(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】位相シフティングまたは周波数シフティングによる信号修正
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20221118BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20221118BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221118BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20221118BHJP
【FI】
H04L27/26 420
H04W4/70
H04W72/04 132
H04W74/08
(21)【出願番号】P 2019561152
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(86)【国際出願番号】 US2018031810
(87)【国際公開番号】W WO2018208922
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-21
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】シャオ・フェン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・リコ・アルバリーノ
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,NPRACH reliability for NB-IoT[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705185,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705185.zip>,2017年03月24日
【文献】LG Electronics,NPRACH range enhancement for NB-IoT[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707575,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707575.zip>,2017年05月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 4/70
H04W 72/04
H04W 74/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
第1のワイヤレス通信デバイスによって、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを狭帯域IoT(NB-IoT)物理ランダムアクセスチャネル(NPRACH)信号に含まれる反復におけるシンボルグループのセットに適用するステップと、
前記第1のワイヤレス通信デバイスによって、前記スクランブリングシーケンスを前記シンボルグループのセットに前記適用するステップの後に、前記セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスに前記シンボルグループのセットを送信するステップと
を備え、
前記セルにおける異なる反復が異なる事前定義されたスクランブリングシーケンスを有する、
方法。
【請求項2】
前記シンボルグループのセットが4つのシンボルグループを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スクランブリングシーケンスがセルに依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スクランブリングシーケンスを前記適用するステップが、位相シフトを前記シンボルグループのセットのうちの1つまたは複数のシンボルグループに適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のワイヤレス通信デバイスによって、前記セルに関連付けられた周波数シフトを前記反復における前記シンボルグループのセットに適用するステップを備え、前記送信するステップが、前記周波数シフトを前記適用するステップの後に、前記シンボルグループのセットを送信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各シンボルグループがシンボルのグループを含み、各シンボルが単一のトーン送信である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信のためのシステムであって、
セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを狭帯域IoT(NB-IoT)物理ランダムアクセスチャネル(NPRACH)信号に含まれる反復におけるシンボルグループのセットに適用するスクランブラと、
前記スクランブリングシーケンスが前記シンボルグループのセットに適用された後に、前記セルに関連付けられた第1のワイヤレス通信デバイスに前記シンボルグループのセットを送信するトランシーバと
を備え、
前記システムは、前記スクランブラおよび前記トランシーバを含む第2のワイヤレス通信デバイスをさらに備え、
前記セルにおける異なる反復が異なる事前定義されたスクランブリングシーケンスを有する、
システム。
【請求項8】
ワイヤレス通信のための装置であって、
セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを狭帯域IoT(NB-IoT)物理ランダムアクセスチャネル(NPRACH)信号に含まれる反復におけるシンボルグループのセットに適用するための手段と、
前記スクランブリングシーケンスが前記シンボルグループのセットに適用された後に、前記シンボルグループのセットを送信するための手段と
を備え、
前記セルにおける異なる反復が異なる事前定義されたスクランブリングシーケンスを有する、
装置
。
【請求項9】
コンピュータに請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるための命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照および優先権主張
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年5月10日に出願された米国仮特許出願第62/504,451号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本出願は、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、位相シフティングまたは周波数シフティングによって信号を修正することによってセル干渉を低減することに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのユーザ機器(UE)のための通信をサポートすることができるいくつかの基地局(BS)を含み得る。近年、電子技術、情報技術、検知技術、およびアプリケーション技術の開発により、インターネットは、人が情報を作成し消費する人間志向のネットワークから、分散された要素が情報を交換し処理するモノのインターネット(IoT)に進化している。したがって、IoTタイプのワイヤレスデータトラフィックをサービスすることに対する需要が増加している。たとえば、スマートワイヤレスメーターおよびワイヤレスセンサーは、様々なエリア内の建物全体にわたって設置され得る。スマートメーターは、何らかの時間期間において、たとえば、1時間ごと、1日ごと、または1週間ごとに、メーター読取り値を施設に送り得る。センサーは、検知イベントに基づき得る何らかの時間期間において、検知測定値をサーバに送り得る。IoTアプリケーションパケットは、典型的にはサイズが小さく、たとえば、数十バイトから約100バイトである。
【0004】
狭帯域IoT(NB-IoT)は、遅延耐性アプリケーションにおける低いデバイス電力消費量を有する多数の低スループット低コストデバイスにカバレージを提供する新興のセルラー技術である。周波数ホッピングを有する新しいシングルトーン信号は、NB-IoT物理ランダムアクセスチャネル(NPRACH)用に設計されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下では、説明する技術の基本的理解を与えるために本開示のいくつかの態様を要約する。この概要は、本開示のすべての企図された特徴の広範な概観ではなく、本開示のすべての態様の主要または重要な要素を識別するものでもなく、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明の前置きとして、本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を概要の形で提示することである。
