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▶ スミス アンド ネフュー ピーエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】創傷閉鎖装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20221118BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20221118BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
A61M27/00
A61F13/00 301J
A61F13/00 301Z
A61M1/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019563223
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2018065397
(87)【国際公開番号】W WO2018229009
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】62/518,752
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ヤーベリー・ハートウェル
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-521740(JP,A)
【文献】特表2016-536061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0299255(US,A1)
【文献】国際公開第2017/106576(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103501709(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61F 13/00
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷閉鎖装置であって、
創傷内または創傷上に位置付けられるようにサイズ設定され、かつ構成された締付構造であって、第一の端部、第二の端部、前記第一の端部および前記第二の端部から延在する長さ、前記締付構造の中心横軸に沿って延在する前記長さに対して垂直な幅、ならびに前記長さおよび前記幅に対して直角の高さを有し、前記締付構造が、
前記第一の端部から前記第二の端部まで、前記締付構造の前記長さに平行または半平行して延在する凹面および凸面であって、前記凹面は前記締付構造に対して凹状に湾曲または屈曲しており、前記凸面は前記凹面に対向しており、前記締付構造に対して凸状に湾曲または屈曲している、凹面および凸面と、
前記第一の端部から前記第二の端部まで、前記締付構造の前記長さに延在する複数の細長いストリップであって、前記凹面および前記凸面を画定する二つの最も外側の細長いストリップを含む、複数の細長いストリップと、
前記複数の細長いストリップを接続する複数の介在部材であって、前記細長いストリップに対して旋回して、前記複数の細長いストリップが互いに対して折り畳まれるように構成される、複数の介在部材と、
前記締付構造の前記長さおよび幅に平行な水平面に隣り合わせて設けられる複数のセルであって、前記セルそれぞれが、前記細長いストリップまたは前記介在部材のいずれかによって形成された複数の壁によって画定され、前記セルそれぞれが、上端と下端を貫通する開口部を有する前記上端および前記下端を有する、複数のセルと、を含む締付構造、を備え、
前記複数の細長いストリップが、前記複数のセルが折り畳まれると曲度を増加させ、前記創傷に締付力を適用するように構成される、創傷閉鎖装置。
【請求項2】
前記締付構造が少なくとも部分的に三日月形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記長さおよび幅が前記高さより大きい、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記セルの少なくとも一部がひし形状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記締付構造が、一つ以上の着脱可能なセグメントを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記一つ以上の着脱可能なセグメントが取付要素を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも一つの追加的な締付構造をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記締付構造の凹面に適合するように構成された発泡体の下層をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記締付構造の前記凸面に適合するように構成された発泡体の上層をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
組織保護層をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記締付構造を覆い、前記創傷の周りで封止を形成するように構成された一つ以上のドレープをさらに含み、任意で、前記創傷に陰圧を供給するように構成された吸引ポートをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
締付構造に陰圧を供給して、複数の前記セルの折り畳みを引き起こし、前記締付構造に締付力を前記創傷に適用させるように構成された陰圧源をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月13日に出願された米国仮出願第62/518,752号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本出願は、陰圧の適用と組み合わせた、創傷の治療のための装置、方法、およびシステム、特に大きな創傷の閉鎖を補助する実施形態について説明する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
陰圧創傷治療は創傷の治療に使用されてきたが、多くの場合、創傷部位から滲出物およびその他の有害物質を除去しながら、治癒速度を改善できる。
【0004】
下肢および上肢の切断は、最も古い外科的に実施される処置の一つである。切断の大部分は、糖尿病の症状であるアテローム性動脈硬化症のために実施される。頻度は低いものの、深刻な事故、循環器疾患、または四肢における腫瘍の発生は、手足の喪失につながり得る。切断処置は、筋肉の切断および成形に加えて患部組織の除去を必要とし、したがって、必ず患者に大きな創傷が作り出されることになる。下にある浮腫が治まった後のこのような創傷の閉鎖が、二次的感染症および他の合併症のリスクを最小限にしながら、したがって最優先される。
【0005】
手術、外傷、またはその他の状態いずれかの結果として、四肢におけるその他の大きな創傷または切開創傷も、閉鎖を必要としうる。既存の創傷の創傷の解除は、潜在的には不完全な下層筋膜閉鎖または感染などの二次的因子に起因しうる別の合併症である。
【0006】
既存の陰圧療法システムは、最終的な創傷閉鎖を許容しながら、依然として長い閉鎖時間を必要とする。これらは、縫合糸またはステープルなどの他の組織固定手段と組み合わされてもよいが、完全な創傷閉鎖を許容するために、下にある筋肉および筋膜組織が適切に復元できないリスクもある。さらに、創傷へ発泡体またはその他の創傷充填材が創傷に挿入されるとき、創傷と発泡体への陰圧の適用は、創傷上で圧迫する周囲気圧を発生させ、創縁に対して発泡体を下向きかつ外向きに押し付けることができる。創傷充填材のこの下向きの圧迫により、治癒プロセスが遅くなり、創縁の結合が減速または阻止される。さらに、特定のタイプの筋膜炎の形態の筋膜の炎症は、急速および過剰な組織損失をもたらす可能性があり、潜在的により進行した陰圧療法システムの必要性を示唆し得る。さらに、現在の陰圧療法システムは、切断創傷に対して不十分であり得る。典型的な陰圧療法システムは通常、比較的平らな体表面上の創傷に向けられ、切断創傷は四肢の端部に位置し、しばしば曲面を形成する。したがって、切断創傷の治療および閉鎖のための改善された装置、方法、およびシステムを提供するニーズがある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、創傷の閉鎖を促進する陰圧創傷閉鎖装置、方法、およびシステムに関する。本明細書で説明する創傷は、任意の創傷を包含してもよく、また特定の場所またはタイプの創傷に限定されないことが当業者には理解されるであろう。さらに、本明細書で説明する装置、方法、およびシステムの適用は、陰圧に関して任意の様式であってもよく、創傷の閉鎖またはその他の特定の用途に限定されないことが当業者には理解されるであろう。装置、方法、およびシステムは、現在採用されている創傷充填材の反復的な交換の必要性を低減させるために作用し得、治癒速度を加速し得る。装置、方法、およびシステムは、創傷流体を除去するために陰圧とともに使用され得る。
【0008】
特定の実施形態では、創傷閉鎖装置が提供され、装置は創傷内または創傷上に位置付けられるようにサイズ設定され、かつ構成された締付構造を備え、締付構造は第一の端部、第二の端部、第一の端部および第二の端部から延在する長さ、締付構造の中心横軸に沿って延在する長さに対して直角の幅、および長さおよび幅に対して直角の高さを備える。締付構造は、締付構造の第一の端部から第二の端部までの締付構造の長さに平行または半平行して延在する凹面および凸面を含み、凹面は締付構造に対して凹状に湾曲または屈曲しており、凸面は凹面に対向しており、締付構造に対して凸状に湾曲または屈曲している。
【0009】
複数の細長いストリップは、第一の端部から第二の端部まで締付構造の長さに延在してもよく、複数の細長いストリップは、凹面および凸面を画定する二つの最も外側の細長いストリップを含む。
