(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法および装置
(51)【国際特許分類】
H03M 13/19 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
H03M13/19
(21)【出願番号】P 2019560773
(86)(22)【出願日】2018-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2018083743
(87)【国際公開番号】W WO2018201912
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-11-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】201710314028.6
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710367204.2
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】張 荻
(72)【発明者】
【氏名】王 加慶
(72)【発明者】
【氏名】潘 學明
(72)【発明者】
【氏名】孫 韶輝
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】角田 慎治
(56)【参考文献】
【文献】Qualcomm Incorporated,LDPC Design Considerations,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700831,2017年1月10日,pp.1-20
【文献】Qualcomm Incorporated,LDPC rate compatible design,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700830,2017年1月10日,pp.1-19
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M13/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得するステップと、
前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップと、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップとを含
み、
前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップは、
前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得するステップと、
前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得するステップと、
データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップとを含む、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項2】
データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップは、
Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、
Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、
Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップとを含む、請求項
1に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項3】
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップは、
前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得するステップと、
前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得するステップと、
チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得るステップと、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップとを含む、請求項
2に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項4】
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップ、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む、請求項
3に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項5】
現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップの後に、
前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項6】
前記目標情報長は、
Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、
それ以外の場合、前記データ情報長に等しい、請求項
5に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項7】
前記目標符号化率は、
前記チャネル符号化率に等しい、請求項
5に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法。
【請求項8】
符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得する取得モジュールと、
前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定モジュールと、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する第2特定モジュールとを含
み、
前記第1特定モジュールは、
前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得する第1取得サブモジュールと、
前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得する第2取得サブモジュールと、
データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定サブモジュールとを含む、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【請求項9】
前記第1特定サブモジュールは、
Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第1特定ユニットと、
Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第2特定ユニットと、
Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第3特定ユニットとを含む、請求項
8に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【請求項10】
前記第2特定モジュールは、
前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得する第3取得サブモジュールと、
前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得する第4取得サブモジュールと、
チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得る比較サブモジュールと、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定する第2特定サブモジュールとを含む、請求項
9に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【請求項11】
前記第2特定サブモジュールは、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第1選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第2選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第3選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第4選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第5選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第6選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第7選択ユニット、または、
前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第8選択ユニットを含む、請求項
10に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【請求項12】
前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成する生成モジュールをさらに含む、請求項
8に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【請求項13】
前記目標情報長は、
Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、
それ以外の場合、前記データ情報長に等しい、または/および、
前記目標符号化率は、
前記チャネル符号化率に等しい、請求項
12に記載の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年5月5日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710314028.6の優先権、および、2017年5月23日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710367204.2の優先権を主張し、その全ての内容が援用によりここに取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に係り、特に低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法および装置に係る。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、LDPC(Low Density Parity Check)符号は、5G NR(New Radio)のeMBB(Enhanced Mobile Broadband)応用シーンに用いられる。
【0003】
LDPC符号のベースグラフ(base graph)にリフティング(lifting)方法を使用することによって、特定の情報長とコードレートがサポートされる検査行列を得て符号化/復号化を行う。ベースグラフとリフティングパラメータの制限から、検査行列のサポート可能な情報長とコードレートは、ある範囲に限定される。よって、特定されたベースグラフにサポートされる情報長とコードレートの範囲も、特定されるものである。異なるベースグラフにサポートされる情報長とコードレートも異なる。
【0004】
3GPP会議の結論によれば、NRにおいて、2つのベースグラフを有するLDPC符号化が用いられる。2つのベースグラフがすべてのコード長とコードレートをカバーする必要があるため、当該2つのベースグラフにサポートされる情報長とコードレートは、範囲が異なり、かつオーバーラップが存在する。
【0005】
しかし、ベースグラフの選択に先立ち、基地局と端末は、DCI(Downlink Control Information)の中のMCS(Modulation Coding Scheme)情報を取得し、記憶されているMCSテーブルを照会してTBs(Transport Block size)と目標Rの値を取得し、セグメント結果を算出し、LDPCの符号化/復号化に用いられる目標K、Rを得る。
【0006】
これによって、目標K、Rは、伝送されるデータ長と、チャネルの提供可能な物理リソースに基づいて算出されることが分かる。よって、当該目標K、Rおよび上記2つのベースグラフにサポートされる情報長とコードレートに基づいてベースグラフを選択する場合、カバーできなかったり、一部の伝送されるデータ長とチャネル符号化率の組み合わせがオーバーラップしたりすると、符号化/復号化対象データに必要なベースグラフが明確に選択できないという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、符号化/復号化に必要なベースグラフが2つのベースグラフから明確に選択できない問題を解決するために、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様において、本開示の実施例は、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法を提供する。当該方法は、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得するステップと、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップとを含む。
【0009】
選択可能に、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップは、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得するステップと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得するステップと、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップとを含む。
【0010】
選択可能に、前記データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップは、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップとを含む。
【0011】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップは、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得するステップと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得するステップと、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得るステップと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップとを含む。
【0012】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0013】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0014】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0015】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0016】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0017】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0018】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、 前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0019】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0020】
