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特許7179070医療用ヒータ、処置具、及び処置具の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】医療用ヒータ、処置具、及び処置具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/04 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
A61B18/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020540009
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 JP2018032475
(87)【国際公開番号】W WO2020044563
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】銅 庸高
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-253061(JP,A)
【文献】国際公開第2014/141530(WO,A1)
【文献】特開2005-348820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/04
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケルを含む材料によって構成され、通電によって発熱する発熱部と、
フッ化ニッケルによって構成され、前記発熱部の表面の少なくとも一部を覆う不動態被膜と、
電気絶縁性を有する材料によって構成され、互いに表裏をなす第1の板面及び第2の板面を有する基板と、
配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、
前記発熱部への通電経路となる電気経路部と、を備え、
前記発熱部、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部は、
前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で前記第1の板面上に設けられ、
前記発熱部の抵抗値は、
前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部よりも高く、
前記基板は、
可撓性を有する材料によって構成され、前記基板の長手方向に直交する折り返し線を基準として前記第1の板面が医療用ヒータの外表面を構成する状態で折り返されている医療用ヒータ。
【請求項2】
前記発熱部は、
ステンレス鋼、ニッケル、またはニッケル合金によって構成されている、請求項1に記載の医療用ヒータ。
【請求項3】
前記電気経路部は、
前記折り返し線を跨ぐ状態で設けられているとともに、ニッケルを含む材料によって構成され、
前記不動態被膜は、
前記発熱部の表面の少なくとも一部と、前記電気経路部における前記発熱部と接続する発熱側端部の表面とをそれぞれ覆う、請求項に記載の医療用ヒータ。
【請求項4】
電気絶縁性を有する材料によって構成され、前記電気経路部のうち前記発熱側端部以外の領域を覆うカバー部材をさらに備える、請求項に記載の医療用ヒータ。
【請求項5】
生体組織を処置する処置面と、前記処置面と表裏をなす設置面とを有する処置部材と、
前記処置部材を加熱する医療用ヒータと、を備え、
前記医療用ヒータは、
電気絶縁性を有する材料によって構成され、互いに表裏をなす第1の板面及び第2の板面を有する基板と、
ニッケルを含む材料によって構成され、通電によって発熱する発熱部と、
フッ化ニッケルによって構成され、前記発熱部の表面の少なくとも一部を覆う不動態被膜と、
配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、
前記発熱部への通電経路となる電気経路部と、を備え、
前記発熱部、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部は、
前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で前記第1の板面上に設けられ、
前記発熱部の抵抗値は、
前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部よりも高く、
前記基板は、
可撓性を有する材料によって構成され、前記基板の長手方向に直交する折り返し線を基準として前記第1の板面が前記医療用ヒータの外表面を構成する状態で折り返されるとともに、前記発熱部が前記設置面に対向する状態で設置される処置具。
【請求項6】
電気絶縁性を有する材料によって構成され、前記第1の板面と前記設置面とを接着する接着シートをさらに備える、請求項に記載の処置具。