【0010】
複数の介在部材は、複数の細長いストリップを接続してもよく、複数の介在部材は、細長いストリップに対して旋回して、複数の細長いストリップが互いに対して折り畳まれるように構成される。
【0011】
複数のセルは、締付構造の長さおよび幅に平行な水平面に隣り合わせて提供され得るが、各セルは、細長いストリップまたは介在性部材のいずれかによって形成された複数の壁によって画定され、各セルは、上端と下端を貫通する開口部を有する上端および下端を有する。複数の細長いストリップは、複数のセルが折り畳まれた際に曲度を増加させ、創傷に締付力を適用するように構成されてもよい。
【0012】
特定の実施形態では、締付構造は少なくとも部分的に三日月形状とし得る。締付構造の長さおよび幅は、締付構造の高さより大きくてもよい。少なくとも一部のセルはひし形状であってもよい。
【0013】
特定の実施形態では、締付構造は一つ以上の着脱可能なセグメントを備え得る。一つ以上の着脱可能なセグメントは、取付要素を含み得る。創傷閉鎖装置はさらに、少なくとも一つの追加的な締付構造を備え得る。
【0014】
特定の実施形態では、創傷閉鎖装置は、締付構造の凹面に適合するように構成された発泡体の下層、および/または締付構造の凸面に適合するように構成された発泡体の上層を含み得る。装置は組織保護層をさらに含んでもよい。
【0015】
特定の実施形態では、創傷閉鎖装置が提供され、装置は凹面および凸面を含む締付構造を備える。締付構造は、締付構造に陰圧が適用されたときに切断創傷に閉鎖力を適用するために、切断創傷に適合するように、および垂直面より水平面においてより大きく折り畳むように構成され得る。
【0016】
創傷閉鎖装置は、凹面に取り付けられ、締付構造の凹面の形状に適合する発泡体の下層、および凸面に取り付けられ、締付構造の凸面の形状に適合する発泡体の上層をさらに含んでもよい。
【0017】
締付構造は少なくとも部分的に三日月形状とし得る。締付構造の長さおよび幅は、構造の高さより大きくてもよい。装置はさらに複数のセルを含んでもよく、少なくとも一部のセルはひし形である。締付構造は一つ以上の着脱可能なセグメントを備え得る。一つ以上の着脱可能なセグメントは、取付要素を含む。装置はさらに、少なくとも一つの追加的な締付構造を備え得る。
【0018】
特定の実施形態では、創傷閉鎖装置は、締付構造を覆い、創傷の周りで封止を形成するように構成された一つ以上のドレープをさらに含み得る。装置は、陰圧を創傷に与えるように構成された吸引ポートをさらに備え得る。
【0019】
特定の実施形態では、創傷閉鎖装置は、締付構造に陰圧を供給して複数のセルの折り畳みを引き起こし、締付構造に締付力を創傷に適用させるように構成された陰圧源をさらに含み得る。
【0020】
特定の実施形態では、創傷を治療する方法が提供され、方法は、請求項のいずれかに一つに記載の締付構造を提供すること、および創傷内または創傷上に締付構造を配置することであって、締付構造の凹面が創傷に面するように、かつ締付構造の長さが創傷開口部にわたって整列されるように締付構造が配置される、配置することを含む。方法は、創傷を取り囲む皮膚に封止された少なくとも一つのドレープで締付構造を覆うこと、および陰圧源を介して少なくとも一つのドレープを通して陰圧を創傷に適用することであって、陰圧の適用により締付構造が折り畳まれる、適用することをさらに含む。方法は、締付構造を配置する前に、創傷の上に組織保護層を挿入することをさらに含み得る。
【0021】
特定の実施形態では、四肢切断後に創傷を閉鎖する方法が提供され、方法は、締付構造を提供すること、創傷上に組織保護層を挿入すること、創傷上に発泡材の下層を配置すること、創傷部位に締付構造を配置することであって、締付構造の長さが創傷開口部に垂直に整列する、配置すること、創傷の周りの皮膚を封止する少なくとも一つのドレープで締付構造を覆うこと、および陰圧源を介して少なくとも一つのドレープを通して創傷に陰圧を適用することであって、陰圧の適用により締付構造が折り畳まれる、適用することを含む。
【0022】
陰圧とともに使用する装置、装置および関連装置の他の実施形態が以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、陰圧療法システムの実施形態を示す。
図2A図2Aは、締付構造の実施形態の斜視図を示す。
図2B図2Bは、締付構造の実施形態の上面図を示す。
図2C図2Cは、締付構造の実施形態の写真である。
図3A図3Aは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の斜視図を示す。
図3B図3Bは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の斜視図を示す。
図3C図3Cは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の斜視図を示す。
図3D図3Dは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の上面図を示す。
図3E図3Eは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の上面図を示す。
図3F図3Fは、本来の状態、半分折り畳まれた状態、および折り畳まれた状態における締付構造の実施形態の上面図を示す。
図3G図3Gは、本来の状態および折り畳まれた状態における締付構造を有する陰圧とともに使用する装置の実施形態を図示する。
図3H図3Hは、本来の状態および折り畳まれた状態における締付構造を有する陰圧とともに使用する装置の実施形態を図示する。
図4A図4Aは、締付構造の実施形態のセル構成を示す。
図4B図4Bは、締付構造の実施形態のセル構成を示す。
図4C図4Cは、締付構造の実施形態のセル構成を示す。
図5A図5Aは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5B図5Bは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5C図5Cは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5D図5Dは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5E図5Eは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5F図5Fは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5G図5Gは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5H図5Hは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図5I図5Iは、着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図6A図6Aは、本来の状態および折り畳まれた状態における締付構造の内部セグメントの実施形態を示す。
図6B図6Bは、本来の状態および折り畳まれた状態における締付構造の内部セグメントの実施形態を示す。
図7A図7Aは、本来の状態および折り畳まれた状態における着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図7B図7Bは、本来の状態および折り畳まれた状態における着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図7C図7Cは、本来の状態および折り畳まれた状態における着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図7D図7Dは、本来の状態および折り畳まれた状態における着脱可能なセグメントを有する締付構造の実施形態を示す。
図8A図8Aは、積み重なった締付構造の実施形態の斜視図および分解図を示す。
図8B図8Bは、積み重なった締付構造の実施形態の斜視図および分解図を示す。
図8C図8Cは、積み重なった締付構造の実施形態の分解図を示す。
図8D図8Dは、積み重なった締付構造の実施形態の写真である。
図8E図8Eは、積み重なった締付構造の実施形態の写真である。
図9A図9Aは、本来の状態の締付構造および切断創傷の実施形態を示す。
図9B図9Bは、折り畳まれた状態における図9Aの締付構造および図9Aの切断創傷の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
このセクションまたは本明細書にいずれかの部分に開示された実施形態は、ポンプおよび創傷被覆構成要素および装置を含む、陰圧源を用いて創傷を治療する装置および方法に関する。創傷オーバーレイおよびパッキング材料を含む装置および構成要素がある場合、このセクションまたは本明細書のいずれか部分では集合的に被覆材として称される場合がある。
【0025】
本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、切断創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、電気火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
本セクションまたは本明細書の他の場所で使用される場合、-XmmHgといった減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または、1気圧、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する標準気圧よりも低い圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。さらに、-XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低くなる)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高くなる)。
