(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 69/00 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
A01D69/00 302Z
(21)【出願番号】P 2019067838
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】田中 大地
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊之
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-040108(JP,A)
【文献】特開2010-075125(JP,A)
【文献】特開2016-182085(JP,A)
【文献】特開平05-084014(JP,A)
【文献】特開2010-081804(JP,A)
【文献】特開2000-135023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 69/00 - 69/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対地高さを検出して刈取部の昇降高さを制御するコンバインであって、
走行機体と、
前記走行機体の前部に昇降可能に連結された刈取部と、
前記刈取部を昇降駆動させる昇降アクチュエータと、
対地高さ検出ポテンショメータを含み、前記刈取部の対地高さを検出する
対地高さ検出装置と、
刈取部の手動の昇降操作を行う昇降レバーと、
前記
対地高さ検出ポテンショメータの検出結果に基づいて前記昇降アクチュエータにより前記刈取部の上昇又は昇降を自動的に制御する自動制御を実行する制御部と、
停止操作手段とを備え、
前記対地高さ検出装置は、圃場面に接地させる接地部材と、該接地部材が圃場面に接地している状態の前記刈取部の対地高さに連動して揺動される連動アームとを有し、
前記対地高さ検出ポテンショメータは、前記連動アームの揺動位置を検出するように構成され、
前記停止操作手段は、モーメンタリ式の停止操作スイッチであり、
前記制御部は、
前記停止操作スイッチが操作されている間、自動制御の実行を停止させることにより、前記対地高さ検出ポテンショメータで検出される前記刈取部の対地高さが変化している状態でも該刈取部の自動的な上昇又は昇降を実行しないように構成された
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記停止操作手段は、走行変速操作を行う変速レバー又は
前記昇降レバーに配置された
請求項
1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取部は、刈り取り対象物の引き起こしを行う引起し装置を有し、
前記停止操作手段は、前記刈取部の少なくとも前記引起し装置を通常よりも高速で作動させる倒伏刈り制御の実行操作を行う実行操作手段であり、
前記制御部は、前記実行操作手段による操作が検出されたことを少なくとも条件の1つとして、前記倒伏刈り制御を実行するとともに前記自動制御の実行を停止させる一方で、前記実行操作手段による操作が検出されずに前記倒伏刈り制御の実行が停止されている場合には前記自動制御を実行する
請求項1に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対地高さを検出して刈取部の昇降高さを制御するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体と、走行機体の前部に昇降可能に連結された刈取部と、刈取部を昇降駆動させる昇降アクチュエータと、刈取部の対地高さを検出する対地高さ検出手段と、対地高さ検出手段の検出結果に基づいて昇降アクチュエータにより刈取部の上昇又は昇降を自動的に制御する自動制御を実行する制御部とを備えたコンバインが従来公知である。
【0003】
このようなコンバインは、刈取部の上昇又は昇降が自動的に制御されるため、利便性が向上する一方で、刈取部による稲や麦等の穀稈(対象物)の刈り取り作業を行っている最中に、該刈取部が倒伏している対象物の上を通過した場合、対地高さ検出手段が、倒伏した対象物と刈取部との間の距離を対地高さとして誤検出してしまい、刈取部が不要に上昇するという不具合が発生することがある。
【0004】
このような事態に対処可能なものとして、刈取部を手動で昇降させる昇降操作具を設け、制御部が、自動制御の実行中、昇降操作具による刈取部の昇降操作を検出した場合には、その手動操作を優先させて刈取部の昇降を制御するように構成されたコンバインが開発され、公知になっている(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0005】
