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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/482 20110101AFI20221118BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20221118BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20221118BHJP
【FI】
H04N21/482
H04N21/431
G06F3/04842
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020566475
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001307
(87)【国際公開番号】W WO2020149366
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2019006063
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 ゆりか
(72)【発明者】
【氏名】河村 大輔
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-124606(JP,A)
【文献】特開2016-225967(JP,A)
【文献】特開2015-186250(JP,A)
【文献】国際公開第2008/090859(WO,A1)
【文献】特開2003-250146(JP,A)
【文献】特開2017-121021(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099392(WO,A1)
【文献】特開2011-044936(JP,A)
【文献】特開2014-226359(JP,A)
【文献】特開2010-066790(JP,A)
【文献】国際公開第2012/096013(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06F 13/00
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示部と、
前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示部と、
を含み、
前記配信状況情報提示部は、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示するとともに、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像を配信する配信ユーザーを表すユーザー画像を表示し、
前記複数の配信映像のいずれかが選択状態になった場合に、当該選択状態になった配信映像に関連づけられた前記ユーザー画像が表示されていた位置に、当該ユーザー画像に代えて、当該配信映像を配信中の前記配信ユーザーを撮影して得られるユーザー映像を再生表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記配信状況情報提示部は、前記単位画像の大きさをランダムに変化させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記配信状況情報提示部は、前記複数の配信映像の少なくとも一つの配信状況に関する配信状況情報に含まれる前記単位画像として、当該配信映像を視聴するいずれかの視聴者に対応づけられたユーザー画像を複数含む視聴者画像を表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記配信状況情報提示部は、前記配信状況情報として、対応する配信映像に対してコメントが投稿されたことを示すコメント画像を、当該コメントが投稿されたタイミングに応じたタイミングで表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示ステップと、
前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示ステップと、
を含み、
前記配信状況情報提示ステップでは、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示するとともに、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像を配信する配信ユーザーを表すユーザー画像を表示し、
前記複数の配信映像のいずれかが選択状態になった場合に、当該選択状態になった配信映像に関連づけられた前記ユーザー画像が表示されていた位置に、当該ユーザー画像に代えて、当該配信映像を配信中の前記配信ユーザーを撮影して得られるユーザー映像を再生表示するステップをさらに含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示ステップと、
前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記配信状況情報提示ステップでは、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示するとともに、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像を配信する配信ユーザーを表すユーザー画像を表示し、