【0027】
本開示の一部の実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、または約-10mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。あるいは、-75mmHg以下、-80mmHg以下、または-80mmHg超過の圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧装置により供給され得る。いくつかの実施形態では、陰圧範囲は、約-20mmHgまたは約-25mmHgほど小さくてもよく、これは瘻孔を減少させるために有用であり得る。本明細書に記載する創傷閉鎖装置のいくつかの実施形態では、創傷収縮の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖装置の実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間と共に創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。一部の実施形態では、陰圧は、例えば正弦波、方形波を使用して、及び/又は、一つ又は複数の患者の生理的指標(例えば、心拍)と同期して、経時的に変化させられ得る。
【0028】
前述の記載に関するさらなる開示を見つけることができる、そのような用途の例には、2012年8月7日に発行された名称「Wound treatment apparatus and method」の米国特許第8,235,955号、および2010年7月13日に発行された名称「Wound cleansing apparatus with stress」の米国特許第7,753,894号を含む。両方の用途は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した実施形態との使用に関連する教示を含み得るその他の出願は、米国特許出願公開第2011/0213287号として公開された、2010年9月20日出願の、「Systems And Methods For Using Negative Pressure Wound Therapy To Manage Open Abdominal Wounds」と題する出願番号第12/886,088号と、米国特許出願公開第2011/0282309号として公開された、2011年4月21日出願の、「Wound Dressing And Method Of Use」と題する出願番号第13/092,042号と、米国特許出願公開第2012/0209227号として公開された、2012年2月3日出願の、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題する出願番号第13/365,615号と、を含み得、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の実施形態との使用に関連する教示を含み得るさらなる出願は、米国特許出願公開第2014/0180225号として公開された、2013年7月15日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題する出願番号第13/942,493号と、国際特許第2014/014871A1号として公開された、2013年7月16日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2013/050619号と、国際特許第2014/014922A1号として公開された、2013年7月16日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2013/050698号と、国際特許第2013/175309A1号として公開された、2013年5月5日に出願された、「Devices and Methods for Treating and Closing Wounds with Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/IB2013/01555号と、国際特許第2014/165275A1号として公開された、2014年3月12日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device and Systems and Methods of Use in Treating Wounds with Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/US2014/025059号と、国際特許第2014/140578A1号として公開された、2014年3月13日に出願された、「Compressible Wound Fillers and Systems and Methods of Use In Treating Wounds With Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/GB2014/050746号と、第2016/0287765A1号として公開された、2014年10月21日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2014/061627号と、国際特許第2016/176513号として公開された、2016年4月28日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2016/029888号である。前述の出願の全体は、参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされるべきである。
【0029】
本明細書全体を通して、いくつかの実施形態では、細長い、細長にされた、または縦長のストリップを参照していることが理解されよう。これらの用語は広義に解釈され、いくつかの実施形態では、二つの平行な、または実質的に平行な面を有する細長い材料を指し、断面では、面に垂直に測定される材料の厚さが、面に平行に測定される材料の高さよりも比較的小さいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、ストリップは別々の材料長さから構成される場合があるが、他の実施形態では、ストリップは単に、平行な、または実質的に平行な面を有する全体構造の細長い部分を指す場合がある。いくつかの実施形態では、ストリップは、長方形または略長方形形状の面を有し、その面の長さは面の高さよりも長い。いくつかの実施形態では、面の長さは、面の高さの2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、12倍超、またはそれより大きい場合がある。
【0030】
本セクションまたは本明細書のその他の場所で使用される場合、創傷を参照する場合は、「水平方向」という用語は、創傷を囲む皮膚に対して略平行な方向または面を示す。「垂直方向」という用語は、創傷を参照する場合は、水平面に垂直に延在する方向を一般に指す。「長手軸方向」という用語は、創傷を参照する場合、創傷が最も長く取れる方向に沿った、水平面における方向を指す。「横方向」という用語は、創傷を参照する場合、長手軸方向に垂直な水平面における方向を一般に指す。「水平方向」、「垂直方向」、「長手方向」、および「横方向」という用語はまた、本明細書全体にわたって記載した安定化構造および創傷閉鎖装置を説明するために使用され得る。これらの構造または装置を説明する場合、これらの用語は、構造または装置を特定の配向で創傷内に配置しなければならないと解釈されるべきではないが、特定の実施形態では、そうすることが好ましい場合がある。
【0031】
図1は、創傷101上に挿入される創傷パッカー102を含む陰圧治療システム100の実施形態を図示する。創傷パッカー102は、発泡体などの多孔性材料を含んでもよく、いくつかの実施形態では、本セクションまたは本明細書のその他の場所でさらに詳細に説明した創傷閉鎖装置もしくは締付構造の一つまたは複数の実施形態を含んでもよい。いくつかの実施形態では、創傷101上に適用される任意の創傷閉鎖装置の周辺部または上部も、発泡体またはその他の多孔性材料で覆われてもよい。単一ドレープ104または複数のドレープが創傷101の上に配置されてもよく、液密シールを作り出せるよう、創傷101の周辺部において、皮膚に接着または密封されることが好ましい。アパーチャ106はドレープ104を通して作製され得、創傷101から、ポンプ110などの陰圧源へ流体接続をもたらすように、手動で作製されるか、またはドレープ104内に予め形成され得る。アパーチャ106とポンプ110との間の流体接続は、導管108を介して作製されることが好ましい。いくつかの実施形態では、導管108は、Smith&Nephewで製造されたRENASYS(登録商標)Soft Port(商標)を備えてもよい。もちろん、いくつかの実施形態では、ドレープ104は必ずしもアパーチャ106を含まなくてもよく、ポンプ110への流体接続は、導管108をドレープの下に配置することによって作られてもよい。いくつかの創傷、特により大きな創傷においては、複数の導管108が使用され、一つまたは複数のアパーチャ106を介して流体接続されてもよい。
【0032】
使用時には、創傷101は準備かつ洗浄され得る。一部の場合、非接着または最小限の接着組織保護層(図示せず)が、任意の露出した内部組織の上に適用され得る。創傷パッカー102は次に、創傷に挿入され、液密シールを形成できるよう、ドレープ104で覆われる。次に、導管108の第一の端が、例えば、アパーチャ106を介して、創傷と流体連通するように配置される。導管108の第二の端部は、ポンプ110に接続される。次に、ポンプ110は、陰圧を創傷101に供給し、創傷101から創傷滲出液を抜くように、作動され得る。以下でさらに詳細に、前述の創傷閉鎖装置の実施形態に関連して説明されるように、例えば、反対側の創縁に近似させることにより、陰圧はまた、創傷101の閉鎖を促進するのを援助し得る。
【0033】