【請求項7】
基板における第1の板面上に、ニッケルを含む材料によって構成され通電によって発熱する発熱部と、配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、前記発熱部への通電経路となる電気経路部とを、前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で形成し、
フッ素を含むガスの雰囲気中で前記発熱部の表面の少なくとも一部の表面改質を行うことによって、当該発熱部の表面の少なくとも一部に対してフッ化ニッケルによって構成された不動態被膜を形成する処置具の製造方法。
【請求項8】
前記基板の長手方向に直交する折り返し線を基準として前記第1の板面が外表面を構成する状態で前記基板を折り返すとともに、生体組織を処置する処置部材における設置面に対して前記発熱部が対向する状態で前記処置部材に対して前記基板を設置する、請求項に記載の処置具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ヒータ、処置具、及び処置具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体組織における処置の対象となる部位(以下、対象部位と記載)に対してエネルギを付与することによって当該対象部位を処置する処置具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の処置具は、対象部位を把持する第1,第2の把持部材を備える。当該第1,第2の把持部材の一方には、通電によって発熱する発熱部を有する医療用ヒータと、一対の把持部材によって対象部位を把持した際に当該対象部位に対して接触する処置部材とが設けられている。そして、当該処置具では、処置部材を経由することによって、第1,第2の把持部材によって把持された対象部位に対して医療用ヒータからの熱を伝達させる。これによって、対象部位は、処置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-348820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医療用ヒータは、一般的に、処置具に対して電気的に接続され、当該医療用ヒータに対して電力を供給する制御装置によって、以下に示すように制御される。
すなわち、制御装置は、医療用ヒータに対して供給している電流値及び電圧値から、発熱部の抵抗値(以下、ヒータ抵抗と記載)を計測する。ここで、制御装置は、予め測定された抵抗温度特性を参照する。なお、抵抗温度特性は、ヒータ抵抗と発熱部の温度(以下、ヒータ温度と記載)との関係を示す特性である。そして、制御装置は、ヒータ温度を目標温度に制御するために、医療用ヒータに対して供給する電力を変更しながら、ヒータ抵抗を抵抗温度特性における当該目標温度に対応する目標抵抗値に制御する。
以上のような制御において、処置具の使用に応じて抵抗温度特性が予め測定された特性から変化した場合には、ヒータ温度を目標温度に制御することができなくなる。
【0005】
ここで、処置具の使用に応じた発熱部の腐食または酸化や発熱部における錆の発生は、抵抗温度特性が変化する要因となる。
特許文献1に記載の医療用ヒータでは、窒化シリコーン膜によって構成された保護膜によって発熱部の表面を覆っている。そして、当該窒化シリコーン膜を比較的に厚く形成すれば、処置具の使用に応じた発熱部の腐食または酸化や発熱部における錆の発生を抑制することができる。しかしながら、当該窒化シリコーン膜が発熱部と処置部材との間に配置される構成を採用した場合には、厚み寸法の大きい窒化シリコーン膜によって、発熱部から処置部材への熱伝導性が悪くなり、対象部位の処置性能が低下してしまう、という問題がある。また、当該窒化シリコーン膜を形成するにあたって、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition)を用いる必要がある。すなわち、特殊な装置が必要となり、医療用ヒータの製造コストが高騰してしまう、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象部位の処置性能を低下させることなく、低い製造コストによって発熱部における抵抗温度特性の変化を抑制することができる医療用ヒータ、処置具、及び処置具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る医療用ヒータは、ニッケルを含む材料によって構成され、通電によって発熱する発熱部と、フッ化ニッケルによって構成され、前記発熱部の表面の少なくとも一部を覆う不動態被膜と、電気絶縁性を有する材料によって構成され、互いに表裏をなす第1の板面及び第2の板面を有する基板と、配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、前記発熱部への通電経路となる電気経路部と、を備え、前記発熱部、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部は、前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で前記第1の板面上に設けられ、前記発熱部の抵抗値は、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部よりも高く、前記基板は、可撓性を有する材料によって構成され、前記基板の長手方向に直交する折り返し線を基準として前記第1の板面が前記医療用ヒータの外表面を構成する状態で折り返されている