選択可能に、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップを含む。
【0021】
選択可能に、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップの後に、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成するステップをさらに含む。
【0022】
選択可能に、前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0023】
選択可能に、前記目標符号化率は、前記チャネル符号化率に等しい。
【0024】
上記目的を達成するために、第2態様において、本開示の実施例は、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置を提供する。当該装置は、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得する取得モジュールと、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定モジュールと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する第2特定モジュールとを含む。
【0025】
選択可能に、前記第1特定モジュールは、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得する第1取得サブモジュールと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得する第2取得サブモジュールと、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定サブモジュールとを含む。
【0026】
選択可能に、前記第1特定サブモジュールは、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第1特定ユニットと、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第2特定ユニットと、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第3特定ユニットとを含む。
【0027】
選択可能に、前記第2特定モジュールは、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得する第3取得サブモジュールと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得する第4取得サブモジュールと、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得る比較サブモジュールと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定する第2特定サブモジュールとを含む。
【0028】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第1選択ユニットを含む。
【0029】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第2選択ユニットを含む。
【0030】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第3選択ユニットを含む。
【0031】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第3選択ユニットを含む。
【0032】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第4選択ユニットを含む。
【0033】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第5選択ユニットを含む。
【0034】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第6選択ユニットを含む。
【0035】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第7選択ユニットを含む。
【0036】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第8選択ユニットを含む。
【0037】
選択可能に、前記装置は、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成する生成モジュールをさらに含む。
【0038】
選択可能に、前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0039】
選択可能に、前記目標符号化率は、前記チャネル符号化率に等しい。
【0040】
第3態様において、本開示の実施例は、プロセッサと、メモリと、バスインタフェースを含む低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置をさらに提供する。前記バスインタフェースは、前記プロセッサと前記メモリを接続する。前記メモリは、プログラムとデータを記憶する。前記プロセッサは、前記メモリに記憶されているプログラムとデータを読み取って、前記第1態様に記載の方法を実行するように前記装置を制御する。
【0041】
第4態様において、本開示の実施例は、プログラムとデータが記憶されている非揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。前記プログラムとデータがコンピュータのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサは、前記第1態様に記載の方法を実現する。
発明の効果
【0042】
本開示の実施例の低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法において、まず、現在の符号化/復号化で符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得してから、当該データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、適切な目標ベースグラフ選択ポリシーを特定し、さらに、当該目標ベースグラフ選択ポリシーと当該チャネル符号化率に基づいて、最終的に、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する。ベースグラフにそれぞれサポートされる情報長と符号化率がカバーできなかったり、一部のデータ情報長とチャネル符号化率の組み合わせがオーバーラップしたりすると、必要な目標ベースグラフが明確化できないことを避け、目標ベースグラフを効果的に特定する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本開示の実施例における低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本開示の実施例における低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法の具体的なフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の実施例における低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法の具体的なフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示の実施例における低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置の構造図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例におけるデータ符号化/復号化機器の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示の解決しようとする技術課題、技術手段および利点をより明確にするために、以下、図面および具体的な実施例を通じて詳細に記載する。
