(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両の制御システム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/24 20130101AFI20221118BHJP
B60R 25/04 20130101ALI20221118BHJP
B62H 5/08 20060101ALI20221118BHJP
B62J 99/00 20200101ALI20221118BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20221118BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
B60R25/24
B60R25/04
B62H5/08
B62J99/00
F02D29/02 321A
F02D29/02 K
F02D29/02 321B
E05B49/00 J
(21)【出願番号】P 2020513225
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2019014840
(87)【国際公開番号】W WO2019198599
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2018075031
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】加門 邦人
(72)【発明者】
【氏名】北村 良平
(72)【発明者】
【氏名】木下 延昭
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-019359(JP,A)
【文献】特開2006-199168(JP,A)
【文献】特開2014-020208(JP,A)
【文献】特開2009-196406(JP,A)
【文献】特開2006-214357(JP,A)
【文献】特開2016-068837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00-25/40
E05B 1/00-85/28
B62H 5/08
B62J 99/00
F02D 29/02
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された認証エリア内で車両(11)とリモートキー(4)との間の通信によって認証を行う認証手段(2)と、
前記認証手段(2)の認証時にオン操作可能となるメインスイッチ(30)と、
前記メインスイッチ(30)のオン操作によりオン状態となって前記車両(11)の制御を行う制御手段(40A)と、
前記制御手段(40A)がオン状態にあるときに前記車両(11)の駆動源(21)の始動を行う駆動源始動手段(21a)と、を備え、
前記制御手段(40A)は、
前記駆動源(21)の稼動状態を判定する稼動状態判定手段(43)と、
前記認証手段(2)における前記リモートキー(4)との間の通信状態を判定する通信状態判定手段(46)と、
前記車両(11)を係止するスタンド(17)の使用時に前記駆動源(21)を停止させるスタンド使用時制御手段(44)と、を備え、
前記制御手段(40A)は、前記制御手段(40A)がオン状態であり、前記メインスイッチ(30)が操作されることなく、前記稼動状態判定手段(43)において前記駆動源(21)が非稼動と判定したとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可と
し、
前記制御手段(40A)は、前記通信状態判定手段(46)において前記駆動源(21)の駆動中に前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した後、前記稼動状態判定手段(43)において前記駆動源(21)が前記スタンド使用時制御手段(44)によって停止されて非稼動と判定したとき、前記制御手段(40A)は、告知手段を起動させ、前記車両(11)の使用者に告知を行う鞍乗り型車両の制御システム。
【請求項2】
前記制御手段(40A)は、前記スタンド使用時制御手段(44)において前記駆動源(21)を停止させたとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の制御システム。
【請求項3】
前記制御手段(40A)は、前記通信状態判定手段(46)において前記駆動源(21)の駆動中に前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定したとき、前記駆動源(21)を停止させた際に規定の条件下で前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を可能とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の制御システム。
