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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】プランジャインターフェース
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/06 20060101AFI20221118BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H01H13/06 B
H01H9/04 D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021505737
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019044403
(87)【国際公開番号】W WO2020028524
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】16/050,015
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ディー・ゴンザルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】セス・マン
(72)【発明者】
【氏名】アレン・ティー・グラフ
(72)【発明者】
【氏名】エドガルド・アリセア
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102009029825(DE,B3)
【文献】独国特許出願公開第19640479(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1233434(EP,A2)
【文献】特開2015-025261(JP,A)
【文献】特開平05-266752(JP,A)
【文献】特開2017-174712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0042192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/06
H01H 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャとインターフェースするための構造体であって、前記プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、前記ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、前記ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されており、前記構造体が、
前記ハウジング内に前記プランジャを維持するために、前記プランジャとインターフェースするように構築及び配置されている、弾性部分と、
前記弾性部分に結合され、前記ハウジング内に前記構造体を捕捉するために、前記ハウジングとインターフェースするように構築及び配置されている、硬質部分と、を備え、
前記プランジャが、前記プランジャ内の円周方向の溝を備え、前記弾性部分が、前記溝内に着座するリングを備え、
前記構造体が、前記リングと前記溝との間のインターフェースに接着性物質を更に備える、構造体。
【請求項2】
前記ハウジングが、ポケットを備え、前記構造体が、前記ポケット内に嵌められるように構築及び配置されている、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記ポケットが、シール面を画定し、前記弾性部分が、前記シール面に対して面シールされる、請求項に記載の構造体。
【請求項4】
前記ポケットが、対向する側壁を更に画定し、前記硬質部分が、前記側壁に当接する、請求項に記載の構造体。
【請求項5】
前記硬質部分が、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記弾性部分が、前記フレームの前記頂部面の上に重なる面部分と、前記フレームの前記内周に当接し、前記フレームの前記深さよりも小さい深さを有する、内側部分と、を備える、請求項に記載の構造体。
【請求項7】
前記フレームの前記内周が、複数の離間した溝を備え、前記複数の離間した溝が、前記フレームの前記頂部面に開いており、前記フレームの前記深さよりも小さい深さを有し、前記弾性部分の前記内側部分が、前記フレームの前記離間した溝内に嵌められる一様な複数の離間した突出部分を備える、請求項に記載の構造体。
【請求項8】
前記弾性部分の前記面部分が、面取りされた縁部を含む頂部面を有する、請求項に記載の構造体。
【請求項9】
前記弾性部分の前記内側部分が、ボアを画定し、前記プランジャが、前記ボアを通って通過する、請求項に記載の構造体。
【請求項10】
