(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】低レートポーラ符号のための低計算量パンクチャリング方法
(51)【国際特許分類】
H03M 13/13 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
H03M13/13
(21)【出願番号】P 2019540047
(86)(22)【出願日】2018-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2018075546
(87)【国際公開番号】W WO2018145634
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/073034
(32)【優先日】2017-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】チャオ・ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ガビ・サルキス
(72)【発明者】
【氏名】チャンロン・シュ
【審査官】玉田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0236715(US,A1)
【文献】国際公開第2016/082142(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0077277(US,A1)
【文献】NTT DOCOMO,Discussion on construction of Polar codes[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702850,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702850.zip>,2017年02月07日
【文献】MEDIATEK INC.,Examination of NR Coding Candidates for Low-Rate Applications[online], 3GPP TSG-RAN WG1#86 R1-167871,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86/Docs/R1-167871.zip>,2016年08月28日
【文献】MEDIATEK INC.,Polar Code Design Features for Control Channels[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1701212,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1701/Docs/R1-1701212.zip>,2017年01月18日
【文献】QUALCOMM INCORPORATED,A comprehensive rate-matching scheme for polar codes and performance evaluation[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705634,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705634.zip>,2017年03月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信におけるレートマッチングのための方法であって、
1つ以上のビットをパンクチャリングするステップと、
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて情報ビットの割振りを調整するステップであって、
前記調整するステップは
、
送信されないビットに対応する入力ビットを凍結させるステップ
と、
前記情報ビットの前記割振りのための追加ビットを凍結させるステップと
を含む、調整するステップと、
ポーラ符号化を使用して前記情報ビットの前記割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するステップと、
前記ワイヤレスチャネルを使用して、生成されたコードワードを送信するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するステップが、
低レートポーラ符号に対するコード化ビットのセットの上部にブロックパンクチャリングを適用するステップを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するステップが、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定するステップと、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタにない場合、前記情報ビットを前記セクタの中に割り振るステップとを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するステップが、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定するステップと、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタの中に存在する場合、1つまたは複数の凍結ビットを前記セクタの中に割り振るステップとを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ガウス近似を使用して1つまたは複数の凍結ビットに対する位置を選択するステップ
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のサブチャネル部分が前記1つまたは複数の凍結ビットに対して設定され、かつ第2のサブチャネル部分が昇順の信頼性に基づいてソートされるような、前記1つまたは複数の凍結ビットに対する前記位置が選択される、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
反復およびパンクチャリングを使用するM個のコード化ビットの量を取得するステップを
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コードワードに対するいくつかのコード化ビットを取得するために、情報セット最適化を用いずにブロックパンクチャリングを利用するステップ
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ワイヤレス通信におけるレートマッチングのための装置であって、
命令を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、
1つ以上のビットをパンクチャリングし、
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて情報ビットの割振りを調整し
、
ポーラ符号化を使用して前記情報ビットの前記割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成し、
前記ワイヤレスチャネルを使用して、生成されたコードワードを送信するための、前記命令を実行するように構成され
、
前記情報ビットの前記割振りを調整することは、
前記調整は送信されないビットに対応する入力ビットを凍結させることと、
前記情報ビットの前記割振りのための追加ビットを凍結させること
を含む、
装置。
【請求項10】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
低レートポーラ符号に対するコード化ビットのセットの上部にブロックパンクチャリングを適用するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備える、
請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定し、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタにない場合、前記情報ビットを前記セクタの中に割り振るための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備える、
請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定し、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタの中に存在する場合、1つまたは複数の凍結ビットを前記セクタの中に割り振るための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備える、
請求項
9に記載の装置。
【請求項13】
ガウス近似を使用して1つまたは複数の凍結ビットに対する位置を選択するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備える請求項
9に記載の装置。
【請求項14】
第1のサブチャネル部分が前記1つまたは複数の凍結ビットに対して設定され、かつ第2のサブチャネル部分が昇順の信頼性に基づいてソートされるような、前記1つまたは複数の凍結ビットに対する前記位置が選択される、請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