【0006】
たとえば、本開示の一態様では、ワイヤレス通信の方法は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを反復におけるシンボルグループのセットに適用するステップを含む。方法はまた、第1のワイヤレス通信デバイスによって、スクランブリングシーケンスをシンボルグループのセットに適用するステップの後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するステップを含む。
【0007】
ワイヤレス通信のためのシステムは、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを反復におけるシンボルグループのセットに適用するスクランブラを含む。システムはまた、スクランブリングシーケンスがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第1のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するトランシーバを含む。
【0008】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信のための装置は、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを反復におけるシンボルグループのセットに適用するための手段を含む。装置はまた、スクランブリングシーケンスがシンボルグループのセットに適用された後に、シンボルグループのセットを送信するための手段を含む。
【0009】
本開示の追加の態様では、プログラムコードを記録したコンピュータ可読媒体、プログラムコードは、第1のワイヤレス通信デバイスに、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを反復におけるシンボルグループのセットに適用させるためのコードと、第1のワイヤレス通信デバイスに、スクランブリングシーケンスがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信させるためのコードとを含む。
【0010】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信の方法は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、セルに関連付けられた周波数シフトを反復におけるシンボルグループのセットに適用するステップを含む。方法はまた、第1のワイヤレス通信デバイスによって、周波数シフトがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するステップを含む。
【0011】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信のためのシステムは、セルに関連付けられた周波数シフトを反復におけるシンボルグループのセットに適用する周波数シフタを含む。システムはまた、周波数シフトがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第1のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するトランシーバを含む。
【0012】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信のための装置は、セルに関連付けられた周波数シフトを反復におけるシンボルグループのセットに適用するための手段を含む。装置はまた、周波数シフトを適用することの後に、セルに関連付けられた第1のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するための手段を含む。
【0013】
本開示の追加の態様では、プログラムコードを記録したコンピュータ可読媒体、プログラムコードは、第1のワイヤレス通信デバイスに、セルに関連付けられた周波数シフトを反復におけるシンボルグループのセットに適用させるためのコードと、第1のワイヤレス通信デバイスに、周波数シフトがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信させるためのコードとを含む。
【0014】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信の方法は、シンボルグループ間の位相シフトを検出するステップを含む。方法はまた、2つ以上の位相シフトの差が予想される位相シフト値のセットに一致するかどうかを決定するステップを含む。方法は、2つ以上の位相シフトの差が予想される位相シフト値のセットに一致するとの決定に応答して、シンボルグループを含む信号を検出するステップをさらに含む。方法はまた、2つ以上の位相シフトの差が予想される位相シフト値のセットに一致しないとの決定に応答して、シンボルグループを含む信号を無視するステップを含む。
【0015】
本開示の追加の態様では、ワイヤレス通信の方法は、シンボルグループ間の周波数シフトを検出するステップを含む。方法はまた、2つ以上の周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致するかどうかを決定するステップを含む。方法は、2つ以上の周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致するとの決定に応答して、シンボルグループを含む信号を検出するステップをさらに含む。方法はまた、2つ以上の周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致しないとの決定に応答して、シンボルグループを含む信号を無視するステップを含む。
【0016】
本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、添付の図とともに本発明の特定の例示的な実施形態の以下の説明を検討すれば、当業者に明らかとなろう。本発明の特徴について、以下のいくつかの実施形態および図に関して説明する場合があるが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で説明する有利な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。言い換えれば、1つまたは複数の実施形態について、いくつかの有利な特徴を有するものとして説明する場合があるが、そのような特徴のうちの1つまたは複数はまた、本明細書で説明する本発明の様々な実施形態に従って使用され得る。同様に、例示的な実施形態について、デバイス実施形態、システム実施形態、または方法実施形態として以下で説明する場合があるが、そのような例示的な実施形態は、様々なデバイス、システム、および方法において実装され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施形態によるワイヤレス通信ネットワークを示す図である。
【
図2】4つの反復を含むNPRACH信号を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態による、反復に含まれるシンボルグループをスクランブルする例示的なユーザ機器(UE)のブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態による、信号における位相シフトを検出する例示的な基地局(BS)のブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態による、周波数シフティングを信号に適用する例示的なUEのブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態による、周波数シフト-周波数のグリッドを有するNPRACH信号の図である。
【
図8】本開示の実施形態による、信号における周波数シフトを検出する例示的なBSのブロック図である。
【
図9】本開示の実施形態による、シンボルグループのセットをスクランブルすることによって信号を修正する方法の流れ図である。
【
