(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】機関銃
(51)【国際特許分類】
F41A 3/66 20060101AFI20221118BHJP
F41A 9/32 20060101ALI20221118BHJP
F42B 39/08 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
F41A3/66
F41A9/32
F42B39/08
(21)【出願番号】P 2020513682
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2018074288
(87)【国際公開番号】W WO2019048672
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-07-14
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519012172
【氏名又は名称】エフエヌ・ハースタル・エス・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・マルセル・アンリ・ドニ・フランセン
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・ニコル・フレディ・ヴェレジャン
(72)【発明者】
【氏名】ロベール・ベカール
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ミショット
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・ゴドビル
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0047833(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0151710(US,A1)
【文献】特開2013-195061(JP,A)
【文献】国際公開第2017/151234(WO,A2)
【文献】特表2005-509840(JP,A)
【文献】特開平04-283400(JP,A)
【文献】米国特許第4433609(US,A)
【文献】米国特許第1719126(US,A)
【文献】特表2019-502892(JP,A)
【文献】特表平08-506653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300761(US,A1)
【文献】米国特許第8607683(US,B1)
【文献】独国実用新案第202011100438(DE,U1)
【文献】仏国特許出願公開第2356113(FR,A1)
【文献】特表2007-525634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41A 3/66
F41A 9/32
F42B 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に管状の形状を有するフレーム本体(22)
と、
横方向に配置され、垂直に対して傾けられたフィードチャネル及びカバーと、
を備える、弾薬ベルト(5)をフィードするための機関銃(1)
であって、
前記カバー(2)の回転軸(4)が本質的に垂直である機関銃(1)。
【請求項2】
前記フィードチャネルが20°~70°の間、好ましくは30°~60°の間の角度に従って傾けられる、請求項
1に記載の機関銃(1)。
【請求項3】
その上面に、固定アクセサリ組み付けインターフェースを備え、このインターフェースは、好ましくはピカティニータイプのレール(21)を含むことができる、請求項1
又は2に記載の機関銃(1)。
【請求項4】
前記カバー(2)の閉動作が前記フィードチャネルに平行な成分を含み、それにより第1の弾薬アイテムの正確な調整を可能にすることを特徴とする、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項5】
前記フィードチャネルが、前記カバー(2)が開けられているときに前記弾薬ベルト(5)を保持するための手段を備える、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項6】
前記フィードチャネルの前記カバー(2)が、弾薬アイテム(18)の前記
弾薬ベルト(5)のリンクを排出するための手段(14、13)を備える、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項7】