【0045】
本開示は、関連のベースグラフ選択方式において、符号化/復号化対象データに必要なベースグラフが明確に選択できない問題に対し、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法を提供し、ベースグラフの情報長範囲によって適切な選択ポリシーを選定し、さらに現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを明確に特定する。
【0046】
図1に示すように、本開示の実施例における低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法は、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得するステップ101と、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップ102と、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップ103とを含む。
【0047】
選択対象のベースグラフには、それぞれサポートされる情報長と符号化率を有するために、本実施例において、異なる情報長範囲に対する目標ベースグラフ選択ポリシーが設定されている。このように、上記ステップ101~103によって、移動端末または基地局は、現在の符号化/復号化で符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得すると、当該データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、適切な目標ベースグラフ選択ポリシーを特定し、さらに、当該目標ベースグラフ選択ポリシーと当該チャネル符号化率に基づいて、最終的に、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する。ベースグラフにそれぞれサポートされる情報長と符号化率がカバーできなかったり、一部のデータ情報長とチャネル符号化率の組み合わせがオーバーラップしたりすると、必要な目標ベースグラフが明確化できないことを避け、目標ベースグラフを効果的に特定する。
【0048】
3GPP会議の結論によれば、選択可能に、NRにおいて、2つのベースグラフを有するLDPC符号化が用いられることが知られている。第1グラフbase graph#1では、情報長範囲[Kmin1,Kmax1]と、コードレート範囲[Rmin1,Rmax1]がサポートされる。第2グラフbase graph #2では、情報長範囲[Kmin2,Kmax2]と、コードレート範囲[Rmin2,Rmax2]がサポートされる。ここで、Kmin1は、第1グラフの第1最小情報長を示し、Kmax1は、第1グラフの第1最大情報長を示し、Rmin1は、第1グラフの第1最小符号化率を示し、Rmax1は、第1グラフの第1最大符号化率を示し、Kmin2は、第2グラフの第2最小情報長を示し、Kmax2は、第2グラフの第2最大情報長を示し、Rmin2は、第2グラフの第2最小符号化率を示し、Rmax2は、前記第2グラフの第2最大符号化率を示す。2つのベースグラフが符号化/復号化対象データのすべての情報長と符号化率をカバーする必要があるため、Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1、Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1。Kmin2は、符号化/復号化対象データの最小情報長Kminに等しく、Kmax1は、符号化/復号化対象データの最大情報長Kmaxに等しく、Rmin2は、符号化/復号化対象データの最小符号化率Rminに等しく、Rmax1は、符号化/復号化対象データの最大符号化率Rmaxに等しい。
【0049】
以上の記載から、本開示の実施例において、設定されているベースグラフ選択ポリシーは、ベースグラフの情報長範囲に対応することが分かる。よって、具体的に、
図2に示すように、本開示の実施例において、ステップ102は、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得するサブステップ1021と、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得するサブステップ1022と、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するサブステップ1023とを含む。
【0050】
ここで、サブステップ1021~1023によって、移動端末または基地局は、ベースグラフの第1グラフと第2グラフの最小情報長、最大情報長をそれぞれ取得し、さらにデータ情報長と取得した各情報長との大小関係に基づいて、適切な目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する。
【0051】
選択可能に、サブステップ1023は、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定することと、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定することと、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定することとを含む。
【0052】
ここで、設定されているベースグラフ選択ポリシーとデータ情報長の適切な範囲に基づいて、当該符号化/復号化の対象となるデータの最終的なベースグラフ選択のための目標ベースグラフ選択ポリシーを特定し、目標ベースグラフを特定する。
【0053】
なお、本開示の実施例において、目標ベースグラフの特定は、目標ベースグラフ選択ポリシーおよびチャネル符号化率に基づいて実現されることが知られている。具体的に、
図3に示すように、ステップ103は、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得するサブステップ1031と、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得するサブステップ1032と、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得るサブステップ1033と、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するサブステップ1034とを含む。
【0054】
上記ステップによって、まず第1グラフ、第2グラフの最小符号化率、最大符号化率を取得し、それから当該チャネル符号化率と各符号化率との大小を比較し、さらに比較結果と特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーに基づいて、目標ベースグラフを特定する。
【0055】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0056】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、さらに比較結果からRmin2≦R≦Rmax2と分かると、第2グラフbase graph #2を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0057】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0058】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、さらに比較結果からRmax2<R≦Rmax1と分かると、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0059】