該構成によれば、倒伏している対象物の上を刈取部が通過している最中、誤検出によって不要に上昇された刈取部を、下降操作によって適切な位置に戻すことが可能になるが、刈取部が余分に上昇作動することには変わりはなく、オペレータが刈取部を目視で適切な昇降高さに下降させる必要が生じ、オペレータの操作負担が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3187689号公報
【文献】特許第6345621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、対地高さを検出して刈取部の昇降高さを制御するコンバインであって、倒伏している対象物の上を刈取部が通過する場合にも、オペレータの操作負担を増加させることなく、容易に対処できるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、刈取部の昇降高さを制御するコンバインであって、走行機体と、前記走行機体の前部に昇降可能に連結された刈取部と、前記刈取部を昇降駆動させる昇降アクチュエータと、対地高さ検出ポテンショメータを含み、前記刈取部の対地高さを検出する対地高さ検出装置と、刈取部の手動の昇降操作を行う昇降レバーと、前記対地高さ検出ポテンショメータの検出結果に基づいて前記昇降アクチュエータにより前記刈取部の上昇又は昇降を自動的に制御する自動制御を実行する制御部と、停止操作手段とを備え、前記対地高さ検出装置は、圃場面に接地させる接地部材と、該接地部材が圃場面に接地している状態の前記刈取部の対地高さに連動して揺動される連動アームとを有し、前記対地高さ検出ポテンショメータは、前記連動アームの揺動位置を検出するように構成され、前記制御部は、前記停止操作手段による操作が検出されたことを少なくとも条件の1つとして、前記自動制御の実行を停止するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
前記停止操作手段は、モーメンタリ式の停止操作スイッチであり、前記制御部は、前記停止操作スイッチが操作されている間、自動制御の実行を停止させることにより、前記対地高さ検出ポテンショメータで検出される前記刈取部の対地高さが変化している状態でも該刈取部の自動的な上昇又は昇降を実行しないように構成されたものとしてもよい。
【0010】
前記停止操作手段は、走行変速操作を行う変速レバー又は刈取部の手動による昇降操作を行う昇降レバーに配置されたものとしてもよい。
【0011】
前記刈取部は、刈り取り対象物の引き起こしを行う引起し装置を有し、前記停止操作手段は、前記刈取部の少なくとも前記引起し装置を通常よりも高速で作動させる倒伏刈り制御の実行操作を行う実行操作手段であり、前記制御部は、前記実行操作手段による操作が検出されたことを少なくとも条件の1つとして、前記倒伏刈り制御を実行するとともに前記自動制御の実行を停止させる一方で、前記実行操作手段による操作が検出されずに前記倒伏刈り制御の実行が停止されている場合には前記自動制御を実行するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
刈取部が倒伏した対象物の上を通過することに起因した該刈取部の余分な上昇自体が、停止操作手段による操作によって防止されるため、このような事態に、オペレータの操作負担を増加させることなく、容易に対象可能になる。
【0013】
前記停止操作手段は、モーメンタリ式の停止操作スイッチであり、前記制御部は、前記停止操作スイッチが操作されている間、自動制御の実行を停止させるように構成されたものによれば、感覚的に、自動制御の実行を停止することが可能になる。
【0014】
前記停止操作手段は、走行変速操作を行う変速レバー又は刈取部の手動による昇降操作を行う昇降レバーに配置されたものによれば、変速レバー又は昇降レバーの使用頻度が高いため、停止操作手段の操作性も向上する。
【0015】
前記刈取部は、刈り取り対象物の引き起こしを行う引起し装置を有し、前記停止操作手段は、前記刈取部の少なくとも前記引起し装置を通常よりも高速で作動させる倒伏刈り制御の実行操作を行う実行操作手段であり、前記制御部は、前記実行操作手段による操作が検出されたことを少なくとも1つの条件として、前記倒伏刈り制御を実行するとともに前記自動制御の実行を停止させる一方で、前記実行操作手段による操作が検出されずに前記倒伏刈り制御の実行が停止されている場合には前記自動制御を実行するものによれば、倒伏刈り制御の実行の有無と、自動制御の実行の有無とを別々に操作する手間が軽減され、誤操作を容易に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明を適用した自脱式のコンバインの側面図である。
【
図2】本発明を適用した自脱式のコンバインの平面図である。
【
図3】キャビン内の操縦部の前側の構成を示す斜視図である。
【
図5】対地高さ検出装置の構成を示す側面図である。