前記ボアを画定する前記弾性部分の前記内側部分が、前記プランジャに当接する面取り部を備える、請求項に記載の構造体。
【請求項11】
前記弾性部分及び前記硬質部分が両方ともプラスチック材料を含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項12】
前記弾性部分と前記硬質部分とが、一体である、請求項1に記載の構造体。
【請求項13】
前記弾性部分及び前記硬質部分が、インサート成形によって製造されている、請求項1に記載の構造体。
【請求項14】
前記弾性部分及び前記硬質部分が、ツーショット成形によって製造されている、請求項1に記載の構造体。
【請求項15】
前記弾性部分が、エラストマー材料を含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項16】
前記エラストマー材料が、シリコーン材料を含む、請求項15に記載の構造体。
【請求項17】
前記弾性部分が、10ショアA~80ショアAの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の構造体。
【請求項18】
前記硬質部分が、ガラス充填ナイロン材料を含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項19】
前記弾性部分が、前記プランジャとの第1のシールと、前記ハウジングとの第2のシールとを作り出すように更に構築及び配置されており、前記第1及び第2のシールが両方とも耐水性である、請求項1に記載の構造体。
【請求項20】
プランジャとインターフェースするための一体の構造体であって、前記プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、前記ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、前記ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されており、前記プランジャが、凹部を備え、前記構造体が、
弾性部分であって、前記弾性部分が、エラストマー材料を含み、かつ前記ハウジング内に前記プランジャを維持するために、前記プランジャとインターフェースし、前記プランジャに対して耐水性シールを作り出すように構築及び配置されており、前記弾性部分が、前記プランジャの前記凹部内に部分的に位置する、弾性部分と、
硬質部分であって、前記硬質部分が、プラスチック材料を含み、かつ前記弾性部分に結合され、前記ハウジング内に前記構造体を捕捉するために、前記ハウジングとインターフェースするように構築及び配置されており、前記硬質部分が、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備える、硬質部分と、を備え、
前記弾性部分が、前記フレームの前記頂部面の上に重なる面部分と、前記フレームの前記内周に当接する内側部分と、を備え、前記弾性部分が、前記ハウジングに対して耐水性シールを作り出
前記凹部が、前記プランジャ内の円周方向の溝を備え、前記弾性部分が、前記溝内に着座するリングを備え、
前記構造体が、前記リングと前記溝との間のインターフェースに接着性物質を更に備える、一体の構造体。
【請求項21】
プランジャとインターフェースするための一体の構造体であって、前記プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、前記ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、前記ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されており、前記ハウジングが、対向する側壁を有するポケットと、シール面と、を備え、前記プランジャが、円周方向の溝を備え、前記構造体が、
弾性部分であって、前記弾性部分が、エラストマー材料を含み、かつ前記ハウジング内に前記プランジャを維持するために、前記プランジャとインターフェースするように構築及び配置されており、前記弾性部分が、前記プランジャの前記溝内に着座するリングと、前記ポケットの前記シール面に対して面シールされる面と、を備える、弾性部分と、
硬質部分であって、前記硬質部分が、プラスチック材料を含み、かつ前記弾性部分に結合され、前記ハウジング内に前記構造体を捕捉するために、前記ハウジングの前記ポケット内に嵌められるように構築及び配置されており、前記硬質部分が、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備える、硬質部分と、を備え、
前記弾性部分が、前記フレームの前記頂部面の上に重なる面部分と、前記フレームの前記内周に当接し、前記フレームの前記深さよりも小さい深さを有する、内側部分と、を更に備え、前記弾性部分の前記内側部分が、ボアを画定し、前記プランジャが、前記ボアを通って通過し、前記弾性部分が、前記プランジャ及び前記ハウジングに対して耐水性シールを作り出
