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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】光モジュール、又は電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
G06F3/042 483
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019514880
(86)(22)【出願日】2018-04-16
(86)【国際出願番号】 IB2018052613
(87)【国際公開番号】W WO2018197986
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2017089468
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】福留 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】森 英典
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕功
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092893(JP,A)
【文献】特開2006-163751(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0135359(US,A1)
【文献】特開2014-053739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光素子と、第1の光学変換素子と、第1の受光素子と、を有する光モジュールであって、
前記第1の発光素子は、複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、
前記第1の光学変換素子は、第1の光学フィルタを有し、
前記発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、
前記複数の蛍光体は、前記第1の光により励起されることで第2の光を射出する機能を有し、
前記第1の光学フィルタは、前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、
前記第2の光は、表示装置の光源としての機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第3の光を検出する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子と、前記第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有する光モジュール。
【請求項2】
光モジュールと、筐体と、表示装置と、を有し、
前記筐体は、第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、を有し、
前記表示装置は、第1の表示領域を有し、
前記第1の表示領域は、前記第1の開口部と重なるように配置され、
前記光モジュールは、第1の発光素子と、第1の光学変換素子と、第1の受光素子と、を有し、
前記第1の発光素子は、複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、
前記第1の光学変換素子は、第1の光学フィルタを有し、
前記発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、
前記複数の蛍光体は、前記第1の光により励起されることで第2の光を射出し、
前記第1の光学フィルタは、前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、
前記第2の光は、前記第1の表示領域を表示するための光源の機能を有し、
前記第2の開口部は、前記第3の光を射出するための第1の導光路の機能を有し、
前記第3の開口部は、前記第3の光が入射するための第2の導光路の機能を有し、
前記第1の表示領域の上方を通過する前記第3の光は、前記第2の開口部から前記第3の開口部に到達する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子と、前記第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有する電子機器。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示装置は、反射型液晶素子を有し、
前記光モジュールは、さらに第2の光学変換素子を有し、
前記第2の光学変換素子は、第2の光学フィルタを有し、
前記第2の光学フィルタは、前記第2の光から680nm以下の波長域の第4の光を生成する機能を有し、
前記第4の光は、前記表示装置に与えられ、
前記反射型液晶素子は、前記第4の光を反射することで前記第1の表示領域において表示を行う電子機器。
【請求項4】
請求項2において、
前記表示装置は、透過型液晶素子を有し、
前記光モジュールは、さらに第2の光学変換素子を有し、
前記第2の光学変換素子は、第2の光学フィルタを有し、
前記第2の光学フィルタは、前記第2の光から680nm以下の波長域の第4の光を生成する機能を有し、
前記透過型液晶素子は、前記第4の光を透過させることで前記第1の表示領域において表示を行う電子機器。
【請求項5】
請求項2において、
前記表示装置は、透過型液晶素子を有し、
前記透過型液晶素子は、前記第2の光を透過させることで前記第1の表示領域において表示を行う電子機器。
【請求項6】
光モジュールと、筐体と、表示装置と、を有し、
前記筐体は、第1の開口部乃至第6の開口部を有し、
前記表示装置は、第1の表示領域と、第2の表示領域と、を有し、
前記第1の表示領域は、前記第1の開口部と重なるように配置され、
前記第2の表示領域は、前記第4の開口部と重なるように配置され、
前記第1の開口部と、前記第4の開口部とは、重なるように配置され、
前記光モジュールは、第1の発光素子、第2の発光素子、第1の光学変換素子、第2の光学変換素子、第1の受光素子、及び第2の受光素子を有し、
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子は、それぞれが複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、
前記第1の光学変換素子および前記第2の光学変換素子は、それぞれが第1の光学フィルタを有し、
前記発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、
前記複数の蛍光体は、前記第1の光により励起されることで第2の光を射出し、
前記第1の光学変換素子が有する前記第1の光学フィルタは、前記第1の発光素子が発する前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、
前記第2の光学変換素子が有する前記第1の光学フィルタは、前記第2の発光素子が発する前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第4の光を生成する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子が射出する前記第3の光を検出する機能を有し、
前記第2の受光素子は、前記第2の発光素子が射出する前記第4の光を検出する機能を有し、
前記第2の開口部は、前記第3の光を射出するための第1の導光路の機能を有し、
前記第3の開口部は、前記第3の光が入射するための第2の導光路の機能を有し、
前記第1の表示領域の上方を通過する前記第3の光は、前記第2の開口部から前記第3の開口部に到達する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子と、前記第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有し、
前記第5の開口部は、前記第4の光を射出するための第3の導光路の機能を有し、
前記第6の開口部は、前記第4の光を入射するための第4の導光路の機能を有し、
前記第2の表示領域の上方を通過する前記第4の光は、前記第5の開口部から前記第6の開口部に到達する機能を有し、
前記第2の受光素子は、前記第2の発光素子と、前記第2の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有し、
前記表示装置は、透過型液晶素子を有し、
前記第2の光は、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域において表示を行うための光源の機能を有し、
前記第1の表示領域は、第1の方向に第1の画像を表示し、
前記第2の表示領域は、第2の方向に第2の画像を表示し、
前記第1の画像は、前記第2の画像と異なる電子機器。
【請求項7】
光モジュールと、筐体と、表示装置と、を有し、
前記筐体は、第1の開口部乃至第6の開口部を有し、
前記表示装置は、第1の表示領域と、第2の表示領域と、を有し、
前記第1の表示領域は、前記第1の開口部と重なるように配置され、
前記第2の表示領域は、前記第4の開口部と重なるように配置され、
前記第1の開口部と、前記第4の開口部とは、重なるように配置され、
前記光モジュールは、第1の発光素子、第2の発光素子、第1の光学変換素子、第2の光学変換素子、第1の受光素子、及び第2の受光素子を有し、
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子は、それぞれが複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、
前記第1の光学変換素子および前記第2の光学変換素子は、それぞれが第1の光学フィルタを有し、
前記発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、
前記複数の蛍光体は、前記第1の光により励起されることで第2の光を射出し、
前記第1の光学変換素子が有する前記第1の光学フィルタは、前記第1の発光素子が発する前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、
前記第2の光学変換素子が有する前記第1の光学フィルタは、前記第2の発光素子が発する前記第2の光から680nmより長い波長域を有する第4の光を生成する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子が射出する前記第3の光を検出する機能を有し、
前記第2の受光素子は、前記第2の発光素子が射出する前記第4の光を検出する機能を有し、
前記第2の開口部は、前記第3の光を射出するための第1の導光路の機能を有し、
前記第3の開口部は、前記第3の光が入射するための第2の導光路の機能を有し、
前記第1の表示領域の上方を通過する前記第3の光は、前記第2の開口部から前記第3の開口部に到達する機能を有し、
前記第1の受光素子は、前記第1の発光素子と、前記第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有し、
前記第5の開口部は、前記第4の光を射出するための第3の導光路の機能を有し、
前記第6の開口部は、前記第4の光を入射するための第4の導光路の機能を有し、
前記第2の表示領域の上方を通過する前記第4の光は、前記第5の開口部から前記第6の開口部に到達する機能を有し、
前記第2の受光素子は、前記第2の発光素子と、前記第2の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有し、
前記表示装置は、第3の発光素子を有し、
前記第3の発光素子は、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域において表示を行うための光源の機能を有し、
前記第1の表示領域は、第1の方向に第1の画像を表示し、
前記第2の表示領域は、第2の方向に第2の画像を表示し、
前記第1の画像は、前記第2の画像と鏡像対称に表示される電子機器。
【請求項8】
請求項6及び請求項7において、
前記筐体は、さらに第7の開口部を有し、
前記第7の開口部は、前記第2の光又は前記第4の光を照明として射出する機能を有する電子機器。
【請求項9】
請求項1、請求項2請求項6又は請求項7において、
前記発光ダイオードは、近紫外光を発光する機能を有し、
前記発光ダイオードは、前記蛍光体を励起することで680nmより長い波長域のいずれか一の波長の発光強度が波長域550nm乃至560nmの発光強度の平均値より大きな光を発光し、
前記複数の蛍光体は、前記発光ダイオードによって励起されることで680nm以下の波長を有する白色光を射出する電子機器。
【請求項10】
請求項において、
前記第3の発光素子は、LEDを有する電子機器。
【請求項11】
請求項において、
前記第3の発光素子は、OLEDを有する電子機器。
【請求項12】
請求項2請求項6又は請求項7において、
前記表示装置は、トランジスタを有し、前記トランジスタは、半導体層に金属酸化物を有する電子機器。