たとえば、Kmax1=8448、Kmax2=2000、Kmin1=512、Kmin2=100、Rmin1=1/3、Rmax1=8/9、Rmin2=1/5、Rmax2=2/3、情報長の単位は、bitであり、符号化率の単位は、kbpsである。符号化/復号化の対象となるデータに対応するK=500、R=5/6が取得されると、上記方法によって、Kmin2≦K<Kmin1から、まず目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定し、それから、当該第1ベースグラフ選択ポリシーではRmax2<R≦Rmax1から、base graph #2を現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0060】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0061】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、さらに比較結果からRmin2≦R≦Rmax2と分かると、第2グラフbase graph #2を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0062】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0063】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、さらに比較結果からRmax2<R≦Rmax1と分かると、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0064】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0065】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、さらに比較結果からRmin2≦R<Rmin1と分かると、第2グラフbase graph #2を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0066】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0067】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、さらに比較結果からRmax2≦R≦Rmax1と分かると、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして選択すると特定する。
【0068】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0069】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、さらに比較結果からRmin1≦R<Rmax2と分かると、KとK0、RとR0をそれぞれ比較する必要があり、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、第2グラフbase graph #2を目標ベースグラフとして選択する。2つのベースグラフに用いられるリフティングサイズが異なり、比較的大きなリフティングサイズでは遅延を減少させ、2つのベースグラフが独立する場合に性能も異なることを考慮し、閾値を設定する方法で選択する。当該所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0は、目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて特定される。このように、K0とR0の設定によって、選択される目標ベースグラフが実現され、符号化/復号化過程でより大きなリフティングサイズ、より小さい遅延、より優れたエラーブロック性能が得られる。第2グラフは、比較的短いコードブロックについて最適化が行われるのであれば、そのエラーブロック性能として、適用する情報長とコードレート範囲内で全面的に第1グラフより優れる。すると、K0=Kmax2、R0=Rmax2と設定して第2グラフを目標ベースグラフとすることが実現される。第2グラフは、適用する情報長とコードレート範囲内でリフティングサイズの値が最も大きいのであれば、その符号化/復号化に必要されるハードウェア並行度が高く、遅延が低い。よって、K0=Kmax2、R0=Rmax2と設定して第2グラフを目標ベースグラフとして符号化/復号化を行う。
【0070】
上記例の第1グラフと第2グラフにサポートされる情報長と符号化率の範囲をそのまま用い、かつ、K0=Kmin1=512、R0=Rmin1=1/3と設定すると、取得される符号化/復号化の対象となるデータのK、Rについて、Kmin1≦K<Kmax2かつRmin1≦R<Rmax2範囲内のすべての組み合わせがすべてK>K0、R>R0に該当し、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして特定する。
【0071】
仮にベースグラフにサポートされる範囲で、Kmax2=2560以外を変更せず、K0=2000、R0=1/2と設定する。K=2100、R=0.6であれば、K、Rは、Kmin1≦K≦Kmax2、Rmin1≦R<Rmax2の範囲内にあり、base graphのオーバーラップ範囲内にあり、しかもK>K0、R>R0。この場合、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして特定する。K=1900、R=0.4であれば、K<K0、R<R0範囲に該当し、第2グラフbase graph #2を目標ベースグラフとして特定する。
【0072】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0073】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、さらに比較結果からRmin2≦R<Rmin1と分かり、第1グラフでは、K/R≦Nmaxの際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0074】
上記例の第1グラフと第2グラフにサポートされる情報長と符号化率の範囲をそのまま用い、仮にbase graph #1では、K/R≦Nmaxの際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされる。この場合、Nmax=Kmax1/Rmin1=8448/(1/3)=25344。K=6000、R=1/4の場合、K/R=24000<Nmaxを満たすと、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして特定する。
【0075】
選択可能に、サブステップ1034は、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択することを含む。
【0076】
ここで、特定済みの目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、さらに比較結果からRmin1≦R≦Rmax1と分かると、第1グラフbase graph #1を目標ベースグラフとして特定する。
【0077】
上記例の第1グラフと第2グラフにサポートされる情報長と符号化率の範囲をそのまま用い、符号化/復号化の対象となるデータに対応するK=8448、R=9/10が取得されると、上記方法によって、K=Kmax1から、まず目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定し、それから、当該第3ベースグラフ選択ポリシーではRmin1≦R≦Rmax1から、base graph #1を現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフとして特定する。