反復およびパンクチャリングを使用するM個のコード化ビットの量を取得するための、前記プロセッサによって実行可能な命令
をさらに備える請求項
9に記載の装置。
【請求項16】
前記コードワードに対するいくつかのコード化ビットを取得するために、情報セット最適化を用いずにブロックパンクチャリングを利用するための、
前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備える請求項
9に記載の装置。
【請求項17】
ワイヤレス通信におけるレートマッチングのための、プロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記録媒体であって、
1つ以上のビットをパンクチャリングし、
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて情報ビットの割振りを調整し
、
ポーラ符号化を使用して前記情報ビットの前記割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成し、
前記ワイヤレスチャネルを使用して、生成されたコードワードを送信するための、
実行可能な命令を備え
、
前記情報ビットの前記割振りを調整することは、
前記調整は送信されないビットに対応する入力ビットを凍結させることと、
前記情報ビットの前記割振りのための追加ビットを凍結させること
を含む、コンピュータ可読記録媒体。
【請求項18】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
低レートポーラ符号に対するコード化ビットのセットの上部にブロックパンクチャリングを適用するための命令をさらに備える、
請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項19】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定し、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタにない場合、前記情報ビットを前記セクタの中に割り振るための命令をさらに備える
請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記命令が、
任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定し、
前記1つ以上のパンクチャドビットが前記セクタの中に存在する場合、1つまたは複数の凍結ビットを前記セクタの中に割り振るための命令をさらに備える、
請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項21】
ガウス近似を使用して1つまたは複数の凍結ビットに対する位置を選択するための命令をさらに備える請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項22】
第1のサブチャネル部分が前記1つまたは複数の凍結ビットに対して設定され、かつ第2のサブチャネル部分が昇順の信頼性に基づいてソートされるような、前記1つまたは複数の凍結ビットに対する前記位置が選択される、請求項
21に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項23】
反復およびパンクチャリングを使用するM個のコード化ビットの量を取得するための命令をさらに備える請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項24】
前記コードワードに対するいくつかのコード化ビットを取得するために、情報セット最適化を用いずにブロックパンクチャリングを利用するための命令をさらに備える請求項
17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項25】
ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のための装置であって、
1つ以上のビットをパンクチャリングするための手段と、
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて情報ビットの割振りを調整するための手段であって、
前記調整することは、
前記調整は送信されないビットに対応する入力ビットを凍結させること
と、
前記情報ビットの前記割振りのための追加ビットを凍結させることと
を含む、調整するための手段と、
ポーラ符号化を使用して前記情報ビットの前記割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するための手段と、
前記ワイヤレスチャネルを使用して、生成されたコードワードを送信するための手段と、
を備える装置。
【請求項26】
前記1つ以上のパンクチャドビットに基づいて前記情報ビットの前記割振りを調整するための前記手段が、
低レートポーラ符号に対するコード化ビットのセットの上部にブロックパンクチャリングを適用するための手段を備える、
請求項
25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「A LOW COMPLEXITY PUNCTURING METHOD FOR LOW-RATE POLAR CODES」と題する2017年2月7日に出願された国際出願第PCT/CN2017/073034号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信ネットワークに関し、より詳細には、分極符号レートマッチングに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどの様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、時間、周波数、および電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な、多元接続システムであり得る。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、およびシングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システムを含む。
【0004】
これらの多元接続技術は、異なるワイヤレスデバイスが都市、国家、地域、さらには地球規模で通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。たとえば、(ニューラジオ(NR:new radio)と呼ばれることがある)第5世代(5G)ワイヤレス通信技術は、現在のモバイルネットワーク世代に関する多様な使用シナリオおよび適用例を拡張およびサポートするものと想定される。一態様では、5G通信技術は、マルチメディアコンテンツ、サービス、およびデータにアクセスするための人間中心の使用事例に対処する拡張モバイルブロードバンド、レイテンシおよび信頼性に対するいくつかの仕様を有する超高信頼低レイテンシ通信(URLLC:ultra-reliable-low latency communications)、ならびに接続された極めて多数のデバイスおよび比較的少量の非遅延敏感情報の送信を可能にできるマッシブマシンタイプ通信を含むことができる。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増大し続けるにつれて、NR通信技術以降におけるさらなる改善が望まれることがある。
【0005】
改善に対するそのような1つの必要性は、高品質の通信を保証すべきデータ送信の信頼性に関係することがある。概して、そのために、送信デバイス(たとえば、基地局またはユーザ機器(UE))のソースエンコーダは、通常、通信チャネルを介して送信されるべきデータを圧縮し得、チャネルエンコーダは、送信チャネルの中の雑音に対してデータを保護するために、圧縮データにさらなる冗長性を加え得る。次に、受信機(たとえば、基地局またはUE)は、符号化データを受信し得、チャネルデコーダを使用してチャネル符号化の逆を実行し得る。
【0006】
チャネル符号化は、概して、トランスポートブロック(たとえば、送信のためにシークされたデータ)をコードワードに変換することを含む。コードワードは、ワイヤレスチャネルを介した送信にとってそれを好適にさせるための誤り防止ビットを含む。従来の技法は、行列を使用してトランスポートブロックを乗算する線形ブロックエンコーダを採用することによって、上記の目的を達成する。線形ブロックエンコーダの一例は、ポーラ符号を利用する技法である。ポーラ符号は線形ブロック誤り訂正符号である。符号構築は、物理チャネルを複数の仮想チャネルに変換する短いカーネル符号の複数の再帰的な連結に基づく。しかしながら、再帰の数が多くなると、仮想チャネルは高い信頼性または低い信頼性のいずれかを有する(言い換えれば、仮想チャネルが分極する)傾向があり、したがって、データビットは最も信頼できるチャネルに割り振られる。
【0007】