本明細書の本セクションまた本明細書の他の場所において開示される、任意の構造または構成要素は、放射線不透性物質を含んでもよい。有利なことに、放射線不透性物質により、構造から外れて、創傷内で見失ってしまう可能性のある創傷閉鎖装置の破片を、臨床医がより簡単に発見することを可能にする。放射線不透性物質のいくつかの例には、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、およびタングステンが含まれる。
【0034】
図2A図2C:締付構造およびその要素
図2A図2Bは、平行または半平行して配置された複数の細長いストリップ2006を含む締付構造2000の実施形態を示す。図2Cは、締付構造2000の実施形態の写真である。実施形態において、細長いストリップはまた、平行でない様式で配置されてもよい。この締付構造2000内の様々なセルは、様々な形状およびサイズを有してもよい。以下でより詳細に説明する通り、細長いストリップ2006、介在部材2010、およびセル2004の長さおよび形状は、締付構造の折り畳み、したがって大きな変形を容易にするように設計され得る。特定の実施形態では、細長いストリップと介在部材との間の接合部2900はより薄くなり、締付構造の回転、したがって締付をより容易にすることができる。いくつかの実施形態では、締付構造は、構造が任意の寸法または形状に形状付けられるように、引き裂くことができてもよい。本明細書の他の部分に記載されているように、引き裂きは、介在部材と細長いストリップとの間の交差部、または、細長いストリップまたは介在部材に沿った任意の好適な位置において、完了し得る。
【0035】
本明細書の本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した全ての締付構造は、任意のサイズになるように作られてもよい。ところが、臨床環境のニーズにより良く適応するために、特定の実施形態では、本明細書に記載の締付構造は、約1.25倍大きい、約1.5倍大きい、約1.75倍大きい、約2倍大きい、約2.5倍大きい、約3倍大きい、約4倍大きい、約5倍大きい、または、約5倍より大きい、一つのより小さい締付構造と一つのより大きい締付構造といった、二つのサイズを含むパックで提供され得る。いくつかの実施形態では、パックは、三つのサイズ、四つのサイズ、五つのサイズ、または五つより多いサイズといった、二つより多いサイズを含んでもよい。パック内の締付構造は、上述の比のように、互いに対して様々なサイズであり得る。
【0036】
特定の実施形態では、締付構造2000は、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した任意の方法で、陰圧を適用して、または適用することなく、折り畳むことができる。例えば、締付構造は、陰圧が適用されると、ある平面において、別の平面よりも顕著に折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、締付構造は、水平面に垂直な垂直面よりも、締付構造の長さおよび幅に平行な水平面において、より折り畳まれるように構成される。実施形態では、特定のセルの列が第一の方向に折り畳まれ、別の行は、同一または対向する方向に折り畳まれ得る。特定の実施形態では、締付構造は、締付構造の長さと高さに沿って比較的剛性でありつつ、安定化構造の幅に沿って折り畳まれ得る。特定の実施形態では、締付構造はまた、例えば、その長さに沿って屈曲する、または曲度を増すなど、折り畳む間に、その全体的形状を変形し得る。
【0037】
締付構造は、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載したいずれかの材料から構成されてもよく、シリコン、ポリウレタンといった可撓性プラスチックや、ポリ塩化ビニル、半硬質プラスチック、半可撓性プラスチックといった硬質プラスチック、および、生体適合性材料、複合材料、金属、発泡体を含む。特定の実施形態では、締付構造は、放射線不透過性材料を含んでもよく、臨床医はそれによって、創傷内の締付構造の断片をより容易に見つけることを可能にする。
【0038】
図2Aに戻ると、締付構造2000は、凹面2101および凸面2102を有し得るが、それぞれが第一の端部2201から第二の端部2202まで締付構造の長さに延在し、凸面は凹面に対向する。凹面2101および凸面2102は、二つの最も外側の細長いストリップによって画定される。いくつかの実施形態では、図2A図2Cによって示されるように、凹面および凸面のそれぞれは、部分的楕円形状を有してもよい。特定の実施形態では、凹面および凸面は、半平行に整列するように、同じ方向に屈曲、または湾曲している。例えば、図2A図2Cによって示されるように、凹面は、締付構造に対して凹状に屈曲また湾曲していてもよく、凸面は締付構造に対して凸状に屈曲または湾曲していてもよい。実施形態において、凹面は直線であってもよく、凸面は湾曲または屈曲していてもよい。特定の実施形態では、凹面および凸面は、反対方向に屈曲または湾曲していてもよい。凹面および凸面は、第一および第二の端部に向かって先細りしていてもよい。いくつかの実施形態では、締付構造は少なくとも部分的に三日月形状または半楕円形状であってもよい。いくつかの実施形態では、締付構造は、中心横軸を中心に対称であってもよい。
【0039】
締付構造2000は、締付構造の高さに沿って凹面2101によって画定される凹面壁2301、および締付構造の高さに沿って凸面2102によって画定される凸面壁2302をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、凹面壁と凸面壁の両方とも高さに平行であり、水平面対して直角を構成する。その他の実施形態では、凹面壁および凸面壁のいずれかは、高さに対して傾斜する。いくつかの実施形態では、凹面壁および凸面壁は、高さに沿って直線である。その他の実施形態では、凹面壁および凸面壁は、高さに沿って湾曲してもよく、そのため締付構造は起伏のある物体により適切に適用され得る。
【0040】
上述のように、締付構造2000は、横並びに提供される複数のセル2004を含み得、各セルは一つまたは複数の壁によって画定され、各セルは上端および下端を有し、開口部がその上端と下端を貫通して延在する。本明細書の本セクションまたは本明細書のその他の場所に記載の、その他の締付構造と同様に、締付構造2000は、一つまたは複数のセル2004を折り畳むことによって折り畳まれるよう構成され得る。いくつかの実施形態では、セルは全て同一の近似形状およびサイズであるが、その他の実施形態では、セルは異なる形状およびサイズである。
【0041】
細長いストリップ2006は、本明細書のその他の部分に記載したもののように、単一の材料で作製されてもよく、または、細長いストリップは、複数の材料から作製されてもよい。例えば、細長いストリップ2006は、より剛性な材料のセクションと、より可撓性のある材料のセクションとを含み得る。細長いストリップ2006は、締付構造2000の凹面および/または凸面の湾曲を促進するように、その長さに沿って湾曲し得る。細長いストリップは、凹面、凸面のいずれか、または両方と同じ方向に湾曲してもよい。いくつかの実施形態では、細長いストリップのそれぞれは、平行または半平行に配置されるように同じ方向に湾曲し得る。細長いストリップ2006の湾曲の弧は、ストリップ2006のいくらかは大きく湾曲している一方で、その他は最小限の湾曲であるか、むしろ直線であり、かなり変動し得る。いくつかの実施形態では、締付構造は、凹面と凸面の間に一つの細長いストリップを有し得る。その他の実施形態では、締付構造は、凹面と凸面の間にゼロ、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上の細長いストリップを有し得る。
【0042】
同様に、締付構造2000は、細長いストリップ2006に接続された複数の介在部材2010をさらに備え得る。介在部材2010はすべて、類似形状およびサイズであってもよく、または、さまざまな形状およびサイズであってもよい。介在部材は、本明細書の本セクションまたは本明細書のその他の場所に開示されているいずれかの材料から構成されてもよい。さらに、介在部材は、複数の材料から構成され得る。
【0043】
本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した締付構造2000およびすべての締付構造は、動的な様式で様々な時間の尺度で折り畳まれ得る。特定の実施形態では、折り畳みの大部分は、陰圧が適用された最初の数分間以内に生じ得る。しかし、最初の折り畳み後、締付構造は、引き続きより遅い速度で折り畳まれ得、それにより長時間にわたり増加する長手軸方向の張力を適用し、第一の端部と第二の端部とを近くに引きよせる。
【0044】
特定の実施形態では、締付構造の折り畳みの最大90%は、陰圧が適用された最初の数分以内に生じ得、折り畳みの残りの10%は、数分、数時間、数日、数週間、または数か月の期間にわたってゆっくりと生じ得る。その他の実施形態では、折り畳みの最大約80%、最大約70%、最大約60%、最大約50%、最大約40%、最大約30%、最大約20%、最大約10%、または折り畳みの約0%が、陰圧が適用された最初の数分以内にすぐに生じ、残りの折り畳みは、数分、数時間、数日、数週間、または数か月の期間にわたって、等、より遅い速度で生じる。その他の実施形態では、締付構造は可変速度で折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、折り畳み全体が遅い速度で生じるが、その他の実施形態では、折り畳み全体が最初の数分以内にほぼすぐに生じる。さらなる実施形態では、折り畳みは、任意の速度で生じ得、速度は経時的に変化し得る。特定の実施形態では、構造の一部分を追加または除去することによって、および/または陰圧の適用および灌注流体を制御することによって、折り畳み量を可変的な方法で変えることができる。
【0045】