前記フィードチャネルの前記カバー(2)が、前記弾薬ベルト(5)
のリンクの保持手段(11)を備える、請求項
1~
6のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項8】
使用中にリンク(10)に支持される前記弾薬ベルト(5)を前進させるための手段(14)を備える、請求項
1~
6のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項9】
前記フレーム本体(22)が、アルミニウム又はチタンなど、6kg/l未満の密度を有する材料で作製される、請求項
1~
8のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項10】
前記フレーム
本体が鋳造法により作製される、請求項
1~
8のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【請求項11】
前記フレーム
本体の仕上げが鋳造後に火花加工によって行われる、請求項
10に記載の機関銃(1)。
【請求項12】
前記フレーム
本体が付加的製造法によって作製される、請求項
1~
8のいずれか一項に記載の機関銃(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機関銃、そのような機関銃のフィードシステム、及びフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
武器の人間工学は、武器の重量及び大きさから発射操作及び取り扱い条件に及ぶ一定数の基準をまとめる限り、かなり特別な概念である。より良い人間工学を備えた武器は、ユーザが自分のユニット内で自分の役割をよりよく果たすことを可能にする武器であると一般に受け入れられている。武器の人間工学の改善は、現場で様々な形で反映され得る。それは、ユーザの機動性の向上、現場での武器の可用性の向上、武器の使いやすさ等につながり得る。
【0003】
機関銃は、マガジンからフィードされる銃器(ライフル又はピストル)とは異なり、弾薬ベルトを引くことができる銃器であると理解されている。弾薬ベルトは、リンクによって互いに連結された一連の薬莢から構成されており、前記リンクは、薬莢がそこから引き出されると、互いに切り離される。
【0004】
機関銃のフレームは武器の中心部分であり、主要な構造要素としてだけでなく、武器の動作サイクルを実行する全ての追加部品又は組み付け部品の位置決めのための基準ベース部としても機能する。
【0005】
ほとんどの機関銃では、ベルトフィードに関連する機能は武器の上部に存在する。弾薬ベルトは、フィードカバーの様々な要素で保持される前に、フィードチャネルに手動で配置される。この構成の主な利点は、フィードチャネルの水平方向の配置と、フィード機能を実行する要素の視覚的及び接触の両方の良好なアクセス性により、再装填及び誤動作の解決の操作が容易になることである。
【0006】
この構造の1つの欠点は、照準システムが銃身の上部に配置されるため、それらを部分的に(穴照門及び照星機械的照準部材)又は完全に(標準ピカティニーレールを介して取り付けられるモジュール照準部材)武器のフィードカバーに組み込む必要があることである。その結果、フィードカバーが開閉されるたびにそれを再配置することに関する不確実性のため、照準点と発射体の衝撃点とのアライメントの特定の不正確さがもたらされる。
【0007】
もう1つの欠点は、フィードカバーが開位置にあるときに主な照準光学部品の嵩が追加されるため、特定の光学部材(大きな拡大機能を備える長いスコープ、光増幅器、暗視等)を使用できないことである。実際、長いカバーを備えたトップフィード付きの機関銃の場合、照準スコープはカバーに直接取り付けられる。これはカバーを開くと照準スコープ自体も傾斜するため、光増幅器タイプのデバイスを前方に移動する必要があることを意味する。後者はもはや照準スコープの前に直接取り付けられるのではなく、さらに前方に取り付けられ、2つの光学部品の間の間隙は、光学的(光源からの反射)及び物理的(砂、泥等による汚染)の両方の汚染にとって好ましい。
【0008】
限られた時間内に多数の弾薬アイテムが発射された後、銃身は非常に加熱する。長いカバーに光学部品を取り付けることのもう1つの欠点は、カバーを開いたままにすると、光学部品が銃身の方を向くということである。この場合、銃身からの熱は光学部品に伝達され、光学部品をかなり劣化させる可能性があり、光学部品はこのような高温に耐えるように設計されていない。これを回避するために、銃身と光学部品の間に熱遮蔽材を配置する必要があり、これにより機関銃はより重くなる。