【請求項13】
請求項2請求項6又は請求項7において、
前記表示装置は、8K解像度以上の解像度を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、光モジュール、又は電子機器に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法に関する。
【0003】
なお、本明細書等において、半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる素子、回路、又は装置等を指す。一例としては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子は半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路は、半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路を備えた装置は、半導体装置である。
【背景技術】
【0004】
スマートフォン、タブレット、電子ブック、及びデジタルサイネージ等の電子機器が普及している。スマートフォン、タブレット、電子ブック、及びデジタルサイネージ等の電子機器は、利用する環境の明るさに適した表示をすることが求められている。さらに、タブレット、電子ブック、及びデジタルサイネージ等では、長時間使用できることが求められている。
【0005】
電子機器が有する表示装置は、自然光や室内照明光など、十分な明るさの外光がある環境では外光を利用する表示を行うことが好ましい。表示装置は、十分な明るさの外光を得られない環境では透過性表示素子又は発光素子を利用する表示を行うことが好ましい。表示装置は、電子機器が使用される環境に応じた駆動による低電力化が提案されている。
【0006】
さらに、表示装置は、タッチパネルを有していることが好ましい。利用者は、タッチパネルを介して電子機器が有するプログラムを起動することができる。例えば、特許文献1では、光学式タッチパネルを有する表示装置が開示されている。
【0007】
透過型表示素子を有する表示装置は、光源から与えられた光を透過して表示を行うことが知られている。光源には、冷陰極管、又はLED(Light Emitting Diode)などを含むバックライトユニットが用いられている。例えば、特許文献2では、近紫外光を発光する発光ダイオードの光エネルギーによって蛍光体が励起することで白色光を得る発光装置が開示されている。近紫外光によって励起されることで、赤色を発光する蛍光体は、700nm以上の波長域でピークを含むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2013-92893号公報
【文献】特開2005-294288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電子機器が大型化すると、タッチパネルの時定数(配線抵抗、寄生容量など)が大きくなる。タッチ検出精度は、時定数が大きくなることでSN比が低下する問題がある。さらに、時定数の増大は、タッチパネルの駆動周波数を低下させる。したがって、時定数が増大すると、タッチパネルの応答精度が低下するという問題が起こる。
【0010】
外光を利用して表示を行う方法の一つが反射型液晶表示装置を用いることである。反射型液晶表示装置は、バックライトユニットを必要としないため消費電力が小さいが、明るい外光が得られる場所でないと良好な表示を行えないという課題がある。透過型液晶表示装置は、バックライトユニットから光を与えられることで良好な表示を行うことができるが、バックライトユニットが大きな電力を消費するという課題がある。
【0011】
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、新規な構成の電子機器を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、新規な光学式タッチセンサを提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減させる電子機器を提供することを課題の一とする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【0013】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、第1の発光素子と、第1の光学変換素子と、第1の受光素子と、を有する光モジュールであって、第1の発光素子は、複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、第1の光学変換素子は、第1の光学フィルタを有し、発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、複数の蛍光体は、第1の光により励起されることで第2の光を射出し、第1の光学フィルタは、第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、第2の光は、光源としての機能を有し、第1の受光素子は、第3の光を検出する機能を有し、第1の受光素子は、第1の発光素子と第1の受光素子とを結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有することを特徴とする光モジュールである。
【0015】
本発明の一態様の電子機器は、光モジュールと、筐体と、表示装置と、を有し、筐体は、第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、を有し、表示装置は、第1の表示領域を有し、第1の表示領域は、第1の開口部と重なるように配置され、光モジュールは、第1の発光素子と、第1の光学変換素子と、第1の受光素子と、を有し、第1の発光素子は、複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、第1の光学変換素子は、第1の光学フィルタを有し、発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、複数の蛍光体は、第1の光により励起されることで第2の光を射出し、第1の光学フィルタは、第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、第2の光は、第1の表示領域を表示するための光源の機能を有し、第2の開口部は、第3の光を射出するための第1の導光路の機能を有し、第3の開口部は、第3の光が入射するための第2の導光路の機能を有し、第1の表示領域の上方を通過する第3の光は、第2の開口部から第3の開口部に到達する機能を有し、第1の受光素子は、第1の発光素子と、第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能することを特徴とする電子機器である。
【0016】
上記構成において、表示装置は、反射型液晶素子を有し、第1の光学変換素子は、さらに、第2の光学フィルタを有し、第2の光学フィルタは、第2の光から680nm以下の波長域の第4の光を生成する機能を有し、第4の光は、表示装置に与えられ、反射型液晶素子は、第4の光を反射することで第1の表示領域において表示を行うことを特徴とする電子機器が好ましい。
【0017】
上記構成において、表示装置は、透過型液晶素子を有し、透過型液晶素子は、第4の光を透過させることで第1の表示領域において表示を行うことを特徴とする電子機器が好ましい。
【0018】
上記構成において、透過型液晶素子は、第2の光を透過させることで第1の表示領域において表示を行うことを特徴とする電子機器が好ましい。
【0019】
本発明の一態様の電子機器は、光モジュールと、筐体と、表示装置と、を有し、筐体は、第1の開口部乃至第6の開口部を有し、表示装置は、第1の表示領域と、第2の表示領域と、を有し、第1の表示領域は、第1の開口部と重なるように配置され、第2の表示領域は、第4の開口部と重なるように配置され、第1の開口部と、第4の開口部とは、重なるように配置され、光モジュールは、第1の発光素子、第2の発光素子、第1の光学変換素子、第2の光学変換素子、第1の受光素子、及び第2の受光素子を有し、第1の発光素子および第2の発光素子は、それぞれが複数の蛍光体と、発光ダイオードと、を有し、第1の光学変換素子および第2の光学変換素子は、それぞれが第1の光学フィルタを有し、発光ダイオードは、第1の光を射出する機能を有し、複数の蛍光体は、第1の光により励起されることで第2の光を射出し、第1の光学変換素子が有する第1の光学フィルタは、前記第1の発光素子が発する第2の光から680nmより長い波長域を有する第3の光を生成する機能を有し、第2の光学変換素子が有する第1の光学フィルタは、前記第2の発光素子が発する第2の光から680nmより長い波長域を有する第4の光を生成する機能を有し、第2の光は、第1の表示領域と第2の表示領域において表示を行うための光源の機能を有し、第1の受光素子は、第1の発光素子が射出する第3の光を検出する機能を有し、第2の受光素子は、第2の発光素子が射出する第4の光を検出する機能を有し、第2の開口部は、第3の光を射出するための第1の導光路の機能を有し、第3の開口部は、第3の光が入射するための第2の導光路の機能を有し、第1の表示領域の上方を通過する第3の光は、第2の開口部から第3の開口部に到達する機能を有し、第1の受光素子は、第1の発光素子と、第1の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を有し、第5の開口部は、第4の光を射出するための第3の導光路の機能を有し、第6の開口部は、第4の光を入射するための第4の導光路の機能を有し、第2の表示領域の上方を通過する第4の光は、第5の開口部から第6の開口部に到達する機能を有し、第2の受光素子は、第2の発光素子と、第2の受光素子と、を結ぶ光路に遮蔽物が存在することを検出するセンサとしての機能を特徴とする電子機器である。
【0020】
上記構成において、表示装置は、透過型液晶素子を有し、第2の光は、第1の表示領域と第2の表示領域において表示を行うための光源の機能を有し、第1の表示領域は、第1の方向に第1の画像を表示し、第2の表示領域は、第2の方向に第2の画像を表示し、第1の画像は、第2の画像と異なることを特徴とする電子機器。
【0021】
上記構成において、表示装置は、第3の発光素子を有し、第3の発光素子は、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域において表示を行うための光源の機能を有し、第1の表示領域は、第1の方向に第1の画像を表示し、第2の表示領域は、第2の方向に第2の画像を表示し、第1の画像は、第2の画像と鏡像対称に表示されることを特徴とする電子機器。
【0022】
上記構成において、筐体は、さらに第7の開口部を有し、第7の開口部は、第2の光又は第4の光を照明として射出する機能を有することを特徴とする電子機器が好ましい。
【0023】
上記構成において、発光ダイオードは、近紫外光を発光する機能を有し、発光ダイオードは、蛍光体を励起することで680nmより長い波長域のいずれか一の波長の発光強度が波長域550nm乃至560nmの発光強度の平均値より大きな光を発光し、複数の蛍光体は、発光ダイオードによって励起されることで680nm以下の波長を有する白色光を射出することを特徴とする電子機器が好ましい。
【0024】
上記構成において、第3の発光素子は、LEDを有することを特徴とする電子機器が好ましい。
【0025】
上記構成において、第3の発光素子は、OLEDを有することを特徴とする電子機器が好ましい。
【0026】
上記構成において、表示装置は、トランジスタを有し、トランジスタは、半導体層に金属酸化物を有する電子機器が好ましい。
【0027】
上記構成において、表示装置は、8K解像度以上の解像度を有することを特徴とする電子機器が好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様は、新規な構成の電子機器を提供することができる。又は、本発明の一態様は、新規な光学式タッチセンサを提供することができる。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減させる電子機器を提供することができる。
【0029】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。したがって本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】(A)電子機器を説明する図。(B)電子機器の構成を説明する断面図。
図2】(A)電子機器の構成を説明する断面図。(B)光モジュールを説明する構成図。
図3】光モジュールを説明する構成図。
図4】(A)電子機器の構成を説明する断面図。(B)光モジュールを説明する構成図。
図5】(A)電子機器の構成を説明する断面図。(B)光モジュールを説明する構成図。
図6】電子機器を説明する図。
図7】(A)電子機器の構成を説明する断面図。(B)表示装置の構成を説明する図。
図8】表示装置の構成を説明する図。
図9】表示装置の構成を説明する図。
図10】表示装置の構成を説明する図。
図11】表示装置の構成を説明する図。
図12】表示装置の構成を説明する図。