図10】本開示の実施形態による、1つまたは複数の周波数シフトをシンボルグループのセットに適用することによって信号を修正する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成について説明するものであり、本明細書で説明する概念が実践され得る唯一の構成を表すものではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることは当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造および構成要素はブロック図の形態で示される。
【0019】
本明細書で説明する技法は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)および他のネットワークなどの様々なワイヤレス通信ネットワークに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形態を含む。cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格を対象とする。TDMAネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュ-OFDMAなどの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新しいリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-AおよびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する組織からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する組織からの文書に記載されている。本明細書で説明する技法は、上述のワイヤレスネットワークおよび無線技術、ならびに次世代(たとえば、第5世代(5G))ネットワークなどの他のワイヤレスネットワークおよび無線技術に使用され得る。
【0020】
図1は、本開示の実施形態によるワイヤレス通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、いくつかのUE102ならびにいくつかのBS104を含み得る。BS104は、発展型ノードB(eNodeB)を含み得る。BS104は、UE102と通信する局であってもよく、基地トランシーバ局、ノードB、アクセスポイントなどと呼ばれることもある。
【0021】
BS104は、通信信号106によって示すようにUE102と通信する。UE102は、アップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)を介してBS104と通信し得る。ダウンリンク(または順方向リンク)は、BS104からUE102への通信リンクを指す。UL(または逆方向リンク)は、UE102からBS104への通信リンクを指す。BS104はまた、通信信号108によって示すように、ワイヤード接続および/またはワイヤレス接続を介して、直接または間接的に互いと通信し得る。
【0022】
UE102は、図示のように、ネットワーク100全体にわたって分散されてもよく、各UE102は固定またはモバイルであり得る。UE102は、端末、移動局、加入者ユニットなどと呼ばれることもある。UE102は、セルラーフォン、スマートフォン、携帯情報端末、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどであり得る。ネットワーク100は、本開示の様々な態様が適用されるネットワークの一例である。
【0023】
各BS104は、特定の地理的エリアに通信カバレージを提供し得る。3GPPでは、「セル」という用語は、この用語が使用される文脈に応じて、BSのこの特定の地理的カバレージエリアおよび/またはカバレージエリアにサービスするBSサブシステムを指す場合がある。この点について、BS104は、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他のタイプのセルに通信カバレージを提供し得る。マクロセルは一般に、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。ピコセルは一般に、比較的小さい地理的エリアをカバーすることができ、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルも一般に、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーすることができ、無制限アクセスに加えて、フェムトセルとの関連付けを有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG)内のUE、自宅内のユーザのためのUEなど)による制限付きアクセスも提供し得る。マクロセルのためのBSは、マクロBSと呼ばれることがある。ピコセルのためのBSは、ピコBSと呼ばれることがある。フェムトセルのためのBSは、フェムトBSまたはホームBSと呼ばれることがある。
【0024】
図1に示す例では、BS104a、104bおよび104cは、それぞれ、カバレージエリア110a、110bおよび110cのためのマクロBSの例である。BS104dおよび104eは、それぞれ、カバレージエリア110dおよび110eのためのピコBSおよび/またはフェムトBSの例である。認識されるように、BS104は、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)のセルをサポートし得る。
【0025】
ネットワーク100はまた、中継局を含み得る。中継局は、上流局(たとえば、BS、UEなど)からデータおよび/または他の情報の送信を受信し、下流局(たとえば、別のUE、別のBSなど)にデータおよび/または他の情報の送信を送る局である。中継局はまた、他のUEのための送信を中継するUEであり得る。中継局は、中継BS、中継UE、リレーなどと呼ばれることもある。
【0026】
ネットワーク100は、同期動作または非同期動作をサポートし得る。同期動作の場合、BS104は同様のフレームタイミングを有することがあり、異なるBS104からの送信は時間的にほぼ整合されることがある。非同期動作の場合、BS104は異なるフレームタイミングを有することがあり、異なるBS104からの送信は時間的に整合されないことがある。
【0027】
いくつかの実装形態では、ネットワーク100は、ダウンリンク上で直交周波数分割多重(OFDM)を利用し、UL上でシングルキャリア周波数分割多重(SC-FDM)を利用する。OFDMおよびSC-FDMは、システム帯域幅を、一般にトーン、ビンなどとも呼ばれる複数(K個)の直交サブキャリアに区分する。各サブキャリアは、データで変調され得る。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域において送られ、SC-FDMでは時間領域において送られる。隣接するサブキャリア間の間隔は固定であってもよく、サブキャリアの総数(K)はシステム帯域幅に依存し得る。たとえば、Kは、1.4、3、5、10、15、または20メガヘルツ(MHz)の対応するシステム帯域幅に対して、それぞれ、72、180、300、600、900、および1200に等しくてもよい。システム帯域幅は、サブバンドに区分される場合もある。たとえば、サブバンドは1.08MHzをカバーすることができ、1.4、3、5、10、15、または20MHzの対応するシステム帯域幅に対して、それぞれ、1、2、4、8または16個のサブバンドが存在し得る。
【0028】
一実施形態では、ネットワーク100はLTEネットワークであり得る。基準信号は、BS104とUE102との間の通信を容易にする所定の信号である。たとえば、基準信号は、特定のパイロットパターンまたは構造を有することができ、ここで、パイロットトーンは、動作帯域幅または周波数帯域にまたがる場合があり、各パイロットトーンは、事前定義された時間および事前定義された周波数に配置される。制御情報は、リソース割当ておよびプロトコル制御を含み得る。データは、プロトコルデータおよび/または動作データを含み得る。
【0029】
一実施形態では、UE102は、国際モバイル加入者識別情報(IMSI)を表し、対応する認証資格情報を記憶する、USIM(ユニバーサル加入者識別モジュール)を含み得る。このIMSIは、LTEユーザ(一般に、3GPP用語で「加入者」と呼ばれる)を一意に識別するために使用される。USIMは、LTE加入者認証プロトコルに参加し、暗号鍵を生成することができ、暗号鍵は、無線インターフェースを介したUE102とBS104との間のシグナリングおよびユーザデータ通信を保護するために後で使用される鍵階層の基礎を形成する。
【0030】