前記複数の配信映像のいずれかが選択状態になった場合に、当該選択状態になった配信映像に関連づけられた前記ユーザー画像が表示されていた位置に、当該ユーザー画像に代えて、当該配信映像を配信中の前記配信ユーザーを撮影して得られるユーザー映像を再生表示するステップをさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他者が配信する映像を表示する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば家庭用ゲーム機などの情報処理装置は、他者がリアルタイムで配信するゲームのプレイ動画などの映像を受信し、表示することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した情報処理装置は、複数の配信映像の中からユーザーに所望の配信映像を選択させるために、複数の配信映像を選択候補として提示することがある。このような配信映像をユーザーが選択する際には、単に配信中の映像の内容だけで選択するわけではなく、配信映像が視聴者の間でどの程度盛り上がっているかなど、その配信映像の配信状況も選択に影響する要素となる。そのため、配信映像の配信状況をユーザーがより容易に把握することのできるユーザーインターフェースが望まれている。
【0004】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、選択候補となる複数の配信映像をユーザーに提示する場合において、配信映像の配信状況をユーザーがより把握しやすくすることのできる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示部と、前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示部と、を含み、前記配信状況情報提示部は、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示することを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示ステップと、前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示ステップと、を含み、前記配信状況情報提示ステップでは、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示することを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、複数の配信映像を選択候補として含む配信映像選択画面をユーザーに提示する配信映像選択画面提示ステップと、前記配信映像選択画面内において、前記複数の配信映像のそれぞれに関連づけて、当該配信映像の配信状況に関する配信状況情報を提示する配信状況情報提示ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記配信状況情報提示ステップでは、前記配信状況情報として、対応する配信映像を視聴する視聴者の数に応じて決まる数の単位画像を含む視聴者画像を、当該配信映像を表す画像の周囲に表示するプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能で非一時的な情報記憶媒体に格納されて提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置であるクライアント装置を含む情報処理システムの構成ブロック図である。
図2】クライアント装置の機能ブロック図である。
図3】配信映像選択画面の一例を示す図である。
図4】配信映像のプレビュー映像が表示された画面の一例を示す図である。
図5】配信映像のプレビュー映像が表示された状態においてコメントが投稿された際の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置であるクライアント装置10を含む情報処理システム1の全体概要を示す構成ブロック図である。同図に示されるように、情報処理システム1は、複数のクライアント装置10と、サーバ装置20と、を含んで構成されている。
【0011】
各クライアント装置10は、例えば家庭用ゲーム機やパーソナルコンピューター、スマートホン等の情報処理装置であって、他者に映像を配信したり、他者が配信する映像を視聴したりするために用いられる。なお、以下では説明の便宜のため、複数のクライアント装置10のそれぞれを使用するユーザーのうち、他者に映像の配信を行うユーザーを配信ユーザーと表記する。また、他者が配信する映像を視聴するユーザーを視聴ユーザーと表記する。図1に示されるように、クライアント装置10は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13と、を含んで構成される。また、操作デバイス14、及び表示装置15と接続されている。
【0012】
制御部11は、CPU等のプロセッサを少なくとも一つ含み、記憶部12に記憶されているプログラムを実行して各種の情報処理を実行する。なお、本実施形態において制御部11が実行する処理の具体例については、後述する。記憶部12は、RAM等のメモリデバイスを少なくとも一つ含み、制御部11が実行するプログラム、及び当該プログラムによって処理されるデータを格納する。
