経過を待ってから、図10に示すように、バルブV71を閉じて、ポンプP7を停止し(ステップS108)、ステップS101のポンプP6のみによるインクの供給を再開する。
【0044】
また、本実施形態では、エンプティセンサーSの出力がオンになった後、直ちにバルブV71を閉鎖し、ポンプP7を停止しておらず、所定時間経過(ステップS107)した後に、バルブV71を閉鎖し、ポンプP7を停止する。この所定期間を確保しているため、エンプティセンサーSからポンプP6にかけての配管内でインクをより充填させることができる。
【0045】
以上に示した実施形態では、インクタンクIと中間タンク21とは、共通配管5と送液配管6とによって相互に連通されている。そして、ステップS101(第1モード)では、送液配管6に設けられたポンプP6を駆動することで、インクタンクIから中間タンク21へインクを供給することができる(図1)。したがって、ポンプP6への空気の混入がない通常時には、このステップS101(第1モード)によって中間タンク21へインクを供給できる。さらに、共通配管5と送液配管6とが接続される分岐点J5からは、送液配管6とは別に送液配管78が延設され、この送液配管78は、ポンプP6と中間タンク21との間で送液配管6に設けられた接続点J6に接続される。このように、分岐点J5と接続点J6との間には、送液配管6に並列に送液配管78が設けられている。そして、ステップS105(第2モード)では、送液配管78に設けられたポンプP7を駆動することで、送液配管6の接続点J6より中間タンク21側の部分を介して送液配管78から中間タンク21にインクを供給することができる(図5図6)。したがって、ポンプP6への空気の混入が生じた場合には、このステップS105(第2モード)によって中間タンク21へインクを供給できる。その結果、インクタンクIから中間タンク21へインクを供給するポンプP6の送液能力の低下によって、中間タンク21へのインクの供給が停滞するのを抑制することが可能となっている。
【0046】
また、ポンプP6よりインクタンクI側の検知箇所Lにおけるインクの有無を検知するエンプティセンサーSが設けられている。そして、コントローラー9は、ステップS101の実行中に検知箇所Lにおいてインクが非充填状態になったことをエンプティセンサーSが検知すると(ステップS102)、ポンプP7による中間タンク21へのインク供給を開始する(ステップS104)。かかる構成では、ポンプP6より送液方向の上流側の検知箇所Lでのインクが非充填状態になったことが検知される。そして、ポンプP6の駆動中に検知箇所Lにおいてインクが非充填状態になったことが検知された場合には、ポンプP6に空気が混入して、ポンプP6の送液能力が低下している可能性が高い。これに対して、ポンプP7によるインク供給(ステップS105)を開始することで、中間タンク21へのインクの供給が停滞するのを抑制することが可能となる。
【0047】
また、コントローラー9は、ポンプP7によるインク供給(ステップS105)の実行中に検知箇所Lにおけるインクの存在をエンプティセンサーSが検知すると(ステップS106)、所定時間が経過した(ステップS107)後に、ポンプP7によるインク供給を停止する(ステップS108)。また、ポンプP6のみによるインク供給(ステップS101)を再開する。つまり、ポンプP6への空気の混入がインクタンクIでのインク切れによって生じた場合には、ユーザーによってインクタンクIの交換が実行される(ステップS104)。そのため、ステップS105においてポンプP7によって新たなインクタンクIから吸引されたインクはやがて検知箇所Lまで到達し、さらにポンプP6に充填される(図6)。その結果、ポンプP6の送液能力が回復するため、ポンプP7によるインク供給を停止して(ステップS108)、ポンプP6のみによるインク供給(ステップS101)を再開することで、中間タンク21へのインクの供給を実行できる。
【0048】
また、検知箇所Lは、ポンプP6よりも上方に位置し、検知箇所Lに到達したインクは重力によりポンプP6へ落下する。かかる構成では、検知箇所Lまでインクを引き込めば、重力によってポンプP6にインクを充填して、ポンプP6の送液能力を回復することができる。
【0049】
また、送液配管78のうち、ポンプP7の配設範囲を少なくとも含む充填範囲Rにインクを充填する充填動作が予め、換言すれば前回のインクタンクIの交換の際のステップS107で実行されており、当該充填動作で充填されたインクがステップS105においてポンプP7により中間タンク21に供給される。かかる構成では、予めポンプP7にインクを充填した上でポンプP7によるインク供給(ステップS105)を開始できるため、ポンプP7により中間タンク21へインクを確実に供給することができる。
【0050】
また、ポンプP6によるインク供給(ステップS101)の開始前に、換言すれば前回のインクタンクIの交換の際のステップS106で充填動作が実行されている。かかる構成では、ポンプP6によるインク供給(ステップS101)からポンプP7によるインク供給(ステップS105)への移行を速やかに実行しつつ、ポンプP7により中間タンク21へインクを確実に供給することができる。
【0051】