一実施形態では、BS104は、1つまたは複数のセルを制御し、ネットワーク100に関連付けられたシステム情報をブロードキャストすることができる。システム情報のいくつかの例は、セル帯域幅およびフレーム構成などの物理レイヤ情報、セルアクセス情報、セル識別子(ID)、およびネイバーセル情報を含み得る。UE102は、ブロードキャストされたシステム情報をリッスンすることによってネットワーク100にアクセスすることができ、BS104との接続確立またはチャネル確立を要求する。たとえば、UE102は、BS104との通信を開始するためにランダムアクセス手順を実行することができ、その後、BS104に登録するために接続手順および/または登録手順を実行してもよい。接続および/または登録を完了した後、UE102およびBS104は通常動作段階に入ることができ、ここで動作データが交換され得る。BS104は、ネットワーク100内のUE102を識別するためのUE IDをUE102に割り当て得る。通常動作中のBS104とUE102との間のデータ交換は、割り当てられたUE IDに基づき得る。
【0031】
UE102は、システム情報をダウンロードし、ネットワークと正常に通信するためにシステム情報を使用する。一実施形態では、BS104は、たとえば、マスタ情報ブロック(MIB)および/またはシステム情報ブロック(SIB)の形態で、システム情報をブロードキャストする。システム情報は、セルアクセス関連の情報、チャネル構成、物理ランダムアクセス(PRACH)構成、セルID、および/または近隣セル情報を含み得る。UE102は、SIBメッセージまたはMIBメッセージを介して特定のセルのセルIDを受信し得る。
【0032】
NB-IoTは、1つまたは複数のNPRACH信号を含み得る。
図2は、4つの反復202を含むNPRACH信号を示す。反復202の数は、構成可能であり、カバレージレベル、UE102とセルとの間の距離などに依存し得る。
図2では、各反復202は、4つのシンボルグループ204を含み、各シンボルグループ204は、所与の3.75kHzトーンにおいてサイクリックプレフィックス206および5つの連続する同じ値のシンボルを含む。各シンボルグループは、NPRACHシンボルグループであり得る。サイクリックプレフィックス206の長さは、10kmまでのセル半径の場合は66.67μsであり、40kmまでのセル半径の場合は266.67μsであり得る。いくつかの実施形態では、各シンボルグループはシンボルのグループを含み、各シンボルは単一のトーン送信である。
【0033】
NPRACH信号は各反復202の間で繰り返すことがあり、周波数ホッピングは反復の間で生じることがある。異なるセルに関連付けられたNPRACH信号は、反復の間のセル固有のランダムホッピングによって区別され得る。1つの反復を有するカバレージレベルの場合、セルAによって受信されたNPRACH信号は、セルBによって受信されたNPRACH信号とまったく同じであり得る。UE102は反復の間でランダムにホップすることがあり、ランダムホッピングはセルごとに定義され得る。この例では、UE102は反復の間でセル固有のランダムホッピングを行い得る。周波数ホッピングは、UE102が周波数ホッピングを決定するためにセルIDの関数である公式を適用し得るという点で、セルに依存し得る。一実施形態では、eNodeBはそれ自体のホッピングパターンを自己認識するので、eNodeBは、ホッピングパターンを介して、あるセルに宛てられたある信号を別の信号と区別し得る。
【0034】
反復の間の周波数ホッピングに加えて、UE102は周波数ホッピングをシンボルグループに適用し得る。いくつかの実施形態では、シンボルグループ間の周波数ホッピングは、仕様において定義され、セルのすべてに対して固定であり得る。いくつかの実施形態では、シンボルグループ間の周波数ホッピングは、同期情報において提供され得る。トーン周波数インデックスは、シンボルグループによって変化し得る。たとえば、シンボルグループ204aからシンボルグループ204bまでのホップ距離は1であり(+1または-1であってもよく)、3.75kHzの周波数に関連付けられる。シンボルグループ204bからシンボルグループ204cまでのホップ距離は6であり(+6または-6であってもよく)、6×3.75kHzの周波数に関連付けられる。シンボルグループ204cからシンボルグループ204dまでのホップ距離は1であり(+1または-1であってもよく)、3.75kHzの周波数に関連付けられる。シンボルグループ204の中の5つのシンボルは、一定値(たとえば、1)によって一貫して変調され得る。いくつかの例では、5つのシンボルは、周波数が0.75kHzの倍数の整数である正弦波信号を表す。
【0035】
周波数ホップ距離の正または負の性質(たとえば、+1、-1、+6、および-6)は、UE102によってランダムに選ばれ得る、周波数ロケーションの開始トーンに依存し得る。シンボルグループ204aからシンボルグループ204bまでのホップ距離が+1であり、シンボルグループ204cからシンボルグループ204dまでのホップ距離が+1である場合、シンボルグループ204aとシンボルグループ204bとの間の位相差およびシンボルグループ204cとシンボルグループ204dとの間の位相差は、周波数における距離が同じままであるので、周波数オフセットなしで、まったく同じであるはずである。しかしながら、シンボルグループ204aからシンボルグループ204bまでのホップ距離が+1であり、シンボルグループ204cからシンボルグループ204dまでのホップ距離が-1である場合、シンボルグループ204aとシンボルグループ204bとの間の位相差およびシンボルグループ204cとシンボルグループ204dとの間の位相差は、互いに共役であるはずである。同様に、シンボルグループ204aからシンボルグループ204bまでのホップ距離が-1であり、シンボルグループ204cからシンボルグループ204dまでのホップ距離が+1である場合、シンボルグループ204aとシンボルグループ204bとの間の位相差およびシンボルグループ204cとシンボルグループ204dとの間の位相差はやはり、互いに共役であるはずである。加えて、UE102が位相シフトをシンボルグループ204dに適用する場合、位相差が同じであるかまたは互いに共役である前述のケースはもはや成り立たない。
【0036】
NPRACH設計のもとでは、ランダムアクセスはすべてのセルに対して同じである。しかしながら、セルに対するUE102のランダムアクセスは、いくつかの不利益を有することがある。たとえば、ランダムアクセス信号はすべてのセルに対して同じであり、セルは別のセルに宛てられたNPRACH信号を検出することがある。NB-IoTは大きい地理的エリアをカバーし、NB-IoT NPRACH設計は、セル間干渉に起因するフォールスアラームを被ることがある。たとえば、セルAは、セルBに宛てられた1つまたは複数のランダムアクセスからの干渉を被ることがあり、この干渉は、フォールスアラームと呼ばれることがあり、問題を引き起こすことがある。加えて、ランダムアクセスは、セルAとセルBとの間のセル間干渉を引き起こすことがある。セルAおよびセルBが時間的に完全にまたは部分的に重複したNPRACHリソースを有する場合、あるセルに宛てられたNPRACH信号は、反復の数が小さいときは特に、別のセルによって検出されることがある。加えて、セルAのランダムアクセスのタイミング推定は、他のセルに宛てられた1つまたは複数のランダムアクセス信号からの干渉に起因してバイアスを受けることがある。フォールスアラームおよび/またはセル間干渉を低減することが望ましいであろう。
【0037】
加えて、UEは、特定の方法でNPRACH信号を送信するようにすでにプログラムされていることがある。本開示は、信号が意図しないセルによって検出されないように、「新しい」UEがNPRACH信号を修正し、これらの修正済み信号をセルに送信するための技法を提供する。ネットワーク100内の構成要素と通信し、本開示で開示するNPRACH信号を送るために、これらの新しいUEに後方互換性を提供することが望ましいであろう。
【0038】
図3は、本開示の実施形態による、反復に含まれるシンボルグループのセットをスクランブルする例示的なUE300のブロック図である。UE300は、上記で説明したようなUE102であり得る。図示のように、UE300は、プロセッサ302と、メモリ304と、スクランブラ308と、モデムサブシステム312およびRFユニット314を含むトランシーバ310と、アンテナ316とを含み得る。これらの要素は、たとえば、1つまたは複数のバスを介して、互いと直接通信または間接通信していてもよい。
【0039】
プロセッサ302は、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、または本明細書で説明する動作を実行するように構成されたそれらの任意の組合せを含み得る。プロセッサ302はまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0040】