【
図6】(A)は検出作動している状態の対地高さ検出装置の側面図であり、(B)は退避作動している状態の対地高さ検出装置の側面図である。
【
図7】対地高さ検出ポテンショメータの取付構造を示す斜視図である。
【
図8】自動昇降制御及び自動上昇制御の構成を示す状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1,
図2は本発明を適用した自脱式のコンバインの側面図及び平面図である。コンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1と、左右の走行装置1,1に支持され且つオペレータが乗り込むキャビン5を有する走行機体2と、走行機体2の前部に昇降可能に連結された刈取部3とを備えている。
【0018】
刈取部3は、対象物の一種である稲や麦等の穀稈を刈り取って走行機体2側に後方搬送するように構成されている。この構成を実現するため、刈取部3は、左右幅の全体に亘り並列して配置された複数の分草体4と、刈り取り条数と同数設置され且つ左右に並べて配置された複数の引起し装置6と、刈刃(図示しない)と、穀稈を後方に搬送する搬送装置7とを有している。分草体4は刈取部3の正面の下端側から前方に突出形成され、複数の引起し装置6は刈取部3の正面側部分を構成している。
【0019】
走行機体2の前進走行時、左右に並列された分草体4によって分草された圃場の穀稈は、対応する引起し装置6によって引き起こされながら搬送装置7により後方に掻き込み搬送される。この後方への掻き込まれる過程で、穀稈は、その株元側が刈刃によって刈り取られる。刈り取られた穀稈は、搬送装置7によって、走行機体2の前端側における進行方向左(以下、単に「左」)寄り部分まで搬送され、走行機体2のシャーシーフレーム2a上における左側半部に設置された脱穀装置8に渡される。
【0020】
脱穀装置8は、左側部に配置された前後方向に長い環状をなすフィードチェーン9と、該フィードチェーン9の直上に配置された挟持レール11とによって、穀稈の株元側を挟持して受け取る。株元側が挟持された穀稈は、それ以外の大半が脱穀装置8の内部に挿入される姿勢で、フィードチェーン9によって後方搬送され、この後方搬送過程で、脱穀装置8の内部で回転作動する扱胴(図示しない)により脱穀処理されて排藁になる。
【0021】
排藁は、走行機体2の後端部を構成する後処理部10によって、切断処理されるか、或いはそのままの状態で、走行機体2の後方に排出される。一方、脱穀処理によって穀稈から分離した処理物は、扱胴側から落下し、前後揺動選別及び風選によって、藁屑等の排出物と、穀粒とに選別される。排出物は、走行機体2の後端部から後方に排出される一方で、穀粒は、走行機体2のシャーシーフレーム2a上における右側半部に設置され且つキャビン5の後方に位置するグレンタンク12に搬送されて収容される。
【0022】
グレンタンク12内の穀粒はオーガ13によって機外に排出される。オーガ13は、走行機体2の後端部の右寄り部分から上方に突出形成された縦筒14と、該縦筒14の上端部から一直線状に延出された排出筒16とを有し、排出筒16の延出部には下方に向かって開放された穀粒排出用の排出部16aが形成されている。このオーガ13は、排出オーガ16を縦筒14の軸回りに回動させることによって左右旋回され、排出オーガ16を縦筒14に対して上下揺動させることによって昇降され、排出部16aを所望の位置に移動させ、その直下に穀粒を排出する。
【0023】
図3は、キャビン内の操縦部の前側の構成を示す斜視図である。キャビン5の内部には、オペレータの操縦部17が設置されている。操縦部17は、オペレータが着座する図示しない座席と、該座席の前方に配置されたフロント操作部18と、座席の前方斜め左側に配置されたサイド操作部19とを有し、フロント操作部18及びサイド操作部19は平面視でL字状をなすように互いが接続されている。
【0024】
フロント操作部18は、その右寄り部分に配置されたマルチレバー21と、その中央寄り部分に配置され且つ各種情報を表示するタッチパネル式の液晶モニタ(表示手段)22とを有している。マルチレバー21は、上方に突出形成され、左右揺動によって走行機体2の操向操作を行うとともに、前後揺動によって刈取部3の昇降操作を行う。すなわち、マルチレバー21は、走行機体2の操向操作を行う操向レバーになるとともに、刈取部3の手動による昇降操作を行う昇降レバーにもなる。
【0025】
また、このマルチレバー21の上端部の正面側には、該マルチレバー21を把持しながら押し操作可能なモーメンタリ式のトリガースイッチ23が設けられている。このトリガースイッチ23の機能については後述する。
【0026】