【0009】
一部の機関銃(ネゲブIMI機関銃など)では、フィードカバーの長さを最大に制限する選択がなされた。これにより、フレームの後部に光学部品を取り付けることで上記の欠点を減らすことが可能になるが、それは武器に適合する光学部品の長さをかなり制約する。実際、この場合、光学部品がフィードカバーの上を通過してフィードカバーが開放されることを許容しないようにする必要がある。この制限は、複数の光学部品(従来の照準部材の前にある光増幅器等)のアライメントにも適用され、前の部材は、この場合、カバーに取り付ける必要がある(これはフィードカバーに直接取り付けられた照準部材の制限に関する上記の欠点につながる)、又はフィードカバーの前に取り付ける必要があり、これはそれを2つの光学デバイスからかなり離す。
【0010】
これらの問題を回避するために、一部の武器は、武器の底部(HK21及びHK23、XM248機関銃など)、又は垂直フィードチャネルを備える武器の側面(米国7.92mm軽機関銃t44、横フィード付きM60)のいずれかにフィード機能を配置することにより、代替構造を提供している。これらの2つは、ベルト交換操作と誤動作の解決に関する代わりの主要な欠点を提示する。フィードが底部から行われると、ベルト前進要素とチャンバへのアクセス性が非常に制限され、これにより空のチャンバの点検作業、及びフィード又は引出しに関連する問題の解決が複雑になる。
【0011】
フィードが垂直フィードチャネルに対して横方向である場合、直面する問題は主に新しい弾薬ベルトの配置に関連する。実際に、後者はしばしば、オペレータが武器のカバーを閉じるために時間をとる前に移動したり、落下したりする傾向さえある。これらの様々な欠点は、再装填又は誤動作の解決の操作が最悪の瞬間(完全な交戦中、逆発射の下)に発生する可能性が高く、多かれ少なかれ長い時間にわたる発射力の損失に反映されるため、非常に有害である。
【0012】
通常、機関銃のフレームは、中間構成要素の組み立てによって製造される。その目的は、様々な部品を組み立てる前に、様々な部品の仕上げ加工を正確に実行できるようにするためである。様々な構成要素は、(フライス加工又は旋削用の)切削工具へのアクセスを可能にする「開口」形態を有する。機関銃の場合、この開口は通常、フレームの上部に形成される。それというのも、フレームは新しいベルトを所定の位置に配置できるように取り外し可能なフィードカバーで覆われるからである。
【0013】
機関銃という観点から、このタイプのアセンブリは鋼の使用を必要とする。実際、十分な剛性を保持し、アセンブリの複数個所において脆弱な領域を避けるために、ヤング率と十分な降伏強度を備えた材料がしばしば必要になる。それは、機関銃が他の武器よりも大きな火力を維持しなければならないという事実によって増幅され、これは、武器の温度の上昇、したがって材料の性能の低下を意味する。歴史的及び経済的な理由から、この用途に適した材料は常に鋼だった。機関銃のフレームに鋼を選択する主な結果は、武器の重量の大幅な増加である。このため、機関銃は通常、歩兵ユニットで使用される他の肩撃ち式武器よりも重く、全てのユニットの機動性を著しく損う。
【0014】
さらに、機関銃の場合、リンクの排出は一般に、運動中のベルトの動力学によって行われる。ベルトがその前進機構によって押されると、その薬莢から解放されたリンクが排出窓に向かってフレームの外へ向けられる。特に、最後の薬莢がフィードされると、排出されるべき2つのリンクが残る。最後の薬莢のこの特定のケースには機構は提供されていない。
【0015】
この動作モードの主なリスクは、ボルト及び薬莢の通過を可能にするフィードチャネルの開口部を介してリンクがフレームに入ることを可能にすることである。リンクがフレームに入ると、武器の内部に含まれる部品の動きとメカニズムをブロックすることにより、誤動作を引き起こし得る。このリスクは、機関銃のフィードチャネルが水平に対して傾斜している場合、すなわち重力がリンクをフィードチャネルの開口部に向けることができる場合、増加する。
【0016】
第2の問題は、最後のリンクが一般にフィードチャネル上に残り、兵士が新しいベルトを配置する前に通常フィードチャネルを「清掃」しなければならず、したがって関連する時間の損失があることである。
【0017】