【0008】
本発明に係る処置具は、生体組織を処置する処置面と、前記処置面と表裏をなす設置面とを有する処置部材と、前記処置部材を加熱する医療用ヒータと、を備え、前記医療用ヒータは、電気絶縁性を有する材料によって構成され、互いに表裏をなす第1の板面及び第2の板面を有する基板と、ニッケルを含む材料によって構成され、通電によって発熱する発熱部と、フッ化ニッケルによって構成され、前記発熱部の表面の少なくとも一部を覆う不動態被膜と、配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、前記発熱部への通電経路となる電気経路部と、を備え、前記発熱部、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部は、前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で前記第1の板面上に設けられ、前記発熱部の抵抗値は、前記第1の接続部、前記第2の接続部、及び前記電気経路部よりも高く、前記基板は、可撓性を有する材料によって構成され、前記基板の長手方向に直交する折り返し線を基準として前記第1の板面が前記医療用ヒータの外表面を構成する状態で折り返されるとともに、前記発熱部が前記設置面に対向する状態で設置される。
【0009】
本発明に係る処置具の製造方法は、基板における第1の板面上に、ニッケルを含む材料によって構成され通電によって発熱する発熱部と、配線部材がそれぞれ電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、前記発熱部への通電経路となる電気経路部とを、前記第1の接続部、前記発熱部、前記電気経路部、及び前記第2の接続部の順に前記基板の長手方向に沿って直列に接続する状態で形成し、フッ素を含むガスの雰囲気中で前記発熱部の表面の少なくとも一部の表面改質を行うことによって、当該発熱部の表面の少なくとも一部に対してフッ化ニッケルによって構成された不動態被膜を形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る医療用ヒータ、処置具、及び処置具の製造方法によれば、対象部位の処置性能を低下させることなく、低い製造コストによって発熱部における抵抗温度特性の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態1に係る処置システムを示す図である。
図2図2は、把持部を示す図である。
図3図3は、把持部を示す図である。
図4図4は、医療用ヒータを示す図である。
図5図5は、医療用ヒータを示す図である。
図6図6は、処置具の製造方法を示すフローチャートである。
図7図7は、処置具の製造方法を説明する図である。
図8図8は、実施の形態2に係る医療用ヒータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0013】
(実施の形態1)
〔処置システムの概略構成〕
図1は、本実施の形態1に係る処置システム1を示す図である。
処置システム1は、生体組織における処置の対象となる部位(以下、対象部位と記載)に対して熱エネルギを付与することによって、当該対象部位を処置する。ここで、当該処置とは、例えば、対象部位の凝固及び切開を意味する。この処置システム1は、図1に示すように、処置具2と、制御装置3と、フットスイッチ4とを備える。
【0014】
〔処置具の構成〕
処置具2は、例えば、腹壁を通した状態で対象部位を処置するための外科医療用処置具である。この処置具2は、図1に示すように、ハンドル5と、シャフト6と、把持部7とを備える。
ハンドル5は、術者が手で持つ部分である。そして、このハンドル5には、図1に示すように、操作ノブ51が設けられている。
シャフト6は、略円筒形状を有する。なお、以下では、シャフト6の中心軸Axに沿う一方側を先端側Ar1(図1)と記載し、他方側を基端側Ar2(図1)と記載する。そして、シャフト6は、基端側Ar2の一部がハンドル5の先端側Ar1から当該ハンドル5の内部に挿入されることによって、当該ハンドル5に対して取り付けられる。そして、このシャフト6の内部には、術者による操作ノブ51の操作に応じて、中心軸Axに沿って進退移動する可動部材61(図1)が配設されている。また、電気ケーブルC(図1)は、一端が制御装置3に対して接続され、ハンドル5及びシャフト6の内部を経由することによって、他端側が把持部7まで配設されている。
