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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】変位検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
G01B11/00 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019034394
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020139791
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 善二郎
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-231658(JP,A)
【文献】特開2000-221139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅を有し搬送される紙又はフィルムである移動部材の表面模様が映された第1の画像を得る第1の画像取得部と、
前記第1の画像取得部により得られた第1の画像に対して撮像領域又は撮像時点が異なり、前記移動部材の表面模様が映された第2の画像を得る第2の画像取得部と、
前記第1の画像取得部により得られた第1の画像に映された表面模様と前記第2の画像取得部により得られた第2の画像に映された表面模様との類似度をPOCにより算出する画像認識部と、
前記画像認識部により算出された類似度が閾値以上である第1の画像及び第2の画像を分析対象として採用し、当該採用した前記第1の画像に映された表面模様及び前記第2の画像に映された表面模様における搬送方向の位置及び幅方向の位置により、前記移動部材の位置ずれの有無を検出する分析部と、
前記画像認識部においてPOCにより類似度を算出可能な照明面積を有する光を、前記移動部材に照射する光源と
を備えた変位検出装置。
【請求項2】
前記分析部は、前記画像認識部により算出された類似度が閾値以上である第1の画像及び第2の画像を分析対象として採用し、当該採用した前記第1の画像に映された表面模様及び前記第2の画像に映された表面模様における搬送方向の位置及び幅方向の位置により、前記移動部材の位置ずれ量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の変位検出装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記画像認識部により算出された類似度が閾値以上である第1の画像及び第2の画像を分析対象として採用し、当該採用した前記第1の画像に映された表面模様及び前記第2の画像に映された表面模様における搬送方向の位置及び幅方向の位置により、前記移動部材の移動速度を算出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の変位検出装置。
【請求項4】
前記光源は、LEDである
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の変位検出装置。
【請求項5】
前記第1の画像取得部は、前記移動部材の表面模様を撮像して第1の画像を得る第1の撮像装置から構成され、
前記第2の画像取得部は、撮像領域が前記第1の撮像装置の撮像領域とは異なる領域に設定され、前記移動部材の表面模様を撮像して第2の画像を得る第2の撮像装置から構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載の変位検出装置。
【請求項6】
前記第1の画像取得部及び前記第2の画像取得部は、前記移動部材の表面模様を撮像して第1の画像を得るとともに、次の撮像時点において当該第1の画像を第2の画像として得る撮像装置から構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載の変位検出装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動部材の位置ずれを検出する光学式の変位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動部材の位置ずれ量を計測する光学式の変位計測装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。この変位計測装置では、まず、光源がレーザを移動部材上に照射する。そして、画像取得部が、光源により照射されたレーザのスペックルパターン(干渉模様)を撮像してスペックル画像を得る。なお、画像取得部としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。そして、演算装置が、画像取得部により得られたスペックル画像に基づいて、移動部材上のスペックルパターンの経時変化を相関演算によって計測することで、移動部材の位置ずれ量を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-015240号公報
【文献】特開2016-212422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の変位計測装置は、光源がレーザであるため、数mm程度のスポットになる。そのため、従来の変位計測装置では、用途(移動部材の移動速度の適用範囲)が限定される。