図2Bは、図2Aの締付構造実施形態の上面図である。いくつかの実施形態では、締付構造2000のパターンは、締付構造の最大限の折り畳みを容易にするように設計される。最大閉鎖は、細長い部材の長さ方向に垂直な方向で、水平面内であることが好ましい。以下でより詳細に説明する通り、細長いストリップ2006の長さ、介在部材2010の長さ、およびセル2004の形状を変化させることによって、より大きな閉鎖を達成することができる。セル2004の形状は、本明細書の本セクションまたは本明細書のその他の場所に記載のいずれかの形状を含み得る。例えば、図2Aに示すように、セル2004は、より小さなダイヤモンド形状2020が、より大きなダイヤモンド2022内に位置するダイヤモンド形状または平行六面体であってもよい。このような構造は、創傷の最大閉鎖を提供するために、締付装置2000のより大きな全体的締付を提供し得る。さらに、より大きなひし形2022内に位置するより小さなひし形様形状2020は、マトリクスの下の組織構造に損傷を与える可能性を低減するよう、より大きな範囲にわたって負荷を広げることができる。この構造は、発泡体またはドレープがマトリクス内に引っ張られ、創傷の閉鎖を防止する可能性を低減することもできる。
【0046】
図2Cは、締付構造2000を備えた陰圧とともに使用するための装置の実施形態の写真である。ここで、締付構造2000は気密のプラスチックバッグ内に収容される。しかし、実施形態では、装置は、締付構造の周りの陰圧環境を維持するために気密シールを形成するその他の手段を含み得る。例えば、このセクション内または本明細書の他の場所で説明されるようなドレープが、陰圧を維持するために締付構造とともに使用され得る。
【0047】
本明細書の本セクションまたは本明細書のその他の場所に記載の締付構造のいずれかは、任意の好適な手段によって構成され得る。例えば、締付構造は、成形を介して構成されてもよく、または、3D印刷技術を使用して直接印刷されてもよい。特定の実施形態では、図2A図2Cの締付構造は、3D印刷を介して単一のポリマーから構成され得る。いくつかの実施形態では、締付構造は、一つのポリマー、二つの異なるポリマー、三つの異なるポリマー、または三つより多い異なるポリマーから構成され得る。締付構造は、本明細書の本セクションまたは本明細書のその他の場所に開示されたいずれかの材料から構成され得る。締付構造は、構造を材料の固体ブロックから切り出すことによって作製され得る。切断に使用される方法には、例えば、水噴射切断、レーザー切断、または金型切断が含まれ得る。締付構造は、セル2004の壁に沿ったサイズに切断され得る。例えば、細長いストリップ2006の外側面に沿った介在部材は、締付構造を適切にサイズ決めするよう切断され得る。締付構造は、壁に沿って、細長いストリップのいずれかの部分に沿って、および/または介在部材のいずれかの部分に沿って、切断され得る。特定の実施形態では、締付構造は型から作成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、図2A図2Cの締付構造2000は、装置の一部分が装置の残り部分から分離できるようにする穿孔または着脱可能なセクションを含むように構成され得る。例えば、締付構造2000内に含まれる様々なセル2004の間の接合部2900に穿孔が組み込まれてもよく、個々の列またはセルを取り除いて締付構造2000の形状を変化させることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では図2A図2Cの締付構造2000は、細長いストリップ2006および/またはセル2004を画定する介在部材2010上に穴またはノッチを有し、そのためセルが相互に流体連通してもよい。この特徴は、締付構造に沿った陰圧の伝達を助けながら、創傷流体の排出ための流体経路として作用し得るが、それにより締付構造2000の折り畳みを促進する。
【0050】
本セクションまたは本明細書のその他の場所に記載の締付構造または創傷閉鎖装置すべてに適用可能であり、締付構造または創傷閉鎖装置は、締付構造が任意の所望の形状に成形され得るように裂くことができる。いくつかの実施形態では、締付構造は、介在部材と細長いストリップとの間の交差部で裂かれてもよく、さらなる実施形態では、細長いストリップまたは介在部材が、任意の好適な位置で裂かれてもよい。
【0051】
図3A図4C:締付構造の設計および作用
図3A図4Cは、上述のようなセル構成を有する締付構造3000の実施形態を示す。図3A図3Cは、それぞれ、陰圧有り・なしの場合の、折り畳み前、折り畳み中、および折り畳み後の締付構造3000の実施形態の変形の斜視図を示す。いくつかの実施形態では、図3A図3Cに示すように、セル3004が陰圧有りまたはなしで折り畳まれるとき、締付構造の細長いストリップの曲度は増大し、第一の端部3101と第二の端部3102との間の距離が減少する。いくつかの実施形態では、第一の端部および第二の端部は、締付構造が折り畳まれると完全に相互接触する。実施形態において、折り畳み後の第一の端部と第二の端部との間の距離は、第一の端部と第二の端部との間の元の距離の約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%未満である。特定の実施形態では、第一の端部と第二の端部との間の距離は、元の距離のおよそ0%であってもよく、第一および第二の端部は接触しているか、またはぎりぎり接触していなくてもよい。
【0052】
さまざまなタイプおよび締付の程度(例えば、最大締付)を促進するために、細長いストリップ、介在部材、およびセルの形状、サイズ、および位置が様々な適切な方法により決定され得る。図3D図3Fは、図3A図3Cの実施形態の上面図を示す。例えば、図3Dに図示するように、各折り畳み可能なセル3004は四つ面を有し、介在部材および/または細長いストリップの間の各交点は、ピンジョイント3032を介して模式化され得る。図3A図3Fに図示するように、締付構造3000は、開放状態から半折り畳み状態、そして完全な折り畳み状態に折り畳まれ得る。一部のシナリオでは、図3Cおよび図3Fによって図示された実施形態にまでさらに折り畳まれることは、締付構造の第一の端部と第二の端部とをできる限り近くに引き寄せることによって締付を最大化するために望ましい場合がある。図3G図3Hは、陰圧が適用される前および後の締付構造3000の実施形態を図示する。
【0053】
図3Dに示す通り、細長いストリップ、介在部材、および創傷閉鎖のためのセルの最適な形状、サイズ、および位置を決定するプロセスは、ミラーライン3050(締付構造の長さに垂直な、横軸として称されうる)の対向する両側で左右対称に締付構造を構築することによって促進されうるが、これによって締付構造の湾曲および折り畳みが左右対称となり得る。ミラーラインは、締付構造を横切って斜めに、など、締付構造内の任意の適切な位置に配置され得る。特定の実施形態では、この方法は、中心線近くの大きなひし形状セルをもたらし得る。これらの大きなひし形状構造3052は、より大きな形状内のより小さなひし形状3054を含むことによって、さらに小さく分割されて締付構造をさらに支持し得る。いくつかの実施形態では、より大きな形状3052内のこれらのより小さな形状3054は、このセクションまたは本明細書の他の場所で開示される任意の形状を含んでもよい。より大きいセルは、二つのより小さな形状、三つのより小さな形状、四つのより小さな形状、または四つより多いより小さな形状にさらに小さく分割され得る。いくつかの実施形態では、締付構造は複数のミラーラインを含んでもよく、それによって左右対称または異なる複数の細分されたセクションを有する。
【0054】
図4Aに示す通り、四面セルが折り畳まれることについて、単純な式:a+b=c+dに従う必要があり、式中、a、b、c、およびdは、図3Gのセル3004などの締付構造内の単一のセルの個々の面の長さである。メンバーcおよびbが一緒に折り畳まれると、dおよびaが一緒に折り畳まれる。このような式は、折り畳み可能性を最大化する締付構造用のパターンを展開するための基礎となり得る。
【0055】
さらに、図4Bに示すように、セルの細長いストリップは、水平ミラーライン3050に向かって漸進的に長くなり(a4>a3>a2>a1)、それによって介在する部材3062のいずれか細長いストリップ3064に垂直(すなわち、90度の内角を有する)にならないように妨げながら、締付構造の湾曲を達成する。図4Bに示すように、b1の値を選択することができ、その時点で任意のオフセット値xを選択して、様々なセル形状の幾何学的構造の構築を容易にすることもできる。図3Hの3066に視覚的に示すように、a1~a4についてのプログレッシブ値を使用して、b1~b4の値が計算され得る3068。個々のセルのさまざまな壁について、式3068から導き出された計算値を使用することで、図3A図3Fに図示するものなど、完全に折り畳まれる締付構造の設計が可能になる。
【0056】
いくつかの実施形態では、締付構造の設計を生成するための方法であって、最初の幾何学的構造を速くする工程を含み得る。例えば、特定の列の左から右のすべてのメンバーが、図4Cの介在部材3076によって可視化された場合、交互の垂直部材もまた同じ長さであるとき、あるパターンが現れる。同じ長さの壁が、その各ラベル3070、3072、3074、および3076によって示される。初期設計が生成されると、個々のセルは、図4Bの式に従って長くされる、短くされる、除去されるまたは挿入されるなどによって修正され、全体的な締付構造の所望の形状を達成し得る。
【0057】
図5A図7B:着脱可能なセグメント
図5A図5Bは、図2A図2C図3A図3B、および図4A図4Cで前述した締付構造と類似した締付構造4000の実施形態を示す。ここでは、締付構造4000は、内部セグメント4100および着脱可能なセグメント4200を備える。いくつかの実施形態では、着脱可能なセグメント4200は、内部セグメント4100を少なくとも部分的に囲む。いくつかの実施形態では、各々のセグメントが三日月形状を有し得る。締付構造を所望の形状またはサイズに調整するために、実施形態において、締付構造4200の着脱可能なセグメントは全体的構造から取り外され、内部セグメント4100のような、より小さな締付構造を形成し得る。特定の実施形態では、少なくとも一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、または十個の着脱可能なセグメントがあり得る。
【0058】