サイド操作部19は、走行HST(図示しない)を介して無段階の走行変速を行う変速レバー24と、該変速レバー24の後方に配置された自動切替スイッチ(自動切替操作手段)25及びシーソー式のパワークラッチスイッチ26(断続操作手段)とを有している。ちなみに、走行HSTは、図示しないエンジン(動力源)からの動力を、無段階で左右の走行装置1,1に変速伝動するように構成されている。
【0027】
変速レバー24は、走行HSTをニュートラル状態とする前後の中立位置において左右揺動操作可能に構成されている。変速レバー24の前記中立位置における左右一方側への揺動操作によって該中立位置よりも前方範囲での前後揺動操作が可能になるとともに、前記中立位置における左右他方側への揺動操作によって該中立位置よりも後方範囲での前後揺動操作が可能になる。変速レバー24の前記中立位置からの前方揺動操作量が大きい程、前進走行側に増速される一方で、変速レバー24の前記中立位置からの後方揺動操作量が大きい程、後進走行側に増速される。ちなみに、この変速レバー24は、走行HSTのトラニオン軸に機械的に連結され、該走行HSTを直接的に変速作動させている。
【0028】
自動切替スイッチ25は、後述する刈取部3の自動的な昇降制御(自動制御)の実行の可否を切り替えるモーメンタリ式の押し操作具である。自動制御の内容については後述する。
【0029】
パワークラッチスイッチ26は、刈取部3及び脱穀装置8の駆動の有無の切替を行うモーメンタリ式のシーソースイッチである。刈取部3及び脱穀装置8の駆動状態としては、刈取部3及び脱穀装置8の両方が駆動停止された停止状態と、刈取部3が駆動停止され且つ脱穀装置8が駆動された脱穀状態と、刈取部3及び脱穀装置8の両方が駆動された刈取状態との3つが設けられている。
【0030】
そして、パワークラッチスイッチ26の一方側(駆動側)部分の押し操作毎に、停止状態→脱穀状態→刈取状態の順に状態が遷移するとともに、他方側(停止側)部分の押し操作毎に、刈取状態→脱穀状態→停止状態の順に状態が遷移する。
【0031】
ちなみに、刈取状態時にパワークラッチスイッチ26の駆動側部分を押し操作しても、状態は遷移せず、同様に、停止状態時にパワークラッチスイッチ26の停止側部分を押し操作しても、状態は遷移しない。なお、脱穀状態時にパワークラッチスイッチ26の駆動側部分を押し操作すれば刈取状態に状態が遷移し、停止側部分を押し操作すれば停止状態に状態が遷移することは、上述の構成から言うまでもない。
【0032】
このコンバインに搭載され且つマイコン等から構成された制御部27(
図4参照)は、走行機体2の走行速度である車速に連動して、刈取部3の駆動の速度を切り替える車速連動制御と、前記自動制御の一種であって且つ刈取部3の上昇を自動的に制御する自動上昇制御と、前記自動制御の一種であって且つ刈取部3の昇降を自動的に制御する自動昇降制御とを実行可能に構成されている。
【0033】
ちなみに、車速連動制御の実行時、刈取部3の駆動速度を車速に連動させるのは、前進走行時に限定される。また、上述した自動切替スイッチ25の押し操作によって、自動昇降制御が実行可能であって且つ自動上昇制御が実行不可能な状態と、自動上昇制御が実行可能であって且つ自動昇降制御が実行不可能な状態と、自動昇降制御及び自動上昇制御の両方が実行不可能な状態との内の何れかの状態への切替を行う。
【0034】
図4は制御部の構成を示すブロック図である。制御部27の入力側には、ドライブシャフト等の回転数を検知することによって車速を直接的に検出する車速検出手段である走行回転センサ28と、刈取部3の対地高さを検出する対地高さ検出装置29のセンサ部分を構成する対地高さ検出ポテンショメータ(対地高さ検出手段)31と、刈取部3の走行機体2に対する相対的な昇降高さを検出する昇降高さ検出ポテンショメータ32と、前記自動切替スイッチ25と、前記パワークラッチスイッチ26と、変速レバー24の前後揺動位置を検出することによって車速を間接的に検出する車速検出手段である変速操作位置検出ポテンショメータ33と、マルチレバー21による刈取部3の昇降操作を、その前後揺動操作位置から検出する昇降操作検出手段である昇降操作位置検出ポテンショメータ34と、前記トリガースイッチ23とが接続されている。
【0035】
制御部27の出力側には、刈取部3を駆動昇降させる油圧式の昇降シリンダ(昇降アクチュエータ)36と、断続アクチュエータ37と、変速アクチュエータ38とが接続されている。また、タッチパネル式の液晶モニタ22は、制御部27に入出力可能に構成されている。
【0036】
断続アクチュエータ37は、エンジンから脱穀装置8及び刈取部3への動力伝動経路の途中に設けられた脱穀クラッチ(図示しない)と、該脱穀クラッチから刈取部3への動力伝動経路の途中に設けられた刈取クラッチ(図示しない)とを個別に断続作動させる単一又は2つのステッピングモータ等から構成されている。
【0037】