【請求項4】
前記制御手段(40A)は、前記駆動源(21)の稼動状態が予め定めた規定値以上であるときに、前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったか否かを判定する請求項3に記載の鞍乗り型車両の制御システム。
【請求項5】
前記駆動源(21)は内燃機関であり、
前記制御手段(40A)は、前記内燃機関を自動的に停止させるアイドルストップ制御手段(45)を備え、
前記制御手段(40A)は、前記稼動状態判定手段(43)において前記駆動源(21)が非稼動と判定したときで、かつ前記アイドルストップ制御手段(45)による状態ではないとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の制御システム。
【請求項6】
前記駆動源(21)は内燃機関であり、
前記制御手段(40A)は、前記内燃機関を自動的に停止させるアイドルストップ制御手段(45)を備え、
前記制御手段(40A)は、前記アイドルストップ制御手段(45)によって前記内燃機関が停止していると判定しているか、又は、前記稼動状態判定手段(43)が、前記内燃機関が停止状態にあると判定しているのか、を判定し、
前記稼動状態判定手段(43)が、前記内燃機関が停止状態にあると判定している場合、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御システムに関する。
本願は、2018年4月9日に、日本に出願された特願2018-075031号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のキーレスエントリーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、ユーザーが専用のリモートキーを携帯したまま車両に接近もしくは離反することで、車両の開錠および施錠が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記システムにおいては、通常、以下の動作で車両各部の施錠がなされる。その動作は、メインスイッチによりECUの電源をOFFにしてエンジンストップがなされた後に、リモートキーを所有した使用者が車両から遠ざかることである。
一方、自動二輪車等の鞍乗り型車両では、メインスイッチのみならず、サイドスタンドスイッチによってもエンジンストップがなされる。このような場合、車両各部の施錠がなされない事象が発生する。この事象は、メインスイッチを切ることなく、リモートキーを所有する使用者が車両から遠ざかった場合、ECUの電源がON状態のままであるときに発生する。この場合、第三者がエンジンを始動可能となるため、防盗性の面で課題がある。また、車両から離れる度にメインスイッチを切ることは、利便性の面で課題がある。
【0005】
そこで本発明は、車両とリモートキーとの間の通信によって認証を行って駆動源の始動を制御する車両の制御システムにおいて、防盗性および利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、予め設定された認証エリア内で車両(11)とリモートキー(4)との間の通信によって認証を行う認証手段(2)と、前記認証手段(2)の認証時にオン操作可能となるメインスイッチ(30)と、前記メインスイッチ(30)のオン操作によりオン状態となって前記車両(11)の制御を行う制御手段(40A)と、前記制御手段(40A)がオン状態にあるときに前記車両(11)の駆動源(21)の始動を行う駆動源始動手段(21a)と、を備え、前記制御手段(40A)は、前記駆動源(21)の稼動状態を判定する稼動状態判定手段(43)と、前記認証手段(2)における前記リモートキー(4)との間の通信状態を判定する通信状態判定手段(46)と、を備え、前記制御手段(40A)は、前記制御手段(40A)がオン状態であり、前記稼動状態判定手段(43)において前記駆動源(21)が非稼動と判定したとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする。
この構成によれば、駆動源の一時的な停止時や駆動源の始動前等に、制御手段がオン状態であっても、リモートキーを所持した使用者が車両から離れる(認証エリア外に出る)等によって、リモートキーの認証がなされなくなった場合には、駆動源を始動させなくすることが可能となる。つまり、制御手段をオフ操作しなくても、認証手段による認証がなされなくなった場合には、駆動源の始動が不能となる。このため、制御手段がオン状態のまま使用者が車両から離れても、第三者が駆動源を始動させてしまうことを防止し、防盗性および利便性を向上させることができる。