最後に、従来技術の機関銃では、カバーが開いているときにフィードチャネルにベルトを(6自由度にしたがって)完全に保持するものはなにもない。機関銃の再装填は、多くの場合、ハンドルに手を付けて実行され、自由な第2の手はカバーを開け、次にベルトを配置した後、それを放してカバーを再び閉める必要がある。この装填作業は、発射の準備が整った位置に弾薬がない状態で脆弱な姿勢で行われるため、ストレス下で実行されることが多い。この作業中に機関銃が動かされ、そのフィードチャネルが傾けられると、カバーを閉じた後にバンドが正しく配置されない可能性がある。その後、装填作業に続いて誤動作が発生する(発砲は開始されない)。
【0018】
要約すると、従来の機関銃には以下の主な欠点がある:
-武器の上部に配置された可動カバーは、照準スコープなど固定されたアクセサリの信頼性の高い位置決めを妨げる;
-ベルトの端部で、通常1つ又は複数のリンクがチャネルに残り、通常、射手は再装填を可能にする前にこれらのリンクを放出する必要がある;
-リンクの不十分な放出は、再装填機構をブロックすることによって誤動作をもたらす可能性がある;
-ベルトの位置、特に最後の薬莢の位置が不正確であり、したがって誤動作をもたらす可能性がある;
-ベルトが保持されていないため、ユーザはカバーが閉じられるまでベルトを保持する必要があり、これは両手を使用する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、弾薬ベルト用のフィードチャネルとフィードチャネル用のカバーとを備えた機関銃に関し、カバーの閉動作がフィードチャネル内の弾薬ベルトの長手方向位置の調整を引き起こす。
【0020】
有利なことに、チャネル内のベルトの長手方向位置の調整は、カバーの閉動作中にフィードチャネル内でベルトを押すことを可能にし、後続の発射サイクル中にベルトの通過を可能にする要素(逆止ラチェット)を介して得られる。
【0021】
好ましくは、逆止ラチェットはカバーに組み込まれ、前記カバーの閉動作は、第1の弾薬アイテムの正確な調整を可能にするように、前記フィードチャネルに平行な成分を含む。
【0022】
有利なことに、カバーの閉動作の平行な成分は、フィードチャネルの平面に対する割線であるカバーの回転軸によって得られる。
【0023】
有利なことに、フィードチャネル及びそのカバーは、横方向に配置され、垂直に対して傾斜され、カバーの開口軸は本質的に垂直である。
【0024】
好ましくは、本発明による機関銃は、その上面に、固定アクセサリ組み付けインターフェースを備え、このインターフェースは、好ましくはピカティニータイプのレールを含むことができる。
【0025】
或いは、逆止ラチェットを作動させる接続ロッドのシステムがフレーム又はカバーに組み込まれ、カバーが閉じられるとベルトをその装填位置に押す。この場合、ラチェットを作動させる1つ又は複数の接続ロッドは、例えば、フレームから又は閉鎖によって作動されるカバーから延びるボタン又はレバーによって移動することができる。
【0026】
別の代替形態では、カバー又はフレームの内面上で突出する傾斜面は相補的な内面上の可動部分を作動させ、前記可動部分は、ベルトの動きと平行な動きを有し、その位置の調整を可能にする。
【0027】
本発明の第2の態様は、弾薬ベルトの最後の2つのリンクを排出するための機構を含む弾薬ベルトによってフィードされる小火器用のフィード機構に関する。
【0028】
有利なことに、この機構は、最後から2番目のリンクを押して、機関銃の可動部分によって作動される可動ラチェットを備える。
【0029】
最後の2つのリンクを排出するための可動ラチェットは、ベルト牽引機構に固定されていることが好ましい。
【0030】
有利なことに、ベルト牽引機構は使用中に弾薬アイテムを押す可動ラチェットを備え、弾薬アイテムを押す前記ラチェット及び最後の2つのリンクを排出するためのラチェットは、機関銃の可動部分の移動によって作動される同一レバーによって作動される。
【0031】
最後の2つのリンクを排出するためのラチェット及び前進ラチェットは、単一部品で又は個別に作製可能である。好ましくは、これらは、同一軸の周りを回転し且つばね又は板ばねなどの弾性部品を介して固定された2つの部品である。
【0032】
或いは、ベルト牽引機構は、使用中に薬莢上で噛み合う星状体を備え、最後の2つのリンクを排出するための機構は使用中にリンク上で噛み合う第2の星状体を備える。好ましくは、2つの星状体は同一軸の周りを回転する。有利なことに、2つの星状体の間の連結は、ベルトの前進星状体及び排出星状体を通って延びる弾性材料(エラストマー)から作られたトーションばね又はピンなどの弾性的に変形できる要素によって保証される。
【0033】
或いは、又はラチェット又は最後の2つのリンクを排出するための星状体と組み合わせて、最後の2つのリンクを排出するための手段は、ばねに取り付けられて、最後のリンクを押して排出する可撓性の爪を備える。