脱穀クラッチ及び刈取クラッチの両方を切断させることによって前記停止状態に遷移し、脱穀クラッチを接続させ且つ刈取クラッチを切断させることによって前記脱穀状態に遷移し、脱穀クラッチ及び刈取クラッチの両方を接続状態とすることによって前記刈取状態に遷移する。なお、断続アクチュエータ37として単独で位置制御可能なステッピングモータ以外の通常のDCモータを用いる場合には、作動位置をフィードバックさせる回転センサやポテンショメータ等を別途設けて制御部27の入力側に接続させる必要がある。
【0038】
変速アクチュエータ38は、脱穀クラッチから刈取クラッチへの動力伝動経路の途中に配置された作業HST(図示しない)のトラニオン軸を回転作動させるステッピングモータであって、該作業HSTを無段階で変速作動させ、刈取部3の駆動速度を変更する。なお、変速アクチュエータ38として単独で位置制御可能なステッピングモータ以外の通常のDCモータを用いる場合には、作動位置をフィードバックさせる回転センサやポテンショメータ等を別途設けて制御部27の入力側に接続させる必要がある。
【0039】
制御部27は、走行の有無と、刈取部3及びフィードチェーン9の駆動の有無とを連動させるとともに、前進走行時に車速の上昇に対応させて刈取部3及びフィードチェーン9の駆動速度を比例的に上昇させる車速連動制御を、上述した走行回転センサ28及び変速操作位置検出ポテンショメータ33と、断続アクチュエータ36及び変速アクチュエータ37とによって行う。
【0040】
また、自動上昇制御及び自動昇降制御は、対地高さ検出ポテンショメータ31及び昇降高さ検出ポテンショメータ32と、昇降シリンダ36とによって実現している。
【0041】
【0042】
図5は対地高さ検出装置の構成を示す側面図である。対地高さ検出装置29は、刈取部3の左右一方又は両側(本例では両側)の端部に設けられている。具体的には、左右の端側に配置された分草フレーム39に上下位置調整可能に取り付け固定された分草体4の側面側に配置されている。
【0043】
この対地高さ検出装置29は、分草体4の側面に着脱可能に固定され且つ分草体4から下方に延出される板状の取付ブラケット41と、該取付ブラケット41の左右一方側(作動側)の側面側に、左右方向の検出軸42を支点として前後揺動可能に支持された板状の検出部材43と、左右他方側(検出側)の側面側に取り付け支持された前記対地高さ検出ポテンショメータ31とを有している。
【0044】
検出部材43は、検出軸42から下方に延出され、その下端側には、前後方向に延びる左右退避部材44が、前後方向に形成された左右退避軸46を支点として左右回動自在に支持されている。この左右退避部材46は検出部材43の下端側から後方に延出され、その延出端である後端側には圃場面に接地させる接地部材47が設けられている。この接地部材47は左右方向の前後退避軸48を支点として前後揺動可能に左右退避部材44の後端部に支持されている。
【0045】
検出軸42から後方に向かって連動アーム50が突出形成され、この連動アーム50は、検出軸42を支点として、検出部材43と一体的に上下揺動される。検出部材43及び連動アーム50は、検出軸42の外周側に着脱可能に装着されたトーションバネ49等の弾性部材によって、中途位置(具体的には中立位置)に付勢されている。
【0046】
連動アーム50をトーションバネ49の弾性力に抗して上方に揺動させた場合(検出部材43をトーションバネ49の弾性力に抗して後方に揺動させた場合)、該検出部材43の上縁側が取付ブラケット41の作動側の面から側方に突出形成されたストッパピン51に当接し、連動アーム50のそれ以上の上方揺動(検出部材43のそれ以上の後方揺動)が規制される。すなわち、ストッパピン51は、検出部材43及び連動アーム50の揺動範囲の一端の位置を定めている。
【0047】
左右退避部材44も、左右退避軸46の軸回り側に着脱可能に装着されたトーションバネ52等の弾性部材によって左右中途位置(具体的には左右中立位置)に付勢され、圃場面に当接させる接地部材47を、背面視で左右に傾斜させない姿勢で保持している。
【0048】
接地部材47は、前後退避軸48の軸回り側に着脱可能に装着されたトーションバネ53等の弾性部材によって、後方揺動側に付勢されている。左右退避部材44の後端部は、左右の作動側に屈曲されて規制部44aを構成している。トーションバネ53によって弾性付勢された検出部材43は規制部44aに当接してそれ以上の後方揺動が規制(禁止)され、下方に向かって後方に傾斜した検出姿勢で保持される。
【0049】
図6(A)は検出作動している状態の対地高さ検出装置の側面図であり、(B)は退避作動している状態の対地高さ検出装置の側面図である。
【0050】
走行機体2の前進走行時に接地部材47の下端部が圃場面に接地した場合、
図6(A)に示す通り、接地部材47は規制部44aとの当接によって検出姿勢に保持され、連動アーム50が、トーションバネ49の弾性力に抗して、刈取部3の対地高さに応じた位置に上下揺動され、この上下揺動位置を、対地高さ検出ポテンショメータ31によって検知することによって、該対地高さを検出する。