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記制御手段(40A)は、前記車両(11)を係止するスタンド(17)の使用時に前記駆動源(21)を停止させるスタンド使用時制御手段(44)を備え、前記制御手段(40A)は、前記スタンド使用時制御手段(44)において前記駆動源(21)を停止させたとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする。
この構成によれば、スタンドの使用による駆動源の停止時において、リモートキーを所持した使用者が車両から離れる等によって、リモートキーの認証がなされなくなった場合には、駆動源を始動させなくすることが可能となる。このため、制御手段がオン状態のまま使用者が車両から離れても、第三者が駆動源を始動させてしまうことを防止し、防盗性および利便性を向上させることができる。
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記制御手段(40A)は、前記通信状態判定手段(46)において前記駆動源(21)の駆動中に前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定したとき、前記駆動源(21)を停止させた際に規定の条件下で前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を可能とする。
この構成によれば、走行中にリモートキーを落下させて紛失する等により、リモートキーとの間の通信が停止したことを検知した場合にも、規定の条件下で駆動源の再始動が可能となる。このため、リモートキーの紛失に気付かず駆動源を停止させた場合等にも、駆動源の再始動を可能とし、利便性を向上させることができる。
本発明の第四の態様は、上記第三の態様において、前記制御手段(40A)は、前記駆動源(21)の稼動状態が予め定めた規定値以上であるときに、前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったか否かを判定する。
この構成によれば、リモートキーの落下判定の実施を車両の走行中に相当する規定値以上に制限することで、制御手段の処理負荷の軽減を図ることができる。また、停車相当時にリモートキーを所持した使用者が車両から離れるといった状況と区別し、リモートキーの落下判定の確実性を高めることができる。
本発明の第五の態様は、上記第一から第四の態様の何れか一つにおいて、前記駆動源(21)は内燃機関であり、前記制御手段(40A)は、前記内燃機関を自動的に停止させるアイドルストップ制御手段(45)を備え、前記制御手段(40A)は、前記稼動状態判定手段(43)において前記駆動源(21)が非稼動と判定したときで、かつ前記アイドルストップ制御手段(45)による状態ではないとき、前記通信状態判定手段(46)において前記リモートキー(4)との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記駆動源始動手段(21a)による前記駆動源(21)の始動を不可とする。
この構成によれば、内燃機関のアイドルストップ状態ではないときに限定して、リモートキーの認証がなされなくなった場合に駆動源の始動を不可とすることが可能となる。これにより、内燃機関のアイドルストップ後の再始動を妨げることなく、良好な走行環境の提供が可能となり、車両の商品性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両とリモートキーとの間の通信によって認証を行って駆動源の始動を制御する車両の制御システムにおいて、防盗性および利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態における車両の制御システムの機能ブロック図である。
【
図2】上記車両の制御システムを適用する自動二輪車の斜視図である。
【
図3】上記自動二輪車のメインスイッチノブおよびスマートキーの説明図である。
【
図4】上記自動二輪車のスタータスイッチ周辺の説明図である。
【
図5】上記車両の制御システムの第一の制御フローを示すフローチャートである。
【
図6】上記車両の制御システムの第二の制御フローを示すフローチャートである。
【
図7】上記車両の制御システムのIMOAU端子の出力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態における車両の制御システム1は、スマートキーシステム2を含んでいる。スマートキーシステム2は、例えばユニットスイング式のスクータ型の自動二輪車(鞍乗り型車両)11に適用される。
【0010】
<車両全体>
図2に示すように、自動二輪車11は、操向輪である前輪13と、駆動輪である後輪14と、を備えている。前輪13は、フロントフォーク16に支持され、バーハンドル12によって操向可能である。後輪14は、スイングユニット20に支持され、レシプロエンジン(内燃機関、以下、単にエンジンという。)21によって駆動可能である。スイングユニット20は、エンジン(
図1参照)21と、例えばVベルト式の無段変速機(不図示)と、を一体に備えている。