【0034】
好ましくは、可撓性の爪は、そのエネルギーが最後のリンクを排出するために使用されるばねに取り付けられる。
【0035】
有利なことに、リンクを排出するために使用される可撓性の爪の部分は、リンクが弾薬アイテムに連結されていないときに限りこのリンクと接触するように進入する。このため、例えば、爪は、弾薬アイテムが存在する場合、爪が弾薬アイテムを押していないときに(すなわちベルトの端部で)極端な位置を占める逆止ラチェットによって、中間位置に保持される。
【0036】
好ましくは、可撓性の爪は、フィードチャネル内にリンク及び弾薬アイテムを保持するためのフラップに弾性的に連結されている。
【0037】
有利なことに、可撓性の爪は、フィードチャネル内の所定位置に弾薬アイテムが存在することを示すインジケータに連結されている。
【0038】
本発明の第3の態様は、弾薬ベルトの主摺動面と、使用中に弾薬ベルトを案内する側面と、側面の上縁に位置付けられたベルト用の1つ又は複数の保持面とを備えるフィードチャネルを備える機関銃に関し、前記保持面は摺動面に面し、前記保持面は弾薬ベルトの導入を可能にするように開かれている。
【0039】
有利なことに、1つ又は複数の保持面の少なくとも1つは後退可能であり、弾薬ベルトの位置決めを容易にするように、側面の少なくとも1つの上縁を自由縁のままにする。
【0040】
或いは、1つ又は複数の保持面は細くて弾力性があり、ベルトの「力による」導入を可能にする。
【0041】
好ましくは、ベルトの1つ又は複数の保持面は、フィードチャネルの側面の上縁に沿ったランナーに属し、これらのランナーの少なくとも1つは後退可能である。
【0042】
有利なことに、後退可能な1つ又は複数のランナーは、弾性手段によってフィードチャネルの側面に沿って保持される。
【0043】
好ましくは、後退可能な1つ又は複数のランナーは、ランナーの傾斜面に対して弾薬ベルトを単に押し付けることによって弾薬ベルトを所定位置に置くことを可能にする傾斜上面を有する。
【0044】
有利なことに、後退可能な1つ又は複数のランナーは、弾薬ベルトをひねることによって弾薬ベルトを取り出すことを可能にする面取りをフィードチャネルへのベルトの入口に対応する部分に有する。
【0045】
本発明の第4の態様は、本質的に管状の形状を有するフレーム本体を備える小火器に関する。
【0046】
本質的に管状の形状は、単一部品で形成された、最小限の横方向オリフィス(フィードチャネルの入口、ねじ固定用穿孔等)を備える、したがって、本質的に閉鎖された側面を備える中空部品を意味するように理解される。
【0047】
有利なことに、小火器は、横方向に配置され、垂直に対して外側に傾斜し、カバーの開口軸が本質的に垂直である、フィードチャネルとカバーとを備える。
【0048】
好ましくは、本発明による小火器は、その上面に、固定アクセサリ組み付けインターフェースを備え、このインターフェースは、好ましくはピカティニータイプのレールを備えることが可能である。
【0049】
本発明の全てのこれらの態様は相互に並び立つことができ、その全てが、最後の弾薬アイテムが発射されるときにフィードチャネルを空にすることによって、カバーが開放されるときにチャネル内にベルトを保持することによって、カバーが閉鎖されるときにベルトを正確に位置決めすることによって、及びフィードを横方向に配置することによって、フィードチャネル内のベルトの簡単な配置の達成に寄与することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図2】本発明によるフィードチャネルの例の斜視図を示し、カバーは開放され、弾薬ベルトは定位置にある。
【
図3】本発明によるフィードチャネルの例の斜視図を示し、カバーは開放され、弾薬ベルトはない。
【
図4】本発明によるデバイスの断面図を示し、カバーは部分的に閉鎖されている。
【
図5】
図4のデバイスの断面図を示し、カバーは閉鎖されている。
【
図6-8】本発明の機関銃の発射サイクル及び再装填サイクルの間の
図4のデバイスの断面図を示す。
【
図9-12】本発明の機関銃の弾薬ベルトの最後の薬莢の発射サイクルの間の
図4のデバイスの断面図を示す。
【
図13】本発明によるベルト保持手段を備えるフィードチャネルの端に沿った図を示す。
【
図14】本発明の例によるベルトを前進させるための及び最後のリンクを排出するための爪を示す。
【
図16】本発明によるフィードチャネルの分解図を示す。
【
図17】本発明によるフィードチャネルカバーの分解図を示す。
【