【0015】
〔把持部の構成〕
図2及び図3は、把持部7を示す図である。具体的に、図2は、中心軸Axに沿う平面によって把持部7を切断した断面図である。図3は、中心軸Axに直交する平面によって把持部7を切断した断面図である。
把持部7は、対象部位を把持した状態で当該対象部位を処置する部分である。この把持部7は、図1ないし図3に示すように、第1,第2の把持部材8,9を備える。
第1,第2の把持部材8,9は、術者による操作ノブ51の操作に応じて、矢印Y1(図1)方向に開閉可能とする。
【0016】
〔第1の把持部材の構成〕
第1の把持部材8は、第2の把持部材9に対して図2及び図3中、下方側に配設されている。この第1の把持部材8は、図2または図3に示すように、支持部材10と、断熱部材11と、処置部材12と、医療用ヒータ13とを備える。
支持部材10は、把持部7の先端及び基端を結ぶ長手方向(図2中、左右方向(中心軸Axに沿う方向))に延在する長尺形状を有し、一端がシャフト6における先端側Ar1の端部に固定されている。そして、支持部材10は、図2及び図3中、上方側の面によって、断熱部材11、処置部材12、及び医療用ヒータ13を支持する。
以上説明した支持部材10を構成する材料としては、ステンレス鋼やチタン等の金属材料を例示することができる。
【0017】
断熱部材11は、把持部7の長手方向に延在する長尺形状を有し、支持部材10における図2及び図3中、上方側の面に固定されている。
この断熱部材11において、図2及び図3中、上方側の面には、当該断熱部材11の基端から先端側Ar1に向けて延在した凹部111が形成されている。そして、断熱部材11は、凹部111内において、処置部材12及び医療用ヒータ13を支持する。
以上説明した断熱部材11を構成する材料としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の低い熱伝導率を有する樹脂材料等を例示することができる。すなわち、処置部材12及び医療用ヒータ13と支持部材10との間に熱伝導率の低い断熱部材11を配設することによって、医療用ヒータ13からの熱を効率よく処置部材12に伝達することが可能となる。
【0018】
処置部材12は、把持部7の長手方向に延在する長尺形状を有し、凹部111内に固定されている。
この処置部材12において、図2及び図3中、上方側の面は、第1,第2の把持部材8,9によって対象部位を把持した状態で、当該対象部位に対して接触する。すなわち、当該面は、当該対象部位に対して熱エネルギを付与する処置面121(図2図3)として機能する。なお、「対象部位に対して熱エネルギを付与する」とは、医療用ヒータ13からの熱を対象部位に伝達することを意味する。本実施の形態1では、処置面121は、対象部位を把持する閉状態に第1,第2の把持部材8,9を設定した場合に、当該第1,第2の把持部材8,9における互いに対向する方向A1(図2図3)に対して直交する平坦面によって構成されている。
本実施の形態1では、処置面121は、平坦面によって構成されているが、これに限らず、凸形状、凹形状等のその他の形状によって構成しても構わない。後述する把持面91も同様である。
【0019】
また、処置部材12において、処置面121と表裏をなす設置面122には、当該処置部材12の基端から先端まで延在した凹部123(図2図3)が形成されている。そして、処置部材12は、凹部123の底面によって、医療用ヒータ13を支持する。
以上説明した処置部材12を構成する材料としては、高熱伝導性の銅、銀、アルミニウム、モリブデン、タングステン、グラファイト、あるいはそれらの複合材料を例示することができる。
【0020】
図4及び図5は、医療用ヒータ13を示す図である。具体的に、図4は、基板14を折り返す前の状態の医療用ヒータ13を基板14における第1の板面14a側から見た図である。図5は、基板14を折り返した後の状態の医療用ヒータ13を基板14の幅方向(図3中、左右方向)に直交する平面によって切断した断面図である。
医療用ヒータ13は、通電によって一部が発熱するシートヒータである。この医療用ヒータ13は、図4または図5に示すように、基板14と、導電部15と、不動態被膜16(図5)とを備える。
【0021】
基板14は、ポリイミド等の電気絶縁性を有する樹脂材料によって構成されたシート状のフレキシブル基板である。この基板14は、長尺状に形成され、長手方向(図4中、左右方向)の両端にそれぞれ位置する第1,第2の幅広部141,142と、当該第1,第2の幅広部141,142間に位置するとともに、当該第1,第2の幅広部141,142を接続する幅狭部143とを備える。