【0011】
バーハンドル12、フロントフォーク16及び前輪13を含むステアリング系部品は、不図示の車体フレームの前端部に操向可能に支持されている。スイングユニット20および後輪14は、車体フレームの後下部に上下揺動可能に支持されている。車体フレームの下部左側には、車体を左側に傾斜した起立姿勢で支持するサイドスタンド17が格納可能に設けられている。車体フレームの周囲は、車体カバー15によって覆われている。
【0012】
自動二輪車11は、シート18に着座した運転者が足を載せる左右一対のステップフロア19と、左右ステップフロア19間で車両前後方向に延びるセンタートンネルCTと、センタートンネルCTおよび左右ステップフロア19の前方に連なるフロントボディFBと、センタートンネルCTおよび左右ステップフロア19の後方に連なるリアボディRBと、を備えている。
【0013】
フロントボディFBの前上部には、ヘッドランプ22aおよびフロントウインカ22bが配置されている。リアボディRBの後部には、テールランプ、ブレーキランプおよびリアウインカを含むリアコンビランプ23が配置されている。リアボディRB上には、乗員が着座するシート18が支持されている。センタートンネルCTの上面には、給油口配置空間を開閉するフューエルリッド24が設けられている。
【0014】
シート18は、例えば前端部に配置されたヒンジ軸を中心に上下に回動し、リアボディRBの上部を開閉する。シート18の下方には、不図示の物品収納部が配置されている。シート18がリアボディRBの上部を閉塞した閉状態(
図1参照)では、乗員がシート18に着座可能となる。シート18がリアボディRBの上部を開放した開状態では、シート18下方の物品収納部にアクセス可能となる。
【0015】
フロントボディFBの上部にはメータパネル26が配置されている。フロントボディFBの内側には、ハンドルロックモジュール27が収容されている。ハンドルロックモジュール27は、本体部であるハンドルロック機構28と、後述するスマートコントロールユニット3と、自動二輪車11の主電源スイッチであるメインスイッチ30と、を一体に備えている。
【0016】
図3を併せて参照し、メインスイッチ30は、フロントボディFBのステップフロア19側(後面側)のインナーパネル25に、操作部としてのメインスイッチノブ31を配置している。メインスイッチノブ31は、後述するスマートキー(リモートキー)4のID認証がなされた状態で、回動操作が可能または有効となる。このメインスイッチノブ31の回動操作により、メインスイッチ30がオン状態となる。メインスイッチ30がオン状態になることで、後述する制御装置40に電力が供給される。これにより、エンジン21の始動が可能となり、かつシート18やフューエルリッド24等の開閉体の電磁ロック(ソレノイドで作動する電動式のロック装置)の解錠が可能となる。メインスイッチノブ31は、ハンドルロック機構28のロックおよびアンロックを行う操作子を兼ねている。
【0017】
<スマートキーシステム>
図1に示すように、自動二輪車11は、車両各部のロックおよびアンロックを可能とするスマートキーシステム2を備えている。
スマートキーシステム2は、運転者が保持するスマートキー(携帯機器、FOBキー)4と、自動二輪車11の車体に搭載されたスマートコントロールユニット(車載機器、SCU)3と、の間で双方向通信を行い、スマートキー4のID認証を行う。スマートキーシステム2は、スマートキー4のID認証がなされた場合に、エンジン21の始動や車両各部の解錠を可能とする。
【0018】
図4を併せて参照し、エンジン21の始動は、メインスイッチ30のオン時、バーハンドル12右側のブレーキレバー29aを握ってスタータスイッチ29を押下することでなされる。スタータスイッチ29の押下により、制御装置40のエンジン始動制御部42は、エンジン21に付設したスタータモータ21aを駆動させ、かつ点火および燃料噴射を制御することで、エンジン21を始動させる。メインスイッチノブ31のオン操作(オン位置P2への回動操作)は、スマートキー4のID認証によって可能又は有効になり(解錠状態)、スマートキー4が離れる等によりスマートキー4と自動二輪車11との間の通信が無くなることによって不能又は無効になる(施錠状態)。メインスイッチ30のオン、オフにより解錠、施錠がなされる装備には、例えばハンドルロック機構28、シート18のロック、インナーパネル25に配置された収納部リッド26aのロック、フューエルリッド24のロック、等がある。
【0019】
スマートキーシステム2は、電源がオンの状態のスマートキー4が規定の認証エリアに入ったときに、例えばメインスイッチノブ31の押下やスマートキー4の操作ボタン4aの押下等の操作をトリガーにして、スマートキー4とスマートコントロールユニット3との間の双方向通信を行う。この双方向通信により、スマートコントロールユニット3がスマートキー4のID情報を読み込み、スマートキー4の認証を行う。認証エリアは、例えば車体中心を基点とした半径2mほどの範囲である。スマートキー4の認証がなされると、メインスイッチノブ31のオン操作が可能になり、ハンドルロックの解除がなされ、かつ車両各部のロックの解除が可能となる。