メモリ304は、キャッシュメモリ(たとえば、プロセッサ302のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、ハードディスクドライブ、他の形態の揮発性および不揮発性メモリ、または異なるタイプのメモリの組合せを含み得る。一実施形態では、メモリ304は、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ304は、命令306を記憶し得る。命令306は、プロセッサ302によって実行されると、本開示の実施形態に関してUEを参照しながら本明細書で説明する動作をプロセッサ302に実行させる命令を含み得る。命令306は、コードと呼ばれることもある。「命令」および「コード」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを含むように広く解釈されるべきである。たとえば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指す場合がある。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多数のコンピュータ可読ステートメントを含み得る。
【0041】
加えて、メモリ304は、UE300によって受信され、本開示で説明する技法を適用するために(たとえば、スクランブルするかまたは周波数シフトするために)UE300によって使用されるセルID311を記憶し得る。セルID311は、UE300が接続されるセルであって、認証されているセルを識別し得る。セルは同期情報にそのセルID311を含んでもよく、UE300は同期情報を受信し、セルID311をメモリ304に記憶してもよい。
【0042】
スクランブラ308は、本開示の様々な態様に使用され得る。スクランブラ308は、セル間干渉と、フォールスアラームの発生とを低減し得る。スクランブラ308は、シンボルグループレベルでスクランブリングシーケンスを適用し得る。たとえば、スクランブラ308は、長さ4のシーケンスによって、反復202dにおける4つのシンボルグループ204a、204b、204c、および204dのセットをスクランブルし得る。スクランブリングは、仕様によって定義されたセルIDに基づいて行われてもよく、またはシステム情報において明示的にシグナリングされてもよい。スクランブラ308によるシンボルグループ上でのスクランブリングシーケンスの使用は、セル固有であり得る。たとえば、スクランブラ308は、セルID311に関連付けられたスクランブリングシーケンスを識別し、その特定のスクランブラ308のシーケンスをシンボルグループのセットに適用し得る。セルID311は、位相シフトの角度に関する情報をスクランブラ308に提供する位相シフト値309に関連付けられ得る。UE300が別のセルに接続する場合、セルID311は新しいセルのセルIDに更新されることがあり、位相シフト値309は新しいセルの位相シフト値を反映するために更新されることがある。異なるセルは、異なるスクランブリングシーケンスを使用してもよい。加えて、セルにおける異なる反復は、同じまたは異なるスクランブリングシーケンスを有してもよく、異なるNPRACHリソースは、異なるまたは同じスクランブリングシーケンスを有してもよい。スクランブラ308は、シンボルグループレベルで異なるスクランブリングシーケンスを適用し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、適用されるシーケンスは、ネットワークおよび特定のUEに関連付けられ、スクランブラ308は、異なる反復の間で異なるスクランブリングシーケンスを適用する。スクランブリングシーケンスは、セルに依存し得る(たとえば、セルIDに基づいて事前定義され得る)。セルが定義された後、すべての反復に対して特定のスクランブリングシーケンスが定義され得る。一例では、4つの反復および4つのスクランブリングシーケンス(たとえば、1、2、3、4)が定義される。セルID311によって識別されるセルの場合、UE300は反復1、2、3、4に対してシーケンス1、2、3、4を使用してもよい。この例では、反復1に対して、スクランブラ308はセルID311に基づいてスクランブリングシーケンス1を適用してもよく、反復2に対して、スクランブラ308はセルID311に基づいてスクランブリングシーケンス2を適用してもよく、反復3に対して、スクランブラ308はセルID311に基づいてスクランブリングシーケンス3を適用してもよく、反復4に対して、スクランブラ308はセルID311に基づいてスクランブリングシーケンス4を適用してもよい。セルID311とは異なる第2のセルIDによって識別される第2のセルの場合、UE300は、反復1、2、3、4に対してシーケンス2、3、4、1を使用してもよい。この例では、反復1に対して、スクランブラ308は第2のセルIDに基づいてスクランブリングシーケンス2を適用してもよく、反復2に対して、スクランブラ308は第2のセルIDに基づいてスクランブリングシーケンス3を適用してもよく、反復3に対して、スクランブラ308は第2のセルIDに基づいてスクランブリングシーケンス4を適用してもよく、反復4に対して、スクランブラ308は第2のセルIDに基づいてスクランブリングシーケンス1を適用してもよい。一例では、すべての反復は同じシーケンスを使用する。たとえば、スクランブラ308は、すべての4つの反復に対してスクランブリングシーケンス1、1、1、1を適用してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、スクランブリングシーケンスは、すべての4つのシンボルグループがまったく同じ強度を有するように、シンボルグループ間の信号強度を変えないために、一定の絶対値のエントリを含む。この例では、大きさは同じままであり、スクランブラ308は、位相シフトをシンボルグループのうちの1つまたは複数に適用すること、したがって、4つのシンボルグループのうちの1つまたは複数の間で位相を変化させることによって、スクランブリングシーケンスを適用し得る。本開示は4つのシンボルグループに適用される位相シフティングの例を提供し得るが、他の例は4つよりも多いまたは4つよりも少ないシンボルグループに適用されるスクランブリングシーケンスの適用例を提供することを理解されたい。「位相回転」および「位相シフティング」という用語は、互換的に使用され得る。
【0045】
いくつかの例では、位相シフト信号は、次のように指数形式で書かれることがある。
【0046】
信号=exp(j*s(n)) 式(1)
【0047】
ただし、n=1, 2, 3, 4であり、s(n)はシンボルグループnの位相シフトを表し、j=(-1)の平方根である。位相シフトs(n)=л/2である場合、スクランブラ308は、信号をこの位相シフト値(たとえば、л/2)だけシフトするかまたは回転させる。一例では、スクランブラ308は、式(1)をシンボルグループnに適用し、この信号をBS104に送信してもよい。いくつかの例では、スクランブラ308は、シンボルグループ204aをスクランブリングシーケンスに記載された第1の値(たとえば、0)だけ回転させ、シンボルグループ204bをスクランブリングシーケンスに記載された第2の値(たとえば、л/2)だけ回転させ、シンボルグループ204cをスクランブリングシーケンスに記載された第3の値(たとえば、л)だけ回転させ、シンボルグループ204dをスクランブリングシーケンスに記載された第4の値(たとえば、3л/2)だけ回転させることによって、スクランブリングシーケンスをシンボルグループ204a、204b、204c、および204dに適用する。
【0048】
式(1)は、以下の式(2)に示すようにさらに簡略化され得る。
【0049】
位相回転=s(n) 式(2)
【0050】
ただし、n=1, 2, 3=0である。この例では、s(n)は最初の3つのシンボルに対して値ゼロを有し、したがって、シンボルグループ1、2、および3はゼロだけ回転するので、スクランブラ308は位相回転をこれらのシンボルグループに適用しない。スクランブラ308は、位相シフト回転をシンボルグループ4に適用し得る。たとえば、s(n)=л/2である場合、スクランブリングシーケンスは[0, 0, 0, n/2*л]の形式であることがあり、スクランブラ308は可能な値[0, л/2, л,および3л/2]を用いて最後のシンボルグループ4を回転させる。一例では、スクランブラ308は、式(2)によって与えられる位相回転をシンボルグループnに適用し、この信号をBS104に送信してもよい。
【0051】