当業者であれば、このセクションまたは本明細書のいずれかの場所で開示されている、図5A図7Bの締付構造の着脱可能なセクション、およびその他の任意の取り外し可能な締付構造および/または創傷閉鎖装置が、任意の適切な方向に除去し得ることを理解するであろう。例えば、締付構造は、着脱可能なセクションが締付構造の最長寸法に平行なx-y平面内で水平に取り外され得るように構成され得る。特定の実施形態では、締付構造は、着脱可能なセクションが、z軸内で、x-y平面に垂直な方向に取り外し可能なように構成され得る。締付構造は、水平方向に取り外し可能な少なくとも一つの着脱可能なセクションを有し得るが、一つのセクションは垂直方向に取り外し可能である。着脱可能なセクションは、取付要素および受入れ要素としてのスロットおよび/またはチャネルの使用によってなど、着脱可能なセクションが単一方向にのみ取り外され得るような方法で締付構造に取り付けられ得る。
【0059】
実施形態において、締付構造セグメントは、締付構造4000から切断されてより小さい構造を生成しうる。特定の実施形態では、締付構造は、セグメント4100および4200の形状に沿ってプレカットを有し、セグメントが裂けて、締付構造から簡単に取り外すことができる。着脱可能なセグメントは、接着剤、Velcro(登録商標)、またはその他の適切な接着手段を介して締付構造の残りの部分に接着され得る。特定の実施形態では、取り外し可能なセクションは、構造を一緒に絞る締め付けによって、および/または摩擦によってまとめられ得る。いくつかの実施形態では、磁石および/または吸引カップを使用して、セグメントを一緒に維持し得る。
【0060】
図5A図5Dに示すように、一部の実施形態では、着脱可能なセグメント4200は、プロング、フック、トング、ねじ、釘またはその他の適切な取付手段の形態であり得る一つ以上の取付要素4406を含み得る。図5C図5Dは、こうした実施形態の写真である。図5C図5Dに示すように、取付要素4406は、溝、穴、窓、または任意の適切な手段の形態であり得る内部セグメント4100の受入れ要素4408に取り付けられる。例えば、図5C図5Dは、取付要素4406が、溝4408である受入れ要素に嵌合するトングである、締付構造4000の実施形態を図示する。取付要素は、取付要素を受入れ要素から分離するために適切な力を適用することによって締付要素がサイズ修正されるまで、内部セグメントまたは別の着脱可能なセグメントへの着脱可能なセグメントの取り付けを維持する役割を果たし得る。特定の実施形態では、着脱可能なセグメント4200および内部セグメント4100は、取付要素4406および受入れ要素4408の両方を含み得る。例えば、着脱可能なセグメント4100は、取り外し可能な要素4200が互いに積み重ねられることを可能にするために、一方の側にある取付要素4406および反対側上の受入れ要素4408を含み得る。特定の実施形態では、セグメント4200は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、10、15、20、30、または30個より多い取付要素を含み得る。いくつかの実施形態では、セグメント4200は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、10、15、20、30、または30個より多い受入れ要素を含み得る。
【0061】
図5Eは、取付要素4506がプロングである締付構造4500の実施形態を図示する。図5Fは、取付要素4602が、溝4604である受入れ要素に嵌合するツメである、締付構造4600の実施形態を図示する。図5Gは、取付要素4702がフックとされており、受入れ要素がフックを受けるように構成されている締付構造4700の実施形態を図示する。図5Hは、その他の着脱可能なセグメントまたは内部セグメントの外表面に接着するための着脱可能なセグメントの特定の領域に、接着剤4802が適用され得る、締付構造4800の実施形態を図示する。接着剤はまた、内部セグメントに適用されてもよい。
【0062】
図5Iは、図5A図5Hの締付構造と類似した締付構造4900を示す。ここで着脱可能なセグメント4904は、内部セグメント4902のくぼみ4908または別の着脱可能なセグメント4904に嵌合する拡張セル4906を含む。実施形態において、拡張セル4906は、異なるセグメントを力の適用によって互いから分離できるように、くぼみ4908にスナップ嵌合するように構成される。例えば、分離は、ユーザーによる力の適用によって生じ得る。
【0063】
特定の実施形態では、図5A図5Iに関連して上記で開示されたものなどの着脱可能なセグメントは、締付構造から分離したキット内に包装され得る。別個に包装された着脱可能なセグメントは、本明細書のこのセクション、または本明細書の別の場所で開示されているものなど、取付要素および/または受入れ要素を含み得る。このような別個に包装された着脱可能なセグメントは、その後、締付構造のサイズを増大するため、および/または形状を変化させるために、主要締付構造に追加され得る。特定の実施形態では、着脱可能なセグメントの個別のキットは、一つの着脱可能なセグメント、二つの着脱可能なセグメント、三つの着脱可能なセグメント、四つの着脱可能なセグメント、五つの着脱可能なセグメント、または五つより多い着脱可能なセグメントを含み得る。いくつかの実施形態では、着脱可能なセグメントは三日月の形態であってもよい。
【0064】
特定の実施形態では、本明細書のこのセクションまたは本明細書のいずれかの場所で開示されるような締付構造は、締付構造の形状に応じて、異なる様式で折り畳まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、一つのセルまたは複数のセルが折り畳まれて、締付構造の曲度が増大すると、そのような変形によって、凹面と凸面の長さの間の差がより大きくなり得る。凹面と凸面の長さの間の差は、着脱可能なセグメントの取り付けまたは除去によって調節され得る。例えば、図5A図5Bにおいて、凹面と凸面の長さの間の差は、締付構造4000内において、内部セグメント4100よりも大きい。
【0065】
図6A図7Bは、着脱可能なセグメント5200のない締付構造5000および内部セグメント5100の実施形態の締付を比較する。折り畳まれる前、図6Aおよび図7Aに示す通り、凹面5110の曲度、および第一の端部5121と第二の端部5122との間の距離は同一である。しかしながら、折り畳まれた後、図7Bに示される着脱可能なセグメントを備えた締付構造は、図6Bに示される着脱可能なセグメントのない締付構造よりもより大きな度合いの変形を示す。こうした実施形態の写真を図7C図7Dに示す。ここでは、5000の締付に供される物体5500の実施形態が示される。ここで、図7Dにおける締付構造5000の凹面5110は、図6Bの折り畳まれた締付構造5100が形成したであろうものより、起伏のある物体5500との比較的より緊密な接触を形成するであろう。したがって、凹面と起伏のある物体との間の湾曲の適切な嵌合が望まれる場合、着脱可能なセグメントの取り付けおよび取り外しによる曲度の制御が有用であり得る。いくつかの実施形態では、締付構造は一つ、二つ、三つ以上の着脱可能なセグメントが取り付けられると、徐々により大きな締付作用を示し得、そのため締付構造のユーザーは、取り外し可能な構造を取り外すことまたは取り付けることによって締付作用の度合いを調整し得る。その他の実施形態では、締付構造は、取り付けられた着脱可能なセグメントを用いてより小さい度合いで締付けるように設計され得る。
【0066】
図8A図8C:積み重ね可能な締付装置
図8Aは、図2A図7Dに関連してなど、本明細書の他の場所で開示されるものと類似した7200および7400を含む、締付装置7000の実施形態を図示する。しかしながら、ここで締付構造7200および7400は、より大きな深さを有する締付装置7000を提供するために、一方が他方の上に積み重ねられ得る。図8Bは、このような実施形態の分解図を示す。いくつかの実施形態では、締付装置は、二つの積み重ね可能な締付構造、三つの積み重ね可能な締付構造、四つの積み重ね可能な締付構造、五つの積み重ね可能な締付構造、または五つより多い積み重ね可能な締付構造を備え得る。いくつかの実施形態では、すべての積み重ね可能な締付構造は同一のサイズを有する。いくつかの実施形態では、積み重ね可能な締付構造は異なるサイズを有する。上述の着脱可能なセグメントと同様に、積み重ね可能な締付構造はキットとして別個に包装され得る。いくつかの実施形態では、積み重ね可能な締付構造は、本明細書のこのセクションまたは本明細書の他の場所で開示されているものなど、取付要素および/または受入れ要素を含み、それによって積み重ね可能な締付構造が互いに取り付けられるようになる。取付要素は、締付装置が受入れ要素から取付要素を分離するために適切な力を適用することによって再度サイズ設定されるまで、一方の締付構造からの他方の締付構造への付着を維持するような役割を果たし得る。積み重ね可能な締付構造は、例えば、ユーザーの力などの力の適用によって積み重ねられ/分解され得る。いくつかの実施形態では、図8Cに示す通り、積み重ね可能な締付構造は、取り外し可能な要素7240および7440をさらに含み、そのためユーザーは、取り外し可能な要素を取り外すこと/取り付けることによって締付装置の幅を調整でき、締付構造を取り外すこと/積み重ねることによって締付装置の高さを調節できる。図8Dおよび図8Eは、図8A図8Cに関連して説明した、球状物体7900の周りに適用される、積み重ね可能な締付構造と類似した積み重ね可能な締付構造7000の実施形態の写真である。
【0067】
図9A図9B:創傷閉鎖装置および治療方法