【0051】
また、走行機体2の後進走行時に接地部材47の下端部が圃場面に接地した場合、
図6(B)に示す通り、接地部材47が、トーションバネ53の弾性力に抗し、左右退避部材44に対して前方に揺動され、下方に向かって前方に傾斜した退避姿勢に切り替えられる。ちなみに、このようなケースにおいて、検出部材43側ではなく、接地部材47側が揺動するように、トーションバネ53よりもトーションバネ49の弾性力が大きく設定されている。
【0052】
さらに、走行機体2の左右旋回時時等、対地高さ検出装置29に対して左右方向に所定以上の力が作用した場合、左右退避部材44が、接地部材47と共に、トーションバネ52の弾性力に抗し、検出部材43に対して左右に回動して退避される。
【0053】
このような前後方向及び左右方向への退避によって、対地高さ検出装置29に対して不要な方向から所定以上の力が作用した場合でも、該対地高さ検出装置29の破損を効率的に防止できる。
【0054】
図7は対地高さ検出ポテンショメータの取付構造を示す斜視図である。
図5及び
図7に示す通り、対地高さ検出ポテンショメータ31は、本体54と、該本体54から後方に突設され且つ上下揺動作動する検出アーム56とを有している。
【0055】
取付ブラケット41の中央側には作動側孔41aが穿設され、この作動側孔41aには連動アーム50が配置されている。この作動側孔41aは、連動アーム50の上下揺動範囲に対応して扇形の形状に成形されている。
【0056】
取付ブラケット41の検出側の面には、作動側孔41aの一部を塞ぐように、板状の検出側ブラケット57が取り付け固定されている。検出ブラケット57には、検出アーム56を配置する検出側孔57aが穿設され、この検出側孔57aは、検出アーム56の上下揺動範囲対応した形状に成形されている。
【0057】
この検出側ブラケット57には、対地高さ検出ポテンショメータ31の本体54が固定される。具体的には、本体54と検出側ブラケット57の間に板状のカバー取付具58を介在させた状態で、該本体54がカバー取付具58と共に、ボルト59等で前記検出側ブラケット57に着脱可能に固定される。この際に検出アーム56が検出側孔57a側に露出させて位置させるように、カバー取付具58には露出孔58aが穿設されている。また、このカバ―固定具58には、対地高さ検出ポテンショメータ31の本体54の検出側の側方をカバーするカバー体61が着圧自在に取り付け固定される。
【0058】
この固定状態において、検出側孔57a側に位置する検出アーム56の先端側が、作動側孔41a側に位置する連動アーム50の先端側に、上側から着脱可能に当接するように、該検出アーム56の先端部には、作動側の側方に突出する当接部56aが一体的に設けられている。そして、検出アーム56は、連動アーム50との当接維持を目的として図示しない弾性部材等により下方側に弾性的に付勢され、連動アーム50の上下揺動に伴って上下揺動作動し、該連動アーム50の上下揺動位置、すなわち、刈取部3の対地高さを検出する。
【0059】
ちなみに、検出側の側方は、カバー体61によってカバーされるが、検出アーム31の作動側の側方も、別のカバー体62によってカバーされている(
図6参照)。
【0060】
なお、図示する例では、カバー体61が検出側において本体54を含む対地高さ検出ポテンショメータ61の全体をカバーしているが、このカバー体61を、検出側において、検出アーム56のみをカバーして本体54は外部に露出させるように構成してもよい。
【0061】
次に、
図4及び
図8に基づいて自動昇降制御及び自動上昇制御の構成を説明する。
【0062】
図8は、自動昇降制御及び自動上昇制御の構成を示す状態遷移図である。制御部27は、自動昇降制御及び自動上昇制御の実行が不可能な状態である制御停止状態(S1)と、自動昇降制御又は自動上昇制御の実行は可能であるが、未実行な状態である制御未実行状態(S2)と、自動昇降制御が実行されている自動昇降制御実行状態(S3)と、自動昇降制御の実行が一時的に停止された一時停止状態(S4)と、自動上昇制御が実行されている自動上昇制御実行状態(S5)と、自動上昇制御の実行が一時的に停止された一時停止状態(S6)とを有している。
【0063】
制御部27は、制御停止状態の切り替えられている際に、後述する共通条件を満たした場合には、制御未実行状態への切替を行う。この共通条件を満たした場合とは、本例では、パワークラッチスイッチ26によって前記刈取状態に切り替えられ、自動切替スイッチ25によって自動昇降制御又は自動上昇制御の何れか一方が実行可能な状態に切り替えられ、且つ、左右の各対地高さ検出装置29の対地高さ検出ポテンショメータ31の正常作動している(接続が確認できる)状態であり、これらの一部でも満たされていない場合には共通条件を満たしていない状態となる。
【0064】