【0013】
インタフェース部13は、操作デバイス14、及び表示装置15との間のデータ通信のためのインタフェースである。クライアント装置10は、インタフェース部13を介して有線又は無線のいずれかで操作デバイス14、及び表示装置15のそれぞれと接続される。具体的にインタフェース部13は、クライアント装置10が供給する映像データを表示装置15に送信するために、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のマルチメディアインタフェースを含むこととする。また、操作デバイス14が受け付けたユーザーの操作内容を示す操作信号を受信するために、USB(Universal Serial Bus)等のデータ通信インタフェースを含んでいる。
【0014】
さらに本実施形態において、インタフェース部13は、インターネット等の通信ネットワーク経由で他の情報処理装置とデータを送受信するために、LAN等の通信インタフェースを含むこととする。このインタフェース部13を介して、クライアント装置10は、他のクライアント装置10、及びサーバ装置20と通信接続される。
【0015】
操作デバイス14は、例えば家庭用ゲーム機の専用コントローラなどであって、ユーザーからの操作指示を受け付け、その内容を示す操作信号をクライアント装置10に送信する。
【0016】
表示装置15は、クライアント装置10から送信される映像信号に応じた映像を表示して、ユーザーに閲覧させる。表示装置15は、家庭用テレビ受像機などの据え置き型表示装置であってよい。また、ユーザーが頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。
【0017】
サーバ装置20は、各クライアント装置10と通信接続されるサーバコンピュータである。本実施形態においてサーバ装置20は、各クライアント装置10による映像の配信を管理する。具体的にサーバ装置20は、情報処理システム1が提供するサービスを利用する各ユーザーからの登録を受け付けて、その情報を管理する。そして、各クライアント装置10のユーザーが映像を配信しようとする場合に、その配信映像を受信し、閲覧を要求するクライアント装置10に配信する。
【0018】
次に、各クライアント装置10が実現する機能について、図2を用いて説明する。図2に示すように、クライアント装置10は、機能的に、映像配信部51と、配信映像選択画面提示部52と、配信映像提示部53と、配信状況情報提示部54と、を含んでいる。これらの機能は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。このプログラムは、インターネット等の通信ネットワークを介してクライアント装置10に提供されてもよいし、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
【0019】
映像配信部51は、そのクライアント装置10から他のクライアント装置10へ向けた映像の配信を実現する。本実施形態において映像配信部51は、ゲームのプレイ状況を示す映像を配信することとする。具体的に、クライアント装置10がゲームプログラムを実行して配信ユーザーがゲームをプレイしている間に、映像配信部51は、配信ユーザーの指示に応じてそのゲームの画面を表す映像を配信する。以下では、映像配信部51が配信するゲーム画面を含んだ映像を配信映像Mと表記する。配信映像Mは、表示装置15の表示領域に表示されて配信ユーザーに提示されるゲーム画面と同じ内容の動画像、及びスピーカーから再生されてユーザーに提示されるゲーム音声を含んだ映像であるものとする。なお、本実施形態において映像配信部51は、配信映像Mを一旦サーバ装置20に送信する。
【0020】
映像配信部51は、ゲーム画面を含む配信映像Mとともに、ゲームをプレイ中の配信ユーザーの様子をカメラで撮影して得られる動画像や、配信ユーザーの発話内容をマイクロホンで録音して得られる音声を含んだ映像を、併せて配信してもよい。以下では、配信ユーザーを撮影ないし録音して得られる映像を、ユーザー映像UMと表記する。
【0021】
配信映像選択画面提示部52は、そのクライアント装置10のユーザーが視聴ユーザーとして他者が配信する映像を視聴しようとする場合に、配信映像選択画面MSを描画し、表示装置15の表示領域に表示する。配信映像選択画面MSは、その画面が表示されるタイミングで配信中の複数の配信映像Mを視聴ユーザーに選択させるための画面であって、各配信映像Mを表すサムネイル画像TIを含んでいる。サムネイル画像TIは、配信映像Mのスクリーンショットなどの静止画像であってよい。さらにこのサムネイル画像TIは、所定時間おきに別のスクリーンショットなどに更新されてもよい。
【0022】
また、配信映像選択画面提示部52は、各サムネイル画像TIに、その配信を行っているユーザーを表すユーザー画像UIを対応付けて表示する。ユーザー画像UIは、予め各ユーザーがサーバ装置20に対して登録したアバター画像や写真画像などであってよい。
【0023】
さらに配信映像選択画面提示部52は、視聴ユーザーがいずれかの配信映像Mを選択状態にした場合に、その配信映像Mのサムネイル画像TIに代えて、プレビュー映像PMを表示する。プレビュー映像PMは、実際に配信中の配信映像Mを縮小表示するものであってよい。視聴ユーザーは、配信映像選択画面MSが提示された状態において、プレビュー映像PMや後述する配信状況情報を確認しながら、自身が視聴したい配信映像Mを選択し、視聴開始を指示する操作を行う。この操作に応じて、後述する配信映像提示部53が選択された配信映像Mの表示を開始する。