本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した締付構造および/または創傷閉鎖装置は、例えば、四肢の切断創傷または創傷などの、創傷の閉鎖のための方法またはシステムと併用され得る。いくつかの実施形態では、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載したいずれかの実施形態の締付構造または創傷閉鎖装置のうちの、一つまたは複数が、創傷上に配置され得る。いくつかの実施形態では、安定化構造を配置する前に、器官保護層が創傷内に提供されてもよい。特定の実施形態では、発泡体またはその他の多孔性材料は、締付構造または創傷閉鎖装置と共に、締付構造または創傷閉鎖装置の下、その上、またはその周りにのいずれかにおいて、創傷内または創傷上に配置され得る。発泡体またはその他の多孔性材料は、締付構造または創傷閉鎖装置の外周を囲んでもよい。締付構造または創傷閉鎖装置は、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した任意の方法、例えば、特定のサイズおよび形状を有することによって、折り畳まれるよう構成されてもよい。締付構造または創傷閉鎖装置はさらに、創傷の形状により良く適応するように、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した任意の方法で変えられ得る。創傷上に配置した後、締付構造または創傷閉鎖装置を流体密着ドレープによって密封することができる。流体密着ドレープは、陰圧の適用のために構成されたポートを含むことができる。次に、陰圧源はポートに接続されてもよく、陰圧が創傷に適用されてもよい。締付構造または創傷閉鎖装置は、創傷治癒を最良に促進するのに望ましい、様々な形状およびサイズの締付または創傷閉鎖装置によって、経時的に置き換えられ得る。
【0068】
図9A図9Bは、締付構造8000を含む創傷閉鎖装置を利用する創傷8100の治療方法の実施形態を図示する概略図である。締付構造8000は、図2A図8Eに関連して上述したような、本明細書のこのセクションおよび本明細書の他の場所で開示されているもののような、締付構造であってもよい。図8A図8Bに図示した創傷8100は、四肢8200における大きな創傷であり得る。いくつかの実施形態では、創傷8100は切断創傷であり得るが、このような方法はいかなる特定のタイプの創傷にも限定されない。いくつかの例では、本明細書の他の場所で記載されるように、こうした創傷は、切断手術またはその他の手段を介して作られ得る。特定の実施形態では、切断された部分は、手指、手、腕、足指、足、または脚であってもよい。特定の実施形態では、以下でより詳細に説明する通り、図2A図8Cに関連して上述したものなどの締付構造は、創傷の閉鎖を強化するために四肢の創傷上に配置され得る。治療前に、創傷は洗浄され得、皮膚は創傷閉鎖装置の適用のために準備され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、任意の組織保護層(図示せず)が創傷の上に配置され、陰圧創傷療法またはその他の潜在的な危害による刺激から下にある組織を保護し得る。従って、創傷閉鎖装置の特定の実施形態は、創傷部位8100の上に配置されるようなサイズにカットされ得る組織保護層を含む。組織保護層は、創傷部位または露出した内臓に緊密に接着しないであろう材料であり得る。こうした組織保護層は、生体適合性ポリマーなどの任意の適切な材料から構成され得る。例えば、Smith&Nephewによって製造され、ブランドRENASYS(登録商標)の下で市販される器官保護層は、組織保護層として作用し得、創傷床8100の上に配置され得る。さらなる例において、フッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの材料は、一般的に非接着性であって、外科手術グラフトで使用されるため、適用可能である。一実施形態では、組織保護層は透過性である。例えば、組織保護層は、創傷部位8100からの流体の除去、または創傷部位8100への陰圧の伝達を可能にするように、孔、スリットまたはチャネルなどの開口部を含み得る。特定の実施形態では、組織保護層は、創傷内および創傷周囲の圧力を測定するように構成されたセンサーを備え得る。例えば、センサーは、創傷に適用される陰圧のレベルを測定するため、または腹部創傷の下にある臓器上の圧力を測定するために使用され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、発泡体(図示せず)の下層は、随意に器官保護層上に配置し得る。この発泡体の下層は、創傷の表面の下に外側に延在してもよく、随意に発泡体の上に配置された締付構造に取り付けられてもよい。この発泡体の下層は、締付構造の凹面に適合するように構成され得、そのため締付構造は発泡体の下層の上に適切に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、発泡体の下層は、第一の端部から第二の端部までの凹面の長さに沿って延在し得、そのため発泡体の下層は、皮膚と締付構造の間にクッションを提供する。
【0071】
特定の実施形態では、図9Aに示すように、締付構造8000は、凹面が創傷に面する方向に、創傷部8100上に適用され得る。いくつかの実施形態では、締付構造は、締付構造の長さが創傷8110の幅に沿って創傷開口部を横切るように整列される。創傷の幅は、創傷が閉じる必要がある方向に沿った創傷のサイズとして定義され得る。締付構造のサイズおよび曲度、特に凹面が、創傷の形状およびサイズに適切にフィットするように、実施者は適切な締付構造を選択し得る。図4A図8Cに関連して上述した締付構造と同様に、創傷上に配置された締付構造は、創傷のサイズおよび形状に適切にフィットするように、着脱可能なセグメントを取り付けること/取り外すこと、または締付構造を積み重ねることによって調節可能であり得る。経時的に、治癒中に創傷のサイズおよび形状が変化するのに伴い、異なるサイズの様々な締付構造が適用され得る。いくつかの実施形態では、任意の発泡体の下層(図示せず)(図示せず)は締付構造の凹面に適用され得、随意に発泡体の上に配置された締付構造に取り付けられ得る。締付構造と創傷との間に配置されたこのような発泡体の下層は、創傷の様々なサイズおよび形状に対して締付構造をより良く適合させ得るが、締付構造によって作用する過度の力または摩擦から創傷および組織をさらに保護し得る。
【0072】
図9Bは、陰圧下で創傷8100の治療中の創傷閉鎖装置の実施形態を示す。締付装置8000が、このセクションのいずれかの場所および/または本明細書の他の場所でより詳細に記述されるように、折り畳まれると、締付装置の曲度は増大し、締付装置の第一の端部および第二の端部が接近する。したがって、締付装置の第一の端部および第二の端部が創傷部8100を横切って配置されるとき、締付装置8000は、図8Bに図示した矢印の方向に力を加えることによって、創傷8100の閉鎖を強化する。いくつかの実施形態では図4A図7Dに関連して上述したように、創傷部位上に締付構造によって作用する力の強度は、着脱可能なセグメントを取り付けること、または取り外すことによって調節され得る。いくつかの実施形態では、締付構造の強度は、異なる剛性の材料で作られた締付構造を使用しすることで調節され得る。さらなる実施形態において、臨床医は、治療中に創傷が経時的に治癒するにつれ、締付構造のサイズおよび締付強度を調節し得る。さらに、真空レベルを調整して、折り畳みの量および力を修正し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、任意の発泡体の上層(図示せず)(図示せず)は締付構造の凸面に適用され得、随意に発泡体の下に配置された締付構造に取り付けられ得る。実施形態において、発泡体の単一の層または複数の層が、締付構造の周辺の周りに適用され得る。実施形態において、発泡体の上層は、締付構造の凸面に適合するように構成され得、そのため締付構造上に適切に適用され得る。
【0074】
特定の実施形態では、ドレープは、上部発泡体の上部に適用されてもよく、または締付構造の上部に直接適用されてもよく、それによって締付構造上に気密シールを形成し、陰圧の適用を可能にする。本明細書のこのセクションまたは本明細書の別の場所で説明した任意の長さの時間、例えば、約1時間、6時間、12時間、24時間、48時間、または48時間を超える時間、にわたって締付構造に陰圧を適用することができる。
【0075】
本開示は特定の実施形態について説明するが、本開示で示され説明された方法および装置の多くの態様は、さらなる実施形態または容認できる実施例をさらに形成するために異なって組み合わされうるおよび/または変更されうることが当業者によって理解されるであろう。こうしたすべての修正および変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図される。実際に、幅広い設計および手法が実行可能であり、それらは本開示の範囲内である。本明細書に開示される特徴、構造、または工程は本質的であるか、または不可欠である。さらに、例示的な実施形態が本明細書に記述されているが、等価物、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、置換、応用および/または変更を有する任意およびすべての実施形態の範囲が、本開示に基づいて当業者によって理解されるであろう。特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0076】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、このセクションまたは本明細書におけるその他の部分に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。(あらゆる特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)本明細書において開示されるすべての特徴、および/またはそのように開示されるあらゆる方法もしくはプロセスのすべての工程は、そのような特徴および/または工程のうち少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0077】
さらに、個々の実装の文脈において本開示で説明される特定の特徴がまた、単一の実装で組み合わせて実施されうる。逆に言えば、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴がまた、複数の実装で別々に、または任意の適切な副組み合わせで実施されうる。さらに、特定の組み合わせに作用するように特徴を上述することができるが、一部の場合に、主張されうる組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、組み合わせから切り離されることができ、組み合わせは、副組み合わせまたは副組み合わせの変形として主張されうる。