前記構造体が、前記リングと前記溝との間のインターフェースに接着性物質を更に備える、一体の構造体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、プランジャとハウジングとをインターフェースする構造体に関する。
【0002】
移動可能なプランジャを使用して、ハウジング内に位置するスイッチを操作することができる。例えば、ヘッドホンは通常、オンオフ及び使用モードなどの特定の機能を制御するために、少なくとも1つのユーザ操作可能なスイッチを有する。一部のスイッチは、操作面が押し下げられることによって操作され、操作面は、押す力が解除されたときに、その休止位置に自動的に戻る。このタイプのスイッチがハウジング又は他の構造体の内側に位置する場合、プランジャをスイッチアクチュエータとして使用することができる。定位置にプランジャを保持し、プランジャの出入りの動きを可能にするためのいくつかの構造体が必要とされている。プランジャがハウジングの外側に露出している場合、プランジャのための、ハウジング内の開口部が存在する必要がある。この開口部は、デバイスの操作に対して有害な影響を有し得る、粉塵、湿気、及び他の汚染物質の侵入点になり得る。
【発明の概要】
【0003】
下記で言及される全ての例及び特徴は、技術的に可能な任意の方法で組み合わせることができる。
【0004】
一態様では、プランジャとインターフェースするための構造体であって、プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されている、構造体は、ハウジング内にプランジャを維持するために、プランジャとインターフェースするように構築及び配置されている、弾性部分と、弾性部分に結合され、ハウジング内に構造体を捕捉するために、ハウジングとインターフェースするように構築及び配置されている、硬質部分と、を含む。
【0005】
実施形態は、下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。プランジャは、凹部を備えることができ、弾性部分は、プランジャの凹部内に部分的に位置し得る。凹部は、プランジャ内の円周方向の溝を備えることができ、弾性部分は、溝内に着座するリングを備え得る。構造体は、リングと溝との間のインターフェースに接着性物質を更に含み得る。ハウジングは、ポケットを備えることができ、構造体は、ポケット内に嵌められるように構築及び配置され得る。ポケットは、シール面を画定し得、弾性部分は、シール面に対して面シールされ得る。ポケットは、対向する側壁を更に画定し得、硬質部分は、側壁に当接し得る。
【0006】
実施形態は、上記及び/又は下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。硬質部分は、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備え得る。弾性部分は、フレームの頂部面の上に重なる面部分と、フレームの内周に当接し、フレームの深さよりも小さい深さを有する、内側部分と、を備え得る。フレームの内周は、複数の離間した溝を備えることができ、複数の離間した溝は、フレームの頂部面に開いており、フレームの深さよりも小さい深さを有し、弾性部分の内側部分は、フレームの離間した溝内に嵌められる一様な複数の離間した突出部分を備え得る。弾性部分の面部分は、面取りされた縁部を含む頂部面を有し得る。弾性部分の内側部分は、ボアを画定し得、プランジャは、ボアを通って通過し得る。ボアを画定する弾性部分の内側部分は、プランジャに当接する面取り部を備え得る。
【0007】
実施形態は、上記及び/又は下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。弾性部分及び硬質部分は両方ともプラスチック材料を含み得る。弾性部分と硬質部分とが、一体であってもよい。弾性部分及び硬質部分は、インサート成形によって製造され得る。弾性部分及び硬質部分は、ツーショット成形によって製造され得る。弾性部分は、エラストマー材料を含み得、エラストマー材料は、シリコーン材料であってもよい。弾性部分は、10ショアA~80ショアAの範囲の硬度を有し得る。硬質部分は、ガラス充填ナイロン材料を含み得る。弾性部分は、プランジャとの第1のシールと、ハウジングとの第2のシールとを作り出すように更に構築及び配置することができ、第1及び第2のシールは両方とも耐水性である。
【0008】