【0078】
ここで、目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定すると、Rmin2≦R<Rmin1であれば、base graph #1ではR<Rmin1の任意の符号化パラメータがサポートされず、この範囲では直接base graph #1と#2で符号化できない。よって、base graph #2を用いて符号化する。base graph #2にサポートされる最大情報長がKmax2であるが、この場合、K>Kmax2となり、矛盾が生じる。すなわち、base graph #1では、Kmax2≦K≦Kmax、Rmin2≦R<Rmin1の範囲内の任意のK、Rの組み合わせに対する直接的な符号化がサポートされない場合、目標K、Rは、この範囲内で現れない。
【0079】
目標ベースグラフを特定した後に、本開示の実施例において、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成するステップをさらに含む。
【0080】
符号化/復号化の対象となるデータの符号化/復号化を実現するために、検査行列を生成する必要がある。ここで、ステップ103で目標ベースグラフを特定した後に、当該目標ベースグラフおよびパラメータ(すなわち目標情報長と目標符号化率)に基づいて、当該検査行列を生成する。
【0081】
ここで、前記目標符号化率は、前記チャネル符号率に等しい。
【0082】
目標情報長が上記方法に適用し、符号化/復号化に必要なベースグラフが明確に選択される。前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0083】
ここで、Kmin2≦K<Kmin1、Rmax2<R≦Rmax1の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られる新規の情報長を目標情報長とし、検査行列の生成に用いる。それ以外の場合、取得されたデータ情報長をそのまま目標情報長とすればよい。
【0084】
上記例の第1グラフと第2グラフにサポートされる情報長と符号化率の範囲をそのまま用い、符号化/復号化の対象となるデータに対応するK=500、R=5/6が取得されると、第1グラフを目標ベースグラフとして特定してから、データ情報長Kに対し、Kmin1-K=5012-500=12個の0を追加し、0を追加して得られた新規の情報長を目標情報長とし、検査行列の生成に用いる。
【0085】
以上の記載をまとめると、本開示の実施例の方法において、まず、現在の符号化/復号化で符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得してから、当該データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、適切な目標ベースグラフ選択ポリシーを特定し、さらに、当該目標ベースグラフ選択ポリシーと当該チャネル符号化率に基づいて、最終的に、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する。ベースグラフにそれぞれサポートされる情報長と符号化率がカバーできなかったり、一部のデータ情報長とチャネル符号化率の組み合わせがオーバーラップしたりすると、必要な目標ベースグラフが明確化できないことを避け、目標ベースグラフをより効果的に特定する。
【0086】
図4に示すように、本開示の実施例は、低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択装置を提供する。当該装置は、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得する取得モジュール401と、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定モジュール402と、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する第2特定モジュール403とを含む。
【0087】
選択可能に、前記第1特定モジュール402は、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得する第1取得サブモジュールと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得する第2取得サブモジュールと、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する第1特定サブモジュールとを含む。
【0088】
選択可能に、前記第1特定サブモジュールは、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第1特定ユニットと、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第2特定ユニットと、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定する第3特定ユニットとを含む。
【0089】
選択可能に、前記第2特定モジュール403は、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得する第3取得サブモジュールと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得する第4取得サブモジュールと、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得る比較サブモジュールと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定する第2特定サブモジュールとを含む。
【0090】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第1選択ユニットを含む。
【0091】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第2選択ユニットを含む。
【0092】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第3選択ユニットを含む。
【0093】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第3選択ユニットを含む。
【0094】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第4選択ユニットを含む。
【0095】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第5選択ユニットを含む。
【0096】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第6選択ユニットを含む。
【0097】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第7選択ユニットを含む。
【0098】
選択可能に、前記第2特定サブモジュールは、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する第8選択ユニットを含む。
【0099】
選択可能に、前記装置は、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成する生成モジュールをさらに含む。
【0100】
選択可能に、前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0101】