【0020】
スマートキーシステム2は、スマートキー4が認証エリアから出たとき、又はスマートキー4の電源がオフになったときに、スマートキー4とスマートコントロールユニット3との間の通信を停止する。スマートキーシステム2は、メインスイッチノブ31のオフ操作(オフ位置P1への回動操作)によっても、スマートキー4とスマートコントロールユニット3との間の通信を停止する。
【0021】
メインスイッチノブ31は、メインスイッチ30をオフ状態にするオフ位置P1と、メインスイッチ30をオン状態にするオン位置P2と、オフ位置P1およびオン位置P2の間に位置し、シート18およびフューエルリッド24の開操作を可能とするシート・フューエルロック解除位置P3と、オフ位置P1からオン位置P2と反対側へ押下を伴い回動され、ハンドルロックを含む車両各部のロックを施錠状態とするロック位置P4と、を有している。メインスイッチノブ31がシート・フューエルロック解除位置P3にあるとき、メインスイッチノブ31に隣接するシート・フューエルロック解除スイッチ32の操作が可能又は有効になる。
【0022】
スマートコントロールユニット3には、スマートキー4との間の通信を行うための送信アンテナおよび受信ユニット、制御装置40、車両各部のロック装置、スマートキーシステム2の作動に応じて各種告知手段を作動させる告知駆動装置、等が接続されている(制御装置40のみ
図1に示す)。告知駆動装置は、スマートキーシステム2が車両各部のロック装置の施錠および解錠を行った際、例えばハザードランプを点滅させる等の視覚的なサイン、および電子音を鳴らす等の聴覚的なサイン、の少なくとも一方を実行する(アンサーバック)。これにより、使用者が車両各部のロック装置の施錠および解錠がなされたことを知り得る。
【0023】
制御装置40は、例えば一体のECU(Electric Control Unit)であり、制御システム1全体の制御部として機能する。制御装置40には、スマートコントロールユニット3を通じて、メインスイッチ30からのオン信号、およびスタータスイッチ29からのエンジン始動信号が入力される。また、制御装置40には、サイドスタンド17の起立状態を検知するサイドスタンドスイッチ17aからのスタンド使用検知信号、エンジン21の運転状態を検知する各種の検知信号、等が入力される。以下、制御装置40をエンジンコントロールユニット40ということがある。また、スマートコントロールユニット3およびエンジンコントロールユニット40を併せて制御装置40Aという。
【0024】
制御装置40は、エンジン21の駆動を制御するエンジン制御部41と、エンジン21の始動制御を行うエンジン始動制御部42と、エンジン21の稼動状態を検知、判定する稼動検知・判定部43と、サイドスタンド17の使用時にエンジン21の停止制御を行うスタンド使用時制御部44と、エンジン21のアイドルストップ制御を行うアイドルストップ制御部45と、スマートキー4とスマートコントロールユニット3との間の通信状態を検知、判定する通信状態検知・判定手段46と、を備えている。
【0025】
なお、制御装置40が備える上記各手段は、例えばプログラムの実行により実現されるが、それぞれ一つ以上の電気部品を含むハードウェアとして構成されてもよい。また、制御装置40自体が複数に分割されたユニットであったりプログラムの実行により実現される手段であってもよい。
【0026】
<従来のスマートキーシステム>
従来のスマートキーシステムでは以下の課題が考えられる。
すなわち、例えば、スマートキー4を所持した使用者が、ID認証後にメインスイッチノブ31を回してメインスイッチ30をオン状態とした後、メインスイッチ30を切ることなくエンジン21の始動前に自動二輪車11を離れたとする。この場合、従来のスマートキーシステムでは、スマートキー4を所持した使用者が不在の状況でも、第三者がスタータスイッチ29を操作するとエンジン21を始動させてしまう。
【0027】
また、スマートキー4を所持した使用者が、エンジン21の駆動により自動二輪車11を走行させた後、メインスイッチ30を切ることなくサイドスタンド17を起立させてエンジン21を停止させ、サイドスタンド17を用いた停車状態で自動二輪車11を離れたとする。この場合も、従来のスマートキーシステムでは、上記同様に第三者がエンジン21を始動させてしまう。
【0028】
このような課題に対し、本実施形態のスマートキーシステム2では、スマートキー4の認証がなされてメインスイッチ30がオン状態になった後にも、スマートキー4が認証エリアから離れる等してスマートキー4との間の通信ができなくなった場合に、エンジン21の始動を不許可とする制御を行う。
【0029】