図13】トランジスタの構成を説明する図。
図14】レーザ照射方法及びレーザ結晶化装置を説明する図。
図15】レーザ照射方法を説明する図。
図16】電子機器を説明する図。
図17】電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0032】
また、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層やレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、発明の理解を容易とするため、図に反映しないことがある。
【0033】
また、特に上面図(「平面図」ともいう。)や斜視図などにおいて、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
【0034】
本明細書等において、「第1」、「第2」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順又は積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において付された序数詞と、特許請求の範囲において付された序数詞が異なる場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
【0035】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって設けられている場合なども含む。
【0036】
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル形成領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
【0037】
また、本明細書等に示すトランジスタは、特に断りがない場合、エンハンスメント型(ノーマリーオフ型)の電界効果トランジスタとする。また、本明細書等に示すトランジスタは、特に断りがない場合、nチャネル型のトランジスタとする。よって、そのしきい値電圧(「Vth」ともいう。)は、特に断りがない場合、0Vよりも大きいものとする。
【0038】
なお、本明細書等において、バックゲートを有するトランジスタのVthとは、特に断りがない場合、バックゲートの電位をソース又はゲートと同電位としたときのVthをいう。
【0039】
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ソースを基準とした時のゲートとソースの間の電位差(以下、「Vg」ともいう。)がしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、Vgがしきい値電圧(以下、「Vth」ともいう。)よりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
【0040】
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
【0041】
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
【0042】
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
【0043】
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に記載されているものとする。
【0044】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
【0045】
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して設けられている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0046】
また、本明細書において、「平行」とは、明示されている場合を除き、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、明示されている場合を除き、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」及び「直交」とは、明示されている場合を除き、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、明示されている場合を除き、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
【0047】
なお、本明細書等において、計数値及び計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」又は「均一」(これらの同意語を含む)などと言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
【0048】
(実施の形態1)
本実施の形態では、新規な光モジュールを用いた電子機器について、図1乃至図6を用いて説明する。
【0049】
図1(A)及び(B)は、電子機器100を示している。図1(A)は、電子機器100の上面図であり、図1(B)は、電子機器100がX-X’で切断された断面図である。電子機器100は、光モジュール120、筐体112、プリント基板116、及び表示装置130を有している。
【0050】
筐体112は、筐体112aと、筐体112bとを有している。筐体112aは、開口部111、開口部111a、及び開口部111bを有している。図1(A)は、電子機器100の上面図のため、筐体112aが示されている。表示装置130は、光学層117、TFT層118、及び偏光層119を有している。
【0051】
光モジュール120は、導光路113a、導光路113b、発光素子114、受光素子115、光学変換素子120a、光学変換素子120b、光学変換素子120c、ミラーM1、ミラーM2、ミラーM3、及びミラーM4を有している。プリント基板116には、発光素子114、受光素子115、及び表示装置130の制御ICなどが実装されていることが好ましい。また、表示装置130の表示面130aは、開口部111と重なるように配置されることが好ましい。また、開口部111aは、開口部111bと対をなす位置に配置されていることが好ましい。筐体112aは、導光路113a及び導光路113bを含む構成でもよい。
【0052】
発光素子は、発光ダイオードと、複数の蛍光体と、を有している。発光ダイオードが射出する光が複数の蛍光体を励起することで白色光を射出することが知られている。発光ダイオードが射出する光によって励起された蛍光体が射出する白色光は、680nmより長い波長域のいずれか一の波長の発光強度が、波長域550nm乃至560nmの発光強度の平均強度より大きいことが好ましい。一例として、特許文献2(特開2005-294288号公報)では、近紫外光の発光ダイオードが複数の蛍光体を励起し、励起された複数の蛍光体が白色光を射出する発光素子が開示されている。
【0053】
光L1は、発光ダイオードによって励起される蛍光体が射出する白色光であり、680nmより長い波長成分を含んでいる。なお、680nmより長い波長域を有する光は、最大視感度に対して約1000分の1以下の発光強度で認識されるため、多くの人には認識されない波長域の光であることが知られている。
【0054】
光L1は、導光路113a内に配置された光学変換素子120a及び光学変換素子120bを通過することで、光L2及び光L3に分光される。光L2は、680nmより長い波長成分を含む近赤外光である。光L3は、680nm以下の波長成分を含む白色光である。
【0055】
発光素子114及び受光素子115は、表示装置130と重なるように配置されたプリント基板116に配置されることが好ましい。プリント基板116は、表示面130aと筐体112bの間に配置されていることが好ましい。光L1の進行方向は、導光路113a及び導光路113b内に配置されたミラーM1乃至ミラーM4によって制御することができる。よって、受光素子115は、発光素子114から射出する光を受光することができる。
【0056】
ミラーM1は、光L1の進行方向を90度変えることができる。次に、光L1は、光学変換素子120aによって光L1と光L3とが分光される。光L1は、さらに直進しミラーM2によって進行方向を90度変えることができる。光L1は、光学変換素子120bによって680nmより長い波長成分を含む光L2に分光される。
【0057】
光L1は、光学変換素子120aが有するミラーによって進行方向を90度変えることができる。光L1は、光学変換素子120aが有する光学フィルタによって680nm以下の波長成分を含む光L3に分光される。光L3は、表示装置に与えられ、表示装置の光源として利用することができる。
【0058】
光L2は、開口部111aから表示面130aと平行に射出される。光L2は、表示面130aの上方を通過し、開口部111bに入射する。開口部111bに入射する光L2は、ミラーM3によって進行方向を90度変えられる。さらに光L2は、ミラーM4によって進行方向を90度変えられ受光素子115に与えられる。よって、受光素子115は、光L2の受光の有無を検出することができる。
【0059】
光学変換素子120bは、ミラーM2と開口部111aとの間に配置されることが好ましい。また、光学変換素子120cは、開口部111bとミラーM3との間に配置されることが好ましい。光学変換素子120b及び光学変換素子120cは、光L2に求められる波長域の光のみを透過させることで、それ以外の波長域の光(例えば、外光など)を除去することができる。
【0060】
図2では、光モジュール120の説明をする。図2(A)では、図1(B)の筐体112a及び筐体112bの表示を省略している。図2(B)では、光学変換素子120aが透光性を有する基板123、ミラーHM、及び光学フィルタFIRCを有し、光学変換素子120bは、光学フィルタFIRを有する例を示している。また、光学変換素子120bは、開口部111aの近傍に配置されていることが好ましい。ただし、光学変換素子120bは、必ずしも設けなくてもよい。
【0061】
まず、図2(B)の表示装置130について説明する。表示装置130は、一例として、半透過型液晶表示装置の構成を有している。半透過型液晶表示装置は、外光の明るさに応じて表示の輝度が変化するため視認性に優れている。特に太陽光の下では、視認性が優れた特徴を有している。外光が十分でない屋内、夕方、夜間等の屋外、又は蛍光灯の下では、透過光による表示を行うことで視認性の低下を抑えることができる。ただし、半透過型液晶表示装置では、反射光を用いて表示するために開口率が小さくなるため十分な輝度で表示することが難しい。なお、反射光を用いて表示するとき、又は透過光を用いて表示するときの表示素子は、液晶素子を用いることが好ましい。ただし、表示装置130は、透過型液晶表示装置でもよい。
【0062】
表示装置130は、光学層117、TFT層118、偏光層119を有している。光学層117は、反射層117a、導光層117b、及び拡散層117cを有している。TFT層118は、TFT層118a、液晶層118b、及びCF層118cを有している。なお、異なる例として、拡散層117cとTFT層118aとの間に、偏光層119a(図中では表記せず)を設けてもよい。
【0063】
例えば、TNモードの液晶表示装置では、複数の偏光板を設けることが知られている。したがって、偏光層119は、表示装置の表示モードによって最適な必要数が選択されることが好ましい。また液晶表示装置の駆動方法は、TNモードに限らず、FFSモード、VAモード、OCBモード等の公知の駆動方法を適用することができる。
【0064】
図2(B)では、光モジュール120の光を射出する側について説明する。ただし、説明を簡略化するために導光路113aは非表示とする。また、光モジュール120の光を受光する側については、図2(A)を用いて説明する。
【0065】
光モジュール120の光を射出する側は、発光素子114、光学変換素子120a、光学変換素子120b、ミラーM1、ミラーM2、及びレンズ124を有している。発光素子114は、発光ダイオード121、蛍光体122a、蛍光体122b、及び蛍光体122cを有している。蛍光体122a乃至蛍光体122cは、励起されるとそれぞれが異なる波長の光を射出する機能を有していることが好ましい。
【0066】
光モジュール120の光を受光する側は、受光素子115、光学変換素子120c、ミラーM3、及びミラーM4を有している。
【0067】
それぞれの蛍光体から射出される異なる波長の光は、合成されることによって白色光となるように、蛍光体の大きさが調整されることが好ましい。また、合成された白色光は、色ムラが発生しないように、蛍光体122a乃至蛍光体122cを配置することが好ましい。一例として、蛍光体122a乃至蛍光体122cは、タイル状に配置することができる。
【0068】
図2(A)で示すように、光L1は、ミラーM1乃至ミラーM4によって進行方向が制御される。ミラーM1乃至ミラーM4は光L1が受光素子に入射するように配置されることが好ましい。図2(A)では、光の入射方向に対して45度の角度で配置されたミラーM1乃至ミラーM4によって光の進行方向が制御されている。光学変換素子120aは、ミラーM1とミラーM2と間に配置されていることが好ましい。