別の態様では、プランジャとインターフェースするための一体の構造体であって、プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されており、プランジャが、凹部を備える、一体の構造体は、弾性部分であって、弾性部分が、エラストマー材料を含み、かつハウジング内にプランジャを維持するために、プランジャとインターフェースし、プランジャに対して耐水性シールを作り出すように構築及び配置されており、弾性部分が、プランジャの凹部内に部分的に位置する、弾性部分と、硬質部分であって、硬質部分が、プラスチック材料を含み、かつ弾性部分に結合され、ハウジング内に構造体を捕捉するために、ハウジングとインターフェースするように構築及び配置されており、硬質部分が、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備える、硬質部分と、を備える。弾性部分は、フレームの頂部面の上に重なる面部分と、フレームの内周に当接する内側部分と、を備え、弾性部分は、ハウジングに対して耐水性シールを作り出す。
【0009】
別の態様では、プランジャとインターフェースするための一体の構造体であって、プランジャが、ハウジングの外側に露出しており、ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されており、ハウジングが、対向する側壁を有するポケットと、シール面と、を備え、プランジャが、円周方向の溝を備える、一体の構造体は、弾性部分であって、弾性部分が、エラストマー材料を含み、かつハウジング内にプランジャを維持するために、プランジャとインターフェースするように構築及び配置されており、弾性部分が、プランジャの溝内に着座するリングと、ポケットのシール面に対して面シールされる面と、を備える、弾性部分と、硬質部分であって、硬質部分が、プラスチック材料を含み、かつ弾性部分に結合され、ハウジング内に構造体を捕捉するために、ハウジングのポケット内に嵌められるように構築及び配置されており、硬質部分が、頂部面、内周、及び深さを有する、フレームを備える、硬質部分と、を備える。弾性部分は、フレームの頂部面の上に重なる面部分と、フレームの内周に当接し、フレームの深さよりも小さい深さを有する、内側部分と、を更に備え、弾性部分の内側部分は、ボアを画定し、プランジャは、ボアを通って通過し、弾性部分は、プランジャ及びハウジングに対して耐水性シールを作り出す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】プランジャによって操作されるスイッチを有するハウジングの部分図であり、プランジャのインターフェース構造体は、ハウジング内に位置する。
図2】プランジャのインターフェース構造体を受容するポケットを示す。
図3】プランジャを示す。
図4A】プランジャとインターフェースするための構造体の正面図である。
図4B】プランジャとインターフェースするための構造体の背面図である。
図5図4A及び図4Bの構造体の硬質部分の頂部斜視図である。
図6図4A及び図4Bの構造体の弾性部分の背面斜視図である。
図7図1の線7-7に沿ってとられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本構造体は、ハウジングの外側に露出しており、ハウジングの内側に位置するスイッチを操作するために、ハウジングに対して押し込まれるように構築及び配置されている、プランジャとインターフェースする。構造体は、プランジャを移動させるのに必要な力を実質的に変更することなく、ハウジング内にプランジャを維持するために、プランジャとインターフェースする、弾性部分を含む。構造体はまた、弾性部分に結合され、かつハウジング内に構造体を捕捉するために、ハウジングとインターフェースする、硬質部分を含む。弾性部分はまた、好ましくは、プランジャのための開口部を通じたハウジング内への粉塵及び湿気汚染の侵入を抑制するために、プランジャ及びハウジングの両方に対して耐湿性及び防粉塵シールを提供する。一体の構造体は、例えば、インサート成形又はツーショット成形によって作製され得る。
【0012】
図1は、本開示の構造体の1つの非限定的な使用の部分図である。構造体10は、プランジャ50と、ハウジング外表面102を有するハウジング100とをインターフェースする。この非限定的な実施例では、ハウジング100は、メガネヘッドホンのテンプルの一部であり、メガネのように装着されるように設計されており、耳に音を提供するように配置された電気音響変換器(図示せず)を有する。本明細書に記載の態様及び実装形態は、ヘッドホン(オンイヤ型又はオフイヤ型にかかわらず)、ヘッドセット、腕時計、メガネ、首装着型スピーカ、肩装着型スピーカ、身体装着型スピーカなどのような様々なフォームファクタのウェアラブルオーディオデバイスなどの多種多様なデバイスに適用可能であり得る。特に指定のない限り、本明細書で使用される場合、ウェアラブルオーディオデバイスという用語には、ヘッドホン、及び音を生成するための1つ以上の音響ドライバを含む頭部装着型、肩装着型、又は身体装着型の音響デバイスなどの他の様々なタイプのパーソナルオーディオデバイスが含まれる。開示されるいくつかの特定の態様は、特に、インイヤ型ヘッドホン(イヤホンとも称される)、メガネ、又は他のヘッドマウントオーディオデバイスなどのパーソナル(ウェアラブル)オーディオデバイスに適用可能であり得る。本明細書に記載の態様及び実装形態はまた、デバイスの機能を制御するためのユーザ操作可能なスイッチを有する、任意のタイプのデバイスに適用可能であり得る。オーディオを音響的に出力する目的を主に果たすスピーカシステムの具体的な実装形態は、ある程度の詳細が提示されているが、そのような特定の実装形態の提示は、実施例の提供を通じて理解を容易にすることを意図するものであり、開示の範囲又は特許請求の範囲のいずれかを限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0013】