ここで、幅狭部143は、その幅寸法(図4中、上下方向の長さ寸法)が長手方向に沿って略均一に設定されている。また、幅狭部143における幅寸法は、第1,第2の幅広部141,142よりも小さく設定されている。
【0022】
導電部15は、基板14における互いに表裏をなす第1の板面14a(図4図5)及び第2の板面14b(図5)のうち第1の板面14a上に、蒸着やスパッタ等で成膜した金属薄膜をフォトリソグラフィーによってパターンニングすることで形成されている。この導電部15は、図4または図5に示すように、第1,第2の接続部151,152と、発熱部153と、電気経路部154とを備える。
第1,第2の接続部151,152は、図4に示すように、第1,第2の幅広部141,142にそれぞれ設けられている。そして、第1,第2の接続部151,152には、電気ケーブルCを構成する一対のリード線C1(図5)がそれぞれ電気的に接続される。
【0023】
発熱部153は、一端が第1の接続部151に対して接続するとともに、他端側が第2の接続部152側に向けて、例えば、波状に蛇行しながら延在する。なお、発熱部153は、波状に蛇行しながら延在する形状に限らず、第1の接続部151から第2の接続部152側に向けて直線状に延在する形状としても構わない。
電気経路部154は、発熱部153への通電経路となる部分であり、一端が発熱部153の他端に対して接続するとともに、他端側が第2の接続部152側に向けて直線状に延在する。ここで、電気経路部154において、発熱部153に対して接続する一端は、本発明に係る発熱側端部154a(図4図5)に相当する。そして、電気経路部154は、他端が第2の接続部152に対して接続される。
すなわち、第1,第2の接続部151,152、発熱部153、及び電気経路部154は、基板14の長手方向に沿って、第1の接続部151、発熱部153、電気経路部154、及び第2の接続部152の順に直列に接続する状態で第1の板面14a上に設けられている。
【0024】
そして、発熱部153の抵抗値は、第1,第2の接続部151,152、発熱部153、及び電気経路部154を所定の全長及び断面積にそれぞれ設定することによって、第1,第2の接続部151,152及び電気経路部154よりも高く設定されている。このため、制御装置3による制御の下、一対のリード線C1を経由することによって、第1,第2の接続部151,152に対して電圧が印加されると、発熱部153が主に発熱する。
以上説明した導電部15を構成する材料としては、ニッケルを含む材料、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、またはニッケル合金を例示することができる。なお、少なくとも発熱部153についてニッケルを含む材料によって構成すれば、第1,第2の接続部151,152及び電気経路部154は、発熱部153と異なる材料によって構成しても構わない。
【0025】
不動態被膜16は、フッ化ニッケルによって構成され、図5に示すように、導電部15の表面の一部を覆う。具体的に、不動態被膜16は、発熱側端部154aの表面を覆うとともに、当該発熱側端部154aの表面上から第1の接続部151側に延在し、発熱部153の表面の一部を覆う。
【0026】
以上説明した医療用ヒータ13は、基板14を折り返した状態で、接着シート17(図3)によって凹部123の底面に対して固定される。
ここで、接着シート17は、凹部123の底面と医療用ヒータ13との間に位置し、当該底面と医療用ヒータ13とを接着する。この接着シート17としては、熱伝導率が高く、かつ、高温に耐え、接着性を有する材料、例えば、エポキシ樹脂に、アルミナや窒化アルミニウム等の熱伝導率の高いセラミックが混合されることによって形成されている。
基板14は、その長手方向に直交するとともに当該長手方向の略中央に位置する折り返し線Ln(図4)を基準として、図5に示すように、第1の板面14aが医療用ヒータ13の外表面を構成する状態で折り返される。言い換えれば、基板14は、折り返し線Lnを基準として、第2の板面14bが内側に位置する状態で折り返される。この状態では、第1,第2の幅広部141,142同士が互いに対向する。なお、折り返し線Lnとしては、基板14の長手方向に対して厳密に直交するもののみに限らず、所定の角度の範囲において、当該長手方向に対して交差するものも含むものである。
【0027】
以下では、説明の便宜上、折り返し線Lnに対して第1の接続部151側の領域を処置側領域Sp1とし、折り返し線Lnに対して第2の接続部152側の領域を背面側領域Sp2とする。
電気経路部154は、図4に示すように、折り返し線Lnを跨ぐ状態で設けられている。このため、処置側領域Sp1には、第1の接続部151と、発熱部153と、発熱側端部154aとが位置する。また、背面側領域Sp2には、第2の接続部152と、電気経路部154のうち発熱側端部154a以外の領域とが位置する。