また、従来の変位計測装置は、移動部材の移動(傾きを含む)によってレーザの照射角度が微妙に変化すると、スペックルパターンが変形する場合があり、検出精度が不安定になる場合がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対し、移動部材の移動速度の適用範囲を拡大可能な変位検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る変位検出装置は、幅を有し搬送される紙又はフィルムである移動部材の表面模様が映された第1の画像を得る第1の画像取得部と、第1の画像取得部により得られた第1の画像に対して撮像領域又は撮像時点が異なり、移動部材の表面模様が映された第2の画像を得る第2の画像取得部と、第1の画像取得部により得られた第1の画像に映された表面模様と第2の画像取得部により得られた第2の画像に映された表面模様との類似度をPOCにより算出する画像認識部と、画像認識部により算出された類似度が閾値以上である第1の画像及び第2の画像を分析対象として採用し、当該採用した前記第1の画像に映された表面模様及び前記第2の画像に映された表面模様における搬送方向の位置及び幅方向の位置により、移動部材の位置ずれの有無を検出する分析部と、画像認識部においてPOCにより類似度を算出可能な照明面積を有する光を、移動部材に照射する光源とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対し、移動部材の移動速度の適用範囲を拡大可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る変位検出装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る変位検出装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る変位検出装置の動作例を示すフローチャートである。
図4図4Aは紙を映した画像を拡大した図であり、図4Bはフィルムを映した画像を拡大した図である。
図5図5A図5Cは、実施の形態1における撮像装置による処理を説明するための概略図である。
図6】実施の形態1に係る変位検出装置により得られた登録画像及び計測画像の一例を示す図である。
図7】実施の形態1に係る変位検出装置により得られた登録画像及び計測画像の一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係る変位検出装置により得られた登録画像及び計測画像の別の一例を示す図である。
図9】実施の形態1に係る変位検出装置により得られた登録画像及び計測画像の別の一例を示す図である。
図10】実施の形態2に係る変位検出装置の構成例を示す図である。
図11】実施の形態2に係る変位検出装置の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1,2は実施の形態1に係る変位検出装置の構成例を示す図である。
変位検出装置は、移動部材101の位置ずれを検出する光学式の装置である。移動部材101としては、例えば、紙又はフィルム等のシート状部材が挙げられる。この移動部材101は、例えば搬送路上に置かれて搬送される。変位検出装置は、図1,2に示すように、光源1、画像取得部(第1の画像取得部)2、画像取得部(第2の画像取得部)3及び演算装置4を備えている。また、演算装置4は、図2に示すように、画像認識部41、分析部42及び出力部43を有している。なお、演算装置4はシステムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0010】
光源1は、移動部材101に対して光を照射する。光源1が照射する光は、画像認識部41において後述するPOC(位相限定相関法:Phase Only Correlation)により類似度を算出可能な照射面積を有する。光源1としては、例えばLED(Light Emitting Diode)を用いることができる。図1に示すように、実施の形態1では、光源1は、後述する撮像装置5に取付けられた光源1a及び後述する撮像装置6に取付けられた光源1bから構成されている。
【0011】
画像取得部2は、移動部材101の表面模様が映された登録画像(第1の画像)を得る。図1に示すように、実施の形態1では、画像取得部2は、撮像装置(第1の撮像装置)5から構成されている。撮像装置5は、撮像領域が所定の領域に設定され、移動部材101の表面模様を撮像して登録画像を得る。
【0012】
画像取得部3は、移動部材101の表面模様が映された計測画像(第2の画像)を得る。図1に示すように、実施の形態1では、画像取得部3は、撮像装置(第2の撮像装置)6から構成されている。撮像装置6は、撮像領域が撮像装置5の撮像領域とは異なる領域に設定され、移動部材101の表面模様を撮像して計測画像を得る。
【0013】
画像認識部41は、画像取得部2により得られた登録画像に映された表面模様と、画像取得部3により得られた計測画像に映された表面模様との類似度を、POCにより算出する。
なお、POCは、画像処理の過程で得られた輪郭情報のみで相関処理を瞬時に行うパターンマッチング手法であり、特開2000-221139等に開示されているように公知の技術である。
【0014】