プランジャ50は、内側端部53(図3を参照)により、マウント70によって担持されるスイッチ60が押し下げられ、それにより操作されるように、ハウジング面102に対して押し込まれるように構成することができ、マウント70は、それ自体が、ハウジング100の内側に位置するプリント回路基板80によって担持される。プランジャ50の露出面51(図3を参照)は、ハウジング100の外側に位置する。スイッチ60は、任意の既知の様式で操作することができ、かつ任意の所望の様式で機能し得る。1つの非限定的な実施例では、スイッチを使用して、メガネヘッドホンの機能(例えば、メガネヘッドホンの電源のオン/オフ、メガネヘッドホンからのオーディオ再生の再生/一時停止、音量の変更、又はメガネヘッドホンから再生されているトラックの修正など)を選択することができる。
【0014】
図2に示されるように、ハウジング100は、中を通ってプランジャ50のシャフト52(図3を参照)が通過するボア44を有する。ボア44はハウジング外表面102まで延在するため、ボアは、粉塵、水、及び汗などの外来物質のハウジング内への侵入点になり得る。構造体10は、ハウジング内への汚染物質の侵入を抑制するために、プランジャをシールするように構築及び配置され得る。1つの非限定的な実施例では、このシールは、構造体10の弾性部分30を使用して達成される。弾性部分30は、例えば、図4A図4B、及び図6に示されている。弾性部分30はまた、ハウジング内にプランジャを維持するために、プランジャ50とインターフェースするように構築及び配置され得る。構造体10はまた、弾性部分に結合され、ハウジング内に構造体を捕捉及び保持するために、ハウジングとインターフェースするように構築及び配置されている、硬質部分12(例えば、図5に示される)を含み得る。
【0015】
図面に詳述される実施例では、弾性部分は、プランジャとの第1のシールと、ハウジングとの別個の第2のシールと、を作り出すように構築及び配置されている。1つの非限定的な実施例では、第1及び第2のシールは両方とも耐水性であり、IEC規格IPX4(防沫)又はIPX7(30秒間1メートルまで潜水可能)を満たすことができる。シールはプランジャ及びハウジングのうちの1つのみに行われ得るため、プランジャ及びハウジングの両方をシールするために弾性部分を使用する必要はない。また、汚染又は液体に対する耐性などのシールの特定の結果は、限定されない。
【0016】
1つの非限定的な実施例では、弾性部分は、以下のようにプランジャにシールされ得る。プランジャ50は、凹部54を有し得、弾性部分は、プランジャの凹部内に部分的に位置し得る。図3に示されるように、凹部は、プランジャのシャフト内に円周方向の溝を備え得る。弾性部分30は、溝内に着座するリング31を備え得る。弾性部分30の内側部分34は、プランジャを移動させるのに必要な力を実質的に変更することなく、プランジャが内外に移動することを可能にするために、スイッチの(図7の矢印110によって描かれるような)動きの方向に十分な適合性を有する。プランジャが移動するにつれてリング31が溝54から滑り落ちることを更に抑制するために、リング31とプランジャ50とのインターフェース(すなわち、リングと溝との間)の一部又は全てに接着剤72が位置し得る。
【0017】
構造体10は、任意の所望の方法でハウジング内に保持され得る。構造体10のハウジングへの結合の1つの非限定的な実施例を図面に示す。ハウジング100は、内部ポケット48を含み、構造体10は、ポケット内に嵌められるように構築及び配置され得る。ポケット48は、例えば、図2に示されており、ボア44含むハウジングの一部にシール面43を画定し得る。ポケット48はまた、側壁41及び42と、端壁46と、を含むことができ、これにより、プランジャのための開口部45を画定する。ポケットは、定位置に構造体10を保持するようにサイズ決め及び形状決めされている。好ましくは、必ずしもそうではないが、構造体10の硬質部分12もまた、ポケットの側壁41及び42とインターフェースする。構造体10は、ポケット48の開いた頂部内に押し込まれ得る。部分12のスタンドオフ23及び24は、ポケットの底部壁47と接触して、ポケット内に構造体10を着座させるのを助ける。スタンドオフはまた、ポケット48内に構造体10を挿入する人物が、構造体の頂部と底部とを区別するのを助け、それにより、構造体10が、ポケット内で適切に向けられる。好ましくは、必ずしもそうではないが、構造体10は、構造体10の弾性部分30とハウジングとの間に締まり嵌めを作り出すことによって、ハウジング100にシールされる。例示の実施例では、このシールは、弾性部分30の面部分33の上部面32とポケット48の内部シール面43との間の面シールで達成される。図7を参照されたい。