一方、制御部27は、制御未実行状態と、自動昇降制御実行状態又はその一時停止状態と、自動上昇制御実行状態又はその一時停止状態との何れかの状態において、共通条件が満たされない状態になった場合には、前記制御停止状態への切替を行う。
【0065】
制御部27は、制御未実行状態の際、後述する自動昇降制御切替条件を満たしている場合、自動昇降制御実行状態への切替を行って自動昇降制御の実行を開始する。制御部27は、自動昇降制御の実行中、その旨を液晶モニタ22に表示するとともに、圃場面に凹凸や障害物がある場合でも最適な対地高さに維持されるように、対地高さ検出ポテンショメータ31の検出結果に基づき、昇降シリンダ36によって刈取部3の上昇及び下降を制御する。これによって、圃場面と刈取部3との間の距離が刈り取り作業に適した値に保持される。
【0066】
自動昇降制御切替条件を満たしている場合とは、自動切替スイッチ25によって自動昇降制御が実行可能な状態に切り替えられ、対地高さ検出装置29の接地部材47が圃場面側に接地する昇降高さである接地高さと同一又はそれよりも低い昇降高さに刈取部3が下降され、所定以上の車速(例えば、0.05m/s以上)で前進走行している状態であり、これらの一部でも満たされていない場合には自動昇降制御切替条件を満たしていない状態となる。
【0067】
本例では、前進走行を変速操作位置検出ポテンショメータ33によって検出し、車速を走行回転センサ28によって検出するが、この両方を変速操作位置検出ポテンショメータ33のみによって検出してもよい。刈取部3の昇降高さが接地高さ以下になっていることは、対地高さ検出ポテンショメータ31によって検出し、必要に応じて昇降高さ検出ポテンショメータ32の検出値を利用する。
【0068】
ちなみに、制御部27は、制御未実行状態時、トリガースイッチ23を押し操作しながらのマルチレバー21による刈取部3の下降操作を検出した場合、刈取部3を接地高さ以下の昇降高さであって且つ圃場の穀稈を刈り取り可能な昇降高さである刈高さに自動的に下降させるクリックセットが実行される。
【0069】
また、制御部27は、走行機体2の走行停止状態が走行回転センサ28又は変速操作位置検出ポテンショメータ33によって検出された場合、接地高さよりも高い昇降高さである規制高さ以下への刈取部3の下降が規制(禁止)する。この規制高さ以下への刈取部3の下降規制は、昇降高さ検出ポテンショメータ32の検出値を利用して行う。
【0070】
自動切替スイッチ25によって自動昇降制御が実行可能な状態に切り替えられている場合において、クイックセットの実行中、或いはマルチレバー21の手動操作による刈地部3が下降作動中は、自動昇降制御実行状態への切替が行われる可能性があるため、制御部27は、制御未実行状態時に刈取部3の下降作動を検出した場合には、自動昇降制御の実行前の待機状態である旨を液晶モニタ22に表示する。
【0071】
また、制御部27は、自動昇降制御実行状態時、刈取部3のマルチレバー21による手動の上昇操作を、昇降操作位置検出ポテンショメータ34によって検出した場合、制御未実行状状態への切替を行う。これに加えて、制御部27は、自動昇降制御実行状態時に、自動切替スイッチ25によって、自動上昇制御を実行可能な状態に切り替えられた場合にも、制御未実行状状態への切替を行う。
【0072】
また、制御部27は、自動昇降制御実行状態時、押し操作によってトリガースイッチ23が入状態になったことを検出した場合、自動昇降制御の実行を一時的に停止して刈取部3を昇降停止させる一時停止状態への切替を行う。一方、制御部27は、自動昇降制御の実行を一時的に停止している一時停止状態時、押し操作の解除によってトリガースイッチ23が切状態になったことを検出した場合、自動昇降制御実行状態への切替を行い、再び自動昇降制御を実行する。すなわち、トリガースイッチ23は、自動昇降制御の実行を一時的に停止させる停止操作スイッチ(停止操作手段)として機能する。
【0073】
なお、自動昇降制御の実行を一時停止する前記一時停止状態時、刈取部3のマルチレバー21による手動の下降操作が可能になるように制御部27を構成している。
【0074】
制御部27は、制御未実行状態の際、後述する自動上昇制御切替条件を満たしている場合、自動上昇制御実行状態への切替を行って自動上昇制御の実行を開始する。制御部27は、自動上昇制御の実行中、刈取部3を、昇降シリンダ36によって、接地高さよりも高い昇降高さである自動上昇位置に自動的に上昇駆動させ、その昇降高さで刈取部3を保持する。この自動上昇位置への刈取部3の上昇は、昇降高さ検出ポテンショメータ32の検出値を利用し、必要に応じて、対地高さ検出ポテンショメータ31の検出値も利用する。ちなみに、この自動上昇制御の実行中は、刈取部3の上昇駆動のみが行われ、下降駆動は行われない。
【0075】