本開示の実施例の装置は、まず、現在の符号化/復号化で符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得してから、当該データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、適切な目標ベースグラフ選択ポリシーを特定し、さらに、当該目標ベースグラフ選択ポリシーと当該チャネル符号化率に基づいて、最終的に、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定する。ベースグラフにそれぞれサポートされる情報長と符号化率がカバーできなかったり、一部のデータ情報長とチャネル符号化率の組み合わせがオーバーラップしたりすると、必要な目標ベースグラフが明確化できないことを避け、目標ベースグラフをより効果的に特定する。
【0102】
なお、当該装置は、上記低密度パリティ検査符号のベースグラフ選択方法を応用した装置であり、上記方法実施例の実現方式が当該装置に適用し、同一の技術効果を奏することもできる。
【0103】
本開示の実施例は、コンピュータプログラム(指令)が記憶されている非揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得するステップと、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するステップとが実現される。
【0104】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得するステップと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得するステップと、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するステップとが実現される。
【0105】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップと、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定するステップとが実現される。
【0106】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得するステップと、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得するステップと、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得るステップと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定するステップとが実現される。
【0107】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0108】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0109】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0110】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0111】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0112】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0113】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0114】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0115】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択するステップが実現される。
【0116】
選択可能に、当該プログラム(指令)がプロセッサによって実行されると、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成するステップがさらに実現される。
【0117】
選択可能に、前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0118】
選択可能に、前記目標符号化率は、前記チャネル符号化率に等しい。
【0119】
非揮発性のコンピュータ読み取り可能な媒体は、永久的媒体や非永久的媒体、リムーバブル媒体やナンリムーバブル媒体を含み、あらゆる方法や技術によって情報の記憶が実現される。情報は、コンピュータ読み取り可能な指令、データ構造、プログラムのモジュールまたはほかのデータである。コンピュータデバイスからアクセス可能な情報を記憶可能なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の例は、PRAM、SRAM、DRAM、ほかのタイプのRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ記憶媒体またはほかの内部記憶技術、CD-ROM、DVDまたはほかの光学的記憶媒体、磁気カセット式磁気テープ、磁気ディスクまたはほかの磁気記憶デバイスまたはほかの非伝送媒体を含むが、それらに限られない。本明細書での規定に基づき、コンピュータ読み取り可能な媒体は、変調されたデータ信号や搬送波など、一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体(transitory media)を含まない。
【0120】
図5に示すように、本開示の実施例は、データ符号化/復号化機器(移動端末または基地局)をさらに提供する。プロセッサ500は、メモリ520からプログラムを読み取ることによって、符号化/復号化の対象となるデータのデータ情報長とチャネル符号化率を取得するプロセスと、前記データ情報長とベースグラフの情報長範囲に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定するプロセスと、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記チャネル符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの目標ベースグラフを特定するプロセスとを実行する。トランシーバ510は、プロセッサ500による制御でデータを送受信する。
【0121】
ここで、
図5において、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続するバスとブリッジを含み、具体的に、プロセッサ500をはじめとする1つ又は複数のプロセッサとメモリ520をはじめとするメモリの各種類の回路が接続したものである。バスアーキテクチャは、周辺イクイップメント、レギュレーター、電力管理回路などの各種類のほかの回路を接続したものであってもよい。これらは、いずれも本分野の公知事項であり、本文においてさらなる記載をしない。バスインタフェースにより、インタフェースが提供される。トランシーバ510は、複数の部品であってもよく、即ち送信機と受信機を含み、伝送媒体でほかの各種類の装置と通信するユニットとして提供される。プロセッサ500は、バスアーキテクチャと通常の処理を管理する。メモリ520は、プロセッサ500による作業時に使用されるデータを記憶できる。
【0122】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長Kmin1と第1最大情報長Kmax1を取得し、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長Kmin2と第2最大情報長Kmax2(Kmin2<Kmin1≦Kmax2<Kmax1)を取得し、データ情報長Kと前記第1最小情報長、前記第1最大情報長、前記第2最小情報長、前記第2最大情報長との大小関係に基づいて、目標ベースグラフ選択ポリシーを特定する。