通常、従来のポーラ符号のコードワード長は、2のべき乗でなければならない。任意の符号長をサポートするためにパンクチャリングが必要とされるので、符号ビットパンクチャリングが分極構造を変化させることがあり、パンクチャリングの後に良好ビット再推定を必要とすることがある。符号理論では、「パンクチャリング」とは、誤り訂正符号を用いた符号化の後にパリティビットのうちのいくつかを除去するプロセスである。良好ビット再推定に対する計算量O(N・log2(N))のガウス近似方式は、送信機と受信機の両方によって知られている、異なる符号レートに対する信号対雑音比(SNR)仮定とともに使用される。しかしながら、そのようなチャネル再推定プロシージャは、一般に、リソース集約的であり、コードワードの送信に遅延を加える。したがって、ワイヤレス通信動作におけるさらなる改善が望まれることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下のことは、1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。本概要は、すべての企図される態様の広範な概説ではなく、すべての態様の主要または重要な要素を特定することも、いずれかまたはすべての態様の範囲を定めることも意図しない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の導入として、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0009】
本開示の態様は、場合によっては、パンクチャリングの後に良好ビット再推定を伴わずに、完全なレートマッチング粒度をサポートするポーラ符号のための低計算量レートマッチング設計を実施することによって、上記で特定された問題を解決するための技法を開示する。詳細には、本開示の特徴は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数(P)に基づいて情報ビット割振りを調整するための技法を提供する。たとえば、本開示の特徴は、パンクチャリング後の容量に基づいてセクタごとの情報ビットの個数(たとえば、K0、K1、K3、およびK4)を決定する。したがって、本開示の特徴は、従来の技法と比較してより短い遅延という利点をもたらす。詳細には、最初のN-M1ビットチャネルが凍結ビットに設定されるので、提案されるパンクチャリングポーラ符号の復号計算量および復号遅延は、従来システムのN=2nの代わりにサイズM1の関数であってよい。
【0010】
一例では、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のための方法が開示される。方法は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定することと、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整することと、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成することとを含んでよい。
【0011】
別の例では、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のための装置が開示される。装置は、命令を記憶するように構成されたメモリと、メモリと通信可能に結合されたプロセッサとを含んでよい。プロセッサは、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定するための命令を実行するように構成され得る。命令は、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整し、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するようにさらに構成され得る。
【0012】
別の例では、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のためのコンピュータ可読媒体が開示される。コンピュータ可読媒体は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定し、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整し、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するためのコードを含んでよい。
【0013】
別の例では、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のための別の装置が開示される。装置は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定し、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整し、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するための手段を含んでよい。
【0014】
上記の目的および関係する目的の達成のために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明されるとともに特に特許請求の範囲において指摘される特徴を備える。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の態様のいくつかの例示的な特徴を詳細に記載する。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法のうちのいくつかを示すものにすぎず、この説明は、そのようなすべての態様およびそれらの均等物を含むものとする。
【0015】
開示する態様は、開示する態様を限定するためではなく例示するために提供される添付の図面に関して以下で説明され、同様の名称は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の態様による、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数に基づいて1つまたは複数の情報ビットの割振りを調整するための通信路分極構成要素を有する例示的なワイヤレス通信システムの概略図である。
【
図2】本開示の態様による通信路分極処理アーキテクチャの一例のブロック図である。
【
図3】本開示の態様による、ビット反転パンクチャリングに基づくエンコーダへの入力としてのビット構造の一例のブロック図である。
【
図4】本開示の態様による、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数に基づいて情報ビット割振りを調整する一例に関係する例示的なビットインデックス構造の概略図である。
【
図5】本開示の態様による、容量公式を使用して情報ビットを割り振るための例示的なプロセスの例示的な処理アーキテクチャ図である。
【
図6】本開示の態様による、所定のビット順序を使用して情報ビットを割り振る方法の実行の後、エンコーダの中に入力されるべき得られたビット構造の一例のブロック図である。
【
図7】本開示の態様によるハイブリッド反復およびパンクチャリング方法の一態様の実行から得られる例示的なサブフレーム構造のブロック図である。
【
図8】本開示の様々な態様による送信デバイス(たとえば、基地局またはUE)の様々な構成要素の一実装形態の一態様の概略図である。
【
図9】本開示の態様による、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極のためにUEによって実施される例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記で説明したように、符号ビットパンクチャリングは、分極構造を変化させることがあり、パンクチャリングを実行した後にチャネル再推定を必要とすることがある。しかしながら、チャネル再推定プロシージャは、リソース集約的な場合があり、コードワードの送信に遅延を加えることがある。ポーラ符号のベースラインレートマッチングのいくつかの方法は、準一様パンクチャリング(QUP:quasi-uniform puncturing)方法を適用することを含む。QUP方法は、ガウス近似に基づく密度進化(DE/GA:Density Evolution based on a Gaussian approximation)を使用して、信頼できるメトリックとしての合成された各サブチャネルの信頼性を計算することによってポーラ符号を構築する。信頼性が高いサブチャネルが、情報ビットを送信するために選ばれ、凍結ビットと言及されるかまたは呼ばれる、信頼できないサブチャネルに対するビットは0に設定される。信頼できない位置のこのセットは凍結セット(F)と呼ばれる。符号レート(R)と符号長(M)との組合せが与えられると、エンコーダとデコーダの両方は、符号化または復号する前にこの凍結セット(F)を算出しなければならない。エンコーダとデコーダとの間の凍結セット(F)の一意性が確保されるべきである。
【0018】
2のべき乗であるマザーコード長Nを有するポーラ符号が、長さN/2の2つのポーラ符号のネストされた組合せと見なされ得るという事実に起因して、そのような方法は、長さN/2のポーラ符号に対する順序付きシーケンスが長さNのポーラ符号に対する順序付きシーケンスのサブセットであるような、ビット位置の順序付きシーケンス(インデックスシーケンス)を構築する。「ビット反転パンクチャリング」と呼ばれるこの方法は、所定の良好ビット順序に従って最初のK個の良好ビットを選択すること、およびK個のデータビットを割り振る前に凍結ビットをスキップすることに依拠する。良好ビット順序リストとは、入力ビットインデックスのシーケンスであり、ここで、順序は良好ビットとして選択されるべき可能性を示す(