【0069】
光学変換素子120aが有する基板123は、ミラーHMによって50%の面積が光L1を反射する光学特性を有している。基板123は、光L1の入射方向に対して45度の角度で配置されることが好ましい。また、基板123の残り50%の面積は、光L1を透過する光学特性を有している。ミラーHMは、反射率が高いアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)のいずれかを主成分とする金属膜で形成されていることが好ましい。
【0070】
図2(B)では、説明を簡単にするため等間隔に配置されたミラーHMによって50%の面積が光L1を反射し、残り50%の面積が透過して直進する例を示している。ミラーHMは、タイル状に交互に並べてもよいし、ストライプ状に交互に配置してもよい。
【0071】
ミラーHMは、基板123の光L1が入射する側と反対側に配置されていることが好ましい。入射する光L1の反射面は、基板123と、ミラーHMとが密着することによって形成されることが好ましい。密着とは、反射面が均一な状態でミラーHMが基板123の上に空間や隙間がなく形成されている状態を示している。このような構成において、ミラーHMの酸化等の影響により反射面の反射率が低下するのを防ぐことができる。また、ミラーM1乃至ミラーM4は、光L1が入射する側と反対側に反射面が配置されていることが好ましい。
【0072】
基板123に入射する光L1は、ミラーHMが配置された50%の面積で光が反射され光学フィルタFIRCに与えられる。光学フィルタFIRCは、680nm以下の波長域の光L3を透過させることができる。したがって、光L3は、680nm以下の波長域の白色光になる。光L3は、レンズ124によって集光され導光層117bに与えられ、表示装置の透過光の光源として機能することができる。ミラーHMが配置された50%の面積が光を反射する例を示しているが、光L1がミラーHMによって反射する面積は50%に限定されない。表示装置は、光源として必要な光量に応じて反射する面積が設定されることが好ましい。ただし、表示装置の光源として680nmより長い波長成分を含んでもよいときは、光学フィルタFIRCを設けなくてもよい。
【0073】
次に、光L2を受光する側について図2(A)を用いて説明する。開口部111bには、光L2以外にも外光が入射することがある。よって、光学変換素子120cは、開口部111bから入射する光から680nm以下の波長域の光を除去する機能を有していることが好ましい。したがって、光学変換素子120cは、光学フィルタFIRを有していることが好ましい。また、光学変換素子120cは、開口部111bの近傍に配置されていることが好ましい。
【0074】
光L2を用いることで、表示面130a上の光路を遮断する障害物を検出することができる。さらに詳細に説明すると、電子機器100は、利用者が表示面130aを指又はスタイラスなどの道具を用いて触れることで光L2の光路が遮断され、受光素子115が光L2を検出できなくなる。つまり、光モジュール120は、同じ発光素子114を用いて、表示装置の光源として光L3を与える機能と、光学式タッチ検出を可能とする光L2を与える機能とを実現している。
【0075】
表示装置130は、太陽光などの強い外光の下で使用されるとき外光を主の光源として表示を行うことができる。また、夕方、夜間、屋内などの外光の強さが十分でないときは、光L3を主の光源として表示をすることができる。さらに光L2を用いてタッチ検出を行うことができる。電子機器100は、光学式タッチ検出用光源と、表示装置130の光源とを一つの光源から得ることができる。したがって、電子機器100は、使用される環境によらず消費電力を低減することができる。
【0076】
また、表示装置130は、表示装置130が大型化することで配線抵抗及び寄生容量が大きくなり時定数が増大する。静電容量方式、又は抵抗膜方式のタッチセンサでは、時定数の増大により検出信号が小さくなる問題がある。つまり時定数の増大は、SN比(signal-to-noise ratio)を低下させる。ただし、光学式タッチ検出であれば、表示装置130が大型化してもSN比の低下を抑えることができる。
【0077】
図3では、図2と異なる光モジュール120について示す。図3では、光学フィルタFIRC及び光学フィルタFIRが複数の蛍光体122a乃至蛍光体122cを備えた例を示している。
【0078】
発光素子114は、発光ダイオード121を有し、近紫外の波長成分を有する光L0を射出する。光L0は、ミラーM1及び光学変換素子120aのミラーHMで光の進行方向が制御され、光学フィルタFIRCに与えられる。光L0は、蛍光体122a乃至蛍光体122cを励起することができる。励起された蛍光体122a乃至蛍光体122cは、光L1を射出する。光学フィルタFIRCは、光L1の680nmより長い波長の光を遮断し、680nm以下の波長域の光L3を射出することができる。光L3は、レンズ124に与えられ、レンズ124によって集光された光は、表示装置130の光源として機能することができる。
【0079】
また、光L0は、ミラーM1、及びミラーM2で光の進行方向が制御され光学フィルタFIRに与えられる。光L0は、光学変換素子120bが有するそれぞれの蛍光体122a乃至蛍光体122cを励起することができる。励起された蛍光体122a乃至蛍光体122cは、光L1を射出する。光学フィルタFIRは、680nm以下の光を遮断し、680nmより長い波長域の光L2を射出することができる。
【0080】
光モジュール120の光を受光する側については、既に図2で説明されているため省略する。
【0081】
光学フィルタFIRC及び光学フィルタFIRが、複数の蛍光体122a乃至122cを備えることで、ミラーM1、ミラーM2、及び基板123の材質による光吸収の影響による光エネルギーの損失を低減することができる。ミラーM1、ミラーM2、及び基板123の材質には、光L0が吸収されない材料を用いることが好ましい。光L0は、400nm以下の波長成分を有していることが好ましい。
【0082】
図4(A)及び(B)では、光L3が表示装置130の異なる光源として用いられる例を示している。例として、表示装置130は、反射型液晶表示装置である。図2の表示装置130と異なり、光学層117が、TFT層118の上方に配置されている。つまり、光L3は、導光層117bに与えられ、導光層117bの下方に位置する拡散層117cは、光L3を拡散することができる。拡散された光L3は、TFT層118の反射電極によって反射され、反射した光L3は、液晶層118bを透過することで表示面130aに表示するための光源として機能することができる。なお、図4(A)では、図1(B)の筐体112a及び筐体112bの表示を省略している。
【0083】
図4で示す表示装置130は、表示装置130に入射する外光を反射することで表示することができる。さらに、光L3を表示装置130の側面から入射させることで表示をすることができる。つまり、図4では、外光及び光L3を反射電極によって反射させて表示を行うことができる。したがって、図4で示す反射型液晶表示装置は、外光だけでなく光L3も反射電極で反射させて表示に用いることができるため、光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、光L2を、表示面130aのタッチ検出に用いることができる。
【0084】
図5(A)で示す電子機器100aは、図1の電子機器100とは異なる構成を有している。図5(A)は、表示装置131と、光モジュール125とを有している。光モジュール125は、導光路113c、導光路113d、ミラーM5、ミラーM6、発光素子114a、発光素子114b、受光素子115a、受光素子115b、複数の光学変換素子120b、及び開口部111a乃至開口部111fを有している。なお、図5(A)では、図1(B)の筐体112a及び筐体112bの表示を省略している。
【0085】
表示装置131は、TFT層118を有し、TFT層118は、図中では表示していないが発光素子118dを有している。発光素子118dは、OLED又はLEDであることが好ましい。表示装置131は、表示面131aと、表示面131bとを有している。表示装置131が有する発光素子118dは、表示面131aと、表示面131bとに表示ができることが好ましい。また表示面131aと、表示面131bとに表示する表示画像は、同じ発光素子118dによって表示されるため、表示内容が鏡像対称に表示されることが好ましい。
【0086】
つまり、電子機器100aにおいて、表示装置131が表裏に鏡像対称の画像を表示することができる。表示装置131は、上述した表示装置131の構成で静電容量方式のタッチパネルを備えると、表示面131aのタッチ検出が表示面131bのタッチ検出に影響し誤って検出することがある。
【0087】
図5(A)及び(B)では、表示面131aのタッチ検出が表示面131bのタッチ検出に影響しない光モジュール125について説明する。光モジュール125は、第1の構成と、第2の構成を有している。第1の構成は、表示面131aのタッチ検出機能を有し、第2の構成は、表示面131bのタッチ検出機能を有している。第2の構成は、第1の構成と同様の構造を有する。
【0088】
図5(B)では、第1の構成における光を射出する側について説明する。第1の構成の光を受光する側については、図5(A)を用いて説明する。第1の構成は、ミラーM5、発光素子114a、受光素子115a、光学変換素子120b、光学変換素子120c、開口部111a、開口部111b、及び開口部111eを有している。光学変換素子120b、及び光学変換素子120cは、光学フィルタFIRを有している。
【0089】
発光素子114aは、光L1を射出する機能を有している。光L1は、ミラーM5に入射し、ミラーM5の50%の面積は光L1を反射し開口部111eに射出される。光L1の残りの50%は、そのまま透過して直進する。光学フィルタFIRは、入射した光L1の680nm以下の波長成分を遮断し、680nmより長い波長域の光L2に変換することができる。光L2は、表示面131aの上方を通過し、開口部111bに入射する。光学フィルタFIRに入射した光L2は、680nm以下の波長成分が除去され受光素子115に与えられる。
【0090】
さらに、開口部111eから射出する光は、電子機器100aの周囲を照らす照明光として使用することができる。ミラーM5は、ミラーM5の50%の面積が光を反射し、残りの光を透過させる例を示しているが、光が反射する面積は、50%に限定されない。電子機器100aは、照明光の光源として必要な光量に応じて反射する面積が設定されることが好ましい。
【0091】
光モジュール125は、第1の構成により表示面131aのタッチ検出機能と、第2の構成により表示面131bのタッチ検出機能と、を提供することができる。図5(A)の構成であれば、表示面131aがタッチされているときに、表示面131bがタッチされても、同時にタッチの有無を検出することができる。なお、第1の構成によるタッチ検出は、第2の構成とは独立して制御されるため、表示面131bのタッチの有無が影響しない。表示装置131は、大型化により時定数が増大しても、タッチの有無を良好に検出することができる。
【0092】
図5(A)の構成は、一例として、空間の仕切り(扉、窓、壁、部屋、机のパーテーション)などに組み込むことができる。さらに、表示装置131は、TFT層に形成される画素内に光が透過する領域を設けることで、表示装置131の反対側を視認できる透明な表示装置とすることができる。
【0093】
図6で示す電子機器100は、開口部111a及び開口部111bが図1と異なる配置の例を示している。図6は、開口部111aから射出した光L2が開口部111bに入射する方向が偶数番目と奇数番目で異なっている。よって、光学変換素子などの構成部品は、例えば偶数番目と奇数番目で配置を逆にすることで部品の実装領域を確保することができる。また、偶数番目を数字の小さい行から昇順でタッチ検出し、奇数番目を数字の大きい行から降順でタッチ検出することで、タッチ検出の応答性を向上させることができる。さらに、光L1又は光L3は、表示装置130の光源として利用できる。もしくは、電子機器100の照明に用いてもよい。
【0094】
図7(A)で示す電子機器100bは、図5の電子機器100aとは異なる構成を有している。図7(A)は、表示装置132が半透過型液晶表示装置を有している。図7(B)では、表示装置132の構成を示している。表示装置132は、表示面132aと、表示面132bとを有している。
【0095】
表示面132aは、TFT層118eによって表示が更新され、表示面132bは、TFT層118fによって表示が更新される。表示面132a及び表示面132bは、共通の光学層17に与えられる光L3を光源として透過光による表示をすることができる。図5の電子機器100aと異なる点は、表示面132aが表示面132bとは異なる表示を行うことができる点である。
【0096】
図7では、図5と同じように光モジュール125が第1の構成と第2の構成とを有した例をしているが、光L2は、光L4と異なる方向で射出することが好ましい。光L2は、光L4と異なる方向で射出することで、光学層117の導光層117bには、異なる方向から光L3が与えられる。したがって、表示に用いる光源の輝度を大きくすることができる。さらに、表示面132a又は表示面132bは、向かい合う方向から光学層に光L3を与えることで、表示装置132が大型化しても、表示領域の輝度の均一性の低下を抑えることができる。