図18】ベルト再位置決め手段を備えるフィードチャネルの別の例の斜視図を示す。
【
図20-21】
図18及び19のチャネルを備えるデバイスの断面図を示し、カバーの閉鎖によって引き起こされる動きを示している。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本記載は、本発明の全ての態様を実装する武器の例を本質的に記載する。当業者は、本発明の様々な態様が、別々に使用可能であるが、この例及び記載されたいくつかの変形例に照らして明らかに現れる相乗効果を有することを容易に理解するであろう。
【0052】
本記載において、「最後の弾薬アイテム」はベルトの端部にあるもの、適切な位置にあるもの、又はフィードされる準備ができているものである。当然のことながら、リンクも同様に名付けられる。
【0053】
長手方向という用語は、フィードチャネル又は弾薬ベルトの移動に関する場合、ベルトフィード変位の方向に関し、したがって銃身は長手方向の武器のフィード方向に対して横方向にある。
【0054】
図1は、本発明による機関銃の例を示す。この機関銃は横方向のフィードを有し、フレーム本体22の上部において連続的であり且つ固定されるピカティニータイプのレール21の使用を可能にする。上部とは、武器を通常の位置で使用する場合の上部を意味する。もちろん、他のタイプのアクセサリ取り付けインターフェースを使用することもできる。
【0055】
図2は弾薬ベルト5が配置され、カバー2が開いた状態のフィードチャネルの斜視図を示す。このカバーは、フレーム22上の対応する手段と協働する閉鎖手段19を含む。
【0056】
図3は、弾薬ベルト5のない同じチャネルを示し、これはラチェット15及び14を区別することを可能にし、それらはそれぞれ最後から2番目の弾薬アイテムの前部、及び最後から2番目のリンクの中央部10を押す。これらのラチェット14、15は、弾薬ベルト5の摺動面3から突出する。以下で分かるように、ラチェット14の中央位置により、最後のリンクを排出することが可能になる。
【0057】
フィードチャネルの摺動面3、及びカバー2の対応する面は45°傾斜しているが、これら2つのアセンブリの共通軸4は垂直であることがこれらの図から分かる。弾薬アイテムの摺動面に対するカバーの回転軸のこの割線の配置により、カバーは、閉鎖中、弾薬アイテム18の摺動運動に平行な運動成分を有することが可能になる。
【0058】
この水平成分は逆止ラチェット12が最後から2番目の弾薬アイテム(又はここでは最後から2番目のリンクの中央部)を押すことを可能にする。この位置の動きは、
図4及び5の断面により詳しく示されている。
【0059】
図4中、カバーはまだ閉じられておらず、ベルトはベルト前進ラチェット16、15に載っている。それらの軸の周りを自由に回転するこれらのラチェット15、16は、ベルト5を正確に位置付けることができない。特に、
図4は最後の弾薬アイテムの極端に低い位置を示す(すなわち、弾薬アイテムは「所定の位置」になく、フィードチャネルの開口部の中央に位置付けられている)。最後に、前進ラチェットの位置はボルト17と可動部の位置に依存し、これは、特に銃尾が開いた状態で動作する武器の場合、ベルトの配置において明確ではなく:ボルト17は前方位置にあり得、チャンバは空でありロックされる、又はボルト17は後方位置にあり、チャンバは空である。場合に応じて(及びベルト駆動機構に応じて)、前進ラチェット15、16は異なる位置にある。
【0060】
カバーを閉じた後、最後から2番目の弾薬アイテムに対する逆止ラチェット12の圧力により、ベルト5を正確に再配置することが可能になったことが
図5から分かる。
【0061】
ベルトの再配置は他の方法でも達成可能であり、主なことは、カバーの閉動作により、ベルトの摺動に平行なベルトの再調整動作を引き起こすことができることであることに留意されたい。
【0062】
そのような代替例は、
図18~21に水平フィードチャネル100について示されている。この例では、ベルト5は水平面102上を摺動し、カバー107を閉じることにより作動される逆止ラチェット101により正確に位置決めされる。このために、逆止ラチェット101は、カバー107の対応する傾斜面106と協働する傾斜面105を含む摺動ブロック103に固定される。
【0063】
全ての場合において、ベルト前進機構によって引き起こされるベルトの移動中に、逆止ラチェット101、12を無効にして、連続した弾薬アイテム18を通常のフィード方向にフィードすることが可能である。
【0064】