スクランブリングシーケンスの適用は、信号の再利用を実現するロバストな方式を実現し得る。方式のロバストネスは、角度の位相シフトに依存し得る。たとえば、n=4として式(2)を参照すると、距離は角度内にある。一例では、シンボルグループ4に対して4つの値[0, л/2, л,および3л/2]が定義され、他のシンボルグループに対して位相シフトがなく、可能な値の各々の間の距離はл/2であり、このことが方式のロバストネスを定義する。セルAおよびセルAに近い3つの他のセルは、それらの近接度に起因して、互いに対して異なる定義された値を使用し得る。しかしながら、さらに外のセルは、セルAによって使用される値を再利用し得る。加えて、定義された値の数が4を超える場合、別のスクランブリング方式が提供され得る。
【0052】
メモリ304は、1つまたは複数の位相シフト値309を記憶してもよく、位相シフト値309は、信号(たとえば、NPRACH信号)の位相をどのくらいシフトするかに関する情報をUE300に提供してもよい。位相シフト値309は様々な方法で提供され得る。一例では、位相回転または位相シフト値309は、仕様においてセルIDの関数として定義される。この例では、位相シフト値309に対して4つの値が定義され得る。セルIDがすでに割り当てられている場合、UE300がセルの位相シフト値309を取得するためのより柔軟な手段を提供することが有利であろう。別の例では、セルは同期情報においてそのセルIDを提供する。同期情報は、たとえば、SIBメッセージまたはMIBメッセージであり得る。UE300は、セルと同期し、同期情報(たとえば、SIB情報またはMIB情報)をアタッチして、位相シフト値309の値(たとえば、л/2)を決定し得る。いくつかの例では、位相シフト値309は、仕様において、また同期情報においての両方で提供される。一例では、仕様は0から2лまでの32個の値を定義してもよく、いくつかの位相シフト値309は同期情報において提供される。したがって、スクランブラ308は、ネットワーク100内のフォールスアラームおよびセル間干渉を低減するための機構をUE300に提供し得る。
【0053】
図示のように、トランシーバ310は、モデムサブシステム312と、RFユニット314とを含み得る。トランシーバ310は、BS104などの他のデバイスと双方向に通信するように構成され得る。いくつかの例では、モデムサブシステム312は、スクランブラ308と通信し、スクランブリング方式に従ってメモリ304からのデータを変調および/または符号化するように構成され得る。RFユニット314は、(アウトバウンド送信上の)モデムサブシステム312からの、またはUE102もしくはBS104などの別のソースから発信する送信の被変調/符号化データを処理する(たとえば、アナログデジタル変換またはデジタルアナログ変換などを実行する)ように構成され得る。トランシーバ310で一緒に統合されるものとして示されているが、モデムサブシステム312およびRFユニット314は、UE300が他のデバイスと通信することを可能にするためにUE300において一緒に結合される別個のデバイスであってもよい。
【0054】
RFユニット314は、被変調および/または処理済みデータ、たとえば、データパケット(または、より一般的には、1つまたは複数のデータパケットおよび他の情報を含み得るデータメッセージ)を、1つまたは複数の他のデバイスに送信するためにアンテナ316に提供し得る。これは、たとえば、本開示の実施形態による、ランダムアクセスプリアンブル、接続要求、またはスクランブラ308によって修正されたNPRACH信号の送信を含み得る。アンテナ316はさらに、他のデバイスから送信されたデータメッセージを受信し得る。アンテナ316は、受信されたデータメッセージをトランシーバ310における処理および/または復調のために提供し得る。
図3はアンテナ316を単一のアンテナとして示すが、アンテナ316は、複数の送信リンクを維持するために、同様のまたは異なる設計の複数のアンテナを含み得る。RFユニット314は、アンテナ316を構成し得る。
【0055】
本開示で提供するスクランブリングシーケンス技法を使用して、セルは、そのセルに宛てられた信号と別のセルに宛てられた信号をより良く区別することが可能であり得る。eNodeBにおいて、NPRACH信号が別のセルに宛てられているかどうかを決定するやり方は、シンボルグループ(たとえば、シンボルグループ1と2、およびシンボルグループ3と4)間の位相シフトを検出し、この位相シフトがセルに関連付けられる(またはセルに割り当てられる)かどうかを決定することである。たとえば、セルAは、セルID311によって識別され、位相シフト値309「л/2」に関連付けられ得る。シンボルグループ204aと204bとの間の差がα度であり、シンボルグループ204cと204dとの間の差がα+л/2度に近いとセルAが決定する場合、セルAは、この受信されたNPRACH信号はセルに宛てられていると決定し得る。この例では、セルAは、UE102が最後のシンボルグループをある一定の度(たとえば、л/2)だけ回転させ、セルAが予想する通りにシンボルグループが回転するかまたはその位相がシフトされることに気付いている。しかしながら、セルBが「л/2」の位相シフト値に関連付けられない場合、このNPRACH信号はセルBに宛てられず、セルBはこのNPRACH信号を検出しないか、またはタイミング推定においてこの反復を破棄する。この例では、セルBは、ゼロの位相シフト値に関連付けられた信号をリッスンし得る。
【0056】
図4は、本開示の実施形態による、信号における位相シフトを検出する例示的なBS400のブロック図である。一例では、信号はNPRACH信号である。BS400は、上記で説明したようなBS104であり得る。図示のように、BS400は、プロセッサ402と、メモリ404と、位相シフト検出器411、モデムサブシステム412およびRFユニット414を含むトランシーバ410と、アンテナ416とを含み得る。これらの要素は、たとえば、1つまたは複数のバスを介して、互いと直接通信または間接通信していてもよい。
【0057】
プロセッサ402は、特定のタイプのプロセッサとして様々な特徴を有し得る。たとえば、これらは、CPU、DSP、ASIC、コントローラ、FPGAデバイス、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、または本明細書で説明する動作を実行するように構成されたそれらの任意の組合せを含み得る。プロセッサ402はまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0058】
メモリ404は、キャッシュメモリ(たとえば、プロセッサ402のキャッシュメモリ)、RAM、MRAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、1つまたは複数のハードディスクドライブ、メモリスタベースアレイ、他の形態の揮発性および不揮発性メモリ、または異なるタイプのメモリの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、メモリ404は、非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ404は、命令406を記憶し得る。命令406は、プロセッサ402によって実行されると、本明細書で説明する動作をプロセッサ402に実行させる命令を含み得る。命令406は、コードと呼ばれることもあり、コードは、
図3に関して上記で説明したように、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを含むように広く解釈され得る。
【0059】
加えて、メモリ404は、現在のセルに関連付けられた(またはそれに割り当てられた)1つまたは複数の予想される位相シフト値407を記憶してもよく、UE300が接続されるセルのセルID311をさらに記憶してもよい。現在のセルは、UE300が接続されるセルを指す。予想される位相シフト値407は、構成可能であり得る。現在のセルに隣接するセルは、混乱およびセル間干渉を低減するために、現在のセルとは異なる予想される位相シフト値を記憶してもよい。メモリ404はまた、セルを識別し、セルについての情報を提供する、セルのセルID311を記憶してもよい。
【0060】
図示のように、トランシーバ410は、位相シフト検出器411と、モデムサブシステム412と、RFユニット414とを含み得る。トランシーバ410は、UE102および302ならびに/または別のコアネットワーク要素などの他のデバイスと双方向に通信するように構成され得る。位相シフト検出器411は、本開示の様々な態様に使用され得る。位相シフト検出器411は、セル間干渉と、フォールスアラームの発生とを低減し得る。たとえば、位相シフト検出器411は、シンボルグループ間の位相シフトを検出し、これらの検出された位相シフトの差が1つまたは複数の予想される位相シフト値407に関連付けられるかどうかまたは一致するかどうかを決定し得る。一例では、位相シフト検出器411は、シンボルグループ204aと204bとの間およびシンボルグループ204cと204dとの間の位相シフトを検出し、これらの検出された位相シフトの差が予想される位相シフト値に一致するかどうかを決定する。2つ以上の検出された位相シフトの差が予想される位相シフト値のセットに一致するとの決定に応答して、位相シフト検出器411は、シンボルグループを含む信号を検出し得る。この例では、セルは、信号が対象とするセルである。2つ以上の検出された位相シフトの差が予想される位相シフト値のセットに一致しないとの決定に応答して、位相シフト検出器411は、シンボルグループを含む信号を無視する。この例では、セルは、信号が対象とするセルではない。