分析部42は、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の位置ずれの有無を検出する。なお、上記閾値は事前に設定される。また、分析部42は、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の位置ずれ量を算出してもよい。また、分析部42は、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の移動速度を算出してもよい。なお、移動部材101の移動速度は、登録画像の撮像時刻と計測画像の撮像時刻との差、撮像装置5と撮像装置6との間の距離、及び移動部材101の位置ずれ量から算出可能である。
【0015】
出力部43は、分析部42による分析結果(位置ずれの有無、位置ずれ量又は移動速度)を示すデータを外部に出力する。
【0016】
次に、図1,2に示す変位検出装置の動作例について、図3を参照しながら説明する。なお、光源1は、移動部材101に対し、画像認識部41においてPOCにより類似度を算出可能な照明面積を有する光を照射している。また、画像取得部2は、移動部材101の表面模様が映された登録画像を順次得ている。また、画像取得部3は、登録画像に対して撮像領域が異なり、移動部材101の表面模様が映された計測画像を順次得ている。また以下では、分析部42は、移動部材101の位置ずれが有ると判定した場合に、当該移動部材の101の位置ずれ量及び移動速度を算出するものとする。
【0017】
ここで、実施の形態1に係る変位検出装置では、LED等による光のように照射面積の広い光(一般的な光でよい)を用いることで、レーザを用いた場合に対し、得られる画像は鮮明ではなくなるが、複雑な表面模様を広範囲に撮像可能となる。例えば図4に示すように、紙又はフィルム等の物体(移動部材101)は、光を照射して撮像することで得た画像を拡大することで、固有の表面模様を確認可能となる。図4Aは紙を映した画像を拡大した場合を示している。また、図4Bはフィルムを映した画像を拡大した場合を示している。
【0018】
また、図5は、撮像装置5及び撮像装置6による処理を説明するための概略図である。図5では、撮像装置5と撮像装置6との間の距離が500mmに設定され、また、移動部材101の搬送速度が50mm/sec.に設定されているとする。また図5に示す矢印は、移動部材101の搬送方向である。
この場合、まず、図5Aに示すように、ある時点(経過時間が0sec.の時点)で、撮像装置5は移動部材101の表面模様を撮像して登録画像(符号501aに示す画像)を得る。
【0019】
その後、図5Bに示すように、経過時間が10sec.の時点で、撮像装置5は移動部材101の表面模様を撮像して登録画像(符号501bに示す画像)を得て、撮像装置6は移動部材101の表面模様を撮像して計測画像(符号502aに示す画像)を得る。仮に移動部材101に位置ずれがない場合、撮像装置6により得られた計測画像(符号502aに示す画像)は、経過時間が0sec.の時点で撮像装置5により得られた登録画像(符号501aに示す画像)と一致する。
【0020】
その後、図5Cに示すように、経過時間が20sec.の時点で、撮像装置5は移動部材101の表面模様を撮像して登録画像(符号501cに示す画像)を得て、撮像装置6は移動部材101の表面模様を撮像して計測画像(符号502bに示す画像)を得る。仮に移動部材101に位置ずれが無い場合、撮像装置6により得られた計測画像(符号502bに示す画像)は、経過時間が10sec.の時点で撮像装置5により得られた登録画像(符号501bに示す画像)と一致する。
【0021】
図1,2に示す変位検出装置の動作例では、図3に示すように、まず、画像認識部41は、画像取得部2により得られた登録画像に映された表面模様と、画像取得部3により得られた計測画像に映された表面模様との類似度を、POCにより算出する(ステップST1)。すなわち、画像認識部41は、POCを用いることで、例えば図4に示すような複雑な表面模様を検出(識別)可能となり、この表面模様から登録画像と計測画像との類似度を算出可能となる。
【0022】
次いで、分析部42は、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の位置ずれが有るかを判定する(ステップST2)。
【0023】
このステップST2において、分析部42は、移動部材101の位置ずれが有ると判定した場合には、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の位置ずれ量及び移動速度を算出する(ステップST3)。
一方、ステップST2において、分析部42は、移動部材101の位置ずれが無いと判定した場合には、シーケンスはステップST4へ移行する。
【0024】
図6及び図7は、ある移動部材101に対し、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像の一例を示している。図6及び図7において、左側の画像が画像取得部2により得られた登録画像を示し、右側の画像が画像取得部3により得られた計測画像を示している。図6では登録画像と計測画像の類似度が90%であり、図7では登録画像と計測画像の類似度が77%である。
【0025】