図3を参照)。ネストされた特性のため対象の最大Nの単一の良好ビット順序リストが記憶される必要がある。しかしながら、ビット反転パンクチャリングチャネルに関する1つの懸念は、多数のブラインド復号を伴う制御チャネルに対する復号レイテンシである。なぜなら、パンクチャされたポーラ符号の復号計算量および復号遅延が、コードワードサイズMではなくサイズN=2
nの関数であるからである。
【0019】
ブロックパンクチャリングと呼ばれる別の技法も、ポーラ符号に対して提案されている。この技法では、任意のターゲットコードワード長Mを獲得するために、方式は、最初の
【0020】
【0021】
個の連続したコード化ビットを除去し(すなわち、送信せず)、最初のPビットチャネルを、パンクチャリングによるゼロ容量に起因する凍結ビットに設定する。しかしながら、このブロックパンクチャリング方式は、パンクチャリングが大量である(たとえば、パンクチャドビットの個数(P)がN/2(ただし、
【0022】
【0023】
)に近い)とき、ビット反転パンクチャリングと比較して深刻な性能損失を有する。なぜなら、ブロックパンクチャリングが、分極構造、および良好ビットインデックスをスキップすることによる情報セットの決定を変化させることがあるからである。すなわち、コード化ビット(たとえば、XOR後のチャネル)の上部がパンクチャされる場合、いくつかのビットが反復されないことがあるので、下部(たとえば、反復後のチャネル)はW+の代わりにWのチャネルを見ることがある。したがって、完全な分極に基づいてビット順序シーケンスから導出されるK個の情報ビット割振りは、楽観的でないことがある。
【0024】
本開示の態様は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数(P)に基づいて情報ビット割振りを調整することによって、上記で特定された問題に対処する。詳細には、本開示の特徴は、パンクチャリングの後、容量公式に基づいてセクタごとの情報ビットの個数(たとえば、K0、K1、K3、およびK4)(
図4を参照)を決定する。低レートポーラ符号(たとえば、R=K/M≦1/3)の場合、コード化ビット(たとえば、XOR後のチャネル)の上部は、ブロックパンクチャリングが適用されてよく、次いで、4つのセクタ(または、より細かい粒度に対してもっと多く)に分割される。
セクタの中に任意のパンクチャドビットがある場合、そのセクタに情報ビットが割り振られない。追加として、凍結ビット位置(すなわち、他のK
i値)が、ガウス近似を使用することによって(たとえば、M=m*2
n、m=1、3、5、および7に対して)または所定の良好ビット順序に従って選択されてよく、K情報ビットを割り振る前に凍結ビットをスキップする。最初のN-M
1ビットチャネルが凍結ビットに設定されるため、提案されるパンクチャリングポーラ符号の復号計算量および復号遅延がN=2
nの代わりにサイズM
1の関数であるので、本開示の解決策は、復号レイテンシが低減されることを含む、1つまたは複数の利点を有し得る。
【0025】
様々な態様が、ここで、図面を参照しながら説明される。以下の説明では、説明のために、1つまたは複数の態様の完全な理解を与えるために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、そのような態様がこれらの具体的な詳細なしに実践されてよいことが明らかであり得る。追加として、本明細書で使用する「構成要素」という用語は、システムを構成する部分のうちの1つであってよく、ハードウェア、ファームウェア、および/またはコンピュータ可読媒体上に記憶されるソフトウェアであってよく、他の構成要素に分割されてもよい。
【0026】
以下の説明は例を提供し、特許請求の範囲に記載される範囲、適用可能性、または例を限定するものではない。本開示の範囲を逸脱することなく、説明する要素の機能および構成に変更が加えられてよい。様々な例は、適宜に、様々な手順または構成要素を省略、置換、または追加してよい。たとえば、説明する方法は、説明する順序とは異なる順序で実行されてよく、様々なステップが追加、省略、または結合されてよい。また、いくつかの例に関して説明する特徴が、他の例では結合されてよい。
【0027】
図1を参照すると、本開示の様々な態様によれば、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100は、1つまたは複数の基地局105、1つまたは複数のUE115、およびコアネットワーク130を含んでよい。コアネットワーク130は、ユーザ認証、アクセス許可、トラッキング、インターネットプロトコル(IP)接続性、および他のアクセス機能、ルーティング機能、またはモビリティ機能を提供し得る。基地局105は、バックホールリンク134(たとえば、S1など)を通じてコアネットワーク130とインターフェースし得る。基地局105は、UE115との通信のための無線構成およびスケジューリングを実行し得るか、または基地局コントローラ(図示せず)の制御下で動作し得る。様々な例では、基地局105は、有線通信リンクまたはワイヤレス通信リンクであってよいバックホールリンク134(たとえば、X1など)を介して、直接または間接的に(たとえば、コアネットワーク130を通じて)のいずれかで互いに通信し得る。いくつかの例では、送信デバイスとして動作する基地局105およびUE115は、以下でより詳細に説明するように、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数に基づいて1つまたは複数の情報ビットの割振りを調整することによって通信路分極を実行するように構成された、通信路分極構成要素850(
図8参照)を含んでよい。
【0028】
基地局105は、1つまたは複数の基地局アンテナを介してUE115とワイヤレス通信し得る。基地局105の各々は、それぞれの地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。いくつかの例では、基地局105は、トランシーバ基地局、無線基地局、アクセスポイント、無線トランシーバ、ノードB、eノードB(eNB)、ホームノードB、ホームeノードB、gノードB、gNB、リレー、またはいくつかの他の好適な用語で呼ばれることがある。基地局105用の地理的カバレージエリア110は、カバレージエリアの一部分のみを構成するセクタまたはセル(図示せず)に分割され得る。ワイヤレス通信ネットワーク100は、異なるタイプの基地局105(たとえば、以下で説明するマクロ基地局またはスモールセル基地局)を含んでよい。追加として、複数の基地局105は、複数の通信技術(たとえば、5G、4G/LTE、3G、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)など)のうちの異なる通信技術に従って動作してよく、したがって、異なる通信技術のためのオーバーラップする地理的カバレージエリア110があり得る。
【0029】
いくつかの例では、ワイヤレス通信ネットワーク100は、ロングタームエボリューション(LTE)またはLTEアドバンスト(LTE-A)技術ネットワークであってよく、またはそれを含んでもよい。ワイヤレス通信ネットワーク100はまた、5Gワイヤレス通信ネットワークなどの次世代技術ネットワークであってよい。LTE/LTE-Aネットワークでは、発展型ノードB(eNB)またはgNBという用語は、概して、基地局105を表すために使用されてよく、UEという用語は、概して、UE115を表すために使用されてよい。ワイヤレス通信ネットワーク100は、異なるタイプのeNBが様々な地理的領域にカバレージを提供する異種LTE/LTE-Aネットワークであってよい。たとえば、各eNBまたは基地局105は、マクロセル、スモールセル、または他のタイプのセルのための通信カバレージを提供し得る。「セル」という用語は、コンテキストに応じて、基地局、基地局に関連するキャリアもしくはコンポーネントキャリア、またはキャリアもしくは基地局のカバレージエリア(たとえば、セクタなど)を表すために使用され得る、3GPP用語である。
【0030】
マクロセルは、概して、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし得、ネットワークプロバイダとのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。
【0031】
スモールセルは、マクロセルと同じかまたは異なる周波数帯域(たとえば、認可、無認可など)の中で動作し得る、マクロセルとして比較して送信電力が相対的に低い基地局を含んでよい。スモールセルは、様々な例に従ってピコセル、フェムトセル、およびマイクロセルを含んでよい。ピコセルは、たとえば、小さい地理的エリアをカバーし得、ネットワークプロバイダとのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルも、小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーし得、フェムトセルとの関連付けを有するUE115(たとえば、制限付きアクセスの場合には、自宅の中のユーザのためのUE115を含んでよい、基地局105の限定加入者グループ(CSG:closed subscriber group)の中のUE115など)による制限付きアクセスおよび/または無制限アクセスを提供し得る。マクロセル用のeNBは、マクロeNBと呼ばれることがある。スモールセル用のeNBは、スモールセルeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNBと呼ばれることがある。eNBは、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)のセル(たとえば、コンポーネントキャリア)をサポートし得る。