さらに、従来のスマートキーシステムにおいて、スマートキー4を所持した使用者が、自動二輪車11の走行中にスマートキー4を落下させて紛失し、それに気付かず使用者がメインスイッチ30を切る等してエンジン21を停止させたとする。この場合、従来のスマートキーシステムでは、スマートキー4の認証ができないことから、エンジン21を再始動させることができなくなってしまう。
【0030】
このような課題に対し、本実施形態のスマートキーシステム2では、自動二輪車11の走行中にスマートキー4との間の通信が途絶えた後、メインスイッチ30を切る等してエンジン21を停止した場合にも、規定の条件下でエンジン21の再始動を許可する制御を行う。
【0031】
<制御フロー>
次に、制御装置40Aにおいて行われる処理について、
図5、
図6のフローチャートを参照して説明する。
図5に示す制御は、エンジンコントロールユニット40において、メインスイッチ30のオン状態でのエンジン停止時に、スマートキー4が通信不能となったことに伴いエンジン始動を不能とするための制御である。
図6に示す制御は、スマートコントロールユニット3において、エンジン駆動中にスマートキー4が通信不能となった後にエンジン停止した場合にも、規定の条件下でエンジン始動を可能とするための制御である。
【0032】
まず、
図5の制御フローについて説明する。この制御フローは、メインスイッチ30がオン状態にあるとき(すなわち、制御装置40Aがオン状態にあるとき)に実行される。この制御フローは、まず、現在のエンジン21がアイドルストップ状態であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、アイドルストップ制御部45が動作しているか否かで判定される。アイドルストップ状態である場合(ステップS1でYES)、IMOAU端子の出力は停止する(ステップS4)。IMOAU端子出力とは、エンジンコントロールユニット40からスマートコントロールユニット3に伝達され、アイドルストップではないエンジンストップ状態(エンスト状態、停止状態)であることを伝達する信号である。
【0033】
ステップS1でNO(アイドルストップ状態ではない)の場合、ステップS2に進み、現在のエンジン21がエンスト状態であるか否かを判定する。この判定は、稼動状態検知・判定部43において、エンジン21の稼動状態が予め定めたエンスト判定値以上であるか否か(例えばエンジン回転数がアイドル回転数以上か否か)を判定することでなされる。
【0034】
図7を併せて参照し、エンジン21がエンスト状態である場合(ステップS2でYES)、すなわちエンジン21がアイドルストップ状態ではないエンスト状態である旨の条件が成立したとき、IMOAU端子の出力を100ms±4msの矩形波出力とする(ステップS3)。
【0035】
制御装置40Aは、IMOAU端子の出力があるとき、スマートキー4との間の通信ができなくなった場合に、エンジン21の始動を不可とする。これにより、メインスイッチ30を切ることなく(制御装置40Aがオン状態のまま)、使用者が自動二輪車11から離れても、第三者によるエンジン始動を防止し、防盗性および利便性を向上させる。
【0036】
IMOAU端子の出力を受けたスマートコントロールユニット3は、
図6の制御を開始する。すなわち、スマートコントロールユニット3は、まず、IMOAU端子の出力が有るか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、例えばサイドスタンド17の使用によるエンジン停止状態にあるか否かの判定に相当する。この場合、ステップS11では、スタンド使用時制御部44が動作しているか否かが判定される。なお、前提として、制御装置40Aは、サイドスタンド17が出ていない場合(スタンド格納時)には、IMOAU出力を停止する。
【0037】
ステップS11でNO(IMOAU端子出力無し)の場合、ステップS12に移行し、スマートキー4の落下を検知する落下検知モードを実行する。落下検知モードにおいて、スマートコントロールユニット3は、スマートキー4と通信可能か否かを判定する。スマートコントロールユニット3は、落下検知モードに移行する条件として、エンジン21の稼動状態や車速が規定値以上だったとき(走行時)にスマートキー4との間の通信が途絶えたことを含んでもよい。スマートコントロールユニット3が通信状態検知・判定部46を備えてもよい。
【0038】
次いで、ステップS13において落下検知が確定したか否かを判定する。例えば、スマートコントロールユニット3は、10秒ほどの規定時間以上、スマートキー4と通信不能な状態が続いた場合に、スマートキー4の落下検知を確定する。落下検知が確定した場合(ステップS13でYES)、ステップS14に移行し、スタータスイッチ29の入力時(押下操作時)にスタータ信号(スタータモータ21aを駆動させる信号)を出力する。これにより、エンジン21のクランキングがなされてエンジン21を始動させる。
【0039】