【0024】
配信映像選択画面提示部52は、選択候補となる配信映像M、及びその配信を行っているユーザーの情報を、サーバ装置20から取得する。具体的に、配信映像選択画面MSの表示が視聴ユーザーによって指示された場合、配信映像選択画面提示部52は、サーバ装置20に対して現在配信中の配信映像Mについての問い合わせを行う。サーバ装置20はこの問い合わせに応じて、現配信中の配信映像Mについて、配信を行っている配信ユーザーのユーザー名やユーザー画像UI、配信映像Mに含まれるゲームの種類、配信映像Mのサムネイル画像TIなどの情報を、問い合わせを行ったクライアント装置10に送信する。配信映像選択画面提示部52は、このサーバ装置20から受信した情報を用いて、現在配信中の配信映像Mを視聴ユーザーに選択させるための配信映像選択画面MSを描画する。
【0025】
配信映像提示部53は、配信映像選択画面MSが提示された状態において視聴ユーザーがいずれかの配信映像Mを選択し、その視聴を開始する指示を行った場合に、当該配信映像Mの再生を開始する。具体的に配信映像提示部53は、サーバ装置20に対して選択された配信映像Mの配信要求を送信する。サーバ装置20は、この配信要求に応じて、要求された配信映像Mを要求元のクライアント装置10に対して配信する。配信映像提示部53は、サーバ装置20から配信される配信映像Mを受信して、表示装置15の表示領域に表示させる。また、配信映像提示部53は、配信映像Mとともに配信されているユーザー映像UMを、配信映像Mと並べて表示してもよい。
【0026】
さらに、配信映像提示部53は、配信映像Mの提示中、その配信映像Mに対するコメントの投稿を受け付ける。配信映像提示部53は、投稿されたコメントをサーバ装置20に送信する。また、配信映像提示部53は、その配信映像Mに対して投稿された他の視聴ユーザーからのコメントをサーバ装置20から受信し、随時表示装置15の表示領域に表示する。これにより、視聴ユーザーは、配信映像Mを視聴しながら、随時投稿される他の視聴ユーザーのコメントをリアルタイムで閲覧したり、自身も配信ユーザーや他の視聴ユーザー宛てにコメントを投稿したりすることができる。
【0027】
配信状況情報提示部54は、配信映像選択画面提示部52が配信映像選択画面MSを提示する際に、各配信映像Mを表す画像(サムネイル画像TI又はプレビュー映像PM)と関連づけて、その配信映像Mの配信状況を示す配信状況情報を提示する。より具体的に、配信状況情報提示部54は、配信映像選択画面MSで提示される各配信映像Mについて、配信状況情報として、配信映像Mの視聴者数を示す情報をサーバ装置20から取得する。視聴者数は、その時点で現に配信映像Mを視聴している視聴ユーザーの総数であってもよいし、配信映像Mの配信が開始されてから現時点までの累計視聴ユーザー数であってもよい。
【0028】
視聴者数を示す情報を取得した配信状況情報提示部54は、各配信映像Mの視聴者数を表す画像(以下、視聴者画像VIという)を、対応する配信映像Mのサムネイル画像TIと関連づけて表示する。この視聴者画像VIは、視聴者を表す複数の単位画像を含み、この単位画像の数で視聴者数を表現する画像であるものとする。配信状況情報提示部54は、サーバ装置20から取得した実際の視聴者数に応じて表示する単位画像の数を決定し、決定された数の単位画像を含む視聴者画像VIをサムネイル画像TIの周囲に表示する。具体的に視聴者画像VIは、配信映像Mの視聴者数が多ければ多いほど、多数の単位画像を含むものとする。複数の単位画像は、サムネイル画像TIの外周に沿ってその周囲に配置される。視聴者画像VIをサムネイル画像TIの外側に配置することで、視聴者画像VIがサムネイル画像TIを隠蔽しないようにすることができる。
【0029】
図3は、このような複数の単位画像を含む視聴者画像VIがサムネイル画像TIの上辺に知って配置された配信映像選択画面MSの一例を示している。図3の例では、各単位画像は円形の形状を有するドット画像であって、各ドット画像の位置、及び大きさはランダムに決定されている。各ドット画像の位置をランダムに決定することで、視聴者が点在している様子を表現できる。また、ドット画像の大きさをランダムに決定することで、奥行き方向にも様々な位置に視聴者が点在しているかのように演出することができる。さらに配信状況情報提示部54は、このドット画像の位置、及び大きさが、時間とともにランダムに変化する様子をアニメーションとして表示してもよい。このように位置や大きさをランダムに変化させることにより、単なるドット画像が群衆であるかのように演出することができる。図3の例では、視聴者画像VIのほかに、視聴者数そのものもサムネイル画像TIの左上に表示されている。しかしながら視聴ユーザーは、視聴者画像VIによって、数字を読み取らずとも直感的に各配信映像Mの視聴者数が多いか少ないかを把握できる。
【0030】
なお、各配信映像Mに対して一度に表示する単位画像の数には、上限を設けてもよい。この場合、所定数を超える視聴者が視聴中の配信映像Mについては、予め定められた数(最大数)の単位画像を視聴者画像VIとして表示し、それ以上視聴者数が増えても単位画像の数を変化させないこととする。あるいは、配信映像選択画面MSで提示される配信映像Mのうち視聴者数が最大のものを単位画像の最大数に対応させることとして、その他の配信映像Mについて表示される単位画像の数は、最大の視聴者数に対する単位画像の最大数の比と同じ比になるように決定してもよい。また、多数の視聴者数が配信映像Mを視聴している場合、単位画像の数を増やすだけでなく、単位画像の大きさの幅(最大値と最小値との差異)を大きくすることによって、奥行き方向に多数の人がいるかのように演出してもよい。