【0032】
開示する様々な例のうちのいくつかを収容し得る通信ネットワークは、階層化プロトコルスタックに従って動作するパケットベースネットワークであってよく、ユーザプレーンにおけるデータは、IPに基づいてよい。無線リンク制御(RLC:radio link control)レイヤは、論理チャネルを介して通信するためのパケットセグメント化およびリアセンブリを実行し得る。MACレイヤは、優先度処理およびトランスポートチャネルへの論理チャネルの多重化を実行し得る。MACレイヤはまた、MACレイヤにおける再送信を行ってリンク効率を改善するために、HARQを使用し得る。制御プレーンでは、無線リソース制御(RRC:radio resource control)プロトコルレイヤが、UE115と基地局105との間のRRC接続の確立、構成、および保守を行い得る。RRCプロトコルレイヤはまた、ユーザプレーンデータ用の無線ベアラのコアネットワーク130サポートのために使用され得る。物理(PHY)レイヤにおいて、トランスポートチャネルは物理チャネルにマッピングされ得る。
【0033】
UE115はワイヤレス通信ネットワーク100全体にわたって分散されてよく、各UE115は固定またはモバイルであってよい。UE115はまた、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、移動加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の好適な用語を含んでよく、または当業者によってそのように呼ばれてよい。UE115は、セルラーフォン、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、エンターテインメントデバイス、車両構成要素、またはワイヤレス通信ネットワーク100の中で通信できる任意のデバイスであってよい。追加として、UE115は、モノのインターネット(IoT)および/または機械間(M2M)タイプのデバイス、たとえば、いくつかの態様では、低い頻度でワイヤレス通信ネットワーク100または他のUEと通信し得る、(たとえば、ワイヤレスフォンに比べて)低電力低データレートタイプのデバイスであってよい。UE115は、マクロeNB、スモールセルeNB、中継基地局などを含む、様々なタイプの基地局105およびネットワーク機器と通信できる場合がある。
【0034】
UE115は、1つまたは複数の基地局105との1つまたは複数のワイヤレス通信リンク125を確立するように構成され得る。ワイヤレス通信ネットワーク100に示すワイヤレス通信リンク125は、UE115から基地局105へのUL送信、または基地局105からUE115へのダウンリンク(DL)送信を搬送し得る。ダウンリンク送信は順方向リンク送信と呼ばれることもあり、アップリンク送信は逆方向リンク送信と呼ばれることもある。各ワイヤレス通信リンク125は、1つまたは複数のキャリアを含んでよく、ここで、各キャリアは、上記で説明した様々な無線技術に従って変調された複数のサブキャリア(たとえば、異なる周波数の波形信号)から構成される信号であってよい。各被変調信号は、異なるサブキャリア上で送られてよく、制御情報(たとえば、基準信号、制御チャネルなど)、オーバーヘッド情報、ユーザデータなどを搬送し得る。一態様では、通信リンク125は、(たとえば、対スペクトルリソースを使用する)周波数分割複信(FDD)または(たとえば、非対スペクトルリソースを使用する)時分割複信(TDD)動作を使用して、双方向通信を送信し得る。FDD(たとえば、フレーム構造タイプ1)およびTDD(たとえば、フレーム構造タイプ2)に対して、フレーム構造が定義され得る。その上、いくつかの態様では、通信リンク125は、1つまたは複数のブロードキャストチャネルを表し得る。
【0035】
ワイヤレス通信ネットワーク100では、1つまたは複数のUE115は、無線リソース制御(RRC)接続モードまたはRRCアイドルモードのいずれかにあり得る。RRC接続モードの間、UE115は、基地局105との確立された通信を維持し得る。RRCアイドルモードの間、UE115は、基地局105とのいかなる通信も有しないスリープモードにあり得る。スリープモードは、たとえば、バッテリー電力を温存するための機会をUE115に与え得る。
【0036】
ワイヤレス通信ネットワーク100のいくつかの態様では、基地局105またはUE115は、アンテナダイバーシティ方式を採用して基地局105とUE115との間の通信品質および信頼性を改善するために、複数のアンテナを含んでよい。追加または代替として、基地局105またはUE115は、マルチパス環境を利用して、同じまたは異なるコード化データを搬送する複数の空間レイヤを送信し得る、多入力多出力(MIMO)技法を採用し得る。
【0037】
UE115がRRCアイドルモードにある状況では、基地局105は、UE115へのアクセスを開始するためにページングプロセスを使用し得る。「ページングプロセス」または「ページングメッセージ」という用語は、ページの存在をUE115に警告するために基地局105によって送信される任意の制御メッセージを指すことがある。したがって、RRCアイドルモードにおける1つまたは複数のUE115は、ページングメッセージを求めてリッスンするために周期的にしかアウェイクしないことがある。RRCアイドルモードにおけるUE115が周期的にしかアウェイクしないことがあるので、基地局105がビームフォーミングを効果的に利用して特定のUE115に向かってページを導くことは難しいことがある。詳細には、UE115がページングメッセージを求めてリッスンするためにアウェイクし得る厳密なロケーションまたはセルに基地局が気づいていないことがあるので、基地局105は、一般に、アイドルモードUEがページングメッセージを受信することを確実にするために、複数の方向を介して送信する(送信スイープと呼ばれる)。しかしながら、上記で説明したように、そのような送信スイープはリソース集約的である。
【0038】
ワイヤレス通信ネットワーク100は、複数のセルまたはキャリア上での動作、すなわち、キャリアアグリゲーション(CA:carrier aggregation)またはマルチキャリア動作と呼ばれることがある機能をサポートし得る。キャリアは、コンポーネントキャリア(CC:component carrier)、レイヤ、チャネルなどと呼ばれることもある。「キャリア」、「コンポーネントキャリア」、「セル」、および「チャネル」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。UE115は、キャリアアグリゲーションのために、複数のダウンリンクCCおよび1つまたは複数のアップリンクCCとともに構成され得る。キャリアアグリゲーションは、FDDコンポーネントキャリアとTDDコンポーネントキャリアの両方を用いて使用され得る。
【0039】
次に
図2を参照すると、2入力用の例示的な通信路分極処理アーキテクチャ200が説明される。上記で説明したように、ポーラ符号構築は、物理チャネル205を複数の仮想的な外側チャネル210(たとえば、W-劣悪チャネル210-aおよびW+良好チャネル210-b)に変換する、短いカーネル符号の複数の再帰的な連結に基づく。「劣悪チャネル」および「良好チャネル」という用語は、チャネルごとの信号対雑音(SNR)比および/または信頼性に基づくチャネル品質を指すことがある。たとえば、チャネルが、小さいSNR比を有する場合、チャネルは「劣悪チャネル」と見なされてよく、大きいSNR比は「良好チャネル」に関連付けられてよい。再帰の数が多くなると、仮想チャネルは高い信頼性または低い信頼性のいずれかを有する(言い換えれば、仮想チャネルが分極する)傾向があり、データビットは最も信頼できるチャネルに割り振られる。図示の例では、1対の同一バイナリ入力チャネル205が、異なる品質の2つの異なるチャネル210、たとえば、元のバイナリ入力チャネル205よりも良好なチャネルおよび劣悪なチャネルに変換される。そのような事例では、チャネルW-210-a(たとえば、「劣悪チャネル」)は、入力u
0ならびに出力y
0およびy
1を含んでよい。同様に、チャネルW+210-b(たとえば、「良好チャネル」)は、入力u
1ならびに出力y
0およびy
1を含んでよい。2つのチャネル210に対する通信路分極は、以下のように達成されてよく、ここで、チャネルW-210-aは入力U
0および出力y
0を有し、チャネルW+は入力U
1および出力y
1を有する。
【0040】
【0041】
パリティ検査
消失確率、ε-=1-(1-ε)2=2ε-ε2。
【0042】
【0043】
反復
消失確率、ε+=ε2。
【0044】
いくつかの例では、上記の動作は再帰的に実行され得、ここで、様々な品質のN=2n「ビットチャネル」のセットが取得され得る。たとえば、動作は、「良好」チャネルを介した情報ビットの送信、および「劣悪」チャネルを介した既知の「凍結」ビットの送信を含むことができる。随意に、リストSC復号の助けとなるように情報ブロックにCRCが付加されてよい。
【0045】