落下検知が確定しない場合(ステップS13でNO)、ステップS16に移行し、スマートキー4の認証がなされるか否か(スマートキー4が近く(認証エリア内)にあるか否か)を判定する。制御装置40Aは、スマートキー4の認証が完了するまでは他の処理を停止する。
【0040】
ステップS16でYES(スマートキー4が近くにある)の場合、ステップS17に移行し、ステップS14と同様、スタータスイッチ29の入力時にスタータ信号を出力してエンジン21を始動させる。
ステップS16でNO(スマートキー4が近くにない)の場合、ステップS18に移行し、スタータスイッチ29の入力時にもスタータ信号を出力せず、エンジン21の始動を不能とする。
【0041】
ステップS11に戻り、ステップS11でYES(サイドスタンド17が出ている、かつエンジン停止状態)の場合、ステップS15に移行し、スマートキー4の落下検知が確定しているか否かを判定する。落下検知が確定している場合(ステップS15でYES)、ステップS19に移行し、ステップS14,S17と同様、スタータスイッチ29の入力時にスタータ信号を出力してエンジン21を始動させる。落下検知が確定していない場合(ステップS15でNO)、ステップS16に移行し、先に説明した処理を行う。
【0042】
例えば、制御装置40Aは、スマートキー4の落下検知が確定した場合に、メータパネル26内のインジケータランプを点滅させる。これにより、使用者にスマートキー4の落下を告知する。
スマートキー4の落下検知が確定した場合、停車時等にメインスイッチ30のオフ操作がなされると、制御装置40Aは、インジケータランプに加え、例えばハザードランプが点滅したりブザーが吹鳴したりする。これにより、使用者にスマートキー4の落下を強く告知する(告知状態)。
【0043】
上記した告知状態から施錠を行う(メインスイッチ30をオフにする)には、例えばスタータスイッチ29に2秒ほどの規定時間以上の長押しを行う、あるいは告知状態のまま20秒ほどの規定時間以上を経過させる、といった条件によって施錠がなされる。
【0044】
告知状態からメインスイッチ30をオン状態に戻し、エンジン始動操作(ブレーキレバー29aを握ってスタータスイッチ29を押下する)を行うと、認証無しでスタータ信号が出力されてエンジン21を始動させる。告知状態からメインスイッチ30をオン状態に戻したとき、例えば告知の一部(例えばブザーの吹鳴)は継続する(軽告知状態)。
【0045】
スマートキー4の落下検知が確定した場合の停車時に、サイドスタンド17を出してエンジン21を停止させると、前記軽告知状態となり、使用者にスマートキー4の落下を告知する。この後、サイドスタンド17を上げると(格納すると)、前記軽告知状態が消失し、この状態でエンジン始動操作(ブレーキレバー29aを握ってスタータスイッチ29を押下する)を行うと、認証無しでスタータ信号が出力されてエンジン21を始動させる。
【0046】
このように、自動二輪車11の走行中にスマートキー4の落下検知が確定した後、メインスイッチ30を切る等してエンジン21を停止した場合にも、規定の条件下でエンジン21の再始動を行うことが可能となる。
前記「規定の条件」には、以下の「規定の状態」および「規定の動作」の少なくとも一方が含まれている。前記「規定の状態」とは、例えば、走行中にスマートキー4との間の通信が途絶えた後の停車状態であること、エンジン21の停止から予め定めた時間内にあること、等が挙げられる。前記「規定の操作」とは、例えば、スタータスイッチ29の長押しの他、スタータスイッチ29、アクセルグリップ、ブレーキ操作子、クラッチ操作子といった既存の操作子に対する数回の繰り返し操作、あるいは専用の再始動操作子に対する操作、等が挙げられる。
【0047】
以上説明したように、上記実施形態における車両の制御システム1は、予め設定された認証エリア内で自動二輪車11とスマートキー4との間の通信によって認証を行うスマートキーシステム2と、前記スマートキーシステム2の認証時にオン操作可能となるメインスイッチ30と、前記メインスイッチ30のオン操作によりオン状態となって前記自動二輪車11の制御を行う制御装置40Aと、前記制御装置40Aがオン状態にあるときに前記自動二輪車11のエンジン21の始動を行うスタータモータ21aと、を備え、前記制御装置40Aは、前記エンジン21の稼動状態を判定する稼動状態検知・判定部43と、前記スマートキーシステム2における前記スマートキー4との間の通信状態を判定する通信状態検知・判定部46と、を備え、前記制御装置40Aは、自身がオン状態であり、前記稼動状態検知・判定部43において前記エンジン21が非稼動と判定したとき、前記通信状態検知・判定部46において前記スマートキー4との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記スタータモータ21aによる前記エンジン21の始動を不可とする。
【0048】