【0061】
モデムサブシステム412は、データを変調および/または符号化するように構成され得る。RFユニット414は、(アウトバウンド送信上の)モデムサブシステム412からの、またはUE102などの別のソースから発信する送信の被変調/符号化データを処理する(たとえば、アナログデジタル変換またはデジタルアナログ変換などを実行する)ように構成され得る。トランシーバ410内で一緒に統合されるものとして示されているが、モデムサブシステム412およびRFユニット414は、BS104が他のデバイスと通信することを可能にするためにBS104において一緒に結合される別個のデバイスであってもよい。
【0062】
RFユニット414は、被変調および/または処理済みデータ、たとえば、データパケット(または、より一般的には、1つまたは複数のデータパケットおよび他の情報を含み得るデータメッセージ)を、1つまたは複数の他のデバイス(たとえば、UE300)に送信するためにアンテナ416に提供し得る。これは、たとえば、本開示の実施形態による、ネットワークへのアタッチメントを完了するための情報(たとえば、セルID)の送信を含み得る。アンテナ416はさらに、他のデバイスから送信されたデータメッセージを受信し、受信されたデータメッセージをトランシーバ410における処理および/または復調のために提供し得る。
図4はアンテナ416を単一のアンテナとして示すが、アンテナ416は、複数の送信リンクを維持するために、同様のまたは異なる設計の複数のアンテナを含み得る。
【0063】
図5は、本開示の実施形態による、周波数シフティングを信号に適用する例示的なUE500のブロック図である。一例では、信号はNPRACH信号である。UE500は、上記で説明したようなUE102またはUE300であり得る。図示のように、UE500は、プロセッサ302と、メモリ504と、周波数シフタ502と、モデムサブシステム312およびRFユニット314を含むトランシーバ310と、アンテナ316とを含み得る。これらの要素は、たとえば、1つまたは複数のバスを介して、互いと直接通信または間接通信していてもよい。メモリ504は、1つまたは複数の周波数シフト値505を記憶し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、周波数シフタ502は、1つまたは複数の周波数シフトを既存のNPRACH信号に、それらの信号をBS104に送信する前に適用する。一例では、各シンボルグループ204は、0.75kHzの整数倍の信号であり、m1*0.75kHzおよびm2*0.75kHzの周波数シフトを用いてトーンkにおいて割り振られた2つのNPRACH信号は、互いに対して直交する。この例では、異なるシフト値を有するNPRACH信号が相互に互いに対して直交するように、5つの可能な周波数シフト値がある。5つの可能なシフト値は、
図6のトーンロケーションに対応する[-2,-1, 0, 1, 2]*0.75kHzであり得る。
【0065】
図6は、本開示の実施形態による、周波数シフト-周波数のグリッドを有するNPRACH信号の図である。
図6では、X軸は周波数を表す。NPRACHトーンロケーション602、604、および606は、現在の仕様、または何が現在利用可能であるかを表し得る。各シンボルグループに対して、UE500は、指定された周波数においてトーンロケーション602、604、および606のうちの1つを選択してもよく、それらの5つのシンボルを送る。送信された信号は、1つの期間が0.75kHzである、その信号の持続時間である。新しいNPRACHトーンロケーション604、608、610、612、および614は、追加される新しいNPRACHトーンロケーションを表し得る。新しいNPRACHトーンロケーションの各々は互いから0.75kHz離れており、NPRACHトーンロケーション602、604、および606ならびに新しいNPRACHトーンロケーション604、608、610、612、および614は周波数ロケーションである。トーンロケーションは周波数ロケーションを表してもよく、3.75kHzの5シンボル持続時間を規定する仕様に基づき、これらの信号は互いに対して直交する。
【0066】
一例では、UE500が新しいNPRACHトーンロケーション604を使用してシンボルグループを送ることを望む場合、UE500は信号を右側に0.75kHzだけシフトしてもよく、その結果として、この信号は、その他のトーンロケーションを使用して送られるいかなる信号に対しても直交する。セルBに対して、周波数シフタ502は次いで、NPRACHトーンロケーション604の右側に位置する新しいNPRACHトーンロケーション612を使用し得る。加えて、別のセルCに対して、周波数シフタ502は別のトーンロケーションを使用し得る。NPRACHトーンロケーション602、604、および606の各々に対して、3.75kHz/5=0.75kHzにおける5つのより新しいNPRACHトーンロケーションが提供され得る。新しいNPRACHトーンロケーション604、608、610、612、および614は当初のNPRACHトーンロケーションの周りにプロットされているが、これは限定するものではなく、他の要因に従ってプロットされてもよい。
【0067】
既存のUEは、その対象とするセルにかかわらず、ゼロの周波数シフト値505を有し得る。このゼロの値は現在の周波数ロケーションに対応し、既存のUEは、周波数シフト値505に関して他のことは何も理解することができない場合がある。後方互換性の一例では、新しいUE500は、5つの定義された周波数シフト値fd1=[-2, -1, 0, 1, 2]*0.75kHzのうちの1つまたは(古いUEはゼロを使用し得るので)ゼロを使用し得る。別の例では、新しいUE500は、セルにそのセルIDに応じて割り当てられ得る、4つの定義された周波数シフト値fd2=[-2, -1, 1, 2]*0.75kHzのうちの1つを使用し得る。たとえば、fd1のエントリmod(cell_ID,5)+1またはfd2のエントリmod(cell_ID,4)+1が使用されてもよく、このことは、5または4の周波数再使用係数を考慮することができ、すなわち、5つまたは4つのセルがNPRACHに対して異なる周波数を有することができる。
【0068】
2つのセルが異なる周波数シフト値を割り当てられる場合、これらの2つのセルのNPRACH信号は、時間的にどのように重複または衝突するかに応じて、互いに対して直交し得る。たとえば、セルAのNPRACHリソースは、周波数と時間の両方においてセルBのNPRACHリソースと完全に同時発生し得るが、これはワーストケースを表し得る。この例では、NPRACHリソースは、同じ時間に同じ周波数ロケーションで発生する。そうである場合、周波数シフタ502は周波数シフティングを適用してもよく、2つのセルが異なる周波数シフト値を有する場合、2つのセルは互いに対して直交する。したがって、これはセル間干渉を低減し得る。セルAのNPRACHリソースおよびセルBのNPRACHリソースが時間的に部分的に重複する場合、これは大きい懸念を引き起こすことがない。信号は完全に直交しないが、信号は異なる周波数ロケーションに関連付けられ、時間的に部分的にのみ重複するので、干渉は小さいものであり得る。
【0069】
周波数シフト値505は様々な方法で提供され得る。一例では、周波数シフト値505は、仕様においてセルIDの関数として定義され、したがって、セルIDに基づいて固定であり得る。この例では、これらの周波数シフティング技法の効率的な利用を可能にするために、セルIDを割り当てるときにこの公式を考慮することが事業者にとって望ましいであろう。別の例では、周波数シフト値505は同期情報において提供される。
【0070】
本開示はNB-IoTについて説明する場合があるが、本開示はそのように限定されない。一般に、ホッピング距離がある値であるFH Hzの整数倍であり、シンボルグループ当たり(各々が1/FHの持続時間を有する)M個のシンボル(周波数の変化がない連続送信)と仮定すると、周波数シフトm*FH/M Hz(ただし、m=0, ...M-1)でM個のシフトが作成され得る。
【0071】
図7は、本開示の実施形態によるブロック
図700を示す。