【0097】
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。又は、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態及び他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、電子機器に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、又は、状況に応じて、本発明の一態様は、電子機器に適用しなくてもよい。
【0098】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
【0099】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。
【0100】
本発明の一態様は、複数の画素がマトリクス状に配列した表示領域(画素部ともいう)を備える表示装置である。説明を簡略化するために、実施の形態1の表示装置は、透過型液晶表示装置として説明する。画素部には、選択信号が供給される配線(ゲート線、または走査線ともいう)と、画素に書き込む信号(ビデオ信号等ともいう)が供給される配線(ソース線、信号線、データ線等ともいう)が、それぞれ複数設けられる。ここで、ゲート線同士、及びソース線同士は、それぞれ互いに平行に設けられ、ゲート線とソース線とは互いに交差する。
【0101】
1つの画素は、少なくとも1つのトランジスタと、1つの表示素子と、を備える。表示素子は画素電極として機能する導電層を有し、当該導電層は、トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続する。また、トランジスタは、ゲートがゲート線と電気的に接続し、ソース又はドレインの他方がソース線と電気的に接続する。
【0102】
ここで、ゲート線の延伸方向を行方向又は第1の方向とし、ソース線の延伸方向を列方向又は第2の方向と呼ぶこととする。
【0103】
ここで、隣接する2本以上のゲート線には、同じ選択信号が供給されることが好ましい。すなわち、これらゲート線の選択期間が同一となることが好ましい。ここでは3本のゲート線を一組にした例を用いて説明をする。ただし、ゲート線の選択期間が同一となるゲート線の数は、ゲート線3本一組に限定されず、ゲート線4本一組にしてもよい。また、それ以上の本数のゲート線を一組にしてもよいでもよい。
【0104】
3本のゲート線に同じ選択信号が供給される場合、列方向に隣接する3つの画素が同時に選択される。そのため、これら3つの画素には、それぞれ異なるソース線を接続する構成とする。すなわち、列ごとに3本のソース線が配列した構成とする。
【0105】
例えば3本のソース線のうち、中央に位置するソース線を、画素電極として機能する導電層と重ねて配置することが好ましい。これにより、画素電極間の距離を小さくすることができる。
【0106】
さらに、3本のソース線のうち、外側に位置するソース線と、中央に位置するソース線との間に、トランジスタの半導体層の一部が設けられる構成とすることが好ましい。例えば第1乃至第3のソース線がこの順で配列する場合、第1のソース線と接続するトランジスタ及び第2のソース線と接続するトランジスタの半導体層の一部が、第1のソース線と第2のソース線の間に位置する構成とする。さらに、第3のソース線と接続するトランジスタの半導体層の一部が、第2のソース線と第3のソース線の間に位置する構成とする。これにより、各ソース線と各半導体層との間のノードが、他のソース線と交差しない構成とすることができる。そのため、ソース線間の寄生容量を低減することができる。
【0107】
このような構成とすることで、一水平期間を従来よりも長くすることができる。例えば3本のゲート線に同じ選択信号が供給される場合では、一水平期間の長さを3倍にすることができる。さらに、ソース線間の寄生容量を低減できるため、ソース線の負荷を低減することができる。これにより、解像度が4Kや8Kなどといった極めて高解像度の表示装置であっても、電界効果移動度の低いトランジスタを用いて動作させることが可能となる。また、画面サイズが対角50インチ以上、対角60インチ以上、又は対角70インチ以上の大型の表示装置にも適用することが可能となる。
【0108】
以下では、表示装置のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
【0109】
[表示装置の構成例]
図8に、本発明の一態様の表示装置1100のブロック図を示している。表示装置1100は、画素領域(表示領域、Pixel Area)と、ソースドライバ(Source Driver)と、ゲートドライバ(Gate Driver)と、を備える。
【0110】
図8では、画素領域を挟んで2つのゲートドライバを有する例を示している。これら2つのゲートドライバには、複数のゲート線GLが接続される。図8には、i番目のゲート線GL(i)を示している。ゲート線GL(i)は、3本のゲート線(ゲート線GL(i)、ゲート線GL(i+1)、ゲート線GL(i+2))と電気的に接続されている例を示している。したがって、これら3本のゲート線には同じ選択信号が与えられる。
【0111】
ソースドライバには、複数のソース線が接続される。ソース線は1つの画素列に対して3本設けられている。図8では、j番目の画素列に対応する3本のソース線(ソース線SL(j)、ソース線SL(j)、ソース線SL(j))と、j+1番目の画素列に対応する3本のソース線(ソース線SL(j+1)、ソース線SL(j+1)、ソース線SL(j+1))を示している。
【0112】
1つの画素PIXは、少なくとも1つのトランジスタと、表示素子の画素電極として機能する1つの導電層21を有する。画素PIXは1つの色に対応する画素である。したがって、複数の画素が呈する光の混色を利用してカラー表示を行う場合には、画素PIXを副画素とも呼ぶことができる。
【0113】
また、列方向に配列する複数の画素は、それぞれ同じ色を呈する画素であることが好ましい。表示素子として液晶素子を用いる場合には、列方向に配列する画素には、液晶素子と重ねて同じ色の光を透過する着色層を設ける構成とする。
【0114】
ここで、1つの画素列に対応する3本のソース線のうち、中央に位置するソース線(ソース線SL(j))の一部が、導電層21と重畳することが好ましい。さらに、ソース線SL(j)を、他のソース線と離間して導電層21の中央部に配置することが好ましい。例えば、ソース線SL(j)とソース線SL(j)の間隔と、ソース線SL(j)とソース線SL(j)の間隔とが、概略等間隔になるように配置することが好ましい。これにより、より効果的にソース線間に生じる寄生容量を低減し、ソース線1本当たりの負荷を低減することができる。
【0115】
ここで、電界効果移動度を高めることが困難なアモルファスシリコンなどのトランジスタを適用する際、高解像度化を実現する方法として、表示装置の表示領域を複数の画素領域に分割して駆動する方法が挙げられる。しかし上記方法の場合、駆動回路の特性ばらつきなどにより、分割された画素領域の境界部が視認されてしまい、視認性が低下してしまう場合がある。また、入力される画像データを、あらかじめ分割するための画像処理などが必要となり、高速且つ大規模な画像処理装置が必要になる。
【0116】
一方、本発明の一態様の表示装置は、電界効果移動度が比較的低いトランジスタを用いた場合であっても、表示領域を分割することなく駆動することが可能となる。
【0117】
図8では、画素領域の一方の辺に沿ってソースドライバを配置した例を示したが、画素領域の対向する2辺に沿って、画素領域を挟むようにソースドライバを配置してもよい。
【0118】
図9では、画素領域に設けられる複数のソース線のうち、奇数番目と接続するソースドライバIC(Source Driver IC)と、偶数番目と接続するソースドライバICとを、それぞれ対向して配置した例を示している。すなわち、行方向に配列する複数のソース線は、交互に異なるソースドライバICと接続する構成とする。図9では、ソース線SL(j)及びソース線SL(j)が上側に位置するソースドライバICと接続し、ソース線SL(j)が下側に位置するソースドライバICと接続する例を示している。このような構成とすることで、大型の表示装置であっても配線抵抗に起因した電位降下に伴う表示ムラを軽減することができる。また、図9の構成とすることにより、図8の構成に比べてソースドライバICを配置する面積が大きくできるため、隣接する2つのソースドライバICの間の距離を大きくでき、生産歩留りを向上させることができる。
【0119】
[画素の構成例]
以下では、表示装置1100の画素領域に配置される画素の構成例について説明する。
【0120】
図10(A)には、列方向に配列する3つの画素を含む回路図を示している。
【0121】
1つの画素は、トランジスタ30と、液晶素子20と、容量素子60と、を有する。
【0122】
配線S1乃至S3は、それぞれソース線に対応し、配線GL1乃至GL3は、それぞれゲート線に対応する。また配線CSは容量素子60の一方の電極と電気的に接続され、所定の電位が与えられる。
【0123】
画素は、配線S1乃至S3のいずれか1本、及び配線GL1乃至GL3のいずれか一本と電気的に接続される。一例として、配線S1及び配線GL1と接続される画素について説明する。トランジスタ30は、ゲートが配線GL1と電気的に接続し、ソース又はドレインの一方が配線S1と電気的に接続し、他方が容量素子60の他方の電極、及び液晶素子20の一方の電極(画素電極)と電気的に接続する。容量素子60の一方の電極には、共通電位が供給される。
【0124】
図10(B)に、配線S1及び配線GL1と接続される画素のレイアウトの例を示している。
【0125】
図10(B)に示すように、行方向(横方向)に配線GL1及び配線CSが延在し、列方向(縦方向)に配線S1乃至S3が延在している。
【0126】
またトランジスタ30において、配線GL1上に半導体層32が設けられ、配線GL1の一部がゲート電極として機能する。また配線S1の一部がソース電極又はドレイン電極の一方として機能する。半導体層32は、配線S1と配線S2の間に位置する領域を有する。
【0127】
トランジスタ30のソース電極又はドレイン電極の他方と、画素電極として機能する導電層21とは、接続部38を介して電気的に接続されている。また、導電層21と重なる位置に、着色層41が設けられている。
【0128】
また、導電層21は、配線S2と重なる部分を有する。また、導電層21は、両端に位置する配線S1及び配線S3と重畳しないことが好ましい。これにより、配線S1及び配線S3の寄生容量を低減できる。
【0129】
ここで、配線S1と配線S2の距離を距離D1、配線S2と配線S3の距離を距離D2としたとき、距離D1と距離D2とを概略等しくすることが好ましい。例えば、距離D1と距離D2の比を、0.8以上1.2以下、好ましくは0.9以上1.1以下とすることが好ましい。これにより、配線S1と配線S2との間の寄生容量、及び配線S2と配線S3との間の寄生容量を低減できる。
【0130】
また、配線間距離を大きくすることで、作製工程中において配線間にゴミなどが付着した場合に、洗浄により除去しやすくなるため、歩留りを向上させることができる。洗浄方法として、ライン洗浄装置を用いる場合には、配線S1等の延伸方向に沿って基板を移動させながら洗浄すると、よりゴミを除去しやすくなるため好ましい。
【0131】
また、図10(B)において、配線S1乃至S3の一部、及び配線CSの一部に、他の部分よりも太い部分を有する。これにより、配線抵抗を小さくできる。
【0132】
図10(C)、(D)にはそれぞれ、配線GL2及び配線GL3と接続する画素のレイアウトの例を示している。
【0133】
図10(C)において、配線GL2上に設けられる半導体層32は、配線S2と電気的に接続され、且つ、配線S1と配線S2の間に位置する領域を有する。
【0134】
また、図10(D)において、配線GL3上に設けられる半導体層32は、配線S3と電気的に接続され、且つ、配線S2と配線S3の間に位置する領域を有する。
【0135】
また、図10(B)、(C)、(D)に示すそれぞれの画素は、同じ色を呈する画素であることが好ましい。導電層21と重なる領域に、同じ色の光を透過する着色層41を重ねて配置することができる。また、列方向に隣接する画素は、図10(B)、(C)、(D)と同じ構成とすることができるが、着色層41のみ異なる色を透過する着色層とする。
【0136】
[断面構成例]
以下では、表示装置の断面構成の一例について説明する。
【0137】
〔断面構成例1〕
図11に、図10(B)中の切断線A1-A2に対応する断面の一例を示す。ここでは、表示素子として透過型の液晶素子20を適用した場合の例を示している。図11において、基板12側が表示面側となる。
【0138】
表示装置1100は、基板11と基板12との間に液晶22が挟持された構成を有している。液晶素子20は、基板11側に設けられた導電層21と、基板12側に設けられた導電層23と、これらに挟持された液晶22と、を有する。また、液晶22と導電層21との間に配向膜24aが設けられ、液晶22と導電層23との間に配向膜24bが設けられている。