自動上昇制御切替条件を満たしている場合とは、自動切替スイッチ25によって自動上昇制御が実行可能な状態に切り替えられ、昇降高さ検出ポテンショメータ32によって検出される刈取部3の走行機体2に対する相対的な昇降高さが所定以下であり、且つ対地高さ検出装置29の検出部材43がストッパピン51に当接する、或いは当接する直前の昇降高さである下限位置、或いはそれ以下への刈取部3が下降されている状態であり、これらの一部でも満たされていない場合には自動上昇制御切替条件を満たしていない状態となる。下限位置又はそれ以下へ刈取部3の下降は、対地高さ検出ポテンショメータ32によって検出する。
【0076】
また、制御部27は、自動上昇制御実行状態時、刈取部3のマルチレバー21による手動の上昇操作を、昇降操作位置検出ポテンショメータ34によって検出した場合、制御未実行状状態への切替を行う。これに加えて、制御部27は、自動上昇制御実行状態時に、自動切替スイッチ25によって、自動昇降制御を実行可能な状態に切り替えられた場合にも、制御未実行状状態への切替を行う。
【0077】
また、制御部27は、自動上昇制御実行状態時、押し操作によってトリガースイッチ23が入状態になったことを検出した場合、自動昇降制御の実行を一時的に停止して刈取部3の上昇を停止させる一時停止状態への切替を行う。一方、制御部27は、自動上昇制御の実行を一時的に停止している一時停止状態時、押し操作の解除によってトリガースイッチ23が切状態になったことを検出した場合、自動上昇制御実行状態への切替を行い、再び自動上昇制御を実行する。すなわち、トリガースイッチ23は、自動上昇制御の実行を一時的に停止させる停止操作スイッチ(停止操作手段)として機能する。
【0078】
なお、自動上昇制御の実行を一時停止する前記一時停止状態時、刈取部3のマルチレバー21による手動の下降操作が可能になるように制御部27を構成している。
【0079】
ちなみに、対地高さ検出ポテンショメータ31の検出結果を利用して上述した各種制御を実行するにあたり、複数の対地高さ検出装置29によって検出されたそれぞれの対地高さの内で、最も低い値になっている対地高さを、各種制御に用いる。
【0080】
以上のように構成される本コンバインによれば、自動切替スイッチ25によって自動昇降制御又は自動上昇制御の何れか一方が実行可能な状態に切り替えられ、且つ、対地高さ検出装置29の接地部材47が圃場面に接地されて上下に揺動して検出作動している場合においても、トリガースイッチ23を押し操作している最中は、自動昇降制御や自動上昇制御は実行されない。このため、走行機体2の前進走行中、倒伏している圃場の穀稈を対地高さ検出装置29が圃場面として誤検出し、刈取部3が意図せずに上昇される状況を効率的に防止できる。
【0081】
ちなみに、刈取部3を意図せずに上昇させない手段として、対地高さ検出ポテンショメータ31からの入力信号を受け付けないことや、受け付けても無視する等、様々な手段が考えられ、特定の手段に限定されない。
【0082】
また、トリガースイッチ23は、使用頻度の高いマルチレバー21を把持しながら操作可能であるため、操作性が良好になる。
【0083】
なお、
図3及び
図4に示す通り、変速レバー24の上端部に形成された把持部24aの背面側には、オルタネイト式の倒伏刈りスイッチ(実行操作手段)63が設けられている。一方、制御部27は、変速アクチュエータ38によって、引起し装置6を含む刈取部3の全体を車速連動制御の実行時と比べて高速で駆動させることによって倒伏した穀稈のスムーズな刈り取り作業を実現する倒伏刈り制御を実行可能に構成されている。
【0084】
そして、この倒伏刈りスイッチ63は押し操作毎に入切が切り替えられ、倒伏刈り制御の実行の有無の切替を行う。この倒伏刈りスイッチ63に、上述したトリガースイッチ23と同一の機能を持たせてもよい。すなわち、制御部27は、倒伏刈りスイッチ63の入状態への切替操作によって倒伏刈り制御が実行されている最中である場合、自動昇降制御又は自動上昇制御の実行を一時的に停止する一方で、倒伏刈りスイッチ63の切状態への切替操作によって倒伏刈り制御の実行が停止されている場合、自動昇降制御又は自動上昇制御の実行停止を解除し、これらの制御を再開する。
【0085】
また、
図3及び
図4に示す通り、変速レバー24の把持部24aの側部に設けられたモーメンタリ式の停止操作スイッチ(停止操作手段)64を、トリガースイッチ23と同一の機能を有する操作具として設けてもよい。この停止操作スイッチ64も、トリガースイッチ23と同様、使用頻度の高い変速レバー24の把持部24aを把持しながら操作可能であるため、操作性が良好である。
【符号の説明】
【0086】
2 走行機体
3 刈取部
6 引起し装置
21 マルチレバー(昇降レバー)
23 トリガースイッチ(停止操作手段,停止操作スイッチ)
24 変速レバー
27 制御部
29 対地高さ検出装置
31 対地高さ検出ポテンショメータ(対地高さ検出手段)
36 昇降シリンダ(昇降アクチュエータ)
47 接地部材
50 連動アーム
63 倒伏刈りスイッチ(停止操作手段,実行操作手段)