【0031】
さらに配信状況情報提示部54は、各配信映像Mの配信状況を示す情報として、当該配信映像Mに対してコメントが投稿されたことを示す画像(以下、コメント画像CIという)を表示する。このコメント画像CIは、その配信映像Mに対してコメントが投稿されたタイミングに応じたタイミングでポップアップ表示され、所定時間が経過すると消去される。このコメント画像CIには、コメントの内容自体は含まれなくともよい。このようなコメント画像CIを表示することで、視聴ユーザーは頻繁にコメントが投稿されている配信映像Mを容易に把握することができる。また、図3の例ではコメント画像CIは吹き出しの形状をしており、視聴者画像VIのさらに上方(視聴者画像VIから見てサムネイル画像TI側と逆側)に表示されている。このようにコメント画像CIを視聴者画像VIに隣接する位置に表示することで、視聴者がコメントを発言している様子を表すことができる。また、コメント画像CIをサムネイル画像TI側と逆側に表示することで、コメント画像CIによってサムネイル画像TIが隠蔽されないようにすることができる。
【0032】
また、図3の例では、配信ユーザーの属性を示す情報が、ユーザー画像UIとともに表示されている。具体的に、図3の例においてユーザー画像UIは、サムネイル画像TIの上辺中央近傍に、一部サムネイル画像TIと重なるように配置されている。そして、一部のユーザー画像UIの上部には、王冠を模した画像が重ねて配置され、その内部に数字が表示されている。この画像は、過去のゲーム大会におけるランキングや視聴者数ランキングなどの所定のランキングにおける順位が高い配信ユーザーと、その順位を示している。また、一部のユーザー画像UIの下部には、その配信ユーザーの属性や獲得した実績などを示すバッジを模した画像が1又は複数個配置されている。このようなランキングや属性、実績などに関する情報は、いずれもサーバ装置20によって管理され、各クライアント装置10に提供されてよい。
【0033】
さらに、配信状況情報提示部54は、プレビュー映像PMが表示された状態では、そのプレビュー映像PMに対応する配信映像Mの配信状況について、より詳細な情報を表示することとする。図4は、このようなプレビュー映像PMが表示された状態の配信映像選択画面MSの一例を示している。
【0034】
図4に示されるように、プレビュー映像PMが表示された状態では、視聴者画像VIに含まれる単位画像が、ドット画像から実際にその配信映像Mを視聴中の視聴ユーザーのユーザー画像UIに変更される。このユーザー画像UIは、配信ユーザーのユーザー画像UIと同様に、各視聴ユーザーによって予めサーバ装置20に登録されたアバター画像などであってよい。ドット画像の場合と同様に、このユーザー画像UIによって構成される視聴者画像VIも、視聴者数が多いほど含まれるユーザー画像UIの数が多くなる。これにより、視聴ユーザーは視聴者数が多い配信映像Mを直感的に把握できる。
【0035】
なお、プレビュー映像PMに対する相対的な視聴者画像VIの表示位置は、プレビュー映像PM表示前におけるサムネイル画像TIに対する相対的な視聴者画像VIの表示位置と同じ位置にすることが望ましい。これにより視聴ユーザーは、プレビュー映像PMの表示前後を見比べることで、視聴者画像VIに含まれるドット画像とユーザー画像UIがともに視聴者を表現していることを容易に理解することができる。具体的に図4の例では、図3でサムネイル画像TIの上辺に沿って視聴者画像VIが配置されていたのと同様に、プレビュー映像PMの上辺に沿ってプレビュー映像PM自体には重ならないように視聴者画像VIが配置されている。
【0036】
詳細表示が行われる場合に視聴者画像VIに含まれるユーザー画像UIは、実際に対応する配信映像Mを視聴している視聴ユーザーのうち、所与の基準に従って選択された視聴ユーザーのユーザー画像UIであってよい。この場合に表示対象となるユーザー画像UIを選択するための所与の基準としては、例えばコメントの投稿数が多い視聴ユーザーを選択する、情報処理システム1が提供するサービスの利用量やサービスに対する支払金額の多いユーザーを選択する、などの基準が挙げられる。また、各ユーザーによるゲームのプレイ状況(ゲームで所定条件を満たした際に獲得可能なトロフィーの獲得数など)に関する基準を使用してもよい。いずれの場合にも、サーバ装置20は、このような基準に従ってユーザー画像UIを選択するために必要な情報を管理し、各クライアント装置10からの要求を受け付けた場合には表示対象とする視聴ユーザーをこのような基準に従って選択し、選択された視聴ユーザーのユーザー画像UIを要求元のクライアント装置10に対して送信する。
【0037】