【0139】
導電層21は、画素電極として機能する。また導電層23は、共通電極などとして機能する。また導電層21と導電層23は、いずれも可視光を透過する機能を有する。したがって、液晶素子20は、透過型の液晶素子である。
【0140】
基板12の基板11側の面には、着色層41と、遮光層42が設けられている。着色層41と遮光層42を覆って絶縁層26が設けられ、絶縁層26を覆って導電層23が設けられている。また着色層41は、導電層21と重なる領域に設けられている。遮光層42は、トランジスタ30や接続部38を覆って設けられている。
【0141】
基板11よりも外側には偏光板39aが配置され、基板12よりも外側には偏光板39bが配置されている。さらに、偏光板39aよりも外側に、バックライトユニット90が設けられている。
【0142】
基板11上に、トランジスタ30、容量素子60等が設けられている。トランジスタは、画素の選択トランジスタとして機能する。トランジスタ30は、接続部38を介して液晶素子20と電気的に接続されている。
【0143】
図11に示すトランジスタ30は、いわゆるボトムゲート・チャネルエッチ構造のトランジスタである。トランジスタ30は、ゲート電極として機能する導電層31と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層34と、半導体層32と、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物半導体層35と、ソース電極及びドレイン電極として機能する一対の導電層33a及び導電層33bと、を有する。半導体層32の、導電層31と重畳する部分は、チャネル形成領域として機能する。半導体層32と不純物半導体層35とは接して設けられ、不純物半導体層35と導電層33a又は導電層33bとは接して設けられる。
【0144】
なお、導電層31は、図10(B)における配線GL1の一部に対応し、導電層33aは、配線S1の一部に対応する。また、後述する導電層31a、導電層33c、導電層33dはそれぞれ、配線CS、配線S2、配線S3に対応する。
【0145】
半導体層32には、シリコンを含む半導体を用いることが好ましい。例えば、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン等を用いることができる。特に、アモルファスシリコンを用いると、大型の基板上に歩留り良く形成できるため好ましい。本発明の一態様の表示装置は、電界効果移動度が比較的低いアモルファスシリコンが適用されたトランジスタであっても、良好な表示が可能である。アモルファスシリコンを用いる場合には、水素によりダングリングボンドの終端を図った水素化アモルファスシリコン(a-Si:Hと表記する場合がある)を用いることが好ましい。
【0146】
不純物半導体層35を構成する不純物半導体膜は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。トランジスタがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体として、例えば、P又はAsを添加したシリコンが挙げられる。又は、トランジスタがp型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えばBを添加することも可能であるが、トランジスタはn型とすることが好ましい。なお、不純物半導体層35は、非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
【0147】
容量素子60は、導電層31aと、絶縁層34と、導電層33bにより構成されている。また、導電層31a上には、絶縁層34を介して導電層33c及び導電層33dがそれぞれ設けられている。
【0148】
トランジスタ30等を覆って、絶縁層82と絶縁層81が積層して設けられている。画素電極として機能する導電層21は絶縁層81上に設けられている。また接続部38において、絶縁層81及び絶縁層82に設けられた開口を介して、導電層21と導電層33bとが電気的に接続されている。絶縁層81は、平坦化層として機能することが好ましい。また絶縁層82は、トランジスタ30等へ不純物等が拡散することを抑制する保護膜としての機能を有することが好ましい。例えば、絶縁層82に無機絶縁材料を用い、絶縁層81に有機絶縁材料を用いることができる。
【0149】
〔断面構成例3〕
上記では、液晶素子として、液晶を挟む一対の電極が上下に配置された、縦電界方式の液晶素子の例を示しているが、液晶素子の構成はこれに限られず、様々な方式の液晶素子を適用することができる。
【0150】
図12には、FFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子を有する表示装置の断面概略図を示す。
【0151】
液晶素子20は、画素電極として機能する導電層21と、導電層21と絶縁層83を介して重なる導電層23と、を有する。導電層23は、スリット状又は櫛歯状の上面形状を有している。
【0152】
また、この構成では、導電層21と導電層23とが重なる部分に容量が形成され、これを容量素子60として用いることができる。そのため、画素の占有面積を縮小できるため、高精細な表示装置を実現できる。また、開口率を向上させることができる。
【0153】
表示装置を作製する際、作製工程におけるフォトリソグラフィ工程が少ないほど、すなわちフォトマスクのマスク枚数が少ないほど、作製コストを低くすることができる。
【0154】
例えば図11に示す構成では、基板11側の工程のうち、導電層31等の形成工程、半導体層32及び不純物半導体層35の形成工程、導電層33a等の形成工程、接続部38となる開口部の形成工程、及び導電層21の形成工程の、計5つのフォトリソグラフィ工程を経ることで作製できる。すなわち、5枚のフォトマスクにより、バックプレーン基板を作製することができる。一方、基板12(対向基板)側においては、着色層41や遮光層42の形成方法として、インクジェット法又はスクリーン印刷法等を用いると、フォトマスクが不要となるため好ましい。例えば、3色の着色層41と、遮光層42をインクジェット法又はスクリーン印刷法等を用いて設けた場合には、これらをフォトリソグラフィ法で形成した場合に比べて、計4つのフォトマスクを削減することができる。
【0155】
以上が断面構成例についての説明である。
【0156】
〔トランジスタの構成について〕
以下では、上記とは異なるトランジスタの構成の例について説明する。
【0157】
図13(A)に示すトランジスタは、半導体層32と不純物半導体層35の間に、半導体層37を有する。
【0158】
半導体層37は、半導体層32と同様の半導体膜により形成されていてもよい。半導体層37は、不純物半導体層35のエッチングの際に、半導体層32がエッチングにより消失することを防ぐためのエッチングストッパーとして機能させることができる。なお、図13(A)において、半導体層37が左右に分離している例を示しているが、半導体層37の一部が半導体層32のチャネル形成領域を覆っていてもよい。
【0159】
また、半導体層37は、不純物半導体層35よりも低濃度の不純物が含まれていてもよい。これにより、半導体層37をLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能させることができ、トランジスタを駆動させたときのホットキャリア劣化を抑制することができる。
【0160】
図13(B)に示すトランジスタは、半導体層32のチャネル形成領域上に、絶縁層84が設けられている。絶縁層84は、不純物半導体層35のエッチングの際のエッチングストッパーとして機能する。
【0161】
図13(C)に示すトランジスタは、半導体層32に代えて、半導体層32pを有する。半導体層32pは、結晶性の高い半導体膜を含む。例えば半導体層32pは、多結晶半導体又は単結晶半導体を含む。これにより、電界効果移動度の高いトランジスタとすることができる。
【0162】
図13(D)に示すトランジスタは、半導体層32のチャネル形成領域に半導体層32pを有する。例えば図13(D)に示すトランジスタは、半導体層32となる半導体膜に対してレーザ光などを照射することにより、局所的に結晶化することにより形成することができる。これにより、電界効果移動度の高いトランジスタを実現できる。
【0163】
図13(E)に示すトランジスタは、図13(A)で示したトランジスタの半導体層32のチャネル形成領域に、結晶性の半導体層32pを有する。
【0164】
図13(F)に示すトランジスタは、図13(B)で示したトランジスタの半導体層32のチャネル形成領域に、結晶性の半導体層32pを有する。
【0165】
以上がトランジスタの構成例についての説明である。
【0166】
[各構成要素について]
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
【0167】
〔基板〕
表示パネルが有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などの材料を用いることができる。
【0168】
厚さの薄い基板を用いることで、表示パネルの軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示パネルを実現できる。又は、可撓性を有する程度に薄いガラスなどを基板に用いることもできる。又は、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
【0169】
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。
【0170】
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0171】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0172】
トランジスタのチャネルが形成される半導体には、例えばシリコンを用いることができる。シリコンとして、特にアモルファスシリコンを用いることが好ましい。アモルファスシリコンを用いることで、大型の基板上に歩留り良くトランジスタを形成でき、量産性に優れる。
【0173】
また、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの結晶性を有するシリコンを用いることもできる。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0174】
もしくは、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いてもよい。金属酸化物を半導体層に有するトランジスタは、トランジスタのオフ電流が小さいことが知られている。画素の選択トランジスタにオフ電流の小さいトランジスタを用いることで表示の更新間隔を長くしても表示品質の劣化を抑えることができる。よって、静止画を表示するときは、表示の更新回数を削減することができるため、消費電力を小さくすることができる。金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタについては、実施の形態4で詳細な説明をする。
【0175】
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している場合がある。
【0176】
〔導電層〕
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
【0177】
また、トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
【0178】
〔絶縁層〕
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
【0179】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0180】
〔液晶素子〕
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
【0181】
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用いることができる。
【0182】
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶に係る電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0183】
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
【0184】
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
【0185】
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、又は半透過型の液晶素子などがある。
【0186】
本発明の一態様では、特に透過型の液晶素子を好適に用いることができる。
【0187】