そして、基板14は、上述したように折り返し線Lnを基準として折り返されるとともに、処置側領域Sp1が凹部123の底面に対向する状態で接着シート17によって当該底面に対して固定される。
【0028】
〔第2の把持部材の構成〕
第2の把持部材9は、把持部7の長手方向に延在する長尺形状を有する。そして、第2の把持部材9は、基端側Ar2が支点P1(図1図2)を中心としてシャフト6に対して回動可能に軸支されている。また、第2の把持部材9は、基端側Ar2が支点P2(図1図2)を中心として可動部材61に対して回動可能に軸支されている。すなわち、第2の把持部材9は、術者による操作ノブ51への操作に応じて可動部材61が中心軸Axに沿って進退移動すると、支点P1を中心として回動する。これによって、第2の把持部材9は、第1の把持部材8に対して開閉する。
ここで、第2の把持部材9において、図2中、下方側の面は、処置面121との間で対象部位を把持する把持面91として機能する。本実施の形態1では、把持面91は、方向A1に直交する平坦面によって構成されている。
【0029】
なお、本実施の形態1では、第1の把持部材8(支持部材10)がシャフト6に対して固定され、第2の把持部材9がシャフト6に対して軸支された構成としているが、これに限らない。例えば、第1,第2の把持部材8,9の双方がシャフト6に対して軸支され、それぞれ回動することによって第1,第2の把持部材8,9が開閉する構成を採用しても構わない。また、例えば、第1の把持部材8がシャフト6に対して軸支され、第2の把持部材9がシャフト6に対して固定され、第1の把持部材8が回動することによって第2の把持部材9に対して開閉する構成を採用しても構わない。
【0030】
〔制御装置及びフットスイッチの構成〕
フットスイッチ4は、術者が足によって操作する部分である。そして、フットスイッチ4への当該操作に応じて、制御装置3による処置制御が実行される。
なお、当該処置制御を実行させる手段としては、フットスイッチ4に限らず、その他、手によって操作するスイッチ等を採用しても構わない。
制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)等を含んで構成され、所定のプログラムにしたがって、処置具2を動作させることによって対象部位を処置する処置制御を実行する。
【0031】
〔処置システムの動作〕
次に、上述した処置システム1の動作について説明する。
術者は、処置具2を手で持ち、当該処置具2の先端部分(把持部7及びシャフト6の一部)を、例えば、トロッカ等を用いて腹壁を通してから腹腔内に挿入する。また、術者は、操作ノブ51を操作する。そして、術者は、把持部7によって対象部位を把持する。この後、術者は、フットスイッチ4を操作する。そして、制御装置3は、以下に示す処置制御を実行する。
制御装置3は、一対のリード線C1を経由することによって、第1,第2の接続部151,152に対して電圧を印加する。ここで、制御装置3は、導電部15に対して供給している電圧値及び電流値から例えば電圧降下法を用いて導電部15の抵抗値(以下、ヒータ抵抗と記載)を計測する。また、制御装置3は、予め測定された抵抗温度特性を参照する。なお、抵抗温度特性は、ヒータ抵抗と発熱部153の温度(以下、ヒータ温度と記載)との関係を示す特性である。そして、制御装置3は、導電部15に対して供給する電力を変更しながら、当該ヒータ抵抗を当該抵抗温度特性における目標温度に対応する目標抵抗値に制御する。これによって、ヒータ温度は、目標温度に制御される。すなわち、目標温度に制御された発熱部153からの熱が処置部材12を経由することによって対象部位に伝達される。
以上の処置制御によって、対象部位は、凝固しつつ切開される。
【0032】
〔処置具の製造方法〕
次に、上述した処置具2の製造方法について説明する。
図6は、処置具2の製造方法を示すフローチャートである。図7は、処置具2の製造方法を説明する図である。具体的に、図7は、図4に対応した図である。
先ず、作業者は、基板14における第1の板面14a上に、スパッタリング等によって、導電部15を形成する(工程S1)。
工程S1の後、作業者は、テープ等を用いて、不動態被膜16を設ける領域以外の領域をマスキングする(工程S2)。なお、図7では、説明の便宜上、当該マスキングした領域MAを斜め線によって表現している。
【0033】
工程S2の後、作業者は、フッ素を含むガスの雰囲気中に基板14を置くとともに所定の温度に加熱することによって、導電部15の表面において、マスキングした領域MA以外の領域の表面改質を行う(工程S3)。これによって、当該マスキングした領域MA以外の領域、すなわち、発熱部153の表面の一部と発熱側端部154aの表面とには、フッ化ニッケルによって構成された不動態被膜16が形成される。この後、作業者は、工程S2におけるマスキングに利用したテープ等を除去する。