【0018】
弾性部分30は、1つ以上のシール機能を実施するので、シールを容易にするために圧縮され得る比較的軟質の材料から作製されていることが好ましい。1つの非限定的な実施例では、弾性部分は、シリコーンなどのエラストマーから作製されている。熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ウレタンを代替的に使用することができる。弾性部分は、10ショアA~80ショアAの範囲の硬度を有し得る。他の材料及び他の硬度を使用することができる。構造体10がポケット48内に押し込まれると、面32は、シール面43との締まり嵌めを形成する。面32は、軟質であるため、構造体10がポケット48内に挿入される際に、変形し、折り畳み又は引き裂きを受けやすい場合がある。構造体のポケット内への組み立ては、面部分33の面取りされた頂部縁部40を含めることによって容易にすることができる。
【0019】
弾性部分30は、好ましくは、上述のように、プランジャもシールする。弾性部分30の内側部分34は、ボア56を画定し得る。組み立て中、プランジャのシャフト52を、ボア56を通して押し込む必要がある。リング31は、プランジャの凹部54の表面に対して着座するように配置されているため、リング31は、シャフト52の外径よりも小さい内径を有する。したがって、シャフトがボアを通って押し込まれると、リング31は変形する。シャフトの挿入を容易にするために、面取り部39は、リング31の頂部面31aの内側縁部に沿って形成され得る。図4Aを参照されたい。リング31はまた、背面31bを有する。図4Bを参照されたい。
【0020】
図5の硬質部分12は、頂部面13と、内周14と、頂部面13と底部面22との間の深さと、を有する、フレームを備え得る。弾性部分の面部33は、フレームの頂部面13の上に重なる。弾性部分30はまた、フレームの内周14に当接し、フレームの深さよりも小さい深さを有する、内側部分34を含む。フレームの内周は、複数の離間した溝を備え得る(4つの溝15~18が例示されているが、4つよりも少ないか、又は4つよりも多い場合がある)。これらの溝は、フレームの頂部面13に開いていてもよく、フレームの深さよりも小さい深さを有し得る。溝16は、4つの同一のテーパ状の溝を例示しており、平坦な面19及び角度付き面20を含む。弾性部分30の内側部分34は、フレームの離間した溝内に嵌められる一様な複数の離間した突出部分35~38を備え得る。溝15~18のテーパ部は、フレーム内に弾性部分を着座させ、プランジャのシャフトがボア56を通って押し込まれると作り出される、弾性部分への下向きの力によって、弾性部分がフレームから押し出されるのを防ぐのに役立つ。
【0021】
1つの非限定的な実施例では、弾性部分及び硬質部分は両方ともプラスチック材料を含み得る。弾性部分及び硬質部分は、それらが一体構築物を形成するように一緒に結合され得る。弾性部分及び硬質部分は、インサート成形によって製造され得る。代替的に、弾性部分及び硬質部分は、ツーショット成形によって製造され得る。弾性部分は、エラストマー材料を含み得、エラストマー材料は、シリコーン材料であってもよい。弾性部分は、10ショアA~80ショアAの範囲の硬度を有し得る。硬質部分は、シリコーン材料に対して良好な付着性を示し、ひいては、一体構築物を作り出すことができる適切な硬質材料である、ガラス充填ナイロン材料を含み得る。
【0022】
複数の実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に記載される本発明の概念の範囲から逸脱することなく、追加の改変を行うことができ、したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内にあることが理解される。
【符号の説明】
【0023】
10 構造体
12 硬質部分
13 頂部面
14 内周
15 溝
16 溝
17 溝
18 溝
19 面
22 底部面
23 スタンドオフ
24 スタンドオフ
30 弾性部分
31 リング
31a 頂部面
31b 背面
32 上部面
33 面部分
34 内側部分
35 突出部分
36 突出部分
37 突出部分
38 突出部分
39 面取り部
40 頂部縁部
41 側壁
42 側壁
43 シール面
44 ボア
45 開口部
46 端壁
47 底部壁
48 ポケット
50 プランジャ
51 露出面
52 シャフト
53 内側端部
54 凹部
56 ボア
60 スイッチ
70 マウント
72 接着剤
80 プリント回路基板
100 ハウジング
102 ハウジング面
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7