また、分岐点J5とポンプP7との間で送液配管78に設けられたバルブV71が具備されており、充填範囲Rは、送液配管78のうち、バルブV71からポンプP7の配設範囲までの範囲と、当該配設範囲とを含む。そして、コントローラー9は、バルブV71を開いた状態でポンプP7を駆動することで充填動作を実行して(ステップS107)、インクタンクIから充填範囲Rにインクを充填する。かかる構成では、予めポンプP7にインクを充填した上でポンプP7によるインクの供給(ステップS105)を開始できるため、ポンプP7により中間タンク21へインクを確実に供給することができる。
【0052】
また、コントローラー9は、充填動作が完了すると、バルブV71を閉じる。かかる構成では、充填動作の完了後は、充填範囲Rに空気が混入するのをバルブV71によって防止できる。
【0053】
また、コントローラー9は、ポンプP6によるインク供給(ステップS101)の実行中はバルブV71を閉じる。かかる構成では、ポンプP6によるインク供給の実行に伴って充填範囲Rに空気が混入するのをバルブV71により防止できるため、ポンプP6によるインク供給(ステップS101)からポンプP7によるインク供給(ステップS104)へ移行した際のポンプP7の送液能力を十分に確保することができ、ポンプP7により中間タンク21へインクを確実に供給することができる。
【0054】
また、コントローラー9は、ポンプP7によるインク供給(ステップS105)の実行中はバルブV71を開く。これによって、ポンプP7により中間タンク21へインクを確実に供給することができる。
【0055】
また、コントローラー9は、ポンプP7によるインク供給(ステップS105)の実行中にポンプP6を駆動する。かかる構成では、ポンプP7によるインク供給の実行に伴ってポンプP6にインクが充填されると直ちに、ポンプP6による中間タンク21へのインクの供給を開始できる。
【0056】
以上に説明した実施形態では、印刷装置1が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、中間タンク21が本発明の「中間タンク」の一例に相当し、タンク保持部3が本発明の「タンク保持部」の一例に相当し、共通配管5が本発明の「共通配管」の一例に相当し、送液配管6が本発明の「第1配管」の一例に相当し、送液配管78が本発明の「第2配管」の一例に相当し、コントローラー9が本発明の「制御部」の一例に相当し、インクタンクIが本発明の「インクタンク」の一例に相当し、分岐点J5が本発明の「分岐点」の一例に相当し、接続点J6が本発明の「接続点」の一例に相当し、検知箇所Lが本発明の「検知箇所」の一例に相当し、ポンプP6が本発明の「第1ポンプ」の一例に相当し、ポンプP7が本発明の「第2ポンプ」の一例に相当し、充填範囲Rが本発明の「充填範囲」の一例に相当し、エンプティセンサーSが本発明の「インク検知部」の一例に相当し、ステップS101が本発明の「第1モード」の一例に相当し、ステップS104が本発明の「第2モード」の一例に相当し、ステップS106が本発明の「充填動作」の一例に相当する。
【0057】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記の実施形態では、プリンター2Aの中間タンク21にインクを供給する場合が説明されている。しかしながら、プリンター2Bの中間タンク21にインクを供給する場合にも、上記の実施例を同様に適用できる。
【0058】
また、上記の実施形態の適用対象は、2台のプリンター2A、2Bを備える印刷装置1に限られず、単一のプリンター2Aを備える印刷装置1や、3台以上のプリンターを備える印刷装置1に対しても上記の実施形態を同様に適用できる。
【0059】
また、バルブV71の開閉タイミングも上記の例に限られない。例えば、ステップS105でエンプティセンサーSの出力がオンになってから所定時間が経過する前に、バルブV71を閉じても良い。かかる変形例では、充填範囲Rには空気が混入した状態で、次のインクタンクIの交換の際に、ポンプP7によるインクの供給が開始されることとなる。この場合であっても、送液配管78内のインクをポンプP7によって送液配管6に送り出して、中間タンク21にインクを供給することは可能である。
【0060】
また、充填範囲Rも適宜短縮・伸張が可能である。要するに、ポンプP7の配設範囲を含むように充填範囲Rを設定すれば、ポンプP7によるインク供給を確実に開始するといった効果を奏することができる。
【0061】
また、エンプティセンサーSの検知箇所Lの位置を適宜変更しても良く、例えば、分岐点J5とポンプP6との間の送液配管6内の何れかの位置に検知箇所Lを設定しても良い。
【0062】
また、エンプティセンサーSの具体的構成や、ポンプP6、P7の具体的構成も適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、着脱可能に保持されるインクタンクから中間タンクへインクを供給して印刷に用いる印刷技術の全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…印刷装置
21…中間タンク
3…タンク保持部
5…共通配管
6…送液配管(第1配管)
78…送液配管(第2配管)
9…コントローラー(制御部)
I…インクタンク
J5…分岐点
J6…接続点
L…検知箇所
P6…ポンプ(第1ポンプ)
P7…ポンプ(第2ポンプ)
R…充填範囲
S…エンプティセンサー(検知部)
S101…第1モード
S104…第2モード
S106…充填動作
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10