工程S3の後、作業者は、図5に示すように、折り返し線Lnを基準として第1の板面14aが外表面を構成する状態で基板14を折り返す。また、作業者は、当該折り返し線Lnが先端側Ar1に位置する姿勢で、かつ、処置側領域Sp1が凹部123の底面に対向する状態で、接着シート17によって当該底面に対して医療用ヒータ13を固定する(工程S4)。
【0034】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係る医療用ヒータ13では、発熱部153は、ニッケルを含む材料によって構成されている。また、発熱部153の表面の一部は、フッ化ニッケルによって構成された不動態被膜16によって覆われている。
ここで、処置具2の使用に応じて、医療用ヒータ13の一部が凹部123の底面から剥がれることによって、第1の板面14aにおける処置側領域Sp1の一部が凹部123内において露出した状態となった場合を想定する。この場合であっても、発熱部153の表面の一部が不動態被膜16によって覆われているため、予め測定された抵抗温度特性が変化する要因となる発熱部153の腐食または酸化や発熱部153における錆の発生を抑制することができる。すなわち、処置具2を長期間、使用した場合であっても、当該予め測定された抵抗温度特性を用いることによって、ヒータ温度を目標温度に制御することができる。
【0035】
特に、発熱部153は、ニッケルを含む材料によって構成されている。また、不動態被膜16は、フッ化ニッケルによって構成されている。
このため、フッ素を含む雰囲気中に発熱部153の表面の一部を晒して所定の熱を加えれば、不動態被膜16は、当該発熱部153の表面改質によって形成される。すなわち、不動態被膜16を形成するにあたって、特殊な装置が不要となり、医療用ヒータ13の製造コストを低下させることができる。また、不動態被膜16が発熱部153の表面改質によって形成されているので、当該不動態被膜16を緻密な膜とすることができるとともに、当該不動態被膜16の厚み寸法を極めて小さくすることができる。このため、当該不動態被膜16によって、発熱部153から処置部材12への熱伝導性が悪くなることがない。すなわち、対象部位の処置性能を低下させることがない。
【0036】
また、導電部15は、基板14の長手方向に沿って、第1の接続部151、発熱部153、電気経路部154、及び第2の接続部152の順に直列に接続する状態で第1の板面14a上に設けられている。さらに、基板14は、折り返し線Lnを基準として第1の板面14aが医療用ヒータ13の外表面を構成する状態で折り返される。そして、医療用ヒータ13は、処置側領域Sp1が凹部123の底面に対向する状態で、接着シート17によって当該底面に対して固定される。すなわち、導電部15における処置側領域Sp1と導電部15における背面側領域Sp2との間には、電気絶縁性を有する基板14が存在する。
このため、導電部15における処置側領域Sp1と導電部15における背面側領域Sp2との間で短絡が生じることを防止することができる。
【0037】
ところで、例えば、US2015/0327909A1に開示された医療用ヒータでは、導電部を構成する第1,第2の接続部は、基板における基端側において、当該基板の幅方向に並設されている。また、導電部を構成する発熱部は、基端側から先端側に向けて延在するとともに、先端側において折り返し、基端側に向けて延在する略U字形状を有する。そして、当該発熱部の両端は、第1,第2の接続部に対してそれぞれ導通する。すなわち、導電部は、基板の幅方向に並列した2本の電気経路を有する。このように構成した場合において、当該2本の電気経路の短絡を防止するためには、当該2本の電気経路を十分に離間する必要がある。すなわち、基板の幅寸法が大きくなってしまう。
これに対して、本実施の形態1に係る医療用ヒータ13では、導電部15は、基板14の長手方向(図4中、左右方向)に沿って延在した構成である。そして、基板14が折り返し線Lnを基準として折り返されることによって、当該導電部15における処置側領域Sp1と当該導電部15における背面側領域Sp2とが方向A1に並列する。すなわち、上述したように基板14の幅方向に2本の電気経路を並列する必要がなく、基板14の幅寸法を小さくすることができる。
【0038】
また、本実施の形態1に係る医療用ヒータ13では、電気経路部154は、折り返し線Lnを跨ぐ状態で設けられている。すなわち、基板14が折り返し線Lnを基準として折り返された状態では、電気経路部154が折り返されることとなる。ここで、電気経路部154は、発熱部153と比較して、断面積が大きく設定されている。このため、発熱部153が折り返された場合と比較して、導電部15の断線を抑制することができ、当該導電部15の耐久性を十分に確保することができる。
【0039】
また、本実施の形態1に係る医療用ヒータ13では、不動態被膜16は、発熱部153の表面の他、電気経路部154における発熱側端部154aの表面も覆う。ここで、発熱側端部154aは、発熱部153に対して接続する部分であるため、高温になり易い。すなわち、処置具2の使用に応じて、発熱側端部154aの腐食または酸化や発熱側端部154aにおける錆の発生が生じ易い。