図3を参照すると、ビット反転パンクチャリング技法300から得られるビット構造を含む1つの解決策が開示される。ビット反転パンクチャリング技法300は、所定の良好ビット順序に従って最初のK個の良好ビット305を選択すること、およびK個のデータビット315を割り振る前に凍結ビット310をスキップすることに依拠する。詳細には、方法は、準一様パンクチャリングパターンを適用し、対応する入力ビットを凍結ビット325として設定する。言い換えれば、パンクチャドビット320のロケーション、および容量が0のビットチャネルのロケーションは、降順の順序付きバイナリインデックス[0,1,...,N-2,N-1]をビット反転させること、およびビット反転された最大値を有するN-M個のインデックスをパンクチャされた位置としてマークすること、たとえば、P=[BitRev(M),...,BitRev(N-2),BitRev(N-1)]によって決定され、ここで、Mはパンクチャリング後の符号長である。
【0046】
ただし、ビット反転パンクチャリング技法300に関する懸念は復号レイテンシである。このことは、特に多数のブラインド復号を伴う制御チャネルにとって本当である。なぜなら、このパンクチャされたポーラ符号の復号計算量および復号遅延が、コードワードサイズMではなくサイズN=2nの関数であるからである。
【0047】
別の解決策(図示せず)は、情報セット最適化を用いないブロックパンクチャリングに関係する。この代替解決策では、ポーラ符号に対して単純なパンクチャリング方式が提案された。任意のターゲットコードワード長Mを獲得するために、方式は、最初の
【0048】
【0049】
個の連続したコード化ビットを単に除去し、最初のPビットチャネルを、パンクチャリングによるゼロ容量に起因する凍結ビットに設定する。しかしながら、この方式は、パンクチャリングが大量であるとき、たとえば、パンクチャドビットの個数PがN/2(ただし、
【0050】
【0051】
)に近いとき、ビット反転パンクチャリングと比較して深刻な性能損失を有する。なぜなら、ブロックパンクチャリングが分極構造を変化させ、パンクチャドビットに対して良好ビットインデックスをスキップすることによる情報セットの決定が十分でないからである。すなわち、コード化ビット(XOR後のチャネル)の上部がパンクチャされる場合、いくつかのビットが反復されないので、下部(反復後のチャネル)はW+の代わりにWのチャネルを見る。したがって、完全な分極に基づいてビット順序シーケンスから導出されるK情報ビット割振りは楽観的でありすぎる。
【0052】
図4を参照すると、
図400は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整する、本開示による解決策を示す。たとえば、情報ビットの割振りは、各セクタ405の中の(n個のK情報ビット、すなわち、Kn、たとえば、K0 405-a、K1 405-b、K2 405-c、K3 405-d、およびK4 405-eという)情報ビットの個数を決定することによって特定されてよく、ここで、K=K0+K1+K2+K3+K4はパンクチャリング後の容量に基づく。低レートポーラ符号、たとえば、R=(K/M)≦1/3の場合、コード化ビットの上部は、ブロックパンクチャリングが適用されてよく、次いで、4つのセクタ405(または、もっと細かい粒度)に分割される。セクタ405の中に任意のパンクチャドビットがある場合、そのセクタに情報ビットが割り振られず、たとえば、K
i=0であり、凍結ビットとして設定する。次いで、他の凍結位置(すなわち、他のK
i値)が、ガウス近似を使用することによって(M=m*2
n、m=1、3、5、および7に対して)または所定の良好ビット順序に従って選択され、K情報ビットを割り振る前に凍結ビットをスキップする。
【0053】
たとえば、
0<N-M≦(N/8):K0=0、M1=(7N/8)<M、
0<N-M≦(N/4):K0=K1=0、M1=(3N/4)<M、
0<N-M≦(3N/8):K0=K1=K2=0、M1=(5N/8)<M、かつ
0<N-M<(N/2):K0=K1=K2=K3=0、M1=(N/2)<Mである。
【0054】
図5を参照すると、
図500は、本開示の態様による、容量公式を使用して情報ビットを割り振るための例示的な処理アーキテクチャ500を含む。アーキテクチャ500は、複数の仮想チャネルによって表される物理チャネル505を含む。チャネルは、異なるセクタ510に細分されてよい。
【0055】
本開示の態様によれば、情報ビットの割振りは、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数(P)に基づいて調整される。詳細には、本開示の特徴は、パンクチャリングの後、チャネル容量に基づいてセクタ510ごとの情報ビットの個数を決定する。各セクタの容量、たとえば、R1、R2、およびR3は、入力として情報レートR=K/Mを使用して相互情報転送チャートから導出され得る(注記:R1+R2+R3=3*R)。追加として、いくつかの例では、情報ビット分布は、K1=R1*(N/3)、K2=R2*(N/3)、K3=R3*(N/3)として導出され得る。
【0056】
低レートポーラ符号(たとえば、R=K/M≦1/3)の場合、チャネル(たとえば、XOR後のチャネル)の上部は、ブロックパンクチャリングが適用されてよく、次いで、複数のセクタ510(または、より細かい粒度に対してもっと多く)にさらに細分される。セクタの中に任意のパンクチャドビットがある場合、そのセクタに情報ビットが割り振られない。追加として、凍結ビット位置(すなわち、他のKi値)が、ガウス近似を使用することによって(たとえば、M=m*2n、m=1、3、5、および7に対して)または所定の良好ビット順序に従って選択されてよく、K情報ビットを割り振る前に凍結ビットをスキップする。
【0057】
図6を参照すると、
図600は、所定の良好ビット順序を使用して情報ビット割振りを決定する方法に従ってエンコーダの中に入力されるような、ビット順序構造を示す。いくつかの例では、最初のN-M
1サブチャネル605は凍結ビットに設定されてよく、残りのM
1サブチャネル610は昇順の信頼性に基づいてソートされてよい。その後、K情報サブチャネル615が、凍結サブチャネル610をスキップしながら一番右から一番左までの信頼性から選択されてよい。さらに、情報セット最適化を用いないブロックパンクチャリングと比較して、追加のM
1-Mサブチャネルが、信頼性順序とは無関係に凍結されるように設定されてよい。
【0058】
したがって、いくつかの例では、送信されないビットの個数はP=N-Mであり、ただし、Nは2のべき乗のマザーコードブロック長であり、Mは符号長である。いくつかの例では、
図3に示すようにインデックスが0≦u≦(N-M)のすべての入力ビットを凍結させる代わりに、本開示の特徴は、インデックスが0≦u<(N-M1)(ただし、M1>M)の入力ビットを凍結させるための技法を含む。情報ビットに対するロケーションが、次いで、残りのN-M1ビットロケーションから決定される。したがって、本開示の特徴は、送信されないコード化ビットに対応する入力ビットを凍結させてよく、パンクチャリングのために(たとえば、M1-M個の)追加ビットを凍結させてもよい。
【0059】
図7を参照すると、一代替形態では、ハイブリッド反復およびパンクチャリングフレーム構造700の例示的な態様が図示される。この場合、M個のコード化ビットは、ハイブリッド反復およびパンクチャリングを使用することによって取得され得、たとえば、サイズM1のポーラ符号の上部に反復が使用され、ここで、M1は7N/8、3N/4、5N/8、およびN/2から選択され、NはMよりも大きい2のべき乗、たとえば、
【0060】
【0061】
である。さらに、情報セット最適化を用いないブロックパンクチャリングが、M1個のコード化ビットを取得するために使用され、たとえば、パンクチャドビットに対して良好ビットインデックスをスキップすることによってK個の良好ビットを選択する。
【0062】
本開示の解決策は1つまたは複数の利点を有し得る。最初のN-M1ビットチャネルが凍結ビットに設定されるので、提案されるパンクチャリングポーラ符号の復号計算量および復号遅延は、N=2nの代わりにサイズM1の関数である。
【0063】
図8は、本開示の様々な態様による、本明細書で説明する1つまたは複数の方法(たとえば、方法900)を実施するための、UE115または基地局105であってよい送信デバイスのハードウェア構成要素および副構成要素の一例である。たとえば、送信デバイスの実装形態の一例は、そのうちのいくつかがすでに上記で説明されている様々な構成要素を含んでよいが、1つまたは複数のバス844を介して通信している1つまたは複数のプロセッサ812ならびにメモリ816およびトランシーバ802などの構成要素を含み、それらは通信路分極構成要素850とともに動作し得る。
【0064】
通信路分極構成要素850は、ワイヤレス通信のレートマッチング符号分極に対して本明細書で説明する技法を実施し得る。いくつかの例では、通信路分極構成要素850は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定し得る。通信路分極構成要素850はまた、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整するための、情報ビット割振り構成要素855を含んでよい。通信路分極構成要素850は、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成するための、コードワード生成構成要素860をさらに含んでよい。
【0065】