透過型又は半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LEDを備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
【0188】
なお、エッジライト型のバックライトをオフ状態とすることで、シースルー表示を行うことができる。
【0189】
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0190】
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
【0191】
以上が各構成要素についての説明である。
【0192】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0193】
(実施の形態3)
本実施の形態では、トランジスタの半導体層に用いることのできる多結晶シリコンの結晶化方法及びレーザ結晶化装置の一例について説明する。
【0194】
結晶性の良好な多結晶シリコン層を形成するには、基板上に非晶質シリコン層を設け、当該非晶質シリコン層にレーザ光を照射して結晶化することが好ましい。例えば、レーザ光を線状ビームとし、当該線状ビームを非晶質シリコン層に照射しながら基板を移動させることで、基板上の所望の領域に多結晶シリコン層を形成することができる。
【0195】
線状ビームを用いた方法は、スループットが比較的良好である。一方で、ある領域に対してレーザ光が相対的に移動しながら複数回照射される方法であるため、レーザ光の出力変動及びそれに起因するビームプロファイルの変化による結晶性のばらつきが生じやすい。例えば、当該方法で結晶化させた半導体層を表示装置の画素が有するトランジスタに用いると、結晶性のばらつきに起因したランダムな縞模様が表示に見えることがある。
【0196】
また、線状ビームの長さは基板の一辺の長さ以上であることが理想的であるが、線状ビームの長さは、レーザ発振器の出力と光学系の構成によって制限される。したがって、大型基板の処理では基板面内を折り返してレーザ照射することが現実的である。そのため、レーザ光をオーバーラップして照射する領域が生じる。当該領域の結晶性は、他の領域の結晶性と異なりやすいため、当該領域では表示ムラが生じることがある。
【0197】
上記のような問題を抑えるために、基板上に形成した非晶質シリコン層に局所的にレーザ照射を行って結晶化させてもよい。局所的なレーザ照射では、結晶性のばらつきの少ない多結晶シリコン層を形成しやすい。
【0198】
図14(A)は、基板上に形成した非晶質シリコン層に局所的にレーザ照射を行う方法を説明する図である。
【0199】
光学系ユニット821から射出されるレーザ光826は、ミラー822で反射されてマイクロレンズアレイ823に入射する。マイクロレンズアレイ823は、レーザ光826を集光して複数のレーザビーム827を形成する。
【0200】
ステージ815には、非晶質シリコン層840を形成した基板830が固定される。非晶質シリコン層840に複数のレーザビーム827を照射することで、複数の多結晶シリコン層841を同時に形成することができる。
【0201】
マイクロレンズアレイ823が有する個々のマイクロレンズは、表示装置の画素ピッチに合わせて設けることが好ましい。又は、画素ピッチの整数倍の間隔で設けてもよい。いずれの場合においても、レーザ照射とステージ815のX方向又はY方向の移動を繰り返すことで、全ての画素に対応した領域に多結晶シリコン層を形成することができる。
【0202】
例えば、マイクロレンズアレイ823が画素ピッチでM行N列(M、Nは自然数)のマイクロレンズを有するとき、まず所定の開始位置でレーザ光を照射し、M行N列の多結晶シリコン層841を形成することができる。そして、行方向にM行分の距離だけ移動させてレーザ光を照射し、さらにM行N列の多結晶シリコン層841を形成することで、M行2N列の多結晶シリコン層841を形成することができる。当該工程を繰り返し行うことで所望の領域に複数の多結晶シリコン層841を形成することができる。また、折り返してレーザ照射工程を行う場合は、X方向にN列分の距離だけ移動させてレーザ照射を行い、さらにY方向にM行分の距離の移動とレーザ光の照射を繰り返せばよい。
【0203】
なお、レーザ光の発振周波数とステージ815の移動速度を適切に調整すれば、ステージ815を一方向に移動させながらレーザ照射を行う方法でも、画素ピッチで多結晶シリコン層を形成することができる。
【0204】
レーザビーム827のサイズは、例えば、一つのトランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積とすることができる。又は、一つのトランジスタのチャネル領域全体が含まれる程度の面積とすることができる。又は、一つのトランジスタのチャネル領域の一部が含まれる程度の面積とすることができる。これらは、必要とするトランジスタの電気特性に応じて使い分ければよい。
【0205】
なお、一つの画素に複数のトランジスタを有する表示装置を対象とした場合、レーザビーム827は、一つの画素内の各トランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積とすることができる。また、レーザビーム827は、複数の画素が有するトランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積としてもよい。
【0206】
また、図15(A)に示すように、ミラー822とマイクロレンズアレイ823との間にマスク824を設けてもよい。マスク824には、各マイクロレンズに対応した複数の開口部が設けられる。当該開口部の形状はレーザビーム827の形状に反映させることができ、図15(A)のようにマスク824が円形の開口部を有する場合は、円形のレーザビーム827を得ることができる。また、マスク824が矩形の開口部を有する場合は、矩形のレーザビーム827を得ることができる。マスク824は、例えば、トランジスタのチャネル領域のみを結晶化させたい場合などに有効である。なお、マスク824は、図15(B)に示すように光学系ユニット821とミラー822との間に設けてもよい。
【0207】
図14(B)は、上記に示した局所的なレーザ照射の工程に用いることのできるレーザ結晶化装置の主要な構成を説明する斜視図である。レーザ結晶化装置は、X-Yステージの構成要素である移動機構812、移動機構813及びステージ815を有する。また、レーザビーム827を成形するためのレーザ発振器820、光学系ユニット821、ミラー822、マイクロレンズアレイ823を有する。
【0208】
移動機構812及び移動機構813は、水平方向に往復直線運動をする機能を備える。移動機構812及び移動機構813に動力を与える機構としては、例えば、モータで駆動するボールネジ機構816などを用いることができる。移動機構812及び移動機構813のそれぞれの移動方向は垂直に交わるため、移動機構813に固定されるステージ815はX方向及びY方向に自在に移動させることができる。
【0209】
ステージ815は真空吸着機構などの固定機構を有し、基板830などを固定することができる。また、ステージ815は、必要に応じて加熱機構を有していてもよい。なお、図示はしていないが、ステージ815はプッシャーピン及びその上下機構を有し、基板830などを搬出入する際は、基板830などを上下に移動させることができる。
【0210】
レーザ発振器820は、処理の目的に適した波長及び強度の光が出力できればよく、パルスレーザが好ましいがCWレーザであってもよい。代表的には、波長351-353nm(XeF)、308nm(XeCl)などの紫外光を照射できるエキシマレーザを用いることができる。又は、固体レーザ(YAGレーザ、ファイバーレーザなど)の二倍波(515nm、532nmなど)又は三倍波(343nm、355nmなど)を用いてもよい。また、レーザ発振器820は複数であってもよい。
【0211】
光学系ユニット821は、例えば、ミラー、ビームエクスパンダ、ビームホモジナイザ等を有し、レーザ発振器820から出力されるレーザ光825のエネルギーの面内分布を均一化させつつ伸張させることができる。
【0212】
ミラー822には、例えば、誘電体多層膜ミラーを用いることができ、レーザ光の入射角が略45°となるように設置する。マイクロレンズアレイ823には、例えば、石英板の上面又は上下面に複数の凸レンズが設けられたような形状とすることができる。
【0213】
以上のレーザ結晶化装置を用いることにより、結晶性のばらつきの少ない多結晶シリコン層を形成することができる。
【0214】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0215】
(実施の形態4)
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETという記載は、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0216】
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
【0217】
また、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、又は材料の構成の一例を表す。
【0218】
また、本明細書等において、CAC-OS又はCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OS又はCAC-metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OS又はCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0219】
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OS又はCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0220】
すなわち、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0221】
<CAC-OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC-OSの構成について説明する。
【0222】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
【0223】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
【0224】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0225】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0226】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0227】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0228】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0229】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0230】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0231】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0232】
CAC-OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0233】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法の一つであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことがわかる。
【0234】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0235】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0236】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0237】
ここで、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0238】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0239】
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0240】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとする様々な半導体装置に最適である。
【0241】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0242】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図面を参照して説明する。