【0078】
さらに、動作が図面に示され、または特定の順序で本明細書で記述されうる一方で、こうした動作は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序でまたは連続的な順序で実行される、またはすべての動作が実施される必要はない。示されていない、または説明されていないその他の動作は、例示的な方法およびプロセスに組み込まれうる。例えば、いずれかの説明された動作の前、後、同時に、またはその間で一つまたは複数の追加的動作が実施されうる。さらに、動作は、他の実装で再構成または並べ替えられてもよい。一部の実施形態では、図示および/または開示されたプロセスにおいて実施される実際の工程は、図に示された工程とは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。また、上述の実装における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装においてこうした分離を必要とするものと理解されるべきではなく、記述された構成要素およびシステムが一般的に単一製品で一体化されるか、または複数の製品に包装されうることが理解されるべきである。
【0079】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載される。必ずしもそのような利点はすべて、任意の特定の実施形態に従って達成されうるわけではない。従って、例えば、当業者であれば、本明細書に教示または示唆されうるものとして必ずしも他の利点を達成することなく、本明細書に教示されるように、本開示が一つの利点または一群の利点を達成する方法で具現化または実施されうることを認識するであろう。
【0080】
「しうる(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、および/または工程を含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、および/もしくは工程が一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、および/もしくは工程が特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザー入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0081】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0082】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、0.1度以下または別途ずれている値、量、または特性を意味する。
【0083】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義されうる。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている
言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷閉鎖装置であって、
創傷内または創傷上に位置付けられるようにサイズ設定され、かつ構成された締付構造であって、第一の端部、第二の端部、前記第一の端部および前記第二の端部から延在する長さ、前記締付構造の中心横軸に沿って延在する前記長さに対して垂直な幅、ならびに前記長さおよび前記幅に対して直角の高さを有し、前記締付構造が、
前記第一の端部から前記第二の端部まで、前記締付構造の前記長さに平行または半平行して延在する凹面および凸面であって、前記凹面は前記締付構造に対して凹状に湾曲または屈曲しており、前記凸面は前記凹面に対向しており、前記締付構造に対して凸状に湾曲または屈曲している、凹面および凸面と、
前記第一の端部から前記第二の端部まで、前記締付構造の前記長さに延在する複数の細長いストリップであって、前記凹面および前記凸面を画定する二つの最も外側の細長いストリップを含む、複数の細長いストリップと、
前記複数の細長いストリップを接続する複数の介在部材であって、前記細長いストリップに対して旋回して、前記複数の細長いストリップが互いに対して折り畳まれるように構成される、複数の介在部材と、
前記締付構造の前記長さおよび幅に平行な水平面に隣り合わせて提供される複数のセルであって、各セルが、前記細長いストリップまたは前記介在部材のいずれかによって形成された複数の壁によって画定され、各セルが、上端と下端を貫通する開口部を有する前記上端および前記下端を有する、複数のセルと、を含む締付構造、を備え、
前記複数の細長いストリップが、前記複数のセルが折り畳まれると曲度を増加させ、前記創傷に締付力を適用するように構成される、創傷閉鎖装置。
[付記項2]
前記締付構造が少なくとも部分的に三日月形状である、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記長さおよび幅が前記高さより大きい、付記項1または2に記載の装置。
[付記項4]
前記セルの少なくとも一部がひし形状である、付記項1~3のいずれか一項に記載の装置。
[付記項5]
前記締付構造が、一つ以上の着脱可能なセグメントを含む、付記項1~4のいずれか一項に記載の装置。
[付記項6]
前記一つ以上の着脱可能なセグメントが取付要素を含む、付記項5に記載の装置。
[付記項7]
少なくとも一つの追加的な締付構造をさらに含む、付記項1~6のいずれかに記載の装置。
[付記項8]
前記締付構造の凹面に適合するように構成された発泡体の下層をさらに含む、付記項1~7のいずれか一項に記載の装置。
[付記項9]
前記締付構造の前記凸面に適合するように構成された発泡体の上層をさらに含む、付記項1~8のいずれかに記載の装置。
[付記項10]
組織保護層をさらに含む、付記項1~9のいずれかに記載の装置。
[付記項11]
創傷閉鎖装置であって、
凹面および凸面を含む締付構造を含み、
前記締付構造が、切断創傷に適合するように構成され、前記締付構造が、陰圧が前記締
付構造に適用されるときに、前記切断創傷に対して閉鎖力を適用するように構成され、
前記締付構造が、垂直面よりも水平面でより大きな程度まで折り畳まれるように構成される、創傷閉鎖装置。
[付記項12]
前記凹面に取り付けられた発泡体の下層であって、前記締付構造の前記凹面の形状に適合する発泡体の下層と、
前記凸面に取り付けられた発泡体の上層であって、前記締付構造の前記凸面の形状に適合する発泡体の上層と、をさらに含む、付記項11に記載の創傷閉鎖装置。
[付記項13]
前記締付構造が、少なくとも部分的に三日月形状である、付記項11または12に記載の装置。
[付記項14]
前記長さおよび幅が前記高さより大きい、付記項11~13のいずれか一項に記載の装置。
[付記項15]
複数のセルをさらに含み、前記セルの少なくとも一部がひし形状である、付記項11~14のいずれか一項に記載の装置。
[付記項16]
前記締付構造が、一つ以上の着脱可能なセグメントを含む、付記項11~15のいずれか一項に記載の装置。
[付記項17]
前記一つ以上の着脱可能なセグメントが取付要素を含む、付記項16に記載の装置。
[付記項18]
少なくとも一つの追加的な締付構造をさらに含む、付記項11~17のいずれか一項に記載の装置。
[付記項19]
前記締付構造を覆い、前記創傷の周りで封止を形成するように構成された一つ以上のドレープをさらに含む、付記項1~18のいずれか一項に記載の装置。
[付記項20]
前記創傷に陰圧を供給するように構成された吸引ポートをさらに含む、付記項19に記載の装置。
[付記項21]
締付構造に陰圧を供給して、前記複数のセルの折り畳みを引き起こし、前記締付構造に前記締付力を前記創傷に適用させるように構成された陰圧源をさらに含む、付記項1~20のいずれか一項に記載の装置。
[付記項22]
創傷を治療する方法であって、
付記項1~21のいずれか一項に記載の締付構造を提供することと、
前記締付構造を創傷部位内または創傷部位上に配置することであって、前記締付構造が、前記締付構造の前記凹面が前記創傷に面し、前記締付構造の前記長さが前記創傷開口部を横切って整列されるように配置される、配置することと、を含む、方法。
[付記項23]
前記創傷を囲む皮膚に封止される少なくとも一つのドレープで前記締付構造を覆うことと、
陰圧源を介して、前記少なくとも一つのドレープを通して陰圧を前記創傷に適用することであって、前記陰圧の適用により前記締付構造が折り畳まれる、適用することと、をさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項24]
前記締付構造を配置する前に、前記創傷上に組織保護層を挿入することをさらに含む、付記項22~23のいずれか一項に記載の方法。
[付記項25]
四肢切断後に創傷を閉鎖する方法であって、
締付構造を提供することと、
前記創傷上に組織保護層を挿入することと、
前記創傷上に前記発泡体の下層を配置することと、
締付構造を前記創傷部位に配置することであって、前記締付構造の前記長さが前記創傷開口部と垂直に整列される、配置することと、
前記創傷を囲む皮膚に封止される少なくとも一つのドレープで前記締付構造を覆うことと、
陰圧源を介して、前記少なくとも一つのドレープを通して陰圧を前記創傷に適用することであって、前記陰圧の適用により前記締付構造が折り畳まれる、適用することと、を含む、方法。
[付記項26]
実質的に示されおよび/または説明される装置。
[付記項27]
実質的に示されおよび/または説明される方法。
[付記項28]
実質的に示されおよび/または説明されるシステム。
[付記項29]
実質的に示されおよび/または説明されるキット。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B