1つまたは複数のプロセッサ812、モデム814、メモリ816、トランシーバ802、RFフロントエンド888、および1つまたは複数のアンテナ865は、1つまたは複数の無線アクセス技術におけるボイス呼および/またはデータ呼を(同時または非同時に)サポートするように構成され得る。一態様では、1つまたは複数のプロセッサ812は、1つまたは複数のモデムプロセッサを使用するモデム814を含むことができる。通信路分極構成要素850に関係する様々な機能は、モデム814および/またはプロセッサ812の中に含まれてよく、一態様では、単一のプロセッサによって実行され得るが、他の態様では、複数の機能のうちの異なる機能が、2つ以上の異なるプロセッサの組合せによって実行されてよい。たとえば、一態様では、1つまたは複数のプロセッサ812は、モデムプロセッサ、またはベースバンドプロセッサ、またはデジタル信号プロセッサ、または送信プロセッサ、または受信機プロセッサ、またはトランシーバ802に関連するトランシーバプロセッサのうちのいずれか1つまたは任意の組合せを含んでよい。他の態様では、通信路分極構成要素850に関連する1つまたは複数のプロセッサ812および/またはモデム814の機能のうちのいくつかは、トランシーバ802によって実行されてよい。
【0066】
また、メモリ816は、本明細書で使用されるデータ、および/またはアプリケーションのローカルバージョンすなわち通信路分極構成要素850を記憶するように構成されてよく、かつ/あるいはその副構成要素のうちの1つまたは複数は、少なくとも1つのプロセッサ812によって実行される。メモリ816は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、テープ、磁気ディスク、光ディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびそれらの任意の組合せなどの、コンピュータまたは少なくとも1つのプロセッサ812によって使用可能な任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含むことができる。一態様では、たとえば、メモリ816は、通信路分極構成要素850および/またはその副構成要素のうちの1つもしくは複数を規定する1つまたは複数のコンピュータ実行可能コード、ならびに/あるいはUE115が通信路分極構成要素850および/またはその副構成要素のうちの1つもしくは複数を実行するように少なくとも1つのプロセッサ812を動作させている時に、それらに関連するデータを記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってよい。
【0067】
トランシーバ802は、少なくとも1つの受信機806および少なくとも1つの送信機808を含んでよい。受信機806は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはデータを受信するためにプロセッサによって実行可能なソフトウェアコードを含んでよく、コードは、命令を備えるとともにメモリ(たとえば、コンピュータ可読媒体)の中に記憶される。受信機806は、たとえば、無線周波数(RF)受信機であってよい。一態様では、受信機806は、少なくとも1つのUE115によって送信された信号を受信し得る。追加として、受信機806は、そのような受信信号を処理し得、限定はしないが、Ec/Io、SNR、RSRP、RSSIなどの、信号の測定値も取得し得る。送信機808は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはデータを送信するためにプロセッサによって実行可能なソフトウェアコードを含んでよく、コードは、命令を備えるとともにメモリ(たとえば、コンピュータ可読媒体)の中に記憶される。送信機808の好適な例は、限定はしないが、RF送信機を含んでよい。
【0068】
その上、一態様では、送信デバイスは、無線送信、たとえば、少なくとも1つの基地局105によって送信されるワイヤレス通信、またはUE115によって送信されるワイヤレス送信を受信および送信するために、1つまたは複数のアンテナ865およびトランシーバ802と通信して動作し得る、RFフロントエンド888を含んでよい。RFフロントエンド888は、1つまたは複数のアンテナ865に接続されてよく、RF信号を送信および受信するために、1つまたは複数の低雑音増幅器(LNA)890、1つまたは複数のスイッチ892、1つまたは複数の電力増幅器(PA)898、および1つまたは複数のフィルタ896を含むことができる。
【0069】
一態様では、LNA890は、受信信号を所望の出力レベルに増幅することができる。一態様では、各LNA890は、指定された最小および最大の利得値を有してよい。一態様では、RFフロントエンド888は、特定の適用例に対する所望の利得値に基づいて、特定のLNA390およびその指定された利得値を選択するために、1つまたは複数のスイッチ892を使用し得る。
【0070】
さらに、たとえば、1つまたは複数のPA898は、RF出力用の信号を所望の出力電力レベルに増幅するために、RFフロントエンド888によって使用され得る。一態様では、各PA898は、指定された最小および最大の利得値を有してよい。一態様では、RFフロントエンド888は、特定の適用例に対する所望の利得値に基づいて、特定のPA898およびその指定された利得値を選択するために、1つまたは複数のスイッチ892を使用し得る。
【0071】
また、たとえば、1つまたは複数のフィルタ896は、受信信号をフィルタ処理して入力RF信号を取得するために、RFフロントエンド888によって使用され得る。同様に、一態様では、たとえば、それぞれのフィルタ896は、それぞれのPA898からの出力をフィルタ処理して送信用の出力信号を生成するために使用され得る。一態様では、各フィルタ896は、特定のLNA890および/またはPA898に接続され得る。一態様では、RFフロントエンド888は、トランシーバ802および/またはプロセッサ812によって指定されるような構成に基づいて、指定されたフィルタ896、LNA890、および/またはPA898を使用する送信経路または受信経路を選択するために、1つまたは複数のスイッチ892を使用することができる。
【0072】
したがって、トランシーバ802は、RFフロントエンド888を介して1つまたは複数のアンテナ865を通じてワイヤレス信号を送信および受信するように構成され得る。一態様では、トランシーバは、送信デバイスが、たとえば、1つもしくは複数の基地局105または1つもしくは複数の基地局105に関連する1つもしくは複数のセルと通信できるような、指定された周波数において動作するように同調され得る。一態様では、たとえば、モデム814は、送信デバイスの構成およびモデム814によって使用される通信プロトコルに基づいて、指定された周波数および電力レベルにおいて動作するようにトランシーバ802を構成することができる。
【0073】
一態様では、モデム814は、デジタルデータがトランシーバ802を使用して送られかつ受信されるように、デジタルデータを処理するとともにトランシーバ802と通信することができるマルチバンドマルチモードモデムであり得る。一態様では、モデム814はマルチバンドであり得、特定の通信プロトコル用の複数の周波数帯域をサポートするように構成され得る。一態様では、モデム814はマルチモードであり得、複数の動作ネットワークおよび通信プロトコルをサポートするように構成され得る。一態様では、モデム814は、指定されたモデム構成に基づいて、ネットワークからの信号の送信および/または受信を可能にするように、送信デバイスの1つまたは複数の構成要素(たとえば、RFフロントエンド888、トランシーバ802)を制御することができる。一態様では、モデム構成は、モデムのモードおよび使用中の周波数帯域に基づき得る。別の態様では、モデム構成は、セル選択および/またはセル再選択の間にネットワークによって提供されるような、送信デバイスに関連するUE構成情報に基づき得る。
【0074】
図9は、本開示の態様による、基地局またはUEのいずれかによって実施されるワイヤレス通信の方法900の一例のフローチャートである。したがって、方法900は、送信デバイスとして働くデバイス(たとえば、基地局105またはUE115)を使用して実行され得る。方法900は基地局105またはUE115の要素に関して以下で説明されるが、本明細書で説明するアクションのうちの1つまたは複数を実施するために他の構成要素が使用されてよい。
【0075】
ブロック905において、方法900は、ブロックパンクチャリングポーラ符号に対するパンクチャドビットの個数を決定することを含んでよい。905の態様は、
図8を参照しながら説明した通信路分極構成要素850によって実行され得る。
【0076】
ブロック910において、方法900は、パンクチャドビットの個数に基づいて情報ビットの割振りを調整することを含んでよい。いくつかの例では、方法は、任意のパンクチャドビットがチャネルの複数のセクタのうちの1つのセクタの中にあるかどうかを決定し得る。パンクチャドビットがセクタにない(たとえば、セクタの中にない)場合、方法は、情報ビットをそのセクタの中に割り振ってよい。しかしながら、1つまたは複数のパンクチャドビットがセクタの中にある場合、方法は、代わりに1つまたは複数の凍結ビットをそのセクタの中に割り振ってよい。1つまたは複数の凍結ビットに対する位置を選択することは、ガウス近似を使用することを含んでよい。第1のサブチャネル部分が1つまたは複数の凍結ビットに対して設定され、かつ第2のサブチャネル部分が昇順の信頼性に基づいてソートされるような、1つまたは複数の凍結ビットに対する位置が選択される。いくつかの例では、M個のコード化ビットが、ハイブリッド反復およびパンクチャリングを使用することによって取得され得る。追加または代替として、本開示の特徴は、送信されないコード化ビットに対応する入力ビットを凍結させてよい。さらに、追加ビット(