また、図6において、符号601は登録画像における中心点を示し、符号602は計測画像における当該中心点に相当する点を示している。同様に、図7において、符号701は登録画像における中心点を示し、符号702は計測画像における当該中心点に相当する点を示している。図6では、符号602に示す点が符号601に示す点に対し、X軸方向(移動部材101の搬送方向)にプラスに7.4μmだけずれ、Y軸方向(移動部材101の幅方向)にプラスに44.1μmだけずれている。図7では、符号702に示す点が符号701に示す点に対し、X軸方向にプラスに206.8μmだけずれ、Y軸方向にプラスに45.3μmだけずれている。
【0026】
この場合、図7に示す例の方が、図6に示す例に対し、移動部材101の位置ずれ量が大きく、移動部材101の移動速度が速いことがわかる。
【0027】
また、図8及び図9は、図6及び図7の場合とは異なる移動部材101に対し、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像の一例を示している。図8及び図9において、左側の画像が画像取得部2により得られた登録画像を示し、右側の画像が画像取得部3により得られた計測画像を示している。図8では登録画像と計測画像の類似度が75%であり、図9では登録画像と計測画像の類似度が73%である。
【0028】
また、図8において、符号801は登録画像における中心点を示し、符号802は計測画像における当該中心点に相当する点を示している。同様に、図9において、符号901は登録画像における中心点を示し、符号902は計測画像における当該中心点に相当する点を示している。図8では、符号802に示す点が符号801に示す点に対し、X軸方向にマイナスに57.6μmだけずれ、Y軸方向にプラスに73.7μmだけずれている。図9では、符号902に示す点が符号901に示す点に対し、X軸方向にプラスに136.9μmだけずれ、Y軸方向にプラスに73.5μmだけずれている。
【0029】
この場合、図9に示す例の方が、図8に示す例に対し、移動部材101の位置ずれ量が大きく、移動部材101の移動速度が速いことがわかる。
【0030】
次いで、出力部43は、分析部42による分析結果を示すデータを外部に出力する(ステップST4)。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、変位検出装置は、移動部材101の表面模様が映された登録画像を得る画像取得部2と、画像取得部2により得られた登録画像に対して撮像領域又は撮像時点が異なり、移動部材101の表面模様が映された計測画像を得る画像取得部3と、画像取得部2により得られた登録画像に映された表面模様と画像取得部3により得られた計測画像に映された表面模様との類似度をPOCにより算出する画像認識部41と、画像認識部41により算出された類似度が閾値以上である登録画像及び計測画像に基づいて、移動部材101の位置ずれの有無を検出する分析部42と、画像認識部41においてPOCにより類似度を算出可能な照明面積を有する光を、移動部材101に照射する光源1とを備えた。これにより、実施の形態1に係る変位検出装置は、従来構成に対し、移動部材101の移動速度の適用範囲を拡大可能となり、すなわち、より速い移動速度であっても位置ずれを検出可能となる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態1では、画像取得部2が撮像装置5から構成され、画像取得部3が撮像装置6から構成された場合を示した。これに対し、実施の形態2では、図10に示すように、画像取得部2及び画像取得部3が、単一の撮像装置7から構成された場合を示す。
【0033】
撮像装置7は、移動部材101の表面模様を撮像して登録画像を得るとともに、次の撮像時点において当該登録画像を計測画像として得る。この撮像装置7は、撮像周期が、連続する2つの撮像画像の一部が重複する周期に設定されている。
【0034】
次に、図10に示す撮像装置7の動作例について、図11を参照しながら説明する。
撮像装置7の撮像領域は、図11で符号1101に示す実線の領域である。ここで、撮像装置7によりある撮像時点で撮像されて得られた画像を画像Aとする。この画像Aは、上記撮像時点では登録画像として扱われる。
一方、図11で符号1102に示す破線の領域は、画像Aの撮像時点の次の撮像時点において、画像Aに映された表面模様が位置する領域である。この次の撮像時点では、符号1101に示す領域において新たな画像Bが得られ、この画像Bが登録画像として扱われる。また、上記次の撮像時点では、画像Aは計測画像として扱われる。
【0035】
すなわち、撮像装置7において、符号1101に示す領域と符号1102に示す領域とが重なる領域が十分に取れる速度で撮像を繰り返すことで、ある撮像時点での登録画像を次の撮像時点での計測画像として利用できる。このように、実施の形態2では、移動部材101の移動速度が遅い場合又は撮像装置7による撮像周期が短い場合を前提としている。
【0036】
なお、実施の形態2に係る変位検出装置のその他の構成例及び動作例は、実施の形態1に係る変位検出装置の構成例及び動作例と同様であり、その説明を省略する。
【0037】
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1,1a,1b 光源
2 画像取得部(第1の画像取得部)
3 画像取得部(第2の画像取得部)
4 演算装置
5 撮像装置(第1の撮像装置)
6 撮像装置(第2の撮像装置)
7 撮像装置
41 画像認識部
42 分析部
43 出力部
101 移動部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11