図2~12のフィードの横方向位置決め、並びにカバー2及び垂直軸上のフィードチャネルの開放方向は、フレームの上面を解放することも可能にし、及び固定されたレール21が本質的に管状のフレーム本体22上に固定されることを可能にする。
【0065】
フィードチャネルの摺動面3の45°の傾斜は、カバーの垂直回転軸4と組み合わせて、弾薬アイテムを所定の位置に調整することを可能にするという前述の利点を呈する。さらに、この傾斜は、武器を垂直に保つことによって(これは垂直フィードチャネルを有する武器では不可能である)、又は武器を45°だけ傾けてチャネルを水平に置くことによって、ベルトを前進ラチェット14、15、16に引っ掛けることにより、ベルトの位置付けを促すことを可能にする。もちろん、横方向の嵩が十分に制限されていること、及び摺動面3の水平成分が武器を傾けることなくベルトを前進ラチェット14、15、16に安定して配置することを可能にするのに十分であることを条件として、他の傾斜角が可能である。合理的な傾斜角は、20~70°の間、好ましくは30~60°の間である。
【0066】
図5~8は、本発明の例のフィードシステムの動作を示している。この例では、機関銃はいわゆる「開放銃尾」サイクル、つまり、発射時を除き、ボルト17と可動部品が後方位置にあり、チャンバが開いて空であるデバイスにしたがって動作する。発射の完全なサイクルは次のとおりである:引き金をトリガーすると、可動部品とボルト17が解放され、これにより通路に、スナッグ20を介して弾薬アイテム18がチャンバに導入される。前方移動の最後に、ボルトは銃身のチャンバの後ろのロックリングにロックされる。この前方への移動は、可動部品の後方への戻り移動中に圧縮された反動ばねによって誘導される。次に弾薬アイテムが撃たれ、銃身の最後の部分でガスが回収されると、反動ばねを圧縮することによって可動部品を後方に戻すことが可能になる。
【0067】
最後の弾薬アイテムを発射した後、引き金が一般的に押されたままで、可動部分は最後の前方への移動を実行し、武器は銃尾が閉じられ、チャンバが空の状態に戻される。したがって、弾薬ベルトを配置する前又は後にユーザが機構をリロードするかどうかに応じて、可動部品は前方又は後方位置にある。
【0068】
図5は、待機位置にある武器、後方に向かう可動部品、所定位置にある弾薬アイテム、所定位置にある弾薬アイテムの後ろに配置されたボルト17のスナッグ20を示す。ベルト前進ラチェット14、15、16は最後から2番目の弾薬アイテムの後ろの低い位置にあり、ベルトは逆止ラチェット12の上にあり、保持フラップ11はリンクに支持され、弾薬アイテムをフィードチャネルの開口部の中央の位置に、ボルト17によってフィードされる準備ができた状態に保持する。排出爪13は最後から2番目のリンクの前側部9を押す。
【0069】
発射がトリガーされると、最後の弾薬アイテムはボルト17のスナッグ20によってチャンバに押し込まれる。この移動により、弾薬アイテムが完全にリンクから分離されるとすぐに、前進ラチェット14、15、16が前進し始める。
【0070】
次に、
図6に示すように、可動部品の前方への移動により、前進ラチェット14、15、16がベルト5を新しい所定位置に押す。
図7では、最後のリンクがベルトの移動によって排出され、リンクと次の弾薬アイテムによって押される。排出爪13は、最後から2番目のリンクの側部9上を移動して押しているが、この最後から2番目のリンクは最後から2番目の弾薬アイテムに連結されており、排出されない。後で分かるように、この排出爪は、実際には、ベルトの最後の2つのリンクが排出されたときにのみ動作する。
図8は、可動部品の反動運動における前進ラチェット14、15、16の戻り運動を示している。この動きの間、ベルト5は逆止ラチェット12によって所定の位置に保持される。サイクルの終わりに、
図5の状況が回復する。
【0071】
図9~12は、最後の弾薬アイテムが発射されたときの、最後の2つのリンクの排出を示している。
図9では、サイクルの開始時に、最後の弾薬アイテムが所定の位置にあり、最後のリンクの中央部10が逆止ラチェット12上に載っている。この段階で、横方向前進ラチェット15及び16はもはや弾薬アイテムの上に載れず、ベルトの残りの部分を押すことができないことに留意されたい。中央ラチェット14だけが最後から2番目のリンクの中央部10に依然として面しており、これはサイクルの開始時に、逆止ラチェット12に載っている。
図10では、弾薬アイテムがチャンバに装填される。
【0072】
次に、中央ラチェット14は、最後から2番目のリンクを
図11の位置まで押す。この図では、拡大図がインサートとして示され、インサート中、最後から2番目のリンクのみ、リンクイジェクタ13、及び摺動面3が示されている。このインサートは、最後から2番目のリンクの前側部9にイジェクタ13によって加えられる力Fを示している。この力は、リンクの表面に垂直な力F