図7は、既存のNPRACH信号生成器702と、周波数シフタ502に対応し得る周波数シフタ704とを含む。既存のNPRACH信号生成器702は、UE500に組み込まれてもよく、NPRACHトーンロケーション602、604、および606に従ってNPRACH信号を生成してもよい。周波数シフタ704は、セルのセルID706と、1つまたは複数のNPRACHトーンロケーション602、604、および606とを入力として取り、それに応じて、周波数シフティングを適用してもよい。その後、周波数シフタ704は、得られたNPRACH信号を、たとえば、BS104に送信してもよい。得られたNPRACH信号は、たとえば、
図6に示す新しいNPRACHトーンロケーション612の周波数を有してもよい。
【0072】
図8は、本開示の実施形態による、信号における周波数シフトを検出する例示的なBS800のブロック図である。BS800は、上記で説明したようなBS104であり得る。図示のように、BS800は、プロセッサ402と、メモリ804と、周波数シフト検出器802、モデムサブシステム412およびRFユニット414を含むトランシーバ810と、アンテナ416とを含み得る。これらの要素は、たとえば、1つまたは複数のバスを介して、互いと直接通信または間接通信していてもよい。
【0073】
加えて、メモリ804は、予想される周波数シフト値805と、UE700が接続されるセルのセルID511とを含む。周波数シフト検出器802は、本開示の様々な態様に使用され得る。たとえば、周波数シフト検出器802は、シンボルグループ間の周波数シフトを検出し、これらの検出された周波数シフトの差が予想される周波数シフト値805に関連付けられるかどうかまたは一致するかどうかを決定する。一例では、周波数シフタ502は、シンボルグループ間の周波数シフトを検出し、2つ以上の検出された周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致するかどうかを決定する。2つ以上の検出された周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致するとの決定に応答して、周波数シフタ502は、シンボルグループを含む信号を検出する。2つ以上の検出された周波数シフトの差が予想される周波数シフト値のセットに一致しないとの決定に応答して、周波数シフタ502は、シンボルグループを含む信号を無視する。
【0074】
UE300はスクランブラ308および位相シフト値309を含むものとして示されているが、UE300は他の構成要素も含み得ることを理解されたい。たとえば、いくつかの実施形態では、UE300は、周波数シフタ502および1つまたは複数の周波数シフト値505も含む。いくつかの実施形態では、BS400も、周波数シフト検出器802、1つまたは複数の予想される周波数シフト値805、およびセルID511を含む。いくつかの実施形態では、直近のネイバーセルは異なる予想される周波数シフト値を有し、第2の層のネイバーセルは異なるスクランブリングシーケンスを有する。
【0075】
図9は、本開示の実施形態による、シンボルグループのセットをスクランブルすることによって信号を修正する方法900の流れ図である。方法900のステップは、UE102、300、および500などのワイヤレス通信デバイスのコンピューティングデバイス(たとえば、プロセッサ、処理回路、および/または他の適切な構成要素)によって実行され得る。方法900は、ネットワーク100に関して説明したものと同様の機構を採用し得る。方法900は、
図2を参照すると、より良く理解され得る。図示したように、方法900は、いくつかの列挙されるステップを含むが、方法900の実施形態は、列挙されるステップの前、後、および間に追加のステップを含み得る。いくつかの実施形態では、列挙されるステップのうちの1つまたは複数は、省略されてもよく、または異なる順序で実行されてもよい。
【0076】
ステップ910において、方法900は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、セルに関連付けられたスクランブリングシーケンスを反復におけるシンボルグループのセットに適用するステップを含む。ステップ920において、方法900は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、スクランブリングシーケンスがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するステップを含む。
【0077】
図10は、本開示の実施形態による、1つまたは複数の周波数シフトをシンボルグループのセットに適用することによって信号を修正する方法1000の流れ図である。方法1000のステップは、UE102、300、および/または500などのワイヤレス通信デバイスのコンピューティングデバイス(たとえば、プロセッサ、処理回路、および/または他の適切な構成要素)によって実行され得る。方法1000は、ネットワーク100に関して説明したものと同様の機構を採用し得る。方法1000は、
図2を参照すると、より良く理解され得る。図示したように、方法1000は、いくつかの列挙されるステップを含むが、方法1000の実施形態は、列挙されるステップの前、後、および間に追加のステップを含み得る。いくつかの実施形態では、列挙されるステップのうちの1つまたは複数は、省略されてもよく、または異なる順序で実行されてもよい。
【0078】
ステップ1010において、方法1000は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、セルに関連付けられた周波数シフトを反復におけるシンボルグループのセットに適用するステップを含む。ステップ1020において、方法1000は、第1のワイヤレス通信デバイスによって、周波数シフトがシンボルグループのセットに適用された後に、セルに関連付けられた第2のワイヤレス通信デバイスにシンボルグループのセットを送信するステップを含む。
【0079】
本明細書の本開示に関して説明する様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0080】
本明細書で説明する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内に入る。たとえば、ソフトウェアの性質に起因して、上記で説明した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置され得る。また、特許請求の範囲内を含めて本明細書で使用する場合、項目のリスト(たとえば、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの句で終わる項目のリスト)において使用される「または」は、たとえば、[A、B、またはCのうちの少なくとも1つ]のリストがAまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的リストを示す。
【0081】
当業者が今では諒解するであろうように、また当面の特定の適用例に応じて、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示のデバイスの材料、装置、構成および使用方法において、かつそれらに対して、多くの修正、置換および変形が行われ得る。このことに照らして、本明細書で図示および説明する特定の実施形態は、それらのいくつかの例によるものにすぎないので、本開示の範囲はそのような特定の実施形態の範囲に限定されるべきではなく、むしろ、以下に添付される特許請求の範囲およびそれらの機能的等価物の範囲と完全に同じであるべきである。
【符号の説明】
【0082】
100 ワイヤレス通信ネットワーク、ネットワーク
102、300、500 UE
104、104a、104b、104c、104d、104e BS
106、108 通信信号
110a、110b、110c、110d、110e カバレージエリア
202、202d 反復
204、204a、204b、204c、204d シンボルグループ
206 サイクリックプレフィックス
302、402 プロセッサ
304、404、504、804 メモリ
306、406 命令
308 スクランブラ
309 位相シフト値
310、410、810 トランシーバ
311、511、706 セルID
312、412 モデムサブシステム
314、414 RFユニット
316、416 アンテナ
400、800 BS
407 予想される位相シフト値
411 位相シフト検出器
502、704 周波数シフタ
505 周波数シフト値
602、604、606 NPRACHトーンロケーション
604、608、610、612、614 新しいNPRACHトーンロケーション
700 ブロック図
702 既存のNPRACH信号生成器
802 周波数シフト検出器
805 予想される周波数シフト値
900、1000 方法