図6ではM1-M個、ただし、M1はMよりも大きい)が、インデックスが0≦u<(N-M1)の入力ビットに対するパンクチャリングに対して凍結させられてよい。910の態様は、
図8を参照しながら説明した情報ビット割振り構成要素855によって実行され得る。
【0077】
ブロック915において、方法900は、低レートポーラ符号に対するコード化ビットの上部にブロックパンクチャリングを適用することを随意に含んでよい。いくつかの例では、方法900はまた、コードワードに対するいくつかのコード化ビットを取得するために、情報セット最適化を用いずにブロックパンクチャリングを利用することを含んでよい。905の態様は、
図8を参照しながら説明した通信路分極構成要素850によって実行され得る。
【0078】
ブロック920において、方法900は、情報ビットの割振りに基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信用のコードワードを生成することを含んでよい。920の態様は、
図8を参照しながら説明したコードワード生成構成要素860によって実行され得る。
【0079】
添付の図面に関して上記に記載した上記の詳細な説明は例を説明し、実施され得るかまたは特許請求の範囲内に入る例のみを表すものではない。「例」という用語は、この説明で使用されるとき、「例、事例、または例示として働くこと」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、説明する技法の理解を与える目的で具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細を伴うことなく実践され得る。いくつかの事例では、説明した例の概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造および装置がブロック図の形態で示される。
【0080】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表されてよい。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能コードもしくは命令、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0081】
本開示に関して説明した様々な例示的なブロックおよび構成要素は、限定はしないが、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素などの特別にプログラムされたデバイス、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。特別にプログラムされたプロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。特別にプログラムされたプロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0082】
本明細書で説明した機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、1つもしくは複数の命令もしくはコードとして非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶され得るか、または非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲内および趣旨内に入る。たとえば、ソフトウェアの性質に起因して、上記で説明した機能は、特別にプログラムされたプロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実施する特徴はまた、異なる物理的ロケーションにおいて機能の部分が実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置されてよい。また、特許請求の範囲内を含めて本明細書で使用するとき、「のうちの少なくとも1つ」で終わる項目の列挙において使用される「または」は、たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という列挙がAまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような選言的列挙を示す。
【0083】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの移転を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得るとともに、汎用もしくは専用コンピュータまたは汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標) (disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(登録商標)(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0084】
本明細書で説明した技法が、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、および他のシステムなどの様々なワイヤレス通信ネットワークのために使用され得ることに留意されたい。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば、互換的に使用される。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装し得る。CDMA2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格をカバーする。IS-2000リリース0およびAは、通常、CDMA2000 1X、1Xなどと呼ばれる。IS-856(TIA-856)は、通常、CDMA2000 1xEV-DO、高速パケットデータ(HRPD)などと呼ばれる。UTRAは、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標))、およびCDMAの他の変形態を含む。TDMAシステムは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、発展型UTRA(E-UTRA)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDM(商標)などの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新たなリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体からの文書に記載されている。本明細書で説明した技法は、上述のシステムおよび無線技術、ならびに共有無線周波数スペクトル帯域を介したセルラー(たとえば、LTE)通信を含む、他のシステムおよび無線技術のために使用され得る。しかしながら、以下の説明は、例としてLTE/LTE-Aシステムを説明し、以下の説明の大半においてLTE用語が使用されるが、本技法は、LTE/LTE-A適用例以外に(たとえば、5Gネットワークまたは他の次世代通信システムに)適用可能である。
【0085】
本開示の前述の説明は、当業者が本開示を作成または使用できるように与えられる。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書において規定される一般原理は、本開示の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の変形形態に適用され得る。さらに、説明した態様および/または実施形態の要素は、単数形で説明または特許請求されている場合があるが、単数形への限定が明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。追加として、別段に記載されていない限り、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、任意の他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに利用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるべきではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0086】
100 ワイヤレス通信ネットワーク
105 基地局
110 地理的カバレージエリア
115 ユーザ機器
125 ワイヤレス通信リンク
130 コアネットワーク
134 バックホールリンク
200 通信路分極処理アーキテクチャ
205 物理チャネル
210-a 劣悪チャネル
210-b 良好チャネル
305 良好ビット
310 凍結ビット
315 データビット
320 パンクチャドビット
325 凍結ビット
500 処理アーキテクチャ
505 物理チャネル
510 セクタ
802 トランシーバ
806 受信機
808 送信機
812 プロセッサ
814 モデム
816 メモリ
844 バス
850 通信路分極構成要素
855 情報ビット割振り構成要素
860 コードワード生成構成要素
865 アンテナ
888 RFフロントエンド
890 低雑音増幅器
892 スイッチ
896 フィルタ
898 電力増幅器