nと接線方向の力Ftに分解される。特定の位置を超えると、接線方向の力F
tは静止摩擦閾値を超えるが、垂直力F
nは実質的に摺動面3と平行である。この時点で、リンクは突然排出され、その前のリンクを押す。
【0073】
最後に、最後のリンクが排出されると、爪13は弾薬アイテムにもはや載らず、このため、弾薬ベルトが存在するサイクル中に決して占有しない極端な位置を占める。極端な位置へのこの動きは、ベルトの不存在に関する指示を与えるベルトインジケータを移動するために活用することができる。
【0074】
図2は、フィードチャネルの側面8、23の上縁を覆う保持ランナー6、7を示す。
図13は、弾薬アイテムが所定の位置にある状態のフィードチャネルの断面を示している。この図では、前方ランナー6と後方ランナー7が区別されており、ベルトの摺動面3に面する表面25、29を介して弾薬アイテム18をフィードチャネルに保持している。
【0075】
これらのランナー6、7は、ばね24によって保持位置に保持される。これらのばねは、2つのランナーを引き離すことによりベルトを導入することを可能にする。この引き離しは、ランナーの上面の傾斜面27、28によって有利に得られ、その後、ベルトをランナーに押し付けるだけで引き離しは得られる。ベルトを導入するために単一のランナーが可動であることが十分であろうことに留意されたい。ただし、後者の場合、取り扱いは柔軟性が低くなるだろう(事前定義された方向にしたがって導入する必要がある)。
【0076】
或いは、後退可能ランナー6、7は、フィードチャネルの側面23、8、いずれかのこれらの表面又はベルトの「力によって」配置を可能にするのに十分に可撓性であるフィードチャネルの壁(の形成部分さえ)に直接固定された摺動面3に面する保持面によって置き換えることができる。
【0077】
これらの保持手段の利点は、ベルトがチャネルから落下することなく武器の向きとは無関係に、ベルトを配置すること又はフィードチャネルのカバー2を開くことを可能にすることである。
【0078】
図13において後方ランナー7の縁部に面取り26があることが注目される。この面取りは最後の弾薬アイテムに面してのみ存在し、面取りによる後方ランナー7を後方に押すフィードチャネルへのベルトの入口に対応する弾薬アイテムの後部のひねり運動又は上昇運動によってベルトを取り外すことを可能にする。
【0079】
図14~17は、先行する図で隠れている可能性のある部品を明確にするために、様々な別個の要素を斜視図で示している。
【0080】
図14は、ベルト駆動爪を示す。この爪は3つのラチェット14、15、16を有する。2つの側方ラチェットは、それぞれ最後から3番目のリンクの前側部9の前又は後で、最後から2番目の弾薬アイテムに直接支持される。ラチェット14は、その一部に関して、最後から2番目のリンクの中央部10を押す。
【0081】
これらの3つのラチェット14、15、16は固定であってもよく、又は、好ましくは、中央ラチェット14は、例えばトーションばねを介して他の2つのラチェットに弾性的に連結される。実際、弾薬アイテムの間には、中央ラチェットよりも側方ラチェット15、16のためのより大きな動きの振幅を許容するスペースがあり、中央ラチェットは連続するリンクを連結する表面によってブロックされている。このため、中央ラチェット14によって提供される支持は、信頼性の低い支持を提供し、側方ラチェットが最適な位置をとることを潜在的に妨げる。中央ラチェット14を分離すると、側方ラチェット15、16の最適な動きの振幅が可能になる。
【0082】
最後のリンクを排出すると、中央ラチェット14は連続するリンクを連結する表面によってもはやブロックされず、より信頼性の高い支持面をとることができる。この時点においても、上述のように、側方ラチェット15、16は弾薬アイテムの上に載らないため、ベルトの移動には関与しない。
【0083】
図15は、管状フレーム本体22を示す。この閉じた形状により、開いたプロファイルよりも優れた剛性、特により優れたねじれ抵抗性を得ることが可能になる。この図から分かるように、フィードチャネルの横方向の位置決めにより、固定されたピカティニーレール21の固定が可能になる。さらに、ベルト前進機構をカバーではなくフレーム側に位置付けると、短い長さの側面の開口が可能になり、これによりアセンブリの機械的特性がさらに向上する。
【0084】
図16はフィードチャネルの分解図を示す。ランナー6、7の2つの保持ばね24がここで区別されている。