【0123】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、Kmin2≦K<Kmin1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーであると特定し、Kmin1≦K≦Kmax2の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーであると特定し、Kmax2<K≦Kmax1の場合、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーであると特定する。
【0124】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記ベースグラフの第1グラフの第1最小符号化率Rmin1と第1最大符号化率Rmax1を取得し、前記ベースグラフの第2グラフの第2最小符号化率Rmin2と第2最大符号化率Rmax2(Rmin2<Rmin1<Rmax2<Rmax1)を取得し、チャネル符号化率Rと前記第1最小符号化率、前記第1最大符号化率、前記第2最小符号化率、前記第2最大符号化率との大小関係に基づいて、比較結果を得、前記目標ベースグラフ選択ポリシーと前記比較結果に基づいて、前記目標ベースグラフを特定する。
【0125】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0126】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第1ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0127】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmin2≦R≦Rmax2が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0128】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1=Kmax2の場合、Rmax2<R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0129】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0130】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmax2≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0131】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第2ベースグラフ選択ポリシーでありかつKmin1<Kmax2の場合、Rmin1≦R<Rmax2が成立すると、前記目標ベースグラフのエラーブロック性能とそのリフティングパラメータに影響される遅延性能に基づいて、所定の情報長値K0、所定の符号化率値R0を特定し、前記データ情報長と所定の情報長値K0、前記チャネル符号化率と所定の符号化率値R0をそれぞれ比較し、K0≦K<Kmax2かつR0≦R<Rmax2が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択し、K<K0またはR<R0が成立すると、前記第2グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0132】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin2≦R<Rmin1が成立し、かつ前記第1グラフでは、K/R≦Nmax(Nmax=Kmax1/Rmin1)の際に、Kmax1より小さいKと、Rmin1より小さいRでの符号化がサポートされると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0133】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ選択ポリシーが第3ベースグラフ選択ポリシーである場合、Rmin1≦R≦Rmax1が成立すると、前記第1グラフを前記目標ベースグラフとして選択する。
【0134】
選択可能に、プロセッサ500は、さらに、前記目標ベースグラフ、目標情報長および目標符号化率に基づいて、現在の符号化/復号化対象データの検査行列を生成する。
【0135】
選択可能に、前記目標情報長は、Kmin2(前記ベースグラフの第2グラフの第2最小情報長)≦K(前記データ情報長)<Kmin1(前記ベースグラフの第1グラフの第1最小情報長)、Rmax2(前記第2グラフの第2最大符号化率)<R(前記チャネル符号化率)≦Rmax1(前記第1グラフの第1最大符号化率)の場合、前記データ情報長にKmin1-K個の0を追加して得られ、それ以外の場合、前記データ情報長に等しい。
【0136】
選択可能に、前記目標符号化率は、前記チャネル符号化率に等しい。
【0137】
なお、この明細書に記載の移動端末は、スマートフォーン、タブレットパソコンなどを含むが、それらに限られない。しかも、記載される多くの機能的部材は、その実現方式の独立性を強調するために、モジュールと称される。
【0138】
本開示の実施例において、モジュールは、各種類のプロセッサによって実行されるよう、ソフトウェアによって実現される。たとえば、ある標識される実行可能なコードモジュールは、コンピュータ指令の1つまたは複数の物理または論理ブロックを含み、たとえば対象、プロセスまたは関数として構築される。にもかかわらず、標識されるモジュールの実行可能なコードは、物理的に集まる必要がなく、異なる位置に記憶される異なる指令を含んでもよい。これらの指令が論理的に一体化すると、モジュールを構成して当該モジュールの所定の目的を実現する。
【0139】
実際に、実行可能なコードモジュールは、1つまたは複数の指令であり、複数の異なるコードセグメントや異なるプログラムに分布したり、複数の記憶装置を跨いで分布したりする。同様に、オペレーションデータは、モジュール内で識別され、あらゆる適切な形式で実現され、あらゆる適切な種類のデータ構造に組織される。前記オペレーションデータは、単一のデータセットとして集められたり、異なる位置に分布したり(異なる記憶装置に分布することを含む)し、少なくとも部分的に単に電子信号としてシステムまたはネットワークに存在する。
【0140】
モジュールは、ソフトウェアを利用して実現できる場合、関連のハードウェア工程のレベルを考慮し、ソフトウェアで実現されるモジュールのコストを考慮しない場合、当業者が対応するハードウェア回路を構築して対応する機能を実現する。前記ハードウェア回路は、通常のVLSI回路またはゲートアレイおよび論理チップ、トランジスタなどの関連半導体またはほかの分離素子を含む。モジュールは、FPGA、PAL、PLDなどのプログラマブルハードウェア機器によって実現されてもよい。
【0141】
上記の例示的な実施例は、図面を参照して記載される。本開示の精神や教示を逸脱することなく多くの異なる形態や実施例は、ありうる。したがって、本開示は、ここで言及されている実施例に制限されるように構築されるべきではない。より適切に言うと、これらの例示的な実施例は、本開示を最適で完全なものにし、本開示の範囲を当業者に伝えるために提供される。これらの図面において、組み合わせ部品のサイズおよび関連サイズは、明晰に示すために誇張される可能性もある。ここに使用される用語は、単に特定の例示的な実施例を記載する目的に基づくものであり、限定をするつもりはない。ここに使用されている用語は、明細書で明確に指摘しない限り、単数形式の「1」、「1つ」および「当該」は、複数の形式も含むことを意図する。さらに、「含む」および/または「包括」などの用語は、本明細書で用いられる場合、記載される構成、整数、ステップ、操作、構成部品および/または組み合わせ部品の存在を示し、1つまたは複数のほかの構成、整数、ステップ、操作、構成部品および/または組み合わせ部品の存在または増加を除外しない。別途指摘しない限り、記載の際に、1つの値の範囲は、当該範囲の上限、下限およびその間の任意のサブ範囲を含む。
【0142】
以上の記載は、本開示の選択可能な実施形態である。なお、当業者にとって、本開示に記載した原理を逸脱することなくいくつかの改良や修飾を行うこともできる。これらの改良や修飾も、本開示の保護範囲として見なされるべきである。