また、配信状況情報提示部54は、プレビュー映像PMが表示される場合、配信ユーザーのユーザー画像UIに代えて、ユーザー映像UMの一部分を再生表示してもよい。具体的に図4では、図3において配信ユーザーのユーザー画像UIが表示されていた領域(ここではユーザー表示領域という)内に、同じ配信ユーザーが配信中のユーザー映像UMが動画像として再生表示される。このとき、ユーザー表示領域内に表示されるのは、ユーザー映像UMの全体ではなく、一部であるものとする。ユーザー表示領域内に表示される部分は、配信ユーザーの顔が映っている部分であってよい。具体的に、配信状況情報提示部54は、プレビュー映像PMを表示する際にサーバ装置20からユーザー映像UMの配信を併せて受け付けて、その映像内に含まれる顔領域を認識する。そして、認識された顔領域に外接する所定形状(例えば円形)の領域をクリッピングして、ユーザー表示領域内に表示する。これにより視聴ユーザーは、配信ユーザーが配信している様子を確認しながら、視聴する配信映像Mを選択できる。さらに、ユーザー映像UMをそれまでユーザー画像UIが表示されていたユーザー表示領域内にユーザー画像UIの代わりに表示することで、ユーザー表示領域に表示されているのが配信ユーザーであることを視聴ユーザーは容易に把握することができる。また、ユーザー映像UMを表示するための領域を別途確保する必要がないので、プレビュー映像PMの表示を妨げにくい態様でユーザー映像UMを表示することができる。
【0038】
さらに、配信状況情報提示部54は、プレビュー映像PMが表示された状態において当該プレビュー映像PMに対応する配信映像Mに対してコメントが投稿された場合、そのコメントについて詳細な情報を表示することとする。具体的に配信状況情報提示部54は、吹き出しを模したコメント画像CIに代えて、そのコメントの内容(メッセージ)そのものをプレビュー映像PMの外側に表示する。この場合にも、コメント画像CIと同様、コメントの内容は視聴者画像VIから見てプレビュー映像PMと反対側に表示されてよい。さらに、配信状況について詳細な情報を表示する場合、コメントの内容とともにそのコメントを投稿したユーザーを示す情報を視聴ユーザーに提示してもよい。
【0039】
図5は、図4に例示したようなプレビュー映像PMが表示されている状態において、対応する配信映像Mに対してコメントが投稿された場合の表示例を示している。この図の例では、コメントの内容「Great!」が視聴者画像VIの上方に表示されるとともに、そのコメントの下方において視聴者画像VIに含まれるユーザー画像UIのうち、実際にそのコメントを投稿したユーザーのユーザー画像UIxがそれまで表示されていた位置より上方にシフトする様子がアニメーション表示される。これにより、そのユーザー画像UIxが表すユーザーがコメントの内容を投稿した様子を表現でき、視聴ユーザーは誰がそのコメントを投稿したのかを把握できる。なお、それまでユーザー画像UIが表示されていなかったユーザーがコメントを投稿した場合、そのコメントを投稿したユーザーのユーザー画像UIを新たに表示するとともに、投稿されたコメントの内容を表示してもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係るクライアント装置10によれば、これから視聴する配信映像Mを視聴ユーザーに選択させるための配信映像選択画面MSを提示する場合に、選択候補となる配信映像Mそれぞれの配信状況を視聴ユーザーにとって分かり易い態様で提示することができる。
【0041】
なお、本発明の実施の形態は以上説明したものに限られない。例えば以上の説明における配信映像選択画面MSのレイアウトや表示内容は、いずれも例示に過ぎない。また、配信状況情報提示部54が提示する配信状況情報の内容や配置も、以上説明したものに限られない。例えば視聴者画像VIに含まれる単位画像は、ドット画像に限らず、例えば人型の画像など、様々な形状であってよい。また、単位画像としてアバター画像を表示する場合に、このアバター画像は実際にその配信映像Mを視聴中のユーザーに関連づけられたユーザー画像UIではなく、予め用意された候補画像から選択されたものであってもよい。また、視聴者画像VIの配置位置はサムネイル画像TIやプレビュー映像PMの上辺に限らず、その他の辺に沿って配置されてもよい。また、以上の説明においては、プレビュー映像PMとともに配信状況情報を表示するまでは、配信映像選択画面MSには各配信映像Mに対応する静止画のサムネイル画像TIを表示することとしたが、このサムネイル画像TIに代えてプレビュー映像PMを最初から表示してもよい。
【0042】
また、以上の説明においてサーバ装置20が実行することとした処理の少なくとも一部は、クライアント装置10が実行してもよい。また、以上の説明において単体のサーバ装置20が実行することとした処理の内容は、複数のサーバ装置によって実現されてもよい。例えば以上の説明では配信ユーザーや視聴ユーザーの管理と配信映像Mの配信の双方をサーバ装置20が実行することとしたが、配信映像Mの配信はサーバ装置20とは別の配信用サーバによって実現されてもよい。この場合、配信を行うクライアント装置10は、配信の開始時や終了時などのタイミングで、配信の状況をサーバ装置20に通知することとし、サーバ装置20は通知された情報に基づいて各クライアント装置10による配信状況を管理することとする。また、各クライアント装置10は、サーバ装置20や他の配信用サーバを介さずに、他のクライアント装置10に対して直接配信映像Mを配信してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 情報処理システム、10 クライアント装置、11 制御部、12 記憶部、13 インタフェース部、14 操作デバイス、15 表示装置、20 サーバ装置、51 映像配信部、52 配信映像選択画面提示部、53 配信映像提示部、54 配信状況情報提示部。
図1
図2
図3
図4
図5