【0243】
以下で例示する電子機器は、本発明の一態様の光モジュールによる光学式タッチパネルを備えている。したがって、表示装置の大型化に適したタッチパネルが実現された電子機器である。また光学式タッチパネルと表示装置の光源を、実施の形態1で示した光モジュール120で実現できるため消費電力の低減を実現できる電子機器とすることができる。また本発明の一態様の電子機器の表示装置は、光学式タッチパネルを備えるため表示装置の大型化に対応しやすく、例えばフルハイビジョン、4K2K、8K4K、16K8K、又はそれ以上の解像度を有する映像を表示させることが好ましい。光学式タッチセンサは、上面図において、縦方向、横方向、又は斜め方向に対をなす開口部を有している。以降の電子機器では、説明を簡便にするため、縦方向又は横方向のいずれか、もしくは、横方向の射出側の開口部のみの図示で説明することがある。
【0244】
電子機器としては、例えば、テーブル型表示装置、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、透明表示装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、携帯情報端末(タブレット、スマートフォン)、デジタルビデオカメラ(デジタルカメラ)、冷蔵庫、時計、などが挙げられる。
【0245】
本発明の一態様の電子機器は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
【0246】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0247】
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0248】
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
【0249】
図16(A)に示す電子機器7100は、テーブル型の筐体7101、表示装置7000、及び光モジュール120(図中では表記せず)を有している。テーブル型の筐体7101は、開口部7102と、開口部7102aとを有している。表示装置7000は、半透過型液晶表示装置、又は反射型液晶表示装置のいずれかの表示装置であることが好ましい。
【0250】
電子機器7100が有する光モジュール120は、680nmより長い波長域の光L2を筐体7101に設けられた開口部7102から射出することができる。光L2は、開口部7102aに入射され、光モジュール120が有する受光素子115によってタッチ検出をすることができる。図16(A)では、表示装置7000に表示されたグラフをタッチすると、選択されたグラフの凡例が点滅している例を示している。異なるアプリケーションの表示例として、ゲームなどを実行させてもよい。複数の人数で同時に楽しむことができる。
【0251】
表示装置7000が半透過型液晶表示装置の構成を有する例について説明する。表示装置7000では、照明7103から照射された光と、光モジュール120が供給する光を光源として利用することができる。照明7103から照射される光の輝度が不足しても、光モジュール120から供給される光によって表示装置7000の輝度を補完することができる。
【0252】
次に、表示装置7000が、反射型液晶表示装置の構成を有する例について説明する。表示装置7000では、照明7103から照射される光と、光モジュール120が供給する光とを加えて光源として表示をすることができる。照明7103の輝度が不足しても、光モジュール120から供給される光によって表示装置7000の輝度を補完することができる。
【0253】
また、電子機器7100は、表示装置7000の構造によらず照明7103が消灯していても光モジュール120から供給された光源によって表示をすることができる。
【0254】
図16(B)に示す電子機器7200は、筐体7201、表示装置7000、及び光モジュール120を有している。電子機器7200は、表示装置7000を備えたデジタルサイネージである。筐体7201は、開口部7202と、開口部7202aとを有している。デジタルサイネージは、情報の表示、情報の入力、データサーバへのアクセス、又は電子黒板などの機能を備えている。
【0255】
デジタルサイネージは、屋外で使用されることが多く、外光の強度変化が大きい環境で使用されることが多い。よって、太陽光が入射されるときは、反射型液晶表示装置を用いることが好ましい。ただし夕方や、夜間などの外光が十分でないときは、光モジュールによる光源を用いた表示をすることが好ましい。また、電子機器7200は筐体7201に設けられた開口部7202から射出し開口部7202aに入射する光を検出することでタッチ検出の機能を提供することができる。つまり、表示装置7000は、表示しているときタッチ検出を行うことができる。
【0256】
図16(C)に示す電子機器7300は、筐体7301、表示装置7000、照明7303、及び光モジュール125を有している。筐体7301は、開口部7302と、開口部7302a(図中では表記せず)とを有している。電子機器7300は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、空間の仕切り(扉、窓、壁、部屋、机のパーテーション)などに組み込むことができる。さらに、表示装置7000は、TFT層に形成される画素内に光が透過する領域を設けることで、表示装置7000の反対側を視認できる透明な表示装置7000を提供することができる。また、電子機器7300は筐体7301に設けられた開口部7302から射出した開口部7302aに入射する光を検出することでタッチ検出の機能を提供することができる。
【0257】
図16(C)では、利用者が桜の花びらが降り注ぐ表示画面を両方からタッチする場面である。表示装置7000は、異なる表示面からタッチされた情報を検出することができる。照明7303は、常時点灯することで照明器具として機能することができる。もしくは、タッチされたときに点灯するような応答性が与えられてもよい。また、デジタルサイネージにゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0258】
図17(A)に、ノート型パーソナルコンピュータ7400を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7400は、表示装置7000、筐体7401、ポインティングデバイス7403、外部接続ポート7404、キーボード7405等を有する。図17(A)の表示装置7000は、図7で示された表示装置132が適用された例である。
【0259】
筐体7401は、開口部7402、開口部7402a、開口部7402b、及び開口部7402cを有している。筐体7401に、表示装置7000が組み込まれている。表示装置7000は、表示面7000a及び表示面7000bを有している。ノート型パーソナルコンピュータ7400は異なる大きさの表示面7000a及び表示面7000bを有した例を示しているが、同じ大きさでもよい。
【0260】
表示面7000aは、開口部7402bに重なるように配置され、表示面7000bは開口部7402cに重なるように配置されている。表示面7000a側、表示面7000b側にそれぞれ開口部7402及び開口部7402aが設けられている。
【0261】
図17(B)に、携帯型情報端末の一例としてタブレット7500を示す。タブレット7500は、表示装置7000、筐体7501、イメージセンサ7503、複数のスイッチ7504等を有している。筐体7501は、光学式タッチセンサのための開口部7502と、開口部7502aとを有している。筐体7501には、表示装置7000が組み込まれている。
【0262】
図17(C)に、デジタルカメラの一例としてデジタルビデオカメラ7600を示す。デジタルビデオカメラ7600は、表示装置7000、筐体7601、筐体7601a、操作スイッチ7604、イメージセンサ7605、可動部スイッチ7606等を有している。筐体7601aは、光学式タッチセンサのための開口部7602と、開口部7602aとを有している。筐体7601aには、表示装置7000が組み込まれている。
【0263】
図17(D)に、台所の電気機器の一例として冷蔵庫7700を示す。冷蔵庫7700は、筐体7701、扉7701a、扉7701b、マイク7703、イメージセンサ7704、スピーカ7705等を有している。また、扉7701aは、光学式タッチセンサのための開口部7702と、開口部7702aとを有している。扉7701aには、表示装置7000が組み込まれている。
【0264】
図17(E)に、携帯型情報端末の一例としてスマートウオッチ7800を示す。スマートウオッチ7800は、表示装置7000、筐体7801、スイッチ7803、リューズ7804、イメージセンサ7805、ベルト7806等を有している。筐体7801は、光学式タッチセンサのための開口部7802と、開口部7802aとを有している。筐体7801には、表示装置7000が組み込まれている。また、筐体7801は、略八角形の形状の開口部を有し斜め方向にも対をなす光L2を射出及び入射する開口部を有していることが好ましい。ベルト7806は、必ずしも有しなくてもよい。代わりに、鎖又は紐などで構成されていてもよい。
【0265】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0266】
GL1:配線、GL2:配線、GL3:配線、M1:ミラー、M2:ミラー、M3:ミラー、M4:ミラー、M5:ミラー、M6:ミラー、S1:配線、S2:配線、S3:配線、11:基板、12:基板、17:光学層、20:液晶素子、21:導電層、22:液晶、23:導電層、24a:配向膜、24b:配向膜、26:絶縁層、30:トランジスタ、31:導電層、31a:導電層、32:半導体層、32p:半導体層、33a:導電層、33b:導電層、33c:導電層、33d:導電層、34:絶縁層、35:不純物半導体層、37:半導体層、38:接続部、39a:偏光板、39b:偏光板、41:着色層、42:遮光層、60:容量素子、81:絶縁層、82:絶縁層、83:絶縁層、84:絶縁層、90:バックライトユニット、100:電子機器、100a:電子機器、100b:電子機器、111:開口部、111a:開口部、111b:開口部、111e:開口部、111f:開口部、112:筐体、112a:筐体、112b:筐体、113a:導光路、113b:導光路、113c:導光路、113d:導光路、114:発光素子、114a:発光素子、114b:発光素子、115:受光素子、115a:受光素子、115b:受光素子、116:プリント基板、117:光学層、117a:反射層、117b:導光層、117c:拡散層、118:TFT層、118a:TFT層、118b:液晶層、118c:CF層、118d:発光素子、118e:TFT層、118f:TFT層、119:偏光層、119a:偏光層、120:光モジュール、120a:光学変換素子、120b:光学変換素子、120c:光学変換素子、121:発光ダイオード、122:蛍光体、122a:蛍光体、122b:蛍光体、122c:蛍光体、123:基板、124:レンズ、125:光モジュール、130:表示装置、130a:表示面、131:表示装置、131a:表示面、131b:表示面、132:表示装置、132a:表示面、132b:表示面、812:移動機構、813:移動機構、815:ステージ、816:ボールネジ機構、820:レーザ発振器、821:光学系ユニット、822:ミラー、823:マイクロレンズアレイ、824:マスク、825:レーザ光、826:レーザ光、827:レーザビーム、830:基板、840:非晶質シリコン層、841:多結晶シリコン層、1100:表示装置、1322b:表示面、7000:表示装置、7000a:表示面、7000b:表示面、7100:電子機器、7101:筐体、7102:開口部、7102a:開口部、7103:照明、7200:電子機器、7201:筐体、7202:開口部、7202a:開口部、7300:電子機器、7301:筐体、7302:開口部、7302a:開口部、7303:照明、7400:ノート型パーソナルコンピュータ、7401:筐体、7402:開口部、7402a:開口部、7402b:開口部、7402c:開口部、7403:ポインティングデバイス、7404:外部接続ポート、7405:キーボード、7500:タブレット、7501:筐体、7502:開口部、7502a:開口部、7503:イメージセンサ、7504:スイッチ、7600:デジタルビデオカメラ、7601:筐体、7601a:筐体、7602:開口部、7602a:開口部、7604:操作スイッチ、7605:イメージセンサ、7606:可動部スイッチ、7700:冷蔵庫、7701:筐体、7701a:扉、7701b:扉、7702:開口部、7702a:開口部、7703:マイク、7704:イメージセンサ、7705:スピーカ、7800:スマートウオッチ、7801:筐体、7802:開口部、7802a:開口部、7803:スイッチ、7804:リューズ、7805:イメージセンサ、7806:ベルト
図1
図2
図3
図4
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