このため、発熱側端部154aの表面を不動態被膜16によって覆うことによって、予め測定された抵抗温度特性が変化する要因となる発熱側端部154aの腐食または酸化や発熱側端部154aにおける錆の発生を抑制することができる。すなわち、処置具2を長期間、使用した場合であっても、予め測定された抵抗温度特性を用いることによって、ヒータ温度を目標温度に制御することができる。
【0040】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、本実施の形態2に係る医療用ヒータ13Aを示す図である。具体的に、図8は、図5に対応した図である。
本実施の形態2に係る医療用ヒータ13Aは、図8に示すように、上述した実施の形態1で説明した医療用ヒータ13に対して、カバー部材18を追加した点が異なる。
【0041】
カバー部材18は、基板14における第1の板面14a上において、折り返し線Lnを跨ぐ状態で設けられている。具体的に、カバー部材18は、不動態被膜16から第2の接続部152側に向けて所定の隙間を空けた位置から第2の接続部152側に延在し、電気経路部154の表面を覆う。すなわち、カバー部材18は、電気経路部154のうち発熱側端部154a以外の領域を覆う。
以上説明したカバー部材18としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、カバーレイ、シーリング材、または、ポリイミドの溶融層等を例示することができる。
【0042】
以上説明した本実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態2に係る医療用ヒータ13Aには、カバー部材18が設けられている。
このため、カバー部材18によって、導電部15における背面側領域Sp2の水密性を向上させることができる。また、カバー部材18が電気絶縁性を有するため、凹部111内に液体が浸入した場合であっても、導電部15における処置側領域Sp1と導電部15における背面側領域Sp2との間で短絡が生じることを防止することができる。
また、カバー部材18は、電気経路部154のうち発熱側端部154a以外の領域を覆う。すなわち、高温になり易い発熱側端部154aを避けた位置にカバー部材18が設けられているため、当該カバー部材18が高温になることがなく、第1の板面14aから当該カバー部材18が剥がれてしまうことを回避することができる。
【0043】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1,2によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1,2では、本発明に係る医療用ヒータ13,13Aを構成する基板14をポリイミド等の樹脂材料によって構成していたが、これに限らず、セラミック基板を採用しても構わない。当該セラミック基板を採用した場合には、対象部位に対して接触する処置面を当該セラミック基板に設けても構わない。
【0044】
上述した実施の形態1,2では、対象部位に対して熱エネルギを付与する構成を採用していたが、これに限らず、熱エネルギに加えて高周波エネルギや超音波エネルギを付与する構成を採用しても構わない。なお、「対象部位に対して高周波エネルギを付与する」とは、対象部位に対して高周波電流を流すことを意味する。また、「対象部位に対して超音波エネルギを付与する」とは、対象部位に対して超音波振動を付与することを意味する。
【0045】
上述した実施の形態1,2では、第1の把持部材8にのみ本発明に係る医療用ヒータ13,13Aを設けていたが、これに限らず、第1,第2の把持部材8,9の双方に本発明に係る医療用ヒータ13,13Aを設けても構わない。
【符号の説明】
【0046】
1 処置システム
2 処置具
3 制御装置
4 フットスイッチ
5 ハンドル
6 シャフト
7 把持部
8 第1の把持部材
9 第2の把持部材
10 支持部材
11 断熱部材
12 処置部材
13,13A 医療用ヒータ
14 基板
14a 第1の板面
14b 第2の板面
15 導電部
16 不動態被膜
17 接着シート
18 カバー部材
51 操作ノブ
61 可動部材
91 把持面
111 凹部
121 処置面
122 設置面
123 凹部
141 第1の幅広部
142 第2の幅広部
143 幅狭部
151 第1の接続部
152 第2の接続部
153 発熱部
154 電気経路部
154a 発熱側端部
A1 方向
Ar1 先端側
Ar2 基端側
Ax 中心軸
C 電気ケーブル
C1 リード線
Ln 折り返し線
MA マスキングした領域
P1,P2 支点
Sp1 処置側領域
Sp2 背面側領域
Y1 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8