この構成によれば、エンジン21の一時的な停止時やエンジン21の始動前等に、制御装置40Aがオン状態であっても、スマートキー4を所持した使用者が自動二輪車11から離れる(認証エリア外に出る)等によって、スマートキー4の認証がなされなくなった場合には、エンジン21を始動させなくすることが可能となる。つまり、制御装置40Aをオフ操作しなくても、スマートキーシステム2による認証がなされなくなった場合には、エンジン21の始動が不能となる。このため、制御装置40Aがオン状態のまま使用者が自動二輪車11から離れても、第三者がエンジン21を始動させてしまうことを防止し、防盗性および利便性を向上させることができる。
【0049】
また、上記車両の制御システム1において、前記制御装置40Aは、前記自動二輪車11を係止するサイドスタンド17の使用時に前記エンジン21を停止させるスタンド使用時制御部44を備え、前記制御装置40Aは、前記スタンド使用時制御部44において前記エンジン21を停止させたとき、前記通信状態検知・判定部46において前記スマートキー4との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記スタータモータ21aによる前記エンジン21の始動を不可とする。
この構成によれば、サイドスタンド17の使用によるエンジン21の停止時において、スマートキー4を所持した使用者が自動二輪車11から離れる等によって、スマートキー4の認証がなされなくなった場合には、エンジン21を始動させなくすることが可能となる。このため、制御装置40Aがオン状態のまま使用者が自動二輪車11から離れても、第三者がエンジン21を始動させてしまうことを防止し、防盗性および利便性を向上させることができる。
【0050】
また、上記車両の制御システム1において、前記制御装置40Aは、前記通信状態検知・判定部46において前記エンジン21の駆動中に前記スマートキー4との間の通信がなくなったと判定したとき、前記エンジン21を停止させた際に規定の条件下で前記スタータモータ21aによる前記エンジン21の始動を可能とする。
この構成によれば、走行中にスマートキー4を落下させて紛失する等により、スマートキー4との間の通信が停止したことを検知した場合にも、規定の条件下でエンジン21の再始動が可能となる。このため、スマートキー4の紛失に気付かずエンジン21を停止させた場合等にも、エンジン21の再始動を可能とし、利便性を向上させることができる。
【0051】
また、上記車両の制御システム1において、前記制御装置40Aは、前記エンジン21の稼動状態が予め定めた規定値以上であるときに、前記スマートキー4との間の通信がなくなったか否かを判定する。
この構成によれば、スマートキー4の落下判定の実施を自動二輪車11の走行中に相当する規定値以上に制限することで、制御装置40Aの処理負荷の軽減を図ることができる。また、停車相当時にスマートキー4を所持した使用者が自動二輪車11から離れるといった状況と区別し、スマートキー4の落下判定の確実性を高めることができる。
【0052】
また、上記車両の制御システム1において、前記エンジン21は内燃機関であり、前記制御装置40Aは、前記内燃機関を自動的に停止させるアイドルストップ制御部45を備え、前記制御装置40Aは、前記稼動状態検知・判定部43において前記エンジン21が非稼動と判定したときで、かつ前記アイドルストップ制御部45による非稼動状態ではないとき、前記通信状態検知・判定部46において前記スマートキー4との間の通信がなくなったと判定した場合に、前記スタータモータ21aによる前記エンジン21の始動を不可とする。
この構成によれば、内燃機関のアイドルストップ状態ではないときに限定して、スマートキー4の認証がなされなくなった場合にエンジン21の始動を不可とすることが可能となる。これにより、内燃機関のアイドルストップ後の再始動を妨げることなく、良好な走行環境の提供が可能となり、自動二輪車11の商品性を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、本システムは自動二輪車への適用に限らず、鞍乗り型車両に広く適用可能である。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。また、車室を有する自動車に適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両の制御システム
2 スマートキーシステム(認証手段)
3 スマートコントロールユニット
4 スマートキー(リモートキー)
11 自動二輪車(車両)
17 サイドスタンド(スタンド)
21 エンジン(駆動源、内燃機関)
21a スタータモータ(駆動源始動手段)
30 メインスイッチ
31 メインスイッチノブ
40A 制御装置(制御手段)
40 制御装置(エンジンコントロールユニット)
43 稼動状態検知・判定部(稼動状態判定手段)
44 スタンド使用時制御部(スタンド使用時制御手段)
45 アイドルストップ制御部(アイドルストップ制御手段)
46 通信状態検知・判定部(通信状態判定手段)